JPH0833493A - L−アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents
L−アスパラギン酸の製造方法Info
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- JPH0833493A JPH0833493A JP12164895A JP12164895A JPH0833493A JP H0833493 A JPH0833493 A JP H0833493A JP 12164895 A JP12164895 A JP 12164895A JP 12164895 A JP12164895 A JP 12164895A JP H0833493 A JPH0833493 A JP H0833493A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 工業的に有利なL−アスパラギン酸の製造方
法の提供。 【構成】 フマル酸とアンモニア及び/又はフマル酸ア
ンモニウムからL−アスパラギン酸を生成せしめ、それ
を採取することによるアスパラギン酸の製造方法におい
て、反応前のフマル酸濃度を15〜25重量%とし、反
応後、L−アスパラギン酸に対して0.85〜1.2倍
モルのフマル酸を添加してL−アスパラギン酸を晶析せ
しめ、40℃以上の温度でL−アスパラギン酸の結晶を
採取し、母液を再利用することを特徴とする方法。 【効果】 純度の高いL−アスパラギン酸結晶を高回収
率で得ることができ、しかも多量のアンモニウム塩を含
有する廃液を副生しない。
法の提供。 【構成】 フマル酸とアンモニア及び/又はフマル酸ア
ンモニウムからL−アスパラギン酸を生成せしめ、それ
を採取することによるアスパラギン酸の製造方法におい
て、反応前のフマル酸濃度を15〜25重量%とし、反
応後、L−アスパラギン酸に対して0.85〜1.2倍
モルのフマル酸を添加してL−アスパラギン酸を晶析せ
しめ、40℃以上の温度でL−アスパラギン酸の結晶を
採取し、母液を再利用することを特徴とする方法。 【効果】 純度の高いL−アスパラギン酸結晶を高回収
率で得ることができ、しかも多量のアンモニウム塩を含
有する廃液を副生しない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フマル酸とアンモニア
又はフマル酸アンモニウムからL−アスパラギン酸を生
産する際に、反応済媒体からの母液をリサイクル使用す
ることによって、大量の硫酸アンモニウムなど鉱酸のア
ンモニウム塩を含んだ廃水が排出されないように改良さ
れた方法に関するものである。
又はフマル酸アンモニウムからL−アスパラギン酸を生
産する際に、反応済媒体からの母液をリサイクル使用す
ることによって、大量の硫酸アンモニウムなど鉱酸のア
ンモニウム塩を含んだ廃水が排出されないように改良さ
れた方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】L−アスパラギン酸はフマル酸とアンモ
ニア又はフマル酸アンモニウムを含有する基質媒体にア
スパルターゼ活性を有する酵素含有物を接触させること
によって生産されている。通常、この反応済み媒体から
L−アスパラギン酸を回収するためには、硫酸などの鉱
酸を用いて、反応済み媒体のpHをL−アスパラギン酸の
等電点であるpH2.7程度に調節後、冷却することによ
ってL−アスパラギン酸の結晶を析出させ、これを濾別
する方法がとられている。
ニア又はフマル酸アンモニウムを含有する基質媒体にア
スパルターゼ活性を有する酵素含有物を接触させること
によって生産されている。通常、この反応済み媒体から
L−アスパラギン酸を回収するためには、硫酸などの鉱
酸を用いて、反応済み媒体のpHをL−アスパラギン酸の
等電点であるpH2.7程度に調節後、冷却することによ
ってL−アスパラギン酸の結晶を析出させ、これを濾別
する方法がとられている。
【0003】この方法は安価な鉱酸を用いること、生産
物であるL−アスパラギン酸の結晶としての回収率が高
いこと、得られるL−アスパラギン酸の純度が高いこと
から工業的に用いられている有用な方法である。しかし
ながら、原料としてのアンモニアのロスが大きいこと、
高濃度の硫酸アンモニウムなど鉱酸のアンモニウム塩を
含有した廃水が大量に排出されるという問題点を有して
いる。水溶液中のアンモニウム塩の除去は廃水処理の面
でも非常に困難であり、湖沼や瀬戸内海などの内湾では
アンモニウム塩を含む窒素濃度が上昇することによる水
質汚染など問題が生じてきている。
物であるL−アスパラギン酸の結晶としての回収率が高
いこと、得られるL−アスパラギン酸の純度が高いこと
から工業的に用いられている有用な方法である。しかし
ながら、原料としてのアンモニアのロスが大きいこと、
高濃度の硫酸アンモニウムなど鉱酸のアンモニウム塩を
含有した廃水が大量に排出されるという問題点を有して
いる。水溶液中のアンモニウム塩の除去は廃水処理の面
でも非常に困難であり、湖沼や瀬戸内海などの内湾では
アンモニウム塩を含む窒素濃度が上昇することによる水
質汚染など問題が生じてきている。
【0004】米国特許4560653ではL−アスパラ
ギン酸の生産の際に反応済媒体にマレイン酸を添加して
酸性にすることによってL−アスパラギン酸を晶析さ
せ、濾液中のマレイン酸を異性化することによって反応
液のリサイクルを行う方法が提案されている。しかしな
がらこの方法では晶析に用いたマレイン酸を、臭素イオ
ンを含んだ触媒を用いて、アスパルターゼが作用できる
フマル酸に異性化し、異性化後、触媒を除去する工程が
含まれているため、工程が煩雑になっている。
ギン酸の生産の際に反応済媒体にマレイン酸を添加して
酸性にすることによってL−アスパラギン酸を晶析さ
せ、濾液中のマレイン酸を異性化することによって反応
液のリサイクルを行う方法が提案されている。しかしな
がらこの方法では晶析に用いたマレイン酸を、臭素イオ
ンを含んだ触媒を用いて、アスパルターゼが作用できる
フマル酸に異性化し、異性化後、触媒を除去する工程が
含まれているため、工程が煩雑になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、工程
が簡単であり、且つ多量のアンモニウム塩を排出しな
い、L−アスパラギン酸の製造方法を提供しようとする
ものである。
が簡単であり、且つ多量のアンモニウム塩を排出しな
い、L−アスパラギン酸の製造方法を提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
高濃度のアンモニウム塩を含有した廃水が大量に排出さ
れない、簡易なL−アスパラギン酸の製造方法について
鋭意検討を行った結果、意外にもL−アスパラギン酸の
原料であるフマル酸を硫酸などの鉱酸のかわりに用いて
L−アスパラギン酸の晶析を行うと、L−アスパラギン
酸モノアンモニウム塩とフマル酸との間で塩の交換が起
こり、L−アスパラギン酸とフマル酸モノアンモニウム
塩になり、酸性下で溶解度の低いL−アスパラギン酸が
結晶として分離できること、添加するフマル酸の量はL
−アスパラギン酸と大体当量用いると回収率が高くなる
こと、またフマル酸モノアンモニウム塩は低温では溶解
度がそれほど大きくないが、塩の交換、結晶の分離精製
の操作を加温下で行い、フマル酸モノアンモニウム塩の
溶解度が大きい条件下で操作することによって、フマル
酸モノアンモニウム塩のL−アスパラギン酸結晶への混
入を少なくすることができることを見いだし本発明を完
成させるに至った。
高濃度のアンモニウム塩を含有した廃水が大量に排出さ
れない、簡易なL−アスパラギン酸の製造方法について
鋭意検討を行った結果、意外にもL−アスパラギン酸の
原料であるフマル酸を硫酸などの鉱酸のかわりに用いて
L−アスパラギン酸の晶析を行うと、L−アスパラギン
酸モノアンモニウム塩とフマル酸との間で塩の交換が起
こり、L−アスパラギン酸とフマル酸モノアンモニウム
塩になり、酸性下で溶解度の低いL−アスパラギン酸が
結晶として分離できること、添加するフマル酸の量はL
−アスパラギン酸と大体当量用いると回収率が高くなる
こと、またフマル酸モノアンモニウム塩は低温では溶解
度がそれほど大きくないが、塩の交換、結晶の分離精製
の操作を加温下で行い、フマル酸モノアンモニウム塩の
溶解度が大きい条件下で操作することによって、フマル
酸モノアンモニウム塩のL−アスパラギン酸結晶への混
入を少なくすることができることを見いだし本発明を完
成させるに至った。
【0007】従って本発明はフマル酸とアンモニア及び
/またはフマル酸アンモニウムを含有する基質媒体にア
スパルターゼ活性を有する酵素含有物を作用せしめる反
応をフマル酸濃度15〜25重量%で行うことによりL
−アスパラギン酸を生成せしめ、次に該反応済み媒体に
含まれるL−アスパラギン酸に対して0.85〜1.2
倍モルのフマル酸を該反応済み媒体に添加することによ
りL−アスパラギン酸を析出させ、40℃以上の温度条
件下で、折出したL−アスパラギン酸の結晶を濾過、洗
浄することによってL−アスパラギン酸を採取し、次い
で母液と洗液にアンモニアを添加して基質媒体として再
使用することを特徴とするL−アスパラギン酸の製造方
法を提供する。
/またはフマル酸アンモニウムを含有する基質媒体にア
スパルターゼ活性を有する酵素含有物を作用せしめる反
応をフマル酸濃度15〜25重量%で行うことによりL
−アスパラギン酸を生成せしめ、次に該反応済み媒体に
含まれるL−アスパラギン酸に対して0.85〜1.2
倍モルのフマル酸を該反応済み媒体に添加することによ
りL−アスパラギン酸を析出させ、40℃以上の温度条
件下で、折出したL−アスパラギン酸の結晶を濾過、洗
浄することによってL−アスパラギン酸を採取し、次い
で母液と洗液にアンモニアを添加して基質媒体として再
使用することを特徴とするL−アスパラギン酸の製造方
法を提供する。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、L−アスパラギン酸の
製造に際して、アンモニウム塩を含有する大量の廃水を
排出せず、また反応済み媒体からの母液をリサイクルす
るため、結晶を分離した濾液中に溶解しているL−アス
パラギン酸も次のサイクルで回収できるので、原料基質
の有効利用が図られ、環境面でも経済面でも従来法より
有利なL−アスパラギン酸の製造方法を提供できる。
製造に際して、アンモニウム塩を含有する大量の廃水を
排出せず、また反応済み媒体からの母液をリサイクルす
るため、結晶を分離した濾液中に溶解しているL−アス
パラギン酸も次のサイクルで回収できるので、原料基質
の有効利用が図られ、環境面でも経済面でも従来法より
有利なL−アスパラギン酸の製造方法を提供できる。
【0009】
【具体的な説明】以下本発明の方法について実施態様を
説明するが、本発明はかかる実施態様のみに限定される
ものではない。本発明に用いるアスパルターゼ活性を有
する酵素含有物は、例えば、高アスパルターゼ活性を有
することが知られている大腸菌やBrevibacte
rium属の微生物などの菌体、あるいは超音波、摩
砕、凍結融解、酵素処理、界面活性剤処理などを施して
破砕した菌体破砕物、さらに硫酸アンモニウム塩析、ア
セトン沈澱等常法により得られる部分精製したもの、あ
るいはクロマトカラム等常法で得られる精製したもので
あり、そのいずれでも反応に使用できる。
説明するが、本発明はかかる実施態様のみに限定される
ものではない。本発明に用いるアスパルターゼ活性を有
する酵素含有物は、例えば、高アスパルターゼ活性を有
することが知られている大腸菌やBrevibacte
rium属の微生物などの菌体、あるいは超音波、摩
砕、凍結融解、酵素処理、界面活性剤処理などを施して
破砕した菌体破砕物、さらに硫酸アンモニウム塩析、ア
セトン沈澱等常法により得られる部分精製したもの、あ
るいはクロマトカラム等常法で得られる精製したもので
あり、そのいずれでも反応に使用できる。
【0010】これらのアスパルターゼ活性含有微生物菌
体、あるいはその処理物または酵素を担体に固定化して
用いることもできる。固定化の担体としては、セルロー
ス、アルギン酸、カラギーナン、マンナンゲルなどの天
然系高分子、あるいはイオン交換樹脂やポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミドなどの適当な合成系高分子
を常法により用いることができる。固定化することによ
り、アスパルターゼ、またはアスパルターゼ含有物と生
産物との分離が容易になり、反応済み媒体からの母液の
循環使用の操作をより容易に行うことが可能である。
体、あるいはその処理物または酵素を担体に固定化して
用いることもできる。固定化の担体としては、セルロー
ス、アルギン酸、カラギーナン、マンナンゲルなどの天
然系高分子、あるいはイオン交換樹脂やポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミドなどの適当な合成系高分子
を常法により用いることができる。固定化することによ
り、アスパルターゼ、またはアスパルターゼ含有物と生
産物との分離が容易になり、反応済み媒体からの母液の
循環使用の操作をより容易に行うことが可能である。
【0011】また、反応に用いるアスパルターゼ活性を
有する酵素含有物中に含まれるフマラーゼ活性など、該
反応の妨げになりうるアスパルターゼ活性以外の酵素活
性を予め失活させた後に反応に用いることも可能であ
る。例えば、酵素含有物を、予め、L−アスパラギン酸
およびアンモニウムイオン存在下、アルカリ域で40〜
60℃に加熱処理を行うことでフマラーゼ活性を予め失
活させておくこともできる。
有する酵素含有物中に含まれるフマラーゼ活性など、該
反応の妨げになりうるアスパルターゼ活性以外の酵素活
性を予め失活させた後に反応に用いることも可能であ
る。例えば、酵素含有物を、予め、L−アスパラギン酸
およびアンモニウムイオン存在下、アルカリ域で40〜
60℃に加熱処理を行うことでフマラーゼ活性を予め失
活させておくこともできる。
【0012】本発明に用いられるフマル酸あるいはフマ
ル酸塩から選ばれるものであって、これらの混合物でも
よい。また本発明に用いられるアンモニアはガス状アン
モニア、アンモニア水溶液等が使用可能であるが、取扱
上アンモニア水溶液が有利である。アンモニア水の濃度
としては特に限定されるものではないが、工業的には1
0〜35重量%が利用するのに好ましい。
ル酸塩から選ばれるものであって、これらの混合物でも
よい。また本発明に用いられるアンモニアはガス状アン
モニア、アンモニア水溶液等が使用可能であるが、取扱
上アンモニア水溶液が有利である。アンモニア水の濃度
としては特に限定されるものではないが、工業的には1
0〜35重量%が利用するのに好ましい。
【0013】使用されるアンモニアの量は反応に供され
るフマル酸に対して1.0倍モル以上3倍モル以下が好
ましい。アンモニアの量が1倍モル未満ではL−アスパ
ラギン酸の収率が低下する結果を招いてしまい好ましく
ない。またアンモニア量が3倍モル以上では反応に関与
する酵素又は酵素含有物の安定性が悪くなる可能性が高
く好ましくない。また必要に応じて上記のアンモニア量
の範囲で水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物を併用することもできる。な
お、反応液のpHは5〜10の範囲、好ましくは7.0〜
9.0の範囲、さらに好ましくはアスパルターゼの至適
pHである8.0〜9.0にするのが好ましい。
るフマル酸に対して1.0倍モル以上3倍モル以下が好
ましい。アンモニアの量が1倍モル未満ではL−アスパ
ラギン酸の収率が低下する結果を招いてしまい好ましく
ない。またアンモニア量が3倍モル以上では反応に関与
する酵素又は酵素含有物の安定性が悪くなる可能性が高
く好ましくない。また必要に応じて上記のアンモニア量
の範囲で水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物を併用することもできる。な
お、反応液のpHは5〜10の範囲、好ましくは7.0〜
9.0の範囲、さらに好ましくはアスパルターゼの至適
pHである8.0〜9.0にするのが好ましい。
【0014】フマル酸とアンモニアを混合する場合、混
合はどのように行ってもよいが、両者の全量を一度に混
合するのではなく、一方の全量に対して他方を徐々に添
加するのが好ましく、特にフマル酸の懸濁液に対してア
ンモニアまたはアンモニア水を徐々に添加するのが好ま
しい。本発明の方法において基質媒体の調製に用いる反
応媒体は、水性のものであれば特に限定されず、最も典
型的なものは水である。さらに緩衝液、例えばリン酸緩
衝液等の常用の緩衝液を用いることもできる。反応の際
のフマル酸濃度は、フマル酸塩の溶解度と生産性の面か
ら特に15〜25重量%の範囲の水溶液、好ましくは1
5〜20重量%の範囲である。
合はどのように行ってもよいが、両者の全量を一度に混
合するのではなく、一方の全量に対して他方を徐々に添
加するのが好ましく、特にフマル酸の懸濁液に対してア
ンモニアまたはアンモニア水を徐々に添加するのが好ま
しい。本発明の方法において基質媒体の調製に用いる反
応媒体は、水性のものであれば特に限定されず、最も典
型的なものは水である。さらに緩衝液、例えばリン酸緩
衝液等の常用の緩衝液を用いることもできる。反応の際
のフマル酸濃度は、フマル酸塩の溶解度と生産性の面か
ら特に15〜25重量%の範囲の水溶液、好ましくは1
5〜20重量%の範囲である。
【0015】また基質媒体にはさらに塩化マンガン、硫
酸マンガンなどのマンガン塩、または塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、または亜
鉛塩、カルシウム塩、ニッケル塩、コバルト塩、鉄塩な
どの2価金属塩を0.1〜50mM、好ましくは1〜10
mMの濃度で添加することが望ましい。本発明における反
応槽の態様は特に限定されないが、例えばバッチ型反応
装置、カラム型反応装置など従来から知られている反応
槽で反応を行うことができる。反応槽は1つでも複数で
も差し支えない。反応の際の温度は低温では反応速度が
低下するため通常20℃程度を下限とし、高温下ではア
スパルターゼの失活を招くため50℃程度を上限とする
のが好ましく、より好ましくは25〜40℃の範囲で行
うのがよい。
酸マンガンなどのマンガン塩、または塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、または亜
鉛塩、カルシウム塩、ニッケル塩、コバルト塩、鉄塩な
どの2価金属塩を0.1〜50mM、好ましくは1〜10
mMの濃度で添加することが望ましい。本発明における反
応槽の態様は特に限定されないが、例えばバッチ型反応
装置、カラム型反応装置など従来から知られている反応
槽で反応を行うことができる。反応槽は1つでも複数で
も差し支えない。反応の際の温度は低温では反応速度が
低下するため通常20℃程度を下限とし、高温下ではア
スパルターゼの失活を招くため50℃程度を上限とする
のが好ましく、より好ましくは25〜40℃の範囲で行
うのがよい。
【0016】上記のような条件でフマル酸とアンモニア
を反応させた後、得られた反応済み媒体中にフマル酸を
添加することにより、L−アスパラギン酸を析出させ
る。また、母液の循環使用の妨げにならない範囲でフマ
ル酸塩の添加も可能である。フマル酸塩としては、フマ
ル酸アンモニウム、フマル酸ナトリウム、フマル酸カリ
ウムなどが使用される。前記フマル酸などを用いてL−
アスパラギン酸の析出を行うことにより母液の循環使用
が可能になる。析出に鉱酸を用いると鉱酸のアンモニウ
ム塩が蓄積し、母液を循環使用するためには脱塩工程が
必要になり好ましくない。ここでL−アスパラギン酸の
析出のために添加されるフマル酸は固体のままでもよ
く、またフマル酸を水でスラリーとして添加することも
可能である。
を反応させた後、得られた反応済み媒体中にフマル酸を
添加することにより、L−アスパラギン酸を析出させ
る。また、母液の循環使用の妨げにならない範囲でフマ
ル酸塩の添加も可能である。フマル酸塩としては、フマ
ル酸アンモニウム、フマル酸ナトリウム、フマル酸カリ
ウムなどが使用される。前記フマル酸などを用いてL−
アスパラギン酸の析出を行うことにより母液の循環使用
が可能になる。析出に鉱酸を用いると鉱酸のアンモニウ
ム塩が蓄積し、母液を循環使用するためには脱塩工程が
必要になり好ましくない。ここでL−アスパラギン酸の
析出のために添加されるフマル酸は固体のままでもよ
く、またフマル酸を水でスラリーとして添加することも
可能である。
【0017】L−アスパラギン酸の析出のために反応済
み媒体に添加されるフマル酸の量は、反応済み媒体中に
存在しているL−アスパラギン酸とほぼ当量用いるのが
よい。例えば反応済み媒体中に含まれているL−アスパ
ラギン酸に対して0.85〜1.2倍モル、好ましくは
0.85〜1.1倍モル添加してL−アスパラギン酸を
析出させることができる。
み媒体に添加されるフマル酸の量は、反応済み媒体中に
存在しているL−アスパラギン酸とほぼ当量用いるのが
よい。例えば反応済み媒体中に含まれているL−アスパ
ラギン酸に対して0.85〜1.2倍モル、好ましくは
0.85〜1.1倍モル添加してL−アスパラギン酸を
析出させることができる。
【0018】この範囲より少ないと結晶として分離でき
るL−アスパラギン酸の量が少なくなり、回収率が低く
なり好ましくない。またこの範囲より多いとL−アスパ
ラギン酸の結晶にフマル酸塩が大量に混入してくるため
好ましくない。L−アスパラギン酸を析出せしめる際に
は反応済み媒体にフマル酸を徐々に添加していくほうが
好ましい。この方法であれば、析出したL−アスパラギ
ン酸の結晶は大きく、遠心濾過などによる母液からの分
離が容易になり、また結晶の取り扱いも容易になる。
るL−アスパラギン酸の量が少なくなり、回収率が低く
なり好ましくない。またこの範囲より多いとL−アスパ
ラギン酸の結晶にフマル酸塩が大量に混入してくるため
好ましくない。L−アスパラギン酸を析出せしめる際に
は反応済み媒体にフマル酸を徐々に添加していくほうが
好ましい。この方法であれば、析出したL−アスパラギ
ン酸の結晶は大きく、遠心濾過などによる母液からの分
離が容易になり、また結晶の取り扱いも容易になる。
【0019】フマル酸を添加した反応済み媒体は0〜1
00℃で10分間〜4時間、好ましくは、20〜80℃
で30〜120分間攪はんして塩の交換、晶析を完了さ
せる。析出したL−アスパラギン酸の濾過方法について
は、吸引濾過や遠心濾過など通常の方法で行うことがで
きるが、含液率を低くすることができる遠心濾過などの
方法がより好ましい。濾過温度は40〜70℃、好まし
くは、40〜60℃である。この範囲より高いとL−ア
スパラギン酸の溶解度が大きくなるためL−アスパラギ
ン酸の回収率が低くなり、この範囲より低いとフマル酸
モノアンモニウム塩の溶解度が低くなり、L−アスパラ
ギン酸結晶にフマル酸塩が大量に混入してくるため好ま
しくない。
00℃で10分間〜4時間、好ましくは、20〜80℃
で30〜120分間攪はんして塩の交換、晶析を完了さ
せる。析出したL−アスパラギン酸の濾過方法について
は、吸引濾過や遠心濾過など通常の方法で行うことがで
きるが、含液率を低くすることができる遠心濾過などの
方法がより好ましい。濾過温度は40〜70℃、好まし
くは、40〜60℃である。この範囲より高いとL−ア
スパラギン酸の溶解度が大きくなるためL−アスパラギ
ン酸の回収率が低くなり、この範囲より低いとフマル酸
モノアンモニウム塩の溶解度が低くなり、L−アスパラ
ギン酸結晶にフマル酸塩が大量に混入してくるため好ま
しくない。
【0020】濾過した結晶は水で洗浄を行う。洗浄水の
温度が低いと純度の高いL−アスパラギン酸製品を得る
のに大量の洗浄水が必要となり、洗液を再利用するため
には好ましくない。洗浄水の温度を40〜70℃、好ま
しくは40〜60℃にすることによって、少量の洗浄水
で高純度のL−アスパラギン酸結晶を得ることができ
る。使用する洗浄水の量は、L−アスパラギン酸結晶の
量に対して5〜500重量%、好ましくは10〜200
重量%の範囲で用いるのがよい。
温度が低いと純度の高いL−アスパラギン酸製品を得る
のに大量の洗浄水が必要となり、洗液を再利用するため
には好ましくない。洗浄水の温度を40〜70℃、好ま
しくは40〜60℃にすることによって、少量の洗浄水
で高純度のL−アスパラギン酸結晶を得ることができ
る。使用する洗浄水の量は、L−アスパラギン酸結晶の
量に対して5〜500重量%、好ましくは10〜200
重量%の範囲で用いるのがよい。
【0021】このようにして極めて簡単な方法で少量
の、例えば0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜1重
量%のフマル酸及び/またはフマル酸塩を含有するL−
アスパラギン酸の結晶を得ることができる。こうして得
られるL−アスパラギン酸の結晶のサイズは晶析の方法
を変えることにより所望の平均サイズにすることができ
るが、特に取扱やすい結晶の平均サイズとして50〜5
00μmの範囲の結晶を得ることも可能である。このL
−アスパラギン酸は工業用アスパラギン酸として極めて
有用である。またこのL−アスパラギン酸はさらに精製
を繰り返すことにより、食品添加物、医薬品用などに用
いることも可能である。
の、例えば0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜1重
量%のフマル酸及び/またはフマル酸塩を含有するL−
アスパラギン酸の結晶を得ることができる。こうして得
られるL−アスパラギン酸の結晶のサイズは晶析の方法
を変えることにより所望の平均サイズにすることができ
るが、特に取扱やすい結晶の平均サイズとして50〜5
00μmの範囲の結晶を得ることも可能である。このL
−アスパラギン酸は工業用アスパラギン酸として極めて
有用である。またこのL−アスパラギン酸はさらに精製
を繰り返すことにより、食品添加物、医薬品用などに用
いることも可能である。
【0022】L−アスパラギン酸の結晶を分離した母液
は前記洗液と混合し、アンモニアを添加して、L−アス
パラギン酸製造用の基質媒体として再使用する。必要に
応じてフマル酸を添加したり、母液あるいは洗液を濃縮
したりして適宜調整を行う。例えば、L−アスパラギン
酸を析出させるために加えたフマル酸のモル数に対し
て、結晶として分離されたL−アスパラギン酸のモル数
が多いと、その後のフマル酸とアンモニアの反応で得ら
れるL−アスパラギン酸の量が少なくなっていくため、
必要に応じてフマル酸を追加することによって、L−ア
スパラギン酸を析出せしめる前の反応済み媒体中に含ま
れていたL−アスパラギン酸の量に対して、それを析出
せしめる際に添加したフマル酸と追加するフマル酸の合
計の量が0.85倍モルから1.2倍モルになるように
調整する。
は前記洗液と混合し、アンモニアを添加して、L−アス
パラギン酸製造用の基質媒体として再使用する。必要に
応じてフマル酸を添加したり、母液あるいは洗液を濃縮
したりして適宜調整を行う。例えば、L−アスパラギン
酸を析出させるために加えたフマル酸のモル数に対し
て、結晶として分離されたL−アスパラギン酸のモル数
が多いと、その後のフマル酸とアンモニアの反応で得ら
れるL−アスパラギン酸の量が少なくなっていくため、
必要に応じてフマル酸を追加することによって、L−ア
スパラギン酸を析出せしめる前の反応済み媒体中に含ま
れていたL−アスパラギン酸の量に対して、それを析出
せしめる際に添加したフマル酸と追加するフマル酸の合
計の量が0.85倍モルから1.2倍モルになるように
調整する。
【0023】また必要に応じて母液を濃縮することによ
って容量を初期基質媒体と同じ容積とするなど調整し、
フマル酸に対するアンモニアの比が1〜3倍モルになる
ように調節したのち、フマル酸とアンモニアのアスパル
ターゼ活性を有する酵素含有物との反応、フマル酸の添
加によるL−アスパラギン酸の析出、L−アスパラギン
酸結晶の分離、洗浄、母液の調整を繰り返すことによ
り、母液が基質媒体として循環使用される。本発明によ
れば、母液の循環は10回以上可能である。
って容量を初期基質媒体と同じ容積とするなど調整し、
フマル酸に対するアンモニアの比が1〜3倍モルになる
ように調節したのち、フマル酸とアンモニアのアスパル
ターゼ活性を有する酵素含有物との反応、フマル酸の添
加によるL−アスパラギン酸の析出、L−アスパラギン
酸結晶の分離、洗浄、母液の調整を繰り返すことによ
り、母液が基質媒体として循環使用される。本発明によ
れば、母液の循環は10回以上可能である。
【0024】母液へのアンモニアの添加は、例えば、次
の点を考慮して行うのが、母液の循環使用を繰り返すた
めに、また微生物菌体あるいはその破砕物のアスパルタ
ーゼ活性を長く保つためには好ましい。すなわち、循環
使用される母液中に含まれるアンモニア量が該母液に含
まれるフマル酸に対して1〜3倍モル、好ましくは1.
5〜2.5倍モルになるように、アンモニアを添加す
る。
の点を考慮して行うのが、母液の循環使用を繰り返すた
めに、また微生物菌体あるいはその破砕物のアスパルタ
ーゼ活性を長く保つためには好ましい。すなわち、循環
使用される母液中に含まれるアンモニア量が該母液に含
まれるフマル酸に対して1〜3倍モル、好ましくは1.
5〜2.5倍モルになるように、アンモニアを添加す
る。
【0025】本発明では、フマル酸とアンモニアあるい
はフマル酸アンモニウム塩を、フマル酸に対してアンモ
ニアの量が1〜3倍モルとなる量で用い、アスパルター
ゼ活性を有する酵素含有物と20〜50℃で反応させ
る。この反応によりL−アスパラギン酸アンモニウムが
生成するが、得られた反応済み媒体に、フマル酸を添加
してL−アスパラギン酸を析出させる。析出したL−ア
スパラギン酸を40℃以上の温度条件下で母液から分離
して、さらに洗浄することによりフマル酸及び/または
その塩を少量含んだL−アスパラギン酸を得ることがで
き、このL−アスパラギン酸は、工業用アスパラギン酸
として極めて有用である。L−アスパラギン酸結晶を分
離した母液は、L−アスパラギン酸結晶を洗浄した液と
ともにL−アスパラギン酸の製造用基質媒体として循環
使用を繰り返すことができる。これにより、原料の効率
的利用、及び、廃棄物の減少が図られる。
はフマル酸アンモニウム塩を、フマル酸に対してアンモ
ニアの量が1〜3倍モルとなる量で用い、アスパルター
ゼ活性を有する酵素含有物と20〜50℃で反応させ
る。この反応によりL−アスパラギン酸アンモニウムが
生成するが、得られた反応済み媒体に、フマル酸を添加
してL−アスパラギン酸を析出させる。析出したL−ア
スパラギン酸を40℃以上の温度条件下で母液から分離
して、さらに洗浄することによりフマル酸及び/または
その塩を少量含んだL−アスパラギン酸を得ることがで
き、このL−アスパラギン酸は、工業用アスパラギン酸
として極めて有用である。L−アスパラギン酸結晶を分
離した母液は、L−アスパラギン酸結晶を洗浄した液と
ともにL−アスパラギン酸の製造用基質媒体として循環
使用を繰り返すことができる。これにより、原料の効率
的利用、及び、廃棄物の減少が図られる。
【0026】
【実施例】次に実施例をあげて説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0027】実施例1.5Lジャーファーメンターに1
L当りフマル酸20g、リン酸1カリウム1g、硫酸マ
グネシウム7水塩0.5g、酵母エキス20g、コーン
スティープリカー20gを水に溶解し、pHをアンモニア
で6.8に調節した培地3Lを仕込み滅菌したのち、別
に500ml振とうフラスコに同上の培地50mlを入れて
培養しておいたエッシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)(ATCC 11303)を接種し、37℃で通気攪拌培養し
た。培地中のフマル酸が消失した時点で、菌体培養液に
酢酸を加え、pHを約5にして45℃、1時間放置後、培
養液を遠心分離にかけ、菌体を分離した。この菌体を3
0等分し、−80℃で凍結して冷蔵した。
L当りフマル酸20g、リン酸1カリウム1g、硫酸マ
グネシウム7水塩0.5g、酵母エキス20g、コーン
スティープリカー20gを水に溶解し、pHをアンモニア
で6.8に調節した培地3Lを仕込み滅菌したのち、別
に500ml振とうフラスコに同上の培地50mlを入れて
培養しておいたエッシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)(ATCC 11303)を接種し、37℃で通気攪拌培養し
た。培地中のフマル酸が消失した時点で、菌体培養液に
酢酸を加え、pHを約5にして45℃、1時間放置後、培
養液を遠心分離にかけ、菌体を分離した。この菌体を3
0等分し、−80℃で凍結して冷蔵した。
【0028】フマル酸100g、硫酸マグネシウム7水
塩0.125gを水300mlに加えた後、25%アンモ
ニア水で中和してpHを8.3に調節後、水を追加して
0.5Lの基質媒体とした。この基質媒体に先に30等
分した凍結菌体の一つをいれ、37℃で穏やかに振とう
しながら5時間反応させた。反応済み媒体の分析の結
果、初期仕込みフマル酸に対して99.0モル%のL−
アスパラギン酸アンモニウムが生成していた。
塩0.125gを水300mlに加えた後、25%アンモ
ニア水で中和してpHを8.3に調節後、水を追加して
0.5Lの基質媒体とした。この基質媒体に先に30等
分した凍結菌体の一つをいれ、37℃で穏やかに振とう
しながら5時間反応させた。反応済み媒体の分析の結
果、初期仕込みフマル酸に対して99.0モル%のL−
アスパラギン酸アンモニウムが生成していた。
【0029】この反応済み媒体を遠心分離して菌体を除
いた後、フマル酸110gを添加し、60℃に加熱して
30分保った後50℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過
器で濾過し、母液約370mlを得た。一方、濾別したL
−アスパラギン酸を含む結晶約200gを約500mlの
50℃の温水で洗浄し、乾燥した。得られた結晶の重
量、純度を調べたところ、重量105g、純度96.2
重量%(水分除く)(フマル酸3.0重量%)(結晶平
均サイズ250μm)であった。
いた後、フマル酸110gを添加し、60℃に加熱して
30分保った後50℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過
器で濾過し、母液約370mlを得た。一方、濾別したL
−アスパラギン酸を含む結晶約200gを約500mlの
50℃の温水で洗浄し、乾燥した。得られた結晶の重
量、純度を調べたところ、重量105g、純度96.2
重量%(水分除く)(フマル酸3.0重量%)(結晶平
均サイズ250μm)であった。
【0030】ついで、先の母液と洗液をあわせて、減圧
下で濃縮し、25%アンモニア水を加えてpHを8.3に
調節し、水を加えて0.5Lの基質媒体とした。この基
質媒体に先と同様に凍結菌体の一つをいれ37℃で5時
間反応させた。先と同様に遠心分離して菌体を除いた
後、フマル酸110gを添加して加熱、冷却を行った。
析出したL−アスパラギン酸を吸引濾過し、約0.5L
の50℃の温水で2回結晶を洗浄し、充分に水分をきっ
た後、乾燥した。得られた結晶の重量は114.5g、
純度は99.0重量%(水分除く)(フマル酸0.73
重量%)(結晶平均サイズ150μm)であった。
下で濃縮し、25%アンモニア水を加えてpHを8.3に
調節し、水を加えて0.5Lの基質媒体とした。この基
質媒体に先と同様に凍結菌体の一つをいれ37℃で5時
間反応させた。先と同様に遠心分離して菌体を除いた
後、フマル酸110gを添加して加熱、冷却を行った。
析出したL−アスパラギン酸を吸引濾過し、約0.5L
の50℃の温水で2回結晶を洗浄し、充分に水分をきっ
た後、乾燥した。得られた結晶の重量は114.5g、
純度は99.0重量%(水分除く)(フマル酸0.73
重量%)(結晶平均サイズ150μm)であった。
【0031】以下、上記の2回目の操作を繰り返し、フ
マル酸とアンモニアの反応を合計10回行った(母液の
循環使用回数は9回)。10回の操作により、得られた
L−アスパラギン酸は、9回目の操作において晶析のた
めに添加されたフマル酸に対して収率99.1モル%、
純度99.1重量%(水分除く)(フマル酸0.61重
量%)(結晶平均サイズ100μm)であった。10回
目の繰り返し操作により得られた結晶に50℃の温水3
00mlを加えてよく混合した後、再度吸引濾過し、充分
に水分をきり、乾燥する操作を繰り返し3回行ったとこ
ろ、結晶の純度は99.5重量%(水分除く)(フマル
酸0.15重量%)(結晶平均サイズ90μm)になっ
た。
マル酸とアンモニアの反応を合計10回行った(母液の
循環使用回数は9回)。10回の操作により、得られた
L−アスパラギン酸は、9回目の操作において晶析のた
めに添加されたフマル酸に対して収率99.1モル%、
純度99.1重量%(水分除く)(フマル酸0.61重
量%)(結晶平均サイズ100μm)であった。10回
目の繰り返し操作により得られた結晶に50℃の温水3
00mlを加えてよく混合した後、再度吸引濾過し、充分
に水分をきり、乾燥する操作を繰り返し3回行ったとこ
ろ、結晶の純度は99.5重量%(水分除く)(フマル
酸0.15重量%)(結晶平均サイズ90μm)になっ
た。
【0032】実施例2.実施例1と同様にして、0.5
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.1モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸85gを添加し、60℃に加熱して30分保った後5
0℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過器で吸引濾過し、
母液約370mlを得た。一方、濾別したL−アスパラギ
ン酸を含む結晶を約0.5Lの50℃の温水で洗浄、乾
燥したところ、得られた結晶の重量は106g、純度は
92.7重量%(水分除く)(フマル酸6.1重量%)
(結晶平均サイズ200μm)であった。
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.1モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸85gを添加し、60℃に加熱して30分保った後5
0℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過器で吸引濾過し、
母液約370mlを得た。一方、濾別したL−アスパラギ
ン酸を含む結晶を約0.5Lの50℃の温水で洗浄、乾
燥したところ、得られた結晶の重量は106g、純度は
92.7重量%(水分除く)(フマル酸6.1重量%)
(結晶平均サイズ200μm)であった。
【0033】ついで、先の母液と洗液をあわせて、減圧
下で濃縮し、フマル酸15gと25%アンモニア水を加
えてpHを8.3に調節し、水を加えて0.5Lの基質媒
体とした。この基質媒体に先と同様に、凍結菌体の一つ
を加えて37℃で5時間反応させた。先と同様に遠心分
離して菌体を除いた後、フマル酸85gを添加して加
熱、冷却を行った。析出したL−アスパラギン酸を吸引
濾過し、約0.5Lの50℃の温水で2回結晶を洗浄
し、充分に水分をきった後、乾燥した。得られた結晶の
重量は113.5g、純度は99.0重量%(水分除
く)(フマル酸0.73重量%)(結晶平均サイズ15
0μm)であった。
下で濃縮し、フマル酸15gと25%アンモニア水を加
えてpHを8.3に調節し、水を加えて0.5Lの基質媒
体とした。この基質媒体に先と同様に、凍結菌体の一つ
を加えて37℃で5時間反応させた。先と同様に遠心分
離して菌体を除いた後、フマル酸85gを添加して加
熱、冷却を行った。析出したL−アスパラギン酸を吸引
濾過し、約0.5Lの50℃の温水で2回結晶を洗浄
し、充分に水分をきった後、乾燥した。得られた結晶の
重量は113.5g、純度は99.0重量%(水分除
く)(フマル酸0.73重量%)(結晶平均サイズ15
0μm)であった。
【0034】比較例1.実施例1と同様にして、0.5
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.0モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸50gを添加し、60℃に加熱して30分保った後5
0℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過器で吸引濾過し、
母液約400mlを得た。一方、濾別したL−アスパラギ
ン酸を含む結晶を約0.5Lの50℃の温水で洗浄、乾
燥したところ、得られた結晶の重量は80.7g、純度
は98.4重量%(水分除く)(フマル酸1.2重量
%)(結晶平均サイズ200μm)であった。
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.0モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸50gを添加し、60℃に加熱して30分保った後5
0℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過器で吸引濾過し、
母液約400mlを得た。一方、濾別したL−アスパラギ
ン酸を含む結晶を約0.5Lの50℃の温水で洗浄、乾
燥したところ、得られた結晶の重量は80.7g、純度
は98.4重量%(水分除く)(フマル酸1.2重量
%)(結晶平均サイズ200μm)であった。
【0035】比較例2.実施例1と同様にして、0.5
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.0モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸85gを添加し、30℃で30分攪拌後、吸引濾過器
で吸引濾過し、母液約350mlを得た。一方、濾別した
L−アスパラギン酸を含む結晶に約0.5Lの30℃の
水を加えてよく混合したのちに吸引濾過を行い、乾燥し
たところ、得られた結晶の重量は153.0g、純度は
60.3重量%(水分除く)(フマル酸33.2重量
%)(結晶平均サイズ200μm)であった。
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.0モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸85gを添加し、30℃で30分攪拌後、吸引濾過器
で吸引濾過し、母液約350mlを得た。一方、濾別した
L−アスパラギン酸を含む結晶に約0.5Lの30℃の
水を加えてよく混合したのちに吸引濾過を行い、乾燥し
たところ、得られた結晶の重量は153.0g、純度は
60.3重量%(水分除く)(フマル酸33.2重量
%)(結晶平均サイズ200μm)であった。
【0036】実施例3.フマル酸75g及び硫酸マグネ
シウム7水塩0.125gを水300mlに加えた後、2
5%アンモニア水で中和してpHを8.3に調節後、水を
追加して0.5Lの基質媒体とした。この基質媒体に先
に30等分した凍結菌体の一つをいれ、37℃で穏やか
に振とうしながら5時間反応させた。反応済み媒体を分
析したところ、仕込フマル酸に対して99.1モル%の
L−アスパラギン酸が生成していた。
シウム7水塩0.125gを水300mlに加えた後、2
5%アンモニア水で中和してpHを8.3に調節後、水を
追加して0.5Lの基質媒体とした。この基質媒体に先
に30等分した凍結菌体の一つをいれ、37℃で穏やか
に振とうしながら5時間反応させた。反応済み媒体を分
析したところ、仕込フマル酸に対して99.1モル%の
L−アスパラギン酸が生成していた。
【0037】この反応済み媒体を遠心分離して菌体を除
いた後、フマル酸67.5gを添加し、60℃に加熱し
て30分保った後50℃まで冷却した。冷却後、吸引濾
過器で吸引濾過し、母液約410mlを得た。一方、濾別
したL−アスパラギン酸を含む結晶を約0.5Lの50
℃の温水で洗浄、乾燥したところ、得られた結晶の重量
は67.1g、純度は96.8重量%(水分除く)(フ
マル酸3.1重量%)(結晶平均サイズ200μm)で
あった。
いた後、フマル酸67.5gを添加し、60℃に加熱し
て30分保った後50℃まで冷却した。冷却後、吸引濾
過器で吸引濾過し、母液約410mlを得た。一方、濾別
したL−アスパラギン酸を含む結晶を約0.5Lの50
℃の温水で洗浄、乾燥したところ、得られた結晶の重量
は67.1g、純度は96.8重量%(水分除く)(フ
マル酸3.1重量%)(結晶平均サイズ200μm)で
あった。
【0038】ついで、先の母液と洗液をあわせて、減圧
下で濃縮し、フマル酸7.5gと25%アンモニア水を
加えてpHを8.3に調節し、水を加えて0.5Lの基質
媒体とした。この基質媒体に先と同様に、凍結菌体の一
つを加えて37℃で5時間反応させた。先と同様に遠心
分離して菌体を除いた後、フマル酸67.5gを添加し
て加熱、冷却を行った。析出したL−アスパラギン酸を
吸引濾過し、約0.5Lの50℃の温水で2回結晶を洗
浄し、充分に水分をきった後、乾燥した。得られた結晶
の重量は75.9g、純度は99.0重量%(水分除
く)(フマル酸0.73重量%)(結晶平均サイズ15
0μm)であった。
下で濃縮し、フマル酸7.5gと25%アンモニア水を
加えてpHを8.3に調節し、水を加えて0.5Lの基質
媒体とした。この基質媒体に先と同様に、凍結菌体の一
つを加えて37℃で5時間反応させた。先と同様に遠心
分離して菌体を除いた後、フマル酸67.5gを添加し
て加熱、冷却を行った。析出したL−アスパラギン酸を
吸引濾過し、約0.5Lの50℃の温水で2回結晶を洗
浄し、充分に水分をきった後、乾燥した。得られた結晶
の重量は75.9g、純度は99.0重量%(水分除
く)(フマル酸0.73重量%)(結晶平均サイズ15
0μm)であった。
【0039】比較例3.実施例3と同様にして、0.5
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.0モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸52.5gを添加し、60℃に加熱して30分保った
後50℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過器で吸引濾過
し、母液約450mlを得た。一方、濾別したL−アスパ
ラギン酸を含む結晶を約0.5Lの50℃の温水で洗
浄、乾燥したところ、得られた結晶の重量は46.2
g、純度は98.1重量%(水分除く)(フマル酸1.
6重量%)(結晶平均サイズ200μm)であった。以
上の実施例、比較例の結果を以下の表にまとめた。
Lの基質媒体に凍結菌体の一つをいれ反応を行った。反
応済み媒体を分析したところ、仕込フマル酸に対して9
9.0モル%のL−アスパラギン酸が生成していた。こ
の反応済み媒体を遠心分離して菌体を除いた後、フマル
酸52.5gを添加し、60℃に加熱して30分保った
後50℃まで冷却した。冷却後、吸引濾過器で吸引濾過
し、母液約450mlを得た。一方、濾別したL−アスパ
ラギン酸を含む結晶を約0.5Lの50℃の温水で洗
浄、乾燥したところ、得られた結晶の重量は46.2
g、純度は98.1重量%(水分除く)(フマル酸1.
6重量%)(結晶平均サイズ200μm)であった。以
上の実施例、比較例の結果を以下の表にまとめた。
【0040】
【表1】 表に示されるとおり、添加するフマル酸のモル比が小さ
いと、結晶として分離できるL−アスパラギン酸の回収
率が低くなったが、モル比が大きいと回収率が高くなっ
た。50℃で精製操作を行った場合には、いずれの条件
においても純度90重量%以上の値が得られた。
いと、結晶として分離できるL−アスパラギン酸の回収
率が低くなったが、モル比が大きいと回収率が高くなっ
た。50℃で精製操作を行った場合には、いずれの条件
においても純度90重量%以上の値が得られた。
Claims (2)
- 【請求項1】 フマル酸とアンモニア及び/またはフマ
ル酸アンモニウムを含有する基質媒体にアスパルターゼ
活性を有する酵素含有物を作用せしめることによりL−
アスパラギン酸を生成せしめる反応をフマル酸濃度15
〜25重量%で行い、次に反応済み媒体中に存在してい
るL−アスパラギン酸に対して0.85〜1.2倍モル
のフマル酸を該反応済み媒体に添加することによりL−
アスパラギン酸を析出させ、40℃以上の温度条件下
で、折出したL−アスパラギン酸の結晶を濾過、洗浄す
ることによってL−アスパラギン酸を採取し、次いで母
液と洗液にアンモニアを添加して基質媒体として再使用
することを特徴とするL−アスパラギン酸の製造方法。 - 【請求項2】 フマル酸及び/またはその塩が0.1〜
3重量%随伴しており、且つ結晶の平均サイズが50〜
500μmであるL−アスパラギン酸を最終製品として
採取する、請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12164895A JP2804005B2 (ja) | 1994-05-20 | 1995-05-19 | L−アスパラギン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-106928 | 1994-05-20 | ||
JP10692894 | 1994-05-20 | ||
JP12164895A JP2804005B2 (ja) | 1994-05-20 | 1995-05-19 | L−アスパラギン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0833493A true JPH0833493A (ja) | 1996-02-06 |
JP2804005B2 JP2804005B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=26447026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12164895A Expired - Lifetime JP2804005B2 (ja) | 1994-05-20 | 1995-05-19 | L−アスパラギン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2804005B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0959137A2 (de) * | 1998-05-22 | 1999-11-24 | DSM Fine Chemicals Austria GmbH | Verfahren zur Herstellung von L-Asparaginsäure |
EP0931838A3 (de) * | 1997-12-29 | 1999-11-24 | DSM Fine Chemicals Austria GmbH | Verfahren zur Herstellung von L-Asparaginsäure |
EP0994189A1 (en) * | 1998-09-30 | 2000-04-19 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Methods for producing L-aspartic acid crystals |
-
1995
- 1995-05-19 JP JP12164895A patent/JP2804005B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP0931838A3 (de) * | 1997-12-29 | 1999-11-24 | DSM Fine Chemicals Austria GmbH | Verfahren zur Herstellung von L-Asparaginsäure |
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EP0959137A3 (de) * | 1998-05-22 | 2000-08-02 | DSM Fine Chemicals Austria GmbH | Verfahren zur Herstellung von L-Asparaginsäure |
EP0994189A1 (en) * | 1998-09-30 | 2000-04-19 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Methods for producing L-aspartic acid crystals |
US6821760B1 (en) | 1998-09-30 | 2004-11-23 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Methods for producing L-aspartic acid |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2804005B2 (ja) | 1998-09-24 |
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