JP2006500927A - コドン翻訳効率に基づく遺伝子発現系 - Google Patents

コドン翻訳効率に基づく遺伝子発現系 Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリヌクレオチドの少なくとも1つのコドンを、CHO細胞中で同義語コドンによって置き換えられるコドンより高いかまたは低い翻訳効率を有する同義語コドンで置き換えることによって、またはポリペプチドの産生の速度を制限し、かつ第1のポリヌクレオチドのコドンに対応するイソ-tRNAをコードするポリヌクレオチドをCHO細胞に導入することによって、CHO細胞中でポリヌクレオチドからのタンパク質の産生を調節するための方法を開示する。本発明はまた、そのコドン組成がCHO細胞中でのタンパク質の産生の増強のために改変された、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの使用を開示する。

Description

本発明は、一般的には遺伝子発現に関する。より詳細には、本発明は、ポリヌクレオチドの少なくとも1つのコドンを、CHO細胞中で、それに置き換えられるコドンよりも高いかまたは低い翻訳効率を有する同義語コドンで置き換えることによって、またはポリペプチドの産生の速度を制限し、かつ第1のポリヌクレオチドのコドンに対応するイソ-tRNAをコードするポリヌクレオチドをCHO細胞に導入することによって、CHO細胞中でポリヌクレオチドからのタンパク質の産生を調節するための方法に関する。なおより詳細には、本発明は、そのコドン組成がCHO細胞中でのタンパク質の産生の増強のために改変された、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの使用に関する。
形質転換された細胞中での外来性の異種遺伝子の発現は今やありふれたことである。例えば、マウスおよびヒトの遺伝子を含む多数の哺乳動物遺伝子が、細菌、酵母、昆虫、植物、および哺乳動物の宿主細胞を含む種々の宿主細胞中で首尾よく発現されている。それにも関わらず、発現系および組換えDNA技術の急増する知見にも関わらず、選択された宿主細胞中で外因性または合成の遺伝子を発現させることを試みる際に重大な障害が残っている。例えば、合成遺伝子の翻訳は、強力なプロモーターと共役させた場合でさえ、しばしば、予想されるよりもはるかにより遅く進行する。同じことは、宿主細胞に対して外来性である外因性遺伝子でしばしば真実である。予測されたよりも低いこの翻訳効率は、しばしば、宿主細胞中で高度に発現されるものと似ていないコドン使用頻度パターンを有する遺伝子のタンパク質コード領域に起因する。この点に関して、異なる生物においてコドン使用頻度は高度に偏りかつ有意に異なっていること、およびコドン使用頻度の偏りはペプチド伸長速度を変化させ得ることが知られている。コドン使用頻度パターンはtRNAイソアクセプターの相対的な豊富さに関連すること、および低い豊富さのタンパク質に対して、高い豊富さのタンパク質をコードする遺伝子がそれらのコドン優先度の違いを示すこともまた知られている。
コドン最適化技術は、翻訳的に効率的でないタンパク質コード領域の翻訳の反応速度論を改善するために開発された。伝統的に、これらの技術は、宿主が好むコドンを有する宿主細胞においては、まれに使用されるか、または頻繁には使用されないコドンの置き換えに基づいてきた。コドン頻度は、多くの生物の高度に発現された遺伝子についての文献の供給源に由来し得る(例えば、Nakamuraら、1996, Nucleic Acids Res 24: 214-215を参照されたい)。これらの頻度は、一般的に、「生物幅の平均基礎」に基づいて、好ましく高度に発現されるその生物のタンパク質コード遺伝子のコレクションにわたって、同義語コドンが対応するアミノ酸をコードするために使用される場合のパーセンテージとして表現される。
代表的には、コドンは、(a)それらの使用頻度のパーセンテージが、約4/3×(コドン使用頻度のいかなる偏りも非存在下で予測される使用頻度)より上である場合の「共通」コドン(すなわち、「好ましい」コドン);(b)それらの使用頻度のパーセンテージが、約2/3×(コドン使用頻度のいかなる偏りも非存在下で予測される使用頻度)より下である場合の「まれな」コドン(すなわち、「好ましくない」コドン);および(c)それらの使用頻度のパーセンテージが、「共通」コドンの使用頻度と「まれな」コドンの使用頻度の間である場合の「中程度」コドン(すなわち、「好ましさが低い」コドン)として分類される。アミノ酸は、2、3、4、または6コドンによってコードされ得るので、コドン使用頻度のいかなる偏りも非存在下で予測される、任意の選択されたコドンの使用の頻度は、選択されたコドンと同じアミノ酸をコードする同義語コドンの数に依存する。従って、特定のアミノ酸について、「共通」、「中程度」、および「まれな」のカテゴリーにおいてコドンを分類するための頻度の閾値は、そのアミノ酸についての同義語コドンの数に依存する。結果的に、6同義語コドンの選択を有するアミノ酸については、コドン使用頻度のいかなる偏りも非存在下で予測されるコドン使用頻度は16%であり、従って、「共通」コドン、「中程度」コドン、および「まれな」コドンは、それぞれ、20%より上、10%と20%の間、および10%より下の使用頻度を有するコドンとして定義される。4同義語コドンの選択を有するアミノ酸については、コドン使用頻度の偏りが非存在下で予測されるコドン使用頻度は25%であり、従って、「共通」コドン、「中程度」コドン、および「まれな」コドンは、それぞれ、33%より上、16%と33%の間、および16%より下の使用頻度を有するコドンとして定義される。イソロイシンについては、3同義語コドンの選択を有する唯一のアミノ酸であり、コドン使用頻度のいかなる偏りも非存在下で予測されるコドン使用頻度は33%であり、従って、イソロイシンについての「共通」コドン、「中程度」コドン、および「まれな」コドンは、それぞれ、45%より上、20%と45%の間、および20%より下の使用頻度を有するコドンとして定義される。2同義語コドンの選択を有するアミノ酸については、コドン使用頻度の偏りが非存在下で予測されるコドン使用頻度は50%であり、従って、「共通」コドン、「中程度」コドン、および「まれな」コドンは、それぞれ、60%より上、30%と60%の間、および30%より下の使用頻度を有するコドンとして定義される。従って、コドンの「共通」、「中程度」、および「まれな」のクラス(すなわち、それぞれ、「好ましい」、「好ましさが低い」、または「好ましくない」)へのカテゴリー化は、一般的な生物について(例えば、ヒト幅)、または一般的な生物のクラスについて(例えば、哺乳動物幅)のコドン使用頻度の編集に慣習的に基づいてきた。例えば、一般的な哺乳動物細胞について、好ましいコドン、好ましさが低いコドン、および好ましくないコドンを開示する、Seed(U.S. Patent Serial Nos 5,786,464および5,795,737)に対する参照がなされ得る。しかし、本発明者らは、WO 99/02694およびWO 00/42190において、単一の多細胞生物(例えば、哺乳動物または植物)の異なる細胞または組織において特定のイソアクセプティング転移RNAの相対的な豊富さの実質的な違いが存在すること、およびこれが、所定のコドン使用頻度または組成を用いてのコード配列からのタンパク質翻訳において中心的な役割を演じることを示した。
従って、多細胞生物の異なる細胞がコドン使用頻度において同じ偏りを有するという当該分野で認識された推測とは対照的に、多細胞生物中の1つの細胞型が、同じ生物の別の細胞型とは別個の様式でコドンを使用することが最初に明らかにされた。換言すれば、1つの生物の異なる細胞が、同じコドンについて異なる翻訳効率を示し得ること、および、選択された細胞型において、どのコドンが好ましいか、好ましさが低いか、または好ましくないかを予測することが可能ではなかったことが明らかにされた。従って、選択された細胞型におけるタンパク質の産生を調節するために、または選択された細胞型にその産生を方向付けるために、遺伝子のコドン組成とともに、細胞型間のコドン翻訳効率の違いが利用され得ることが提案された。従って、特定の細胞型におけるタンパク質コードポリヌクレオチドの発現を最適化するために、生物幅の平均基礎に基づいて計算されたコドン頻度に頼るよりはむしろ、その細胞型における各コドンについての翻訳効率を最初に決定すること、次いでその決定に基づいてポリヌクレオチドをコドン改変することが必要である。
発明の要旨
本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中における個々の同義語コドンについての翻訳効率の値の実験的決定に部分的に基礎を置いている。有意に、これらの値は、例えば、Seed(前出)によって開示されたような、高度に発現された哺乳動物タンパク質コード遺伝子のコレクションにわたって、コドンがそれらの対応するアミノ酸をコードするために使用された頻度の分析から誘導可能なコドン頻度の値とは隣接していない。結果として、本発明は、CHO細胞中での効率的な発現のためにコドン最適化される、タンパク質コードポリヌクレオチドの構築を最初に可能にする。
従って、本発明の1つの局面において、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法が提供され、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、CHO細胞中で第1のコドンとは異なる翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
上記合成ポリヌクレオチドを構築するために、上記第1のコドンを上記同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
ここで、コドンの翻訳効率の比較が表1:
Figure 2006500927
によって表される。
従って、ポリペプチドのより高い産生は、同義語コドンによって置き換えられる第1のコドンよりも高い翻訳効率を有する上記同義語コドンを選択することによって達成され得る。この型の好ましい態様において、同義語コドンは、上記同義語コドンによって置き換えられるコドンの翻訳効率の少なくとも約110%である、CHO細胞中での翻訳効率を有するように選択される。この態様において、第1のコドンおよび同義語コドンが、表2:
Figure 2006500927
から選択される。
逆に、低い産生は、同義語コドンによって置き換えられる第1のコドンよりも低い翻訳効率を有する上記同義語コドンを選択することによって達成され得る。この型の好ましい態様において、同義語コドンは、上記同義語コドンによって置き換えられるコドンの翻訳効率の約90%未満である、CHO細胞中での翻訳効率を有するように選択される。この態様において、第1のコドンおよび同義語コドンが、表3:
Figure 2006500927
から選択される。
とりわけ好ましい態様において、コドンの翻訳効率の比較は表4:
Figure 2006500927
によって表される。
従って、本発明の別の局面は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも高いレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法を意図し、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、CHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
ここで、第1のコドンおよび同義語コドンは表5:
Figure 2006500927
から選択される。
なお別の局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法を意図し、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、CHO細胞中で第1のコドンよりも低い翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
ここで、第1のコドンおよび同義語コドンは表6:
Figure 2006500927
から選択される。
なお別の局面において、本発明は、上記の方法にいずれか1つに従って構築された合成ポリヌクレオチドを提供する。
なお別の局面において、本発明は、ポリペプチドがより高いレベルで第1のポリヌクレオチドから産生可能であるようにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を改変する方法を含み、上記方法は以下の工程:
ポリペプチドの産生の速度を制限し、かつ第1のポリヌクレオチドのコドンに対応するイソ-tRNAをコードする第2のポリヌクレオチドをCHO細胞に導入する工程を包含し、ここでコドンが、
Figure 2006500927
からなる群より選択され、そして第2のポリヌクレオチドが調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結されている。
好ましい態様において、イソ-tRNAは、
Figure 2006500927
からなる群より選択されるコドンに対応する。
なお別の局面において、本発明は、上記の方法から得られた、改変チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を提供する。
さらなる局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルで合成ポリヌクレオチドからポリペプチドを産生する方法を含み、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、表1または表4によって表されるように、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、上記CHO細胞中で第1のコドンとは異なる翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
上記合成ポリヌクレオチドを上記CHO細胞に導入する工程;および
上記CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドを発現し、それによって、上記ポリペプチドが上記CHO細胞中で上記親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルで上記合成ポリヌクレオチドから産生される工程、を包含する。
なおさらなる局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも高いレベルで合成ポリヌクレオチドからポリペプチドを産生する方法を特徴とし、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、上記CHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択され、そして上記第1のコドンと上記同義語コドンの両方は、表2または表5から選択される、工程;
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
上記合成ポリヌクレオチドを上記CHO細胞に導入する工程;および
上記CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドを発現し、それによって、上記ポリペプチドが上記CHO細胞中で上記親のポリヌクレオチドからよりも高いレベルで上記合成ポリヌクレオチドから産生される工程、を包含する。
なおさらなる局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルで合成ポリヌクレオチドからポリペプチドを産生する方法を特徴とし、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、上記CHO細胞中で第1のコドンよりも低い翻訳効率を示すということに基づいて選択され、そして上記第1のコドンと上記同義語コドンの両方は、表3または表6から選択される、工程;
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
上記合成ポリヌクレオチドを上記CHO細胞に導入する工程;および
上記CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドを発現し、それによって、上記ポリペプチドが上記CHO細胞中で上記親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルで上記合成ポリヌクレオチドから産生される工程、を包含する。
いくつかの態様において、上記の方法は、CHO細胞からポリペプチドを単離または精製する工程をさらに包含する。
別の局面において、本発明は、上記の方法のいずれか1つに従って産生されたポリペプチドを提供する。
なお別の局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中でウイルス粒子を産生する方法に拡張され、ここで上記ウイルス粒子は上記ウイルス粒子のアセンブリーのために必要なポリペプチドを含み、そして上記ポリペプチドは上記CHO細胞中で親のポリヌクレオチドから産生されるが、その中での生産的なウイルスアセンブリーを可能にするには十分なレベルではなく、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、表1または表4によって表されるように、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、上記CHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程;および
調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結された上記合成ポリヌクレオチドを上記CHO細胞に導入する工程、を包含し、
それによって、上記合成ポリヌクレオチドが上記CHO細胞中でウイルス粒子の産生を可能にするのに十分なレベルで上記ポリペプチドを産生するために発現される。
さらなる局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中でウイルス粒子を産生する方法に拡張され、ここで上記ウイルス粒子は上記ウイルス粒子のアセンブリーのために必要なポリペプチドを含み、そして上記ポリペプチドは上記CHO細胞中で親のポリヌクレオチドから産生されるが、その中での生産的なウイルスアセンブリーを可能にするには十分なレベルではなく、上記方法は以下の工程:
同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、上記同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、上記CHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択され、そして上記第1のコドンと上記同義語コドンの両方は、表2または表5から選択される、工程;
合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程;および
調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結された上記合成ポリヌクレオチドを上記CHO細胞に導入する工程、を包含し、
それによって、上記合成ポリヌクレオチドが上記CHO細胞中でウイルス粒子の産生を可能にするのに十分なレベルで上記ポリペプチドを産生するために発現される。
なお別の局面において、本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中でウイルス粒子を産生する方法を提供し、ここで上記ウイルス粒子は上記ウイルス粒子のアセンブリーのために必要な少なくとも1種のポリペプチドを含み、そして上記ポリペプチドは上記CHO細胞中で第1のポリヌクレオチドから産生されるが、その中での生産的なウイルスアセンブリーを可能にするには十分なレベルではなく、そして第1のポリヌクレオチドのコドンに特異的な豊富なイソ-tRNAがポリペプチドの産生の速度を制限し、かつ
Figure 2006500927
からなる群より選択されるコドンに対応し、上記方法は、
イソ-tRNAをコードし、かつ調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結されている第2のポリヌクレオチドをCHO細胞中に導入する工程を包含し、
それによって、上記第2のポリヌクレオチドが、上記ポリペプチドの産生の速度を増加させるのに十分なレベルでイソ-tRNAを産生するように発現され、その結果、上記CHO細胞中で上記ウイルス粒子の産生を可能にする。
いくつかの態様において、上記の方法は、CHO細胞からウイルス粒子を単離または精製する工程をさらに包含する。
別の局面において、本発明は、上記の方法のいずれか1つに従って産生されたウイルス粒子を提供する。
配列の簡単な説明
(表A)
Figure 2006500927
発明の詳細な説明
1. 定義
他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載されるのと同様かまたは等価な任意の方法および材料が本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法および材料が記載される。本発明の目的のために、次の用語が以下に定義される。
冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法的な対象物の1つまたは1つより多く(すなわち、少なくとも1つ)をいうために本明細書中で使用される。例として、「エレメント(an element)」は、1つのエレメントまたは1つより多くのエレメントを意味する。
「約」は、参照の量(quantity)、レベル、値、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、または総量(amount)に対して30%と同程度、好ましくは20%と同程度、およびより好ましくは10%と同程度異なる、量(quantity)、レベル、値、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、または総量(amount)を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「シス作用性配列」または「シス調節性領域」または同様の用語は、遺伝子配列の発現が、少なくとも部分的にそのヌクレオチドの配列によって調節される、発現可能な遺伝子配列から誘導されるヌクレオチドの任意の配列を意味すると取られるべきである。当業者は、シス調節性領域が、任意の構造遺伝子配列の発現のレベルおよび/または細胞型特異性および/または発生の特異性を、活性化、サイレンシング、増強、抑制、またはさもなくば変化させることが可能であり得ることを知っている。
本明細書中を通して、文脈が他を必要としない限り、単語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含んでいる(comprising)」は、言及された工程もしくはエレメント、または工程もしくはエレメントの群を含むことを意味するが、任意の他の工程もしくはエレメント、または工程もしくはエレメントの群の除外を意味しないことが理解される。
「対応する」または「対応している」は、(a)参照ポリヌクレオチド配列のすべてもしくは一部に対して実質的に同一であるかもしくは相補的であるヌクレオチド配列を有するか、または(b)ペプチドもしくはタンパク質中のアミノ酸配列に同一であるアミノ酸配列をコードするポリペプチドを意味する。この語句はまた、その範囲内に、参照ペプチドまたはタンパク質中のアミノ酸の配列に実質的に同一であるアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドを含む。
「誘導体」は、修飾、例えば、他の化学的部分との結合体化もしくは複合体化によって、または当該分野で理解されるような翻訳後修飾技術によって、基礎配列から誘導されたポリペプチドを意味する。
「ポリヌクレオチドを発現する」は、mRNAおよびコードされたタンパク質産物が産生されるように、ポリヌクレオチドを転写すること意味する。
「発現ベクター」は、ベクターによってコードされるタンパク質の合成を方向付けることができる任意の自立性遺伝子エレメントを意味する。このような発現ベクターは、当業者によって公知である。
用語「遺伝子」は、遺伝子に対応するゲノムDNA領域、ならびに生成物の機能的形態をコードするように操作されたエキソンまたは組換え分子に対応するcDNA配列の両方を含むように、その最も広い文脈において使用される。
「高度に発現される遺伝子」は、他の遺伝子と比較して、高レベルのmRNA、および好ましくは高レベルのタンパク質を発現する遺伝子を意味する。
「イソアクセプティング転移RNA」または「イソ-tRNA」は、それらのアンチコドン配列が異なるが、同じアミノ酸に特異的である、1種または複数のRNA分子を意味する。
「天然の遺伝子」は、タンパク質を天然にコードする遺伝子を意味する。しかし、親のポリヌクレオチドが、天然に存在しないが組換え技術を使用して操作されたタンパク質をコードすることが可能である。
用語「5'非コード領域」は、遺伝子のポリペプチド産物を含むアミノ酸残基をコードする配列以外の、発現可能な遺伝子の上流領域に由来するすべてのヌクレオチド配列を含むように、その最も広い文脈において本明細書中で使用され、ここで5'非翻訳領域は、少なくとも部分的に、遺伝子の発現を付与または活性化またはさもなくば容易にする。
用語「オリゴヌクレオチド」は、本明細書中で使用される場合、ホスホジエステル結合(またはその関連する構造的改変体または構造的アナログ)を介して連結された多数のヌクレオチド単位(デオキシオリゴヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、またはその関連する構造的改変体または構造的アナログ)から構成されるポリマーをいう。従って、用語「オリゴヌクレオチド」は、代表的には、ヌクレオチドおよびそれらの間の連結が天然に存在するヌクレオチドポリマーをいい、この用語は、その範囲内に、ペプチド核酸(PNA)、ホスホルアミデート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、2-O-メチルリボ核酸などを含むがこれらに限定されない種々のアナログもまた含むことが理解される。分子の正確なサイズは特定の用途に依存して変化し得る。オリゴヌクレオチドは、代表的には、いくぶん長さが短く、一般的には約10から30ヌクレオチドであるが、しかしこの用語は任意の長さのヌクレオチドをいい得るけれども、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、代表的には、大きなオリゴヌクレオチドのために使用される。
用語「作動可能に結合される」または「作動可能に連結される」は、本明細書中で使用される場合、プロモーターの調節的制御下に構造遺伝子を配置し、次いで、そのプロモーターが遺伝子の転写および任意に翻訳を制御することを意味する。異種プロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構築においては、遺伝子配列またはプロモーターと、その天然の設定においてプロモーターが制御する遺伝子(すなわち、遺伝子配列またはプロモーターがそこから誘導された遺伝子)との間の距離とほぼ同じである遺伝子転写開始部位からの一定の距離に、遺伝子配列またはプロモーターを配置することが一般的に好ましい。当該分野において公知であるように、この距離のいくつかのバリエーションが、機能の損失を伴うことなく適合され得る。同様に、その制御下に配置される異種遺伝子に関する調節配列エレメントの好ましい配置は、その天然の設定におけるエレメントの配置(すなわち、それがそこから誘導された遺伝子)によって規定される。
用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書中で使用される場合、mRNA、RNA、cRNA、cDNA、またはDNAを意味する。この用語は、代表的には、30ヌクレオチド長より長いオリゴヌクレオチドをいう。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書中で、アミノ酸残基のポリマーならびにその改変体および合成アナログをいうために交換可能に使用される。従って、これらの用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が合成の天然に存在しないアミノ酸(例えば、対応する天然に存在するアミノ酸の化学的アナログ)であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーに適用される。
「プライマー」は、DNAの鎖と対合した場合に、適切な重合剤の存在下でプライマー伸長産物の合成を開始することができるオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは、増幅の最大効率のために好ましくは一本鎖であるが、代替的には二本鎖であり得る。プライマーは、重合剤の存在下で伸長産物の合成を開始するのに十分に長くなくてはならない。プライマーの長さは、用途、利用される温度、テンプレート反応条件、他の試薬、およびプライマーの起源を含む多くの因子に依存する。例えば、標的配列の完全性に依存して、オリゴヌクレオチドプライマーは、代表的には、15から35ヌクレオチドまたはそれ以上を含むが、プライマーはより少ないヌクレオチドを含み得る。プライマーは大きなポリヌクレオチド(例えば、約200ヌクレオチドから数キロベース以上まで)であり得る。プライマーがそれにハイブリダイズし、かつ合成の開始のための部位として働くように設計されるテンプレート上の配列に「実質的に相補的」であるプライマーが選択され得る。「実質的に相補的」は、プライマーが標的ヌクレオチド配列とハイブリダイズために十分に相補的であることを意味する。好ましくは、プライマーは、それがハイブリダイズするように設計されるテンプレートとのミスマッチを含まないが、このことは必須ではない。例えば、非相補的ヌクレオチドがプライマーの5'末端に結合され得、プライマー配列の残りがテンプレートに対して相補的であり得る。代替的には、非相補的ヌクレオチドまたは非相補的ヌクレオチドのストレッチは、そのプライマー配列がそれとハイブリダイズするテンプレートの配列と十分な相補性を有し、それによってプライマーの伸長産物の合成のためのテンプレートを形成するならば、プライマー中に分散され得る。
「産生する」および同様の用語(例えば、「産生」および「産生可能」)は、タンパク質産生の文脈において、タンパク質に付随する特定の機能をもたらすのに十分なレベルまでのタンパク質の産生を意味する。対照的に、用語「産生可能でない」および「実質的に産生可能でない」は、本明細書中で交換可能に使用される場合、(a)タンパク質の産生がない、(b)タンパク質に付随する特定の機能をもたらすのに十分でないレベルまでのタンパク質の産生、(c)タンパク質に特異的なモノクローナル抗体によって検出することができないタンパク質の産生、または(d)通常タンパク質を産生する野生型において産生されるレベルの1%未満であるタンパク質の産生をいう。
「プロモーター」への本明細書中での言及は、その最も広い文脈において取られ、CCAATボックス配列を有するかまたは有しない、正確な転写開始のために必要であるTATAボックス、ならびに、発生および/もしくは環境の刺激に応答して、または組織特異的もしくは細胞型特異的な様式で遺伝子発現を変化させる付加的な調節エレメント(すなわち、上流活性化配列、エンハンサー、およびサイレンサー)を含む、古典的なゲノム遺伝子の転写調節配列を含む。プロモーターは、通常、しかし必須ではなく、プロモーターがその発現を調節する構造遺伝子の上流すなわち5'に配置される。さらに、プロモーターを含む調節エレメントは、通常、遺伝子の転写の開始部位の2kb以内に配置される。本発明に従う好ましいプロモーターは、細胞中での発現をさらに増強するために、および/またはそれが作動可能に結合されている構造遺伝子の発現のタイミングを変化させるために、1つまたは複数の特異的調節エレメントのさらなるコピーを含み得る。
「組換えポリペプチド」は、組換え技術を使用して、すなわち、組換えポリペプチドまたは合成ポリペプチドの発現を通して作製されたポリペプチドを意味する。
用語「合成ポリヌクレオチド」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチドの操作によって、自然界には通常存在しない形態にインビトロで形成されるポリヌクレオチドをいう。例えば、合成ポリヌクレオチドは、発現ベクターの形態であり得る。一般的に、このような発現ベクターは、ポリヌクレオチドに作動可能に連結された転写および翻訳の調節ポリヌクレオチドを含む。
用語「同義語コドン」は、本明細書中で使用される場合、別のコドンと異なるヌクレオチド配列を有するが、他のそのコドンと同じアミノ酸をコードするコドンをいう。
「翻訳効率」は、あるコドンによってコードされるアミノ酸を新生ポリペプチド鎖に組み込むための細胞のタンパク質合成機構の効率を意味する。この効率は、例えば、細胞がそのコドンを含むRNAテンプレートからポリペプチドを合成することができる速度によって、またはこのようなテンプレートから合成されたポリペプチドの量によって証明され得る。
「ベクター」は、核酸配列が挿入またはクローニングされ得る、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、または植物ウイルスに由来する、核酸分子、好ましくはDNA分子を意味する。ベクターは、好ましくは、1つまたは複数の独特な制限部位を含み、規定された宿主細胞(標的の細胞もしくは組織、またはその子孫の細胞もしくは組織を含む)中で自律的複製が可能であり得、あるいはクローニングされた配列が再生可能であるように規定された宿主のゲノムに組み込み可能であり得る。従って、ベクターは、自己複製ベクター(すなわち、細胞外実体として存在するベクター)であり得、その複製は染色体複製と独立し、例えば、線状または閉環状プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体であり得る。ベクターは、自己複製を確実にするための任意の手段を含み得る。代替的には、ベクターは、宿主細胞に導入された場合に、ゲノムに組み込まれ、およびそれが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであり得る。ベクター系は、単一のベクターもしくはプラスミド、2つ以上のベクターもしくはプラスミド(これは、宿主細胞のゲノムに導入される全体のDNAを一緒に含む)、またはトランスポゾンを含み得る。ベクターの選択は、代表的には、そのベクターが導入される宿主細胞とのベクターの適合性に依存する。ベクターはまた、適切な形質転換体の選択のために使用され得る抗生物質耐性遺伝子のような選択マーカーを含み得る。このような耐性遺伝子の例は、当業者に周知である。
2. 略語
HPV:ヒトパピローマウイルス
PV:パピローマウイルス
VLP:ウイルス様粒子
HGH:ヒト成長ホルモン
gfp:グリーン蛍光タンパク質遺伝子
GFP:グリーン蛍光タンパク質
3. CHO細胞中でのコドンの翻訳効率
本発明は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で個々の同義語コドンについて翻訳効率の値を最初に提供する。これらの値は、人工の開始コドンおよび5つの同一のコドンのタンデムリピートがインフレームに先行する、gfp遺伝子を各々含む一連の59のレポーター構築物でCHOをトランスフェクトすることによって決定された。このシリーズはWO 00/42215において詳細に記載され、アミノ酸をコードする同義語コドンの完全なセットを網羅する。次いで、一過性にトランスフェクトされたCHO細胞の蛍光強度がフローサイトメトリーによって決定され、各構築物から産生されたGFPの測定を提供した。CHO細胞によって産生されるGFPの量は、試験下で同一のコドンのタンデムリピートに対応するイソ-tRNA種の細胞内の豊富さに感受性であり、それゆえに、CHO細胞中での所定のコドンの翻訳効率の直接的補正を提供する。従って、CHO細胞中で所定の構築物から産生されるGFPの量が高いほど、その構築物中でタンデムに反復されているコドンの翻訳効率が高くなる。
前出の表1は、59の異なるコドンの相対的翻訳効率を提示し、これは、一過性にトランスフェクトされたCHO細胞の15までの異なる試料において種々の構築物によって産生された平均蛍光強度を測定することによって得られた。これらの結果は、単一のアミノ酸についての同義語コドンにわたるGFP産生レベルのバリエーションが、グルタミンとチロシンの両方についての約1倍から、グリシンについての約10倍までの範囲であり、メジアンは約2倍であることを示す。これらの結果はまた、以下のことを実証する:(1)同義語コドンの3以上の選択を有するいくつかのアミノ酸については、(a)同義語コドンのメジアン翻訳効率よりも少なくとも約30%高い翻訳効率を有するコドン、(b)同義語コドンのメジアン翻訳効率よりも少なくとも約30%低い翻訳効率を有するコドン、ならびに(c)(a)および(b)の翻訳効率の中間の翻訳効率を有するコドンが存在すること;ならびに(2)同義語コドンの2つの選択を有するいくつかのアミノ酸については、(i)他の同義語コドンの翻訳効率よりも少なくとも約10%高い翻訳効率を有する1つのコドン、および(ii)他の同義語コドンの翻訳効率よりも少なくとも約10%低い翻訳効率を有する1つのコドンが存在すること。本発明に従うと、前出の表4に記載されるように、カテゴリー1(a)および2(i)に分類されるコドンは「高い」効率のコドンと見なされ、カテゴリー2(c)に分類されるコドンは「中間の」または「中程度の」効率のコドンと見なされ、そしてカテゴリー1(b)および2(ii)に分類されるコドンは、「低い」効率のコドンと見なされる。一般的にSeed(U.S. Patent Serial Nos 5,786,464および5,795,737)によって決定されたような哺乳動物細胞についてのコドン使用頻度の値から誘導された翻訳効率を用いてそのように分類された翻訳効率の比較は、翻訳効率の順位付けのいくつかの違いを示す。便宜上、これらの違いが表7において強調表示される。ここでは、Seedの好ましいコドンは青色の背景で強調表示され、Seedの好ましさが低いコドンは緑色の背景で強調表示され、そしてSeedの好ましくないコドンはグレーの背景で強調表示される。
Figure 2006500927
上記の表から明らかなように、
(1)Seedによって好ましいコドンと見なされたいくつかのコドン(AlaGCC、ArgCGC、AspGAC、GlyGGC、およびThrACC)は、実際は他の同義語コドンよりもはるかに低い翻訳効率を有する;
(2)Seedによって好ましくないコドンと見なされたいくつかのコドン(AlaGCA、AspGAT、GluGAA、GlyGGA、およびLeuTTG)は、実際は他の同義語コドンよりもはるかに高い翻訳効率を有する;
(3)Seedによって好ましいコドンと見なされたいくつかのコドン
Figure 2006500927
またはSeedによって好ましくないコドンと見なされたいくつかのコドン
Figure 2006500927
は、実際は中程度の翻訳効率を有する;ならびに
(4)Seedによって好ましさが低いコドンと見なされたコドンLeuCTCは、実際は高い翻訳効率のコドンである。
従って、本発明は、同義語コドンに置き換えられるコドンよりも高いかまたは低い翻訳効率を有する同義語コドンを有するポリヌクレオチドの1つまたは複数のコドンを置き換えることによって、CHO細胞中で親のポリヌクレオチドからのタンパク質産生の調節を最初に可能にする。それゆえに、1つの態様において、本発明は、同じタンパク質をコードする親のポリヌクレオチドからよりも、タンパク質がそこから高いレベルでCHO細胞中で産生可能である、合成ポリヌクレオチドを構築する方法を包含する。この方法は、同義語コドンを用いる置き換えのために、親のポリヌクレオチドのコドン(本明細書中では、しばしば、「第1のコドン」と呼ばれる)を表1から選択する工程を包含し、ここで、その同義語コドンは、それがCHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択される。
同義語コドンを選択する場合、その同義語コドンが、CHO細胞中で、以下の翻訳効率を有することが好ましい:同義語コドンに置き換えられる第1のコドンの翻訳効率の、少なくとも約110%、適切には少なくとも約120%、好ましくは少なくとも約130%、より好ましくは少なくとも約140%、さらにより好ましくは少なくとも約150%、さらにより好ましくは少なくとも約160%、さらにより好ましくは少なくとも約170%、さらにより好ましくは少なくとも約180%、さらにより好ましくは少なくとも約190%、さらにより好ましくは少なくとも約200%、さらにより好ましくは少なくとも約250%、さらにより好ましくは少なくとも約300%、さらにより好ましくは少なくとも約350%、さらにより好ましくは少なくとも約400%、さらにより好ましくは少なくとも約450%、さらにより好ましくは少なくとも約500%、さらにより好ましくは少なくとも約550%、さらにより好ましくは少なくとも約600%、さらにより好ましくは少なくとも約650%、およびなおさらにより好ましくは少なくとも約700%である翻訳効率。同様の翻訳効率を有する2種以上の同義語コドンの場合、これらのコドンのいずれか1つが第1のコドンを置き換えるために使用され得ることが理解される。
別の態様において、同義語コドンと第1のコドンの両方は、以下に基づいて前出の表4から選択される:(a)第1のコドンが「低い」翻訳効率コドンとして分類されるならば、同義語コドンが「高い」または「中程度の」翻訳効率コドンから選択され;または(b)第1のコドンが「中程度の」翻訳効率コドンとして分類されるならば、同義語コドンが「高い」翻訳効率コドンから選択される。便宜上、関連する選択は前出の表5において提示される。一旦選択されると、第1のコドンは、関心対象のタンパク質が親のポリヌクレオチドよりも高いレベルで産生される合成ポリヌクレオチドを構築するために、同義語コドンで置き換えられる。
従って、本発明に従うと、親のポリヌクレオチドは、同義語コドンで改変され得、その結果、そのように改変されたポリヌクレオチド(合成ポリヌクレオチド)からのCHO中でのタンパク質の翻訳は、親のポリヌクレオチドからよりも高い。一般的に、親のポリヌクレオチドから産生されるものと比較した、合成ポリヌクレオチドからのCHO細胞中で産生されるタンパク質のレベルの違いは、同義語コドンによって置き換えられる第1のコドンの数、およびCHO細胞中での第1のコドンと同義語コドンとの間の翻訳効率の違いに依存する。言い換えれば、このような置き換えが少ないほど、および/または同義語コドンと第1のコドンとの間の翻訳効率の違いが小さいほど、合成ポリヌクレオチドと親のポリヌクレオチドとの間のタンパク質産生における違いが小さい。反対に、このような置き換えが多いほど、および/または同義語コドンと第1のコドンの間の翻訳効率の違いが大きいほど、より多くの違いが、合成ポリヌクレオチドと親のポリヌクレオチドの間のタンパク質産生に存在する。
親のポリヌクレオチドのすべてのコドンを、第1のコドンよりもCHO細胞中でのより高い翻訳効率を有する同義語コドンで置き換えることが好ましいが、必ずしも必要なわけではない。発現の増加は、部分的な置き換えを用いてでさえ達成され得る。代表的には、置き換え工程は、親のポリヌクレオチドの第1のコドンの少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、より好ましくは少なくとも約35%、40%、50%、60%、70%、またはそれ以上に影響を与える。適切には、第1のコドンと同義語コドンの数、およびそれらの間の翻訳効率の違いは、関心対象のタンパク質が、CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドから、そのタンパク質がCHO細胞中の親のポリヌクレオチドから産生されるレベルの少なくとも約110%、適切には少なくとも約150%、好ましくは少なくとも約200%、より好ましくは少なくとも約250%、さらにより好ましくは少なくとも約300%、さらにより好ましくは少なくとも約350%、さらにより好ましくは少なくとも約400%、さらにより好ましくは少なくとも約450%、さらにより好ましくは少なくとも約500%、およびなおさらにより好ましくは少なくとも約1000%であるレベルで産生されるように選択される。
一般的に、親のポリヌクレオチドが、低い翻訳効率コドンおよび中程度の翻訳効率コドンの選択を有する場合、最初の段階で、低い翻訳効率コドンのいくつか、またはより好ましくはすべてを、中程度または好ましくは高い翻訳効率を有する同義語コドンで置き換えることが好ましい。代表的には、低い翻訳効率コドンの、中程度または高い翻訳効率コドンへの置き換えは、そのように構築された合成ポリヌクレオチドからのポリペプチドの産生の実質的増加を生じる。しかし、ポリペプチドの最適化された産生のために、中程度の翻訳効率コドンのいくつか、または好ましくはすべてを高い翻訳効率コドンで置き換えることもまた好ましい。
別の態様において、本発明は、同じタンパク質をコードする親のポリヌクレオチドからよりもCHO細胞中で低いレベルでタンパク質が産生可能である合成ポリヌクレオチドを構築する方法を意図する。これは、タンパク質の高レベル産生がCHO細胞に対して有害な効果を有する場合に所望され得る。代替的には、またはさらに、タンパク質コードポリヌクレオチドが、翻訳の間のタンパク質フォールディングを補助するために翻訳効率の局所的減少を導入するように改変され得る。この点に関して、タンパク質フォールディングは、コドン変化が、タンパク質コードポリヌクレオチドの一部において翻訳の休止を導入する場合に増強され得ることが提案される。それゆえに、この態様において、本発明の方法は、同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドのコドンを表1から選択する工程を包含し、ここで、この同義語コドンは、それが第1のコドンよりもCHO細胞中で低い翻訳効率を示すことに基づいて選択される。選択された同義語コドンは、CHO細胞中で、それに置き換えられるコドンの翻訳効率の、約90%未満、適切には約80%未満、好ましくは約70%未満、より好ましくは約60%未満、さらにより好ましくは約50%未満、さらにより好ましくは約45%未満、さらにより好ましくは約40%未満、さらにより好ましくは約35%未満、さらにより好ましくは約30%未満、さらにより好ましくは約25%未満、さらにより好ましくは約20%未満、さらにより好ましくは約15%未満、さらにより好ましくは約10%未満、およびなおさらにより好ましくは約5%未満である翻訳効率を有することが好ましい。
別の態様において、同義語コドンと第1のコドンは、以下に基づいて前出の表4から選択される:(a)第1のコドンが「高い」翻訳効率コドンとして分類されるならば、同義語コドンが「中程度の」または「低い」翻訳効率コドンから選択され;または(b)第1のコドンが「中程度の」翻訳効率コドンとして分類されるならば、同義語コドンが「低い」翻訳効率コドンから選択される。便宜上、関連する選択は前出の表6において提示される。一旦選択されると、第1のコドンは、関心対象のタンパク質が親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルで産生される合成ポリヌクレオチドを構築するために、同義語コドンで置き換えられる。
4. 合成ポリヌクレオチドの構築および発現
1つのコドンの別のコドンへの置き換えは、当該分野において公知の標準的な方法を使用して達成され得る。例えば、親のポリヌクレオチドのコドン改変は、いくつかの公知の変異誘発技術(例えば、オリゴヌクレオチド指向性変異誘発、縮重オリゴヌクレオチドを用いる変異誘発、および領域特異的変異誘発を含む)を使用してもたらされ得る。典型的なインビトロ変異誘発技術は、例えば、U.S. Patent Nos. 4,184,917, 4,321,365, および4,351,901またはAusubelら(CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, Inc. 1997)およびSambrookら(MOLECULAR CLONING. A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Press, 1989)の関連する節において記載されている。インビトロ変異誘発の代わりに、合成ポリヌクレオチドが、例えば、U.S. Patent No 4,293,652に記載されるような容易に利用可能な機構を使用してデノボ合成され得る。しかし、本発明は、合成ポリヌクレオチドを構築するための任意の1つの特定の技術に依存せず、およびそれを指向していないことに注意するべきである。
親のポリヌクレオチドは、好ましくは天然の遺伝子である。しかし、親のポリヌクレオチドが天然に存在しないが組換え技術を使用して操作されたということも可能である。親のポリヌクレオチドは、任意の適切な供給源、例えば、真核生物または原核生物(哺乳動物または他の動物、ならびに、酵母、細菌、原生動物、およびウイルスのような病原性生物を含むがこれらに限定されない)から入手され得る。
本発明はまた、関心対象のタンパク質の1つまたは複数の所望の部分をコードする合成ポリヌクレオチドを意図する。この点に関して、合成ポリヌクレオチドは、タンパク質の少なくとも1つの機能的ドメインをコードすることが好ましく、これは、好ましくは、タンパク質の、少なくとも10、より好ましくは少なくとも約20、さらにより好ましくは少なくとも約50、さらにより好ましくは少なくとも約100、さらにより好ましくは少なくとも約150、およびなおさらにより好ましくは少なくとも約500の連続するアミノ酸残基である。
本発明はさらに、本発明の合成ポリヌクレオチドを含む合成構築物(またはその発現ベクター)を意図し、これは調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結される。この調節ポリヌクレオチドは、適切には、転写および/または翻訳の制御配列を含み、CHO細胞中での発現のために適合可能である。代表的には、転写および翻訳の調節制御配列には、プロモーター配列、5'非コード領域、シス調節性領域(例えば、転写調節タンパク質または翻訳調節タンパク質のための機能的結合部位)、上流オープンリーディングフレーム、リボソーム結合配列、転写開始部位、翻訳開始部位、ならびに/または、リーダー配列、終止コドン、翻訳終止部位、および3'非翻訳領域をコードするヌクレオチド配列が含まれるがこれらに限定されない。当該分野において公知であるような構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターは本発明によって意図される。プロモーターは、天然に存在するプロモーター、または1つより多くのプロモーターのエレメントを組み合わせるハイブリッドプロモーターのいずれかであり得る。本発明によって意図されるプロモーター配列は、CHO細胞に対してネイティブであり得るか、またはその領域がCHO細胞中で機能的である代替的な供給源に由来し得る。CHO細胞中での発現のために使用され得る典型的なプロモーターには、カドミウムのような重金属に応答して誘導され得るメタロチオネインプロモーター、およびβアクチンプロモーターのような哺乳動物プロモーターが含まれる。SV40ラージT抗原プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)最初期(IE)プロモーター、ラウス肉腫ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルスプロモーター、またはHPVプロモーター(特にHPV上流調節領域(URR))のようなウイルスプロモーターもまた使用され得る。すべてのこれらのプロモーターは十分に記載されており、かつ当該分野において容易に利用可能である。
本発明の合成構築物はまた、3'非翻訳配列を含み得る。3'非翻訳配列は、ポリアデニル化シグナル、およびmRNAプロセシングまたは遺伝子発現をもたらすことが可能な任意の他の調節シグナルを含むDNAセグメントを含む遺伝子のその部分をいう。ポリアデニル化シグナルは、mRNA前駆体の3'末端へのポリアデニル酸トラクトの付加をもたらすことによって特徴付けられる。ポリアデニル化シグナルは、標準的な形態の5'AATAAA-3'に対する相同性の存在によって一般的に認識されるが、バリエーションが珍しいわけではない。3'非翻訳調節DNA配列は、好ましくは、約50から1,000ヌクレオチド塩基対までを含み、ポリアデニル化シグナル、およびmRNAプロセシングまたは遺伝子発現をもたらすことが可能な任意の他の調節シグナルに加えて、転写および翻訳の終止配列を含み得る。
好ましい態様において、合成構築物は、トランスフェクトされたCHO細胞の選択を可能にするための選択マーカー遺伝子をさらに含む。選択遺伝子は当該分野において周知であり、およびCHO細胞中での発現のために適合可能である。
別の好ましい態様において、合成構築物は融合パートナーを含み(代表的には発現ベクターによって提供される)、その結果、組換えポリペプチドは、融合パートナーとの融合ポリペプチドとして産生可能である。融合パートナーの主な利点は、それらが融合ポリペプチドの同定および/または精製を補助することである。融合ポリペプチドを発現するためには、合成ポリヌクレオチドを、融合パートナーをコードするポリヌクレオチドとリーディングフレーム中でライゲーションすることが必要である。融合パートナーの周知の例には、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ヒトIgGのFc部分、マルトース結合タンパク質(MBP)、およびヘキサヒスチジン(HIS6)(これらはアフィニティークロマトグラフィーによる融合ポリペプチドの単離のために特に有用である)が含まれるがこれらに限定されない。アフィニティークロマトグラフィーによる融合ポリペプチド精製の目的のために、アフィニティークロマトグラフィーのための関連する担体は、グルタチオン、アミロース、およびニッケルまたはコバルトのそれぞれ結合体化されたレジンである。多くのこのような担体は、(HIS6) 融合パートナーとともに有用なQIAexpress(商標)system (Qiagen) およびPharmacia GST purification systemのような「キット」形式で利用可能である。好ましい態様において、組換えポリヌクレオチドは、本明細書中以後により十分に記載される市販のベクターpFLAG中で発現される。好ましくは、融合パートナーはまた、関連するプロテアーゼが本発明の融合ポリペプチドを部分的に消化することを可能にし、それによってそこから本発明の組換えポリペプチドを遊離させる、Xa因子またはトロンビンについてのような、プロテアーゼ切断部位を有する。次いで、遊離されたポリペプチドは、引き続くクロマトグラフィー分離によって融合パートナーから単離され得る。本発明に従う融合パートナーはまた、それらの範囲内に「エピトープタグ」を含み、これは、通常、特異的抗体が利用可能な短いペプチド配列である。特異的モノクローナル抗体が容易に利用可能であるエピトープタグの周知の例には、c-Myc、インフルエンザウイルス、赤血球凝集素、およびFLAGタグが含まれる。
本発明の合成構築物は、任意の適切なトランスフェクション(例えば、エレクトロポレーション、微粒子ボンバードメント、リポソーム、ウイルスまたはファージ感染などを含む)を使用してCHO細胞に導入され得る。このような方法は当業者に周知である。
しかし、異種系におけるタンパク質コードポリヌクレオチドの発現が現在周知であり、本発明は任意の特定のベクターもしくは技術を指向しないか、またはそれに依存しないことが理解される。むしろ、本明細書中に示される改変を用いて調製される合成ポリヌクレオチドは、任意の適切な合成構築物もしくはベクターと組み合わせて、任意の適切な様式でCHO細胞をトランスフェクトするために使用され得、そしてその合成ポリヌクレオチドは、任意の従来的な様式で公知のプロモーターを用いて発現され得る。
本発明の組換えタンパク質は、本発明の合成構築物でトランスフェクトされたCHO細胞を培養することによって産生され得、そしてCHO細胞中でのポリヌクレオチドの発現のために適切な条件は当該分野において周知である。そのように産生された組換えタンパク質は、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING. A LABORATORY MANUAL(Cold Spring Harbor Press, 1989)、特に16節および17節;Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (John Wiley & Sons, Inc. 1994-1998)、特に10章および16章;およびColiganら、CURRENT PROTOCOLS IN PROTEIN SCIENCE (John Wiley & Sons, Inc. 1995-1997)、特に1章、5章、および6章において記載されるような標準的なプロトコールを使用して当業者によって精製され得る。
5. イソアクセプティング転移RNAコードポリヌクレオチドの発現によるCHO細胞中でのタンパク質産生
本発明はまた、タンパク質が、タンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドからよりも高いレベルで産生可能であるようにCHO細胞を改変する方法を特徴とする。この方法は、第1のポリヌクレオチドのコドンを選択する工程を包含し、その翻訳効率がタンパク質の産生を制限し、そしてその対応するイソアクセプティング転移RNA(イソ-tRNA)はCHO細胞中で比較的高い豊富さでは産生されない。次いで、第2のポリヌクレオチドがCHO細胞に導入され、これは、そのイソ-tRNAを、第1のポリヌクレオチドからのタンパク質の産生を増強するのに十分なレベルまで産生することが可能である。
実際に、イソ-tRNAがCHO細胞中に比較的低い豊富さで存在する場合、および第1のポリヌクレオチドがそのイソ-tRNAに特異的なコドンを含む場合に、イソ-tRNAは第2のポリヌクレオチドによってCHO細胞に供給される。大まかに言って、供給されるイソ-tRNAは、CHO細胞中で[低い]かまたは「中程度」の翻訳効率を有するコドンに特異的であり得、これは、前出の表4において示されており、および
Figure 2006500927
からなる群より選択され得る。好ましい態様において、供給されるイソ-tRNAは、CHO細胞中で「低い」翻訳効率を有するコドンに特異的であり、これは、表4に示されており、および
Figure 2006500927
からなる群より選択され得る。
6. CHO細胞中でのウイルス粒子の産生の増強
本発明はまた、CHO細胞中でウイルス粒子を産生する方法を提供する。このウイルス粒子は、代表的には、ウイルスアセンブリーのために必要である少なくとも1種のタンパク質を含み、ここで、各タンパク質は、親のポリヌクレオチドから、そこに生産的なウイルスアセンブリーを可能にするために十分なレベルで細胞中に産生可能ではなく、これらは、本明細書中以後でアセンブリー制限タンパク質と呼ばれる。この方法は、同義語コドンを用いる置き換えのための親のポリヌクレオチドの第1のコドンを、前出の表1または2から選択する工程を包含し、ここで、この同義語コドンは、それがCHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択される。適切な選択は、第3節に従ってなされ得る。次いで、第1のコドンは、例えば、第4節に記載されるように、合成ポリヌクレオチドを構築するために同義語コドンで置き換えられる。このように産生された合成ポリヌクレオチドは、調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結され、次いで、CHO細胞に導入され、それによってアセンブリー制限タンパク質は、ウイルス粒子のアセンブリーのために必要な他のウイルスタンパク質の存在下で細胞中で産生され、その結果ウイルス粒子を産生する。
アセンブリー制限タンパク質は、好ましくは、ウイルスキャプシドタンパク質またはキャプソマーである。適切なウイルスキャプシドタンパク質には、パピローマウイルスのL1タンパク質およびL2タンパク質、ポリオーマウイルスのVP1-3、ブルータングウイルスのVP1-6、およびアデノウイルスのキャプシドタンパク質が含まれるがこれらに限定されない。
CHO細胞中でウイルス粒子のアセンブリーのために必要とされる他のウイルスタンパク質は、残りのウイルスゲノムを適切に含む1つまたは複数の他のポリヌクレオチドから産生され得る。好ましくは、アセンブリー制限タンパク質がパピローマウイルスのL1またはL2から選択される場合、他のポリヌクレオチドは、好ましくは、L1および/またはL2をコードする配列を有しないパピローマウイルスゲノムを含む。
別の態様において、CHO細胞中でウイルス粒子を産生するための方法が提供され、ここで、そのウイルス粒子は、親のポリヌクレオチドから産生される、上記に言及された少なくとも1つのアセンブリー制限タンパク質を含む。この態様において、親のポリヌクレオチドの少なくとも1つのコドンが、アセンブリー制限タンパク質の産生のために律速であり、そしてこれは本明細書中以後で律速コドンと呼ばれる。この方法は、律速コドンに特異的な、イソ-tRNAが発現可能なポリヌクレオチドをCHO細胞に導入する工程を包含する。適切な律速コドンは第5節に従って選択され得る。
本発明はまた。上記の方法のいずれか1つによって作製されたウイルス粒子、ならびに本発明の合成ポリヌクレオチドをそこに含むCHO細胞、または代替的には、本発明の方法から産生されたCHO細胞を提供する。
5. 薬学的組成物
本発明のさらなる特徴は、このようなポリペプチドを使用して改善可能な状態の徴候を処置、予防、または緩和するための薬学的組成物中の活性物質としての、第4節および第5節に従って産生されるポリペプチドの使用である。適切には、この薬学的組成物は薬学的に受容可能なキャリアを含む。特定の投与の経路に依存して、当該分野において周知である種々の薬学的に受容可能なキャリアが使用され得る。このようなキャリアは、糖、デンプン、セルロースおよびその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝化溶液、乳化剤、等張食塩水、および発熱物質を含まない水を含む群から選択され得る。
任意の適切な投与の経路が、本発明の組成物を患者に提供するために利用され得る。例えば、経口、直腸、非経口、舌下、口腔、静脈内、間接内、筋肉内、皮内、皮下、吸入、眼内、腹腔内、脳室内、経皮などが利用され得る。
投薬形態には、錠剤、分散剤、懸濁剤、注射液、溶液、シロップ、トローチ、カプセル、坐剤、エアロゾル、経皮パッチなどが含まれる。これらの投薬形態はまた、この目的のために、またはこの様式でさらに作用するように改変された移植物の他の形態のために詳細に設計された、制御された放出デバイスを注射または移植することを含み得る。治療剤の制御された放出は、例えば、アクリル樹脂を含む疎水性ポリマー、ワックス、高級脂肪酸アルコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸、ならびに特定のセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)で治療剤をコートすることによってもたらされ得る。さらに、制御された放出は、他のポリマーマトリックス、リポソーム、および/またはミクロスフェアを使用してもたらされ得る。
経口投与または非経口投与のために適切な本発明の薬学的組成物は、各々が、1種または複数の所定量の本発明の治療剤を、散剤もしくは顆粒剤として、または水性液体、非水性液体、水中油型乳剤もしくは油中水型液体乳剤中の溶液もしくは懸濁物として含む、カプセル、におい袋、または錠剤のような別々の単位として提供され得る。このような組成物は、製薬学のいずれかの方法によって調製され得るが、しかし、すべての方法が、上記に記載したような1種または複数の免疫原を、1種または複数の必要な成分を構成するキャリアと関連付ける工程を包含する。一般的に、組成物は、本発明の免疫原を液体キャリアまたは精密に分割した固体キャリアまたはその両方と均一かつ密接に混合すること、次いで、必要な場合、生成物を所望される提示形態に成形することによって調製される。
上記の組成物は、投薬処方と適合可能な様式で、および、状態に関連する徴候から患者を緩和させるために、治療的または予防的に有効であるような量で、または状態に関連する徴候を発症することから患者を保護するのに十分な量で、投与され得る。患者に投与される用量は、本発明の文脈において、長期的に患者において有益な応答(例えば、上記に言及した治療的または予防的効果)を達成するために十分であるべきである。投与されるポリペプチドの量は、被験体の年齢、性別、体重、および一般的健康状態を含めた、治療される被験体に依存し得る。この点に関して、投与のための正確なポリペプチドの量は、実施者の判断に依存する。状態の処置または予防において投与されるポリペプチドの有効量を決定する際に、医師は、その状態の進行を評価し得る。いずれにせよ、本発明に従って調製されるポリペプチドの適切な投薬量は、当業者によって容易に決定され得る。このような投薬量は、ナノグラムからミリグラムのオーダーのポリペプチドであり得る。
本発明が容易に理解され得、および実用的効果を出し得るために、ここで特定の好ましい態様が以下の非限定的な実施例によって記載される。
実施例
実施例1
CHO細胞中での発現の増強のためのコドン改変Enbrel(登録商標)コードポリヌクレオチドの構築
Enbrel(登録商標)(etanerceptとしても知られる)は、ヒトIgG1分子のFcフラグメントによって連結される2つの可溶性TNFレセプターからなる組換え融合タンパク質であり、そのアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示される。改変されていない遺伝子配列はSEQ ID NO:1に示され、いくつかのコドン(Leu10およびLeu14をコードするCTG;Glu15およびGlu35をコードするGAG;Gly37をコードするGGG;Gly60をコードするGGC;Lys56およびLys64をコードするAAA;His62をコードするCAT;Phe66をコードするTTC;およびThr68およびThr70をコードするACC)はこの配列中で同定され、これらは表1および2において示されるような低い翻訳効率を有する。次いで、より高い翻訳効率を有する同義語コドン(LeuCTC、GluGAA、GlyGGA、LysAAG、HisCAC、PheTTT、およびThrACA)を、低い翻訳効率コドンを置き換えるために選択した。便宜上、これらの置き換えを図1に示し、これは、改変されたEnbrel(登録商標)遺伝子配列および改変されていないEnbrel(登録商標)遺伝子配列の比較を示す。
次いで、カセット変異誘発を使用して、改変されていない遺伝子配列の低い翻訳効率コドンを、より高い翻訳効率コドンに置き換えた。手短に述べると、100pmolの下記のオリゴヌクレオチドを滅菌ヌクレアーゼフリー水を使用して総量40μLにした。
Figure 2006500927
個々のオリゴヌクレオチド対を、100℃で2分間加熱すること、37℃で2時間インキュベートすること、および室温まで冷却することによってアニーリングした。次いで、アニーリングしたオリゴヌクレオチドをライゲーションし、ゲル精製し、そしてNcoI/DraIIIで消化したEnbrel(登録商標)遺伝子含有pUC19ベクターにライゲーションした。次いで、改変されたEnbrel(登録商標)遺伝子および改変されていないEnbrel(登録商標)遺伝子を、KpnIおよびHincIIで消化すること、およびKpnI/EcoRV消化したpCDNA3にライゲーションすることによって、CHO細胞中での発現のためにpUC19から取り出した。
実施例2
CHO細胞中で発現の増強のためのコドン改変HPV16E7コードポリヌクレオチドの構築
HPV16E7の野生型コード配列はSEQ ID NO:4に示され、いくつかのコドン(His2、His9、およびHis51をコードするCAT;Pro6をコードするCCT;Pro17およびPro98をコードするCCA;Pro47をコードするCCG;Leu8、Leu15、Leu67、およびLeu79をコードするTTG;Leu13、Leu28、およびLeu83をコードするTTA;Leu65をコードするCTT;Leu82をコードするCTG;Leu87をコードするCTA;Glu18、Glu26、Glu33、Glu34、およびGlu35をコードするGAG;Thr20およびThr78をコードするACT;Thr56をコードするACC;Cys24、Cys58、Cys61、およびCys94をコードするTGT;Asn29およびAsn53をコードするAAT;Asp30、Asp48、Asp62、Asp75、およびAsp81をコードするGAC;Ser32をコードするTCA;Ala42をコードするGCT;Ala50をコードするGCC;Gly85をコードするGGC;ならびにLys97をコードするAAA)はこの配列中で同定され、これらは表1および4において示されるような低い翻訳効率を有する。次いで、より高い翻訳効率を有する同義語コドン
Figure 2006500927
を、低い翻訳効率コドンを置き換えるために選択した。便宜上、これらの置き換えを図2に示し、これは、改変されたHPV16E7コード配列および野生型HPV16E7コード配列の比較を示す。
改変されたHPV16E7コード配列は商業的に構築され(Operon)、およびCHO細胞中での発現のためにpCDNA3のBamHI部位およびEcoRI部位に指向的にライゲーションした。
実施例3
CHO細胞中での発現の増強のためのコドン改変ヒト成長ホルモンcDNAの構築
ヒト成長ホルモン(hGH)の野生型コード配列はSEQ ID NO:7に示され、いくつかのコドン(Ala2、Ala12、およびAla29をコードするGCT;Ala26、Ala43、Ala50、およびAla60をコードするGCC;Thr3をコードするACA;Thr29およびThr53をコードするACC;Gly4、Gly14、およびGly24をコードするGGC;Ser5、Ser8、およびSer33をコードするTCC;Ser25をコードするAGT;Ser69をコードするTCA;Leu9、Leu11、Leu15、Leu18、Leu46、およびLeu49をコードするCTG;Leu21をコードするCTT;Leu32をコードするTTA;Glu23およびGlu56をコードするGAG;Phe27およびPhe70をコードするTTC;Pro28およびPro63をコードするCCA;Pro35をコードするCCT;Arg34をコードするAGG;Arg42をコードするCGC;Asp37をコードするGAC;ならびにHis44をコードするCAT)はこの配列中で同定され、これらは表1および2において示されるような低い翻訳効率を有する。次いで、より高い翻訳効率を有する同義語コドン
Figure 2006500927
を、低い翻訳効率コドンを置き換えるために選択した。便宜上、これらの置き換えを図3に示し、これは、改変されたhGHコード配列および野生型hGHコード配列の比較を示す。
次いで、カセット変異誘発を使用して、実施例1のために使用されたプライマーの代わりに以下のオリゴヌクレオチドを使用した以外は、実施例1に記載されたのと同様に、野生型コード配列の低い翻訳効率コドンを、より高い翻訳効率コドンに置き換えた。
Figure 2006500927
次いで、アニーリングしたオリゴヌクレオチドをライゲーションし、ゲル精製し、そしてBamHIおよびDraIIで消化したhGH遺伝子にライゲーションした。次いで、改変されたhGHコード配列および野生型hGHコード配列を、CHO細胞中での発現のためにpCDNA3にライゲーションした。
実施例4
CHO細胞中での発現の増強のためのコドン改変ヒト成長ホルモンゲノムDNAの構築
ゲノムhGHクローンを、pCDNA3にサブクローニングし、このサブクローンのBamHI/SacIフラグメントをさらにpUC18にサブクローニングした。得られたpUC18サブクローンを、以下のプライマーを使用して、PCR増幅のためのテンプレートとして使用した:
Figure 2006500927
増幅産物を、上記のpUC18サブクローンのBamHI/PvuII部位にクローニングし、得られたクローンを、以下のプライマーを使用して、2回目のPCR増幅のためのテンプレートとして使用した:
Figure 2006500927
このように得られた増幅産物を、改変クローンのPvuII/SacI部位にライゲーションし、次いで、得られた第2の改変クローンのBamHI/SacIフラグメントをもともとのhGH pCDNA3クローンに戻してサブクローニングした。
hGH遺伝子の野生型ゲノム配列はSEQ ID NO:26に示され、そのコード配列中の種々のコドン(Gly4、Gly14、およびGly24をコードするGGC;Ser5、Ser8、およびSer33をコードするTCC;Ser25をコードするAGT;Leu9、Leu11、Leu15、Leu18、およびLeu46をコードするCTG;Leu21をコードするCTT;Leu32をコードするTTA; Ala12およびAla39をコードするGCT;Ala26およびAla43をコードするGCC;Glu23およびGlu56をコードするGAG;Phe27をコードするTTC;Pro28をコードするCCA;Pro35をコードするCCT;Thr29およびThr53をコードするACC;Asp37をコードするGAC;Arg34をコードするAGG;Arg42をコードするCGC;ならびにHis44をコードするCAT)は、表1および2において示されるような低い翻訳効率を有するとして同定された。次いで、より高い翻訳効率を有する同義語コドン
Figure 2006500927
を、低い翻訳効率コドンを置き換えるために選択した。改変hGHゲノム配列のヌクレオチド配列はSEQ ID NO:28に提示される。便宜上、これらの置き換えを図4に示し、これは、改変されたhGHゲノム配列および野生型hGHゲノム配列の比較を示す。
実施例5
コドン改変Enbrel(登録商標)構築物を用いるCHO細胞の一過性トランスフェクションおよびウェスタンブロッティング
チャイニーズハムスター卵巣細胞を、10%胎仔ウシ血清および1%ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン溶液(Gibco BRL)を補充したDMEM/F12培地(Invitrogen)中で培養した。細胞を、Lipofectamine Plus(Invitrogen)を使用してトランスフェクトした。細胞を、トランスフェクションの16時間前にT25フラスコ中に播種した。プラスミドDNA、4μgの非改変Enbrel(登録商標)構築物またはコドン改変Enbrel(登録商標)構築物のいずれかを、750μLのOptiMEM I(商標)培地(Invitrogen)中で希釈し、20μLのPlusReagent(Invitrogen)と混合し、そして室温で30分間インキュベートし、その後30μLのLipofectamine試薬(Invitrogen)を含む750μLのOptiMEM I(商標)培地を加え、室温で30分間インキュベーションを行った。細胞単層を、OptiMEM I培地で1回洗浄し、5mLのOptiMEM I(商標)培地およびトランスフェクション混液とともに一晩インキュベートし、その後5mLの減少増殖培地(DMEM/F12、2%胎仔ウシ血清)で置き換え、収集の前にもう一度24時間培養した。5mLの細胞培養上清を収集した。次いで、試料を50 000 MWCOスピンフィルター(Amicon)を使用して100μLまで濃縮した。試料を-20℃で保存した。
20μLの試料に5×サンプルバッファーを加えた後、試料を、150V、1時間、7.5%ゲル上のSDS-PAGEに供した。タンパク質を125mAで2時間、PVDFメンブレン(Amersham)上にエレクトロブロットした。PBS/0.5% Tween 20中の5%スキムミルク粉末を用いるブロッキング後、メンブレンを、4μg/mL(1:250)のヒトIgG Fc領域に特異的な抗体(マウスモノクローナル(HP6017)、Santa Cruz Biotechnology Inc.)の付加によってプローブした。タンパク質を、ペルオキシダーゼ結合二次抗体(マウス抗ヒトIgG、1:1000希釈)および化学発光検出システムを使用して可視化し、フィルムに露光し、そして発色させた。
図5に提示する結果は、コドン改変Enbrel(登録商標)構築物が、非改変Enbrel(登録商標)構築物よりも約5倍多いEnbrel(登録商標)を産生することを示す。
実施例6
コドン改変HPV16E7構築物を用いるCHO細胞の一過性トランスフェクションおよびウェスタンブロッティング
チャイニーズハムスター卵巣細胞を、10%胎仔ウシ血清および1%ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン溶液(Gibco BRL)を補充したDMEM/F12培地(Invitrogen)中で培養した。細胞を、Lipofectamine Plus(Invitrogen)を使用してトランスフェクトした。細胞を、トランスフェクションの16時間前にT25フラスコ中に播種した。プラスミドDNA、4μgのHPV 16 E7野生型またはHPV 16 E7 CHO改変のいずれかを、750μLのOptiMEM I(商標)培地(Invitrogen)中で希釈し、20μLのPlusReagent(商標)(Invitrogen)と混合し、そして室温で30分間インキュベートし、その後30μLのLipofectamine試薬(Invitrogen)を含む750μLのOptiMEM I(商標)培地を加え、室温で30分間インキュベーションを行った。細胞単層を、OptiMEM I(商標)培地で1回洗浄し、5mLのOptiMEM I(商標)培地およびトランスフェクション混液とともに一晩インキュベートし、その後5mLの増殖培地(DMEM/F12、10%胎仔ウシ血清)で置き換え、収集の前にもう一度24時間培養した。細胞を収集およびペレット化し、次いで0.1mLの溶解バッファー(0.1% NP-40、2μg/mL アプロチニン、5mg/mL DTT、1μg/mL ロイペプチン、2mM PMSF)中に再懸濁し、超音波処理し、そして-20℃で保存した。
30μLの試料に5×サンプルバッファーを加えた後、試料を100℃で3分間加熱し、次いで、150V、1時間、12%ゲル上のSDS-PAGEに供した。タンパク質を125mAで2時間、PVDFメンブレン(Amersham)上にエレクトロブロットした。PBS/0.5% Tween 20中の5%スキムミルク粉末を用いるブロッキング後、メンブレンを、1:1000希釈した抗HPV 16 E7(Santa Cruz Biotech, Santa Cruz, CA)の付加によってプローブした。タンパク質を、ペルオキシダーゼ結合二次抗体(ヤギ抗マウスIgG、1:1000希釈)および化学発光検出システムによって可視化し、フィルムに露光し、発色させ、そしてスキャンした。次いで、ブロットをはぎ取り、対照として抗βチューブリン抗体(Sigma)を用いて再プローブした。デンシトメトリー分析後、E7タンパク質レベルを、βチューブリンレベルに対して標準化した。
図6に提示する結果は、コドン改変HPV16E7構築物が、非改変HPV16E7構築物よりも約2.5倍多いHPV16E7を産生することを示す。
本明細書中に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物の開示は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
本明細書中のいかなる参考文献の引用も、このような参考文献が本願に対する「先行技術」として利用可能であることの承認と解釈されるべきではない。
本明細書全体を通して、目的は、本発明を、任意の1つの態様または特徴の具体的なコレクションに限定することなく、本発明の好ましい態様を記載することであった。それゆえに、当業者は、本開示に鑑みて、種々の改変および変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の例示された態様においてなされ得ることを認識する。このようなすべての改変および変更は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
前述の要約、ならびに上記の本発明の好ましい態様の詳細な記載は、添付の図面と組み合わせて読まれる場合により良好に理解される。本発明を例証する目的のために、図面において現在好ましい態様が示される。しかし、本発明は、示される正確な配置および手段に限定されないことが理解されるべきである。
(図1)ヒトIgG1分子のFcフラグメントによって連結される2つの可溶性TNFレセプターからなる組換え融合タンパク質である、Enbrel(登録商標)(etanerceptとしても知られる)をコードする親のヌクレオチド配列[SEQ ID NO:1]を示す図表示である。そのアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示される。コドン改変されたEnbrel(登録商標)ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:3]を産生するために親のヌクレオチド配列に導入される変異は、親の配列の対応するヌクレオチドの下に示される。これらのヌクレオチドの置き換えは、親のEnbrel(登録商標)ヌクレオチド配列と同じアミノ酸配列をコードする核酸配列を生じるが、置き換えられたコドンよりもCHO細胞中でより高い翻訳効率を有する同義語コドンを有する。
(図2)ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ16E7タンパク質をコードする野生型ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:4]を示す図表示であり、そのアミノ酸配列はSEQ ID NO:5に示される。コドン改変されたHPV16E7ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:6]を産生するために野生型配列に導入される変異は、野生型配列の対応するヌクレオチドの下に示される。これらのヌクレオチドの置き換えは、野生型HPV16E7ヌクレオチド配列と同じアミノ酸配列をコードする核酸配列を生じるが、置き換えられたコドンよりもCHO細胞中でより高い翻訳効率を有する同義語コドンを有する。
(図3)ヒト成長ホルモン(hGH)をコードする野生型cDNA配列[SEQ ID NO:7]を示す図表示であり、そのアミノ酸配列はSEQ ID NO:8に示される。コドン改変されたhGHヌクレオチド配列を産生するために野生型配列に導入される変異は、野生型配列の対応するヌクレオチドの下に示される。これらのヌクレオチドの置き換えは、野生型hGHヌクレオチド配列と同じアミノ酸配列をコードする核酸配列を生じるが、置き換えられたコドンよりもCHO細胞中でより高い翻訳効率を有する同義語コドンを有する。
(図4)ヒト成長ホルモン(hGH)をコードする野生型ゲノム配列[SEQ ID NO:26]を示す図表示であり、そのアミノ酸配列はSEQ ID NO:8または27に示される。コドン改変されたhGHゲノム配列を産生するために野生型配列に導入される変異は、野生型配列の対応するヌクレオチドの下に示される。これらのヌクレオチドの置き換えは、野生型hGHゲノム配列と同じアミノ酸配列をコードする改変ゲノム配列を生じるが、置き換えられたコドンりもCHO細胞中でより高い翻訳効率を有する同義語コドンを有する。
(図5)CHO細胞中でのEnbrel(登録商標)の産生が、親または未改変のEnbrel(登録商標)ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:1]からよりも、コドン改変されたEnbrel(登録商標)ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:3]からで約5倍高いことを示すウェスタンブロットの写真表示である。
(図6)CHO細胞中でのHPV16E7の産生が、親または未改変のHPV16E7ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:4]からよりも、コドン改変されたHPV16E7ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:6]からで約2.5倍高いことを示すウェスタンブロットの写真表示である。
【配列表】
Figure 2006500927
Figure 2006500927
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Figure 2006500927
Figure 2006500927
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Claims (34)

  1. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で第1のコドンとは異なる翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
    該合成ポリヌクレオチドを構築するために、該第1のコドンを該同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
    ここで、コドンの翻訳効率の比較が以下の表1によって表される、方法。
    表1
    Figure 2006500927
  2. 同義語コドンによって置き換えられる第1のコドンよりも高い翻訳効率を有する該同義語コドンを選択することによって、ポリペプチドがより高いレベルで産生される、請求項1記載の方法。
  3. 同義語コドンが、該同義語コドンによって置き換えられるコドンの少なくとも約110%の翻訳効率である、CHO細胞中での翻訳効率を有するように選択される、請求項2記載の方法。
  4. 第1のコドンおよび同義語コドンが、ポリペプチドがCHO細胞中で親のポリヌクレオチドから産生されるレベルの少なくとも110%のレベルで該CHO細胞中で合成ヌクレオチドから産生されるように該ポリペプチドが選択される、請求項2記載の方法。
  5. 親のポリヌクレオチドにおいて少なくとも約5%の第1のコドンが同義語コドンで置き換えられる、請求項1記載の方法。
  6. 第1のコドンおよび同義語コドンが、以下の表2から選択される、請求項2記載の方法。
    表2
    Figure 2006500927
  7. 同義語コドンによって置き換えられる第1のコドンよりも低い翻訳効率を有する該同義語コドンを選択することによって、ポリペプチドがより低いレベルで産生される、請求項1記載の方法。
  8. 同義語コドンが、該同義語コドンによって置き換えられるコドンの約90%未満の翻訳効率である、CHO細胞中での翻訳効率を有するように選択される、請求項7記載の方法。
  9. 第1のコドンおよび同義語コドンが、表3から選択される、請求項7記載の方法。
    表3
    Figure 2006500927
  10. 親のポリヌクレオチドにおいて少なくとも約5%の第1のコドンが同義語コドンで置き換えられる、請求項1記載の方法。
  11. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で第1のコドンとは異なる翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、該第1のコドンを該同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
    ここで、コドンの翻訳効率の比較は表4によって表される、方法。
    表4
    Figure 2006500927
  12. ポリペプチドが、それによって置き換えられる第1のコドンよりも高い翻訳効率を有する同義語コドンを選択することによってより高いレベルで産生される、請求項11記載の方法であって、ここで、(a)該第1のコドンが「低い」翻訳効率コドンとして分類されるならば、該同義語コドンが「高い」または「中程度の」翻訳効率コドンから選択され;および(b)該第1のコドンが「中程度の」翻訳効率コドンとして分類されるならば、該同義語コドンが「高い」翻訳効率コドンから選択される、方法。
  13. ポリペプチドが、それによって置き換えられる第1のコドンよりも低い翻訳効率を有する同義語コドンを選択することによってより低いレベルで産生される、請求項11記載の方法であって、ここで、(a)該第1のコドンが「高い」翻訳効率コドンとして分類されるならば、該同義語コドンが「中程度の」または「低い」翻訳効率コドンから選択され;および(b)該第1のコドンが「中程度の」翻訳効率コドンとして分類されるならば、該同義語コドンが「低い」翻訳効率コドンから選択される、方法。
  14. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも高いレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で該第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、該第1のコドンを該同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
    ここで、該第1のコドンおよび該同義語コドンは表5から選択される、方法。
    表5
    Figure 2006500927
  15. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルでポリペプチドが産生可能な合成ポリヌクレオチドを構築する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で該第1のコドンよりも低い翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;および
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、を包含し、
    ここで、該第1のコドンおよび該同義語コドンは表6から選択される、方法。
    表6
    Figure 2006500927
  16. 請求項1、14、および15のいずれか1項に従って構築される合成ポリヌクレオチド。
  17. ポリペプチドがより高いレベルで第1のポリヌクレオチドから産生可能であるようにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を改変する方法であって、該方法は以下の工程:
    ポリペプチドの産生の速度を制限し、かつ第1のポリヌクレオチドのコドンに対応するイソ-tRNAをコードする第2のポリヌクレオチドをCHO細胞に導入する工程を包含し、ここでコドンが、
    Figure 2006500927
    からなる群より選択され、そして第2のポリヌクレオチドが調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、方法。
  18. イソ-tRNAが、以下からなる群より選択されるコドンに対応する、請求項17記載の方法:
    Figure 2006500927
  19. 請求項17記載の方法から得られた、改変チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞。
  20. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルで合成ポリヌクレオチドからポリペプチドを産生する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、請求項1および11に規定されているように、それぞれ、表1または表4によって表されるように、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で第1のコドンとは異なる翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
    該合成ポリヌクレオチドを該CHO細胞に導入する工程;および
    該CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドを発現し、それによって、該ポリペプチドが該CHO細胞中で該親のポリヌクレオチドからとは異なるレベルで該合成ポリヌクレオチドから産生される工程、を包含する、方法。
  21. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも高いレベルで合成ポリヌクレオチドからポリペプチドを産生する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で該第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択され、そして該第1のコドンと該同義語コドンの両方は、請求項6および14に規定されているように、それぞれ、表2または表5から選択される、工程;
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
    該合成ポリヌクレオチドを該CHO細胞に導入する工程;および
    該CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドを発現し、それによって、該ポリペプチドが該CHO細胞中で該親のポリヌクレオチドからよりも高いレベルで該合成ポリヌクレオチドから産生される工程、を包含する、方法。
  22. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で、同じポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルで合成ポリヌクレオチドからポリペプチドを産生する方法であって、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で第1のコドンよりも低い翻訳効率を示すということに基づいて選択され、そして該第1のコドンと該同義語コドンの両方は、請求項9および15に規定されているように、それぞれ、表3または表6から選択される、工程;
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
    該合成ポリヌクレオチドを該CHO細胞に導入する工程;および
    該CHO細胞中で合成ポリヌクレオチドを発現し、それによって、該ポリペプチドが該CHO細胞中で該親のポリヌクレオチドからよりも低いレベルで該合成ポリヌクレオチドから産生される工程、を包含する、方法。
  23. CHO細胞からポリペプチドを単離または精製する工程をさらに包含する、請求項20から22のいずれか一項記載の方法。
  24. 請求項20から22のいずれか一項記載の方法に従って産生されたポリペプチド。
  25. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中でウイルス粒子を産生する方法であって、ここで該ウイルス粒子は該ウイルス粒子のアセンブリーのために必要なポリペプチドを含み、そして該ポリペプチドは該CHO細胞中で親のポリヌクレオチドから産生されるが、その中での生産的なウイルスアセンブリーを可能にするには十分なレベルではなく、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、請求項1および11に規定されているように、それぞれ、表1または表4によって表されるように、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択される、工程;
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
    調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結された該合成ポリヌクレオチドを該CHO細胞に導入する工程、を包含し、
    それによって、該合成ポリヌクレオチドが該CHO細胞中でウイルス粒子の産生を可能にするのに十分なレベルで該ポリペプチドを産生するように発現される、方法。
  26. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中でウイルス粒子を産生する方法であって、ここで該ウイルス粒子は該ウイルス粒子のアセンブリーのために必要なポリペプチドを含み、そして該ポリペプチドは該CHO細胞中で親のポリヌクレオチドから産生されるが、その中での生産的なウイルスアセンブリーを可能にするには十分なレベルではなく、該方法は以下の工程:
    同義語コドンを用いる置き換えのために親のポリヌクレオチドの第1のコドンを選択する工程であって、ここで、該同義語コドンは、それが試験CHO細胞中のコドンの翻訳効率と比較して、該CHO細胞中で第1のコドンよりも高い翻訳効率を示すということに基づいて選択され、そして該第1のコドンと該同義語コドンの両方は、請求項6および14に規定されているように、それぞれ、表2または表5から選択される、工程;
    合成ポリヌクレオチドを構築するために、第1のコドンを同義語コドンで置き換える工程、
    調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結された該合成ポリヌクレオチドを該CHO細胞に導入する工程、を包含し、
    それによって、該合成ポリヌクレオチドが該CHO細胞中でウイルス粒子の産生を可能にするのに十分なレベルで該ポリペプチドを産生するように発現される、方法。
  27. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中でウイルス粒子を産生する方法であって、ここで該ウイルス粒子は該ウイルス粒子のアセンブリーのために必要な少なくとも1種のポリペプチドを含み、そして該ポリペプチドは該CHO細胞中で第1のポリヌクレオチドから産生されるが、その中での生産的なウイルスアセンブリーを可能にするには十分なレベルではなく、そして第1のポリヌクレオチドのコドンに特異的な豊富なイソ-tRNAがポリペプチドの産生の速度を制限し、かつ
    Figure 2006500927
    からなる群より選択されるコドンに対応し、該方法は、
    イソ-tRNAをコードし、かつ調節ポリヌクレオチドに作動可能に連結されている第2のポリヌクレオチドをCHO細胞中に導入する工程を包含し、
    それによって、該第2のポリヌクレオチドが、該ポリペプチドの産生の速度を増加させるのに十分なレベルでイソ-tRNAを産生するように発現され、その結果、該CHO細胞中でウイルス粒子の産生を可能にする、方法。
  28. CHO細胞からウイルス粒子を単離または精製する工程をさらに包含する、請求項25から27のいずれか一項記載の方法。
  29. 請求項25から27のいずれか一項記載の方法に従って産生されたウイルス粒子。
  30. 請求項25から27のいずれか一項記載の方法から得られたCHO細胞。
  31. ポリペプチドがEnbrel(登録商標)、HPV16E7、およびヒト成長ホルモンからなる群より選択される、請求項2、11、および14のいずれか一項記載の方法。
  32. 配列番号:3(SEQ ID NO:3)に記載されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
  33. 配列番号:6(SEQ ID NO:6)に記載されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
  34. 配列番号:9(SEQ ID NO:9)に記載されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
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