JP4886931B2 - コドンの翻訳効率を決定するための方法及びポリヌクレオチド - Google Patents

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    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/67General methods for enhancing the expression

Description

【0001】
発明の分野
本発明は一般に遺伝子発現に関し、とりわけ生物の特定の細胞又は組織におけるコドンの利用性を決定するための方法及びポリヌクレオチドに関する。より具体的には、本発明の方法及びポリヌクレオチドは、細胞若しくは組織におけるタンパク質をコードするポリヌクレオチドの翻訳効率を改変する目的で該細胞若しくは組織におけるコドン優位性を確認することと関連する。
【0002】
発明の背景
四つの可能なヌクレオチド塩基の「トリプレット」コドンが64個の変異型として存在できることは良く知られている。これらの形態は僅か20個の異種アミノ酸(翻訳開始及び翻訳終結と同様に)のメッセージを提供し、そしてこれは幾つかのアミノ酸が二つ以上によってコードされ得ることを意味する。幾つかのアミノ酸は6個もの「縮重体」、すなわち代替的コドンを持つが、他の幾つかは1個の必要なコドンを持つ。
【0003】
完全には理解されていない理由により、コドン利用は、代替的コドンが異なる細胞型の内因性DNA中に均一に存在しているわけでは全くないという点で極めて偏っている。この点で、異なる細胞型間若しくは異なる生物間で、ある特定のコドンに対する「優位性」の種々の天然の階層が存在するように見える。
【0004】
コドン利用パターンはイソ受容トランスファーRNA(イソ−tRNA)種の相対量と、そして大量対少量のタンパク質をコードする遺伝子と相関していることが示された。さらに、本発明者らは最近、異種のイソ−tRNAの細胞内の量が1個の多細胞生物の異種細胞若しくは異種組織中で変動することを発見した(係属中の国際出願番号PCT/AU98/00530を参照)。
【0005】
遺伝子発現におけるコドン優位現象の意味は、これらの現象がメッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳効率に影響できるという点で明らかである。これに関し、それに対応するイソ−tRNAが比較的少量である「稀なコドン」の翻訳は、翻訳の間にリボソームを停止させる原因となり、それは発生期のポリペプチド鎖を完成させることの失敗、そして転写物や翻訳の脱共役に至らしめ得ることが広く知られている。
【0006】
組換え研究における第一の目的は、生物に所望の表現型を与えるのに十分な量で外来遺伝子を発現するトランスジェニック生物を提供することである。しかしながら、外来遺伝子の発現は、もし生物の特定の宿主細胞若しくは生物それ自体が該外来遺伝子の一つ以上のコドンに対応するイソ−tRNAを少量しか持っていないならば、著しく妨げられる。従って、この分野の研究者の主要な目的は、そこで外来遺伝子が発現されるべき特定の細胞又は組織にとってのコドン優位性を先ず確認することであり、そして次にこれらの細胞又は組織での最適発現のため外来遺伝子のコドン組成を変えることである。
【0007】
コドン優位性は、所与の生物の特定の細胞若しくは組織、又は複数の細胞若しくは組織で発現される遺伝子が使用するコドンの頻度を分析することにより簡単に決定することができる。コドン頻度表並びに生物におけるコドン使用の頻度を決定する適切な方法は、例えば、シャープら( 1988, Nucleic Acids Res. 16 8207-8211) による文献に記載されている。遺伝子発現の相対レベル(例えば、検出可能なタンパク質発現対検出不能なタンパク質発現)は、異種細胞若しくは異種組織で発現される特定のイソ−tRNAの相対量の間接的尺度を提供できる。
【0008】
または、コドン優位性は異種イソ−tRNA種の細胞内相対量を測ることにより決定されうる。例えば、係属中の国際出願番号PCT/AU98/00530を参照できる。この文献は異種イソ−tRNAに特異的な標識化オリゴヌクレオチドを用いて特定の細胞若しくは組織の供給源から調製されるRNA抽出物を精査する方法を記述する。
【0009】
上の方法はコドン優位性を決定するための有用な間接的証拠を提供する。しかしながら、このような間接的な証拠は所与のコドンの翻訳効率の正確な指標を与えるものではない。従って、細胞又は組織におけるコドンの翻訳効率をより直接的に確認する方法を提供する必要がある。
【0010】
発明の概要
本発明の一つの側面では、細胞における個々のコドンの翻訳効率を決定する方法であって、下記の工程、すなわち
・ 該細胞中に、該個々のコドンの縦列反復と枠を揃えて融合したレポーターポリヌクレオチドを含む合成構築物を導入する工程であって、該レポーターポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードするものであり、該合成構築物が調節ポリヌクレオチドに機能しうるように連結しているものである工程、及び
・ 該レポータータンパク質の該細胞における発現を測定して該コドンの翻訳効率を決定する工程、
を含む方法が提供される。
【0011】
該方法は下記の比較工程、すなわち
・ 該個々のコドンの縦列反復を含む合成構築物が導入される細胞における該レポータータンパク質の発現、と
・ 別の個々のコドンの縦列反復を含む合成構築物が導入される細胞における該レポータータンパク質の発現、
の比較、それにより該細胞における該個々のコドンの相対翻訳効率を決定する工程、をさらに含むことが好ましい。
【0012】
本方法は、下記の工程、すなわち
・ 該個々のコドンの縦列反復を含む合成構築物を導入する細胞における該レポータータンパク質の発現、と
・ 該個々のコドンの縦列反復を含む合成構築物を導入する別の細胞における該レポータータンパク質の発現、
を比較し、それにより該他の細胞との比較で該細胞における該個々のコドンの翻訳効率を決定する工程をさらに含むことが好ましい。
【0013】
本方法は、下記の工程、すなわち
・ 該細胞の一祖先細胞に該合成構築物を導入する工程、及び
・ 該祖先細胞から該合成構築物を含む該細胞を生産する工程、
をさらに含むことが好ましい。
【0014】
本方法は、下記の工程、すなわち
・ 該合成構築物を該細胞の祖先に導入する工程、及び
・ 該祖先細胞由来の生物又はその部分を成長させる工程であって、該生物が 該合成構築物を含む該細胞を含むものである工程、
をさらに含むことが好ましい。
【0015】
本方法は、下記の工程、すなわち
・ 該合成構築物を生物又はその部分に導入して該合成構築物を該細胞に導入する工程、
をさらに含むことが好ましい。
【0016】
別の一側面では、本発明は、個々のコドンの縦列反復と枠を揃えて融合したレポーターポリヌクレオチドを含む合成構築物であって、該レポーターポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードするものであり、該合成構築物が調節ポリヌクレオチドに機能しうるように連結しているものである合成構築物に存する。
【0017】
本発明のさらに別の側面では、ある生物の別の細胞との比較で、該生物の標的細胞においてタンパク質を選択的に発現しうる合成ポリヌクレオチドを構築する改良法であって、下記の工程、すなわち、
・ 親のポリヌクレオチドの第一のコドンを選択して、該標的細胞において該
他の細胞におけるよりも高い翻訳効率を有する同義コドンと置換する工程、
及び
・ 該第一のコドンを該同義コドンと置換して該合成ポリヌクレオチドを形成
させる工程であって、該第一のコドンと該同義コドンが下記の工程、すなわ

・ 上に広く述べた方法を用いて該標的細胞における個々のコドンの翻
訳効率を該他の細胞と比較する工程、及び
・ 該比較に基づいて該第一のコドンと該同義コドンを選択する工程、
により選択されるものである工程、
を含むものである方法が提供される。
【0018】
該同義コドンは、他の細胞中でレポーター構築物が発現するレポータータンパク質のレベルの少なくとも110%、好ましくは少なくとも200%、より好ましくは少なくとも500%、そして最も好ましくは少なくとも1000%のレベルで該標的細胞中でレポータータンパク質を発現する該レポーター構築物に対応することが好ましい。
【0019】
さらなる側面において、本発明は、あるタンパク質をコードする親のポリヌクレオチドよりも高いレベルである生物の標的細胞中で該タンパク質を発現しうる合成ポリヌクレオチドの改良構築法であって、下記の工程、すなわち
・ 親のポリヌクレオチドの第一のコドンを選択して、該標的細胞中で該第一
のコドンよりも高い翻訳効率を有する同義コドンと置換する工程、
・ 該第一のコドンを該同義コドンと置換して該合成ポリヌクレオチドを形成
する工程であって、該第一のコドンと該同義コドンが下記の工程、すなわち
・ 上に広く述べた方法を用いて該標的細胞中で異種の個々のコドンの
翻訳効率を比較する工程、及び
・ 該比較に基づき該第一のコドンと該同義コドンを選択する工程、
により選択されるものである工程、
を含む方法を提供する。
【0020】
該同義コドンは、該第一のコドンに対応する異なるレポーター構築物が発現するレポータータンパク質のレベルの、少なくとも110%、好ましくは少なくとも200%、より好ましくは少なくとも500%、及び最も好ましくは少なくとも1000%のレベルで該標的細胞中で該レポータータンパク質を発現するレポーター構築物に対応するものであることが好ましい。
【0021】
詳細な説明
1.定義
冠詞「a」及び「an」は冠詞の文法的目的の一つ又は一つより大(すなわち、少なくとも一つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「an element」は一つの要素又は二つ以上の要素を意味する。
【0022】
本明細書を通じ、文脈が別義を要求しない限り、語「comprise(含む)」、「comprises(含む) 」及び「comprising (含む) 」は、述べられた工程若しくは要素又は工程群若しくは要素群を含むことを意味するが他の如何なる工程若しくは要素又は工程群若しくは要素群を排除することを意味するものではないと理解される。
【0023】
「発現しうる」とは、タンパク質と関連する特定の機能を示すのに十分なレベルまで該タンパク質が発現することを意味する。対照的に、本明細書で互換的に用いられる「発現しえない」及び「実質的に発現しえない」という用語は、(a)タンパク質の無発現、(b)タンパク質と関連する特定の機能を示すのに十分でないレベルのタンパク質の発現、(c)そのタンパク質に特異的なモノクローナル抗体により検出し得ないタンパク質の発現、又は(d)そのタンパク質を正常に発現する野性型細胞中で発現されるレベルの1%未満のタンパク質の発現、を意味する。
【0024】
「該合成構築物を発現する」とは、該合成構築物を転写してmRNAを産生することを意味する。
【0025】
「発現ベクター」とは、該ベクターによりコードされるタンパク質の合成を指示できる自律性の遺伝因子を意味する。このような発現ベクターは当分野で実務者に知られている。
【0026】
本明細書で用いるとき、用語「機能」とは生物学的、酵素学的、又は治療学的機能を指す。
【0027】
「高発現性遺伝子」とは、他の遺伝子と比べ、高レベルのmRNA、とりわけ高レベルのタンパク質を発現する遺伝子を意味する。
【0028】
「イソ受容トランスファーRNA」又は「イソ−tRNA」とは、そのアンチコドン・ヌクレオチド配列において異なっているが同じアミノ酸に特異性を持つ一つ以上のトランスファーRNA分子を意味する。
【0029】
「天然の遺伝子」とは、天然でタンパク質をコードする遺伝子を意味する。しかし、天然に生じるものではなく組換え技法を用いて工学的に作成された親のポリヌクレオチドがタンパク質をコードすることは可能である。
【0030】
用語「非周期細胞」とは、細胞周期を離脱しG0期に入った細胞を指す。この期では、内因性遺伝子の転写及びタンパク質翻訳は、細胞周期の各相、すなわちG1、S、G2及びMに比べ、大きく減少したレベルにあることが知られている。対照的に、「細胞周期」という用語は、本明細書で用いられるとき、細胞周期の上述の期の一つにある細胞を指す。
【0031】
「から取得される」とは、例えば、ポリヌクレオチド抽出物、又はポリペプチド抽出物などの試料が宿主の特定の供給源から単離又は誘導されることを意味する。例えば、抽出物は組織から又は宿主から直接単離された生物学的液体から得ることができる。
【0032】
用語「オリゴヌクレオチド」とは、本明細書で用いられるとき、ホスホジエステル結合(又はそれらの構造関連変異型又は合成類似化合物)を介して連結した複数のヌクレオチド残基(デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド、又はそれらの構造関連変異型若しくは合成類似化合物)から構成される重合体を指す。こうして、用語「オリゴヌクレオチド」は典型的にはヌクレオチド残基及びそれらの間の結合が天然に生ずるものであるヌクレオチドポリマーを指すが、この用語はその範囲内にぺプチド核酸(PNA)、ホスホルアミデート、モノチオリン酸塩、ホスホン酸メチル、リボ核酸2−O−メチル、等を含むが、これらに限定されない、種々の類似化合物をも包含すると理解される。この分子の正確なサイズは特定の適用に応じて変わり得る。オリゴヌクレオチドは典型的には長さがかなり短く、一般に約10から30までのヌクレオチド残基であり、通常「ポリヌクレオチド」又は「核酸」が大きなオリゴヌクレオチドに対して用いられるけれども、この用語「オリゴヌクレオチド」は如何なる長さの分子をも指すことができる。
【0033】
「機能しうるように連結した」とは、転写及び翻訳の調節ポリヌクレオチドが、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関して、該ポリヌクレオチドが転写されそして該ポリペプチドが翻訳されるように配置されることを意味する。
【0034】
「薬学的に許容しうる担体」とは、哺乳類への局所的若しくは全身的に投与に安全に使用できる固体若しくは液体の充填剤、希釈剤、若しくはカプセル化剤を意味する。
【0035】
「ポリペプチド」、「ぺプチド」及び「タンパク質」は本明細書では互換的に使用され、アミノ酸残基のポリマー、その変異型及び合成類似化合物を指す。従って、これらの用語は、天然アミノ酸ポリマーだけでなく、一つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の化学類似体などの合成的非天然アミノ酸であるアミノ酸ポリマーにも適用される。
【0036】
用語「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は本明細書で用いられるとき、mRNA、RNA、cRNA、cDNA又はDNAを意味する。この用語は通常長さが30ヌクレオチドより大きなオリゴヌクレオチドを指す。
【0037】
「プライマー」とは、DNAの一本鎖と対になったとき、適切な重合因子の存在下にプライマー伸長生産物の合成を開始させることができるオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは最大増幅効率のためには一本鎖であることが好ましいが、代替的に二本鎖であることもできる。プライマーは重合因子の存在下で伸長生産物の合成を開始するために十分な長さでなければならない。プライマーの長さは、適用、用いる温度、鋳型反応条件、他の試薬、及びプライマーの供給源などの多くの因子に左右される。例えば、標的配列の複雑さに応じて、オリゴヌクレオチドプライマーは通常15〜35又はそれ以上のヌクレオチド残基を含むが、より少ないヌクレオチド残基を含むこともできる。プライマーは、約200ヌクレオチド残基から数キロ塩基以上までの大きなポリヌクレオチドであることもできる。プライマーはそれがハイブリダイズするように設計される鋳型上の配列に「実質的に相補的」であるように選択でき、合成の開始のための部位として働く。「実質的に相補的」とは、プライマーが標的ポリヌクレオチドとハイブリダイズするために十分な相補性を有することを意味する。プライマーは、それがハイブリダイズするように設計された鋳型との不適合を含まないものが好ましいが、これは不可欠ではない。例えば、非相補的なヌクレオチド残基は、このプライマーの残りが鋳型と相補的である場合、プライマーの5’末端に結付着させることができる。または、プライマー配列がハイブリダイズする鋳型の配列と十分に相補的であり、それにより該プライマーの伸長生産物の合成のための鋳型を形成するならば、非相補的ヌクレオチド残基又は非相補的ヌクレオチド残基の伸長物を一つのプライマーの中に点在させることができる。
【0038】
「プローブ」は別の分子の特異的配列若しくは部分配列若しくは他の部分に結合する分子を指す。特に断らない限り、この用語「プローブ」は通常、しばしば「標的ポリヌクレオチド」と呼ばれる別のポリヌクレオチドに、相補的塩基対合を介して結合するポリヌクレオチドプローブを指す。プローブは、ハイブリダイゼーション条件の厳格性に応じて、該プローブとの完全な相補性を欠く標的ポリヌクレオチドに結合できる。プローブは直接的又は間接的に標識することができる。
【0039】
用語「前駆細胞又は前駆組織」及び「祖先細胞又は祖先組織」とは、本明細書で用いるとき、その中でタンパク質発現が目標とされるべき、又はコドンの翻訳効率が決定されるべき特定の細胞又は組織を生じ得る細胞又は組織を指す。
【0040】
「組換えポリペプチド」とは、組換え技法を用いて、すなわち組換え又は合成ポリヌクレオチドにより作成されたポリペプチドを意味する。
【0041】
「厳格性」とは、ハイブリダイゼーションの間の温度及びイオン強度の条件、及びある有機溶媒の存在又は不存在を指す。厳格性が高ければ高い程、固定化されたポリヌクレオチドと標識ポリヌクレオチドの間の相補性の程度が高くなる。
【0042】
「厳格条件」とは高頻度の相補塩基を有するポリヌクレオチドだけがハイブリダイズする温度及びイオン強度の条件を指す。要求される厳格性はヌクレオチド配列依存性であり、ハイブリダイゼーションの間に存在する種々の成分に依存する。一般に、厳格条件は、定められたイオン強度及びpHでの特定の配列に対する熱融点(Tm)よりも約10〜20℃低くなるように選択される。このTmは標的配列の50%が相補的プローブにハイブリダイズする温度(定められたイオン強度とpHの下で)である。
【0043】
用語「合成ポリヌクレオチド」は本明細書で用いられるとき、天然では正常に見出されない形にポリヌクレオチドの操作によりイン・ビトロで形成されるポリヌクレオチドを指す。例えば、合成ポリヌクレオチドは発現ベクターの形であることがてきる。一般に、このような発現ベクターは、ポリヌクレオチドに機能しうるように連結した転写及び翻訳の調節ポリヌクレオチドを含む。
【0044】
用語「同義コドン」とは、本明細書で用いられるとき、別のコドンと異なるヌクレオチド配列を有し、且つ該他のコドンと同じアミノ酸をコードするコドンを指す。
【0045】
「翻訳効率」とは、発生期のポリペプチド鎖中にコドンによりコードされたアミノ酸を組み込む細胞のタンパク質合成機構の効率を意味する。この効率は、例えば、細胞が該コドンを含むRNA鋳型からポリペプチドを合成できる速度により、又はこのような鋳型から合成されるポリペプチドの量により明らかにすることができる。
【0046】
「ベクター」とは、その中にポリヌクレオチドを挿入でき若しくはクローニングできる、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、又は植物ウイルスから誘導されるポリヌクレオチド分子、好ましくはDNA分子を意味する。ベクターは一つ以上のユニーク制限部位を含むものが好ましく、標的細胞若しくは組織又はその祖先細胞若しくは組織などの定められた宿主細胞中で自律性複製をすることができ、又はクローニングされた配列が再生産されうるように定められた宿主のゲノムと共存できる。従って、該ベクターは自律的に複製できるベクター、すなわち、その複製が染色体の複製と無関係な、例えば、線状又は閉環状プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体、又は人工的染色体などの染色体外実体として存在するベクターであることができる。ベクターは自己複製を確保するため任意の手段を含むことができる。または、ベクターは、宿主細胞に導入されるときゲノム内に組み込まれ、それが組み込まれた染色体と共に複製されるベクターであることができる。ベクター系は1個のベクター若しくはプラスミド、二つ以上のベクター若しくはプラスミドを含むことができ、そしてこれらは併せて該宿主細胞のゲノムに導入されるべき全DNA、又はトランスポゾンを含む。ベクターの選択は通常該ベクターを導入すべき宿主細胞と該ベクターの適合性に左右されることになる。ベクターは適当な形質変換細胞の選択に使用できる抗生物質耐性遺伝子などの選択マーカーを含むこともできる。このような耐性遺伝子の例は当業者に知られており、抗生物質カナマイシン、及びG418( Geneticin (登録商標))に対する耐性を付与するnptII遺伝子及び抗生物質ハイグロマイシンBへの耐性を付与するhph遺伝子が挙げられる。
【0047】
2.本発明の方法
本発明は、少なくとも一部は、レポーターポリヌクレオチドと枠を揃えてそれぞれ融合した同一コドンの、異なるが同義の伸長物、が所与の細胞型内で異なるレベルのレポータータンパク質を発現し得るという発見に基づく。如何なる特定の理論に束縛されることも望まないが、同一コドンに対応するイソ−tRNAが制限される場合、該同一コドンの縦列シリーズが翻訳の間リボソームの停止を生じさせると思われる。これに関し、リボソームの停止が発生期のポリペプチド鎖の完成を失敗に至らしめ、転写と翻訳の脱共役に至らしめることが知られている。従って、異なる細胞若しくは組織で発現されるレポータータンパク質のレベルは、該同一コドンに対応するイソ−tRNA種の細胞内量に敏感であり、それ故、細胞若しくは組織の所与のコドンを翻訳する優位性の直接の相関関係を与える。これは、例えば、同一の第一コドンの縦列シリーズを有する合成構築物を導入した細胞若しくは組織型で得られるレポータータンパク質のレベルが同一の第二コドンの縦列シリーズを有する異なる合成構築物を導入した同じ細胞若しくは組織型で発現するレポータータンパク質のレベルよりも低い場合は(ここで、第一コドンは第二コドンと異なるが同義である)、該細胞若しくは組織は翻訳に関して該第一コドンに比べ該第二コドンに対しより高い優位性を有することを演繹できることを意味する。別の言い方をすれば、第二コドンは該細胞若しくは組織型において第一コドンと比べより高い翻訳効率を有する。
【0048】
異なる細胞若しくは組織型の間での他と異なるタンパク質発現に関しては、同一コドンの縦列配列を有する合成構築物を導入した標的細胞若しくは組織型で得られるレポータータンパク質のレベルが、同一合成構築物を導入した別の細胞若しくは組織型で発現されるレポータータンパク質のレベルよりも低い場合は、該標的細胞若しくは組織は翻訳に関し他の細胞若しくは組織に比べ該コドンに対しより高い優位性を有することを演繹できることが認められる。別の言い方をすれば、該コドンは他の細胞若しくは組織型と比べ標的細胞若しくは組織でより高い翻訳効率を有する。
【0049】
本明細書で用いるとき、ある組織におけるタンパク質の発現とは、該組織の細胞内でのタンパク質の発現、又はある細胞内でのタンパク質の生産及び該細胞から、例えば、組織の細胞外マトリックスへの該タンパク質の移送のいずれかを指す。
【0050】
縦列反復は少なくとも3個の同一コドンを含むことが好ましい。縦列反復は4個の同一コドンを含むことが好ましく、5個又は7個の同一コドンを含むことがより好ましく、そして6個の同一コドンを含むことが最も好ましい。
【0051】
縦列反復はレポーターポリヌクレオチド接した位置で、又はその内部に配置して融合させることができる。その位置は、タンパク質の発現を検出若しくは評価できるような少なくともレポータータンパク質の検出可能な部分の翻訳を該縦列反復が妨害するように選ぶことが好ましい。縦列反復はレポーターポリヌクレオチドから直ぐ上流に(翻訳的に)位置することが好ましい。
【0052】
同一アミノ酸残基の縦列反復(例えば、オリゴ−プロリン反復)が該レポータータンパク質を不安定にすることはもちろん可能である。通常、タンパク質の不安定さは、レポーター遺伝子の発現が縦列反復に対応するアミノ酸に特異的なイソ受容コドンの如何なる選択によっても検出できない場合に認められる。本発明者らはこれに関し、タンパク質不安定が同一コドンの縦列反復内に少なくとも一つの中性アミノ酸をコードするスペーサーコドンを使用することにより緩和できることを発見した。
【0053】
該少なくとも一つのスペーサーコドンは、該縦列反復に対応する同一のコドンの一部若しくは全部に隣接して置くことができ、又はそれらの間に挿入することができる。例えば、同一コドンの5個の反復に対する適切な挿入位置は下記のものから成る群より選択できる。すなわち、(a)I−S−I−S−I−S−I−S−I−S、(b)S−I−S−I−S−I−S−I−S−I、(c)I−S−I−S−I−I−S−I、(d)I−S−I−I−S−I−S−I、(e)I−S−I−S−I−I−I、(f)I−I−S−I−S−I−I、(g)I−I−I−S−I−S−I、(h)I−S−I−I−S−I−I、(i)I−I−S−I−I−S−I、(j)I−S−I−I−I−S−I、(k)I−S−I−I−I−I、(l)I−I−S−I−I−I、(m)I−I−I−S−I−I、及び(n)I−I−I−I−S−I、であり、ここで、Iは縦列反復の同一コドンに対応し、Sはスペーサーコドンに対応する。
【0054】
スペーサーコドンは他の同義コドンと比べ該細胞若しくは組織型で効率的に翻訳されることが好ましい。これは、該スペーサーコドンの翻訳が律速段階とならないために重要である。該中性アミノ酸としては、アラニン及びグリシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
レポーターポリヌクレオチドは、適当な検定法によるなどして直接的若しくは間接的に発現を検出できる任意の適当なタンパク質をコードすることができる。適切なレポーターポリヌクレオチドとしては、β−ガラクトシダーゼ、蛍ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、除草薬BASTAに対する耐性を付与するビアロホス(bialophos)耐性(BAR)遺伝子などの除草薬耐性遺伝子、及び緑色蛍光プロテイン(GFP)をコードするポリヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。このようなタンパク質と関連する活性についての検定法は当業者に知られている。レポーターポリヌクレオチドはGFPをコードすることが好ましい。
【0056】
レポーターポリヌクレオチドが特定のレポータータンパク質をコードする遺伝子の全長に対応する必要がないことは当業者には理解されるであろう。これに関し、本発明は親のレポータータンパク質の必要な部分であって該親のタンパク質の活性若しくは機能が該部分に保持されているものをコードするレポーターポリヌクレオチドの部分配列をも意図する。ポリヌクレオチド部分配列は関連活性を持つレポータータンパク質のドメインをコードし、そして該レポータータンパク質の少なくとも10、20、50、100、150、又は500の連続したアミノ酸残基をコードすることが好ましい。
【0057】
本方法は任意の適切な細胞若しくは組織型に適用できるから、哺乳類の細胞/組織への適用に限定されない。従って、該細胞若しくは組織型は動物起源若しくは植物起源のいずれでもよい。該細胞若しくは組織型は任意の適切な系統のものでもよい。例えば、適切な細胞は真核細胞を含むことができ、イン・ビトロで生育できる細胞若しくは細胞系統が好ましい。適切な細胞系統としては、例えば、CV−1細胞、COS細胞、酵母若しくはスポドプテラ(spodoptera) 細胞が挙げられる。本発明は起源が原核生物である細胞をも意図する。
【0058】
特定の細胞若しくは組織を単離する適切な方法は当業者に知られている。例えば、細胞若しくは組織の一つ以上の特定の特性を利用して不均質集団から該細胞若しくは組織を特異的に単離することができる。このような特性には、組織の解剖学的位置、細胞密度、細胞の大きさ、細胞の形態、細胞の代謝活性、Ca2+、K+ 、及びH+ イオンなどのイオンの細胞内取込み、染料などの化合物の細胞内取込み、細胞表面に発現するマーカー、タンパク質蛍光、及び膜電位などが含まれるが、これらに限定されない。この点で使用できる適切な方法としては、組織の外科的除去、蛍光表示式細胞分取法(FACS)などのフローサイトメトリー法、免疫親和性分離(例えば、 Dynabead(商標) 分離などの磁気ビーズ分離) 、密度分離(例えば、メトリザマイド、Percoll(商標) 若しくは Ficoll(商標) 勾配遠心分離)、及び細胞型特異的密度分離が含まれる。
【0059】
別の実施態様では、祖先の細胞若しくは組織を、合成構築物の最初の導入のために用いることができる。コドン優位性を確認すべき目的の特定の細胞若しくは組織を生ずる任意の適切な祖先の細胞若しくは組織を用いることができる。例えば、適切な祖先細胞は未分化の細胞を含むことができる。植物の場合には、適切な祖先細胞若しくは組織は分裂組織細胞及びカルス組織をそれぞれ含むことができる。
【0060】
別の実施態様では、合成構築物を、まず、生物若しくはその部分に導入し、その後特定の細胞若しくは組織型で該構築物を発現させることができる。本発明では、単細胞及び多細胞生物を含む任意の適切な生物が意図される。多細胞生物の例としては、植物及び哺乳類(例えば、ヒト)などの動物が挙げられる。
【0061】
本発明はさらに、同一コドンの(例えば、2、3、4、5、6、若しくは7又はそれ以上の)縦列反復と枠を揃えて融合したレポーターポリヌクレオチドを含む合成構築物であって、該レポーターポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードするものであり、該合成構築物が一つ以上の調節ポリヌクレオチドに機能しうるように連結しているものである合成構築物を提供する。
【0062】
合成構築物の構築は任意の適切な手法により行うことができる。例えば、当業者に知られているイン・ビトロの突然変異誘発法を用いることができる。適切な突然変異誘発法は、例えば、アウスベルら(上掲)及びサムブルックら(上掲)の関連部分に記載されている。これらは参照により本明細書にインコーポレートされる。または、DNAを改変する適切な方法が、例えば、米国特許第4,184,917号、4,321,365号及び4,351,901号に記載されている。これらは参照により本明細書にインコーポレートされる。イン・ビトロ突然変異誘発の代わりに、合成構築物は容易に利用可能な装置を用いて新たに合成することができる。DNAの逐次合成は、例えば、米国特許第4,293,652号に記載されている。これは参照により本明細書にインコーポレートされる。しかしながら、本発明は合成構築物を構築するための如何なる一つの特定の手法に左右されるものでも、支配されるものでもないことに注意すべきである。
【0063】
合成構築物の発現を調節するために利用され得る調節ポリヌクレオチドには、プロモーター、エンハンサー、及び転写ターミネーターが含まれるが、これらに限定されない。このような調節ポリヌクレオチドは当業者に知られている。この構築物は少なくとも一つのプロモーターを含むことが好ましい。本発明のポリヌクレオチドの発現を誘導するために利用できる適切なプロモーターには、構成プロモーター及び誘導プロモーターが含まれる。
【0064】
特定の細胞若しくは組織型への合成構築物の導入、又は特定の細胞若しくは組織への後の導入のためのその祖先細胞若しくは祖先組織又は生物若しくはその部分への合成構築物の導入の工程は、意図する使用及び/又は種により異なり、リポフェクション、電気穿孔法、アグロバクテリウム・ツメファシエンス若しくはエイ.リゾゲネスによるミクロ−プロジェクタイル・ボンバードメント(微小放射砲撃)感染、又は原形質体融合を含みうる。このような方法は当業者に知られている。
【0065】
または、導入の工程は、非ウイルスベクター及びウイルスベクター、カチオン性リポソーム、例えば、参照により本明細書にインコーポレートされるムリガン,アール.シー.(1993,Science 260 926-932 ) などのレトロウイルス及びアデノウイルスを含みうる。このような方法は以下の方法を含む。
【0066】
A.注射(ウォルフら,1990,Science 247 1465-1468 、これは参照により本明細書にインコーポレートされる)、外科的移植、点滴注入法又は他の任意の手段による合成核酸配列の局部適用。この方法は、合成構築物がコードするレポータータンパク質に応答する細胞の注射、外科移植、点滴注入又は他の任意の手段による局部適用との組合せで用いてもよい。この方法は、該レポータータンパク質の活性に要求される別の因子若しくは因子群の注射、外科移植、点滴注入又は他の任意の手段による局部適用との組合せで用いてもよい。
【0067】
B.DNA(カラベレッタら,1993, Cancer Treat. Rev. 19 169-179 、これは参照により本明細書にインコーポレートされる) 、又はRNAの単独若しくはリポソームとの組合せで(ズーら,1993, Science 261 209-212 、これは参照により本明細書にインコーポレートされる)ウイルスキャプシド若しくはナノ粒子(バートリングら,1991, Biotech. Appl. Biochem. 13 390-405、これは参照により本明細書にインコーポレートされる)又は任意の他の送達補助因子の注射による一般的全身送達。標的化の改良は、合成構築物を標的化分子(例えば、抗体を用いるいわゆる「魔法の弾丸」法)に連結することにより、又は該合成構築物から生産されるタンパク質の活性に要求される別の因子若しくは因子群の、又は該レポータータンパク質に応答する細胞の注射、外科移植、又は他の任意の手段による局部適用により達成されるかも知れない。
【0068】
C.これらの細胞における該合成構築物の発現を増加させるために、トランスフェクション(例えば、リン酸カルシウムの存在下に、チェンら,1987, Mol. Cell Biochem. 7 2745-2752 、又はカチオン性リピド及びポリアミン、ローズら, 1991, BioTech. 10 520-525 、これらの文献は参照により本明細書にインコーポレートされる)、感染、注射、電気穿孔法(シゲカワら,1988, BioTech. 6 742-751、これは参照により本明細書にインコーポレートされる) 又は他の任意の方法によりエクス・ビボで改変された細胞のいずれかの手段による注射又は移植又は送達。該改変はプラスミド、バクテリオファージ、コスミド、ウイルスベクター(アデノウイルス若しくはレトロウイルスなど、ムリガン,1993,Science 260 926-932 、ミラー,1992,Nature 357 455-460、サーモンズら, 1993,Hum. Gen. Ther. 4 129-141 、これらは参照により本明細書にインコーポレートされる) 又は他のベクター、又はリポソーム(ズーら,1993, Science 261 209-212 、これは参照により本明細書にインコーポレートされる)などの他の改変用の薬剤、ウイルスキャプシド又はナノ粒子(バートリングら,1991, Biotech. Appl. Biochem. 13 390-405、これは参照により本明細書にインコーポレートされる)又は他の任意の改変補助因子により媒介されうる。遺伝子若しくは遺伝子産物の送達ビークルとして細胞を使用することは、バールら,1991, Science 254 1507-1512 及びダワンら, 1991, Science 254 1509-1512 によって記述された。これらの文献は参照により本明細書にインコーポレートされる。処理された細胞は、治療を受けた患者の生存を促進する栄養素、成長因子、マトリックス又は他の薬剤のいずれかと組み合わせて送達されうる。
【0069】
有利なことに、異なるコドンの翻訳効率は、所与の細胞若しくは組織型において、又は異なる細胞若しくは組織型の間で該レポータータンパク質の発現を比較することにより決定されうる。当業者はそれにより一つ以上の細胞若しくは組織についての「コドン優位表」を決定することができる。異なる細胞若しくは組織型に関連するコドン優位表の比較は、以下の明細書に記述するように、特定の細胞若しくは組織にタンパク質の発現を標的化するように合成ポリヌクレオチドを設計するためのコドンを同定するために使用しうる。特定の細胞若しくは組織型についてのコドン優位表内のコドンの比較は、以下の本明細書に記述するように、親のポリヌクレオチドよりも特定の細胞若しくは組織型でタンパク質をより高レベル若しくはより低レベルで発現するように合成ポリヌクレオチドを設計するためのコドンを同定するために使用することができる。
【0070】
本発明は、本発明の合成構築物をその中に含む細胞又は組織、または本発明の方法により生産される細胞又は組織をさらに意図する。
【0071】
3.特定の細胞若しくは組織にタンパク質発現を標的化するための合成ポリヌク
レオチド
本発明は、ある生物の標的細胞中で、該生物の別の細胞との比較で、あるタンパク質を選択的に発現しうる合成ポリヌクレオチドを構築するための改良法をも提供する。この方法は、同時係属中の国際出願番号PCT/AU98/00530(この全内容は参照により本明細書にインコーポレートされる)に開示された方法であって、親のポリヌクレオチドの第一のコドンを該標的細胞において該他の細胞におけるよりも高い翻訳効率を持つ同義コドンで置換する方法の一部に基づく。本発明の改良法は、セクション2に広く記述した方法を用いて、該標的細胞における個々のコドンの翻訳効率を該他の細胞と比較することにより、第一のコドン及び同義コドンを選択する工程により特徴付けられる。
【0072】
3.1.同義コドンと第一コドンの選択
本方法は、同義コドンが該標的細胞若しくは組織(「細胞若しくは組織」は本明細書ではしばしば「細胞/組織」と表す)において該一つ以上の他の細胞若しくは組織との比較でより高い翻訳効率を持つようにコドンを選択する工程を含むことが好ましい。
【0073】
異なる細胞若しくは組織の中及び間で異なるコドンの翻訳効率を決定する方法はセクション2で詳細に記述する。このようにして決定された翻訳効率は、異なる細胞若しくは組織の間でどのイソコーディング・トリプレットが他と異なって翻訳されるかを同定するために用いることができる。典型的なシナリオとしては、(A)標的の細胞/組織で一つ以上の他の細胞/組織と比べより高い翻訳効率を持つコドン、(B)標的の細胞/組織との比べ一つ以上の他の細胞/組織でより高い翻訳効率を持つコドン、及び(C)一つ以上の他の細胞/組織と比べ標的の細胞/組織でほぼ同じ翻訳効率を持つコドン、がある。同義コドンは、それらが(A)コドンに相当するように選択される。同義コドンは、置き換えるべき現存するコドン(しばしば「第一のコドン」と呼ばれる)と比べ標的細胞若しくは組織において翻訳効率の差が最大となるように選択されることが好ましい。親のポリヌクレオチドに存在するコドンは、該標的細胞/組織及び該一つ以上の他の細胞/組織に関して同義コドンと同じ翻訳の偏りを持たないように選択されることが好ましい(すなわち、現存するコドンは、好ましくは、(A)コドンに相当すべきでない)。しかしながら、現存するコドンは、該標的細胞/組織と該一つ以上の他の細胞/組織のそれぞれで類似の翻訳効率を持つことができる(すなわち、現存コドンが(C)コドンに相当する)。これらは同義コドンのそれと反対の翻訳の偏りを持つこともできる(すなわち、現存するコドンが(B)コドンに相当することができ、そしてそうなることが好ましい)。

【0074】
同義コドンは、該標的細胞/組織において、他の細胞(群)/組織(群)におけるそれの少なくとも110%、好ましくは少なくとも200%、より好ましくは少なくとも500%、さらに好ましくは少なくとも1000%の翻訳効率を有することが好ましい。該標的細胞/組織において該他の細胞(群)/組織(群)と比べ類似の翻訳効率を持つ二つ以上の同義コドンの場合には、これらのコドンのいずれか一つを現存コドンと置き換えるために使用できることが理解される。
【0075】
親のポリヌクレオチドの現存するコドンの全てを該標的細胞/組織において他の細胞群/組織群と比べより高い翻訳効率を持つ同義コドンと置き換えることは好ましいが必要ではない。発現の増加は部分的な置換でさえ達成できる。この置換工程は、親のポリヌクレオチドの現存コドンの5%、10%、15%、20%、25%、30%に影響を与えることが好ましく、35%、40%、50%、60%、70%又はそれ以上に影響を与えることがより好ましい。
【0076】
該標的細胞/組織において合成構築物から発現するタンパク質のレベルと他の細胞(群)/組織(群)において発現するタンパク質のレベルとの相違は、同義コドンにより置換された現存コドンの百分率、及び他の細胞(群)/組織(群)と比べたときの該標的細胞/組織における同義コドンの翻訳効率の相違に依存する。別の言い方をすれば、そのような置換が少なければ少ない程、及び/又は異なる細胞群/組織群の間の同義コドンの翻訳効率における差が小さければ小さい程、標的細胞/組織と他の細胞(群)/組織(群)の間のタンパク質発現の差はより小さくなる。逆に、このような置換が多ければ多い程、及び/又は異なる細胞群/組織群の間の同義コドンの翻訳効率の差が大きければ大きい程、標的細胞/組織と他の細胞(群)/組織(群)の間のタンパク質発現の差は大きくなる。本発明者らはこの点に関し、別の細胞/組織で発現するよりも10,000倍以上のレベルで標的細胞/組織において合成ポリヌクレオチドからタンパク質が発現できることを発見した。
【0077】
好ましい実施態様では、同義コドンは、標的の細胞若しくは組織の前駆体の細胞若しくは組織と比べ標的の細胞若しくは組織においてより高い翻訳効率を持つコドンである。
【0078】
代替的実施態様では、同義コドンは該標的細胞若しくは組織から誘導される細胞若しくは組織と比べ該標的細胞若しくは組織においてより高い翻訳効率を持つコドンである。
【0079】
該二つのコドンは、一つ以上の他の細胞若しくは組織と比べ標的の細胞若しくは組織において異なるコドンの翻訳効率を測定し、ついでこの測定に基づいて少なくとも一つの現存コドン及び同義コドンを同定することにより選択される。
【0080】
該同義コドンは、該他の細胞での該レポーター構築物から発現するレポータータンパク質のレベルの少なくとも110%、好ましくは少なくとも200%、より好ましくは少なくとも500%、そして最も好ましくは少なくとも1000%のレベルで、該標的細胞においてレポータータンパク質を発現するレポーター構築物に相当することが好ましい。
【0081】
3.2.合成ポリヌクレオチドの構築
親のポリヌクレオチド中の第一のコドンを同義コドンで置換する工程は任意の適切な手法により行いうる。例えば、セクション2で論じた例については、イン・ビトロ突然変異誘発法を用いることができる。
【0082】
親のポリヌクレオチドの第一コドンを全て、それぞれが他の細胞に比べ標的細胞でより高い翻訳効率を持つコドンに相当する同義コドンで置き換えることは必要でない。発現の増加は部分的置換でさえも達成しうる。該置換工程は、親の核酸配列の現存コドンの5%、10%、15%、20%、25%、30%、より好ましくは35%、40%、50%、60%、70%又はそれ以上に影響を与えることが好ましい。
【0083】
親のポリヌクレオチドは天然の遺伝子であることが好ましい。
親のポリヌクレオチドは植物又は動物から得られうる。または、親のポリヌクレオチドは任意の他の真核生物又は原核生物から得られうる。好ましい態様では、親のポリヌクレオチドは病原性生物から得られる。このような場合には、病原性生物の天然の宿主は植物又は動物であることが好ましい。例えば、病原性生物は酵母、細菌又はウイルスでありうる。しかしながら、親のポリヌクレオチドは、タンパク質を発現する生物から得る必要はなく、別の真核又は原核生物などからの任意の適切な供給源から取得しうることが理解されよう。
【0084】
本発明の選択的発現に使用されうる適切なタンパク質としては、嚢胞性繊維症膜貫通コンダクタンス・レギュレーター(CFTR)タンパク質、及びアデノシン・デアミナーゼ(ADA)が挙げられるが、これらに限定されない。CFTRの場合、合成核酸配列を生産するのに利用しうるCFTRタンパク質をコードする親の核酸配列は、例えば、リオルダンら,(1989, Science 245 1066-1073) 、及びゲンバンク・データベースに受託番号HUMCFTRMとして記載されている。これらは参照により本明細書にインコーポレートされる。
【0085】
合成ポリヌクレオチドの発現を調節するために利用される調節ポリヌクレオチドには、プロモーター、エンハンサー、及び転写ターミネーターが含まれるが、これらに限定されない。このような調節ポリヌクレオチドは当業者に知られている。この構築物は少なくとも一つのプロモーターを含むことが好ましい。本発明の合成ポリヌクレオチドの発現を誘導するために利用できる適切なプロモーターには、構成プロモーター及び誘導プロモーターが含まれる。
【0086】
本発明の合成ポリヌクレオチドは、発現ベクターの形態で一つ以上の調節配列に機能しうるように連結される。
【0087】
本発明は、発現させるタンパク質の一つ以上の所望の部分をコードする合成ポリヌクレオチドをも意図する。ポリヌクレオチドは、それに関連性のある機能を持つ、又は別な方法で検出しうるタンパク質のドメインをコードし、そして該タンパク質の少なくとも10、20、50、100、150、又は500の連続したアミノ酸残基をコードすることが好ましい。
【0088】
4.特定の細胞若しくは組織においてタンパク質発現を増強させるための合成ポ
リヌクレオチド
異なる細胞/組織の間での差別的タンパク質発現とは対照的に、合成ポリヌクレオチドは標的細胞においてタンパク質の発現が増強されるように同義コドンを用いて設計されうることが理解されよう。この点に関し、合成ポリヌクレオチドから標的細胞/組織中で発現するタンパク質のレベルと親のポリヌクレオチドから発現するタンパク質のレベルとの相違は、同義コドンにより置換された現存コドンの百分率、及び該標的細胞/組織における現存コドンと同義コドンの間の翻訳効率の差に依存する。別の言い方をすれば、このような置換が少なければ少ない程、及び/又は同義コドンと現存コドンの間の翻訳効率の差が小さければ小さい程、該合成ポリヌクレオチドと親のポリヌクレオチドの間のタンパク質発現の差は小さくなる。逆に、このような置換が多ければ多い程、及び/又は同義コドンと現存コドンの間の翻訳効率の差が大きければ大きい程、該合成ポリヌクレオチドと親のポリヌクレオチドの間のタンパク質発現の差は大きくなる。本発明者らは、この点に関し、タンパク質が標的細胞/組織において、合成ポリヌクレオチドから親ポリヌクレオチドからよりも10,000倍を越えるレベルで発現され得たことを発見した。
【0089】
少なくとも一つの現存コドンと同義コドンを、該タンパク質が該標的細胞若しくは組織中で該合成ポリヌクレオチドから該標的細胞若しくは組織で該親のポリヌクレオチドから発現されるレベルの少なくとも110%、好ましくは少なくとも200%、より好ましくは少なくとも500%、そして最も好ましくは少なくとも1000%のレベルで発現されるように選択することが好ましい。
【0090】
本発明は以下の非限定的実施例を参照しつつさらに説明する。
【0091】
実施例1
哺乳類細胞における相対的コドン優位性を決定するための発現ベクターの構築
1個の人工的開始コドン(ATG)とそれに続く5個の同一コドンの伸長物がgfpコーディング配列の直ぐ上流に枠を揃えて融合している合成gfp遺伝子を構築した。逆向きオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号:185、GFPに対する終結コドンに相補的な配列、下線がひいてある)、及び前向きオリゴヌクレオチドの1組(配列番号:126から配列番号:184まで、GFPの第一コドン、下線が引いてある)を合成し、タックDNAポリメラーゼを用いるヒト化gfp遺伝子(配列番号:124)(ギブコ)のPCR増幅(増幅パラメータ:95℃/30秒,52℃/30秒,72℃/1分、30サイクル)のための鋳型として使用した。増幅された断片は配列番号:1から配列番号:124までに示される核酸配列及び演繹アミノ酸配列を有する。
【0092】
要約すると、該合成断片は、人工的開始コドンとそれに続く所与のイソ−tRNA種に特異的な5個の同一コドンの縦列反復を含む。この縦列反復はgfp遺伝子の第二のコドンの直ぐ前にある。配列番号:及びコードされる縦列反復と共に該合成断片を表1に示す。
【0093】
該増幅断片を、SV40複製起点(インビトロゲン)及びCMVプロモーターを含む哺乳類発現ベクターpCDNA3のEcoRI及びKpnI部位の間にクローニングした。
【0094】
COS−1細胞のトランスフェクション
10%ウシ胎仔血清(FCS)、グルタミン、ペニシリン及びストレプトマイシンを補足したDMEM培地で、COS−1細胞を継続的に生育させた。細胞を一つの150cm2 フラスコから多数の25cm2 フラスコに継代培養した。該細胞のコンフルエンシーが60〜80%になったとき、 QIAGEN Effectene (商標)トランスフェクションキット(及び参照により本明細書にインコーポレートされる製造者の指示書)を用いて細胞をトランスフェクトした。簡単に述べると、1μgのプラスミドDNAを10μLの濾過したTE緩衝液及び140μLの QIAGEN(商標) 緩衝液ECに希釈した。8μLの QIAGEN(商標) エンハンサーを添加した後、ボルテックスで攪拌し、室温で2〜5分間インキュベートした。 QIAGEN(商標) エフェクティーン(10μL)を添加した後、10秒間ボルテックスで攪拌し、室温でさらに10分間インキュベートした。該細胞を1×PBSで1回洗浄し、次いで新鮮な培地(1mL)に再懸濁した。48時間後に、細胞を回収し、1×PBA(リン酸緩衝化生理食塩水プラスアジド)で洗浄した。フラスコに付着している細胞をセル・スクレーパーで剥がして取り出した。次いで、細胞を70μmフィルターを通して濾過した後、300μLの2%パラホルムアルデヒド及び300μLの10×FCSを添加した。細胞をFACS分析まで氷上暗所に保存した。
【0095】
トランスフェクトした細胞の合成gfpmRNA発現を逆転写PCRで試験した。GFPタンパク質の発現は共焦点顕微鏡及びフローサイトメトリーにより分析した。
【0096】
共焦点顕微鏡
トランスフェクトしたCOS−1細胞を、クリプトン−アルゴンレーザー及びフルオレセインの検出に適するフィルターセット及びテキサス・レッド・ダイ(バイオ−ラド KlyK2) を備えたバイオ−ラドMRC−600レーザー走査共焦点顕微鏡、及びニコン603 PlanApo (商標) 開口数 1.2の水浸漬対物レンズを用いて試験した。該トランスフェクトした細胞の2チャンネルの共焦点画像及びビデオ・モンタージュを ADOBE Photoshop (商標) を用いて適切に構成できる。
【0097】
フローサイトメトリー
トランスフェクトしたCOS−1細胞を Becton Dickinson(商標) フローサイトメーター・エリートIIで分析した。 Omega Filters (商標) により、トランスフェクトした細胞からの緑色蛍光放射(EMI 510/20−490-530 nmの光を集める) 及び黄色蛍光放射(EM2 550/30−525-580 nmの光を集める)の検出が可能となった。
【0098】
結果
5個の同一コドンの縦列反復が枠を揃えてgfp遺伝子の前に置かれた、一連の64個のレポーター構築物(表1を参照)を作成し評価した。全体として、該シリーズはイソ受容コドントリプレットの全セットを網羅する。
【0099】
このシリーズを1個の細胞系統にトランスフェクトし、そして発現レベルをフローサイトメトリーで測定した(表2を参照)。全体として、この細胞系統における該レポーター遺伝子構築物の発現レベルは、該レポーター構築物で使用されたトリプレットにより20倍の範囲で変化した。同一構築物について反復測定したところ、検定間で優れた再現性が見られた(r2 =0.9)。1個のアミノ酸についてのイソ受容コドン間での発現レベルの変動は、バリンについての1.4倍からスレオニンについての13倍までに及び、中央値は約4倍であった。アミノ酸の間での発現変動は同じオーダーの大きさであった。該効果の大きさのオーダーは、5コピーが組み込まれとするならば、アミノ酸当たり平均4倍と定義され、これは、平均200のアミノ酸残基のタンパク質全体での(1.6)200 =1086までの発現レベルの範囲とは極端には矛盾しない。この数値は以下のようにして誘導される、すなわち
〔1+((4−1)(レポーター構築物の発現範囲)/5(該レポーター構築物におけるトリプレットの数))〕200
上式中、200は該タンパク質のアミノ酸残基の数である。
この数値は、コドンの用法により、哺乳類遺伝子の発現の観察された相違を説明するには十分過ぎるものである。
【0100】
表2に示す結果は、未分化上皮細胞(COS−1)において種々のコドンが、それらの対応する同義コドンの翻訳効率と比べ、少なくとも2倍高い若しくは2倍低い翻訳効率を持つことをも明らかにする。それらの対応する同義コドンの少なくとも一つと比べ少なくとも2倍高い翻訳効率を持つ代表的なコドンとしては、aga(Arg)、cgg(Arg)、tgc(Cys)、gga(Gly)、ggc(Gly)、ccg(Pro)、cga(Pro)、aca(Thr)、acg(Thr)、及びact(Thr)が挙げられる。こうして、これらのコドンは、未分化上皮細胞における翻訳にとって優位であるように見える。対照的に、それらの対応する同義コドンの少なくとも一つと比べ少なくとも2倍低い翻訳効率を持つ代表的なコドンには、agg(Arg)、tgt(Cys)、ggg(Gly)、ggt(Gly)、ccc(Pro)、cct(Pro)、及びacc(Thr)が含まれる。これらの後者のコドンは、従って、未分化上皮細胞での翻訳にとってあまり優位ではないように見える。従って、COS−1細胞などの未分化上皮細胞内で、より高いタンパク質発現が望まれるときは、これらの優位のコドンを用いて、タンパク質をコードする親ポリヌクレオチドのあまり優位でないコドンに対応するいずれかの現存コドンを置き換えるべきである。これに関して、未分化上皮細胞でのタンパク質発現を増加させるためのコドン置換アルゴリズムを表3に示す。しかし、未分化上皮細胞で、より低いタンパク質発現が望まれるときは、より優位性の低いコドンを用いて優位性の高いコドンに対応する親のポリヌクレオチドの現存コドンを置き換えるべきである。
【0101】
本明細書に引用された全ての特許、特許出願、及び出版物の開示はその全体が本明細書に参照によりインコーポレートされる。
【0102】
本発明は本発明者らにより発見され提案された特定の実施態様の形で本発明の実施にとって好ましい態様を含むように記述された。当業者は本開示に照らして、本発明の範囲から逸脱することなく例示された特定の態様に無数の修飾及び変更がなされ得ることを理解するはずである。このような改変は全て添付の特許請求の範囲の範囲内に含められることが意図される。
【0103】
表1
合成gfp構築物を、配列番号:により、そしてgfp遺伝子の直ぐ上流の五つの同一コドンの縦列反復に対応するコドンにより表で表す。
【0104】
表2
一時的にトランスフェクトされたCOS−1細胞の四つまでの異なる試料の平均蛍光強度を示す(緑の平均1−4)。合成gfp構築物を配列番号:により、そして該gfp遺伝子の直ぐ上流の縦列反復に対応するコドンにより表として表す。
【0105】
表3
インプットコドンとアウトプットコドンは、それぞれ本発明の同義コドンと現存する(すなわち、「第一の」)コドンを表す。変更はコドンの実際の変更を意味する。
【0106】
【表1】
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【0107】
【表1−2】
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【0108】
【表2】
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【0109】
【表2−2】
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【0110】
【表2−3】
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【0111】
【表3】
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【0112】
【表3−2】
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【0113】
【表3−3】
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【配列表】
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Claims (45)

  1. 真核細胞において機能可能で、且つレポータータンパク質をコードするレポーターポリヌクレオチドと枠を揃えて融合されたコドンの縦列反復に機能しうるように連結している調節ポリヌクレオチドを含む、合成構築物。
  2. 前記縦列反復がコドンの少なくとも3コピーを含む、請求項1記載の構築物。
  3. 前記縦列反復がコドンの5コピーを含む、請求項2記載の構築物。
  4. 前記縦列反復がコドンの6コピーを含む、請求項2記載の構築物。
  5. 前記縦列反復がコドンの7コピーを含む、請求項2記載の構築物。
  6. 前記縦列反復が、前記レポーターポリヌクレオチドに隣接した位置で、又はその内部において融合している、請求項1記載の構築物。
  7. 前記縦列反復が、前記レポーターポリヌクレオチドの直ぐ上流に融合している、請求項記載の構築物。
  8. 少なくとも一つのスペーサーコドンが、縦列反復コドンに隣接して置かれている、請求項1記載の構築物。
  9. 少なくとも一つのスペーサーコドンが、一対の縦列反復コドンの間に挿入されている、請求項1記載の構築物。
  10. 前記スペーサーコドンが中性アミノ酸である、請求項8または9記載の構築物。
  11. 前記スペーサーコドンがアラニンおよびグリシンから選択される、請求項8または9記載の構築物。
  12. 前記レポータータンパク質が、β−ガラクトシダーゼ、蛍ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ、β−グルクロニダーゼ、緑色蛍光プロテイン、及びそれらの活性部位からなる群より選択される、請求項記載の構築物。
  13. 前記レポータータンパク質が、除草薬BASTA(登録商標)に対する耐性を付与するビアロホス(bialophos)耐性遺伝子によりコードされる、請求項1記載の構築物。
  14. 前記レポータータンパク質が、緑色蛍光プロテイン、又はその活性部位である、請求項1記載の構築物。
  15. 各々の合成構築物が、真核細胞において機能可能で、且つレポータータンパク質をコードするレポーターポリヌクレオチドと枠を揃えて融合されたコドンの縦列反復に機能しうるように連結している調節ポリヌクレオチドを含む、複数の合成構築物を含み、且つ第一の構築物の縦列反復コドンが第二の構築物の縦列反復コドンとは異なる、異なるコドンの翻訳効率を決定するための合成構築物システム。
  16. 前記第一の構築物および第二の構築物の縦列反復コドンが、同一のアミノ酸をコードする、請求項15記載のシステム。
  17. 前記第一の構築物および第二の構築物の縦列反復コドンが、異なるアミノ酸をコードする、請求項15記載のシステム。
  18. 合成構築物のセットを含む、請求項16記載のシステムであって、該セットにおける合成構築物の数が第一のアミノ酸をコードする同義コドンの数と同じであり、該セットの各合成構築物の縦列反復コドンが該第一のアミノ酸をコードする同義コドンであり、且つ該セットにおける異なる合成構築物が異なる縦列反復コドンを含む、システム。
  19. 合成構築物の第一のセット、および、合成構築物の第二のセットを含む請求項16記載のシステムであって、該第一のセットにおける合成構築物の数が第一のアミノ酸をコードする同義コドンの数と同じであり、該第二のセットにおける合成構築物の数が第二のアミノ酸をコードする同義コドンの数と同じであり、且つ該第一のセットにおける各合成構築物の縦列反復コドンが該第一のアミノ酸をコードする同義コドンであり、該第二のセットの各合成構築物の縦列反復コドンが、該第二のアミノ酸をコードする同義コドンであり、且つ該第一のセットまたは該第二のセットにおける異なる合成構築物が異なる縦列反復コドンを含む、システム。
  20. 前記各合成構築物の縦列反復が、対応するコドンの少なくとも3コピーを含む、請求項15記載のシステム。
  21. 前記各合成構築物の縦列反復が、対応するコドンの5コピーを含む、請求項20記載のシステム。
  22. 前記各合成構築物の縦列反復が、対応するコドンの6コピーを含む、請求項20記載のシステム。
  23. 前記各合成構築物の縦列反復が、対応するコドンの7コピーを含む、請求項20記載のシステム。
  24. 前記縦列反復が、前記レポーターポリヌクレオチドに隣接した位置で、又はその内部において融合している、請求項15記載のシステム。
  25. 前記縦列反復が、前記レポーターポリヌクレオチドの直ぐ上流に融合している、請求項24記載のシステム。
  26. 少なくとも一つのスペーサーコドンが、縦列反復コドンに隣接して置かれている、請求項15記載のシステム。
  27. 少なくとも一つのスペーサーコドンが、一対の縦列反復コドンの間に挿入されている、請求項15記載のシステム。
  28. 前記スペーサーコドンが中性アミノ酸である、請求項26または27記載のシステム。
  29. 前記スペーサーコドンがアラニンおよびグリシンから選択される、請求項26または27記載のシステム。
  30. 前記レポータータンパク質が、β−ガラクトシダーゼ、蛍ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ、β−グルクロニダーゼ、緑色蛍光プロテイン、及びそれらの活性部位からなる群より選択される、請求項15記載のシステム。
  31. 前記レポータータンパク質が、除草薬BASTA(登録商標)に対する耐性を付与するビアロホス耐性遺伝子によりコードされる、請求項15記載のシステム。
  32. 前記レポータータンパク質が、緑色蛍光プロテイン、又はその活性部位である、請求項15記載のシステム。
  33. 請求項1〜14のいずれか一項記載の合成構築物を含むベクター。
  34. 請求項1〜14のいずれか一項記載の合成構築物を含む細胞。
  35. 請求項33記載のベクターを含む細胞。
  36. 細胞におけるコドンの翻訳効率を決定する方法であって、下記の工程:
    a)請求項1〜14のいずれか一項記載の合成構築物を細胞にイン・ビトロで導入する工程、及び
    b)該細胞における前記レポータータンパク質の発現を測定して該コドンの翻訳効率を決定する工程、
    を含む方法。
  37. 請求項36に記載の方法であって、下記の工程:
    i)第一のコドンの縦列反復を含む合成構築物を導入した細胞における前記レポータータンパク質の発現、と
    ii)第二のコドンの縦列反復を含む合成構築物を導入した細胞における前記レポータータンパク質の発現、
    を同じ型の細胞において比較する工程をさらに含み、それにより該細胞における該第二のコドンに対する該第一のコドンの翻訳効率を決定する方法。
  38. 請求項36記載の方法であって、下記の工程:
    i)第一のコドンの縦列反復を含む合成構築物を導入した第一の細胞型における前記レポータータンパク質の発現、と
    ii)該第一のコドンの縦列反復を含む合成構築物を導入した第二の細胞型における前記レポータータンパク質の発現、
    を比較する工程をさらに含み、それにより該第二の細胞型との対比で該第一の細胞型における該第一のコドンの翻訳効率を決定する方法。
  39. 請求項36記載の方法であって、下記の工程:
    i)細胞の祖先細胞に前記合成構築物を導入する工程、及び
    ii)該祖先細胞から該細胞を生産する工程であって、該細胞が該合成構築物を含むものである工程、
    をさらに含む方法。
  40. 請求項36記載の方法であって、下記の工程:
    i)細胞の祖先細胞に前記合成構築物を導入する工程、及び
    ii)該祖先細胞から非ヒト生物又はその部分を成長させる工程であって、該生物が該合成構築物を含む該細胞を含むものである工程、
    をさらに含む方法。
  41. 合成ポリヌクレオチドを構築する方法であって、下記の工程:
    a)同義コドンで置換するための、ポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドの第一のコドンを選択する工程であって、該同義コドンが、生物の第二の細胞においてよりも、該生物の第一の細胞において、より高い翻訳効率を示すことを基準にして選択される、工程、及び
    b)該第一のコドンを該同義コドンで置換し、該合成ポリヌクレオチドを構築する工程、
    を含み、ここで、
    該第一のコドンおよび該同義コドンが、該第一の細胞と同じ型の細胞における翻訳効率と該第二の細胞と同じ型の細胞における翻訳効率との比較を基準にして選択され、且つ、該翻訳効率が下記の工程:
    i)各々が他の構築物の縦列反復コドンとは異なる縦列反復コドンを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の個々の合成構築物を、別々に、特定の型の細胞にイン・ビトロで導入する工程、及び
    ii)該細胞における前記レポータータンパク質の発現を比較し、該コドンの相対翻訳効率を決定する工程、
    により比較されるものである、方法。
  42. 請求項41記載の方法であって、前記同義コドンが、前記第二の細胞において同じ合成構築物が発現させるレベルに対して、前記第一の細胞において少なくとも110%のレベルで前記レポータータンパク質を発現させる合成構築物中の、縦列反復コドンに対応することを基準にして選択される、方法。
  43. 合成ポリヌクレオチドを構築する方法であって、下記の工程:
    a)同義コドンで置換するための、ポリペプチドをコードする親のポリヌクレオチドの第一のコドンを選択する工程であって、該同義コドンが、該第一のコドンよりも、前記第一の細胞と同じ型の細胞における翻訳効率を比較した際に、該第一の細胞においてより高い翻訳効率を示すことを基準にして選択される工程、及び
    b)該第一のコドンを該同義コドンで置換し、該合成ポリヌクレオチドを構築する工程、
    を含み、ここで、
    該細胞における翻訳効率が以下の工程:
    i)各々が他の構築物の縦列反復コドンとは異なる縦列反復コドンを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の個々の合成構築物を、別々に、該細胞にイン・ビトロで導入する工程、及び
    ii)該細胞における前記レポータータンパク質の発現を比較し、該コドンの相対翻訳効率を決定する工程、
    により比較されるものである、方法。
  44. 請求項43記載の方法であって、前記同義コドンの縦列反復を含む前記合成構築物が、前記第一のコドンの縦列反復を含む合成構築物が発現させるレベルに対して、少なくとも110%のレベルで、前記レポータータンパク質を発現させる、方法。
  45. 請求項41〜44のいずれか一項記載の方法であって、前記合成構築物が以下の工程:
    a)前記個々の合成構築物を、前記細胞の祖先細胞に導入する工程、および
    b)該祖先細胞から該細胞を生産する工程であって、該細胞が該合成構築物を含むものである工程、
    により該細胞に導入される、方法。
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