JP2006324515A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明の内燃機関用点火装置では、トランス2と、このトランス2を収納したケース本体3aと開口部5を有する高圧タワー3bとから構成されたケース3と、ケース本体3a内に注入、硬化されトランス2を絶縁、固定する注形絶縁樹脂4と、開口部5を塞ぎ、硬化前の注形絶縁樹脂4が高圧タワー3bの内部に侵入するのを防止する高圧接続端子7と、高圧タワー3b内に収納され、高圧接続端子7と電気的に接続されているとともにトランス2の起動時に生じる二次巻線の電圧を制御する雑音防止抵抗体8と、雑音防止抵抗体8と点火プラグとを電気的に接続するとともに雑音防止抵抗体8を高圧接続端子7側に付勢したスプリング14とを備えている。
【選択図】図1
Description
この雑音防止抵抗体8は、一般的にセラミックからなる抵抗体の両端に電極を接続固定して構成されており、点火プラグ32で火花放電が発生する際に生じる電気雑音で周辺電子部品に影響を与えるのを抑制する目的で用いられている。
また、雑音防止抵抗体8と高圧端子6との間に注形絶縁樹脂5が介在して電気的非接触が生じるのを防止するために、ケース4内に注形絶縁樹脂5を注入する前に、予め雑音防止抵抗体8と高圧端子6とを電気的に接続する作業をしなければならないといった問題点もあった。
また、雑音防止抵抗体8と高圧端子6との間に注形絶縁樹脂5が介在しているので、雑音防止抵抗体8のみを簡単に市場において交換できないという問題点もあった。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の内燃機関用点火装置を示す断面図である。
この内燃機関用点火装置では、鉄心1に一次巻線及び二次巻線が巻装されたトランス2がケース3内に収納されている。ケース3は、注形絶縁樹脂4で絶縁、固定されたトランス2を収納したケース本体3aと、このケース本体3aと一体に形成されているとともにケース本体3aと連通した開口部5を有する高圧タワー3bとから構成されている。
先ず、高圧接続端子7で高圧タワー3bの開口部5を塞ぐ。
次に、ケース本体3a内に、トランス2を載置する。この際に、トランス2の接続線6を高圧接続端子7と電気的に接続する。
その後、エポキシ樹脂である注形絶縁樹脂4をケース本体3a内に注入、硬化することで、ケース本体3a内でトランス2を絶縁、固定する。
最後に、雑音防止抵抗体8を高圧タワー3bの反開口部5から挿入し、引き続き貫通孔13内にスプリング14が収納されたプラグブーツ12を高圧タワー3bに組み付ける。
なお、プラグホール20内にプラグブーツ12を挿入してエンジンに内燃機関用点火装置を取り付けたときには、プラグブーツ12のフランジ12aはケース本体3aとエンジンとの間に挟まれており、エンジン振動によりプラグブーツ12が外れるようなことはない。
図2は実施の形態2の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、高圧タワー3bの反開口部5側の端部には、雑音防止抵抗体8が高圧タワー3bから抜けるのを防止するとともにスプリング14の端部と当接した鉄製の導電性キャップ21が圧入されている。この導電性キャップ21は、有底円筒形状であり、この内径寸法は雑音防止抵抗体8の電極8cの外径寸法よりも僅かに大きい。
雑音防止抵抗体8の電極8bと高圧接続端子7との間には、雑音防止抵抗体8を導電性キャップ21側に付勢した補助スプリング30が設けられている。
他の構成は、実施の形態1の内燃機関用点火装置と同様の構成である。
このため、内燃機関用点火コイル装置の製造工程において、プラグブーツ12に高圧タワー3bを挿入するまでの一連の作業の間、または高圧タワー3bをプラグブーツ12から抜き出すときに、雑音防止抵抗体8が誤って脱落等で破損するという懸念がなく、実施の形態1のものと比較して取扱性が向上する。
なお、補助スプリング30は、コイルばね以外に例えば板ばねであってもよい。
また、導電性キャップ21を高圧タワー3bの端部に接着材で固定するようにしてもよい。
図3は実施の形態3の内燃機関用点火装置を示す要部断面図、図4は図3の導電性キャップ22の底面図である。
この実施の形態では、有底円筒形状である導電性キャップ22は、雑音防止抵抗体8に当接して雑音防止抵抗体8を高圧接続端子7側に付勢した弾性部である舌片22aを有している。この舌片22aの弾性力により、高圧接続端子7に雑音防止抵抗体8の電極8bが面接触している。
導電性キャップ22は、実施の形態2の導電性キャップ21と同様に、高圧タワー3bの反開口部5側の端部に圧入されている。スプリング14の端部が当接した導電性キャップ22は、この内径寸法は雑音防止抵抗体8の電極8cの外径寸法よりも僅かに大きい。
他の構成は、実施の形態2の内燃機関用点火装置の構成と同様である。
図5は実施の形態4の内燃機関用点火装置を示す要部断面図、図6は図5の導電性キャップ23の底面図である。
この実施の形態では、有底円筒形状である導電性キャップ23は、雑音防止抵抗体8に当接して雑音防止抵抗体8を高圧接続端子7側に付勢した弾性部である小片23aを有している。雑音防止抵抗体8側に斜めに傾いて起立した4個の舌片23aの弾性力により、高圧接続端子7に雑音防止抵抗体8の電極8bが面接触している。
導電性キャップ23は、実施の形態2の導電性キャップ21と同様に、高圧タワー3bの反開口部5側の端部に圧入されている。この導電性キャップ23には、スプリング14の端部が圧入されており、スプリング14の径方向の位置ずれは防止されている。
他の構成は、実施の形態2の内燃機関用点火装置と同様である。
図7は実施の形態5の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、雑音防止抵抗体8に絶縁ゴム製で円筒形状のカバー24が嵌着されている。
また、高圧タワー3b内に、雑音防止抵抗体8を挿入する前では、カバー24の外径寸法は、高圧タワー3bの内径寸法よりも僅かに大きいので、カバー24付きの雑音防止抵抗体8を高圧タワー3b内に圧入することで、雑音防止抵抗体8は高圧タワー3b内で確実に位置決めされ、プラグブーツ12に高圧タワー3bを挿入するまでの間に、雑音防止抵抗体8が誤って脱落等で破損する恐れはない。
また、雑音防止抵抗体8の圧入作業も、高圧タワー3bの内壁面に沿って雑音防止抵抗体8を圧入することで簡単になされる。
また、カバーの形状についても、円筒形の外壁面に軸線方向に延びたリブを周方向に間隔をおいて形成してもよいし、また例えば断面4角形状、断面星形形状であってもよい。
図8は実施の形態6の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、雑音防止抵抗体8の電極8bと高圧接続端子7との間、及び雑音防止抵抗体8の電極8cとスプリング14との間に、それぞれ高圧接続端子7、スプリング14による雑音防止抵抗体8の摩耗を防止する摩耗防止板25が設けられている。
他の構成は、実施の形態1の内燃機関用点火装置の構成と同様である。
これに対して、この実施の形態の内燃機関用点火装置によれば、表面が円滑で、高硬度の摩耗防止板25を設けたことで、電極8b、電極8c、高圧接続端子7及びスプリング14の摩耗量は低減される。
また、この摩擦防止板25は、実施の形態2〜5の各内燃機関用点火装置にも適用することができる。
図9は実施の形態7の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、高圧タワー3bの反開口部5側の端部に、雑音防止抵抗体8が高圧タワー3bから抜けるのを防止する樹脂製の絶縁性キャップ26が接着剤で固定されている。この絶縁性キャップ26に中心部には孔26aが形成されており、この孔26aにスプリング14の端部が貫通している。
スプリング14の端部は、孔26aを通じて雑音防止抵抗体8の電極8cと当接して電気的に接続されている。
絶縁性キャップ26の凹部に電極8cが収まっている。凹部の内径寸法は雑音防止抵抗体8の電極8cの外径寸法よりも僅かに大きい。
なお、絶縁性キャップ26は高圧タワー3bの端部に圧入されて固定されていてもよい。
他の構成は、実施の形態3の内燃機関用点火コイル装置の構成と同様である。
また、絶縁性キャップ26の内径寸法は雑音防止抵抗体8の電極8cの外径寸法よりも僅かに大きく、雑音防止抵抗体8は、絶縁性キャップ26に対して径方向に僅かに遊動可能である。従って、例えば絶縁性キャップ26を高圧タワー3bの端部に圧入した際、あるいは高圧タワー3bをプラグブーツ12に組み付けた際に、高圧タワー3bが外部から衝撃を受けた場合において、この衝撃はそのまま雑音防止抵抗体8に加わることは抑制され、衝撃による雑音防止抵抗体8の破損は低減される。
図10は実施の形態8の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、高圧タワー3bの端部の側面に、被係止溝28が形成されており、絶縁性キャップ27には、被係止溝28に係止する鈎形状の係止部29が形成されている。
他の構成は、実施の形態7の内燃機関用点火装置の構成と同様である。
図11は実施の形態9の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、導電性キャップ31に、スプリング14側に突出しスプリング14が径方向に移動するのを規制する突起部31aが形成されている。
他の構成は実施の形態2の内燃機関用点火装置の構成と同様である。
図12は実施の形態10の内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、導電性キャップ32に、径方向に突出した鍔部32a、雑音防止抵抗体8側に突出した鍔部32b及びスプリング14側に突出した鍔部32cがそれぞれ形成されている。
鍔部32aは、高圧タワー3bの端部に導電性キャップ32の鍔部32bが圧入される際の位置決め機能を有しており、鍔部32cは、スプリング14が径方向に移動するのを規制する機能を有している。
導電性キャップ32の鍔部32bの内径寸法は、雑音防止抵抗体8の電極8cの外径寸法よりも僅かに大きく、雑音防止抵抗体8は、絶縁性キャップ32に対して径方向に僅かに遊動可能である。
他の構成は、実施の形態9の内燃機関用点火装置の構成と同様である。
この場合の高圧ダイオードは、例えば円柱形状で、一端部が高圧接続端子に電気的に接続され、他端部がスプリングに接触されているものである。
Claims (14)
- 一次巻線及び二次巻線を有するトランスと、
このトランスを収納したケース本体と開口部を有する高圧タワーとから構成され、開口部を通じてケース本体と高圧タワーとが連通しているケースと、
前記ケース本体内に注入、硬化され前記トランスを絶縁、固定する注形絶縁樹脂と、
前記二次巻線の一端と接続されているとともに前記開口部を塞ぎ、硬化前の前記注形絶縁樹脂が前記高圧タワーの内部に侵入するのを防止する高圧接続端子と、
前記高圧タワー内に収納され、前記高圧接続端子と電気的に接続されているとともに前記トランスの起動時に生じる前記二次巻線の電圧を制御するトランス出力電圧制御素子と、
このトランス出力電圧制御素子と前記点火プラグとの間に設けられトランス出力電圧制御素子と点火プラグとを電気的に接続するとともにトランス出力電圧制御素子を前記高圧接続端子側に付勢したスプリングと
を備えた内燃機関用点火装置。 - 前記高圧タワーの反前記開口部側の端部には、前記トランス出力電圧制御素子が高圧タワーから抜けるのを防止するとともに前記スプリングの端部と当接した導電性キャップが設けられている請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記導電性キャップには、前記トランス出力電圧制御素子に当接してトランス出力電圧制御素子を前記高圧接続端子側に付勢した弾性部が設けられている請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記導電性キャップには、前記スプリング側に突出しスプリングが径方向に移動するのを規制する突起部が形成されている請求項2または請求項3に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記導電性キャップには、前記トランス出力電圧制御素子及び前記スプリングの少なくとも一方が径方向に移動するのを規制する鍔部が形成されている請求項2または請求項3に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記高圧タワーの反前記開口部側の端部には、前記トランス出力電圧制御素子が高圧タワーから抜けるのを防止するとともに前記スプリングの端部が貫通した孔を有する絶縁性キャップが設けられている請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記高圧タワーの前記端部の側面には、被係止溝が形成されており、前記絶縁性キャップには、前記被係止溝に係止する係止部が形成されている請求項6に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記トランス出力電圧制御素子の周面と前記高圧タワーの内壁面との間には、トランス出力電圧制御素子の破損を防止するとともに高圧タワー内でトランス出力電圧制御素子を位置決めするカバーが設けられている請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記トランス出力電圧制御素子の一端部と前記高圧接続端子との間、及び前記トランス出力電圧制御素子の他端部と前記スプリングとの間の少なくとの一方には、トランス出力電圧制御素子に対する前記高圧接続端子、前記スプリングによる摩耗を防止する摩耗防止板が設けられている請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記トランス出力電圧制御素子の周面と前記高圧タワーの内壁面との空隙に非硬化性で弾性を有する合成ゴムが設けられている請求項1〜請求項7、請求項9の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記トランス出力電圧制御素子は、前記点火プラグで放電が発生する際に生じる電気雑音を抑制する雑音防止抵抗体である請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記トランス出力電圧制御素子は、前記二次巻線に生じる逆起電力を抑制する高圧ダイオードである請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記雑音防止抵抗体は、円柱状でセラミック製の本体と、この本体の両端に設けられた電極とから構成されている請求項11に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記雑音防止抵抗体は、芯棒と、この芯棒の両端に設けられた電極と、前記芯棒の周囲に巻回された抵抗線とから構成されている請求項11に記載の内燃機関用点火装置。
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