JP3701613B2 - 内燃機関用点火コイル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関の点火プラグに高電圧を供給し、火花放電を行う為の内燃機関用点火コイル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関用点火コイル装置は、自動車等のエンジンルーム内に取付けられる場合が多く、イグニッションコイルから発生するノイズを低減させるために高圧二次端子と点火プラグとの間に抵抗を配置している。従来の内燃機関用点火コイル装置は、例えば図2に示すような構成となっていた。鉄心1を中心に巻回された一次コイル2とその上に巻回された二次コイル3等は、絶縁ケース4内に収納されており、注入された絶縁材料5によって絶縁固定されている。
【0003】
鉄心1は、珪素鋼板を複数積層して構成されており、全体で閉磁路を成す磁気回路を構成する。また、一次コイル1と二次コイル2の巻き線比は、例えば、1:80〜120程度に設定されている。
【0004】
絶縁ケース4から延設された高圧筒6内には、周囲をテープ7で巻回された抵抗8が配置されている。また、抵抗8の前後も絶縁樹脂5により充填され、固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のように構成された従来の内燃機関用点火コイル装置においては、抵抗の周囲を樹脂等で覆い固めていたため、抵抗の信頼性を再確認する必要があり、作業が煩雑であった。また、抵抗を高圧筒内に樹脂で充填する工程が増加すると云う欠点が存在した。
【0006】
本発明は上記実情に鑑み提案されたもので、抵抗の信頼性を向上すると共に、製造工程の簡素化を達成できる内燃機関用点火コイル装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一次コイル及び二次コイルをそれぞれ巻回し、同心状に配設した筒状の一次コイルボビン及び二次コイルボビンと、該一次コイルボビンの筒内周及び二次コイルボビンの外周を通って閉磁路を成す鉄心部と、これらを収納する絶縁ケースと、高圧端子を内蔵した高圧筒と、絶縁ケースと別体構造である円筒型絶縁パイプを備え、高圧端子の高電圧を円筒型絶縁パイプ内のスプリングを介してプラグへ伝達する内燃機関用点火コイル装置であって、前記円筒型絶縁パイプ内に最大外径が円筒型絶縁パイプの内径より大きな紡錘形をした第1のスプリング(18)と略中央の拡径部19aで前記円筒型絶縁パイプの一部に係合する第2のスプリング(19)を介して抵抗を配置したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1の発明に更に限定を加えて、前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、前後を巻き径が順次変化する竹の子形の第1のスプリング(18)とコイル状の第2のスプリング(19)で弾持されたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1の発明に更に限定を加えて、前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、一側端からスプリングで押圧されたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1の発明に更に限定を加えて、前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、電雑抑制用の抵抗であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、発明に係る内燃機関用点火コイル装置の平面図である。ここで、内燃機関用点火コイル装置10は、一次コイル11及び二次コイル12をそれぞれ巻回し、同心状に配設した筒状の一次コイルボビン13及び二次コイルボビンと、一次コイルボビン13の筒内周及び二次コイルボビンの外周を通って磁路を成す鉄心部14と、これらを収納する絶縁ケース15と、絶縁ケース15と別体構造である円筒型絶縁パイプ17とを備え、高圧端子16の高電圧を円筒型絶縁パイプ17内のスプリングを介して図外のプラグへ伝達する内燃機関用点火コイル装置であって、円筒型絶縁パイプ17内の第1のスプリング18と第2のスプリング19によって抵抗20を狭持している。
【0012】
一次コイル11は、一次コイルボビン13に巻回されており、二次コイル12は、二次コイルボビンに巻回されている。また、一次コイルボビン13の中空部に鉄心部14が貫挿されている。一次コイルボビン13は、二次コイルボビンの内周に嵌合されている。そして、二次コイルボビンには、二次コイル12を分割巻きする為の仕切として機能する複数個の鍔部が一体的に形成されており、一次コイル11と巻線比にして、例えば、1:80〜120となる二次コイル12が各鍔部を仕切として分割巻きしてある。各ボビン13等は、合成樹脂等の電気的絶縁材料から構成されている。
【0013】
鉄心部14は、空隙を有した、略環状をした珪素鋼板を積層して形成されており、鉄心部全体で閉磁路を為す磁気回路を構成する。また、絶縁ケース15は、合成樹脂などの絶縁材料で形成され、上方に開口部15aを有すると共に、高圧端子16が一体的に側壁に延設されている。また、高圧端子16の内側端16aには、一次端子11が配設されている。
【0014】
また、絶縁ケース15内に一次コイル11と二次コイル12とスイッチング素子14を収納すると共に、一次コイル11とスイッチング素子と一次端子との接続点を一次コイル11とスイッチング素子との間に配設している。ここで、一次端子は、一端が高圧端子16内に突設されると共に、他端がスイッチング素子の下を通って、接続点まで延設されている。
【0015】
更に、絶縁ケース15内には、絶縁材料21を注入し、一次コイル11、二次コイル12、スイッチング素子等の各収納部品を絶縁固定している。
【0016】
本実施の形態において、円筒型絶縁パイプ17の内部に配置された第1のスプリング18は、一端が高圧端子16と接触すると共に、他端が抵抗20と接触する。また、第1のスプリング18は、外形が円筒型絶縁パイプ17の内径より大きな紡錘形をしており、高圧端子16方向から押圧されても、それ以上移動することがない。
【0017】
第2のスプリング19は、略中央に拡径部19aを有しており、この拡径部19aで円筒型絶縁パイプ17の一部に係合している。したがって、円筒型絶縁パイプ17内に第1のスプリング18、抵抗20、及び第2のスプリング19を内装した後、絶縁ケース15の高圧筒21に装着すれば、抵抗20等が抜け出る虞がない。
【0018】
また、本発明の他の実施の形態として、高圧端子16に直接抵抗20を当接させると共に、円筒型絶縁パイプ17内に配設したスプリングで抵抗20を高圧端子16方向へ押圧するように構成してもよい。
【0019】
以上のように構成した場合、部品点数の削減を達成することができと共に、抵抗20を確実に装着できる。
【0020】
【発明の効果】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0021】
請求項1に記載の発明では、一次コイル及び二次コイルをそれぞれ巻回し、同心状に配設した筒状の一次コイルボビン及び二次コイルボビンと、該一次コイルボビンの筒内周及び二次コイルボビンの外周を通って閉磁路を成す鉄心部と、これらを収納する絶縁ケースと、高圧端子を内蔵した高圧筒と、絶縁ケースと別体構造である円筒型絶縁パイプを備え、高圧端子の高電圧を円筒型絶縁パイプ内のスプリングを介してプラグへ伝達する内燃機関用点火コイル装置であって、
前記円筒型絶縁パイプ内に最大外径が円筒型絶縁パイプの内径より大きな紡錘形をした第1のスプリング(18)と略中央の拡径部19aで前記円筒型絶縁パイプの一部に係合する第2のスプリング(19)を介して抵抗を配置したので、電雑抑制用の抵抗を簡易でかつ確実の固定することができる。また、製造工程の簡略化を達成することができる。
【0022】
また、請求項2に記載の発明では、上記した請求項1に記載の発明に更に限定
を加えて、前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、前後を巻き径が順次変化する竹の子形の第1のスプリング(18)とコイル状の第2のスプリング(19)で弾持されたので、一層確実に電雑抑制用の抵抗を固定することができる。また、従来のように合成樹脂で充填する必要がないので、組み立て工程が簡易となる。更に、スプリングを使用して固定するので、ある程度の取り付け位置のバラツキに追従することができる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明では、上記した請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、一側端からスプリングで押圧されたので、一層簡易で確実に電雑抑制用の抵抗を固定することができる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明では、上記した請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、電雑抑制用の抵抗であるので、電気的ノイズの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る内燃機関用点火コイル装置の平面図である。
【図2】図2は、従来の内燃機関用点火コイル装置の平面図である。
【符号の説明】
10 内燃機関用点火コイル装置
11 一次コイル
12 二次コイル
13 一次コイルボビン
14 鉄心部
15 絶縁ケース
16 高圧端子
17 円筒型絶縁パイプ
18 第1のスプリング
19 第2のスプリング
20 抵抗
21 高圧筒

Claims (4)

  1. 一次コイル及び二次コイルをそれぞれ巻回し、同心状に配設した筒状の一次コイルボビン及び二次コイルボビンと、該一次コイルボビンの筒内周及び二次コイルボビンの外周を通って閉磁路を成す鉄心部と、これらを収納する絶縁ケースと、高圧端子を内蔵した高圧筒と、絶縁ケースと別体構造である円筒型絶縁パイプを備え、高圧端子の高電圧を円筒型絶縁パイプ内のスプリングを介してプラグへ伝達する内燃機関用点火コイル装置であって、
    前記円筒型絶縁パイプ内に最大外径が円筒型絶縁パイプの内径より大きな紡錘形をした第1のスプリング(18)と略中央の拡径部19aで前記円筒型絶縁パイプの一部に係合する第2のスプリング(19)を介して抵抗を配置したことを特徴とする内燃機関用点火コイル装置。
  2. 前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、前後を巻き径が順次変化する紡錘形の第1のスプリング(18)とコイル状の第2のスプリング(19)で弾持されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル装置。
  3. 前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、一側端からスプリングで押圧されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル装置。
  4. 前記円筒型絶縁パイプ内に配置された抵抗は、電雑抑制用の抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル装置。
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