JP4032692B2 - 点火コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火コイルに関し、特に内燃機関の各気筒のプラグホール内に取付けられるいわゆるスティックコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
点火コイルとしては、例えば内燃機関用点火コイルにおいて、各気筒のプラグホール内に取付けられるいわゆるスティック型の点火コイルが知られている。
【0003】
この種の点火コイルは、プラグホールの筒軸上に配置される中心コアと、この外周にあって、中心コアの外周側に巻回される二次コイルと、この二次コイルの外周側に同軸に巻回される一次コイルと、これら点火コイルを構成する部品を収容するケースとを備える。このケース内に組付けられる部品間の絶縁性を確保するため、樹脂充填材が充填されている。
【0004】
一般に、点火コイル内すなわちケース内に配設される点火コイルを構成する各部材は、金属、樹脂等の異種材料で形成されることで、各部材間の膨張係数が異なるため、例えば使用環境温度の変化に応じて、膨張係数差つまり熱膨縮の差に起因した熱応力が樹脂絶縁材に生じ、樹脂絶縁材に亀裂、割れ等のクラックが発生する場合がある。このクラックは、樹脂絶縁材に接する各部材のエッジ部を起点として亀裂が進展し易い。一方、中心コアは、例えば珪素鋼板を径方向に積層させることで丸棒状に形成されており、エッジ部としては、丸棒の角部のみならず、丸棒の外周表面を形成する積層された珪素鋼板の各角部に多数存在する。
【0005】
このため、中心コアと充填材との膨張係数差による上記の熱応力により、充填材にクラックが発生することがあるので、この熱応力を緩和するため、中心コアには、軟質の緩衝チューブが被覆されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来構成では、中心コアに被覆チューブを被覆する手間、特に熱収縮させて中心コアと一体化させる手間が必要なため、製品コストが増加するという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、したがって、その目的は、中心コアに被覆チューブを被覆する手間が軽減できる点火コイルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によれば、磁性材料からなる棒状の中心コアと、中心コアの外周側に巻かれた内周側コイルと、中心コアと内周側コイルとの間に配され、内周側コイルの巻線が巻回される内周側スプールと、内周側コイルの外周側に巻かれた外周側コイルと、内周側コイルと外周側コイルとの間に配され、外周側コイルの巻線が巻回される外周側スプールと、外周側コイルの外周側に配される筒状のケースとを備え、ケース内に樹脂絶縁材が充填されて、電気絶縁材料からなる内周側スプールおよび外周側スプールの外周に巻回された内周側コイルおよび外周側コイルがモールド固定されている点火コイルであって、
中心コアと内周側スプールとの間には、ケース内に充填されて接する部材をモールド固定する樹脂絶縁材内に、硬質チューブからなり、引張り強度が樹脂絶縁材に比べて大きい緩衝部材が配置されるとともに、
緩衝部材は、中心コアの軸端部より突出している。
【0009】
中心コアと内周側スプールとの間には、硬質チューブからなる緩衝部材が配置されているので、例えば中心コアに形成される複数の積層状の鋼板のエッジ部を起点としてクラックが発生したとしても、そのクラックが径方向に進展するのを防止できる。さらに、この緩衝部材は、中心コアの軸端部より突出するように配置されているので、例えば点火コイルのケース内に充填した樹脂絶縁材が中心コアの軸端部の表面に接する場合でも、中心コアの軸端部より突出する緩衝部材の内部でクラックの進展を防止することが可能である。
【0010】
しかも、緩衝部材を備えた中心コアにおいて、緩衝部材を硬質チューブで形成するので、熱収縮チューブ等の軟質チューブのように熱収縮させる手間がなく、点火コイルの製造上、加工工数が低減できる。
【0011】
上記緩衝部材は、本発明の請求項2に記載のように、有底筒状体に形成され、中心コアをこの有底筒状体の軸方向の中間位置に収容されている。
【0012】
これにより、緩衝部材は、中心コアの外周側を覆うとともに、中心コアの軸端部の角部ないし軸端部の表面に形成される複数の鋼板のエッジ部から突出するように配置できる。
【0013】
また、例えば緩衝部材の内周が中心コアの外周に密着する構造として、緩衝部材の有底筒状体の開口部に中心コアを挿入組付けすることで、容易に中心コアと緩衝部材を一体形成が可能である。
【0014】
本発明の請求項3によれば、内周側スプール、または外周側スプールは、緩衝部材の端部を保持する底部を備え、底部には、緩衝部材の軸方向内部へ挿入可能な段差部が形成されている。
【0015】
これにより、緩衝部材の端部を保持する底部を内周側スプールまたは外周側スプールが備えているとともに、緩衝部材の軸方向内部へ挿入可能な段差部が底部に形成しているので、緩衝部材の内周が中心コアの外周に密着する構造であるか否かに係わらず、中心コアを緩衝部材の軸方向内部に配置する、つまり緩衝部材を中心コアの軸端部より突出させることができる。
【0016】
本発明の請求項4によれば、中心コアの両軸端部の少なくともいずれか一方に、緩衝部材より肉厚の緩衝体を配置している。
【0017】
中心コアの表面に接する樹脂絶縁材にクラックが発生するのは、膨張係数差による熱膨縮が影響するため、一般に、棒状に形成される中心コアは、外周側に比べて、長尺の両軸端部間の熱膨縮の影響が大きい。
【0018】
これに対して、本発明の点火コイルでは、緩衝部材より肉厚の緩衝体を両軸端部側にそれぞれ設ける必要はなく、両軸端部の少なくともいずれか一方に設けるだけで、熱膨縮の影響つまり熱応力の吸収が可能である。
【0019】
本発明の請求項1に記載するように、緩衝部材は、樹脂絶縁材の引張り強度に比較して大きい。
【0020】
すなわち、膨張係数差による熱膨縮の影響で樹脂絶縁材にクラックが生じたとしても、緩衝部材は、機械的強度としての引張り強度が樹脂絶縁材に比べて大きいので、亀裂、割れ等のクラックが発生することなく、緩衝部材の硬質チューブに起因して弾性変形することで、クラックが生じる応力をその弾性変形で吸収、または分散可能である。
本発明の請求項5によれば、中心コアは、磁性材料からなる薄板を中心コアの径方向に積層することにより構成されている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の点火コイルを内燃機関用点火コイルに適用して、具体化した実施形態を、図面に従って説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態の点火コイルの概略構成を表す縦断面図である。図2は、図1中のII−IIからみた横断面図である。図3は、図1中の本発明の要部である中心コアと緩衝部材の回りのIII線内部分を拡大した部分断面図である

【0023】
図1に示すように、点火コイル1は、図示しないエンジンブロックの上部に気筒毎に形成されたプラグホール内に収容され、点火プラグ(図示せず)と図1中の下側で電気的に接続している。
【0024】
点火コイル1は、点火コイル1の筒状のケースとして、樹脂材料からなる円筒状のハウジング11を備えており、このハウジング11内に形成された収容室11aには、中心コア部12、二次スプール20、二次コイル21、一次スプール23、一次コイル24、外周コア25等が収容されている。
【0025】
なお、このハウジング11は、コネクタ部30や点火コイル1をエンジンブロックに固定するためのブラケット部32が一体化された頭部11b、外周コア25の外周を覆って点火コイル本体部(詳しくは、内周側コイルとしての二次コイル21、外周側コイルとしての一次コイル24等が収容される部位)を保護する筒部11c、および点火プラグに嵌合装着(詳しくは、二次コイル24の高圧側の巻線が接続される第1高圧ターミナル40、この第1高圧ターミナル40と点火プラグの端子に接触する導電性材料からなるスプリング42とを電気的に接続する第2高圧ターミナル41等が収容される)高圧タワー部11dとを含んで構成されている。頭部11bと筒部11cと高圧タワー部11dとの接続部は、圧入嵌合する構造となっており、それぞれ接着剤等にて接着され、シールされている。
【0026】
ハウジング11の収容室11aに充填されたエポキシ樹脂26は、点火コイル1内の各部材間に浸透し、樹脂絶縁材として部材間の電気絶縁を確実なものとしている。詳しくは、収容室11aには、樹脂絶縁材としての電気絶縁性を有する注型樹脂(本実施形態では、エポキシ系樹脂)26が充填されて両コイル21、24およびその他の部品がモールド固定されている。なお、筒部11cと高圧タワー部11dとの接続部には、外周コア25とハウジング11との間の熱膨縮差によるエポキシ樹脂26の割れを防ぐために、例えば外周コア25下端に弾性緩衝部材11eを装着している。
【0027】
中心コア部12は、コア本体13と、コア本体13の両軸端に配設された永久磁石(図示せず)とからなる。なお、本実施形態では、以下永久磁石を備えないコア本体13の場合で説明する。本発明の課題を解決するにあったては、中心コア部12が永久磁石を有するか否かにかかわらず、本発明の点火コイル1によって解決されるものであるので、永久磁石を有する中心コア部12の詳細説明は省略する。
【0028】
コア本体13は、図1および図2に示すように、磁性材料(本実施形態では、珪素鋼板)からなる棒状に形成されており、薄い珪素鋼板を横断面がほぼ円形となるように径方向に積層して組立てられている。
【0029】
また、このコア本体13の外周と二次スプール20の内周との間には、緩衝部材としての樹脂材料(本実施形態では、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(PET))からなる硬質チューブ製の筒部材17が配置されている。さらに、外周側に筒部材17を備えた中心コア部12に、キャップ19が嵌合している。なお、キャップ19および内周側スプールとしての二次スプール20は、中心コア部12の外周を取り囲むケース部材を構成している。
【0030】
なお、筒部材17の詳細については、後述する。
【0031】
二次コイル(内周側コイル)21は、中心コア部12の外周側(詳しくは、コア本体13の外周側に配された筒部材17の外周側)に配置され、二次コイル21の高圧側の巻線が点火プラグに電気的に接続するとともに、この二次コイル21の外側には、二次コイル21に発生する高電圧を制御するイグナイタ60からの制御信号が入力される一次コイル(外周側コイル)24が配置されている。
【0032】
なお、点火コイルでは、一次コイル24に入力された電圧を昇圧して二次コイル21から出力するものであるので、二次コイル21の巻数は、一次コイル24の巻数より多く、従って、二次コイル21の巻線の線径を、一次コイル24の巻線より小さくしている。
【0033】
二次スプール(内周側スプール)20は、図1および図2に示すように、筒部材17の外周側に配設されており、中心コア部12、筒部材17の端部を保持する底部20aを備えた有底筒状に樹脂(本実施形態では、PPE樹脂)等の電気絶縁材料で形成されている。二次コイル21は二次スプール20の外周に巻回されており、二次コイル21の高電圧側にはさらにダミーコイル22が一重巻き程度に巻回されている。ダミーコイル22は二次コイル21と第1高圧ターミナル40とを電気的に接続している。二次コイル21の高圧側の巻線を単線ではなく、ダミーコイル22で二次コイル21と第1高圧ターミナル40とを電気的に接続することにより、二次コイル21と第1高圧ターミナル40との電気的に接続部の表面積を大きくし、電気的接続部への電界集中を避けている。
【0034】
なお、二次コイル21は、図1および図3に示すように、高電圧側に向かうほど、コイルの厚み(コイルの巻き段数)が減少するように巻かれている。
【0035】
なお、二次コイル21が巻回される二次スプール20の底部20aの詳細、特に、中心コア部12および筒部材17の端部を保持する構造については、後述する。
【0036】
一次スプール(外周側スプール)23は、図1および図2に示すように、二次コイル21の外周側に配設されており、樹脂(本実施形態では、PPE樹脂)等の電気絶縁材料で略円筒状に形成されている。一次コイル24は一次スプール23の外周に巻回されている。
【0037】
なお、一次スプール23の外周面(一次コイル24と一次スプール23の間)には、樹脂(本実施形態では、PET)からなる薄膜フィルム23aが巻かれていていてもよい。この薄膜フィルム23aにより、一次スプール23と、モールド用樹脂としての樹脂絶縁材26とが完全に接着してしまうことを防止する。
【0038】
外周コア25は一次コイル24のさらに外側に装着され、薄い珪素鋼板等の磁性材料で略円筒状に形成されている。
【0039】
また、第1高圧ターミナル40の中央部は、第2高圧ターミナル41を挿入する方向に折り曲げられた爪部を構成している。この爪部に第2高圧ターミナル41の先端が挿入することにより、第2高圧ターミナル41は第1高圧ターミナル40と電気的に接続している。ダミーコイル22の高電圧端の巻線は、フュージングまたははんだ付け等で、第1ターミナル40に電気的に接続されている。スプリング42は、第2高圧ターミナル41と電気的に接続するとともに、プラグホールに点火コイル1を挿入した際に点火プラグと電気的に接続する。ハウジング11の高電圧側開口端には、ゴムからなるプラグキャップ43が装着されており、このプラグキャップ43に点火プラグを挿入する。
【0040】
なお、コネクタ30には、ターミナル31がインサート成形されており、このターミナル31は、スイッチング回路としてのイグナイタ60から一次コイル24へ制御信号を供給するように、一次コイル24の巻線端部に電気的に接続される。
【0041】
なお、イグナイタ60は、図1に示すように、点火コイル1(詳しくは、頭部11b)に収容されて、ターミナル31を介して外部からイグナイタ60へ給電されるものであってもよいし、一次コイル24へ制御信号を供給するイグナイタ60を点火コイル1の外部に設けて、ターミナル31を介して制御信号を一次コイル24へ供給してもよい。
【0042】
上述の構成を有する点火コイル1は、コネクタ部30のターミナル31を介して、イグナイタ60から出力される制御信号が一次コイル24へ供給されると、一次コイル24に入力された電圧に応じて二次コイル21に高電圧が発生する。この高電圧がダミーコイル22、第1ターミナル40、第2高圧ターミナル41、スプリング42を介して点火プラグに印加される。
【0043】
一方、点火コイル1内すなわちハウジング11内に配設される点火コイルを構成する各部材は、金属、樹脂等の異種材料で形成されることで、各部材間の膨張係数が異なるため、例えば使用環境温度の変化に応じて、膨張係数差つまり温度変化による膨張および収縮、すなわち熱膨縮の差に起因した熱応力が各部材間に生じる。熱応力が発生すると、金属材料に比べて、引張り強度等の機械的強度が低い樹脂材料で形成される一次および二次スプール21、24や樹脂モールド用の樹脂絶縁材26のうち、特に樹脂絶縁材26に亀裂、割れ等のクラックが発生する場合がある。
【0044】
詳しくは、例えばエポキシ樹脂の樹脂絶縁材26、コア本体13の外周を取り囲むPPE樹脂の二次スプール21の膨張係数は、珪素鋼板のコア本体13の膨張係数に比べて大きい。このため、樹脂絶縁材26が中心コア部12のコア本体13に直接接している場合、コア本体13と樹脂絶縁材26とが熱膨縮を繰返すと、コア本体13と接する樹脂絶縁材26にクラックが発生することがある。
【0045】
このクラックは、樹脂絶縁材26に接する各部材のエッジ部を起点として亀裂が進展し易い。一方、コア本体13は、珪素鋼板を径方向に積層させることで丸棒状に形成されており、亀裂すなわちクラックが進展する起点となるエッジ部が、丸棒状の角部のみならず、丸棒の外周表面を形成する積層された珪素鋼板の各角部に多数存在する。
【0046】
このため、従来構成では、例えばコア本体13を、ポリオレフィン系樹脂等からなる軟質チューブ製の筒部材を、熱収縮させることで一体成形されていた。しかしながら、従来の軟質チューブによる筒部材では、コア本体13を覆って組立てる際、熱収縮させる手間が、製造工程上の工数増加となり、製品コスト増となる問題がある。
【0047】
そこで、本発明の点火コイルの要部である中心コア部12の回りの構成、特に点火コイル1を構成する各部品の熱膨張係数の差に起因するコア本体13の表面のエッジ部に起因して生じる樹脂絶縁材26のクラックの進展を防止する構造について、以下図1および図3に従って説明する。
【0048】
まず、筒部材は、PETからなる硬質チューブ製で形成されるとともに、図3に示すように、コア本体13の外周側に所定間隔を置いてコア本体13を覆うように、配置されている。さらに、この筒部材13は、少なくとも丸棒状のコア本体13の角部が筒部材13の外部へ露出しないように、コア本体13の軸端部13aより突出しているように配置されている。
【0049】
これにより、まず、コア本体13の外周側、かつ二次スプール20の内周側には、硬質チューブからなる緩衝部材としての筒部材17が配置されるので、例えば点火コイル1のハウジング11内に充填した樹脂絶縁材26が筒部材17を介してコア本体13の外周表面13b(図2参照)に接する場合でも、コア本体13の外周に積層されて形成される複数の鋼板のエッジ部13bpを起点として樹脂絶縁材26にクラックが発生したとしても、そのクラックの進展は、筒部材17で止まり、それ以上にクラックが径方向に進展するのを防止できる。さらに、この筒部材17は、コア本体13の軸端部13aより突出するように配置されているので、例えば点火コイル1のハウジング11内に充填した樹脂絶縁材26が軸端部13aの表面に接する場合でも、軸端部13aより突出する筒部材17の内部の範囲内にクラックの進展がとどまり、さらに外側にクラックの進展を防止することが可能である。
【0050】
しかも、筒部材17を備えた中心コア部12すなわちコア本体13において、筒部材17を硬質チューブで形成するので、ポリオレフィン系等の熱収縮可能な軟質チューブのように、熱収縮させる手間がなく、点火コイル1の製造上、加工工数が低減できる。
【0051】
なお、コア本体13を筒部材17の内部に配置する構成として、図3に示すように、二次コイル21を巻回する二次スプール20の底部20aの形状を以下のようにすることで、点火コイル1の組付け、特に二次スプール20の底部20aにコア本体13および筒部材17の端部を保持させる組付けが容易にできる。
【0052】
すなわち、底部20aには、図3に示すように、筒部材17の軸方向の内部へ挿入可能な段差部20ahが形成されている。これにより、筒部材17の内周がコア本体13の外周に密着する構造であるか否かに係わらず、コア本体13を筒部材17の軸方向の内部に配置することができる。
【0053】
なお、この段差部20ahの形状は、図3に示すように、第1高圧ターミナルの中央部に形成される爪部に、第2高圧ターミナル41を挿入して電気的に接続する構成上から、底部20aの中央部に形成される挿入孔20bと略同軸の内周を有するように形成することが望ましい。これにより、プラグホール内に収容される点火コイル1において、点火コイル1を構成する各部材を保護するハウジング11に対して、長尺化および薄肉化を図る場合に、ハウジング11を軸方向に容易に形成できる等の樹脂成形性の容易化が図れる。
【0054】
なお、本実施形態で説明する筒部材17は、その引張り強度が樹脂絶縁材26び引張り強度に比べて大きい樹脂材料を使用している。これにより、膨張係数差による熱膨縮の影響で樹脂絶縁材26にクラックが生じたとしても、筒部材17は、機械的強度としての引張り強度が樹脂絶縁材26に比べて大きいので、亀裂、割れ等のクラックが発生することなく、筒部材の硬質チューブの機械的強度に起因した弾性変形を継続することで、その弾性変形の変形量に応じて、クラックが生じる応力の吸収、または分散が可能である。
【0055】
(変形例)
第1の変形例としては、上述の実施形態で説明した筒部材17の筒状体の形状に代えて、図4に示す有底筒状体の形状を有する筒部材17を備えた点火コイル1としてもよい。図4は、第1の変形例の緩衝部材としての筒部材を表わす縦断面図である。
【0056】
図4に示すように、筒部材17は、円筒部17aと、この円筒部17aの両端のうち、一方端に形成される環状部17bと、他方端に形成される開口部17cからなる。この開口部17cは、上述の実施形態で説明した二次スプール20の底部20aに形成される段差部20ahに挿入されるように、形成されるものであって、筒部材17は、図4に示す天地方向に筒部材17を配置した状態で、図1に示すような点火コイル1内に収容されるように、配置されるものである。
【0057】
これにより、筒部材17は、コア本体13の外周面13b側を覆うとともに、コア本体13の軸端部13aの角部ないし軸端部の表面に形成される複数の鋼板のエッジ部から突出するように配置できる。
【0058】
また、例えば筒部材17の内周をコア本体13の外周に密着する構造として、筒部材17の開口部17cからコア本体13を挿入組付けすることで、容易にコア本体13と筒部材17を一体形成ができる。
【0059】
また、第2の変形例としては、コア本体13の両端部13aの少なくともいずれか一方に、筒部材17より肉厚の緩衝体17d(本実施形態では、例えばゴム材、あるいは単孔質スポンジ)を配置してもよい(図5参照)。なお、この緩衝体17dは、第1変形例で説明した有底筒状体の環状部17b(図4参照)の肉厚を増大させて形成してもよい。
【0060】
従来構造のように、筒部材17(詳しくは円筒部17a)より肉厚の緩衝体17dを両軸端部13a側にそれぞれ設ける必要はなく、両軸端部13aの少なくともいずれか一方に設けるだけで、熱膨縮の影響つまり熱応力の吸収が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の点火コイルの概略構成を表す縦断面図である。
【図2】図1中のII−IIからみた横断面図である。
【図3】図1中の本発明の要部である中心コアと緩衝部材の回りのIII線内部分を拡大した部分断面図である。
【図4】第1の変形例の緩衝部材を表わす縦断面図である。
【図5】第2の変形例の点火コイルの構成を表わす縦断面図である。
【符号の説明】
1 点火コイル
11 ハウジング(ケース)
12 中心コア部
13 コア本体
13a 軸端部
13b、13bp 外周面、エッジ部(径方向に積層されて棒状に形成された珪素鋼板の角部)
17 筒部材(緩衝部材)
17a 円筒部
17b 環状部
17c 開口部
17d 緩衝体
19 キャップ
20 二次スプール(内周側スプール)
20a 底部
20ah 段差部
21 二次コイル(内周側コイル)
23 一次スプール(外周側スプール)
24 二次コイル(内周側コイル)
25 外周コア
26 エポキシ樹脂(樹脂絶縁材)

Claims (5)

  1. 磁性材料からなる棒状の中心コアと、
    該中心コアの外周側に巻かれた内周側コイルと、
    前記中心コアと前記内周側コイルとの間に配され、前記内周側コイルの巻線が巻回される内周側スプールと、
    前記内周側コイルの外周側に巻かれた外周側コイルと、
    前記内周側コイルと前記外周側コイルとの間に配され、前記外周側コイルの巻線が巻回される外周側スプールと、
    前記外周側コイルの外周側に配される筒状のケースとを備え、
    前記ケース内に樹脂絶縁材が充填されて、電気絶縁材料からなる前記内周側スプールおよび前記外周側スプールの外周に巻回された前記内周側コイルおよび前記外周側コイルがモールド固定されている点火コイルであって、
    前記中心コアと前記内周側スプールとの間には、前記ケース内に充填されて接する部材をモールド固定する前記樹脂絶縁材内に、硬質チューブからなり、引張り強度が前記樹脂絶縁材に比べて大きい緩衝部材が配置されるとともに、
    該緩衝部材は、前記中心コアの軸端部より突出していることを特徴とする点火コイル。
  2. 前記緩衝部材は、有底筒状体に形成され、前記中心コアを前記有底筒状体の軸方向の中間位置に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の点火コイル。
  3. 前記内周側スプール、または前記外周側スプールは、前記緩衝部材の端部を保持する底部を備え、
    前記底部には、前記緩衝部材の軸方向内部へ挿入可能な段差部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の点火コイル。
  4. 前記中心コアの両軸端部の少なくともいずれか一方に、前記緩衝部材より肉厚の緩衝体を配置していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の点火コイル。
  5. 前記中心コアは、磁性材料からなる薄板を前記中心コアの径方向に積層することにより構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点火コイル。
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