JPS595956Y2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関用点火コイルで、特に鉄ケースタイプ
のコイルに於けるコイルキャップ部分の構造に関する。

従来周知の内燃機関用点火コイルは性能や始動性を向上
させるため外付抵抗器付コイルが主に使用され、点火コ
イル始動時にこの外付抵抗器が短絡され点火コイルの始
動性を改善していた。

しかしながらこの外付抵抗器は、必要な抵抗値を出す為
の抵抗線を碍子等の絶縁体で絶縁し、抵抗線の両端には
、電源から来た線とコイルへ行く線とを接続するターミ
ナルを設けた抵抗器で構或されており、始動時には、こ
の抵抗器を短絡する回路を用いることにより、始動時の
みコイル側に大きな電流が流れ、高い性能が出せ、始動
性能を大巾に改善することができたが、コイル本体の他
に上記の外付抵抗器を必要とする為、製造コストが高い
ものとなり、この外付抵抗器の絶縁体の割れ力ケによっ
て生ずる不具合や、この抵抗器がある為に起る、点火コ
イルの取付スペースにも制約を受ける等の欠点があった
。

本考案は上記の欠点を解消するものである。

本考案の目的はコイルキャップの筒状足部の内側に、２
次コイル及び中心コア部をケース等のアース体から絶縁
するよう包みこむ形状となし、この筒状足部外周の上、
下及びその中間にフランジ部を設け、この間に１次コイ
ルを上側コイル、下側コイルと巻装して、コイルキャッ
プ上部にある１次端子の十側へ上側１次コイルの巻始め
を、又１次端子の一側へは下側１次コイルの巻終りを、
又、中間フランジのツメ部にとめた上側コイルの巻終り
と、下側コイルの巻始めの線を接続した線をとめる中間
端子を有する形状にすることにより１次巻線の土台とな
る１次スプールが廃止できると共に、始動時は従来の外
付抵抗器がなくてもコイルの十端子と中間端子の間を短
絡することによって中間端子と一端子間の下側コイルの
みとなり、下側１次コイルへ始動時に大きな電流が流れ
、高い性能が得られ、始動性を向上することができ、外
付抵抗器を不要にする点にある。

以下本考案による内燃機関用点火コイルを実施例に従っ
て詳細に説明する。

第１図は本考案による内燃機関用点火コイルの一実施例
の部分断面図、第２図は第１図のコイルキャップの斜視
図、第３図は第２図のコイルキャップにコイルを巻回し
た斜視図を示す。

第１図〜第３図において１は鉄ケース、２はケース１の
開口端を巻締めすることにより、ケース１の開口端を塞
いでこのケース１に固定した高耐圧絶縁樹脂よりなるコ
イルキャップ、３はケース１の内底面に配置した碍子製
ベース、４はベース３により絶縁してケース１内の中央
部に配置された中心コアである。

５は中心コア４の外周に配置された２次コイル、６は２
次コイル５の外周に配置した１次コイル、７はコイルキ
ャップ２の中央に固定された２次ターミナル、８ａ，８
ｂはそれぞれコイルキャップ２に固定した１次端子であ
り、８Ｃは１次コイル６の中間端子である。

１次コイル６は上側コイル６ａと下側コイル６ｂに分が
れており、２次コイル５の巻終りおよび、１次コイル６
の巻終りは一方の１次端子の十端子８ａにリード線１１
ａを介して電気的に接続され、２次コイル５の巻始め
は中心コア４および板スプリング９を介して２次端子７
に電気的に接続され、１次コイル６の巻始めは他方の１
次端子の一端子８ｂにリード線１ｌ ｂを介して電気的
に接続される。

また上側コイル６ａの巻終り線をキャップ中間部にある
フランジ突起部２ Ｃ ，２ ｄ ，２ ｅに巻付けて
止め下側コイル６ｂの巻始め線とを結合して、キャップ
２の中間端子８Ｃにリード線１１ Ｃを介して電気的に
接続される。

１０は２次端子７に設けたネジ穴からケース１内に絶縁
オイルを充填した後、このネジ穴を塞ぐためのスクリュ
である。

またコイルキャップ２の構造は第２図に示すごとく、ケ
ース１の底面に向って延び、ケース１の内側にて、２次
コイル５及び中心コア４を絶縁するよう包み込む形状と
なした筒状足部２ａと、この筒状足部２ａの内側にて、
２次コイル５に向って延び、この２次コイル５のエンド
部に食い込んで２次コイル５をケース１内に固定するた
めの小筒部２ｂとが一体戊形されている。

そして筒状足部２ａの外周には第２図及び第３図より明
らかな如く上、下及びその中間部に３個所にフランジ部
２Ｃ，２ｄ，及び２ｅが一体或形してあって、このフラ
ンジ部２ Ｃ ，２ ｄ ，２ ｅ間の筒状足部２ａ外
周に１次コイル６が巻線されており、この中でもフラン
ジ部２ Ｃ ，２ ｄ間に巻かれる上側コ．イル６ａと
フランジ部２ｄ，２６間に巻かれる下側コイル６ｂとに
分かれており、また中間にあるフランジ部２ｄには、上
側１次コイル６ａの巻終りを巻付けるための突起部２ｆ
及び下側１次コイル６ｂの巻終りを巻付けるための突起
部２ｇが一体成形してある。

このｌ次コイルの上側１次コイル６ａの巻終りと下側１
次コイル６ｂの巻始めとを接続したリード線ｉ１ ａを
コイルキャップ２の上側の中間端子８Ｃに電気的に接続
されている。

コイルキャップ２の筒状足部２ａはその外周上下及びそ
の中間にフランジ部２ Ｃ ，２ ｄ ，２ ｅを設け
ることによって、コイルキャップ２に直接１次コイル６
を巻装すると共に、１次コイル６を上側１次コイル６ａ
と、下側１次コイル６ｂとに分離できるように構戊する
と共に、コイルキャップ２の上側にある１次ターミナル
も従来ある８ａ，８ｂの十一端子の他に、中間端子を設
けることによって、内燃機関の点火始動時に上下１次コ
イル６ａを短絡することによって、従来技術の外付抵抗
器を短絡すると同じ効果を持ち、始動時コイル（下側コ
イル６ｂ）に大きな電流が流れ、点火始動時に高い性能
のものが得られる。

同時に１次コイル６を巻装する１次スプールを廃止する
ことが可能となると共に、高電圧部がキャップ足部２ａ
が完全に包まれる為絶縁性の高いコイルが得られると共
に１次コイル６が固定されたキャップに直接巻装される
為、耐振性の優れた点火コイルが得られる。

本考案によれば、コイルキャップ２の上部にある１次タ
ーミナルで電源から来た線を接続する＋端子は他の線と
の誤結線を防止する為、例えばＭ４Ｘ０．７のネジにし
、ここへ結線する電源線はφ４用の丸型ターミナル等を
使用して、他の一端子及ひ゛中間端子はＭ５Ｘ０．８の
ネジにすることにより防止を図ることができる。

更にコイルキャップ２の筒状足部２ａを延ばし、その内
側に中心コアを中心に組付けた２次コイル５を収納し、
かつ筒状足部２ａの外周の上、下及びその中間部にフラ
ンジ部を設けて、その間に１次コイル６を巻装すること
ができかつ、１次コイル６も上側１次コイル６ａと下側
１次コイル６ｂに分けるように構戒として、コイルキャ
ップ２の上側の１次端子十，−の他に中間端子を設けて
、これらのリード線１１ ａ，１１ ｂ，１１ Ｃを電
気的に接続することによって、点火始動時に上側１次コ
イル６ａ（＋端子と中間端子間）を短絡して、従来技術
の外付抵抗器を短絡してコイル側に大電流を流して、始
動時、高い性能を出せる効果を持たせると共に、１次コ
イル６を巻装していた１次スプールも廃止でき、振動や
絶縁性にも優れた点火コイルが得られるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による内燃機関用点火コイルの一実施例
の部分断面図、第２図は第１図のコイルキャップの斜視
図、第３図は第２図のコイルキャツプにコイルを巻回し
た斜視図である。 １・・・・・・ケース、２・・・・・・コイルキャップ
、２ａ・・・・・・コイルキャップの筒状足部、２ｂ・
・・・・・コイルキャップの小筒部、２ Ｃ ，２ ｄ
，２ ｅ・・・・・・フランジ部、２ｆ，２ｇ・・・
・・・突起部、３・・・・・・コイルベース、４・・・
・・・中心コア、５・・・・・・２次コイル、６・・・
・・・１次コイル、６ａ・・・・・・上側１次コイル、
６ｂ・・・・・・下側１次コイル、７・・・・・・２次
端子、８ ａ ，８ ｂ・・・・・・１次端子、８Ｃ・
・・・・・中間端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心コア４と、該中心コア４の外周に配置した２次コイ
   ル５と、該２次コイル５を収納する絶縁体製のコイルキ
   ャップ２と、該コイルキャップの外周に設けられたフラ
   ンジ突起部２ Ｃ ，２ ｄ ，２ ｅと、該フランジ
   突起部２ Ｃ ，２ ｄ ，２ ｅにより該コイルキャ
   ップ２の外周上に上下に分離して巻装された上側１次コ
   イル６ａおよび下側１次コイル６ｂと、該コイルキャッ
   プ２の上側に設けられ該上側１次コイル６ａの巻始めを
   接続した第１の端子８ａと、該コイルキャップ２の上側
   に設けられ該下側１次コイル６ｂの巻終りを接続した第
   ２の端子８ｂと、該コイルキャップ２の上側に設けられ
   該上側１次コイルの巻終りと該下側１次コイルの巻始め
   を接続した第３の端子８Ｃとを備え、内燃機関の点火始
   動時に該上側１次コイル６ａを短絡することを特徴とす
   る内燃機関用点火コイル。