JP2006313905A - リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非極性の低表面張力液体を例えば投影システムと基板の間のスペースに局限することができる浸漬リソグラフィ装置を提供すること。
【解決手段】リソグラフィ投影装置は、投影システムと基板の間のスペースに第1の液体を閉じ込めるために第2の液体の体積を使用する。実施例では、第1及び第2の液体は、実質的に混合することができず、それぞれ、シクロオクタン、デカリン、ビシクロヘキシル、エキソ−テトラハイドロ−ジシクロペンタジエン、及びシクロヘキサンのようなシクロアルカン、他の高指数炭化水素、パーフルオロ−N−メチルモルホリン及びパーフルオロE2のようなパーフルオロポリエーテル、パーフルオロヘキサンのようなパーフルオロアルカン、又はハイドロフルオロエーテル、及び水であってもよい。
【選択図】図5

Description

本発明は、リソグラフィ装置及びデバイスを製造する方法に関する。
リソグラフィ装置は、基板に、通常基板の目標部分に、所望のパターンを付ける機械である。リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造で使用することができる。その例では、マスク又はレチクルと称されるパターン形成デバイスを使用して、ICの個々の層に形成されるべき回路パターンを生成することができる。このパターンは、基板(例えば、シリコン・ウェーハ)の目標部分(例えば、1つ又は複数のチップの部分を含む)に転写することができる。パターンの転写は、一般に、基板上に設けられた放射敏感材料(レジスト)の層に像を形成することによっている。一般に、単一基板は、連続してパターン形成された網の目のような一面の隣り合う目標部分を含む。知られているリソグラフィ装置には、いわゆるステッパといわゆるスキャナがあり、ステッパでは、各目標部分に光が当てられて、目標部分に全パターンが一度に露光され、スキャナでは、各目標部分に光が当てられて、放射ビームによってパターンが所定の方向(「走査」方向)に走査され、同時に同期してこの方向に対して平行又は反平行に基板が走査される。パターンを基板にインプリントすることによって、パターン形成デバイスから基板にパターンを転写することもできる。
投影システムの最終要素と基板の間のスペースを満たすために、リソグラフィ投影装置の基板を比較的高い屈折率を有する液体、例えば水に浸漬することが提案された。これの趣旨は、露光放射は液体中でより短い波長を有するので、より小さなフィーチャー(features)の像形成を可能にすることである。(また、液体の効果は、システムのより大きな実効NAを使用すること、及び焦点深度を増すことと見なすこともできる。)固体粒子(例えば、石英)が浮遊している水を含んだ他の浸漬液が提案されている。
しかし、基板又は基板と基板テーブルを液体の槽の中に沈めることは(例えば、米国特許第4,509,852号を参照されたい。これによって、この特許を参照してその全体を組み込む)、走査露光中に加速しなければならない大きな液体の塊があることを意味する。このことは追加のモータ又はより強力なモータを必要とし、そして、液体の乱流が望ましくない予期しない影響をもたらすことがある。
提案された解決策の1つは、液体供給システムで、液体閉じ込めシステムを使用して投影システムの最終要素と基板の間の基板の局所領域だけに液体を供給することである(基板は、一般に、投影システムの最終要素よりも大きな表面積を有する)。これを構成するために提案された1つの方法は、PCT特許出願公表第WO99/49504号に開示されている。これによって、この出願を参照してその全体を組み込む。図2及び3に示すように、液体は、好ましくは最終要素に対して基板が動く方向に沿って、少なくとも1つの入口INで基板上に供給され、そして、投影システムの下を通過した後で少なくとも1つの出口OUTで取り除かれる。すなわち、基板がその最終要素の下で−X方向に走査されるときに、液体は最終要素の+X側から供給され、−X側から吸われる。図2は、液体が入口INを介して供給され、そして最終要素の他方の側で、低圧力源に接続されている出口OUTで吸われることを示している。図2の例では、最終要素に対して基板が動く方向に沿って液体が供給されるが、そうである必要はない。最終要素のまわりに位置付けされた様々な向き及び数の入口及び出口が可能であり、図3に1つの例が示されている。図3では、いずれかの側に出口のある4組の入口が、最終要素のまわりに規則的なパターンで設けられている。
浸漬リソグラフィでもたらされる有利点は、浸漬液の屈折率に依存し、屈折率が大きいほど、恩恵が大きくなる。大抵の既存の提案では、193nmで1.437の屈折率を有する超純水が浸漬流体として使用されるが、より高い屈折率を有する他の流体も提案されている。このような流体には、193nmで1.6より大きな屈折率を有する特定の炭化水素、及び157nmで1.3より大きな屈折率を有する特定のパーフルオロポリエーテルがある。これらの液体は浸漬リソグラフィに適している可能性があり、例えば、優れた安定性、透過率を有し、かつ投影システム材料及びレジストと共存できるが、その流体特性が水の流体特性と比べて非常に異なっているので、液体閉じ込めシステムについての既存の設計では、これらの流体を投影システムと基板の間へ局部的に集中させることができない。これらの流体は、非極性であり、さらに、表面張力が非常に小さいので、基板及び基板テーブル全体にわたって容易に広がってしまう。水をうまく閉じ込めることが証明された、ガスナイフを使用する装置は、これらの非極性流体を閉じ込めることができないことがある。
したがって、例えば、非極性低表面張力液体を例えば投影システムと基板の間のスペースへ局部的に集中させることができる浸漬リソグラフィ装置を提供することが有利であるかもしれない。
本発明の態様に従って、リソグラフィ投影装置が提供され、このリソグラフィ装置は、
パターン形成された放射ビームを基板の目標部分に投影するように構成された投影システムと、
投影システムと基板の間のスペースに第1の液体を供給するように構成された液体供給システムと、を備え、この液体供給システムは、
スペースを実質的に囲繞し、かつスペースのまわりの体積に液体を閉じ込めるように適合された液体閉じ込め構造と、
第1の液体をスペースに供給するように整えられた第1の液体供給源と、
第2の液体をその体積に供給するように整えられた第2の液体供給源と、を備える。
本発明の他の態様に従って、投影システムを使用して、パターンの像を液体を通して基板の目標部分に投影することを含むデバイス製造方法が提供され、その液体は、他の液体の体積によって投影システムと基板の間のスペースに閉じ込められている。
ここで、添付の模式的な図面を参照して、ただ例として、本発明の実施例を説明する。図面では、対応する参照符号は対応する部分を示す。
図1は、本発明の実施例に従ったリソグラフィ装置を模式的に示す。本装置は、
・放射ビームB(例えば、UV放射又はDUV放射)を条件付けするように構成された照明システム(照明装置)ILと、
・パターン形成デバイス(例えば、マスク)MAを支持するように組み立てられ、かつ特定のパラメータに従ってパターン形成デバイスを正確に位置付けするように構成された第1の位置決め装置PMに接続された支持構造(例えば、マスク・テーブル)MTと、
・基板(例えば、レジスト被覆ウェーハ)Wを保持するように組み立てられ、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けするように構成された第2の位置決め装置PWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハ・テーブル)WTと、
・パターン形成デバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wの目標部分C(例えば、1つ又は複数のチップを備える)に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズ・システム)PSと、を備える。
照明システムは、放射の方向付け、整形、又は制御を行うために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型又は他の型の光学部品、又はそれらの任意の組合せのような様々な型の光学部品を含むことができる。
支持構造は、パターン形成デバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び、例えばパターン形成デバイスが真空環境中に保持されるか否かのような他の条件に依存するやり方で、パターン形成デバイスを保持する。支持構造は、機械技術、真空技術、静電技術又は他の締付け技術を使用して、パターン形成デバイスを保持することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルであってもよく、これは、必要に応じて固定又は可動にすることができる。支持構造は、パターン形成デバイスが、例えば投影システムに対して、所望の位置にあることを保証することができる。本明細書での「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はどれも、より一般的な用語「パターン形成デバイス」と同義であると考えることができる。
本明細書で使用される「パターン形成デバイス」という用語は、基板の目標部分にパターンを作るようなパターンを放射ビームの断面に与えるために使用することができる任意のデバイスを意味するものとして、広く解釈すべきである。留意すべきことであるが、放射ビームに与えられたパターンは、基板の目標部分の所望のパターンに必ずしも対応していないことがある。例えばパターンが位相シフト用のフィーチャー又はいわゆる補助用の特徴(assist features)を含む場合、そうである。一般に、放射ビームに与えられたパターンは、集積回路のような目標部分に作られているデバイスの特定の機能層に対応する。
パターン形成デバイスは透過型又は反射型であることができる。パターン形成デバイスの例には、マスク、プログラム可能ミラー・アレイ、及びプログラム可能LCDパネルがある。マスクはリソグラフィではよく知られており、マスクには、2値、交番位相シフト、及び減衰位相シフトのようなマスクの型、並びに様々なハイブリッド・マスクの型がある。プログラム可能ミラー・アレイの例は、小さなミラーのマトリックス配列を使用し、この小さなミラーの各々は、入射放射ビームを様々な方向に反射するように個々に傾けることができる。傾いたミラーが、ミラー・マトリックスで反射された放射ビームにパターンを与える。
本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射又は、浸漬液の使用又は真空の使用のような他の要素に適切であるような、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型及び静電型の光学システム、又はそれらの任意の組合せを含んだ投影システムの任意の型を含むものとして広く解釈すべきである。本明細書での「投影レンズ」という用語の使用はどれも、より一般的な用語「投影システム」と同義であると考えることができる。
ここで示すように、本装置は透過型である(例えば、透過マスクを使用する)。代わりに、本装置は反射型であってもよい(例えば、上で言及したようなプログラム可能ミラー・アレイを使用するか、又は反射マスクを使用する)。
リソグラフィ装置は、2個(デュアル・ステージ)又はより多くの基板テーブル(及び/又は2個又はより多くのマスク・テーブル)を有する型であってもよい。そのような「多ステージ」機械では、追加のテーブルは並列に使用することができ、又は、1つ又は複数のテーブルが露光に使用されている間に、準備ステップを1つまた複数の他のテーブルで行うことができる。
図1を参照して、照明装置ILは放射源SOから放射ビームを受け取る。放射源及びリソグラフィ装置は別個の実体であることができる。例えば、放射源がエキシマ・レーザであるとき、そうである。そのような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成していると考えられず、放射ビームは、例えば適切な方向付けミラー及び/又はビーム拡大器を含んだビーム送出システムBDを使用して、放射源SOから照明装置ILに送られる。他の場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一体化部分であることができる。例えば、放射源が水銀ランプであるとき、そうである。放射源SO及び照明装置ILは、必要な場合にはビーム送出システムBDと一緒にして、放射システムと呼ぶことができる。
照明装置ILは、放射ビームの角度強度分布を調整する調整装置AMを備えることができる。一般に、照明装置のひとみ面内の強度分布の少なくとも外側半径範囲及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれ、σ−outer、σ−innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、照明装置ILは、積分器IN及び集光器COのような様々な他の部品を含むことができる。照明装置を使用して、断面内に所望の一様性及び強度分布を持つように放射ビームを条件付けすることができる。
放射ビームBは、支持構造(例えば、マスク・テーブルMT)に保持されているパターン形成デバイス(例えば、マスクMA)に入射し、そしてパターン形成デバイスによってパターン形成される。マスクMAを通り抜けた放射ビームBは、投影システムPSを通過する。この投影システムPSは、ビームを基板Wの目標部分Cに集束させる。第2の位置決め装置PW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、直線エンコーダ、又は容量センサ)を使って、例えば放射ビームBの経路内に異なった目標部分Cを位置付けするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決め装置PM及び他の位置センサ(図1に明示されていない)を使用して、例えばマスク・ライブラリから機械的に取り出した後で、又は走査中に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置付けすることができる。一般に、マスク・テーブルMTの移動は、第1の位置決め装置PMの部分を形成する長行程モジュール(粗い位置決め)及び短行程モジュール(精密位置決め)を使って実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2の位置決め装置PWの部分を形成する長行程モジュール及び短行程モジュールを使用して実現することができる。ステッパ(スキャナに対して)の場合には、マスク・テーブルMTは、短行程用アクチュエータだけに接続することができ、又は、固定することができる。マスクMAと基板Wは、マスク位置合わせマークM1、M2及び基板位置合わせマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板位置合わせマークは専用の目標部分を占めるが、この専用目標部分は、目標部分と目標部分の間のスペースに位置付けすることができる(この専用目標部分はスクライブ・ライン位置合わせマークとして知られている)。同様に、2以上のチップがマスクMAに設けられた状況では、マスク位置合わせマークはチップ間に位置付けすることができる。
図示の装置は、下記のモードのうちの少なくとも1つで使用することができる。
1.ステップ・モードでは、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTは基本的に静止状態に保たれるが、一方で、放射ビームに与えられた全パターンは一度に目標部分Cに投影される(すなわち、単一静的露光)。次に、異なる目標部分Cが露光されるように、基板テーブルWTはX方向及び/又はY方向にシフトされる。ステップ・モードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成される目標部分Cのサイズが制限される。
2.走査モードでは、放射ビームに与えられたパターンが目標部分Cに投影されている間に、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち、単一動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって決定することができる。走査モードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光での目標部分の(非走査方向の)幅が制限されるが、走査移動の長さによって目標部分の(走査方向の)高さが決定される。
3.他のモードでは、マスク・テーブルMTは、プログラム可能パターン形成デバイスを保持して基本的に静止状態に保たれ、そして基板テーブルWTは、放射ビームに与えられたパターンが目標部分Cに投影されている間に、動かされる、すなわち走査される。このモードでは、一般に、パルス放射源が使用され、そしてプログラム可能パターン形成デバイスは、基板テーブルWTの各移動の後で、又は走査中に連続した放射パルスの間で、必要に応じて更新される。この動作モードは、先に言及したような型のプログラム可能ミラー・アレイのようなプログラム可能パターン形成デバイスを使用するマスクレス・リソグラフィに容易に応用することができる。
上述の使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードを使用することもできる。
局所液体供給システムを用いた浸漬リソグラフィ解決策を図4に示す。液体は、投影システムPLの両側にある2個の溝状入口INで供給され、入口INから外に向かって放射状に配列された複数の別個の出口OUTで取り除かれる。入口IN及び出口OUTは、投影ビームが通過する孔が中心にある板に配列することができる。液体は、投影システムPLの一方の側の1つの溝状入口INで供給され、そして投影システムPLの他方の側の複数の別個の出口OUTで取り除かれて、投影システムPLと基板Wの間に液体の薄い膜を生じさせる。入口INと出口OUTのどの組合せを使用するように選ぶかは、基板Wの移動方向に依存することができる(入口INと出口OUTのその他の組合せは非活動状態である)。
提案された局所液体供給システム解決策を用いた他の浸漬リソグラフィ解決策は、投影システムの最終要素と基板テーブルの間のスペースの境界の少なくとも一部に沿って延びる液体閉じ込め構造を、液体供給システムに設けることである。そのような解決策を図5に示す。液体閉じ込め構造は、XY面内で、投影システムに対して実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)ではいくらかの相対的な動きがあることがある。実施例では、液体閉じ込め構造と基板の表面の間にシールが形成される。実施例では、このシールは、ガスシールのような無接触シールである。そのようなシステムは、米国特許出願公表第US2004−0207824号及びヨーロッパ特許出願公表第EP140298号に開示されている。これによって、各出願を参照してその全体を組み込み、また図5に示す。
図5に示すように、液体供給システムを使用して、投影システムの最終要素と基板の間のスペースに液体を供給する。液溜め10は、投影システムの像フィールドのまわりで基板に対して無接触シールを形成するので、その結果、液体は、基板表面と投影システムの最終要素の間のスペースを満たすように閉じ込められるようになる。この液溜めは、投影システムPLの最終要素の下で、かつその最終要素のまわりに位置付けされた液体閉じ込め構造12によって形成される。第1の液体11は、供給源13によって、投影システムの下の液体閉じ込め構造12の内側のスペースに入れられ、排出部17によって取り除かれる。液体閉じ込め構造12は、投影システムの最終要素より少し上に延びており、液体レベルは、液体のバッファが実現されるように最終要素より上に上がっている。液体閉じ込め構造12の内周は、実施例では、上の端で投影システムの形状すなわち投影システムの最終要素の形状にほとんど一致し、例えば円形である。底で、内周は円形であるか、又は像フィールドの形例えば長方形にほとんど一致している。
第1の液体11は、供給源18を介して供給される第2の液体19によって液溜め中に閉じ込められており、第1の液体は、この第2の液体19と実質的に混合することができない。第2の液体19は、ガスシール16によって、液体閉じ込め構造12の底と基板Wの表面の間に閉じ込められている。ガスシール16は、入口15を介して圧力のかかった状態で液体閉じ込め構造12と基板の間のギャップに供給され、そして第1の出口14を介して排出されるガス、例えば空気、合成空気、N2又は不活性ガスによって形成される。ガス入口15の超過圧力、第1の出口14の真空レベル、及びギャップの形状寸法は、液体を閉じ込める内側に向かう高速ガス流が存在するように構成される。液体の塊が基板の上を動くか、又は基板が液体の塊に対して動く間、液体を閉じ込める他の構成が知られており、これを使用して、第2の液体を閉じ込めることができ、したがって第1の液体も閉じ込めることができる。
第1の液体すなわち浸漬液は、主に光学的特性に基づいて、主に露光放射の波長における屈折率に基づいて選択される。第1の液体の他の有用な特性は、最終投影システム要素及びレジストとの共存性、透過率、及びある期間にわたった照射のもとでの安定性である。しかし、これらの特性の不足は、多くの場合に、最終投影システム要素及び/又はレジストの被膜によって、放射源のパワーを高めることによって、及び/又は第2の液体のリフレッシュレート(refresh rate)を高めることによって改善することができる。第1の液体に適切な化合物は、シクロオクタン、デカリン、ビシクロヘキシル、エキソ−テトラハイドロ−ジシクロペンタジエン、及びシクロヘキサンのようなシクロアルカン、他の高指数炭化水素、パーフルオロ−N−メチルモルホリン及びパーフルオロE2のようなパーフルオロポリエーテル、パーフルオロヘキサンのようなパーフルオロアルカン、及びハイドロフルオロエーテルである。
第2の液体すなわち閉じ込め液体に関して、重要な流体特性は、表面張力、粘度及び液体閉じ込め構造の表面との相互作用、及び第1の液体の第2の液体との不混和性のような、第1の液体を閉じ込めることを可能にする特性である。第2の液体に適切な化合物は水である。高屈折率が望ましいが、液体のこの特性及び他の光学特性は比較的重要でないので、第1の液体の望ましい特性を高める添加物を全く自由に選ぶことができる。
或る実施例では、2つの液体は実質的に混合することができず、2つの液体の混和性が小さいほど、機能が向上する。第1の液体として非極性液体を選び、第2の液体として極性液体を選ぶことによって、十分な程度の不混和性を得ることができる。第1及び第2の液体の屈折率が余り違わない場合、実質的な量の混合を許容することができる。例えば、水(屈折率1.437)と1.6より大きな屈折率の炭化水素の場合、炭化水素と混合した体積1%の水は、屈折率を約1/1000だけ減少させるに過ぎない。
この実施例の液体閉じ込め構造は図6からより明確に理解することができ、図6は、平面図で、露光フィールドEFの輪郭、液体閉じ込め構造12の内周12a、第2の液体の範囲19、及び液体閉じ込め構造12の外周12bを示している。液体閉じ込め構造の内周12aは、第1の液体と第2の液体の界面を安定化するように形作られ、テクスチャ加工され、及び/又は被膜を設けられることができる。例えば、第1の液体が非極性であり、第2の液体が水である場合、液体閉じ込め構造の基板に面する表面に親水性被膜を設け、また投影システムの最終要素と基板の間のスペースに面する液体閉じ込め構造の表面に疎水性被膜を設けることができる。
親水性、疎水性、湿度、その他のような水に関連した用語が本明細書で使用されることがあるが、これらの用語は、他の液体の同様な特性を包含するように理解されるべきである。
ヨーロッパ特許出願公表第EP1420300号及び米国特許出願公表第US2004−0136494号では、ツインすなわちデュアル・ステージ浸漬リソグラフィ装置の概念が開示されている。これによって各出願を参照してその全体を組み込む。そのような装置は、基板を支持するテーブルを2個備えている。高さ測定は、浸漬液のない状態で第1の位置のテーブルで行われ、そして露光は、浸漬液が存在している第2の位置のテーブルで行われる。若しくは、装置にただ1つのテーブルだけがある。
この明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及することがあるが、本明細書で説明したリソグラフィ装置には、集積光システム、磁気ドメイン・メモリの誘導及び検出パターン、フラットパネル・ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、その他の製造のような他の用途があることは理解すべきである。当業者は理解するであろうが、そのような他の用途の背景では、本明細書での用語「ウェーハ」又は「チップ」の使用はどれも、より一般的な用語「基板」又は「目標部分」とそれぞれ同義であると考えることができる。本明細書で参照する基板は、例えばトラック(一般にレジスト層を基板に塗布し、さらに露光されたレジストを現像するルール)、計測ツール、及び/又は検査ツールで、露光前又は後に処理することができる。応用可能な場合、本明細書の開示は、そのような及び他の基板処理ツールに応用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを作るために一度より多く処理することができるので、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理された層をすでに含む基板も意味することができる。
本明細書で使用される用語「放射」及び「ビーム」は、紫外線(UV)放射(例えば、約365、248、193、157又は126nmの波長を有する)を含んだ、全ての種類の電磁放射を包含する。
用語「レンズ」は、背景が許す場合、屈折光学部品及び反射光学部品を含んだ様々な型の光学部品のどれか1つ又は組合せを意味することができる。
本発明の特定の実施例を上で説明したが、理解されるであろうが、本発明は説明されたのと違ったやり方で実施することができる。例えば、本発明は、先に開示されたような方法を記述する機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含んだコンピュータ・プログラム、又は格納されたそのようなコンピュータ・プログラムを有するデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)の形を取ることができる。
本発明の1つ又は複数の実施例は、特に上記した浸漬リソグラフィ装置だけではなく、浸漬液が槽の形で供給されようと基板の局所表面だけに供給されようと、どんな浸漬リソグラフィ装置にも応用することができる。本明細書で意図したような液体供給システムは広く解釈されるべきである。特定の実施例では、液体供給システムは、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間のスペースに液体を供給する機構か、又は構造の組合せであってもよい。液体供給システムは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数のガス入口、1つ又は複数のガス出口、及び/又は液体をスペースに供給する1つ又は複数の液体出口の組合せを備えることができる。実施例では、スペースの表面は、基板及び/又は基板テーブルの一部であることがあり、又はスペースの表面は、基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆っていることがあり、又はスペースが基板及び/又は基板テーブルを包むことがある。場合によっては、液体供給システムは、液体の位置、量、質、形、流量、又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
上述の説明は、例示であり制限しない意図である。したがって、当業者には明らかなことであろうが、以下に述べる特許請求の範囲の範囲から逸脱することなしに、説明したような本発明に対して修正物を作ることができる。
本発明の実施例に従ったリソグラフィ装置を示す図である。 リソグラフィ投影装置用の液体供給システムを示す。 リソグラフィ投影装置用の液体供給システムを示す。 リソグラフィ投影装置用の他の液体供給システムを示す。 本発明の実施例に従ったリソグラフィ装置の投影システムの最終要素及び液体供給システムを示す断面図である。 図5の液体供給システムを示す平面図である。
符号の説明
SO 放射源
IL 照明システム(照明装置)
PS 投影システム
MA パターン形成デバイス(マスク、レチクル)
MT マスク・テーブル
B 放射ビーム
W 基板(ウェーハ)
C 目標部分
WT 基板テーブル
PL 投影システム
10 液溜め
11 第1の液体
13 第1の液体の供給
12 液体閉じ込め構造
16 ガスシール
17 第1の液体の排出
18 第2の液体の供給
19 第2の液体

Claims (20)

  1. パターン形成された放射ビームを基板の目標部分に投影するように構成された投影システムと、
    前記投影システムと前記基板の間のスペースに第1の液体を供給するように構成された液体供給システムと、を備えるリソグラフィ投影装置であって、前記液体供給システムが、
    前記スペースを実質的に囲繞し、かつ前記スペースのまわりの体積に液体を閉じ込めるように適合された液体閉じ込め構造と、
    前記第1の液体を前記スペースに供給するように整えられた第1の液体供給源と、
    第2の液体を前記体積に供給するように整えられた第2の液体供給源と、を備えるリソグラフィ投影装置。
  2. 前記第1の液体が、前記第2の液体に実質的に混合することができない、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の液体が非極性であり、前記第2の液体が極性である、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1の液体が、シクロアルカン、他の高指数炭化水素、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、及びハイドロフルオロエーテルを含むグループから選ばれ、前記第2の液体が水を含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1の液体が、シクロオクタン、デカリン、ビシクロヘキシル、エキソ−テトラハイドロ−ジシクロペンタジエン、及びシクロヘキサンを含むグループから選ばれている、請求項1に記載の装置。
  6. 前記第1の液体が、パーフルオロ−N−メチルモルホリン又はパーフルオロE2である、請求項1に記載の装置。
  7. 前記第1の液体が、パーフルオロヘキサンである、請求項1に記載の装置。
  8. 前記液体閉じ込め構造が、前記体積の境界を成す親水性表面と前記スペースの境界を成す疎水性表面を有する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記体積が、前記液体閉じ込め構造と前記基板の間である、請求項1に記載の装置。
  10. 前記体積が、環状である、請求項1に記載の装置。
  11. 投影システムを使用して、パターンの像を、液体を通して基板の目標部分に投影することを含むデバイス製造方法であって、前記液体が、他の液体の体積によって前記投影システムと前記基板の間のスペースに閉じ込められているデバイス製造方法。
  12. 前記第1の液体が、前記第2の液体に実質的に混合することができない、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の液体が非極性であり、前記第2の液体が極性である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1の液体が、シクロアルカン、他の高指数炭化水素、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、及びハイドロフルオロエーテルを含むグループから選ばれ、前記第2の液体が水を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の液体が、シクロオクタン、デカリン、ビシクロヘキシル、エキソ−テトラハイドロ−ジシクロペンタジエン、及びシクロヘキサンを含むグループから選ばれる、請求項11に記載の方法。
  16. 前記第1の液体が、パーフルオロ−N−メチルモルホリン又はパーフルオロE2である、請求項11に記載の方法。
  17. 前記第1の液体が、パーフルオロヘキサンである、請求項11に記載の方法。
  18. 前記液体が、液体閉じ込め構造を少なくとも部分的に使用して前記スペースに閉じ込められ、前記液体閉じ込め構造が前記体積の境界を成す親水性表面と前記スペースの境界を成す疎水性表面を有する、請求項11に記載の方法。
  19. 前記体積が、前記基板と、前記液体を前記スペースに閉じ込めるために少なくとも部分的に使用される液体閉じ込め構造との間である、請求項11に記載の方法。
  20. 前記体積が、環状である、請求項11に記載の方法。
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