JP2006273973A - 硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法および配管用断熱材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】〔A〕MDIを30〜80質量%の割合で含むポリメリックMDIの少なくとも一部を、官能基数が2〜4、水酸基価が100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオールからなる変性剤で変性することにより得られる、NCO含量が25〜28%である変性ポリイソシアネートと;〔B〕トルエンジアミンにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(B1)を50質量%以上の割合で含むポリオール成分と;〔C〕水からなる発泡剤とを含有するフォーム形成性組成物を反応させる。
【選択図】 なし
Description
しかして、最近における脱フロン化の要請などにより、発泡剤として水を使用する水発泡処方の硬質ポリウレタンフォームが注目されている。
ここに、「ポリイソシアネート」としては、通常、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが使用されている。
また、「ポリオール成分」の一部として、トルエンジアミンに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオールが使用されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
これは、水発泡処方のスラブフォームの形成においては、発熱量が大きく、肉厚の形状(スラブ)であるために内部の熱を放散することが困難である(内部の蓄熱量が大きい)ことなどによる。そして、スラブフォームの内部に発生したスコーチは、これを裁断して得られる最終製品の外観不良、強度不良などを招来する。
このように、肉薄のモールドフォームでは特に問題とならない内部のスコーチは、スラブフォームを製造する場合においては深刻な問題であって、その解決が強く望まれている。
本発明の第1の目的は、内部にスコーチを発生させず、熱伝導率が低く、難燃性に優れた硬質ポリウレタンスラブフォームを製造する方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、さらに寸法安定性にも優れた硬質ポリウレタンスラブフォームを製造する方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、硬質ポリウレタンスラブフォームを裁断加工して得られる断熱材であって、スコーチに起因する外観不良や強度不良などがなく、熱伝導率が低くて難燃性および寸法安定性にも優れた配管用断熱材を提供することにある。
〔B〕トルエンジアミンにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(B1)を50質量%以上の割合で含むポリオール成分と;
〔C〕水からなる発泡剤と
を含有するフォーム形成性組成物を反応させることを特徴とする。
更に、当該ポリエーテルポリオール(B2)を得るために使用される開始剤がシュークロースであることが好ましい。
また、ポリエーテルポリオール(B1)に係る前記質量比率(〔EO〕:〔PO〕)を0〜50:100〜50とすることにより、更に寸法安定性にも優れた硬質ポリウレタンスラブフォームを製造することができる。
本発明の配管用断熱材は、スコーチに起因する外観不良や強度不良などがなく、熱伝導率が低くて難燃性および寸法安定性にも優れている。
<本発明の製造方法>
本発明の製造方法は、変性ポリイソシアネートからなる〔A〕成分と;トルエンジアミン系のポリエーテルポリオール(B1)を含むポリオール成分からなる〔B〕成分と;水(発泡剤)からなる〔C〕成分とを含有するフォーム形成性組成物を反応させることに特徴を有する。
〔A〕成分は、MDI(二核体)を含むポリメリックMDI(a)の少なくとも一部を特定の変性剤で変性することにより得られる変性ポリイソシアネートである。
ポリメリックMDI(a)を構成するMDI(二核体)には、4,4′−MDI、2,4′−MDI、2,2′−MDIの異性体が含まれ、MDIに占める4,4′−MDIの割合は50%以上であることが好ましい。
一方、MDI(二核体)の割合が80質量%を超える場合には、当該ポリメリックMDIにより得られる変性ポリイソシアネートを含有する組成物の強度が不足して正常にフォームが立ち上がらず、所期の硬質スラブフォームを形成することができなくなることがある。また、当該組成物により形成される硬質スラブフォームが脆性を示し、十分な強度を有するものとならない。さらに、ポリメリックMDI(a)の貯蔵安定性、特に0℃以下といった低温雰囲気下での液貯蔵安定性が悪化(例えば、結晶の析出)する。
ポリメリックMDIを変性する特定の変性剤は、官能基数が2〜4、水酸基価が100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオールからなる。
ポリメリックMDI(a)の変性剤として、単官能(官能基数が1)のポリエーテル(モノオール)を使用すると、得られる組成物により形成される硬質スラブフォームの圧縮強度や寸法安定性などの物性が低下するので好ましくない。
一方、ポリメリックMDI(a)の変性剤として、官能基数が5以上のポリエーテルポリオールを使用する場合には、得られる変性イソシアネートの粘度が過度に高くなって、例えば混合不良を起こすなどの不具合が生じるので好ましくない。
ポリエーテルポリオールの製造に供される「環式エーテル」としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを例示することができる。
ポリメリックMDIの変性剤として、水酸基価が100mgKOH/g未満のポリエーテルポリオールを使用する場合には、得られる組成物により形成される硬質スラブフォームの圧縮強度や寸法安定性などの物性が低下するので好ましくない。
一方、ポリメリックMDIの変性剤として、水酸基価が900mgKOH/gを超えるポリエーテルポリオールを使用する場合には、得られる変性イソシアネートの粘度が過度に高くなって、例えば混合不良を起こすなどの不具合が生じるので好ましくない。
(イ)ポリメリックMDI(a)を、一部(a1)と、残部(a2)とに分割し、
(ロ)「ポリメリックMDIの一部(a1)」を、特定の変性剤で変性処理することにより「変性された(ポリメリック)MDI(A1)」を得、
(ハ)「変性された(ポリメリック)MDI(A1)」と、変性されていない「ポリメリックMDIの残部(a2)」とを混合する方法を挙げることができる。
また、核体分布などが異なる2種類のポリメリックMDIをそれぞれ準備し、その一方を(a1)成分とし、他方を(a2)成分としてもよい。
ここで、得られる〔A〕成分の粘度の上昇を抑制するなどの観点から、変性処理される「ポリメリックMDIの一部(a1)」はMDI(二核体)のみからなることが好ましい。
(イ)ポリメリックMDI(a)を、MDIからなる一部(a1)と、ポリメリックMDIからなる残部(a2)とに分割し(あるいは、MDIからなる(a1)成分と、ポリメリックMDIからなる(a2)成分とをそれぞれ準備し)、
(ロ)「MDIからなる一部(a1)」を、特定の変性剤で変性処理することによって「変性されたMDI(A1)」を得、
(ハ)「変性されたMDI(A1)」と、「ポリメリックMDIの残部(a2)」とを混合することにより〔A〕成分が得られる。
この場合において、「ポリメリックMDIの残部(a2)」にMDI(二核体)が含まれていてもよい。
式:R2 (NCO)m (式中、R2 はポリメチレンポリフェニル構造単位であり、mは2以上の整数である。)で示される「未変性のポリメリックMDI分子」と、
式:(OCN)m-1 R2 NHCOO−(R1 O)n-1 R1 O−CONHR2 (NCO)m-1 で示される「変性されたポリメリックMDI分子」とが存在する。
フォーム形成性組成物を構成する〔B〕成分は、トルエンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール(B1)を50質量%以上の割合で含むポリオール成分からなる。
ポリエーテルポリオール(B1)の平均分子量は、320〜1200であることが好ましく、更に好ましくは450〜750とされる。
ポリエーテルポリオール(B1)の割合が50質量%未満である場合には、形成される硬質スラブフォームの熱伝導率が高くなって良好な断熱性・保温性が発揮できず、また、当該硬質スラブフォームは難燃性にも劣るものとなる(後述する比較例3〜4および比較例6参照)。
多官能性のポリエーテルポリオール(B2)を一定の割合で含有する〔B〕成分によれば、形成される硬質スラブフォームの寸法安定性を向上させることができる。
ポリエーテルポリオール(B2)の平均分子量は、550〜1500であることが好ましく、更に好ましくは600〜1300とされる。
多官能性のポリエーテルポリオール(B2)の割合が10質量%未満である場合には、形成される硬質スラブフォームが寸法安定性に劣るものとなる。一方、このポリエーテルポリオール(B2)の割合が50質量%を超える場合には、トルエンジアミン系のポリエーテルポリオール(B1)の割合を50質量%以上とすることができない。
そのようなポリオールとしては、ポリエーテルポリオール〔前記(B1)および(B2)に相当するものを除く。〕、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、鎖延長剤として機能する分子量300以下の低分子ポリオール、ポリマーポリオール、ハロゲン含有ポリオール、リン含有ポリオール、フェノールベースポリオールなどを例示することができる。これらのうち、ポリエーテルポリオールが好ましい。
本発明で使用するフォーム形成性組成物は、発泡剤として水(〔C〕成分)を含有する水発泡処方の組成物である。
〔C〕成分である水の含有量としては、〔B〕成分100質量部に対して2〜10質量部であることが好ましく、更に好ましくは3〜7質量部とされる。この含有量が過大である場合には、形成される硬質スラブフォームの密度が、所望される密度よりも低下(軽量化)してしまうほか、強度不足や寸法安定性の低下を招き、さらには当該硬質スラブフォームが脆いものとなる。一方、この含有量が過少である場合には、発泡が不十分となって、密度が上昇することによりコストアップになる。
本発明で使用するフォーム形成性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記の必須成分以外の成分が含有されていてもよい。
そのような任意成分としては、難燃剤、整泡剤、酸化防止剤、触媒、充填剤、安定剤、着色剤などを挙げることができる。
触媒の含有量としては、〔B〕成分100質量部に対して0〜2.5質量部であることが好ましく、更に好ましくは0〜1.0質量部とされる。
本発明の製造方法は、フォーム形成性組成物を反応させることにより硬質スラブフォームを製造する方法である。
フォーム形成性組成物は、例えば、〔A〕成分からなる第1液と、〔B〕成分、〔C〕成分および任意成分を混合してなる第2液とにより構成される二液硬化性の組成物として使用される。
フォーム形成性組成物は、また、〔A〕成分からなる第1液と、〔B〕成分からなる第2液と、〔C〕成分および任意成分からなる第3液とにより構成される三液硬化性の組成物として使用してもよい。
ここに、製造方法の一例を示せば、第1液(〔A〕成分)と、第2液(〔B〕成分、〔C〕成分および任意成分を含むポリオール混合物)とを、公知の攪拌混合機により混合して、フォーム形成性組成物(発泡性の混合物)を調製し、これを天面開放状態のモールド内に注入して自由発泡させ、スラブ(ブロック)として硬化成形する方法(不連続法)を挙げることができる。
また、製造方法の他の例として、第1液(〔A〕成分)と、第2液(〔B〕成分、〔C〕成分および任意成分を含むポリオール混合物)とを、公知の攪拌混合機により混合して、フォーム形成性組成物(発泡性の混合物)を調製し、これを天面開放状態の連続ラインに連続吐出して自由発泡させ、スラブとして硬化成形する方法(連続法)を挙げることができる。
本発明の製造方法により製造される硬質スラブフォームは、独立気泡構造を有するもの、具体的には、ASTM D2856に準拠して測定される独立気泡率が75%を超えるものである。
図1は、本発明の配管用断熱材の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示した断熱材が配管に装着された状態を一部破断して示す説明図である。
図1に示す断熱材1A,1Bは、円筒体を縦方向に分割(半割)してなる形状を有している。断熱材1A,1Bは、本発明の製造方法によって形成された硬質スラブフォームを裁断加工して成形されたものである。なお、「裁断加工」には、「くり抜き加工」なども含まれる。
図2に示すように、断熱材1A,1Bは、配管Pの表面を被覆するよう配置され、その状態で堅縛手段3により固定される。
断熱材1A,1Bの外表面は、ガス不透過性のシートまたはフィルムで被覆されていてもよい。これにより、フォームを構成する気泡内のガス(二酸化炭素)が空気(二酸化炭素よりも熱伝導率が高い)に置換されることが防止される結果、初期の断熱性を維持することができる。かかる「ガス不透過性のシートまたはフィルム」としては、1つの層としてアルミニウム層を有するラミネートフィルムを例示することができる。
なお、以下において、「%」および「部」は、特にことわらない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
攪拌機、温度計、冷却器および窒素導入管を備えた反応容器内に、下記表1に示す処方に従って、MDI(a1)(4,4′−MDIを70%以上の割合で含有する二核体)48部を仕込み、60℃に加温した後、平均分子量=200、水酸基価=561mgKOH/gのポリオキシプロピレングリコールからなる特定の変性剤(d1)8部を添加し、この系を60℃で約2時間攪拌することによりMDIを変性処理した。
次いで、この反応生成物〔変性されたMDI〕に、ポリメリックMDI(a2)44部を添加混合することにより、NCO含量が26.0%の変性ポリイソシアネートからなる〔A〕成分(以下「〔A−1〕成分」という。)100部を得た。
また、変性処理に供したMDI(a1)と、変性後に混合したポリメリックMDI(a2)との総量(92部)における二核体の割合は71.3%である。
下記表1に示す処方に従って、MDI(a1)の仕込み量を37部に変更し;平均分子量=200、水酸基価=561mgKOH/gのポリオキシプロピレングリコールからなる特定の変性剤(d1)3.4部と、平均分子量=400、水酸基価=281mgKOH/gのポリオキシプロピレングリコールからなる特定の変性剤(d2)4.6部とを添加してMDIを変性処理し;ポリメリックMDI(a2)の添加量を55部に変更したこと以外は調製例1と同様にして、NCO含量が27.0%の変性ポリイソシアネートからなる〔A〕成分(以下「〔A−2〕成分」という。)100部を得た。
また、変性処理に供したMDI(a1)と、変性後に混合したポリメリックMDI(a2)との総量(92部)における二核体の割合は64.1%である。
下記表1に示す処方に従って、MDI(a1)の仕込み量を37部に変更し;グリセリンにプロピレンオキサイドを付加してなる3官能のポリエーテルポリオール(平均分子量=600、水酸基価=281mgKOH/g)からなる特定の変性剤(d3)8部を添加してMDIを変性処理し;ポリメリックMDI(a2)の添加量を55部に変更したこと以外は調製例1と同様にして、NCO含量が27.0%の変性ポリイソシアネートからなる〔A〕成分(以下「〔A−3〕成分」という。)100部を得た。
〔A−3〕成分の粘度(25℃)は330mPa・s、〔A−3〕成分中における二核体(未変性のMDI分子)の含有割合は49%であった。
また、変性処理に供したMDI(a1)と、変性後に混合したポリメリックMDI(a2)との総量(92部)における二核体の割合は64.1%である。
下記表1に示す処方に従って、MDI(a1)の仕込み量を37部に変更し;ペンタエリストールにプロピレンオキサイドを付加してなる4官能のポリエーテルポリオール(平均分子量=561、水酸基価=400mgKOH/g)からなる特定の変性剤(d4)8部を添加してMDIを変性処理し;ポリメリックMDI(a2)の添加量を55部に変更したこと以外は調製例1と同様にして、NCO含量が27.0%の変性ポリイソシアネートからなる〔A〕成分(以下「〔A−4〕成分」という。)100部を得た。
〔A−4〕成分の粘度(25℃)は580mPa・s、〔A−4〕成分中における二核体(未変性のMDI分子)の含有割合は44%であった。
また、変性処理に供したMDI(a1)と、変性後に混合したポリメリックMDI(a2)との総量(92部)における二核体の割合は64.1%である。
下記表1に示す処方に従って、MDI(a1)の仕込み量を51部に変更し;グリセリンにプロピレンオキサイドを付加してなる3官能のポリエーテルポリオール(平均分子量=250、水酸基価=673mgKOH/g)からなる特定の変性剤(d5)5部を添加してMDIを変性処理したこと以外は調製例1と同様にして、NCO含量が28.0%の変性ポリイソシアネートからなる〔A〕成分(以下「〔A−5〕成分」という。)100部を得た。
〔A−5〕成分の粘度(25℃)は280mPa・s、〔A−5〕成分中における二核体(未変性のMDI分子)の含有割合は52%であった。
また、変性処理に供したMDI(a1)と、変性後に混合したポリメリックMDI(a2)との総量(95部)における二核体の割合は72.2%である。
下記表1に示す処方に従って、MDI(a1)の仕込み量を32部に変更し;特定の変性剤(d1)の添加量を4部に変更してMDIを変性処理し;ポリメリックMDI(a2)の添加量を64部に変更したこと以外は調製例1と同様にして、NCO含量が29.0%の変性ポリイソシアネート100部を得た。
この変性ポリイソシアネートの粘度(25℃)は180mPa・s、当該変性ポリイソシアネート中における二核体(未変性のMDI分子)の含有割合は48%であった。
また、変性処理に供したMDI(a1)と、変性後に混合したポリメリックMDI(a2)との総量(96部)における二核体の割合は60.0%である。
調製例1〜6で使用したポリメリックMDI(a2)(二核体=40%,三核体=27%,四核体=9%,五核体または六核体=5%、七核体以上の多核体=19%:NCO含量=31.0%)を準備した。
*2):ポリオキシプロピレングリコール(官能基数=2、平均分子量=200、水酸基価=561mgKOH/g)
*3):ポリオキシプロピレングリコール(官能基数=2、平均分子量=400、水酸基価=281mgKOH/g)
*4):グリセリンにプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(官能基数=3、平均分子量=600、水酸基価=281mgKOH/g)
*5):ペンタエリストールにプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(官能基数=4、平均分子量=561、水酸基価=400mgKOH/g)
*6):グリセリンにプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(官能基数=3、平均分子量=250、水酸基価=673mgKOH/g)
*7):後添加用のポリメリックMDI(二核体=40%,三核体=27%,四核体=9%,五核体または六核体=5%、七核体以上の多核体=19%:NCO含量=31.0%)
下記表2に示す処方に従って、〔B〕成分、〔C〕成分および任意成分を含有するポリオール混合物(液温=30℃)131.7部と、調製例1で得られた〔A−1〕成分(液温=20℃)183.0部(NCOインデックス=100)とを高圧発泡機を用いて混合・吐出して発泡性の組成物を調製した。
この実施例で使用したポリエーテルポリオール(B1)を構成するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの質量比率(〔EO〕:〔PO〕)は34:66である。
低圧発泡機から吐出した組成物を、600mm×600mm×600mmの内部寸法を有する天面開放型の木製モールドに注入し、発泡・硬化成形過程における反応時間(クリームタイムおよびライズタイム)を測定した。結果を併せて表2に示す。
攪拌混合操作の開始時刻から1時間経過後に脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
下記表2に示す処方に従って、〔B〕成分、〔C〕成分および任意成分を含有するポリオール混合物と、〔A〕成分とを、NCOインデックスが100となるよう、表2に示す配合比(量)で使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物と〔A〕成分との攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表2に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームの各々を得た。
これらの実施例で使用したポリエーテルポリオール(B1)を構成するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの質量比率(〔EO〕:〔PO〕)は、
実施例2〜5において、〔EO〕:〔PO〕=34:66、
実施例6において、〔EO〕:〔PO〕=49:51、
実施例7〜8において、〔EO〕:〔PO〕=20:80、
実施例9において、〔EO〕:〔PO〕=63:37である。
*8)(B1−1):トルエンジアミンにEOおよびPOを付加してなるポリエーテルポリオール。官能基数=4、平均分子量=561、水酸基価=400mgKOH/g、粘度(25℃)=20,000mPa・s、〔EO〕:〔PO〕=20:80(質量比)。 *9)(B1−2):トルエンジアミンにEOおよびPOを付加してなるポリエーテルポリオール。官能基数=4、平均分子量=748、水酸基価=300mgKOH/g、粘度(25℃)=2,000mPa・s、〔EO〕:〔PO〕=70:30(質量比)。
*10)(B2−1):シュークロースにPOを付加してなるポリエーテルポリオール。官能基数=8、平均分子量=1069、水酸基価=420mgKOH/g、粘度(25℃)=28,000mPa・s。
*11)(b−1):グリセリンにPOを付加してなるポリエーテルポリオール。官能基数=3、平均分子量=599、水酸基価=281mgKOH/g、粘度(25℃)=270mPa・s。
*12)(b−2):モノエタノールアミンにPOを付加してなるポリエーテルポリオール。官能基数=3、平均分子量=337、水酸基価=500mgKOH/g、粘度(25℃)=430mPa・s。
*13)難燃剤(TCPP):トリス(クロロプロピル)ホスフェート
*14)整泡剤(1):「B−8465」(ゴールドシュミット社製)
*15)整泡剤(2):「SZ−1671」(以上、日本ユニカー(株)製)
*16)触媒(1):「カオーライザーNo.1」(花王(株)製)
*17)酸化防止剤(1):テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン「イルガノックス 1010」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
*18)酸化防止剤(2):ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト「JPP−13R」(城北化学(株)製)
下記表3に示す処方に従って、〔A−1〕成分に代えて、調製例6で得られた変性ポリイソシアネート(NCO含量=29.0%)164.0部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物と変性ポリイソシアネートとの攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表3に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
この例は、変性ポリイソシアネートのNCO含量が28%を超える比較例である。
下記表3に示す処方に従って、〔A−1〕成分に代えて、調製例7で準備したポリメリックMDI(a2)(NCO含量=31.0%)153.0部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物とポリメリックMDIとの攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表3に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
この例は、変性していないポリメリックMDI(NCO含量=31.0%)を使用した比較例である。
下記表3に示す処方に従って、ポリオール成分、〔C〕成分および任意成分を含有するポリオール混合物131.2部と、調製例2で得られた〔A−2〕成分173.0部(NCOインデックス=100)とを使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物と〔A−2〕成分との攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表3に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
この例は、トルエンジアミン系のポリエーテルポリオール(B1)の割合が50質量%未満のポリオール成分を使用した比較例である。
下記表3に示す処方に従って、ポリオール成分、〔C〕成分および任意成分を含有するポリオール混合物131.8部と、調製例2で得られた〔A−2〕成分197.0部(NCOインデックス=100)とを使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物と〔A−2〕成分との攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表3に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
この例は、トルエンジアミン系のポリエーテルポリオール(B1)を含有しないポリオール成分を使用した比較例である。
下記表3に示す処方に従って、〔B〕成分、〔C〕成分および任意成分を含有するポリオール混合物131.2部と、調製例7で準備したポリメリックMDI(a2)(NCO含量=31.0%)150.0部(NCOインデックス=100)とを使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物とポリメリックMDIとの攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表3に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
この例は、変性していないポリメリックMDI(NCO含量=31.0%)を使用した比較例である。
下記表3に示す処方に従って、ポリオール成分、〔C〕成分および任意成分を含有するポリオール混合物131.8部と、調製例7で準備したポリメリックMDI(a2)(NCO含量=31.0%)173.0部(NCOインデックス=100)とを使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオール混合物とポリメリックMDIとの攪拌混合操作(発泡性の組成物の調製)、組成物の注入操作、反応時間の測定(結果を下記表3に示す)および脱型操作を行って、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。
この例は、トルエンジアミン系のポリエーテルポリオール(B1)を含有しないポリオール成分を使用するとともに、変性していないポリメリックMDI(NCO含量=31.0%)を使用した比較例である。
*20)触媒(2):「トヨキャット DT」(東ソー(株)製)
実施例1〜9および比較例1〜6により得られた硬質ポリウレタンスラブフォーム(600mm×600mm×600mm)の各々について、脱型してから室温下に24時間静置した後、下記(1)〜(6)の項目について測定・評価した。なお、下記(3)の評価が「×」である比較例2、比較例5および比較例6に係るスラブフォームついては、下記(5)および(6)の測定・評価は実施しなかった。結果を下記表4に示す。
JIS K7222に準拠して、スラブフォームから切り出した試験片(200mm×200mm×200mm)の寸法と質量を測定して密度(kg/m3 )を求めた。
スラブフォームから切り出した試験片〔30mm×30mm×130mm(発泡方向)〕を用い、ASTM D2856に準拠して独立気泡率(%)を測定した。
スラブフォームを切断して内部を観察し、スコーチの発生状況を下記の基準に基いて評価した。
・「○」:スコーチの発生が全く認められない。
・「△」:スコーチの発生が僅かに認められる(フォームの中央部が僅かに茶色に変色している)。
・「×」:スコーチの発生が明らかに認められる(フォームの中央部が茶色に変色している)。
スラブフォームを、その発泡方向に平行に切断(スライス)して200mm(発泡方向)×200mm×25mmの試験片を作製し、JIS A 1412に準拠して熱伝導率測定装置(オートΛ)を用いて測定した。
硬質ポリウレタンフォームからなる保温材として、熱伝導率が0.024W/mK以下であることが要求される。
JIS A 9511に準拠して、燃焼距離および燃焼時間を測定し、これらに基いて燃焼性を評価した。
スラブフォームから切り出した試験片(50mm×50mm×50mm)を下記の雰囲気下に一定時間静置したときの体積変化を測定して寸法安定性を評価した。
・ 80℃×2日間
・−20℃×2日間
1B 断熱材
3 堅縛手段
Claims (5)
- 〔A〕ジフェニルメタンジイソシアネートを30〜80質量%の割合で含むポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの少なくとも一部を、官能基数が2〜4、水酸基価が100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオールからなる変性剤で変性することにより得られる、NCO含量が25〜28%である変性ポリイソシアネートと;
〔B〕トルエンジアミンにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(B1)を50質量%以上の割合で含むポリオール成分と;
〔C〕水からなる発泡剤と
を含有するフォーム形成性組成物を反応させる硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。 - 前記ポリエーテルポリオール(B1)を得るためにトルエンジアミンに付加されるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの質量比率(〔EO〕:〔PO〕)が0〜50:100〜50である請求項1に記載の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
- 前記〔B〕成分として、
前記ポリエーテルポリオール(B1)50〜90質量%、並びに
分子中にOH基を6個以上有する開始剤に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加してなるポリエーテルポリオール(B2)50〜10質量%を含むポリオール成分を含有する請求項1または請求項2に記載の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。 - 前記ポリエーテルポリオール(B2)を得るために使用される開始剤がシュークロースである請求項3に記載の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
- 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の製造方法により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームを裁断加工して得られる配管用断熱材。
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