JP2014125560A - 植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マット状の植物繊維で補強された硬質ポリウレタン発泡体からなる成形品であって、
A)成形品の平均密度は0.15〜0.5g/cm3であり、
B)マット状の植物繊維の見かけの密度は0.02〜0.25g/cm3であり、
C)補強された硬質ポリウレタン発泡体中の植物繊維含有率は33重量%〜75重量%であり、
D)成形品の−20℃〜20℃の温度範囲で測定した線膨張率が 18*10−6/K以下である
ことを特徴とする硬質発泡ポリウレタン成形品。
【選択図】なし
Description
この植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品は、表面にエンボス模様を施された装飾表皮と組み合わされ、自動車用内装トリム、成形天井材等の自動車用内装品あるいは室内家具の部品として応用される。あるいは要求される耐候性を満足する表皮材と組み合わせて、機器の外装カバーとして応用される。
しかしながら、ガラス繊維は成形作業において、作業員の皮膚を刺激し、痛みあるいは痒みを与えるのみならず、成形に際して発生したバリや注入ゲートなどの不要部分もガラス繊維を含む為、部分的に樹脂が含浸した成形品端末などが針のように作業員の皮膚に突き刺さるなどの危険があると同時に、それらの廃棄処理等にも困難を伴っている。また焼却処理に際して、ガラスファイバーが焼却灰に残ることが問題視される場合もある。
本発明の目的は、いわゆる合成木材よりも遥かに軽い成形品を作ることにある。
本発明において、発泡体である硬質ウレタンフォームを主部材として使い、低密度であるが故の弱点である強度不足、あるいは不充分な寸法安定性を、平均長さ少なくとも10mmの植物繊維で構成される植物繊維マットで補強する。
本願発明の要旨は、充分な隙間を持ったマット状の植物繊維を補強材として使った低密度の繊維補強硬質ウレタン成形品に存する。植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品は、形状保持性を持った基材として応用される。
成形品の密度は成形品の全体平均として、0.15〜0.5g/cm3であることが好ましい。成形品は補強された硬質ウレタンであるが、「硬質」とは、外力に応じて、自由に変形し、外力が無くなると元の形に復元するゴム体あるいはクッション体としての性質を持ち、セルは基本的に外気とつながったオープンセルからなる軟質ウレタンフォームと異なり、分子中に3次元的な架橋点を持ち、一部を除いてセルクローズ構造を持ち、外力に対して形状保持し、一定以上の外力に対しては、破損あるいは変形し、外力が無くなっても元の形に回復しないタイプのウレタンフォームを意味する。硬質ウレタンのショアA硬さは、一般に60〜95である。
マット状の植物繊維で補強された硬質ポリウレタン発泡体からなる成形品であって、
A)成形品の平均密度は0.15〜0.5g/cm3であり、
B)マット状の植物繊維の見かけの密度は0.02〜0.25g/cm3であり、
C)補強された硬質ポリウレタン発泡体中の植物繊維含有率は33重量%〜75重量%であり、
D)成形品の−20℃〜20℃の温度範囲で測定した線膨張率が 18*10−6/K以下である
ことを特徴とする硬質発泡ポリウレタン成形品
を提供する。
(1)マット状の植物繊維を型に供給する工程、
(2)ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン原料を型に供給する工程、
(3)型中で、ポリウレタン原料を硬化させる工程
あるいは
(1)ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン原料をマット状の植物繊維に供給する工程、
(2) ポリウレタン原料が表面に供給されたマット状の植物繊維を型に供給する工程、
(3)型中で、ポリウレタン原料を硬化させる工程
からなる、マット状植物繊維で補強されたポリウレタン成形品の製造方法を提供する。
ポリウレタン原料をマット状の植物繊維に供給した後にマットを型に入れる製法には、成型型を閉じてから原料が硬化して型を開けるまでの待ち時間に、次のサイクルの原料供給作業を並行して始められるため、全体的には成形サイクルの短縮に寄与するという利点がある。
さらに加えて、本発明は、
上記のポリウレタン成形品、および
ポリウレタン成形品を覆う表皮
を有してなるポリウレタン物品をも提供する。
本発明によれば、植物繊維を補強材に使う事で従来の技術で述べたガラスファイバー補強の成形品が持つ皮膚刺激、痛みあるいは、ガラスファイバーを含む廃棄物処理などの問題を避ける事が出来る。
低密度で生産性に優れた植物繊維で補強されたポリウレタン発泡体を提供することができる。成形品は非常に低い線膨張率、つまり寸法安定性を示す。
成形品は、一般に、表面にエンボス模様を施された装飾表皮と組み合わされ、自動車用内装トリム材、天井材、あるいはシェルフ等の自動車用内装品あるいは室内家具として使われる。
(1) マット状の植物繊維を型に供給する工程、
(2) マット状の植物繊維にポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン原料を供給する工程、
(3) 型中で、ポリウレタン原料を硬化させる工程
を有してなる。工程(1)と工程(2)はどちらを先に行ってもよい。すなわち、工程(1)の後に工程(2)を行ってもよいし、あるいは工程(2)の後に工程(1)を行ってもよい。
本発明において、植物繊維マットの密度は、(圧縮を受けていない状態で)0.02〜0.25g/cm3、より望ましくは0.04〜0.15g/cm3である。植物繊維マットは、綿状の構造を有することが好ましい。
本発明において植物繊維としては、例えば麻、亜麻、黄麻、サイザル麻、ジュート、サボテン繊維、サトウキビ繊維が挙げられる。植物繊維の太さは、10〜2000μm、特に20〜1000μm、植物繊維の長さは、10〜400mm、特に20〜200mmであってよい。ガラスファイバーに比べ、植物繊維は、明らかに柔らかく、皮膚あるいは人体に対する刺激も少なく、軽い。植物繊維を使う事で、ガラスファイバーが持っていた皮膚刺激、バリ取り時の危険性等は改良され、またガラスと植物繊維の真密度は大きく異なることから、補強された成形品の低密度化が可能になる。
本発明において植物繊維は、数ミリ〜数センチ程度のサイズの木粉、木屑あるいは木繊維、あるいは竹屑、竹繊維を意味せず、これらをウレタン系あるいはイソシアネート系の接着剤で固めたいわゆるチップボードとは異なる。補強繊維は、ウレタン樹脂硬化時型の中に存在するので、硬質ウレタンフォームの表面に存在する可能性はほとんど無く、硬質ウレタンフォームの内部に存在し、成形品の表面は硬質ウレタンフォームで覆われている。
また、曲面を持った成形品を均一に補強するためには、補強繊維マットは極力厚さ、寸法共に柔軟性を持っている事が望ましい。
上型を閉じる事により繊維マットが圧縮されても、発泡体原液が繊維間に充分に含浸する。
ウレタン樹脂発泡原液をマット状の植物繊維へ供給する際に、マット状の植物繊維はウレタン樹脂発泡原液が内部に含浸しやすいだけの繊維間隔を持っている必要がある。発泡ウレタン樹脂原液をマット状の植物繊維へ供給するに際して、マット状植物繊維は見かけ密度が充分に低く、植物繊維は、所定の間隔を持っている。ただし、型の中で植物繊維が圧縮されるのは、発泡原液が植物繊維に供給された後であることが好ましい。
一般的には、ウレタン樹脂発泡原液と植物繊維は互いに親和性は高く、発泡原液がスプレーあるいは注型あるいは、フローコーター等を通じて植物繊維に比較的均一に供給されれば、発泡原液は粘度がよほど高くない限り、植物繊維の間に含浸していく。
また水で発泡するように設計されたウレタン樹脂原液は従来反応混合液が表面で突沸して成形には不向きと考えられていた100℃以上の型温でも、非常に隙間を充填する性能に優れた挙動をしめすことが本実験の結果確認された。本願発明においては、成形に際して設定される型温度は、80℃〜150℃が望ましい。より望ましくは、110℃〜150℃である。80℃〜150℃の型温度により、ウレタン樹脂の熱分解が無く、脱型時間も短く、補強材の間を発泡液が自由に充填できる。
植物繊維の間を充填するポリウレタン発泡体を形成する樹脂は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分より成る硬質ポリウレタン発泡体用原料が使われる。ポリイソシアネート成分としては、芳香族系ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、脂肪族系ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート)が例示される。それらのポリイソシアネートを単独あるいは2種以上の混合系で使用しても良い。
使用されるポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖などの水酸基含有化合物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミノ基と水酸基を共に含有するアルカノールアミン化合物、あるいはエチレンジアミン、ジアミノトルエンなどのアミノ基含有化合物や、これらのアルカノールアミンやアミノ基あるいは水酸基含有化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した分子中に2〜6個の水酸基を含有し、平均水酸基当量が40〜2000のポリエーテルポリオール、あるいはこれらのポリエーテルポリオールにビニル化合物を付加重合したポリマーポリオールなどか用いられる。
また、ポリカルボン酸と低分子量の水酸基含有化合物から得られるポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオール、ジアルキルカーボネートとジオールのエステル交換や環状カーボネートの開環重合から得られるポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールの水酸基をアミノ化し、あるいはポリエーテルポリオールのイソシアネートプレポリマーを加水分解して得られるポリエーテルポリアミンであって、平均活性水素当量が100〜3000のものも併用できる。
フロンなどの他の発泡剤(特に、物理的発泡剤)を併用することも出来る。発泡剤の量は、ポリオール100重量部に対して、0.5〜6.0重量部であってよい。
特に初期反応が遅く、加温されてから急激に反応する事が期待される本発明では有機金属化合物やアルカリ金属塩などの使用が望ましい。
触媒の量は、ポリオール100重量部に対して、0.5〜3.0重量部であってよい。
植物繊維で補強される硬質ウレタン発泡体の原料システムを型に入れずに、いわゆるハンドフォーミングで自由発泡した場合に、
i)自由発泡密度が45Kg/m3〜150Kg/m3であるように調整されており、
ii)このフォームの独立気泡率は90%以上であり、
iii)液温35℃で測定されたウレタン樹脂の反応性が、クリームタイムが20〜40秒、かつゲルタイムが60〜130秒 の範囲内である
ことが好ましい。
上記のポリウレタン成形品、および
ポリウレタン成形品を覆う表皮
を有してなるポリウレタン物品が提供される。
一般的に密度が0.5g/cm3以下の発泡した硬質ウレタンフォームの表面硬さは、(たとえ植物繊維で補強されていたとしても)使用に際して人が通常接触する部品が充分な表面強度を持つことはまれであり、先端がとがった物で容易に傷がついてしまう。また、一般的なウレタン発泡体は、光によって変色する性質を持つこともある。したがって、ポリウレタン成形品は、実用に際しては、少なくとも表面は、0.2mm以上の厚さを持つ硬質あるいは軟質表皮でカバーされていることが一般である。軟質表皮の表面はエンボス加工されている事が望ましい。この表皮はウレタン樹脂でできていてもよい。また、この表皮はウレタン成形に際して、型内に設置していわゆる成形時一体成形するか、あるいは後工程で成形後に表皮材を接着することも可能である。この基材(ポリウレタン成形品)は装飾表皮で表面をカバーされた上で、自動車用内装トリム、成形天井材等の自動車用内装品あるいは室内家具の部品として、あるいは要求される耐候性を満足する表皮材と組み合わせて、機器の外装カバーとして応用される。
ここで言う見かけの密度とは、(マット重量/幅*長さ*圧縮する前の見かけの厚さ)をいう。
ポリウレタン成形に際しては、植物繊維マットは、型によって、少なくとも30%は圧縮を受けて均等密度に調整され、0.03〜0.37g/cm3に圧縮されることが好ましい。その繊維の隙間を、結果的には0.13〜0.40g/cm3に匹敵する密度の硬質ウレタンで充填し隙間を完全に埋めることが好ましい。
ウレタン樹脂の使用量は、植物繊維マット100重量部に対して、繊維最低使用時に最大で200重量部であり、繊維含有率は33重量%となることが好ましい。繊維最重大使用時ではウレタン樹脂の使用量は約33重量部程度となり、繊維含有率は75重量%であることが好ましい。植物繊維マットの割合が多いほど、ウレタン樹脂は流れにくくなり、その分、いわゆるオーバーパック率を上げる必要がある。成形品中に占める植物繊維の含有量は、望ましくは33重量%〜75重量%であり、より望ましくは35重量%〜67重量%である。
次に本願発明で使用する硬質ウレタンフォームについて説明する。上記の植物繊維マットと組み合わせて、平均密度が0.15〜0.5g/cm3である植物繊維で補強された軽量のポリウレタン発泡体を成形する為に、最も適したポリウレタン樹脂の性状につき、発明者等は種々検討した結果、以下の結論に達した。その条件を以下に示す。
ポリオール成分は、多官能ポリエーテルポリオールが最も適している。
このシステムの主たる発泡剤は水であり、ポリオール成分100重量部に対して1〜6重量部程度加えられるのが望ましく、この発泡剤は、この硬質ウレタン発泡体の原料システムを型に入れずに、いわゆるハンドフォーミングで自由発泡した場合の自由発泡密度が45Kg/m3〜150Kg/m3、より望ましくは50Kg/m3〜120Kg/m3であるように調整されている事が望ましい。密度が45Kg/m3未満では、オーバーパック率が高くなりすぎて、型から取り出した際に成形品が膨れ、あるいは割れなどのトラブルを生じることがあり、150Kg/m3を超えると、繊維補強材の間隙を完全に充填できないことがある。
また、成形品は、自動車用内装トリム材、天井材等の自動車用内装品あるいは室内家具の基材として使われるに適した優れた衝撃強度を含む機械的強度物性を示した。
さらに、植物繊維で補強した結果 JIS K 7197に従って測定した、−20℃〜20℃の温度範囲で測定した線膨張率が 15*10−6/K以下である事を確認して本発明を完成した。
(1)反応性
ポリオールとイソシアネート(共に液温35℃)を、ラボミキサーにより3000rpmで15秒間撹拌し、反応性を測定した。
独立気泡率は、JIS K 7138によって測定した。
(2)外観
OK:成型品の割れ、膨れなどが観察されない。
(3)PUR含浸度
OK:ウレタン原液が充分発泡して型全体を満たし、一部、植物繊維が見えるというような欠陥が無い。
JIS K 7197に記載のプラスチックの熱機械分析による線膨張率の測定方法に準じて測定を行なった。温度範囲−20〜+20℃で測定した。
(5)アイゾット衝撃吸収エネルギー
JISK6911アイゾット衝撃吸収試験に準じて測定を行なった。衝撃エネルギーを測定値とした。
(6)最大曲げ強度
JISK6301に準じて最大曲げ強度を測定した。成形品より長さ150mm、幅50mmのサンプルを切り出し、支点間距離100mm、テストスピード50mm/minで測定した。
1.約140℃に加温した金型(200mm×250mm×6mm)上型、下型に離型剤を塗布
2.キャノン高圧ポリウレタンスプレー機を用い
原料温度:ポリオール混合物/イソシアネート=約30℃/30℃
配合比:ポリオール混合物/イソシアネート=100/232(重量比)
ポリウレタン吐出量:30g/秒
吐出圧力:ポリオール混合物/イソシアネート=約130Bar/130Bar
の条件で約60グラムのウレタンを下型にオープン注入
3.閉型
4.型閉め完了後から30秒後に型を開き200mm×250mm×6mmのサンプルを得た
1.比較例1と同じ型およびスプレー機条件の下で、
スプレーブースにおいて見かけの密度が約0.03g/cm3(サイズ:200x250x10mm, 重量15グラム)のジュート繊維マットの両面に約22.5グラム(片面=11.25グラム)のウレタンをスプレー塗布し、
2.両面にウレタンを所定量塗布した植物繊維を金型に配置し閉型
3.型閉め完了後から30秒後に型を開き200mm×250mm×6mmの植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品を得た。
スプレーブースにおいて見かけの密度が約0.045g/cm3(サイズ:200x250x10mm, 重量22.5グラム)のジュート繊維マットの両面に約33.8グラム(片面=約16.9グラム)のウレタンをスプレー塗布した事以外は実施例1と同じ条件で
植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品を得た。
スプレーブースにおいて見かけの密度が約0.075g/cm3(サイズ:200x250x10mm, 重量37.5グラム)のジュート繊維マットの両面に約75グラム(片面=約37.5グラム)のウレタンをスプレー塗布した事以外は実施例1と同じ条件で
植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品を得た。
比較例2〜5および実施例4〜6のサンプル作成条件と物性を含む成型結果を表2に示す。
基本的には実施例1〜3で説明した条件に基づき、変更点については表2に具体的に示す条件を用いて、植物繊維で補強された発泡ポリウレタン成形品を得た。
使用原料は次のとおりであった。
(1)イソシアネート (住化バイエルウレタン株式会社製、SBU イソシアネート 0418)
ポリメリックMDI NCO%=30.5%
(2)ポリオール 混合物
多官能ポリエーテルブレンド−1:官能度約3.1水酸基価410mgKOH/g
アミン化合物-1:芳香族アミン ジエチルトルエンジアミン
アミン化合物-2:エチレンジアミン+PO 水酸基価630mgKOH/g
(3)触媒
酢酸カリウムのDEG溶液+ジブチルチンジラウレート
(4)シリコーン整泡剤
Tegostab B8462 (硬質ウレタン用整泡剤)
(5)安定剤 リン酸エステル
(6)ジュート繊維マットを使用。密度その他は、実施例と表1,2に示す。
植物繊維で補強されていない密度0.2g/cm3の硬質ウレタンフォームのアイゾット衝撃強度が0.51kJ/mであったに対し、実施例2に示すように、ジュート繊維で補強された本願発明成形品は4.65kJ/mの衝撃強度を示した。
また、密度0.2g/cm3の硬質ウレタンフォームの線熱膨張係数(CLTE)が65*10−6であったに対し、実施例1、2、3に示すように、本願発明に応じた補強されたウレタン樹脂成形品は、全ての密度で線熱膨張係数(CLTE)が15*10−6以下となり、寸法安定性の優れた成形品基材が得られた事を確認した。
比較例2および比較例3と実施例4〜6は、ポリオール混合物中のポリオール成分の内、アミン化合物およびアミン含有化合物から作ったポリオールが占める割合が3%〜11%である事が本発明の目的に合致して、所定時間内に外観および補強繊維へのウレタン原料の含浸程度において問題が無い成形品を得られる条件である事を示す。
また、比較例4および比較例5は実施例4〜6に対して発泡剤としての水の使用料、応用される硬質ウレタン発泡体の原料システムを型に入れずに、いわゆるハンドフォーミングで自由発泡した場合の自由発泡密度が45Kg/m3〜150Kg/m3である事が好ましいことを示している。
Claims (6)
- マット状の植物繊維で補強された硬質ポリウレタン発泡体からなる成形品であって、
A)成形品の平均密度は0.15〜0.5g/cm3であり、
B)マット状の植物繊維の見かけの密度は0.02〜0.25g/cm3であり、
C)補強された硬質ポリウレタン発泡体中の植物繊維含有率は33重量%〜75重量%であり、
D)成形品の−20℃〜20℃の温度範囲で測定した線膨張率が 18*10−6/K以下である
ことを特徴とする硬質発泡ポリウレタン成形品。 - 植物繊維で補強される硬質ウレタン発泡体の原料システムを型に入れずに、いわゆるハンドフォーミングで自由発泡した場合に
E)自由発泡密度が45Kg/m3〜150Kg/m3であるように調整されており、
F)このフォームの独立気泡率は90%以上であり、
G)液温35℃で測定されたウレタン樹脂の反応性が、クリームタイムが20〜40秒、かつゲルタイムが60〜130秒である事を特徴とする請求項1記載のポリウレタン成形品。 - 硬質ウレタン発泡体の原料システムにおいて、
ポリイソシアネート成分がポリフェニルメタンポリイソシアネートであり、
ポリオール成分が、アミン化合物および/あるいはアルカノールアミン化合物および/あるいはこれらのアミノ基含有化合物にアルキレンオキシドを付加した多官能のアミノ基含有ポリエーテルポリオールを含み、
多官能のアミノ基含有ポリエーテルポリオールの含有率がポリオール混合物中のポリオール成分100重量部に対して、3.0重量部〜11.0重量部であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のポリウレタン成形品。 - 請求項1に記載のポリウレタン成形品、および
ポリウレタン成形品を覆う表皮
を有してなるポリウレタン物品。 - (1)マット状の植物繊維を型に供給する工程、
(2)ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン原料を型に供給する工程、
(3)型中で、ポリウレタン原料を硬化させる工程
からなる、マット状植物繊維で補強されたポリウレタン成形品の製造方法。 - (1)ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン原料をマット状の植物繊維に供給する工程、
(2) ポリウレタン原料が表面に供給されたマット状の植物繊維を型に供給する工程、
(3)型中で、ポリウレタン原料を硬化させる工程
からなる、マット状植物繊維で補強されたポリウレタン成形品の製造方法。
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