JP2009096858A - 硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物、及び該組成物を用いた硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合、かつ、発泡時または発泡後における加熱(例えば40℃)によるフォームのキュアといった工程を経なくても、良好な寸法安定性(自由発泡後の寸法安定性、即ち、収縮しないこと)を具備することが可能な、硬質ポリウレタンスラブフォームを提供すること。
【解決手段】 (A)ポリメリックMDI(A1)と、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオールを含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー、(B)リン酸エステル、並びに(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステルから構成されるポリイソシアネート組成物を用いることにより、解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)ポリメリックMDI(A1)と、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオールを含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー、(B)リン酸エステル、並びに(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステルから構成されるポリイソシアネート組成物を用いることにより、解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物、および該組成物を用いた硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンスラブフォームは、自由発泡後におけるフォームの良好な寸法安定性を生かして、例えば、発泡後の特定形状により切り出すことによる特定用途(例えば配管用)の断熱材等、広範囲に使用されている。
また、硬質ポリウレタンスラブフォームは、前記と同じ良好な寸法安定性を生かして、例えば、不特定な形状部位(例えば建築物等において隙間が生じた部位)等に注入して充填させる材料としても、広範囲に使用されている。
近年、オゾン層破壊を防止するなどの観点から、硬質ポリウレタンスラブフォームを製造する際の発泡剤として、従来多用されていた1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンなどの(ハイドロ)クロロフルオロカーボン類に代えて、n−ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはこれらの混合物等といったハイドロカーボンが使用され始めている。しかし、ハイドロカーボンを用いる場合、それ自体の有する低い引火点に対処すべく、特定の防爆設備が必要になる等、設備投資が過大となるケースが多い。
そこで、発泡剤として水のみを用いた硬質ポリウレタンスラブフォームが検討されている。例えば、MDIを30〜80質量%の割合で含むポリメリックMDIの少なくとも一部を特定のポリエーテルポリオールで変性したNCO含量が25〜28%の変性ポリイソシアネートと、特定のポリエーテルポリオールを一定割合以上含むポリオール成分と、水からなる発泡剤とを含有するフォーム形成性組成物を反応させる方法(特許文献1参照)が提案されている。
この方法による場合、イソシアネート成分とポリオール成分を一定量ずつ吐出することが可能な発泡装置が必要となる。仮に、簡易な混合装置(例えば撹拌器)だけを用いた場合、この方法において用いられる成分では、混合不良に起因する硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される性能のばらつき(ひいては局部的な収縮)が発生する可能性が高い。
本発明は、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも良好な寸法安定性(自由発泡後の寸法安定性、即ち、収縮しないこと)を具備することが可能な、硬質ポリウレタンスラブフォームを提供することを主たる目的とする。
本発明はまた、発泡時または発泡後における加熱(例えば40℃)によるフォームのキュアといった工程を経なくても、前記と同様に良好な寸法安定性を具備することが可能な、硬質ポリウレタンスラブフォームを提供することをも目的とする。
これらの一連の課題を解決する(目的を達成する)ために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定の成分から構成されるポリイソシアネート組成物を用いることが解決手段として非常に有効であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は次の(1)〜(3)のとおりである。
(1) 次の(A)と、(B)と、(C1)及び/または(C2)とを、均一混合及び/または反応して得られることを特徴とする、硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI(A1)と、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオールを含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー。
(B)リン酸エステル。
(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステル。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI(A1)と、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオールを含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー。
(B)リン酸エステル。
(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステル。
(2) (1)に記載のポリイソシアネート組成物を、触媒(D)、整泡剤(E)、及び発泡剤(F)の存在下に反応させて得ることを特徴とする、硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
(3) 前記発泡剤(F)が水であることを特徴とする、(2)に記載の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
本発明の硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物は、十分良好な混合性が得られる程度に低粘度(具体的には25℃における粘度が400mPa・s以下)であり、かつ、硬質ポリウレタンスラブフォームを得るうえで必要な原料となる触媒、整泡剤、及び発泡剤との混合性にも優れることから、従来公知のものと同等またはそれ以上の良好なセル状態を有し、かつ、優れた寸法安定性を具備した硬質ポリウレタンスラブフォームを提供することが可能である。
また、本発明の硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物を用いることにより、同じ触媒、整泡剤、及び発泡剤を用いた場合において、得られる硬質ポリウレタンスラブフォームが低密度に仕上がり、かつ、優れた寸法安定性をも具備した硬質ポリウレタンスラブフォームを提供することが可能である。
さらに、前記のポリイソシアネート組成物を用いた本発明の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法は、従来公知の発泡装置を必ずしも必要とせず、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも、前記のような優れた性能を有する良好な硬質ポリウレタンスラブフォームを提供することが可能になる。
これらの一連の優れた効果は、発泡剤として入手が容易な水だけを用いる場合により実用的なものとなる。即ち、製造場所が限定されることがなく、例えば、現場施工が必要な場所においても、水を発泡剤として、前記のような簡便な装置を用いるだけで、優れた寸法安定性を具備した良好な硬質ポリウレタンスラブフォームを容易に得ることを可能にする。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物(以下「本発明のポリイソシアネート組成物」と略記)は、次の(A)と、(B)と、(C1)及び/A1)と、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオールまたは(C2)ととから構成される。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI(を含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー。
(B)リン酸エステル。
(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステル。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI(を含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー。
(B)リン酸エステル。
(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステル。
<ポリメリックMDI(A1)>
本発明を構成するポリウレタンプレポリマーに用いられるポリメリックMDI(A1)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記)(a1d)が20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(以下「MDI系多核縮合体」と略記)(a1p)が80〜20質量%からなる混合物である。該ポリメリックMDIは、別称として「ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート」または「クルードMDI」とも称される場合がある。なお、MDI(a1d)とMDI系多核縮合体(a1p)との合計は、ポリメリックMDI(A1)として100質量%である。
本発明を構成するポリウレタンプレポリマーに用いられるポリメリックMDI(A1)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記)(a1d)が20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(以下「MDI系多核縮合体」と略記)(a1p)が80〜20質量%からなる混合物である。該ポリメリックMDIは、別称として「ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート」または「クルードMDI」とも称される場合がある。なお、MDI(a1d)とMDI系多核縮合体(a1p)との合計は、ポリメリックMDI(A1)として100質量%である。
ポリメリックMDI(A1)は、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化することによって得ることができ、縮合時の原料組成比や反応条件を変更することによって、最終的に得られるポリメリックMDIの組成(核体分布や異性体構成比)を制御することができる。
ポリメリックMDI(A1)は、イソシアネート基への転化後の反応液、反応液から溶媒の除去、一部MDIを留出分離した缶出液等の、反応条件や分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。また、市販のポリメリックMDIにMDI(a1d)を混合したものであってもよい。
ポリメリックMDI(A1)におけるMDI(a1d)の割合は20〜80質量%の範囲であり、好ましくは25〜75質量%の範囲、中でも、ポリメリックMDI(A1)における液状での貯蔵安定性の保持、また、硬質ポリウレタンスラブフォーム形成時における良好な作業性を具備するとの観点から、26〜70質量%の範囲であることがとりわけ好ましい。ここで、MDI(a1d)の割合はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるMDIのピーク面積比から求める割合である。ポリメリックMDI(A1)におけるMDI(a1d)の割合が80質量%を超えた場合、MDI(a1d)に起因する結晶の析出が生じる等、ポリメリックMDIの貯蔵安定性の面で不具合が生じる可能性が高くなる傾向にある。一方、この割合が20質量%未満である場合、ポリメリックMDIの粘度が過度に高くなり、混合不良が生じる等作業性の面で不具合が生じる可能性が高くなる傾向にある。
2核体であるMDI(a1d)は、4,4′−MDIと、2,2′−MDIと、2,4′−MDIとの3種類の異性体により構成されている。本発明においては、これらの異性体の構成比は特に限定はないが、4,4′−MDI含有割合は60〜100%の範囲内であることが好ましく、得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得ることができるとの観点から、95〜100%の範囲内(中でも、とりわけ好ましいのは限りなく100%に近いレベル)であることがより好ましい。なお、異性体の構成比はGC(ガスクロマトグラフィー)によって得られる各ピークの面積百分率を基に、検量線から求めることができる。
ポリメリックMDI(A1)の平均官能基数は、2.1以上(2.1を含む)であることが好ましく、更に好ましくは2.2〜3.1の範囲内とされる。
ポリメリックMDI(A1)のイソシアネート基含有量は、27〜33質量%の範囲内であることが好ましいが、更に好ましくは28.5〜32.5質量%の範囲内とされる。
ポリメリックMDI(A1)の酸度は0.001〜0.2質量%の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは0.003〜0.15質量%の範囲内とされる。これにより、得られるポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性と好適な反応性とが確保される。なお、「酸度」とは、室温でアルコールと反応し遊離する酸成分を塩化水素に換算して示した値をいい、JIS K−1603によって測定される。
<その他のイソシアネート化合物>
本発明を構成するポリウレタンプレポリマーは前記のとおりポリメリックMDI(A1)を必須とされるが、必要に応じて、この必須であるイソシアネート化合物以外のイソシアネート化合物(以下「その他のイソシアネート化合物」と略記。)が含有されていてもよい。
本発明を構成するポリウレタンプレポリマーは前記のとおりポリメリックMDI(A1)を必須とされるが、必要に応じて、この必須であるイソシアネート化合物以外のイソシアネート化合物(以下「その他のイソシアネート化合物」と略記。)が含有されていてもよい。
その他のイソシアネート化合物としては、ポリメリックMDI(もしくはMDIのみ)と、活性水素基含有化合物とを反応させて得られるウレタン化物(後記する、ポリメリックMDI(A1)と一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)とによる、本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)を除く。)、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができる。また、これらのポリメリック体やこれらのイソシアネートと、活性水素基含有化合物とを反応させて得られるウレタン化物、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物などを使用することもできる。これらのイソシアネート化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)>
本発明を構成するポリウレタンプレポリマーに用いられる一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)としては、例えば、活性水素含有基数3の脂肪族系化合物(グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン等)、活性水素含有基数4の脂肪族系化合物(ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等)、活性水素含有基数5の脂肪族系化合物(2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエチレントリアミン)、活性水素含有基数6の脂肪族系化合物(ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等)、活性水素含有基数8の脂肪族系化合物(シュークローズ等)のような、1分子中に活性水素含有基を3〜8個有する脂肪族系化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる官能基数3以上の脂肪族系ポリエーテルポリオールを挙げることができる。
本発明を構成するポリウレタンプレポリマーに用いられる一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)としては、例えば、活性水素含有基数3の脂肪族系化合物(グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン等)、活性水素含有基数4の脂肪族系化合物(ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等)、活性水素含有基数5の脂肪族系化合物(2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエチレントリアミン)、活性水素含有基数6の脂肪族系化合物(ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等)、活性水素含有基数8の脂肪族系化合物(シュークローズ等)のような、1分子中に活性水素含有基を3〜8個有する脂肪族系化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる官能基数3以上の脂肪族系ポリエーテルポリオールを挙げることができる。
また、本発明を構成するポリウレタンプレポリマーに用いられる一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)として、前記の一連の開始剤と、活性水素含有基数2の脂肪族系化合物(エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等)の1種または2種以上との混合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる、実質的に平均官能基数が3以上となる脂肪族系ポリエーテルポリオールも挙げることができる。
さらに、本発明を構成するポリウレタンプレポリマーに用いられる一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)として、前記の官能基数3以上の脂肪族系ポリエーテルポリオールと、官能基数2の脂肪族系ポリエーテルポリオールを混合して、実質的に平均官能基数が3以上となる混合系の脂肪族系ポリエーテルポリオールをも挙げることができる。
本発明においては、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)として、後記する本発明を構成するポリウレタンプレポリマーにおける粘度が過度に上昇しない(ひいては、硬質ポリウレタンスラブフォーム形成時における作業性の良好さを確保する)との観点から、脂肪族系ポリエーテルポリオールを用いるのが好ましく、中でも、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得るとの観点から、ペンタエリスリトールを単独または主たる開始剤としプロピレンオキサイドを単独または主たる成分として付加反応させて得られる平均官能基数4以下(4を含む)(好ましくは4)の脂肪族系ポリエーテルポリオールを用いるのがより好ましい。
なお、本発明において用いられる一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)の水酸基価は150〜800mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、より好ましくは200〜600mgKOH/gの範囲内、中でも、後記する本発明を構成するポリウレタンプレポリマーを得る際の反応性(例えば急激な温度上昇を示さない等)や生産性(例えば、完全なる液状品を確実に得られる等)に優れ、得られる該ポリウレタンプレポリマーにおける粘度も過度に上昇せず、また、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得るとの観点から250〜500mgKOH/gの範囲内であることがとりわけ好ましい。
また、本発明においては、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)の数平均分子量は400〜1000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは400〜800の範囲内、中でも、前記のとりわけ好ましい水酸基価の範囲として列記した事項と同じ観点から、450〜600の範囲内であることがとりわけ好ましい。
<本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)>
本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)は、本発明のポリイソシアネート組成物に用いられる成分の1つであり、前記のポリメリックMDI(A1)と、前記の一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)を均一混合及び反応させることにより得ることができる、イソシアネート基を末端に有するプレポリマーである。
本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)は、本発明のポリイソシアネート組成物に用いられる成分の1つであり、前記のポリメリックMDI(A1)と、前記の一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)を均一混合及び反応させることにより得ることができる、イソシアネート基を末端に有するプレポリマーである。
本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)におけるイソシアネート基含有量は22.0〜29.0質量%の範囲内とされるが、好ましくは24〜28質量%の範囲内、中でも、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される良好な寸法安定性を確実に具備でき、また、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも良好な寸法安定性を確実に具備できるとの観点から、25〜27質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)における25℃における粘度は、前記のより好ましいイソシアネート基含有量の範囲として列記した事項と同じ観点から、4,000〜10,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)については、従来公知のイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを得る方法により得ることができる。この場合、均一混合及び反応を行う際における反応温度は、60〜100℃の範囲内で行われるのが、反応を確実に進行させる(反応系内に未反応の水酸基を残存させないようにする)との観点から好ましい。
<リン酸エステル(B)>
本発明のポリイソシアネート組成物に用いられるリン酸エステル(B)としては、例えば、非ハロゲン系リン酸エステル(トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等)、非ハロゲン系縮合リン酸エステル、含ハロゲン系リン酸エステル(トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等)、含ハロゲン系縮合リン酸エステルを挙げることができる。本発明においては、これら一連の化合物より1種を選択して、または、これら一連の化合物の2種以上からなる混合物として用いることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いられるリン酸エステル(B)としては、例えば、非ハロゲン系リン酸エステル(トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等)、非ハロゲン系縮合リン酸エステル、含ハロゲン系リン酸エステル(トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等)、含ハロゲン系縮合リン酸エステルを挙げることができる。本発明においては、これら一連の化合物より1種を選択して、または、これら一連の化合物の2種以上からなる混合物として用いることができる。
本発明においては、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に得るとの観点から、リン酸エステル(B)として、クレジルジフェニルホスフェート及び/またはトリス(クロロプロピル)ホスフェートを選択して用いるのが好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物は、前記の本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)と、リン酸エステル(B)とともに、後記するフタル酸エステル(C1)とマレイン酸エステル(C2)のいずれか、または、フタル酸エステル(C1)とマレイン酸エステル(C2)の両方を、併せ用いる。
<フタル酸エステル(C1)>
本発明のポリイソシアネート組成物に必要に応じて用いられるフタル酸エステル(C1)としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができる。本発明においては、これら一連の化合物より1種を選択して、または、これら一連の化合物の2種以上からなる混合物として用いることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物に必要に応じて用いられるフタル酸エステル(C1)としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができる。本発明においては、これら一連の化合物より1種を選択して、または、これら一連の化合物の2種以上からなる混合物として用いることができる。
本発明においては、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に具備し、かつ、環境問題に対応可能である(具体的には、PRTR法に規定されている物質に該当しない)との観点から、フタル酸エステル(C1)としてジイソノニルフタレートを選択して用いるのが好ましい。
<マレイン酸エステル(C2)>
本発明のポリイソシアネート組成物に必要に応じて用いられるマレイン酸エステル(C2)としては、例えば、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ビス(2−エチルヘキシル)マレエート等を挙げることができる。本発明においては、これら一連の化合物より1種を選択して、または、これら一連の化合物の2種以上からなる混合物として用いることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物に必要に応じて用いられるマレイン酸エステル(C2)としては、例えば、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ビス(2−エチルヘキシル)マレエート等を挙げることができる。本発明においては、これら一連の化合物より1種を選択して、または、これら一連の化合物の2種以上からなる混合物として用いることができる。
<本発明のポリイソシアネート組成物>
本発明のポリイソシアネート組成物は、前記のとおり、(A)本発明を構成するポリウレタンプレポリマーと、(B)リン酸エステルと、(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステルから構成される。
本発明のポリイソシアネート組成物は、前記のとおり、(A)本発明を構成するポリウレタンプレポリマーと、(B)リン酸エステルと、(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステルから構成される。
本発明のポリイソシアネート組成物は、硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用として好適に用いることが可能である。
本発明のポリイソシアネート組成物におけるイソシアネート基含有量は、5.0〜20.0質量%の範囲内であることが好ましく、中でも、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得ることができ、かつ、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得ることができるとの観点から、7.0〜16.0質量%の範囲内であることがより好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物における前記の(A)本発明を構成するポリウレタンプレポリマーと、(B)リン酸エステルと(C1)フタル酸エステルの合計との比率は、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に具備でき、かつ、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得ることができるとの観点から、(A)/〔(B)+(C1)〕(質量比)が70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。
また、本発明のポリイソシアネート組成物における前記の(A)本発明を構成するポリウレタンプレポリマーと、(B)リン酸エステルと(C2)マレイン酸エステルの合計との比率は、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に具備でき、かつ、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得ることができるとの観点から、(A)/〔(B)+(C2)〕(質量比)が70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。
並びに、本発明のポリイソシアネート組成物における前記の(A)本発明を構成するポリウレタンプレポリマーと、(B)リン酸エステルと(C1)フタル酸エステルと(C2)マレイン酸エステルの合計との比率は、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に具備でき、かつ、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いた場合でも硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される寸法安定性を確実に得ることができるとの観点から、(A)/〔(B)+(C1)+(C2)〕(質量比)が70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明のポリイソシアネート組成物における前記の(B)リン酸エステルと(C1)フタル酸エステルの比率は、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に具備できるとの観点から、(B)/(C1)(質量比)が70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。
また、本発明のポリイソシアネート組成物における前記の(B)リン酸エステルと(C2)マレイン酸エステルの比率は、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に具備できるとの観点から、(B)/(C2)(質量比)が70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。
並びに、本発明のポリイソシアネート組成物における前記の(B)リン酸エステルと(C1)フタル酸エステルの合計と(C2)マレイン酸エステルの比率は、本発明により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される一定レベル以下の密度と寸法安定性を共に具備できるとの観点から、(B)/〔(C1)+(C2)〕(質量比)が70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。
<任意成分>
本発明のポリイソシアネート組成物には、その効果が損なわれない範囲内において各種の任意成分が含有されていてもよい。かかる任意成分としては、硬質ポリウレタンスラブフォームを製造するためのポリイソシアネート組成物に含有されるものとして従来公知の物質を全て使用することができる。
本発明のポリイソシアネート組成物には、その効果が損なわれない範囲内において各種の任意成分が含有されていてもよい。かかる任意成分としては、硬質ポリウレタンスラブフォームを製造するためのポリイソシアネート組成物に含有されるものとして従来公知の物質を全て使用することができる。
<硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法>
本発明の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法(以下、必要に応じて「本発明の製造方法」と略記)は、前記の本発明のポリイソシアネート組成物と、触媒(D)、整泡剤(E)、及び発泡剤(F)の存在下に反応させて得ることを特徴とする。
本発明の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法(以下、必要に応じて「本発明の製造方法」と略記)は、前記の本発明のポリイソシアネート組成物と、触媒(D)、整泡剤(E)、及び発泡剤(F)の存在下に反応させて得ることを特徴とする。
<触媒(D)>
本発明の製造方法で用いられる「触媒(D)」としては、通常ウレタン発泡に用いられる公知の触媒を使用することができる。例えば、ウレタン化触媒として、ジメチルアルキル三級アミン、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物、アセチルアセトン金属塩等の金属錯化合物等が挙げられる。三量化触媒としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン等のトリアジン類、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2−エチルアジリジン等のアジリジン類等のアミン系化合物、3級アミンのカルボン酸塩等の第四級アンモニウム化合物、ジアザビシクロウンデセン、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物等を挙げることができる。これらの触媒は、1種または2種以上併用して用いることがでる。
本発明の製造方法で用いられる「触媒(D)」としては、通常ウレタン発泡に用いられる公知の触媒を使用することができる。例えば、ウレタン化触媒として、ジメチルアルキル三級アミン、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物、アセチルアセトン金属塩等の金属錯化合物等が挙げられる。三量化触媒としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン等のトリアジン類、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2−エチルアジリジン等のアジリジン類等のアミン系化合物、3級アミンのカルボン酸塩等の第四級アンモニウム化合物、ジアザビシクロウンデセン、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物等を挙げることができる。これらの触媒は、1種または2種以上併用して用いることがでる。
本発明の製造方法においては、本発明のポリイソシアネート組成物や水との反応バランスに適する(本発明の製造方法により得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される良好なセル(具体的には、微細で均一なセル)を確実に得ることができ、かつ、所望される寸法安定性も確実に得る(具体的には、フォームの部位による寸法安定性の不均一さを極めて少なくできる)との観点から、これらのうちジメチルアルキル三級アミン(具体的には、例えば、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン等)を1種または2種以上選択して用いるのが好ましい。
本発明の製造方法における触媒(D)の使用量は、硬質ポリウレタンスラブフォーム製造時における設備や所望される反応(発泡)速度により増減はするが、例えば、水のみを発泡剤とし、かつ、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いて硬質ポリウレタンスラブフォームを製造する際は、前記の本発明のポリイソシアネート組成物を100質量%とした場合において0.5〜5.0質量%の範囲内となる量を用いるのが適当である。
<整泡剤(E)>
本発明の製造方法に用いられる整泡剤(E)としては、硬質ポリウレタンスラブフォーム用の整泡剤として用いることが可能な従来公知のもの(ジメチルポリシロキサンおよびポリシロキサン−ポリエーテル共重合体)を全て使用することができる。具体例としては、公知のシリコーン系界面活性剤が挙げられ、例えば東レ・ダウコーニング製のL−5340、L−5420、L−5421、L−5740、L−580、SZ−1142、SZ−1642、SZ−1605、SZ−1649、SZ−1919、SZ−1675、SZ−1720、SZ−1725、SH−190、SH−192、SH−193、SF−2945F、SF−2940F、SF−2936F、SF−2938F、SRX−294A、信越化学工業製のF−305、F−341、F−343、F−374、F−345、F−348、ゴールドシュミット製のB−8404、B−8407、B−8465、B−8444、B−8467、B−8433、B−8466、B−8870、B−8450、B−8460、BC−2590等が挙げられる。
本発明の製造方法に用いられる整泡剤(E)としては、硬質ポリウレタンスラブフォーム用の整泡剤として用いることが可能な従来公知のもの(ジメチルポリシロキサンおよびポリシロキサン−ポリエーテル共重合体)を全て使用することができる。具体例としては、公知のシリコーン系界面活性剤が挙げられ、例えば東レ・ダウコーニング製のL−5340、L−5420、L−5421、L−5740、L−580、SZ−1142、SZ−1642、SZ−1605、SZ−1649、SZ−1919、SZ−1675、SZ−1720、SZ−1725、SH−190、SH−192、SH−193、SF−2945F、SF−2940F、SF−2936F、SF−2938F、SRX−294A、信越化学工業製のF−305、F−341、F−343、F−374、F−345、F−348、ゴールドシュミット製のB−8404、B−8407、B−8465、B−8444、B−8467、B−8433、B−8466、B−8870、B−8450、B−8460、BC−2590等が挙げられる。
本発明の製造方法における整泡剤(E)の使用量は、硬質ポリウレタンスラブフォーム製造時における設備や所望される反応(発泡)速度により増減はするが、例えば、水のみを発泡剤とし、かつ、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用いて硬質ポリウレタンスラブフォームを製造する際は、前記の本発明のポリイソシアネート組成物を100質量%とした場合において0.1〜2.0質量%の範囲内となる量を用いるのが適当である。
<発泡剤(F)>
本発明の製造方法に用いられる「発泡剤(F)」としては、硬質ポリウレタンスラブフォームを得るために供される従来公知の発泡剤であれば特に限定されず、いずれも使用可能である。
本発明の製造方法に用いられる「発泡剤(F)」としては、硬質ポリウレタンスラブフォームを得るために供される従来公知の発泡剤であれば特に限定されず、いずれも使用可能である。
本発明の製造方法においては、近年のオゾン層破壊の防止といった観点を考慮し、発泡剤(F)として、水のみを単独で用いるのが好ましい。
本発明の製造方法における発泡剤(F)の使用量は、得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望されるフォーム密度により増減はするが、例えば、水のみを発泡剤とし、簡便な装置(例えば撹拌器だけ)を用い、かつ、フォーム密度(コア部)が40kg/m3以下(40kg/m3を含む)の硬質ポリウレタンスラブフォームを製造する場合、前記の本発明のポリイソシアネート組成物を100質量%とした場合において2〜15質量%の範囲内となる量を用いるのが適当である。
なお、本発明の製造方法においては、得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される性能(例えば優れた寸法安定性(収縮が極めて小さいこと))を維持できる範囲内であれば、発泡剤(F)としてハイドロフルオロエーテルも、単独で、または、水と併せて用いることが可能である。
ハイドロフルオロエーテルとしては、ハイドロフルオロエーテルとして従来公知のもの、具体的には、例えばHFE−254pc(CHF2CF2OCH3)、CF3CHFOCF3(HFE−227me)、CF3CHFOCHF2(HFE−236me)、CF3CH2OCF3(HFE−236mf)、 CHF2CF2OCHF2(HFE−236pc)、CF3CF2OCH3(HFE−245mc)、CF3CH2OCHF2(HFE−245mf)、CF3CF2CF2OCH3(HFE−247mcc)、CF3CF2OCH2CF3(HFE−338mc−f)、(CF3)2CFOCH3(HFE−347mmy)、CHF2CF2OCH2F(HFE−245pc)、CH2FCF2OCHF2(HFE−245qc)、CF3CF2CH2OCHF2(HFE−347mcf)、CF3CHFCF2OCH3(HFE−356mec)、CHF2CF2CF2OCH3(HFE−356pcc)、CHF2CF2CH2OCHF2(HFE−356pcf)、CHF2CF2OCH2CF3(HFE−347pc−f)、CF3CH2OCH2CF3(HFE−356mf−f)、CH2FCF2OCH2CF3(HFE−356qc−f)、(CF3)2CHOCH3(HFE−356mmz)等を挙げることができる。本発明の製造方法においては、これらのうちいずれか1種を選択して、単独で、または、2種以上を併用するかたちで用いても良い。
<添加剤>
本発明の製造方法においては、得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される性能を損なわない範囲で、添加剤を用いることができる。この添加剤としては、可塑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、有機または無機の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料・染料、抗菌剤・抗カビ剤等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、得られる硬質ポリウレタンスラブフォームに所望される性能を損なわない範囲で、添加剤を用いることができる。この添加剤としては、可塑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、有機または無機の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料・染料、抗菌剤・抗カビ剤等が挙げられる。
<本発明の製造方法の具体的な形態>
本発明の製造方法においては、前記の本発明のポリイソシアネート組成物、触媒(D)と整泡剤(E)を用いた均一混合調製物、及び発泡剤(F)からなる3成分系とするのが好ましい。なお、発泡剤(F)については、液の貯蔵安定性に問題がなければ、触媒(D)と整泡剤(E)を用いた均一混合調製物に均一混合して、2成分系とすることも可能である。
本発明の製造方法においては、前記の本発明のポリイソシアネート組成物、触媒(D)と整泡剤(E)を用いた均一混合調製物、及び発泡剤(F)からなる3成分系とするのが好ましい。なお、発泡剤(F)については、液の貯蔵安定性に問題がなければ、触媒(D)と整泡剤(E)を用いた均一混合調製物に均一混合して、2成分系とすることも可能である。
以下、3成分系とする場合における好ましい具体的な製造方法の一例を示す。
(1)前記の本発明のポリイソシアネート組成物、触媒(D)と整泡剤(E)を用いて均一混合した調製物、並びに発泡剤(F)を各々用意する。
(2)次いで、前記の本発明のポリイソシアネート組成物、前記の均一混合調製物、並びに発泡剤(F)を混合して反応させ、反応系を発泡・硬化させ、硬質ポリウレタンスラブフォームを得る。
この場合、前記の本発明のポリイソシアネート組成物、前記の均一混合調製物、並びに発泡剤(F)のそれぞれにおける液温は、各々15〜30℃の範囲内に調節しておくことが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの例によってなんら限定して解釈されるものではない。なお、以下においては特段の記載がない限り、「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を示す。
<ポリウレタンプレポリマー(A)の合成>
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:100kgの反応器に、ポリメリックMDI(A1)として「イソシアネートA」を92.2kg仕込み、攪拌しながら80℃に加温した。次いで、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)として「ポリオールB」7.8kgについて、反応器への仕込みを行った。仕込み完了後、攪拌しながら80℃にて3時間反応させ、本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)に相当する「NCO−P」を得た。このポリウレタンプレポリマー「NCO−P」のイソシアネート基含有量(以下、必要に応じて「NCO含量」と略記。)は26.0%、粘度(25℃)は7,100mPa・sであった。
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:100kgの反応器に、ポリメリックMDI(A1)として「イソシアネートA」を92.2kg仕込み、攪拌しながら80℃に加温した。次いで、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオール(A2)として「ポリオールB」7.8kgについて、反応器への仕込みを行った。仕込み完了後、攪拌しながら80℃にて3時間反応させ、本発明を構成するポリウレタンプレポリマー(A)に相当する「NCO−P」を得た。このポリウレタンプレポリマー「NCO−P」のイソシアネート基含有量(以下、必要に応じて「NCO含量」と略記。)は26.0%、粘度(25℃)は7,100mPa・sであった。
合成例1において用いた「イソシアネートA」の詳細は、以下のとおりである。
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=40%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=30.7%
(iv)酸度=0.01%
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=40%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=30.7%
(iv)酸度=0.01%
同じく、合成例1において用いた「ポリオールB」の詳細は、以下のとおりである。
商品名「サンニックスHD−402(三洋化成工業(株)製)」
脂肪族多価アルコール(ペンタエリスリトール)系ポリエーテルポリオール
公称官能基数=4
公称水酸基価=400
公称粘度(25℃)=1800mPa・s
商品名「サンニックスHD−402(三洋化成工業(株)製)」
脂肪族多価アルコール(ペンタエリスリトール)系ポリエーテルポリオール
公称官能基数=4
公称水酸基価=400
公称粘度(25℃)=1800mPa・s
<ポリイソシアネート組成物の調製>
実施例1
下記の表1に示す処方に従って、攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:100kgの反応器に、前記のポリウレタンプレポリマー(A)として「NCO−P」を50.0kg仕込み、攪拌しながら50℃に加温した。次いで、リン酸エステル(B)として「クレジルジフェニルホスフェート」を27.5kg、フタル酸エステル(C1)として「ジイソノニルフタレート」を22.5kg、各々反応器への仕込みを行った。仕込み完了後50℃にて2時間攪拌を行い、均一混合された本発明ポリイソシアネート組成物としての「NCO−1」を得た。このポリイソシアネート組成物「NCO−1」のNCO含量は13.0%、粘度(25℃)は289mPa・sであった。
実施例1
下記の表1に示す処方に従って、攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:100kgの反応器に、前記のポリウレタンプレポリマー(A)として「NCO−P」を50.0kg仕込み、攪拌しながら50℃に加温した。次いで、リン酸エステル(B)として「クレジルジフェニルホスフェート」を27.5kg、フタル酸エステル(C1)として「ジイソノニルフタレート」を22.5kg、各々反応器への仕込みを行った。仕込み完了後50℃にて2時間攪拌を行い、均一混合された本発明ポリイソシアネート組成物としての「NCO−1」を得た。このポリイソシアネート組成物「NCO−1」のNCO含量は13.0%、粘度(25℃)は289mPa・sであった。
実施例2〜26、比較例1〜11
下記の表1〜表3に示す処方に従って、ポリウレタンプレポリマー(A)として前記の「NCO−P」、リン酸エステル(B)として「クレジルジフェニルホスフェート」「トリブチルホスフェート」「トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート」「トリス(ブトキシエチル)ホスフェート」「2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート」「芳香族縮合リン酸エステル」「トリス(クロロプロピル)ホスフェート」、フタル酸エステル(C1)として「ジイソノニルフタレート」、マレイン酸エステル(C2)として「ジブチルマレエート」「ビス(2−エチルヘキシル)マレエート」、また、これらの他に「トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート」を各々使用したこと以外は、実施例1と同様にして本発明のポリイソシアネート組成物「NCO−2」〜「NCO−26」、並びに、比較例としてのポリイソシアネート組成物「NCO−27」〜「NCO−37」を調製した。得られた各ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有量および粘度(25℃)を表1〜表3に併せて示す。
下記の表1〜表3に示す処方に従って、ポリウレタンプレポリマー(A)として前記の「NCO−P」、リン酸エステル(B)として「クレジルジフェニルホスフェート」「トリブチルホスフェート」「トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート」「トリス(ブトキシエチル)ホスフェート」「2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート」「芳香族縮合リン酸エステル」「トリス(クロロプロピル)ホスフェート」、フタル酸エステル(C1)として「ジイソノニルフタレート」、マレイン酸エステル(C2)として「ジブチルマレエート」「ビス(2−エチルヘキシル)マレエート」、また、これらの他に「トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート」を各々使用したこと以外は、実施例1と同様にして本発明のポリイソシアネート組成物「NCO−2」〜「NCO−26」、並びに、比較例としてのポリイソシアネート組成物「NCO−27」〜「NCO−37」を調製した。得られた各ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有量および粘度(25℃)を表1〜表3に併せて示す。
上記の表1〜表3における化合物(成分)の詳細は、以下のとおりである。
<NCO−P(本発明の(A)に相当)>
(前記の合成例1により得られたポリウレタンプレポリマー)
<クレジルジフェニルホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「CDP(大八化学(株)製)」
<トリブチルホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TBP(大八化学(株)製)」
<トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TOP(大八化学(株)製)」
<トリス(ブトキシエチル)ホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TBXP(大八化学(株)製)」
<2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「#41(大八化学(株)製)」
<芳香族縮合リン酸エステル(本発明の(B)に相当)>
商品名「CR−733S(大八化学(株)製)」
<トリス(クロロプロピル)ホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TMCPP(大八化学(株)製)」
<ジイソノニルフタレート(本発明の(C1)に相当)>
商品名「DINP(大八化学(株)製)」
<ジブチルマレエート(本発明の(C2)に相当)>
商品名「DBM(大八化学(株)製)」
<ビス(2−エチルヘキシル)マレエート(本発明の(C2)に相当)>
商品名「DOM(大八化学(株)製)」
<トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート>
トリメリット酸エステル
商品名「TOTM(大八化学(株)製)」
(前記の合成例1により得られたポリウレタンプレポリマー)
<クレジルジフェニルホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「CDP(大八化学(株)製)」
<トリブチルホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TBP(大八化学(株)製)」
<トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TOP(大八化学(株)製)」
<トリス(ブトキシエチル)ホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TBXP(大八化学(株)製)」
<2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「#41(大八化学(株)製)」
<芳香族縮合リン酸エステル(本発明の(B)に相当)>
商品名「CR−733S(大八化学(株)製)」
<トリス(クロロプロピル)ホスフェート(本発明の(B)に相当)>
商品名「TMCPP(大八化学(株)製)」
<ジイソノニルフタレート(本発明の(C1)に相当)>
商品名「DINP(大八化学(株)製)」
<ジブチルマレエート(本発明の(C2)に相当)>
商品名「DBM(大八化学(株)製)」
<ビス(2−エチルヘキシル)マレエート(本発明の(C2)に相当)>
商品名「DOM(大八化学(株)製)」
<トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート>
トリメリット酸エステル
商品名「TOTM(大八化学(株)製)」
<触媒・整泡剤均一混合物の調製>
下記の表4に示す配合処方に従って、各成分を均一混合することにより、触媒並びに整泡剤を含む均一混合された、触媒・整泡剤プレミックス「CS−1」を調製した。なお、任意の添加剤、具体的には均一混合物の低粘度化、他の成分との相溶性並びに分散性の向上を目的とした添加剤として、前記のジイソノニルフタレートを併せ用いた。粘度(25℃)を表4に併せて示す。
下記の表4に示す配合処方に従って、各成分を均一混合することにより、触媒並びに整泡剤を含む均一混合された、触媒・整泡剤プレミックス「CS−1」を調製した。なお、任意の添加剤、具体的には均一混合物の低粘度化、他の成分との相溶性並びに分散性の向上を目的とした添加剤として、前記のジイソノニルフタレートを併せ用いた。粘度(25℃)を表4に併せて示す。
上記の表4における化合物(成分)の詳細は、以下のとおりである。
<ジメチルラウリルアミン(本発明の(D)に相当)>
ジメチルアルキル三級アミン
商品名「ファーミンDM2098(花王(株)製)」
<BC−2590(本発明の(E)に相当)>
シリコーン系界面活性剤
商品名「TEGOSTAB BC−2590(ゴールドシュミット社製)」
<ジイソノニルフタレート>
商品名「DINP(大八化学(株)製)」
ジメチルアルキル三級アミン
商品名「ファーミンDM2098(花王(株)製)」
<BC−2590(本発明の(E)に相当)>
シリコーン系界面活性剤
商品名「TEGOSTAB BC−2590(ゴールドシュミット社製)」
<ジイソノニルフタレート>
商品名「DINP(大八化学(株)製)」
<硬質ポリウレタンスラブフォームの形成(製造)>
実施例27〜52、比較例12〜22
実施例27〜52、比較例12〜22
<その1(反応性等の測定)>
ポリイソシアネート組成物として「NCO−1」〜「NCO−37」を、触媒・整泡剤プレミックスとして「CS−1」を、また、発泡剤として水(精製水:本発明の(F)に相当)をそれぞれ用意し、各々液温を25℃に調整した。これらを下記の表5〜表7に示す組合せに従い、
各ポリイソシアネート組成物/「CS−1」/水=20/1/2(質量比)
となるよう、合計66gを容量300mLサイズの透明のポリプロピレン製カップ(表面温度:25℃)に仕込み、攪拌羽根を装着した撹拌器(ラボミキサー(T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製)))を用いて、10秒間1000rpmにて攪拌・均一混合することにより、各々の発泡性の混合物を得た。
ポリイソシアネート組成物として「NCO−1」〜「NCO−37」を、触媒・整泡剤プレミックスとして「CS−1」を、また、発泡剤として水(精製水:本発明の(F)に相当)をそれぞれ用意し、各々液温を25℃に調整した。これらを下記の表5〜表7に示す組合せに従い、
各ポリイソシアネート組成物/「CS−1」/水=20/1/2(質量比)
となるよう、合計66gを容量300mLサイズの透明のポリプロピレン製カップ(表面温度:25℃)に仕込み、攪拌羽根を装着した撹拌器(ラボミキサー(T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製)))を用いて、10秒間1000rpmにて攪拌・均一混合することにより、各々の発泡性の混合物を得た。
得られた発泡性の混合物の各々について、攪拌終了後直ちに、容量1000mLサイズの透明のポリプロピレン製カップ(表面温度:25℃)に60g投入し、硬質ポリウレタンスラブフォーム形成(発泡)時における反応時間(クリームタイム、ゲルタイム、ライズタイム、タックフリータイム)を測定した。その後、撹拌混合開始から10分経過した時点で、形成された硬質ポリウレタンスラブフォームのコア部を切り出し、フォームセル状態の確認を行い、また、フォームのフリーライズ密度を測定した。これらの結果を表5〜表7に示す。
<その2(フォーム形状安定性(寸法安定性)の確認)>
前記の反応性等の測定と同一条件にて、各々の発泡性の混合物を得た。得られた発泡性の混合物の各々について、攪拌終了後直ちに、容量1000mLサイズの透明のポリプロピレン製カップ(表面温度:25℃)に60g投入した後そのまま静置して、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。その後、25℃一定温度雰囲気下に引き続きそのまま静置した。24時間経過した後、フォームの形状安定性について確認を行った。これらの結果を表5〜表7に併せて示す。
前記の反応性等の測定と同一条件にて、各々の発泡性の混合物を得た。得られた発泡性の混合物の各々について、攪拌終了後直ちに、容量1000mLサイズの透明のポリプロピレン製カップ(表面温度:25℃)に60g投入した後そのまま静置して、硬質ポリウレタンスラブフォームを得た。その後、25℃一定温度雰囲気下に引き続きそのまま静置した。24時間経過した後、フォームの形状安定性について確認を行った。これらの結果を表5〜表7に併せて示す。
<フォームセル状態>
前記の各々のフォームについて、目視にてセルの均一状態を観察し、評価を行った。
(評価基準)
「○」:微細かつ均一なセルが得られている。
「△」:注視すると、部分的にセル径が不均一になっている箇所がある、またはセルが若干ながら微細ではない。
「×」:セル径が不均一になっている箇所が明確である、またはセルが明らかに微細でない。
前記の各々のフォームについて、目視にてセルの均一状態を観察し、評価を行った。
(評価基準)
「○」:微細かつ均一なセルが得られている。
「△」:注視すると、部分的にセル径が不均一になっている箇所がある、またはセルが若干ながら微細ではない。
「×」:セル径が不均一になっている箇所が明確である、またはセルが明らかに微細でない。
<フォーム形状安定性(寸法安定性)>
前記の各々のフォームについて、目視にてフォームの収縮の有無(フォームのカップ形状維持の度合い)を観察し、評価を行った。
(評価基準)
「○」:フォームの収縮が見られず、形状が安定している。
「△」:注視すると、程度は僅かながらフォームの収縮が認められる。
「×」:フォームの収縮が明確に認められる。
前記の各々のフォームについて、目視にてフォームの収縮の有無(フォームのカップ形状維持の度合い)を観察し、評価を行った。
(評価基準)
「○」:フォームの収縮が見られず、形状が安定している。
「△」:注視すると、程度は僅かながらフォームの収縮が認められる。
「×」:フォームの収縮が明確に認められる。
表5〜表7に示されているとおり、一連の実施例はフリーライズ密度が全て40kg/m3以下(発泡倍率が一定以上確保されているレベル)であり、フォームセル状態やフォーム形状安定性(寸法安定性)も良好である。これに対して、一連の比較例は、40kg/m3より高い密度(発泡倍率が低い結果)となっているか、密度が低くてもフォームセル状態やフォーム形状安定性(寸法安定性)に不具合が生じる結果となっている。
本発明の硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物を用いて得られる硬質ポリウレタンスラブフォームは、前記のとおり優れた寸法安定性を有することから、硬質ポリウレタンスラブフォームを用いる従来公知の用途、例えば配管用のパイプカバー等の各種断熱材用途、形状安定性(寸法安定性)が重視される各種不定形部位(例えば建築物等において隙間が生じた部位)への注入かつ自由発泡による充填用途等に適用できる。
Claims (3)
- 次の(A)と、(B)と、(C1)及び/または(C2)とを、均一混合及び/または反応して得られることを特徴とする、硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物。
(A)ジフェニルメタンジイソシアネート(a1d)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(a1p)が80〜20質量%(但し、(a1d)+(a1p)=(A1)として100質量%)であるポリメリックMDI(A1)と、一分子中に水酸基を3個以上有する脂肪族多価アルコール系ポリエーテルポリオールを含有するポリエーテルポリオール(A2)との変性により得られる、イソシアネート基含有量が22.0〜29.0質量%のポリウレタンプレポリマー。
(B)リン酸エステル。
(C1)フタル酸エステル及び/または(C2)マレイン酸エステル。 - 請求項1に記載のポリイソシアネート組成物を、触媒(D)、整泡剤(E)、及び発泡剤(F)の存在下に反応させて得ることを特徴とする、硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
- 前記発泡剤(F)が水であることを特徴とする、請求項2に記載の硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
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JP2007268655A JP2009096858A (ja) | 2007-10-16 | 2007-10-16 | 硬質ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリイソシアネート組成物、及び該組成物を用いた硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法 |
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Cited By (3)
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KR101258074B1 (ko) | 2009-12-08 | 2013-04-30 | 금호석유화학 주식회사 | 슬라브 연속식 발포 경질 폴리 우레탄 발포체 및 그 제조 방법 |
JP2014122362A (ja) * | 2014-03-14 | 2014-07-03 | Dow Global Technologies Llc | ハロゲンを含まない難燃剤tpu複合体 |
WO2016167312A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2016-10-20 | 東ソー株式会社 | ポリウレタンインテグラルスキンフォーム及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-10-16 JP JP2007268655A patent/JP2009096858A/ja active Pending
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