JP2006265363A - 加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】23℃における中空率が5〜95%である加熱消滅性中空樹脂粒子であって、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、1時間以内に10重量%以上が消滅する加熱消滅性中空樹脂粒子。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、焼成工程において、樹脂成分が完全に除去される温度が、セラミック原料粉末、ガラス粉末等の融着温度と近い温度である場合には、樹脂粒子に由来するカーボン等の残滓が焼結体の内部に残留してしまうことがあった。また、樹脂成分が完全に除去される温度が融着温度より高い場合には、焼結体が変形してしまうことがあった。更に、樹脂成分が燃焼する際の燃焼熱によって、得られる焼結体に変形やひび割れが生じることもあった。従って、焼成工程において、より低温で樹脂成分を除去することができ、燃焼熱による歪みの発生が少なく、焼成後の焼結体に樹脂成分に由来するカーボン等の残滓のない樹脂粒子が望まれていた。
以下に本発明を詳述する。
なお、本明細書において、中空率とは、加熱消滅性中空樹脂微粒子全体の体積に対する中空部分の体積の比率のことをいい、例えば、ポロシメーター2000(アムコ社製)等を用いることにより測定することができる。
なお、本明細書において、分解開始温度とは、加熱により重量減少率が5%以上となる温度のことをいい、例えば、DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)等を用いて、熱重量分析(TGA)を行うことにより求めることができる。
上記ポリオキシアルキレン樹脂は、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、低分子量の炭化水素、エーテル等に分解された後、燃焼反応や蒸発等の相変化によって
消失させることができる。従って、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、上述の加熱消滅性を発揮することができる。
部分がポリオキシアルキレンからなるマクロモノマーのことをいう。
また、ポリオキシアルキレンマクロモノマーに含まれる官能基の数は特に限定されないが、官能基を2個以上もつマクロモノマーを用いれば、架橋させることにより高い圧縮強度を有する加熱消滅性中空樹脂粒子を得ることができる。
クロロホルム、四塩化炭素等等が挙げられる、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマー成分として、ポリオキシプロピレンジメタクリレート50重量部(ポリオキシプロピレンユニット数=約9;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)、メタクリル酸メチル30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、中空化剤としてヘプタン50重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、モノマー溶液を調製した。
得られたモノマー溶液の全量を、ポリビニルアルコール(PVA)1重量%と亜硝酸ナトリウム0.02重量%との水溶液450重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌し、乳化懸濁液を得た。
て投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始した。8時間重合した後、重合器を室温まで冷却してスラリーを得た。得られたスラリーを脱水装置により脱水し、真空乾燥して、樹脂粒子を得た。なお 得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ52μmであった。
モノマー成分として、ポリオキシプロピレンジメタクリレート50重量部(ポリオキシプロピレンユニット数=約9;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)、メタクリル酸メチル30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、乳化分散剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ポエムPR−100、理研ビタミン社製)4重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、モノマー溶液を調製した。
モノマー成分として、ポリオキシエチレン−ポリオキシテトラメチレンメタクリレート35重量部(ポリオキシエチレンユニット数=約10、ポリオキシテトラメチレンユニット数=約5;日本油脂社製、ブレンマー55PET−800)、メタクリル酸メチル50重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部を用い、中空化剤としてイソオクタン120重量部を用いる以外は実施例1と同様にして中空樹脂粒子を得た。なお、得られた中空樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ56μmであった。
モノマー成分として、ポリオキシエチレンメタクリレート5重量部(ポリオキシエチレンユニット数=約8;日本油脂社製、ブレンマーPET−350)、メタクリル酸メチル85重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート10重量部を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。なお、得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ45μmであった。
実施例1〜3及び比較例1で得られた樹脂粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
得られた樹脂粒子0.5gをサンプリングし、ポロシメーター2000(アムコ社製)を用いて、中空率を測定した。なお、測定温度は23℃、封入水銀圧力は2000kg/cm2とした。
DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、昇温速度5℃/分で昇温しながら測定することにより、分解開始温度、50重量%減少温度を測定した。また、300℃で1時間加熱した後の重量減少率を測定した。
熱量測定装置(吉田製作所社製)を用い、JIS M 8814に準拠する方法で、100℃から500℃までの発熱量を測定した。なお、体積あたりの発熱量は、以下の式より算出した。
発熱量(cal/ml)
= 発熱量(cal/g) × (1−中空率/100)
Claims (8)
- 23℃における中空率が5〜95%である加熱消滅性中空樹脂粒子であって、
100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、1時間以内に10重量%以上が消滅することを特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子。 - 23℃における中空率が30〜90%であることを特徴とする請求項1記載の加熱消滅性中空樹脂粒子。
- ポリオキシアルキレン樹脂を5重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の加熱消滅性中空樹脂粒子。
- ポリオキシアルキレン樹脂は、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン及びポリオキシテトラメチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の加熱消滅性中空樹脂粒子。
- ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、ポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマーとの混合モノマーと、中空化剤とを含有する溶液を用いて懸濁重合、乳化重合、分散重合、ソープフリー重合又はミニエマルジョン重合する工程を有することを特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
- ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、ポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマーとの混合モノマーと、中空化剤とを含有する溶液を用いて懸濁重合する工程を有することを特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
- 中空化剤は、沸点が−50〜200℃の有機溶剤であることを特徴とする請求項5又は6記載の加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
- ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、ポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマーとの混合モノマー中に、水を含有する中空化剤が内包されたエマルジョンを作製する工程、前記エマルジョンを水中に分散させる工程、及び、前記ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、前記混合モノマーを重合させる工程を有することを特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
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