JP4668654B2 - 加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低温かつ短時間で分解することができ、かつ、セラミック用バインダーや軽量化材として用いた場合に、得られる焼結体に変形や割れが発生することのない加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法に関する。
有機ポリマー、特に、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリエチレン等に代表される熱可塑性ポリマーは、加熱することによって分解されることから、熱分解性を有するとともに、軟化点温度が比較的高く、優れた成形性を有している。従って、有機ポリマーは、このような熱分解性及び成形性を利用することにより、セラミックの成形用バインダー、熱記録用樹脂、熱崩壊性接着剤等として幅広く用いられている。また、近年では、有機ポリマーをミクロンサイズの樹脂粒子とし、セラミックと混合し、焼成することによって、軽量陶器やグラスフィルター等を製造することが行われている。
このように、有機ポリマーの樹脂粒子をセラミック用のバインダーや軽量化材として用いる場合は、非酸素又は酸素雰囲気下での焼成によって、樹脂粒子を熱分解や燃焼させることにより、樹脂成分が除去する必要がある。
しかしながら、焼成工程において、樹脂成分が完全に除去される温度が、セラミック原料粉末、ガラス粉末等の融着温度と近い温度である場合には、樹脂粒子に由来するカーボン等の残滓が焼結体の内部に残留してしまうことがあった。また、樹脂成分が完全に除去される温度が融着温度より高い場合には、焼結体が変形してしまうことがあった。更に、樹脂成分が燃焼する際の燃焼熱によって、得られる焼結体に変形やひび割れが生じることもあった。従って、焼成工程において、より低温で樹脂成分を除去することができ、燃焼熱による歪みの発生が少なく、焼成後の焼結体に樹脂成分に由来するカーボン等の残滓のない樹脂粒子が望まれていた。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、低温でも容易に分解し、成形加工性も良好な樹脂材料として、スチレンモノマーとα−メチルスチレンモノマーとを所定の割合で含有する熱分解性スチレン系共重合体が開示されている。
しかしながら、このような熱分解性スチレン系共重合体でも、低温での熱分解性が充分とはいえず、樹脂を多量に使用してより軽量な陶器を製造しようとすると、焼成工程を300℃以上の高温で、かつ、長時間行う必要があることから、製造工程全体に長時間を要し、製造効率が低下してしまうという問題点があった。更に、樹脂の燃焼熱の増加により得られるセラミック焼結体に大きな歪みがかかり、変形やひび割れが生じるという問題もあった。従って、焼成工程において、更に低温、かつ、短時間で熱分解する樹脂粒子が強く要望されていた。
特開平6−41241号公報
本発明は、上記現状に鑑み、低温かつ短時間で分解することができ、かつ、セラミック用バインダーや軽量化材として用いた場合に、得られる焼結体に変形や割れが発生することのない加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、23℃における中空率が5〜95%である加熱消滅性中空樹脂粒子であって、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、1時間以内に10重量%以上が消滅する加熱消滅性中空樹脂粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討の結果、23℃における中空率、及び、100〜300℃の所定の温度に加熱した場合における1時間以内に消滅する量が、一定の範囲内である加熱消滅性中空樹脂粒子を、セラミック用バインダーや軽量化材等として用いた場合、常温においてはハンドリング性良く成形することができ、かつ、焼成工程においては、燃焼熱に起因するセラミック成形品の変形やひび割れを抑制しながら、焼成工程等に要する時間を短縮して製造効率を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子の23℃における中空率の下限は5%、上限は95%である。5%未満であると、燃焼発熱の低減効果が充分でなく、セラミック成形品の変形やひび割れが発生する。95%を超えると、加熱消滅性中空樹脂粒子の粒子強度が低下して、バインダーや軽量化材として用いた場合、粒子形状を保持することができない。なお、好ましい下限は30%、好ましい上限は95%であり、より好ましい下限は50%である。
なお、本明細書において、中空率とは、加熱消滅性中空樹脂微粒子全体の体積に対する中空部分の体積の比率のことをいい、例えば、ポロシメーター2000(アムコ社製)等を用いることにより測定することができる。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子は、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、1時間以内に10重量%以上が消滅するものである。消滅に要する時間が1時間を超えると、製造効率が低下する。また、消滅する部分が10重量%未満であると、発熱量を減少し、変形を抑制する効果が不充分となる。好ましくは、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、1時間以内に40重量%以上が消滅するものである。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子の分解開始温度の好ましい下限は110℃、好ましい上限は250℃である。110℃未満であると、焼成工程を行う前に分解が開始されて、得られる製品の性能が低下することがあり、250℃を超えると、1時間以内に加熱消滅性中空樹脂粒子の10重量%以上が消滅しないことがある。
なお、本明細書において、分解開始温度とは、加熱により重量減少率が5%以上となる温度のことをいい、例えば、DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)等を用いて、熱重量分析(TGA)を行うことにより求めることができる。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子を昇温速度5℃/分で加熱した場合における50重量%減少温度の好ましい下限は130℃、好ましい上限は280℃である。130℃未満であると、焼成工程を行う前に熱分解が過度に進行して、得られる製品の性能が低下することがあり、280℃を超えると、焼成後の焼結体に樹脂成分に由来するカーボン等の残滓が発生することがある。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子を加熱した場合における分解開始から分解完了までの発熱量の好ましい上限は5000cal/mlである。5000cal/mlを超えると、得られる焼結体に大きな歪みがかかり、変形やひび割れが生じることがある。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子はポリオキシアルキレン樹脂を含有することが好ましい。
上記ポリオキシアルキレン樹脂は、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、低分子量の炭化水素、エーテル等に分解された後、燃焼反応や蒸発等の相変化によって
消失させることができる。従って、100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、上述の加熱消滅性を発揮することができる。
上記ポリオキシアルキレン樹脂としては特に限定されないが、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン及びポリオキシテトラメチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記以外のポリオキシアルキレン樹脂を用いた場合、所定の加熱消滅性や粒子強度が得られないことがある。なかでも、ポリオキシアルキレンがより好適である。なお、適度な加熱消滅性及び粒子強度を得るためには、上記加熱消滅性中空樹脂粒子に含有されるポリオキシアルキレン樹脂のうち、50重量%以上がポリオキシプロピレンであることが好ましい。
上記ポリオキシアルキレン樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、MSポリマーS−203、S−303、S−903(以上、カネカ社製);サイリルSAT−200、MA−403、MA−447(以上、カネカ社製);エピオンEP103S、EP303S、EP505S(以上、カネカ社製);PEG200、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1000(以上、日本油脂社製);ユニオールD−250、D−400、D−700、D−1000(以上、日本油脂社製);エクセスターESS−2410、ESS−2420、ESS−3630(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレン樹脂の分子量としては特に限定されないが、数平均分子量の好ましい下限が300、好ましい上限が100万である。300未満であると、高い加熱消滅性を実現できないことがあり、100万を超えると、高い粒子強度を実現できないことがある。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子中におけるポリオキシアルキレン樹脂の含有量の好ましい下限は5重量%以上である。5重量%未満であると、得られる加熱消滅性中空樹脂粒子の加熱消滅性が不充分となることがある。なお、好ましい上限については特に限定されず、ポリオキシアルキレン樹脂のみからなるものであってもよい。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子は、より低温で短時間のうちに消滅させることを目的として分解促進剤を含有してもよい。上記分解促進剤としては特に限定されないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−カルバモイルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子の平均粒子径の好ましい下限は1μm、好ましい上限は500μmである。上記範囲外であると、懸濁重合等の製法では、収率よく本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子を製造することが困難となることがあるが、上記範囲内であれば、本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子を効率よく生産することができる。より好ましい下限は5μm、より好ましい上限は200μmである。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、ポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマーとの混合モノマーと、中空化剤とを含有する溶液を用いて懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、ソープフリー重合法、ミニエマルジョン重合法等の従来公知の重合方法を用いて重合する方法等が挙げられる。このような加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法もまた本発明の1つである。これらの重合方法のなかでは、高い中空率を有する加熱消滅性中空樹脂粒子を容易に得られることから、懸濁重合法によるものが好ましい。なお、本明細書において、マクロモノマーとは、分子末端にビニル基等の重合可能な官能基を有する高分子量の線状分子のことをいい、ポリオキシアルキレンマクロモノマーとは、線状
部分がポリオキシアルキレンからなるマクロモノマーのことをいう。
上記ポリオキシアルキレンマクロモノマーに含まれる官能基としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリレート等の重合性不飽和炭化水素、イソシアネート基、エポキシ基、加水分解性シリル基、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。なかでも、ラジカル重合可能な重合性不飽和炭化水素を含むポリオキシアルキレンマクロモノマーは、より簡便に加熱消滅性中空樹脂粒子を製造できることから好ましく、なかでも、重合反応性が高い(メタ)アクリロイル基を含むポリオキシアルキレンマクロモノマーがより好ましい。
また、ポリオキシアルキレンマクロモノマーに含まれる官能基の数は特に限定されないが、官能基を2個以上もつマクロモノマーを用いれば、架橋させることにより高い圧縮強度を有する加熱消滅性中空樹脂粒子を得ることができる。
上記ポリオキシアルキレンマクロモノマーに含まれるポリオキシアルキレンユニットの分子量としては特に限定されないが、数平均分子量の好ましい下限が300、好ましい上限が100万である。300未満であると、充分な加熱消滅性が得られないことがあり、100万を超えると、充分な粒子強度が得られないことがある。
上記ポリオキシアルキレンマクロモノマーとしては、具体的には例えば、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート(日本油脂社製;ブレンマーPDE−400、PDE−600、ADE−400)、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート(日本油脂社製:ブレンマーPDP−400、PDP−700、ADP−400)、ポリオキシテトラメチレンジ(メタ)アクリレート(日本油脂社製;ブレンマーPDT−650、ADT−250)、ポリオキシエチレン−ポリオキシテトラメチレンメタクリレート(日本油脂社製;ブレンマー55PET−800)等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンマクロモノマーと共重合させる場合の他の重合性モノマーとしては特に限定されないが、簡便に製造できることから、ラジカル重合性モノマーが好適である。上記ラジカル重合性モノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、スチレン及びその誘導体、酢酸ビニル等が挙げられる。
更に、ポリオキシアルキレンマクロモノマーと共に使用される他の重合性モノマーとして、粒子強度を向上させる目的で多官能性モノマーが添加されても良い。この多官能性モノマーとしては、特に種類は限定されないが、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のアクリル系多官能性モノマーや、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記中空化剤としては、特に限定されないが、中空化工程において乾燥を行う場合の取り扱いが容易なことから、沸点が−50〜200℃の有機溶剤であることが好ましい。
上記中空化剤として沸点が−50〜200℃の有機溶剤を用いる場合は、上記ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、混合モノマーと混合し、予め均一な溶液としてから、懸濁重合させることが好ましい。これにより、ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、混合モノマーは、重合の進行に伴って有機溶剤と相分離し、ポリマー粒子の中に有機溶剤を内包した粒子を得ることができる。その後、得られた粒子に内包される有機溶剤を蒸発乾燥させれば、粒子中に空洞部が残され、加熱消滅性中空粒子が得ることができる。
上記沸点が−50〜200℃の有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素等等が挙げられる、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、混合モノマーと、中空化剤とを懸濁させる媒体としては、上記ポリオキシアルキレンマクロモノマー、混合モノマー又は中空化剤と相溶しないものであれば特に限定されず、例えば、純水、水溶液等が挙げられる。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子は、例えば、ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、ポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマーとの混合モノマー中に、水を含有する中空化剤が内包されたエマルジョンを作製する工程、前記エマルジョンを水中に分散させる工程、及び、前記ポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、前記混合モノマーを重合させる工程を有する方法によっても製造することができる。このような加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法もまた本発明の1つである。
このような製造方法では、上記ポリオキシアルキレンマクロモノマー又は混合モノマー中に、水を含有する中空化剤が内包されたエマルジョン(W/Oエマルジョン)を水中に分散させることで、3層構造のエマルジョン(W/O/Wエマルジョン)が形成されることから、より好適にポリマー粒子の中に、水を含有する中空化剤が内包された粒子を得ることができる。そして、得られた粒子に内包されている中空化剤を蒸発乾燥させることにより、粒子中に空洞部が残され、加熱消滅性中空樹脂粒子が作製することができる。なお、上記W/O/Wエマルジョンの各層には、エマルジョンを安定化させる目的で、各種の添加剤を含有させてもよい。
本発明の加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法では、ポリオキシアルキレン樹脂及び中空化剤を有機樹脂等で被覆しカプセル化して用いてもよい。カプセル化の方法としては特に限定されず、例えば、コアセルベーション法、液中乾燥法、界面重合法、in−situ重合法等が挙げられる。
本発明によれば、低温かつ短時間で分解することができ、かつ、セラミック用バインダーや軽量化材として用いた場合に、得られる焼結体に変形や割れが発生することのない加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
モノマー成分として、ポリオキシプロピレンジメタクリレート50重量部(ポリオキシプロピレンユニット数=約9;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)、メタクリル酸メチル30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、中空化剤としてヘプタン50重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、モノマー溶液を調製した。
得られたモノマー溶液の全量を、ポリビニルアルコール(PVA)1重量%と亜硝酸ナトリウム0.02重量%との水溶液450重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌し、乳化懸濁液を得た。
次に、攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20リットルの重合器を用い、重合器内を減圧し、容器内の脱酸素を行った後、窒素ガスにより圧力を大気圧まで戻し、重合器内部を窒素雰囲気とした。この重合器内に、得られた乳化懸濁液の全量を一括し
て投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始した。8時間重合した後、重合器を室温まで冷却してスラリーを得た。得られたスラリーを脱水装置により脱水し、真空乾燥して、樹脂粒子を得た。なお 得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ52μmであった。
(実施例2)
モノマー成分として、ポリオキシプロピレンジメタクリレート50重量部(ポリオキシプロピレンユニット数=約9;日本油脂社製、ブレンマーPDP−400)、メタクリル酸メチル30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部、乳化分散剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ポエムPR−100、理研ビタミン社製)4重量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を混合、攪拌し、モノマー溶液を調製した。
得られたモノマー溶液60重量部に、0.5重量%塩化ナトリウム水溶液40重量部を添加し、撹拌乳化してW/Oエマルジョンを作製した。続いて得られたW/Oエマルジョン100重量部をポリビニルアルコール(PVA)1重量%と亜硝酸ナトリウム0.02重量%との水溶液300重量部に加え、攪拌分散装置を用いて攪拌し、W/O/Wエマルジョンを得た。
次に、攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20リットルの重合器を用い、重合器内を減圧し、容器内の脱酸素を行った後、窒素ガスにより圧力を大気圧まで戻し、重合器内部を窒素雰囲気とした。この重合器内に、上記で得られたW/O/Wエマルジョンの全量を一括して投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始した。8時間重合した後、重合器を室温まで冷却してスラリーを得た。得られたスラリーを脱水装置により脱水し、真空乾燥して、樹脂粒子を得た。なお、得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ50μmであった。
参考例1
モノマー成分として、ポリオキシエチレン−ポリオキシテトラメチレンメタクリレート3
5重量部(ポリオキシエチレンユニット数=約10、ポリオキシテトラメチレンユニット
数=約5;日本油脂社製、ブレンマー55PET−800)、メタクリル酸メチル50重
量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部を用い、中空化剤としてイ
ソオクタン120重量部を用いる以外は実施例1と同様にして中空樹脂粒子を得た。なお
、得られた中空樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ56μmであった。
(比較例1)
モノマー成分として、ポリオキシエチレンメタクリレート5重量部(ポリオキシエチレンユニット数=約8;日本油脂社製、ブレンマーPET−350)、メタクリル酸メチル85重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート10重量部を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。なお、得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定したところ45μmであった。
(評価)
実施例1〜2、参考例1及び比較例1で得られた樹脂粒子について以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)中空率の測定
得られた樹脂粒子0.5gをサンプリングし、ポロシメーター2000(アムコ社製)を用いて、中空率を測定した。なお、測定温度は23℃、封入水銀圧力は2000kg/cm2とした。
(2)加熱減量の測定
DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、昇温速度5℃/分で昇温しながら測定することにより、分解開始温度、50重量%減少温度を測定した。また、300℃で1時間加熱した後の重量減少率を測定した。
(3)発熱量の測定
熱量測定装置(吉田製作所社製)を用い、JIS M 8814に準拠する方法で、100℃から500℃までの発熱量を測定した。なお、体積あたりの発熱量は、以下の式より算出した。
発熱量(cal/ml)
= 発熱量(cal/g) × (1−中空率/100)
Figure 0004668654
本発明によれば、低温かつ短時間で分解することができ、かつ、セラミック用バインダーや軽量化材として用いた場合に、得られる焼結体に変形や割れが発生することのない加熱消滅性中空樹脂粒子及び加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. 23℃における中空率が5〜95%である加熱消滅性中空樹脂粒子であって、
    100〜300℃の所定の温度に加熱することにより、1時間以内に10重量%以上が消
    し、
    重合可能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、重合可
    能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマー
    との混合モノマーを用いて得られることを特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子。
  2. 23℃における中空率が30〜90%であることを特徴とする請求項1記載の加熱消滅性
    中空樹脂粒子。
  3. 他の重合性モノマーは、(メタ)アクリレート及び/又はアクリル系多官能性モノマーで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱消滅性中空樹脂粒子。
  4. 重合可能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、重合可
    能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマー
    との混合モノマーと、中空化剤とを含有する溶液を用いて懸濁重合、乳化重合、分散重合
    、ソープフリー重合又はミニエマルジョン重合する工程を有することを特徴とする加熱消
    滅性中空樹脂粒子の製造方法。
  5. 重合可能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、重合可
    能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマー
    との混合モノマーと、中空化剤とを含有する溶液を用いて懸濁重合する工程を有すること
    を特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
  6. 重合可能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、重合可
    能な官能基を2個以上有するポリオキシアルキレンマクロモノマーと他の重合性モノマー
    との混合モノマー中に、水を含有する中空化剤が内包されたエマルジョンを作製する工程
    、前記エマルジョンを水中に分散させる工程、及び、前記重合可能な官能基を2個以上有
    するポリオキシアルキレンマクロモノマー、又は、前記混合モノマーを重合させる工程を
    有することを特徴とする加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
  7. 他の重合性モノマーは、(メタ)アクリレート及び/又はアクリル系多官能性モノマーで
    あることを特徴とする請求項4、5又は6記載の加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
  8. 中空化剤は、沸点が−50〜200℃の有機溶剤であることを特徴とする請求項5、6又
    は7記載の加熱消滅性中空樹脂粒子の製造方法。
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