JP2006258829A - トナー搬送装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

トナー搬送装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を提供する。
【解決手段】パイプ(トナー搬送路形成部材)41内に、少なくともその一部が長さ方向に伸縮自在なトナー搬送コイル(トナー搬送部材)35を備え、パイプに連結する第2パイプ44内に第2トナー搬送部材45を備える。パイプの下流端には、長さ規制部材42を取り付け、それに押し当ててたわませてトナー搬送コイルの長さを規制する。そして、トナー搬送コイルを回転してパイプ内を通してトナーを搬送し、長さ規制部材のトナー通過孔を通過して第2パイプに入れ、第2トナー搬送部材の回転によりトナーを第2パイプを通して引き続き搬送し、廃棄すべく廃トナータンクに搬送したり、リサイクル使用すべく現像装置に搬送したりする。
【選択図】 図4

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。そのうち特に、感光体上に形成したトナー画像を直接または中間転写体を介して間接的に転写して、シート・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、トナーを搬送するトナー搬送装置に関する。さらに、そのようなトナー搬送装置を備えて、感光体とともに少なくともクリーニング装置を一体化して画像形成装置本体に対して一括して着脱自在とするプロセスカートリッジに関する。
電子写真式の画像形成装置では、記録媒体にトナー画像転写後、感光体上に残留するトナーをクリーニング装置で除去して感光体表面を除電するなどし、感光体に対する再度の画像形成に備えている。そして、クリーニング装置で除去した残留トナーは、クリーニング装置からトナー搬送装置で搬送し、廃棄すべく廃トナータンクに回収したり、リサイクル使用すべく現像装置に戻したりしていた。
トナー搬送装置の中には、パイプ内にトナー搬送部材を備え、トナー搬送部材を回転することによりトナーをパイプ内を通してトナー搬送部材の軸方向に搬送するものがある。トナー搬送部材としては、スクリュ状のものやスパイラル状のものなどがあるが、コスト的には、芯軸を持たないスパイラル状のものが好ましかった。
例えば、パイプ内にスパイラル状のトナー搬送部材を備え、第2パイプ内にスパイラル状の第2トナー搬送部材を備え、パイプと第2パイプを連結して、トナー搬送部材でパイプ内を通して搬送したトナーを、引き続き第2トナー搬送部材で第2パイプ内を通して搬送し、クリーニング装置で除去したトナーを、目的部位にある廃トナータンクや現像装置などまで搬送していた。
特開2000−284594号公報 特開2001−109343号公報 特開平11−84968号公報 特開2000−284660号公報
ところが、芯軸を持たないスパイラル状のトナー搬送部材は、安価ではあるが、長さのばらつきが大きく、またカーブの具合などパイプ内に設ける姿勢によって長さがばらつき、下流端がパイプ出口に達しなかったり、パイプ出口から大きく突出したりすることがあった。
トナー搬送部材の下流端が、例えばパイプの出口に達しないと、下流端を通過したところでトナー搬送力が低下し、パイプと第2パイプの連結位置でトナーブロッキングを生じてトナー詰まりを引き起こすこととなる。反対に、トナー搬送部材の下流端がパイプの出口から突出すると、例えば第2パイプや第2トナー搬送部材などと干渉を生じて、組立て時などに支障をきたすこととなる。パイプ出口に廃トナータンクやシャッタを設けるときには、トナー搬送部材の下流端がその廃トナータンクやシャッタと干渉を生ずることとなる。
そこで、この発明の第1の目的は、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第2の目的は、トナー搬送部材を安定的に回転するトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第3の目的は、トナーが凝集することなくトナー搬送路を搬送するトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第4の目的は、トナー搬送コイルの回転による振れを抑えたトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第5の目的は、トナー搬送コイルを回転するときその下流端が長さ規制部材に引っ掛かることを防止することにある。
この発明の第6の目的は、負荷が大きい場合にも、トナー搬送部材でトナーをトナー搬送路形成部材の下流端まで確実に搬送し得るトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第7の目的は、パイプ連結位置におけるトナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第8の目的は、パイプ連結位置におけるトナー詰まりを生ずるおそれの一層少ないトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第9の目的は、トナー搬送力が低下する部分を短くしてトナー詰まりを生ずるおそれの一層少ないトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第10の目的は、部品点数を少なくしてコストダウンを図ったトナー搬送装置を提供することにある。
ところで、トナー搬送路形成部材であるパイプ内にトナー搬送部材を備え、そのトナー搬送部材でパイプ内を通してトナーを搬送するトナー搬送装置においては、パイプの内周壁に付着したトナーをトナー搬送部材で掻き落とすことから、トナーが内周壁に付着してトナー詰まりを引き起こすおそれは少ない。
しかしながら、パイプの出口付近の連結位置では、通常、重力によりトナーを第2パイプ等に自由落下する構成であるから、パイプの内周壁に付着したトナーを積極的に掻き落とす部材がなく、トナー詰まりを発生しやすい。そして、トナー詰まりが発生すると、例えばそのトナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジを取り出すとき、トナーこぼれを生ずるおそれがあった。
このため、従来の画像形成装置の中には、パイプの出口付近に撹拌部材を設けてパイプの内周壁に付着するトナーを掻き落とすものがある。しかし、撹拌部材を用いても内周壁に付着したトナーを完全に掻き落とすことが困難であり、付着性が高いトナーを使用すると、やはりトナー詰まりが発生する可能性が高かった。
また、トナー搬送部材の下流端をパイプの出口から突出して、パイプの出口付近で内周壁に付着するトナーを掻き落とすものもある。しかし、この場合は、上述したとおり、第2パイプや第2トナー搬送部材などと干渉を生じて、組立て時などに支障をきたすこととなる。加えて、トナー搬送部材の連結位置付近にトナーが大量に載って、やはりプロセスカートリッジを取り出すときなどにトナーこぼれを生ずるおそれがあった。
さらには、パイプの出口にシャッタを設け、プロセスカートリッジの着脱時のトナーこぼれを軽減するものがある。しかし、この場合においても、シャッタ部材を必要とすることから、部品点数が増加するのみならず、プロセスカートリッジの着脱時にシャッタ上に大量にこぼれ落ちたトナーが、外部に漏れ出るおそれがあった。
そこで、この発明の第11の目的は、パイプの出口付近に残ったトナー量を少なくし、トナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジなどを取り出すとき、その出口付近からのトナーこぼれを防止することにある。
この発明の第12の目的は、より一層、パイプの円形出口付近に残ったトナー量を少なくし、トナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジなどを取り出すとき、その出口付近からのトナーこぼれを防止することにある。
この発明の第13の目的は、トナー搬送部材の伸縮性を高めて長さ規制を容易とするトナー搬送装置を提供することにある。
この発明の第14の目的は、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジを提供することにある。
この発明の第15の目的は、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を備える画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
パイプなどのトナー搬送路形成部材内にトナー搬送部材を備え、そのトナー搬送部材で前記トナー搬送路形成部材内を通してトナーを搬送するトナー搬送装置において、
前記トナー搬送部材を、少なくともその一部を長さ方向に伸縮自在に形成する一方、
そのトナー搬送部材を押し当ててそのトナー搬送部材の長さを一定とする長さ規制部材を前記トナー搬送路形成部材の下流端に設ける、ことを特徴とする。
そして、トナー搬送路形成部材の下流端に設ける長さ規制部材に、トナー搬送路形成部材内に設けるトナー搬送部材を押し当ててトナー搬送部材の長さを長過ぎず短過ぎない長さに規制する。
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送部材としてトナー搬送コイルを用い、そのトナー搬送コイルの上流側を真直ぐなコイル軸のまわりに巻き付けてそのコイル軸とともに前記トナー搬送コイルを回転し、トナーを搬送する、ことを特徴とする。
そして、真直ぐなコイル軸を中心としてそのコイル軸とともにトナー搬送コイルの上流側を回転してトナーを搬送する。
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項2に記載のトナー搬送装置において、前記コイル軸を、断面十字形状等の羽根車形状に形成する、ことを特徴とする。
そして、コイル軸が羽根車の役目を果たしてコイル中心の中空部に入り込んだトナーをまわりにはじき飛ばす。
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項2または3に記載のトナー搬送装置において、真直ぐな前記コイル軸の最下流端を前記トナー搬送コイルとともに軸受けするように支持するトンネル部材を設ける、ことを特徴とする。
そして、トンネル部材で、真直ぐなコイル軸の最下流端をトナー搬送コイルとともに軸受けするように支持する。
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項2ないし4のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送コイルの下流端に内向きの曲げ部を形成する、ことを特徴とする。
そして、トナー搬送コイルの下流端に形成した内向きの曲げ部の頂点を長さ規制部材に押し当てる。
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的も達成すべく、請求項2ないし5のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記コイル軸の外周に段差を設け、前記トナー搬送コイルが長さ方向にたわむときその段差に当たって前記トナー搬送コイルの一部のみが縮むようにする、ことを特徴とする。
そして、負荷によりトナー搬送コイルが長さ方向にたわむとき、コイル軸の外周に設ける段差に当たってトナー搬送コイルの全体ではなく、一部のみが縮むようにする。
請求項7に記載の発明は、上述した第7の目的も達成すべく、請求項1ないし6のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送路形成部材に連結して第2トナー搬送路形成部材を設け、その第2トナー搬送路形成部材内に、前記トナー搬送部材で搬送したトナーを引き続き前記第2トナー搬送路形成部材内を通して搬送する第2トナー搬送部材を備え、それらトナー搬送路形成部材と第2トナー搬送路形成部材との連結位置に前記長さ規制部材を設ける、ことを特徴とする。
そして、トナー搬送路形成部材に第2トナー搬送路形成部材を連結し、トナー搬送路形成部材内を通してトナー搬送部材で搬送したトナーを、引き続き第2トナー搬送路形成部材内を通して第2トナー搬送部材で搬送する。
請求項8に記載の発明は、上述した第8の目的も達成すべく、請求項7に記載のトナー搬送装置において、前記連結位置において上方に前記トナー搬送路形成部材を、下方に前記第2トナー搬送路形成部材を配置して連結する、ことを特徴とする。
そして、連結位置において、上方のトナー搬送路形成部材内を通してトナー搬送部材で搬送したトナーを重力により下方の第2トナー搬送路形成部材内に入れ、引き続き第2トナー搬送路形成部材内を通して第2トナー搬送部材で搬送する。
請求項9に記載の発明は、上述した第9の目的も達成すべく、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記長さ規制部材を、トナー通過孔を有する板材で形成する、ことを特徴とする。
そして、トナー搬送部材で搬送したトナーを板状の長さ規制部材のトナー通過孔を通して、例えば次のトナー搬送路形成部材内や廃トナータンク内へと搬送する。
請求項10に記載の発明は、上述した第10の目的も達成すべく、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送路形成部材と一体に前記長さ規制部材を形成する、ことを特徴とする。
そして、トナー搬送路形成部材と一体に形成した長さ規制部材にトナー搬送部材を押し当ててそのトナー搬送部材の長さを一定とする。
請求項11に記載の発明は、上述した第11の目的も達成すべく、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送路形成部材としてパイプを使用し、前記トナー搬送部材として、そのパイプ内で回転してトナーを搬送するトナー搬送コイルを用い、そのトナー搬送コイルを押し当てる前記長さ規制部材を、前記パイプの円形出口に、内周壁から内向きに突出して形成する、ことを特徴とする。
そして、パイプ内でトナー搬送コイルを回転するとき、1回転ごとに少なくとも1度、長さ規制部材を乗り越え、乗り越えるごとにトナー搬送コイルを伸縮し、その反動で振動を生じてトナー搬送コイル上やパイプの円形出口付近のトナーを落とす。
請求項12に記載の発明は、上述した第12の目的も達成すべく、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送路形成部材としてパイプを使用し、前記トナー搬送部材として、そのパイプ内で回転してトナーを搬送するトナー搬送コイルを用い、そのトナー搬送コイルを押し当てる前記長さ規制部材を、前記パイプの円形出口を径方向に横切って形成する、ことを特徴とする。
そして、パイプ内でトナー搬送コイルを回転するとき、1回転ごとに少なくとも2度、長さ規制部材を乗り越え、乗り越えるごとにトナー搬送コイルを伸縮し、その反動で振動を生じてトナー搬送コイル上やパイプの円形出口付近のトナーを落とす。
請求項13に記載の発明は、上述した第13の目的も達成すべく、請求項1ないし12のいずれか1に記載のトナー搬送装置において、前記トナー搬送部材を、平板材をスパイラル形状として形成する、ことを特徴とする。
そして、長さ規制部材にトナー搬送部材を押し当てたとき、小さな力でたわませる。
請求項14に記載の発明は、上述した第14の目的を達成すべく、プロセスカートリッジにおいて、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置と、そのクリーニング装置で除去したトナーを搬送する請求項1ないし13のいずれか1に記載のトナー搬送装置を備える、ことを特徴とする。
そして、内部に備えるクリーニング装置で除去したトナーを、トナー搬送装置で廃トナータンクや現像装置などへと搬送する。
請求項15に記載の発明は、上述した第15の目的を達成すべく、画像形成装置において、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置と、そのクリーニング装置で除去したトナーを搬送する請求項1ないし13のいずれか1に記載のトナー搬送装置を備える、ことを特徴とする。
そして、クリーニング装置で除去したトナーを、トナー搬送装置で廃トナータンクや現像装置などへと搬送する。
請求項1に記載の発明によれば、トナー搬送路形成部材の下流端に設ける長さ規制部材に、トナー搬送路形成部材内に設けるトナー搬送部材を押し当ててトナー搬送部材の長さを規制するので、トナー搬送部材の長さを、負荷のかからない自然長でトナー搬送路形成部材の下流端から突出する長さとしてそのトナー搬送部材を長さ規制部材でたわませることにより長さを規制し、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー搬送路形成部材の下流端いっぱいまでトナー搬送部材を設けることができ、トナー搬送力が低下しないようにしてトナー詰まりの発生を防止することができる。また、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー搬送部材の先端がトナー搬送路形成部材の下流端から突出することがないから、トナー搬送路形成部材出口に設ける次のトナー搬送路形成部材、別のトナー搬送部材、廃トナータンク、シャッタなどの他の部品と干渉を生ずるおそれをなくすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、真直ぐなコイル軸を中心としてそのコイル軸とともにトナー搬送コイルの上流側を回転してトナーを搬送するので、コイル軸で支持してトナー搬送部材の上流側を安定的に回転することができる。
請求項3に記載の発明によれば、コイル軸が羽根車の役目を果たしてコイル中心の中空部に入り込んだトナーをまわりにはじき飛ばすので、トナー搬送コイルの上流位置でのトナーの凝集を防いでブロッキングの発生を防止することができる。また、トナーリサイクル方式を採用する画像形成装置においては、凝集トナーを粉砕する工程や分級工程等を備える必要なく、現像装置に戻した凝集トナーをそのまま現像に用いることができる。さらに、トナー搬送装置でトナー搬送路をR形状とすることにより直線搬送に比べてトナーが凝集しやすい構成となっていても、トナー搬送コイルの上流位置でトナーの凝集を低減することにより下流位置でもより効果的にトナーの凝集を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、トンネル部材で、真直ぐなコイル軸の最下流端をトナー搬送コイルとともに軸受けするように支持するので、仮にトナー搬送コイルの下流部分をR形状のトナー搬送路を通してカーブして設置し、トナー搬送コイルが回転により大きな振れを生じるようなことがあったとしても、その振れをトンネル部材で抑えて支持することができる。
請求項5に記載の発明によれば、トナー搬送コイルの下流端に形成した内向きの曲げ部の頂点を長さ規制部材に押し当てるので、トナー搬送コイルを回転するときその下流端が長さ規制部材に引っ掛かることを防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、負荷によりトナー搬送コイルが長さ方向にたわむとき、コイル軸の外周に設ける段差に当たってトナー搬送コイルの全体ではなく、一部のみが縮むようにするので、負荷が大きい場合にも、トナー搬送部材が長さ規制部材から離れないようにし、トナー搬送部材でトナーをトナー搬送路形成部材の下流端まで確実に搬送することができる。
請求項7に記載の発明によれば、トナー搬送路形成部材に第2トナー搬送路形成部材を連結し、トナー搬送路形成部材内を通してトナー搬送部材で搬送したトナーを、引き続き第2トナー搬送路形成部材内を通して第2トナー搬送部材で搬送するので、トナー搬送路形成部材連結位置においてトナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれなくすことができる。トナー搬送路形成部材の軸心方向下流端に出口を設けてその出口を第2トナー搬送路形成部材の入口に近付け、最短距離でトナーの受け渡しを行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、連結位置において、上方のトナー搬送路形成部材内を通してトナー搬送部材で搬送したトナーを重力により下方の第2トナー搬送路形成部材内に入れ、引き続き第2トナー搬送路形成部材内を通して第2トナー搬送部材で搬送するので、トナー搬送路形成部材連結位置においてトナー搬送部材のない部分は重力を利用してトナーを搬送し、トナー詰まりを生ずるおそれを一層少なくすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、トナー搬送部材で搬送したトナーを板状の長さ規制部材のトナー通過孔を通して、例えば次のトナー搬送路形成部材内や廃トナータンク内へと搬送するので、トナー搬送部材を有しないのは薄い板状の長さ規制部材のトナー通過孔を通過するときだけとしてトナー搬送力が低下する部分を短くし、強制的にトナーを搬送するトナー搬送部材をほとんどトナー搬送路形成部材出口近くまで設けることにより、トナー詰まりを生ずるおそれを一層少なくすることができる。
請求項10に記載の発明によれば、トナー搬送路形成部材と一体に形成した長さ規制部材にトナー搬送部材を押し当ててそのトナー搬送部材の長さを一定とするので、独立の長さ規制部材を不要とし、部品点数を少なくしてコストダウンを図ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、パイプ内でトナー搬送コイルを回転するとき、1回転ごとに少なくとも1度、長さ規制部材を乗り越え、乗り越えるごとにトナー搬送コイルを伸縮し、その反動で振動を生じてトナー搬送コイル上やパイプの円形出口付近のトナーを落とすので、パイプの円形出口付近に残るトナー量を少なくし、トナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジなどを取り出すとき、その出口付近からのトナーこぼれを防止することができる。
請求項12に記載の発明によれば、パイプ内でトナー搬送コイルを回転するとき、1回転ごとに少なくとも2度、長さ規制部材を乗り越え、乗り越えるごとにトナー搬送コイルを伸縮し、その反動で振動を生じてトナー搬送コイル上やパイプの円形出口付近のトナーを落とすので、パイプの円形出口付近に残るトナー量を少なくし、トナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジなどを取り出すとき、より一層、その出口付近からのトナーこぼれを防止することができる。
請求項13に記載の発明によれば、長さ規制部材にトナー搬送部材を押し当てたとき、小さな力でたわませるので、トナー搬送部材の伸縮性を高めて長さ規制を容易とすることができる。
請求項14に記載の発明によれば、内部に備えるクリーニング装置で除去したトナーを、トナー搬送装置で廃トナータンクや現像装置などへと搬送するので、トナー搬送部材の長さを自然長でトナー搬送路形成部材の下流端から突出する長さとしてそのトナー搬送部材を長さ規制部材でたわませることにより長さを規制し、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を備えるプロセスカートリッジを提供することができる。
請求項15に記載の発明によれば、クリーニング装置で除去したトナーを、トナー搬送装置で廃トナータンクや現像装置などへと搬送するので、トナー搬送部材を長さ規制部材でたわませることにより長さを規制し、トナー搬送部材の長さがばらついても、トナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれのないトナー搬送装置を備える画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、この発明による画像形成装置における要部の概略構成を示す。
図中符号10は、図中反時計まわりに回転するドラム状の感光体である。図示例ではドラム状であるが、ベルト状の感光体を用いてもよい。感光体10のまわりには、感光体10上の帯電装置11から回転方向に、現像装置12、転写装置13、クリーニング装置14、不図示の除電装置などを設ける。帯電装置11の上には、書込み装置15を備える。
感光体10の下には、転写装置13との間を通過して、図中左から右へと記録媒体を搬送する記録媒体搬送路16を設ける。
記録媒体搬送路16のはじめには、例えば画像形成装置本体に外付けして媒体カセット17を備える。媒体カセット17には、用紙・OHPフィルム等の記録媒体を積載して収納する。そして、その繰り出し部には、供給ローラ18を設ける。記録媒体搬送路16に沿って、供給ローラ18の下流位置であって、感光体10および転写装置13の上流位置には、一対のレジストローラ19を備える。
また、記録媒体搬送路16に沿って、感光体10および転写装置13の下流位置には、加熱ローラ20と加圧ローラ21とを備える定着装置22を設ける。その下流位置には、一対の排出ローラ23を配置する。排出ローラ23の下流には、画像形成装置本体に外付けして排出トレイ24を設ける。
そして、感光体10の回転とともに、まずその表面を、帯電装置11でバイアス電圧を印加して一様に帯電し、次いで書込み装置15で露光して書込みを行うことにより感光体10上に静電潜像を形成する。続いて、現像装置12内に備える現像ローラ25でトナーを付着し、その静電潜像を可視像化して該感光体10上にトナー画像を形成する。
一方、感光体10の回転とともに、供給ローラ18を回転して媒体カセット17内から記録媒体を繰り出し、記録媒体搬送路16に入れてレジストローラ19に突き当てて止める。そして、感光体10上のトナー画像にタイミングを合わせてそのレジストローラ19を回転し、記録媒体搬送路16を通して搬送し、感光体10と転写装置13間に向けて該記録媒体を送り込む。
感光体10と転写装置13間では、転写装置13により、感光体10上に形成した上述のトナー画像を該記録媒体に転写する。
トナー画像転写後の記録媒体は、記録媒体搬送路16を通して定着装置22に入れ、加熱ローラ20と加圧ローラ21とで熱と圧力とを加えて転写画像を定着する。定着後の記録媒体は、排出ローラ23で画像形成装置本体外に排出して排出トレイ24上にスタックする。
トナー画像転写後の感光体10は、回転とともに、表面に残留する転写残トナーをクリーニング装置14で除去して後、表面を不図示の除電装置で除電し、再度の画像形成に備える。
ところで、この例では、1つのカートリッジケース内に、感光体10とともに、帯電装置11、現像装置12、クリーニング装置14、不図示の除電装置などのプロセス装置を設けて一体化し、画像形成装置本体に対して一括して着脱自在とするプロセスカートリッジを構成する。これにより、全体をまとめて小型化するとともに、個々の不具合をプロセスカートリッジの修理や交換で対応するようにし、メンテナンス性を向上する。
もちろん、プロセスカートリッジには、感光体10とともに、帯電装置11、現像装置12、クリーニング装置14、不図示の除電装置などのすべてのプロセス装置を一体的に設ける必要はなく、この発明によるプロセスカートリッジでは、感光体10とともに、少なくともクリーニング装置14を一体的に設けるようにすればよい。
図示例のクリーニング装置14は、図2に示すように、プロセスカートリッジ30のカートリッジケース31にブレードホルダ32を取り付け、そのブレードホルダ32でクリーニングブレード33の基端を支持し、クリーニングブレード33の先端を感光体10の外周面に押し当てる。カートリッジケース31には、またマイラ(登録商標)フィルム等の樹脂フィルム34の基端を取り付け、先端を同じく感光体10の外周面に軽く押し当てる。カートリッジケース31内の底部には、トナー搬送コイル35を回転自在に設ける。
そして、感光体10の回転とともに、感光体10上に残留するトナーをクリーニングブレード33で掻き落として除去し、掻き落としたトナーが零れ落ちることを樹脂フィルム34で防止しながら、掻き落としたトナーをカートリッジケース31内に収納する。カートリッジケース31内に収納したトナーは、トナー搬送コイル35でクリーニング装置14の片側に集め、後述するこの発明によるトナー搬送装置でカートリッジケース31外へ排出し、廃棄すべく廃トナータンクへと搬送したり、リサイクル使用すべく現像装置12へと搬送したりする。
図3および図4には、図1に示す画像形成装置に備えるトナー搬送装置40を示す。図3はトナー搬送装置40の外観を示す斜視図であり、図4はそのA−A線に沿う縦断面図である。
図中符号30が、プロセスカートリッジである。プロセスカートリッジ30の片側からは、パイプ41が突出してカーブして下向きにのび、下流端が軸心方向に向けて開口して出口を形成している。そのパイプ41内には、カートリッジケース31内の上述したトナー搬送コイル35の一端部がそのまま入り込んでいる。そして、トナー搬送コイル35は、トナー搬送部材としての働きをする。
トナー搬送コイル35は、例えば図5に示すように、細長い平板材をスパイラル形状として形成する。これにより、伸縮性を高めて後述する長さ規制を容易とする。図示例では、トナー搬送コイル35の全体を伸縮自在に形成するが、その一部のみを長さ方向に伸縮自在に形成してもよい。そして、外力が加わらない状態では、トナー搬送コイル35の先端は、トナー搬送路形成部材であるパイプ41の下流端から数mm突出するようにする。
パイプ41の下流端の出口には、長さ規制部材42を取り付ける。長さ規制部材42は、厚さ0.3mmのステンレス板など、例えば図6に示すように、円形のトナー通過孔43を有する板材でつくる。トナー通過孔43の径は、トナー搬送コイル35の外径より小さくする。そして、トナー搬送コイル35を押し当ててたわませることで、その長さを一定とする。
そのようなパイプ41は、第2トナー搬送路形成部材である第2パイプ44を下方に配置して連結し、その出口を第2パイプ44の入口に連通する。第2パイプ44内には、第2トナー搬送部材45を備える。第2トナー搬送部材45としては、スクリュ状やスパイラル状のものを用い、芯軸まわりに回転自在に設ける。なお、この図示例では、第2パイプ44の出口に、廃トナータンク46を接続する。
そして、図示トナー搬送装置40を用いてクリーニング装置14内のトナーを廃トナータンク46へと搬送するときは、不図示の駆動源によりトナー搬送部材としてのトナー搬送コイル35および第2トナー搬送部材45をそれぞれ軸芯まわりに回転し、カートリッジケース31外へ排出したトナーを、トナー搬送コイル35でパイプ41内を通して搬送し、長さ規制部材42のトナー通過孔43を通過して第2パイプ44内に入れ、第2トナー搬送部材45で引き続き第2パイプ44内を通して搬送し、廃トナータンク46内に入れる。廃トナータンク46内がトナーで満杯になったときには、タンクごとまたはタンク内のトナーのみ廃棄する。
以上のとおり、図示例では、パイプ41の下流端に設ける長さ規制部材42に、パイプ41内に設けるトナー搬送コイル35を押し当ててトナー搬送部材としてのトナー搬送コイル35の長さを規制するので、外力が加わらない自然状態では、トナー搬送コイル35の長さをパイプ41の下流端から突出する長さとしてそのトナー搬送コイル35を長さ規制部材42でたわませることにより長さを規制する。そして、トナー搬送コイル35の長さがばらついても、パイプ41の下流端いっぱいまでトナー搬送コイル35を設けることができ、トナー搬送力が低下しないようにしてトナー詰まりの発生を防止することができる。
また、トナー搬送コイル35の長さがばらついても、トナー搬送コイル35の先端がパイプ41の下流端から突出しないから、パイプ41の出口に設ける第2パイプ44、第2トナー搬送部材45などの他の部品と干渉を生ずるおそれをなくすことができる。
加えて、パイプ41に第2パイプ44を連結し、パイプ41内を通してトナー搬送コイル35で搬送したトナーを、引き続き第2パイプ44内を通して第2トナー搬送部材45で搬送するので、パイプ連結位置においてトナー詰まりや他部品との干渉を生ずるおそれなくすことができる。パイプ41の軸心方向下流端に出口を設けてその出口を第2パイプ44の入口に近付け、最短距離でトナーの受け渡しを行うことができる。
さらに、パイプ41と第2パイプ44の連結位置において、上方のパイプ41内を通してトナー搬送コイル35で搬送したトナーを重力により下方の第2パイプ44内に入れ、引き続き第2パイプ44内を通して第2トナー搬送部材45で搬送するので、パイプ連結位置においてトナー搬送コイル35のない部分は重力を利用してトナーを搬送し、トナー詰まりを生ずるおそれを一層少なくすることができる。
また、トナー搬送コイル35で搬送したトナーを板状の長さ規制部材42のトナー通過孔43を通して、例えば第2パイプ44内へと搬送するので、トナー搬送コイル35を有しないのは薄い板状の長さ規制部材42のトナー通過孔43を通過するときだけとしてトナー搬送力が低下する部分を短くし、強制的にトナーを搬送するトナー搬送コイル35をほとんどパイプ41の出口近くまで設けることにより、トナー詰まりを生ずるおそれを一層少なくすることができる。
次に、図7には、プロセスカートリッジ30の他例を示す。
この例では、プロセスカートリッジ30のカートリッジケース31にドラム状の感光体10を図中矢示方向に回転自在に取り付ける。感光体10のまわりには、その感光体10を挟んで現像装置12、クリーニング装置14などを備える。クリーニング装置14側には、カートリッジケース31の正面側板36から突出して下向きにカーブし、トナー搬送装置40を設ける。
図8には、カートリッジケース31の背面側板37近くにおける、そのプロセスカートリッジ30の縦断面を示す。
図中符号50は、感光体10の背面側端に設けるギヤ付きフランジである。ギヤ付きフランジ50は図中時計まわりに回転し、その回転により、クリーニングケース51内の真直ぐなコイル軸52とともに、そのまわりに巻き付けるトナー搬送部材であるトナー搬送コイル35を駆動して反時計まわりに回転する。クリーニングケース51の入口は、感光体10と対向し、感光体10の周面に下方からクリーニングブレード33の先端を、上方から樹脂フィルム34の先端をそれぞれ押し当てる。
感光体10の回転方向において、クリーニング装置14の下流位置には、潤滑剤塗布ブラシ53を備える。潤滑剤塗布ブラシ53には、付勢部材54で固形の潤滑剤55を押し当てる。そして、感光体10の回転とともに潤滑剤塗布ブラシ53を回転し、潤滑剤55から擦り取った潤滑剤を感光体10の表面に塗布する。また、感光体10の回転方向において、潤滑剤塗布ブラシ53の下流位置には、帯電ローラ11を備える。帯電ローラ11には、表面を清掃する帯電ローラクリーナ56を押し当てる。
図9には、図7に示すプロセスカートリッジ30から現像装置12を取り外した状態を示す。図10には、現像装置12とともに感光体10も取り外した状態を示す。図11には、図10の背面側の端部を拡大して示す。
図11から判るとおり、カートリッジケース31の背面側板37の内面には、ギヤ付きフランジ50と噛み合う第1アイドラギヤ57と、その第1アイドラギヤ57と噛み合ってカバー部材58で被われている第2アイドラギヤとを回転自在に支持する。不図示の第2アイドラギヤは、上述したコイル軸52上に固定する後述のコイル駆動ギヤ60と噛み合う。そして、ギヤ付きフランジ50の回転を第1アイドラギヤ57および第2アイドラギヤを介してコイル駆動ギヤ60に伝達し、コイル軸52を回転する。
図12には、クリーニング装置14の外観を示す。
図12において、符号51がクリーニングケース、33がクリーニングブレード、34が樹脂フィルム、60がコイル駆動ギヤ、40がトナー搬送装置、41はトナー搬送路形成部材であり、内部にトナー搬送コイル35を通すパイプである。パイプ41の先端は、トナー通過孔43を有する長さ規制部材42で塞ぐ。この図12から判るとおり、長さ規制部材42は、パイプ41と別部材ではなく、パイプ材料そのものでパイプ41と一体に形成している。
図13には、クリーニング装置の縦断面を示す。
図13において、同様に符号51がクリーニングケース、60がコイル駆動ギヤ、52がコイル軸、35がトナー搬送コイル、40がトナー搬送装置、41がパイプである。パイプ41は、それぞれ2分割した長さ規制部材42の一方を有する半円筒状のものを2つ合わせて形成する。そして、そのパイプ41内にトナー搬送コイル35を備え、そのトナー搬送コイル35を、パイプ41の下流端に設ける板状の長さ規制部材42に押し当ててトナー搬送コイル35の長さを一定としてなる。
図14には、まわりにトナー搬送コイル35の上流部分を巻き付けた真直ぐなコイル軸52の背面側端を示す。
コイル軸52は、樹脂材料を用い、この例では断面ほぼ十字形状につくり、図14(B)に示すように背面側端を断面D型とする。そして、(A)に示すようにすべり軸受61で支持してずれないように固定する。このすべり軸受61を介して、クリーニングケース51に対してコイル軸52およびトナー搬送コイル35を位置決めする。
ここで、クリーニングケース51内に単にトナー搬送コイル35を設けるだけでは、コイル中心の中空部に滞留するトナーが凝集し、その結果トナーが塊となって搬送され、下流ではその凝集の程度を増してブロッキングの原因となりやすい。また、トナーリサイクル方式を採用する画像形成装置においては、現像装置12に戻した凝集トナーをそのまま現像に用いることができず、凝集トナーを粉砕する工程や分級工程等を備えなければならなくなる。そこで、この例においては、断面ほぼ十字形状のコイル軸52を使用することにより、コイル軸52が羽根車の役目を果たしてコイル中心の中空部に入り込んだトナーをまわりにはじき飛ばし、凝集の程度を悪化させることなく、トナー搬送コイル35でトナーを搬送することができる。
特にこの例では、小型化すべく、トナー搬送コイル35の下流部分が入り込むトナー搬送装置40のパイプ41を湾曲してパイプ41内のトナー搬送路をR形状とするから、そのパイプ41の内周面にトナー搬送コイル35をこすり付けることにより、直線搬送に比べてトナーが凝集しやすい構成となっている。しかし、上述したようにトナー搬送コイル35の上流位置に、断面ほぼ十字形状のような羽根車形状のコイル軸52のまわりにトナー搬送コイル35を巻き付けて配置し、クリーニングケース51内でトナーの凝集を低減することにより下流位置でも同様により効果的にトナーの凝集を防止することができる。
また、コイル軸52の断面D型部分は、コイル駆動ギヤ60の中心のD型孔に挿入し、(A)に示すようにコイル軸52上でコイル駆動ギヤ60を相対回転不能に固定する。これにより、コイル駆動ギヤ60に回転が伝達されると、その回転をコイル軸52に伝達してコイル軸52をトナー搬送コイル35とともに回転し、クリーニングケース51内のトナーを正面側へと搬送する。
トナー搬送コイル35は、ステンレス鋼製の平板材をスパイラル形状として長さ方向に伸縮自在に形成したもので、内径をコイル軸52の軸径より若干大きい程度とする。そして、コイル軸52の正面側端を挿入し、コイル軸52をトナー搬送コイル35内にほぼ挿入したところで、トナー搬送コイル35をコイル軸52上の爪62に当ててその爪62の傾斜に沿って変形することにより、トナー搬送コイル35が2つの爪62を順次乗り越え、乗り越えたところで爪62によって抜け止されるようにする。そして、トナー搬送コイル35は、(B)に示すように背面側の先端63を曲げてなり、その先端63をコイル軸52の段部64に引っ掛けることによりコイル軸52とともにトナー搬送コイル35を回転する。
図15には、トナー搬送コイル35を巻き付けたコイル軸52の正面側を示す。
ところで、コイル軸52は、図15に示すように正面側端を若干小径につくり、外形に段差65を形成してなる。これに合わせて、トナー搬送コイル35も、外径を小さくして内径を若干小さくつくる。
図16には、コイル軸52の外形に形成した段差65から長さ規制部材42までの距離L1と、トナー搬送コイル35の内径を小さくした部分、すなわち小径部66の自然長L2を示す。
公差も含め、L1<L2とすれば、トナー搬送コイル35の先端は、長さ規制部材42に押し当たる。なお、トナー搬送コイル35の小径部66は、カーブしているパイプ41内に入ることから、ピッチを短くして応力を小さくしている。もちろん、全長にわたりピッチを短くしてもよいが、コスト面で好ましくない。
ところが、長さ規制部材42による長さ規制を容易とすべく、トナー搬送コイル35のばね性を弱めて伸縮性を高めた場合に、トナー搬送コイル35でトナーを正面側へと搬送しているとき、負荷が大きくなると、トナー搬送コイル35の先端はすぐに背面側へと押される。このとき、段差65がなく、トナー搬送コイル35の内径が小さくつくられていないとすると、トナー搬送コイル35の全長が縮んで、トナー搬送コイル35の先端が長さ規制部材42から離れることとなる。例えば、トナー搬送コイル35の全長が400mmであるとき、4mm縮んだとしても、1%に過ぎないから、反発力はほとんど生じず、トナー搬送コイル35は少しの負荷で大きくたわむこととなる。
そこで、コイル軸52に段差65を形成するとともに、トナー搬送コイル35の内径を小さくつくると、トナー搬送コイル35の小径部66が段差65に当たって負荷によりトナー搬送コイル35の一部のみが縮むようにし、同じ負荷のときでも反発力を大きくしてトナー搬送コイル35のたわみ量を少なくし、トナー搬送コイル35の先端が長さ規制部材42から容易に離れないようにする。
図17には、クリーニング装置14とトナー搬送装置40との境界部分の断面を示す。
図示するとおり、トナー搬送装置40のパイプ41の入口には、リング状につくったトンネル部材67を固定する。トンネル部材67の内径は、トナー搬送コイル35の小径部66の外径より若干大きくつくる。そして、そのトンネル部材67内に、トナー搬送コイル35を巻き付けたコイル軸52の正面側端を通す。
トナー搬送コイル35の下流部分は、湾曲するパイプ41内を通すことから、カーブしており、回転すると、振れやすい。そこで、トンネル部材67内にトナー搬送コイル35だけではなくコイル軸52も通すことで、コイル軸52の最下流端をトナー搬送コイル35とともにトンネル部材67で軸受けするようにガタなく支持する。トンネル部材67を通過したトナー搬送コイル35は、パイプ41内を通してパイプ41で位置決めする。トナー搬送コイル35の下流部分、すなわちカーブする小径部66の外径は、パイプ41の内径よりも若干小さくなっている。
図18には、トナー搬送コイル35の正面側の先端部分を示す。
図示するように、トナー搬送コイル35の正面側の先端には、曲げ加工を施し、内向きに曲げて曲げ部68を形成する。これにより、曲げ部68の頂点69を長さ規制部材42に押し当て、トナー搬送コイル35が長さ規制部材42に引っ掛かることを防いでいる。また、トナー搬送コイル35の回転方向に対してトナー搬送コイル35の先端が逆向きとなるようにし、先端が長さ規制部材42に引っ掛かりそうになっても逃げるようにして一層トナー搬送コイル35の先端の引っ掛かりを防いでいる。
さて、この例では、上述したとおり、パイプ41は、2分割した長さ規制部材42のそれぞれ一方を有する半円筒状のものを2つ合わせて形成する。このようにすると、樹脂成形金型を安価にすることができる。しかし、寸法公差内の成形ばらつきにより、長さ規制部材42の2分割した部分に微小な段差を発生することは避けることができない。そこで、特にこの例のように、2分割した長さ規制部材42のそれぞれ一方を有する半円筒状のものを2つ合わせて、パイプ41のようなトナー搬送路形成部材を形成するタイプのものでは、トナー搬送コイル35の引っ掛かりは憂慮すべき問題である。トナー搬送部材35の正面側の先端に内向きの曲げ部68を形成することは、特にこのようなタイプのものにおいて効果を発揮するものである。
図19には、トナー搬送装置40の他例を示す。図20には、そのトナー搬送装置40のトナー搬送路形成部材であるパイプ41の出口を外側から見た図である。
この例のトナー搬送装置40では、トナー搬送路形成部材として円形の湾曲するパイプ41を使用し、またトナー搬送部材として、そのパイプ41内に通して回転することによりトナーを搬送するトナー搬送コイル35を用いる。そのトナー搬送コイル35を押し当てる長さ規制部材42は、パイプ41の円形出口に内周壁から内向きに突出して形成する。図示例では1つであるが、複数形成してもよい。
そして、パイプ41内でトナー搬送コイル35を回転するとき、コイル35の下流端である先端70が1回転ごとにすくなくとも1度、長さ規制部材42を乗り越え、乗り越えるごとにトナー搬送コイル35を長さ方向に伸縮し、その反動で振動を生じてトナー搬送コイル35上やパイプ41の円形出口付近のトナーを落とす。よって、パイプ41の円形出口付近に残るトナー量を少なくし、そのトナー搬送装置40を備えるプロセスカートリッジなどを取り出すとき、出口付近からのトナーこぼれを防止することができる。
例えば、トナー搬送コイル35の先端70を変形して長さ規制部材42に強く引っ掛かるようにすると、よりトナー搬送コイル35の伸縮量を大きくしてその反動を強くし、一層トナー搬送コイル35上やパイプ41の円形出口付近のトナーを落としてパイプ41の円形出口付近に残るトナー量を少なくすることができる。
図21には、トナー搬送装置40のさらに他例を示す。図22には、そのトナー搬送装置40のトナー搬送路形成部材であるパイプ41の出口を外側から見た図である。
この例のトナー搬送装置40でも、同様にトナー搬送路形成部材として円形の湾曲するパイプ41を使用し、トナー搬送部材として、そのパイプ41内で回転することによりトナーを搬送するトナー搬送コイル35を用いる。そして、そのトナー搬送コイル35を押し当てる長さ規制部材42は、パイプ41の円形出口を径方向に横切るように形成する。図示例では1つであるが、交差して複数形成してもよい。
このようにすると、パイプ41内でトナー搬送コイル35を回転するとき、コイル35の下流端である先端70が1回転ごとに少なくとも2度、長さ規制部材42を乗り越え、乗り越えるごとにトナー搬送コイル35を長さ方向に伸縮し、その反動で振動を生じてトナー搬送コイル35上やパイプ41の円形出口付近のトナーを落とす。よって、より一層、パイプ41の円形出口付近に残るトナー量を少なくし、トナー搬送装置40を備えるプロセスカートリッジなどを取り出すとき、その出口付近からのトナーこぼれを防止することができる。
実際に、図19から図22に示すトナー搬送装置40を有するプロセスカートリッジを用いて画像形成を行って後、画像形成装置本体からプロセスカートリッジを取り外しても、トナーこぼれはなく、トナー詰まりも発生しなかった。
ところで、上述した例では、感光体10上に形成したトナー画像を直接転写して記録媒体に画像を形成する画像形成装置に適用した場合について説明した。しかし、当然に、感光体上に形成したトナー画像をいったんドラム状やベルト状の中間転写体に転写して後、その中間転写体上のトナー画像を転写して記録媒体に画像を形成する画像形成装置にも同様に適用することができる。この場合、感光体上の残留トナーを除去した一次クリーニング装置のトナーを搬送する場合に限らず、中間転写体上の残留トナーを除去した二次クリーニング装置のトナーを搬送する場合にも適用することができる。
また、上述した例では、記録媒体に単色画像を形成する画像形成装置に適用した場合について説明したが、カラー画像を形成するリボルバ型(ロータリ型)やタンデム型などの画像形成装置にも同様に適用することができる。例えば、タンデム型画像形成装置のように、複数の感光体を備え、各感光体ごとにクリーニング装置を備える場合には、個々のクリーニング装置にこの発明によるトナー搬送装置を設けることができる。また、この発明によるプロセスカートリッジを複数備えることができる。
なお、上述した図示例では、パイプ41を第2パイプ44を介して廃トナータンク46に連結したが、パイプ41を直接廃トナータンク46に連結するようにしてもよい。このとき、トナー搬送コイル35を伸縮自在に形成する一方、パイプ41の下流端に長さ規制部材42を設け、その長さ規制部材42に押し当ててトナー搬送コイル35の長さを規制するようにしても、同様な効果を達成することができ、例えば廃トナータンク46と干渉を生ずるおそれをなくすことができる。パイプ41の下流に設ける部品にシャッタを設ける場合には、そのシャッタなどとも干渉を生ずるおそれをなくすことができる。
この発明による画像形成装置における要部の概略構成図である。 その画像形成装置に備えるクリーニング装置の縦断面図である。 その画像形成装置に備えるトナー搬送装置の外観斜視図である。 そのトナー搬送装置のA-A線に沿う縦断面図である。 そのトナー搬送装置に備えるトナー搬送コイルの部分斜視図である。 そのトナー搬送装置に備える長さ規制部材の斜視図である。 プロセスカートリッジの他例を示す斜視図である。 カートリッジケースの背面側板近くにおける、そのプロセスカートリッジの縦断面図である。 図7に示すプロセスカートリッジから現像装置を取り外した状態を示す斜視図である。 現像装置とともに感光体も取り外して逆向きから見て示す斜視図である。 その背面側の端部の拡大斜視図である。 図7に示すプロセスカートリッジに備えるクリーニング装置の外観斜視図である。 そのクリーニング装置の縦断面図である。 そのクリーニング装置に備える、トナー搬送コイルを巻き付けたコイル軸の背面側部分を示すもので、(A)はコイル駆動ギヤを取り付けた状態の部分斜視図、(B)は取り外した状態の部分斜視図である。 トナー搬送コイルを巻き付けたコイル軸の正面側部分の正面図である。 コイル軸の外形に形成した段差から長さ規制部材までの距離L1と、トナー搬送コイルの小径部の自然長L2を示す図である。 クリーニング装置とトナー搬送装置との境界部分の断面図である。 トナー搬送コイルの正面側の先端部分の斜視図である。 トナー搬送装置の他例の断面図である。 そのトナー搬送装置のパイプの出口を外側から見た図である。 トナー搬送装置のさらに他例の断面図である。 そのトナー搬送装置のパイプの出口を外側から見た図である。
符号の説明
10 感光体
12 現像装置
14 クリーニング装置
30 プロセスカートリッジ
35 トナー搬送コイル(トナー搬送部材)
40 トナー搬送装置
41 パイプ(トナー搬送路形成部材)
42 長さ規制部材
43 トナー通過孔
44 第2パイプ
45 第2トナー搬送部材
46 廃トナータンク
52 コイル軸
65 コイル軸の段差
67 トンネル部材
68 曲げ部

Claims (15)

  1. トナー搬送路形成部材内にトナー搬送部材を備え、そのトナー搬送部材で前記トナー搬送路形成部材内を通してトナーを搬送するトナー搬送装置において、
    前記トナー搬送部材を長さ方向に伸縮自在に形成する一方、
    そのトナー搬送部材を押し当ててそのトナー搬送部材の長さを一定とする長さ規制部材を前記トナー搬送路形成部材の下流端に設けることを特徴とする、トナー搬送装置。
  2. 前記トナー搬送部材としてトナー搬送コイルを用い、そのトナー搬送コイルの上流側を真直ぐなコイル軸のまわりに巻き付けてそのコイル軸とともに前記トナー搬送コイルを回転し、トナーを搬送することを特徴とする、請求項1に記載のトナー搬送装置。
  3. 前記コイル軸を羽根車形状に形成することを特徴とする、請求項2に記載のトナー搬送装置。
  4. 真直ぐな前記コイル軸の最下流端を前記トナー搬送コイルとともに軸受けするように支持するトンネル部材を設けることを特徴とする、請求項2または3に記載のトナー搬送装置。
  5. 前記トナー搬送コイルの下流端に内向きの曲げ部を形成することを特徴とする、請求項2ないし4のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  6. 前記コイル軸の外周に段差を設け、前記トナー搬送コイルが長さ方向にたわむときその段差に当たって前記トナー搬送コイルの一部のみが縮むようにすることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  7. 前記トナー搬送路形成部材に連結して第2トナー搬送路形成部材を設け、その第2トナー搬送路形成部材内に、前記トナー搬送部材で搬送したトナーを引き続き前記第2トナー搬送路形成部材内を通して搬送する第2トナー搬送部材を備え、それらトナー搬送路形成部材と第2トナー搬送路形成部材との連結位置に前記長さ規制部材を設けることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  8. 前記連結位置において上方に前記トナー搬送路形成部材を、下方に前記第2トナー搬送路形成部材を配置して連結することを特徴とする、請求項7に記載のトナー搬送装置。
  9. 前記長さ規制部材を、トナー通過孔を有する板材で形成することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  10. 前記トナー搬送路形成部材と一体に前記長さ規制部材を形成することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  11. 前記トナー搬送路形成部材としてパイプを使用し、前記トナー搬送部材として、そのパイプ内で回転してトナーを搬送するトナー搬送コイルを用い、そのトナー搬送コイルを押し当てる前記長さ規制部材を、前記パイプの円形出口に、内周壁から内向きに突出して形成することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  12. 前記トナー搬送路形成部材としてパイプを使用し、前記トナー搬送部材として、そのパイプ内で回転してトナーを搬送するトナー搬送コイルを用い、そのトナー搬送コイルを押し当てる前記長さ規制部材を、前記パイプの円形出口を径方向に横切って形成することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  13. 前記トナー搬送部材を、平板材をスパイラル形状として形成することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1に記載のトナー搬送装置。
  14. 感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置と、そのクリーニング装置で除去したトナーを搬送する請求項1ないし13のいずれか1に記載のトナー搬送装置を備えることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
  15. 感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置と、そのクリーニング装置で除去したトナーを搬送する請求項1ないし13のいずれか1に記載のトナー搬送装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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