JP2006222185A - ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板、及びポリイミド系フレキシブルプリント配線板 - Google Patents
ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板、及びポリイミド系フレキシブルプリント配線板 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】銅箔とポリイミド系樹脂層との間の接着強度に優れ、絶縁信頼性、配線パターン形成時のエッチング特性、屈曲特性に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板、該銅張積層板を加工したポリイミド系フレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】本発明は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する側の表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層であり、ポリイミド系樹脂層に接着してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であり、該銅箔を用いたフレキシブル銅張積層板であり、該銅張積層板を加工したポリイミド系フレキシブルプリント配線板である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する側の表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層であり、ポリイミド系樹脂層に接着してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であり、該銅箔を用いたフレキシブル銅張積層板であり、該銅張積層板を加工したポリイミド系フレキシブルプリント配線板である。
【選択図】なし
Description
本発明は、銅箔上にポリイミド系樹脂層が設けられたフレキシブルプリント配線板であって、銅箔とポリイミド系樹脂層との間の接着強度に優れ、絶縁信頼性、配線パターン形成時のエッチング特性、屈曲特性に優れたポリイミド系フレキシブルプリント配線板用銅箔、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板及びポリイミド系フレキシブルプリント配線板に関するものである。
銅箔上に絶縁性のポリイミド系樹脂層が接着剤層を介することなく直接に設けられてなるフレキシブル銅張積層板は、二層フレキシブル銅張積層板と呼ばれ、大きく分けて二種類の製造方法がある。一つはキャスティング法と呼ばれる方法であり、芳香族酸二無水物と芳香族ジアミン類とをジメチルアセトアミド等の溶媒中で付加重合させることにより得られるポリアミック酸ワニスを、高い接着強度を得るための表面粗化処理が施された銅箔上に塗布し乾燥してポリアミック酸層とし、更に加熱することによりイミド化して、銅箔上にポリイミド系樹脂層を形成することにより製造する。
もう一つは、ラミネート法と呼ばれる方法であり、ポリイミドフィルム上に熱可塑性のポリイミドを塗布し、その上に表面粗化処理が施された銅箔を重ねて加熱圧着して製造する。
もう一つは、ラミネート法と呼ばれる方法であり、ポリイミドフィルム上に熱可塑性のポリイミドを塗布し、その上に表面粗化処理が施された銅箔を重ねて加熱圧着して製造する。
近年、電子機器のメモリ容量の増加に伴い、電子機器では、配線の狭ピッチ化や、高密度実装化が進んでいる。それに伴い、フレキシブルプリント配線板として利用されるフレキシブル銅張積層板に対する機械的物性の要求水準もより高くなってきている。また、最近の高密度実装化に伴い、電子機器の筐体内に収納されるフレキシブルプリント配線板では、屈曲部が増えると共に、屈曲部を形成する2つの面のなす角度が小さくなってきている。
銅箔には、主として圧延銅箔と電解銅箔が挙げられる。従来、フレキシブルプリント配線板としての用途には、圧延銅箔の方が屈曲特性に優れているという点から使用される比率が高かった。しかし、最近では、屈曲特性に優れた電解銅箔が開発され、圧延銅箔と電解銅箔の使用比率は同じくらいになってきている。
電解銅箔とポリイミド系樹脂層との間の接着性を高めるために、通常、電解製箔装置により製箔された電解銅箔(未処理銅箔)の表面に対して、数μmの大きさの銅粒をめっきにより析出させる粗化処理を施している。なお、通常、電解銅箔の表面には粗化処理後に、更にめっき処理や防錆処理が施される。
また、圧延銅箔には特許文献1に記載されているように、銅、コバルト、ニッケルからなる電気めっき層を形成することが知られている。
電解銅箔とポリイミド系樹脂層との間の接着性を高めるために、通常、電解製箔装置により製箔された電解銅箔(未処理銅箔)の表面に対して、数μmの大きさの銅粒をめっきにより析出させる粗化処理を施している。なお、通常、電解銅箔の表面には粗化処理後に、更にめっき処理や防錆処理が施される。
また、圧延銅箔には特許文献1に記載されているように、銅、コバルト、ニッケルからなる電気めっき層を形成することが知られている。
ところで、上述したようなフレキシブル銅張積層板から加工されるフレキシブルプリント配線板については、該フレキシブルプリント配線板に搭載される半導体装置や各種電子チップ部品等の搭載部品の小型集積化技術の発展に伴い、配線ピッチ等に一層のファインパターン化が求められている。しかし、従来の粗化処理では、数μm大の粒状銅を表面に形成していたため、ファインパターン形状の作成をエッチング処理で行った時に、粒状銅が基板面に残る「根残り」という現象があり、エッチング性が損なわれ、十分なファインパターン化ができないという問題があった。
また、圧延銅箔の場合は、表面が比較的平滑であるが、上記のような銅、コバルト、ニッケルからなる電気めっき層を形成しているためポリイミド系樹脂層との密着性が悪いという欠点があった。
また、圧延銅箔の場合は、表面が比較的平滑であるが、上記のような銅、コバルト、ニッケルからなる電気めっき層を形成しているためポリイミド系樹脂層との密着性が悪いという欠点があった。
そこで、ファインパターン化の要求に対応するために、プリント配線板用の銅箔として、パターン間の絶縁性を確保し且つエッチング時の根残りの発生を抑制することを考慮し、電解銅箔を採用し、その未処理箔の表面粗さをロープロファイル化(粗さの低減化)することが試みられた。例えば、本出願人は特許文献2で、未処理銅箔の10点平均表面粗さRz(Rzとは、JIS B 0601−1994「表面粗さの定義と表示」に規定されてRzである。)を2.5μm以下とし、素地山の最小ピーク間距離を5μm以上とした電解銅箔によりロープロファイル化を図り、プリント配線板として優れた電解銅箔を提供している。
一方、フレキシブルプリント配線板は、ポリイミド系樹脂層を薄くすることにより優れた屈曲特性が得られる。しかし、ポリイミド系樹脂層(絶縁層)に表面を粗化した銅箔を圧着すると、銅箔表面の凹凸が薄い絶縁層に食い込むため、絶縁層の絶縁距離が不足することとなり、そのため銅箔表面の凹凸の大きさを考慮した樹脂の厚さが要求され、あまりに薄くすると絶縁信頼性が損なわれるという問題があった。
ファインパターン化を実現し、優れた屈曲特性を得るため未処理銅箔のロープロファイル化、ポリイミド系樹脂層を薄くすることは屈曲性に優れ、ファインパターン化されたフレキシブルプリント配線板を形成する上では、確かに効果がある。さらに、未処理銅箔のロープロファイル化とともに、その表面に粗化処理で付着させる銅粒の粒径をなるべく小さくすることは効果的である。しかしながら、こうした未処理銅箔の平滑化と粗化処理での銅粒の小径化を行うことは、一方で、銅箔とポリイミド樹脂層との間の接着強度を低下させるという問題が発生する。即ち、近年のよりハイレベルなファインパターン化、高屈曲性の要求を満たそうとすると、銅箔とポリイミド系樹脂層との接着強度が維持できず、両者の接着力不足により銅箔(配線)がポリイミド系樹脂層から加工段階で剥離する不具合が発生し、そのために満足するフレキシブルプリント配線板の提供は極めて困難であった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するものであり、銅箔とポリイミド系樹脂層との間の接着強度に優れ、絶縁信頼性、配線パターン形成時のエッチング特性、屈曲特性に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔を提供し、該銅箔をポリイミド系樹脂層と積層したフレキシブルに優れたポリイミド系フレキシブルプリント銅張積層板を提供し、かつ、該銅張積層板を加工したフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、銅箔とポリイミド系樹脂層との間の接着強度に優れ、絶縁信頼性、配線パターン形成時のエッチング特性、屈曲特性に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔並びにポリイミド系フレキシブル銅張積層板、該銅張積層板を加工したフレキシブルプリント配線板の開発に成功したものである。
本発明の第1は、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層であり、ポリイミド系樹脂層に積層してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔である。
本発明の第2は、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層であり、ポリイミド系樹脂層に積層してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔である。
本発明の第3は、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/Cr合金層であり、ポリイミド系樹脂層に積層してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔である。
本発明の第4は、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層の上に、Cr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層であり、ポリイミド系樹脂層に積層してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔である。
本発明の第5は、ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層の上にCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/及びCr合金層であり、ポリイミド系樹脂層に積層してフレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔である。
前記粒状の結晶組織からなるポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面を粗化処理して平均粒計1μm以下の銅粒層が形成され、該銅粒層表面に表面処理層が形成されることが好ましい。
また、前記ポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔において、その少なくとも表面処理層表面にシランカップリング剤処理が施されていることが好ましい。
前記粒状の結晶組織からなる銅箔は厚さが0.5〜70μmの電解銅箔又は圧延銅箔であることが好ましく、前記粒状の結晶組織からなる銅箔が電解銅箔である場合には、その表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である粒状の結晶組織からなる電解銅箔であることが好適である。一方、前記粒状の結晶組織からなる銅箔が圧延銅箔である場合には、その表面粗さが10点平均粗さRzで1.0μm以下である粒状の結晶組織からなる圧延銅箔であることが好ましい。
本発明の第6は、前記表面処理銅箔を用いて作成したポリイミド系フレキシブル銅張積層板であり、該銅張積層板を加工したフレキシブルプリント配線板である。
本発明の銅箔は、ポリイミド系樹脂層との間で高いピール強度を有し、絶縁信頼性、配線パターン形成時のエッチング特性、屈曲特性に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔を提供でき、該銅箔を使用することにより優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板及び該銅張積層板を加工したポリイミド系フレキシブルプリント配線板を提供することができる。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、粒状の結晶組織からなる銅箔は、柱状の結晶組織からなる銅箔に比べて屈曲特性に優れていることを見出して本発明を完成させた。
通常、電解銅箔は柱状の結晶組織であるが、所定の電解液を用いることにより粒状の結晶組織からなる電解銅箔を製造することができる。例えば、メルカプト基を有する化合物、塩化物イオン、並びに分子量10,000以下の低分子量膠又は/及び高分子多糖類を添加した銅めっき液で製箔した電解銅箔は粒状の結晶組織となる。
通常、電解銅箔は柱状の結晶組織であるが、所定の電解液を用いることにより粒状の結晶組織からなる電解銅箔を製造することができる。例えば、メルカプト基を有する化合物、塩化物イオン、並びに分子量10,000以下の低分子量膠又は/及び高分子多糖類を添加した銅めっき液で製箔した電解銅箔は粒状の結晶組織となる。
また、銅箔表面において、柱状の結晶組織からなる銅箔は平滑性が悪いのに対して、粒状の結晶組織からなる銅箔は平滑性が良く、低粗度であるため銅箔のエッチング性に優れており、ファインパターン用途に適している。さらに、低粗度であることはポリイミド系樹脂層を薄くしても銅箔表面の凹凸による絶縁信頼性を損なわないため、よりポリイミド系樹脂層を薄くすることが可能となり、より高い屈曲特性を得ることができる。
銅箔の厚みは、フレキシブルプリント配線板の使用目的により異なるが、配線のファインパターン化の観点からはできるだけ薄い方が好ましく、通常0.5〜70μm、好ましくは3〜18μm、より好ましくは3〜12μmである。
上述したように、粒状の結晶組織からなる低粗度銅箔は、絶縁信頼性、高屈曲性、ファインパターン用途に優れるが、一方でポリイミド系樹脂層との間で十分な接着強度を得ることができない。本発明者らは、銅箔とポリイミド系樹脂層との接着性を向上させるため、鋭意研究を行った結果、ポリイミド樹脂層と接着する銅箔の表面に適切な表面処理を施すことで、銅箔とポリイミド系樹脂層との接着性を満足させることに成功した。
本発明の第1は、銅箔上の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する面に、Ni層又は/及びNi合金層を設ける。Ni層又は/及びNi合金層を設けることにより、ポリイミド系樹脂層と銅箔との接着強度を向上させることができる。このようなNi層又は/及びNi合金層は、電気めっき法、無電解めっき法、蒸着法、スパッタ法などにより形成できるが、層の厚さを制御し易い等の点から電気めっき法が好ましい。電気めっき浴としては、硫酸ニッケルめっき浴、スルファミン酸ニッケルめっき浴等が挙げられる。中でも、形成コストの安い硫酸ニッケル浴を好ましく使用することができる。
銅箔表面に設けるNi層又は/及びNi合金層の被覆量としては、少なすぎるとポリイミド系樹脂層の接着強度が低下し、多すぎるとパターン形成のエッチング時に、ファインパターンの形成が困難となるため、少なくとも金属Ni換算で0.03〜3.0mg/dm2、好ましくは0.05〜1.0mg/dm2である。
本発明の第2は、銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する面にクロメート層を設ける。銅箔表面にクロメート層を設けることにより、ポリイミド系樹脂層と銅箔との間の接着強度を向上させることができる。クロメート層は、一般的なクロメート処理により形成することができる。
クロメート層の被覆量としては、少なすぎるとポリイミド系樹脂層との接着強度が低下し、多すぎるとパターン形成のエッチング時に、ファインパターンの形成が困難となるので、金属Cr換算で0.03〜1.0mg/dm2、好ましくは0.05〜0.5mg/dm2である。
本発明の第3は銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する面にCr層又は/Cr合金層を設ける。銅箔表面にCr層又は/Cr合金層を設けることにより、ポリイミド系樹脂層と銅箔との間の接着強度を向上させることができる。クロム層は、一般的なクロム処理により形成することができる。クロム層の被覆量は少なすぎるとポリイミド系樹脂層の接着強度が低下し、多すぎるとパターン形成のエッチング時に、ファインパターンの形成が困難となるので、Cr量換算で0.03〜1.0mg/dm2、好ましくは0.05〜0.5mg/dm2である。
本発明の第4は、銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する面にニッケル層とクロメート層とを設ける。該銅箔表面に設けるNi層又は/及びNi合金層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有する層とすることが好ましく、その上に、Cr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層を設ける。ニッケル層上にクロメート層を設けることにより、ポリイミド系樹脂層との接着強度を適切に向上することができる。
本発明の第5は銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する面にニッケル層とクロム層とを設ける。該銅箔表面に設けるNi層又は/及びNi合金層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有する層とすることが好ましく、その上にCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/及びCr合金層を設ける。ニッケル層上にクロム層を設けることによりポリイミド系樹脂層との接着強度を適切に向上することができる。
本発明の前記表面処理銅箔上には、シランカップリング剤を塗布することが好ましい。シランカップリング剤処理は、ビニル系シラン、エポキシ系シラン、スチリル系シラン、メタクリロキシ系シラン、アクリロキシ系シラン、アミノ系シラン、ウレイド系シラン、クロロプロピル系シラン、メルカプト系シラン、スルフィド系シラン、イソシアネート系シラン等の一般に市販されているシランカップリング剤を使うことができる。特にポリイミド系樹脂層との接着性を高めるには、エポキシ系シラン、アミノ系シランが好適である。
また、本発明の表面処理銅箔に一般的な防錆処理を施こすと良い。一般的な防錆処理としてはZn処理又は/及びZn−クロメート処理、ベントリ処理などがある。
上述のように粒状の結晶組織からなる低粗度銅箔を用い、最適な表面処理を施すことで、接着強度に優れ、絶縁信頼性、屈曲特性、ファインパターン用途に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔及び該銅箔を使用したポリイミド系フレキシブル銅張積層板、該銅張積層板を加工したポリイミド系フレキシブルプリント配線板を作製することができる。
ファインパターンの形成として具体的には、従来の銅箔では、厚さ12μmの銅箔で配線ピッチL/S=75/75程度が限界であったが、本発明の銅箔を用いることで配線ピッチL/S=25/25のファインパターン化が可能である。
上述のように粒状の結晶組織からなる低粗度銅箔を用い、最適な表面処理を施すことで、接着強度に優れ、絶縁信頼性、屈曲特性、ファインパターン用途に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用表面処理銅箔及び該銅箔を使用したポリイミド系フレキシブル銅張積層板、該銅張積層板を加工したポリイミド系フレキシブルプリント配線板を作製することができる。
ファインパターンの形成として具体的には、従来の銅箔では、厚さ12μmの銅箔で配線ピッチL/S=75/75程度が限界であったが、本発明の銅箔を用いることで配線ピッチL/S=25/25のファインパターン化が可能である。
次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
この実施例は、本発明の一般的な説明をする目的で記載するものであり、何ら限定的意味を持つものではない。
この実施例は、本発明の一般的な説明をする目的で記載するものであり、何ら限定的意味を持つものではない。
1、実施例におけるめっき、表面処理条件
(1)粒状の結晶組織からなる銅箔の製箔条件
めっき浴:
Cu :70〜130g/l
H2SO4 :80〜140g/l
3―メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム: 0.5〜3ppm
ヒドロキシエチルセルロース : 1〜10ppm
低分子量膠(分子量3,000) : 1〜10ppm
塩化物イオン :10〜50ppm
電流密度:30〜70A/dm2
浴温 :30〜60℃
(1)粒状の結晶組織からなる銅箔の製箔条件
めっき浴:
Cu :70〜130g/l
H2SO4 :80〜140g/l
3―メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム: 0.5〜3ppm
ヒドロキシエチルセルロース : 1〜10ppm
低分子量膠(分子量3,000) : 1〜10ppm
塩化物イオン :10〜50ppm
電流密度:30〜70A/dm2
浴温 :30〜60℃
(2)粗化処理条件
めっき浴:
Cu : 20〜 35g/l
H2SO4 :110〜160g/l
電流密度:10〜50A/dm2
浴温 :5〜35℃
めっき浴:
Cu : 20〜 35g/l
H2SO4 :110〜160g/l
電流密度:10〜50A/dm2
浴温 :5〜35℃
(3)Niめっき処理条件
めっき浴:
NiSO4/7H2O :0〜360g/l
H3BO3 :20〜50g/l
電流密度:1〜5A/dm2
浴温 :15〜35℃
めっき浴:
NiSO4/7H2O :0〜360g/l
H3BO3 :20〜50g/l
電流密度:1〜5A/dm2
浴温 :15〜35℃
(4)Crめっき処理条件
めっき浴:
CrO3 :10〜300g/l
H2SO4 : 0.1〜3g/l
電流密度:1〜10A/dm2
浴温 :15〜35℃
めっき浴:
CrO3 :10〜300g/l
H2SO4 : 0.1〜3g/l
電流密度:1〜10A/dm2
浴温 :15〜35℃
(5)クロメート処理条件
処理浴:
CrO3 :0.5〜3g/l
電流密度:1〜4A/dm2
浴温 :15〜30℃
処理浴:
CrO3 :0.5〜3g/l
電流密度:1〜4A/dm2
浴温 :15〜30℃
(6)シランカップリング剤処理
3-アミノプロピルトリエトキシシラン :0.1〜0.5%溶液を塗布
3-アミノプロピルトリエトキシシラン :0.1〜0.5%溶液を塗布
実施例1
Tiドラムをカソードとし、前記製箔めっき浴にて粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.2mg/dm2のNiめっき処理を施した。
Tiドラムをカソードとし、前記製箔めっき浴にて粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.2mg/dm2のNiめっき処理を施した。
実施例2
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして1.0mg/dm2のNiめっき処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして1.0mg/dm2のNiめっき処理を施した。
実施例3
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、金属Cr量にして0.1mg/dm2のクロメート処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、金属Cr量にして0.1mg/dm2のクロメート処理を施した。
実施例4
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Cr量にして0.5mg/dm2のクロメート処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Cr量にして0.5mg/dm2のクロメート処理を施した。
実施例5
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Cr量にして0.5mg/dm2のCrめっき処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Cr量にして0.5mg/dm2のCrめっき処理を施した。
実施例6
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.2mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.1mg/dm2のクロメート処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.2mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.1mg/dm2のクロメート処理を施した。
実施例7
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.2mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.1mg/dm2のCrめっき処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.2mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.1mg/dm2のCrめっき処理を施した。
実施例8
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のCrめっき処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のCrめっき処理を施した。
実施例9
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理を施し、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理を施し、さらにシランカップリング剤処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理を施し、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理を施し、さらにシランカップリング剤処理を施した。
実施例10
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、粗化銅粒量0.02g/dm2の粗化処理を施し、さらにNi量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理、シランカップリング剤処理をこの順で施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、粗化銅粒量0.02g/dm2の粗化処理を施し、さらにNi量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理、シランカップリング剤処理をこの順で施した。
なお、本明細書において「粗化銅粒量」とは、銅箔表面の粗化処理により、銅箔表面に形成させた銅粒の単位面積当たりの重量をいう。
実施例11
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、粗化銅粒量0.08g/dm2の粗化処理を施し、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理、シランカップリング剤処理をこの順で施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、粗化銅粒量0.08g/dm2の粗化処理を施し、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理、シランカップリング剤処理をこの順で施した。
実施例12
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔の光沢面(Tiドラムに接着していた面)に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理をこの順で施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔の光沢面(Tiドラムに接着していた面)に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理をこの順で施した。
実施例13
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔の光沢面(Tiドラムに接着していた面)に、粗化銅粒量0.02g/dm2の粗化処理を施し、さらにNi量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理をこの順で施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔の光沢面(Tiドラムに接着していた面)に、粗化銅粒量0.02g/dm2の粗化処理を施し、さらにNi量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理をこの順で施した。
実施例14
12μmの圧延銅箔に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理を施した。
12μmの圧延銅箔に、Ni量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理を施した。
実施例15
12μmの圧延銅箔に、粗化銅粒量0.02g/dm2の粗化処理を施し、さらにNi量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理を施した。
12μmの圧延銅箔に、粗化銅粒量0.02g/dm2の粗化処理を施し、さらにNi量にして0.4mg/dm2のNiめっき処理、金属Cr量にして0.2mg/dm2のクロメート処理を施した。
比較例1
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
比較例2
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.01mg/dm2のNiめっき処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Ni量にして0.01mg/dm2のNiめっき処理を施した。
比較例3
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Zn量にして0.1mg/dm2のZnめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔のマット面(Tiドラムに接着していた面の反対側の面)に、Zn量にして0.1mg/dm2のZnめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
比較例4
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔の光沢面(Tiドラムに接着していた面)に、Zn量にして0.12mg/dm2のZnめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
Tiドラムをカソードとして粒状の結晶組織からなる12μmの銅箔を作成し、この銅箔の光沢面(Tiドラムに接着していた面)に、Zn量にして0.12mg/dm2のZnめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
比較例5
12μmの圧延銅箔に、Zn量にして0.1mg/dm2のZnめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
12μmの圧延銅箔に、Zn量にして0.1mg/dm2のZnめっき処理を施し、さらに金属Cr量にして0.02mg/dm2のクロメート処理を施した。
実施例1乃至15及び比較例1乃至5に付き粗化銅粒子の平均粒径、Rz、金属付着量、ピール強度を測定し、その結果を表1、2に示した。
表中のピール強度は、表面処理を施した銅箔に、ポリアミック酸ワニスを塗布し、発泡が起こらないように段階的に乾燥した後、窒素雰囲気下において330℃(30分間)でイミド化することにより、25μm厚のポリイミド系フレキシブル銅張積層板を作成し、銅箔にパターン加工を施し、23℃における接着強度(ピール強度)(kN/m)を測定した結果である。
各実施例と比較例とを表1、表2で比較する。
Ni量を0.2mg/dm2被覆した実施例1、Ni量を1.0mg/dm2被覆した実施例2、クロメート層を金属Cr量として0.1mg/dm2被覆した実施例3、クロメート層を金属Cr量として0.5mg/dm2被覆した実施例4、クロム層を金属Cr量として0.5mg/dm2被覆した実施例5、Ni量を0.2mg/dm2被覆し、さらにクロメート層を金属Cr量として0.1mg/dm2被覆した実施例6、 Ni量を0.2mg/dm2被覆し、さらにクロム層を金属Cr量として0.1mg/dm2被覆した実施例7は比較例1〜3に比較してピール強度が向上している。
Ni量を0.2mg/dm2被覆した実施例1、Ni量を1.0mg/dm2被覆した実施例2、クロメート層を金属Cr量として0.1mg/dm2被覆した実施例3、クロメート層を金属Cr量として0.5mg/dm2被覆した実施例4、クロム層を金属Cr量として0.5mg/dm2被覆した実施例5、Ni量を0.2mg/dm2被覆し、さらにクロメート層を金属Cr量として0.1mg/dm2被覆した実施例6、 Ni量を0.2mg/dm2被覆し、さらにクロム層を金属Cr量として0.1mg/dm2被覆した実施例7は比較例1〜3に比較してピール強度が向上している。
Ni量を0.4mg/dm2被覆し、さらにクロメート層を金属Cr量として0.2mg/dm2被覆した実施例8は実施例6よりもNi量、金属Cr量を多く被覆したことにより、ピール強度がさらに向上した。
実施例9は実施例8に対して、さらにシランカップリング剤処理を施したことにより、ピール強度がさらに向上した。
実施例10は実施例9に対して、粗化処理(粗化銅粒量0.02g/dm2)を施したことにより、ピール強度がさらに向上した。
実施例11は実施例10に対して、粗化処理(粗化銅粒量0.08g/dm2)を多く施したことにより、ピール強度がさらに向上した。
Ni量を0.4mg/dm2被覆し、さらにクロメート層を金属Cr量として0.2mg/dm2被覆した実施例12では、比較例4に比較してピール強度が向上している。
実施例13は実施例12に対して、粗化処理(粗化銅粒量0.02g/dm2)を施したことにより、ピール強度がさらに向上した。
Ni量を0.4mg/dm2被覆し、さらにクロメート層を金属Cr量として0.2mg/dm2被覆した実施例14では比較例5に比べてピール強度が向上している。
実施例15は実施例14に対して、粗化処理(粗化銅粒量0.02g/dm2)を施したことにより、ピール強度がさらに向上した。
実施例及び比較例で作成した表面処理銅箔に、ポリアミック酸ワニスを塗布し、発泡が起こらないように段階的に乾燥した後、窒素雰囲気下において330℃(30分間)でイミド化することにより、25μm厚のポリイミド系フレキシブル銅張積層板を作成し、銅箔にパターン加工を施した。その結果、実施例で作成した表面処理銅箔では高ピール強度を維持しつつ、配線ピッチL/S=25/25のファインパターンを形成することができた、また、絶縁信頼性も確保された。
なお、比較例においても実施例と同じ条件で配線ピッチL/S=25/25のファインパターンを形成したが、何れもピール強度が不足し、満足するポリイミド系フレキシブルプリント配線板を作成することができなかった。
なお、比較例においても実施例と同じ条件で配線ピッチL/S=25/25のファインパターンを形成したが、何れもピール強度が不足し、満足するポリイミド系フレキシブルプリント配線板を作成することができなかった。
本発明の銅箔は、適切な表面処理を施すことにより、高いピール強度を得ることができる。また、低粗度であることより、絶縁信頼性、屈曲特性、ファインパターン用途に優れたポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔、該銅箔を使用したポリイミド系フレキシブル銅張積層板及びポリイミド系フレキシブルプリント配線板を提供することができる。
Claims (12)
- ポリイミド系樹脂層に接着し、フレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層であることを特徴とするポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- ポリイミド系樹脂層に接着し、フレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層であることを特徴とするポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- ポリイミド系樹脂層に接着し、フレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/Cr合金層であることを特徴とするポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- ポリイミド系樹脂層に接着し、フレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層と、該Ni層又は/及びNi合金層の上に形成のCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するクロメート層であることを特徴とするポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- ポリイミド系樹脂層に接着し、フレキシブル銅張積層板を構成する表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔は、粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面に表面処理層が形成されており、該表面処理層はNi量にして0.03〜3.0mg/dm2含有するNi層又は/及びNi合金層と、該Ni層又は/及びNi合金層の上に形成のCr量にして0.03〜1.0mg/dm2含有するCr層又は/及びCr合金層であることを特徴とするポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- 粒状の結晶組織からなる銅箔の少なくともポリイミド系樹脂層と接触する片側表面を粗化処理して平均粒径1μm以下の銅粒層とし、該銅粒層表面に前記表面処理層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- 前記表面処理銅箔において、その少なくとも前記表面処理層表面にシランカップリング剤処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- 粒状の結晶組織からなる銅箔は電解銅箔又は圧延銅箔であり、その厚さは0.5〜70μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- 粒状の結晶組織からなる銅箔は電解銅箔であり、その表面粗さが10点平均粗さRzで2.5μm以下であり、素地山の最小ピーク間距離が5μm以上である粒状の結晶組織からなる請求項1乃至8のいずれかに記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- 粒状の結晶組織からなる銅箔は圧延銅箔であり、その表面粗さが10点平均粗さRzで1.0μm以下である粒状の結晶組織からなる請求項1乃至8のいずれかに記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔。
- 請求項1乃至7に記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板用銅箔を用いて作成したポリイミド系フレキシブル銅張積層板。
- 請求項11に記載のポリイミド系フレキシブル銅張積層板を用いて作成したポリイミド系フレキシブルプリント配線板。
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