JP2002167691A - 金属箔、それを用いた回路基板用の積層板 - Google Patents
金属箔、それを用いた回路基板用の積層板Info
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Abstract
基板の回路パターン用の箔として用いたときにファイン
な回路パターンのエッチング形成が可能な金属箔の提供
を目的とする。 【解決手段】 とくに表面に平均粒径2μm以下の結晶
粒が表出している電解銅箔である箔本体1と、箔本体1
の片面又は両面に電気めっきで付着せしめられた微細粒
子2の集合組織とから成る金属箔において、微細粒子は
その平均粒径が1μm以下であり、また前記微細粒子
は、Cuと、Ni,Co,FeおよびCrの群から選ば
れる少なくとも1種の元素(I)とから成る合金粒子で
あるか、または、前記合金粒子と、V,Mo,およびW
の群から選ばれる少なくとも1種の元素(II)の酸化物
粒子との混合物であり、前記微細粒子における前記元素
(I)存在量は、Cuの存在量1mg/dm2当たり0.1〜
3mg/dm2であり、また前記混合物における前記元素(I
I)の存在量は、Cuの存在量1mg/dm2当たり0.02
〜0.8mg/dm2である金属箔。
Description
た回路基板用の積層板に関し、更に詳しくは、樹脂材料
と接着したときの引き剥がし強さが大きく、例えば、回
路基板における回路パターン用の材料として有用な金属
箔と、それを用いた回路基板用の積層板に関する。
代表されるように、例えばBステージ状態にある樹脂基
板とその表面に接着された金属箔とから成る積層板の場
合、樹脂基板と金属箔間の接着性が優れていて、両者間
の引き剥がし強さは大きいことが要求される。
高める方法としては、従来から様々な方法が提案されて
いる。その1つの方法として、金属箔の表面を粗化して
全体の表面積を大きくし、当該粗化面を樹脂材料に食い
込ませて樹脂材料に対するアンカー効果を高めることに
より両者間の引き剥がし強さを高水準で確保する方法が
ある。
しては、当該金属箔の表面に、比較的大きな金属粒子を
例えば電解めっき法で付着せしめることにより金属箔の
表面を粗化する方法がある。この電解めっきで金属粒子
を付着する方法は、例えば、電解銅箔のマット面に粒径
が2〜5μmである銅粒子を付着するという形態で実施
されている。
樹脂材料との接着性が優れている金属や合金の微細粒子
を当該金属箔の表面に例えば電解めっき法で付着せしめ
ることにより、付着した微細粒子による接着表面積の拡
大効果も同時に発揮せしめて接着性を高める方法が知ら
れている。このような方法は、例えば圧延銅箔の表面に
NiとCuから成る合金粒子、またはこれら金属にCo
を添加して成る合金粒子を付着せしめる方法として提案
されている(特開昭52−145769号公報、特公平
6−50794号公報などを参照)。
接着された銅箔は通常エッチング処理によって所定の線
幅や線間ピッチの回路パターンに転換されるわけである
が、最近の各種電子部品の多機能化に伴う部品の高密度
実装の進展に対応するために、回路パターンに対しては
そのファインパターン化の要求が強まっている。このよ
うな要求を満たすためには、用いる銅箔の樹脂基板との
接着面をロープ口ファイル化、すなわち表面粗度を小さ
くすればよいのであるが、その場合には、他方で、樹脂
基板に対応するアンカー効果は小さくなって、接着性の
低下という問題が発生してくる。
は、銅の析出面の粗度がドラム側の表面(いわゆる光沢
面)の粗度と同等かそれよりも小さい値になっている電
解銅箔がファインパターン用として開示されている。こ
の電解銅箔は、その表面粗度が従来に比べて小さいので
ファインな回路パターンの形成にとっては有効である。
しかしながら、他方では、樹脂材料との接着面(例えば
銅の析出面)は表面粗度が小さい、すなわち凹凸が少な
く平滑面であるため、このままの状態で樹脂材料と接着
しても従来の電解銅箔の場合のようなアンカー効果は充
分に発揮されず所望する接着性は得られないという問題
がある。したがって、このような電解銅箔に対しても、
その平滑な接着面に微細粒子を付着せしめて粗化処理を
施したのちに、樹脂材料との接着に供することが必要に
なってくる。
粒子を付着せしめて樹脂材料との接着性を高めた金属箔
において、その箔本体の表面粗度は小さく、全体として
平滑な表面になっているので、ファインな回路パターン
にエッチングすることができるとともに、その表面に付
着せしめる微細粒子を後述するものに特定することによ
り、樹脂材料との引き剥がし強さを従来に比して大きく
した金属箔と、それを用いた回路基板用の積層板の提供
を目的とする。
ために、本発明においては、箔本体と、前記箔本体の片
面または両面に電解めっきで付着せしめられた微細粒子
の集合組織とから成る金属箔において、前記微細粒子は
その平均粒径が1μm以下であり、また前記微細粒子
は、Cuと、Ni,Co,FeおよびCrの群から選ば
れる少なくとも1種の元素(I)とから成る合金粒子で
あるか、または、前記合金粒子と、V,Mo,およびW
の群から選ばれる少なくとも1種の元素(II)の酸化物
粒子との混合物であり、前記微細粒子における前記元素
(I)の存在量は、Cuの存在量1mg/dm2当たり0.1
〜3mg/dm2であり、また前記混合物における前記元素
(II)の存在量は、Cuの存在量1mg/dm2当たり0.0
2〜0.8mg/dm2であることを特徴とする金属箔が提供
される。
径2μm以下の結晶粒が表出している電解銅箔、圧延銅
箔、または圧延銅合金箔である金属箔が提供される。ま
た、本発明においては、上記した金属箔と樹脂基板とを
接着して成る構造体を少なくとも1層含む、回路基板用
の積層板が提供される。
す。図1において、基材である箔本体1の片面には電解
めっきでそこに付着せしめられた後述する微細粒子2が
互いに連結して成る集合組織が形成されていて、この微
細粒子2側を樹脂材料に接着して実使用に供される。な
お、この微細粒子2は、箔本体1の両面に付着されてい
てもよい。
成材料は格別限定されるものではなく、例えば、Ni,
Fe,Sn,Ag,Cu,Ti,Alなどの金属単体、
またはこれら金属単体に他の金属を微量に含有せしめた
合金;真ちゅう、ステンレス鋼などの合金;Cu−S
n,Cu−Sn−Zn−Cr,Cu−Zn−Ni,Cu
−Zn−Ni−Ag,Cu−Zr,Cu−Fe−Sn−
Zn,Cu−Sn−Cr,Cu−Fe−Pなどの銅合金
のような材料をあげることができる。そして、これら材
料のうち、用いる材料は、製造する金属箔の用途目的と
の関係で適宜に選定される。
は、箔本体1としては銅箔または銅合金箔が使用され
る。そして、それは電解銅箔、圧延銅箔、または圧延銅
合金箔のいずれであってもよい。ただし、圧延銅箔や圧
延銅合金箔の場合には後述する処理を施してから使用す
ることが好ましい。また用途目的がバネ材である場合に
は、箔本体としてはバネ弾性に富む例えばステンレス鋼
の箔などが使用される。
されるものではなく、箔としては、通常、厚み3〜10
0μm程度であればよい。また、それ以上の厚みの材
料、いわゆる板または条であっても本発明に使用するこ
とができる。次に、上記した箔本体1の表面に付着せし
められる微細粒子について説明する。
きによって形成される。その場合、微細粒子2は、箔本
体1の表面に表出している結晶粒の結晶粒界に選択的に
析出し始め、そしてその粒界にツリー状に成長してい
く。したがって、微細粒子2は、電解めっきの過程で、
箔本体1の結晶粒の全面に均一に付着していくというよ
りはむしろ、結晶粒の粒界近傍に集中的に分布して付着
が進行していく。そして、それは平面的に広がっていく
が、結局、微細粒子2の付着は箔本体1の表面で局部的
になるという傾向を示す。
している金属箔は樹脂材料と接着したときに充分に高い
引き剥がし強さを示さない。高い引き剥がし強さは、箔
本体の表面に微細粒子が均一に分布して析出している状
態のときに実現することができる。このような問題に関
しては、次のような対応が有効であると考えられる。す
なわち、樹脂材料との間で高い引き剥がし強さを実現さ
せるためには、箔本体1に表出している結晶粒を微細に
して単位面積当たりに存在する結晶粒界の数を多くする
ことである。電解めっき時に箔本体1の単位面積当たり
に付着(析出)する微細粒子の量は多くなり、そのた
め、微細粒子は局部的に偏在することなく箔本体1の全
面に付着することができ、そのことにより、樹脂材料と
の接着性が高くなるからである。
箔本体1の表面に表出している結晶粒の平均粒径を2μ
m以下に設定することが好ましい。単位面積当たりの結
晶粒界の数が多くなり、したがって箔本体表面への微細
粒子の付着割合も多くなり、また偏在することなく付着
するため、樹脂材料との接着性を向上させることができ
るからである。
結晶粒は、その粒界に後述する微細粒子が選択的に析出
していくことからして、また、得られた金属箔の樹脂材
料への接着表面積の拡大効果を得るために、その平均粒
径は一般に微細粒子のそれよりも大きく設定される。そ
して、微細粒子2の平均粒径は、後述するように、樹脂
材料との接着性やファインな回路パターンの形成の関係
から1μm以下に設定されるので、箔本体の製箔条件に
も規制されるが、結晶粒の平均粒径の下限値は通常0.
01μm程度に設定されている。
とは、まず結晶粒が形成されている表面の写真を透過型
電子顕微鏡で撮影し、その写真における結晶粒の面積を
10点以上実測し、その結晶粒を実測面積を有する真円
にしたときの直径を計算し、そのときの計算値のことを
いう。このような箔本体1の表面に付着せしめられる微
細粒子は、本発明においては、次のような特徴を備えて
いる。
μm以下に設定されることである。この平均粒径が1μ
mより大きい場合には、箔本体1に付着せしめても、得
られた金属箔の接着表面積の拡大効果が小さく、そのた
め、樹脂材料との接着性も充分向上しないとともに、例
えば回路パターンをエッチングする際に、この微細粒子
が樹脂基板の方に残りやすくなり、ファインな回路パタ
ーンの形成が困難になるからである。
は、走査型電子顕微鏡で測定したときの10点以上の実
測値の平均値のことをいう。微細粒子の第2の特徴は、
次のような2種類の粒子のいずれかで構成されているこ
とである。すなわち、粒子I:Cuと、Ni,Co,F
e,Crの1種または2種以上の元素(本発明では、こ
の元素のことを元素(I)という)から成る合金粒子、
粒子II:上記した粒子Iと、V,Mo,Wの1種または
2種以上の元素(本発明では、この元素のことを元素
(II)という)の酸化物粒子との混合物、である。
金、Cu−Co合金、Cu−Fe合金、Cu−Cr合金
などの粒子を好適例としてあげることができる。Cu合
金粒子である上記粒子Iにおいて、Cuと元素(I)と
の構成割合は次のように設定される。すなわち、箔本体
の表面に付着したときの粒子IにおけるCu成分の存在
量(付着量)が箔本体の単位面積(1dm2)当たり1mg
であるとしたときに、合金の相手材料である元素Iの存
在量(付着量)が0.1〜3mg/dm2となるような組織の
合金粒子である。
3mg/dm2より多くなるような合金組成の粒子Iの場合
は、回路パターンをエッチングする際に、Coを除いて
溶解しにくく、樹脂基板の方に残るような問題が生じて
不都合であり、逆に0.1mg/dm2より少ない合金組成で
ある場合には、樹脂基板、とりわけポリイミド樹脂基板
に対してピール向上を期待できないというような不都合
が生ずるからである。
i合金粒子またはCu−Co合金粒子は、NiまたはC
oそれ自体がポリイミドのような樹脂材料に対して高い
接着性を示すので、合金粒子全体としても樹脂材料との
間で高い接着性を示すようになって好適である。その場
合、Cuの箔本体への存在量(付着量)が絶対量で4〜
20mg/dm2であり、NiまたはCoの存在量(付着
量)がCu1mg/dm2に対し0.1〜3mg/dm2であるC
u−Ni合金粒子またはCu−Co合金粒子は非常に高
い接着性を示すという点で好適である。
の混合物である。この粒子IIは、箔本体への電解めっき
時に、結晶粒の粒界に粒子Iが析出するが、同時にV,
Mo,Wは例えばV2O5,MoO3,WO3のような酸化
物粒子となって上記合金粒子と混在する状態で析出する
ことにより形成される。したがって、この粒子IIは、箔
本体の結晶粒の粒界を中心にして付着しているが、粒子
Iと酸化物粒子は適度に相互分散した状態で共存してい
る。
うに、結晶粒の粒界に選択的に付着するが、その場合、
全ての粒界に均一に付着するのではなく、ある特定の粒
界に集中的に付着するという傾向を示す。このような付
着状態が支配的に進行すると、全体としての付着量は増
加していても、合金粒子は粒界全体に均一に付着してい
るとは限らず、未付着の箇所では樹脂材料との接着性が
低下するという事態も発生することがある。
電解めっきを行うと、その理由は明確ではないが、V,
Mo,Wの酸化物粒子の働きで、上記合金粒子はある特
定の粒界に集中して付着する傾向が低下し、多数の結晶
粒の粒界に分散して付着するようになり、全体として均
一付着が実現する。その結果、粒子IIの場合は、粒子I
が単独で付着しているときよりも樹脂材料との接着性は
向上するという効果が得られる。
は次のように設定される。すなわち、箔本体の表面に付
着したときの粒子IIにおけるCu成分の存在量(付着
量)が箔本体の単位面積(1dm2)当たり1mgであると
したときに、元素IIの存在量(付着量)が酸化物換算値
で0.02〜0.8mg/dm2となるように設定される。元
素IIの存在量がCu1mg/dm2に対して0.8mg/dm2で
より多くなる、すなわち混合物における酸化物の粒子の
割合が多くなるような場合は、樹脂基板にプレスしたの
ち、ピールを引いたときに樹脂基板上に酸化物が残るよ
うな問題が生じて不都合であり、逆に0.02mg/dm2よ
り少なくなる、すなわち混合物における酸化物粒子の割
合が少なくなる場合には、Cuと粒子Iとから成る合金
粒子が、ある特定の粒界に集中して付着するようにな
り、樹脂基板とのピール強度が出ないというような不都
合が生ずるからである。
−Ni合金粒子またはCu−Co合金粒子とV2O5粒子
との混合物、Cu−Ni合金粒子またはCu−Co合金
粒子とMoO3粒子との混合物、Cu−Ni合金粒子ま
たはCu−Co合金粒子とWO3粒子との混合物などを
あげることができる。これらの合金粒子と酸化物粒子と
の混合物は、前記したNi成分またはCo成分の働きも
作用して樹脂材料、とりわけポリイミド樹脂との接着性
を高めるという点で好適である。
子を直接付着して本発明の金属箔にする場合であるが、
その場合の箔本体としては、一般に電解銅箔が好適に用
いられる。電解銅箔は、その表面に表出する結晶粒を微
細にすることができるからである。一方、銅箔には圧延
銅箔または圧延銅合金箔がある。この圧延銅箔または圧
延銅合金箔は、電解銅箔の場合と異なり、表面の結晶粒
が大きい。具体的には2μmより大きくなっているのが
通例である。そのため、ここに、直接、微細粒子を付着
してもその付着状態は局部的に偏在して高い接着性の実
現を期待することは困難である。
延銅合金箔を用いる場合には、当該圧延銅箔または圧延
銅合金箔の表面に一旦銅めっきを行い、そのときのめっ
き条件を制御することにより、微細な結晶粒から成る銅
めっき層で表面を覆い、その上に微細粒子を付着せしめ
るという処理を行うことになる。
法形状を有し、表面に表出する結晶粒の平均粒径が表1
で示した値の電解銅箔および圧延銅箔を箔本体として用
意した。
浸漬して表面の酸化皮膜を除去したのち充分に水洗し
た。ついで、各箔本体の片面に、下記の電解めっきを行
い、表1で示した微細粒子を付着せしめた。
m3,硫酸ニッケル(Ni金属として)12g/dm3,メ
タバナジン酸アンモニウム(V金属として)1.0g/d
m3,pH3.5,電流密度:10A/dm2,通電時間:3
秒,浴温:40℃。 2)電解めっきB めっき浴の組成:硫酸銅(Cu金属として)5g/d
m3,硫酸コバルト(Co金属として)12g/dm3,モ
リブデン酸アンモニウム(Mo金属として)1.0g/d
m3,pH3.5,電流密度:10A/dm2,通電時間:3
秒,浴温40℃。
m3,硫酸ニッケル(Ni金属として)12g/dm3,タ
ングステン酸アンモニウム(W金属として)1.0g/d
m3,pH3.5,電流密度:10A/dm2,通電時間:3
秒,浴温:40℃。 4)電解めっきD めっき浴の組成:硫酸銅(Cu金属として)5g/d
m3,硫酸ニッケル(Ni金属として)12g/dm3,pH
3.5,電流密度:10A/dm2,通電時間:3秒,浴
温:40℃。
得られた金属箔の表面は黒褐色になっていた。その後、
若干の亜鉛と若干のクロメートを付与して防色処理と防
錆処理を行った。また、微細粒子の組成に関しては、ま
ず付着した合金粒子の全量を計測し、ついで蛍光X線で
Ni成分とV(Mo,W)成分の定量を行い、付着量か
らこれら成分を減算してCu量を求めた。
し強さを求めた。樹脂材料としてユーピレックスVT
(商品名、宇部興産(株)製のポリイミドフィルム)を
用意し、これを、金属箔の微細粒子側の表面に重ね合わ
せたのち全体をステンレス鋼板で挟み、2660Paの真
空プレスで徐々に昇温、昇圧していき、温度330℃、
圧力0.2MPaの加熱・加圧状態下で10分間熱圧着し、
更に5MPaの加圧下で5分間保持したのち、徐々に冷
却、減圧した。得られた樹脂付き金属箔の引き剥がし強
さをピール試験器で測定した。測定片の幅は10mmと
し、測定温度は25℃である。3枚の結果の平均値を表
1に示した。
子の粒径が1μm以下で同じであったとしても、箔本体
の結晶粒が大きくなるにつれて引き剥がし強さは小さく
なっていく。このようなことから、箔本体の表面に表出
する結晶粒の粒径を小さくすることが有効であり、その
場合、1kN/m以上の引き剥がし強さを確保するために
は、粒径を2μm以下にし、そこに付着させる微細粒子
の粒径を1μm以下にすることが有用である。
かなように、同種のCu−Ni合金粒子の外にV酸化物
粒子を含んでいる微細粒子(粒子II)が付着している実
施例1は、Cu−Ni合金粒子(粒子I)のみが付着し
ている実施例4に比べて引き剥がし強さは著しく大き
い。このことは、酸化物粒子が混在する微細粒子を付着
させることの有用性を示す結果である。
金属箔は、箔本体の表面に付着せしめられる微細粒子
が、Cu,Ni,Co,Fe,Crなどの合金から成り
樹脂材料との接着性が良好な合金粒子、または、この合
金粒子に、V,Mo,Wの酸化物から成り、前記合金粒
子の箔本体への均一な分散析出を則す酸化物粒子が混在
する粒子などで構成されているので、この金属箔は樹脂
材料との接着性が優れている。そして、これら微細粒子
の粒径は1μm以下に設定されるので、この金属箔で製
造した例えば銅張積層板に回路パターンをエッチングし
たときに、その回路パターンをファイン化することがで
きる。
Claims (5)
- 【請求項1】 箔本体と、前記箔本体の片面または両面
に電解めっきで付着せしめられた微細粒子の集合組織と
から成る金属箔において、 前記微細粒子はその平均粒径が1μm以下であり、また
前記微細粒子は、Cuと、Ni,Co,FeおよびCr
の群から選ばれる少なくとも1種の元素(I)とから成
る合金粒子であるか、または、前記合金粒子と、V,M
o,およびWの群から選ばれる少なくとも1種の元素
(II)の酸化物粒子との混合物であり、 前記微細粒子における前記元素(I)の存在量は、Cu
の存在量1mg/dm2当たり0.1〜3mg/dm2であり、ま
た前記混合物における前記元素(II)の存在量は、Cu
の存在量1mg/dm2当たり0.02〜0.8mg/dm2である
ことを特徴とする金属箔。 - 【請求項2】 前記箔本体は、表面に平均粒径2μm以
下の結晶粒が表出している電解銅箔である請求項1の金
属箔。 - 【請求項3】 前記箔本体は圧延銅箔または圧延銅合金
箔であり、前記圧延銅箔または圧延銅合金箔と前記微細
粒子の集合組織の間には、平均粒径が2μm以下の結晶
粒が表出する銅めっき層が介在している請求項1の金属
箔。 - 【請求項4】 前記微細粒子がCu−Ni合金粒子また
はCu−Co合金粒子とVの酸化物粒子またはMo酸化
物粒子との混合物であり、前記箔本体が電解銅箔、圧延
銅箔、もしくは圧延銅合金箔のいずれかである請求項1
または2の金属箔。 - 【請求項5】 樹脂基板の少なくとも片面に、請求項1
〜4のいずれかの金属箔が接着されている構造体を少な
くとも1層含むことを特徴とする回路基板用の積層板。
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JP2000359633A JP3374127B2 (ja) | 2000-11-27 | 2000-11-27 | 金属箔、それを用いた回路基板用の積層板 |
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