JP2016135927A - めっき付き金属基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】半田密着性及び耐候性に優れた金属基材を提供する。【解決手段】金属基材の一部又は全部の表面上にCo−Ni合金めっき層、Co−Mo合金めっき層、又はCo−Ni−Mo合金めっき層が形成されためっき付き金属基材であって、該めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が13500μg/dm2以上であり、且つ、Co、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)が質量比で10%以上50%以下である金属基材であり、前記金属基材が、チタン銅、りん青銅、コルソン合金、丹銅、黄銅、又は洋白で形成されており、半田付けによって電子部品と接続して使用する用途に用いられるめっき付き金属基材。【選択図】なし

Description

本発明は、めっき付き金属基材に関する。また、本発明はめっき付き金属基材を備えた又はこれを使用した、キャリア付金属箔、コネクタ、端子、積層板、シールドテープ、シールド材、プリント配線板、金属加工部材、電子・電気機器、及び、プリント配線板の製造方法に関する。
電子・電気機器に幅広く利用されているプリント回路板は一般に、合成樹脂ボードやフイルム等の絶縁基材に接着剤を介して、あるいは接着剤を用いずに高温高圧下で金属箔を接着して金属張積層板を製造し、その後、金属箔側にエッチング工程を経て金属配線を形成することでプリント配線板とし、プリント配線板の金属配線上に各種の電子部品が半田付けにより搭載されることにより、製造される。
従来、金属箔のエッチング特性を向上させて線幅均一性の高い回路を形成する目的で、エッチング面側に銅よりエッチングレートの遅い金属又は合金層を形成する技術が知られている(特許文献1)。特許文献1によれば、エッチング面側に銅よりエッチングレートの遅い金属又は合金層を形成することで、銅箔の厚み方向のエッチング速度を制御することにより、ダレのない回路幅の均一な回路を形成できるとされている。また、特許文献1には、銅よりエッチングレートの遅い金属又は合金層として、コバルト、ニッケル又はこれらの合金層が例示されており、厚さは100〜10000μg/dm2とするのが良いことが開示されている。
特開2002−176242号公報
しかしながら、特許文献1においては、プリント回路板を作製するに際しての銅箔のエッチング性については考慮しているものの、プリント回路板において電子部品を搭載する際に使用する半田と金属配線の密着強度に関する考察は一切なされていない。また、プリント配線板以外の用途においてもエッチング性及び半田付け性の両者が求められることも考えられるが、特許文献1においてはプリント回路板しか念頭にない。また、金属基材の導電材料としての実用性を考えた場合は耐候性に関する考察も重要であるが、そのような考察も見られない。そこで、本発明は、半田密着性及び耐候性に優れた金属基材を提供することを課題の一つとする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、金属基材表面にCoめっき層、並びにCo、Ni及びMoからなる群から選択される2種以上の元素を含む合金めっき層よりなる群から選択されるめっき層を、該めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が13500μg/dm2以上となるように形成することで、半田密着性及び耐候性が顕著に向上することを見出した。本発明は当該知見に基づいて完成したものである。
本発明は一側面において、金属基材の一部又は全部の表面上にCoめっき層、並びにCo、Ni及びMoからなる群から選択される2種以上の元素を含む合金めっき層よりなる群から選択されるめっき層が形成されためっき付き金属基材であって、該めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が13500μg/dm2以上であるめっき付き金属基材である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が14000μg/dm2以上である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が25000μg/dm2以上である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が180000μg/dm2以下である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層において、Co、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)が質量比で80%以下である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層において、Co、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)が質量比で60%以下である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層において、Co、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)が質量比で50%以下である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層において、Co、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)が質量比で10%以上である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層と前記金属基材の間に下地層及び/又は粗化処理層が形成されている。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層がCo−Ni合金めっき層、Co−Mo合金めっき層、Ni−Mo合金めっき層及びCo−Ni−Mo合金めっき層よりなる群から選択される。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜2000μg/dm2含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜1000μg/dm2含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜500μg/dm2含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜2000μg/dm2含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜1000μg/dm2含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜500μg/dm2含む。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記金属基材が、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、鉄、鉄合金、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、金、金合金、銀、銀合金、白金族、白金族合金、クロム、クロム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、鉛、鉛合金、タンタル、タンタル合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、錫、錫合金、インジウム、インジウム合金、亜鉛、又は、亜鉛合金で形成されている。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記金属基材が、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、鉄、鉄合金、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、亜鉛、又は、亜鉛合金で形成されている。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記金属基材が、チタン銅、りん青銅、コルソン合金、丹銅、黄銅、洋白又はその他の銅合金で形成されている。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記金属基材が、金属条、金属板、又は、金属箔の形態である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記金属基材が圧延銅箔又は電解銅箔である。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記めっき層の表面に樹脂層を有する。
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、前記金属基材が二つの主表面を有し、その一方又は両方の面に前記めっき層を有する。
本発明は別の一側面において、キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄金属層をこの順に有するキャリア付金属箔であって、前記極薄金属層が本発明に係るめっき付き金属基材であるキャリア付金属箔である。
本発明に係るキャリア付金属箔の一実施形態においては、前記キャリアの一方の面に前記中間層、前記極薄金属層をこの順に有し、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する。
本発明に係るキャリア付金属箔の一実施形態においては、めっき付き金属基材の金属基材が銅製である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材を備えたコネクタである。
本発明は別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材を備えた端子である。
本発明は別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材又は本発明に係るキャリア付金属箔と樹脂基板とを積層して製造した積層板である。
本発明は別の一側面において、本発明に係る積層板を備えたシールドテープ又はシールド材である。
本発明は別の一側面において、本発明に係る積層板を備えたプリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材又は本発明に係るキャリア付金属箔を備えた金属加工部材である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材又は本発明に係るキャリア付金属箔を備えた電子・電気機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付金属箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付金属箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程を経て金属張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るキャリア付金属箔の前記極薄金属層側表面又は前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付金属箔の前記極薄金属層側表面又は前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリア又は前記極薄金属層を剥離させる工程、及び、
前記キャリア又は前記極薄金属層を剥離させた後に、前記極薄金属層又は前記キャリアを除去することで、前記極薄金属層側表面又は前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材と半田との接合体である。
本発明に係る接合体の一実施形態においては、半田と金属基材の接合界面にSn及びCoを含む熱拡散層が存在する。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材をエッチングにより形状加工する工程と、得られためっき付き金属基材の形状加工品をめっき層を有する箇所において半田付けにより導電性部材と接合する工程とを含むめっき付き金属基材と導電性部材の接続方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材を備えた電子部品である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材をばね材として備えたオートフォーカスモジュールである。
本発明は更に別の一側面において、レンズと、このレンズを光軸方向の初期位置に弾性付勢する本発明に係るめっき付き金属基材製のばね部材と、このばね部材の付勢力に抗する電磁力を生起して前記レンズを光軸方向へ駆動可能な電磁駆動手段を備えたオートフォーカスカメラモジュールであって、前記電磁駆動手段はコイルを備えており、ばね部材は前記めっき層を有する箇所において半田付けによりコイルと接合されているオートフォーカスカメラモジュールである。
本発明に係るめっき付き金属基材は半田密着性及び耐候性に優れている。このため、半田付けによって各種の導電性部材に接続することにも適しているほか、耐候性に優れていることから高温多湿といった過酷な環境下での利用にも適している。また、めっき層にCoを含有させることでエッチングにより回路形成をすることを含む形状加工に適しており、このような特性を活かして、本発明に係るめっき付き金属基材はエッチングにより回路形成を行い、後に半田付けによって電子部品と接続して使用する用途、例えばプリント回路板用の導電材料として好適に使用できる。また、スイッチ、コネクタ(特に、過酷な曲げ加工性を必要としないフォーク型のFPCコネクタ)、オートフォーカスカメラモジュール、ジャック、端子、リレー等の電子部品の材料として好適に使用することができる。
〔金属基材〕
本発明において使用する金属基材としては、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、鉄、鉄合金、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、金、金合金、銀、銀合金、白金族、白金族合金、クロム、クロム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、鉛、鉛合金、タンタル、タンタル合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、錫、錫合金、インジウム、インジウム合金、亜鉛、又は、亜鉛合金等が挙げられ、さらに公知の金属材料も使用することができる。また、JIS規格やCDA等で規格されている金属材料も使用することができる。また、金属基材が、金属条、金属板、又は、金属箔の形態であってもよい。
金属箔として銅箔を使用する場合、電解銅箔及び圧延銅箔のいずれでもよい。また、当該銅箔は、樹脂基板と接着させて積層体を作製し、エッチングにより除去することで回路が形成された電子部品を作製することに適した銅箔であってもよい。当該銅箔の厚さについても特に制限はなく、例えば、用途別に適した厚さに適宜調節して用いることができる。例えば、1〜5000μm程度あるいは2〜1000μm程度とすることができ、特に回路を形成して使用する場合には35μm以下、シールドテープ用としては18μm以下といった薄いものから、電子・電気機器内部のコネクタやシールド材、カバー、ばね等として用いる場合には70〜1000μmといった厚い材料にも適用することができ、特に上限の厚みを定めるわけではない。
銅としては、典型的には、JIS H0500やJIS H3100に規定されるリン脱酸銅(JIS H3100 合金番号C1201、C1220、C1221)、無酸素銅(JIS H3100 合金番号C1020)及びタフピッチ銅(JIS H3100 合金番号C1100)、電解銅箔などの95質量%以上、より好ましくは99.90質量%以上の純度の銅が挙げられる。Sn、Ag、Au、Co、Cr、Fe、In、Ni、P、Si、Te、Ti、Zn、B、MnおよびZrの中の一種以上を合計で0.001〜4.0質量%含有する銅又は銅合金とすることもできる。
銅合金としては、更に、チタン銅、りん青銅、コルソン合金、丹銅、黄銅、洋白、その他銅合金等が挙げられる。また、銅または銅合金としてはJIS H 3100〜JIS H3510、JIS H 5120、JIS H 5121、JIS C 2520〜JIS C 2801、JIS E 2101〜JIS E 2102に規格されている銅または銅合金も、本発明に用いることができる。なお、本明細書においては特に断らない限りは、金属の規格を示すために挙げたJIS規格は2001年度版のJIS規格を意味する。
チタン銅は典型的には、Ti:0.5〜5.0質量%を含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなる組成を有する。チタン銅は更に、Fe、Co、V、Nb、Mo、B、Ni、P、Zr、Mn、Zn、Si、Mg及びCrの中の1種類以上を合計で2.0質量%以下含有しても良い。
りん青銅は典型的には、りん青銅とは銅を主成分としてSn及びこれよりも少ない質量のPを含有する銅合金のことを指す。一例として、りん青銅はSnを3.5〜11質量%、Pを0.03〜0.35質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有する。りん青銅は、Ni、Zn等の元素を合計で1.0質量%以下含有しても良い。
コルソン合金は典型的にはSiに加えてSiと化合物を形成する元素(例えば、Ni、Co及びCrの何れか一種以上)が添加され、母相中に第二相粒子として析出する銅合金のことをいう。一例として、コルソン合金はNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.2〜1.6質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。別の一例として、コルソン合金はNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.2〜1.6質量%、Crを0.03〜0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。更に別の一例として、コルソン合金はNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.2〜1.6質量%、Coを0.1〜3.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。更に別の一例として、コルソン合金はNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.2〜1.6質量%、Coを0.1〜3.5質量%、Crを0.03〜0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。更に別の一例として、コルソン合金はSiを0.2〜1.6質量%、Coを0.1〜3.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。コルソン合金には随意にその他の元素(例えば、Mg、Sn、B、Ti、Mn、Ag、P、Zn、As、Sb、Be、Zr、Al及びFe)が添加されてもよい。これらその他の元素は総計で4.0質量%程度まで添加するのが一般的である。例えば、更に別の一例として、コルソン合金はNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.2〜1.6質量%、Snを0.01〜2.0質量%、Znを0.01〜2.0質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。
本発明において、丹銅とは、銅と亜鉛との合金であり亜鉛を1〜20質量%、より好ましくは亜鉛を1〜10質量%含有する銅合金のことをいう。また、丹銅は錫を0.1〜1.0質量%含んでも良い。
本発明において、黄銅とは、銅と亜鉛との合金で、特に亜鉛を20質量%以上含有する銅合金のことをいう。亜鉛の上限は特には限定されないが60質量%以下、好ましくは45質量%以下、あるいは40質量%以下である。
本発明において、洋白とは銅を主成分として、銅を60質量%から75質量%、ニッケルを8.5質量%から19.5質量%、亜鉛を10質量%から30質量%含有する銅合金のことをいう。
本発明において、その他銅合金とはZn、Sn、Ni、Mg、Fe、Si、P、Co、Mn、Zr、CrおよびTiの内一種または二種以上を合計で8.0%以下含み、随意的にその他の元素を20質量%以下含み、又は随意的にその他の元素を10質量%以下含み残部が不可避的不純物と銅からなる銅合金をいう。なお、その他の元素は特に制限されるものではない。
アルミ及びアルミ合金としては、例えばAlを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4000〜JIS H 4180、JIS H 5202、JIS H 5303あるいはJIS Z 3232〜JIS Z 3263に規格されているアルミ及びアルミ合金を用いることができる。例えば、JIS H 4000に規格されているアルミニウムの合金番号1085、1080、1070、1050、1100、1200、1N00、1N30に代表される、Al:99.00質量%以上のアルミニウム又はその合金等を用いることができる。
ニッケル及びニッケル合金としては、例えばNiを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4541〜JIS H 4554、JIS H 5701またはJIS G 7604〜 JIS G 7605、JIS C 2531に規格されているニッケルまたはニッケル合金を用いることができる。また、例えば、JIS H4551に記載の合金番号NW2200、NW2201に代表される、Ni:99.0質量%以上のニッケル又はその合金等を用いることができる。
鉄及び鉄合金としては、例えばステンレス、軟鋼、炭素鋼、鉄ニッケル合金、鋼等を用いることができる。例えばJIS G 3101〜JIS G 7603、JIS C 2502〜JIS C 8380、JIS A 5504〜JIS A 6514またはJIS E 1101〜JIS E 5402−1に記載されている鉄または鉄合金を用いることができる。ステンレスは、SUS 301、SUS 304、SUS 310、SUS 316、SUS 430、SUS 631(いずれもJIS規格)などを用いることができる。軟鋼は、炭素が0.15質量%以下の軟鋼を用いることができ、JIS G3141に記載の軟鋼等を用いることができる。鉄ニッケル合金は、Niを35〜85質量%含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、具体的には、JIS C2531に記載の鉄ニッケル合金等を用いることができる。
亜鉛及び亜鉛合金としては、例えばZnを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 2107〜JIS H 5301に記載されている亜鉛または亜鉛合金を使用することができる。
鉛及び鉛合金としては、例えばPbを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4301〜JIS H 4312、またはJIS H 5601に規格されている鉛または鉛合金を用いることができる。
マグネシウム及びマグネシウム合金としては、例えばMgを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4201〜JIS H 4204、JIS H 5203〜JIS H 5303、JIS H 6125に規格されているマグネシウム及びマグネシウム合金を用いることができる。
タングステン及びタングステン合金としては、例えばWを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4463に規格されているタングステン及びタングステン合金を用いることができる。
モリブデン及びモリブデン合金としては、例えばMoを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。
チタン及びチタン合金としては、例えばTiを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4600〜JIS H 4675、JIS H 5801に規格されているチタン及びチタン合金を用いることができる。
タンタル及びタンタル合金としては、例えばTaを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4701に規格されているタンタル及びタンタル合金を用いることができる。
ジルコニウム及びジルコニウム合金としては、例えばZrを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 4751に規格されているジルコニウム及びジルコニウム合金を用いることができる。
錫及び錫合金としては、例えばSnを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。例えば、JIS H 5401に規格されている錫及び錫合金を用いることができる。
インジウム及びインジウム合金としては、例えばInを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。
クロム及びクロム合金としては、例えばCrを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。
銀及び銀合金としては、例えばAgを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。
金及び金合金としては、例えばAuを40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。
白金族とはルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の総称である。白金族及び白金族合金としては、例えばPt、Os、Ru、Pd、Ir及びRhの元素群から選択される少なくとも1種以上の元素を40質量%以上含むあるいは、80質量%以上含む、あるいは99.0質量%以上含むものを使用することができる。
本発明において使用する金属基材の形状としては、特に制限はないが、最終的な電子部品の形状に加工されていてもよいし、部分的にプレス加工がなされた状態にあってもよい。形状加工が行われておらず、板や箔の形態にあってもよい。形状加工前にめっきを行う「前めっき」の場合は、プレス加工後にめっき未処理部分が残存し、形状加工後にめっきを行う「後めっき」の場合は表面全体についてめっき処理できるということに留意しながら、どの形状加工段階で表面処理を行うかを、めっきすべき部分との兼ね合いで適宜決定すればよい。
〔めっき層〕
本発明に係るめっき付き金属基材は一実施形態において、Coめっき層、並びにCo、Ni及びMoからなる群から選択される2種以上の元素を含む合金めっき層よりなる群から選択されるめっき層を金属基材表面に有する。Co、Ni及びMoからなる群から選択される2種以上の元素を含む合金めっき層は、典型的な実施形態において、Co−Ni合金めっき層、Co−Mo合金めっき層、Ni−Mo合金めっき層及びCo−Ni−Mo合金めっき層よりなる群から選択される。
当該めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が13500μg/dm2以上であることで、金属基材と半田の密着強度及び耐候性が顕著に向上する。また、めっき層中にCoを含有させることでエッチング性の向上効果も得られる。理論によって本発明が限定されることを意図するものではないが、Ni、Co及びMoは酸素との反応性が低く酸化物を形成しにくく、また、半田付けの際に半田を構成する主成分であるSnと相互に熱拡散しやすいことから、半田の密着強度や耐候性の向上効果が顕著に表れると推測される。
前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量は14000μg/dm2以上であることが好ましく、25000μg/dm2以上であることがより好ましく、50000μg/dm2以上であることが更により好ましい。一方で、Co、Ni及びMoの合計付着量を過度に増加させるとてもコスト高になる上に効果が飽和する傾向にある。また、エッチング性にも悪影響がある。このため、Co、Ni及びMoの合計付着量は180000μg/dm2以下であることが好ましく、55000μg/dm2以下であることがより好ましい。
優れた半田密着性及び耐候性に加えて、エッチング性も確保する観点からは、Co比率が高い、すなわちNi及びMoの合計比率が低い方が好ましく、具体的にはめっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)を80質量%以下とすることが好ましく、60質量%以下とすることがより好ましく、50量%以下とすることが更により好ましい。但し、Ni+Mo比率(%)が低すぎると耐候性に悪影響があり、また、Coは高価な金属であるため、Coの単独めっき層とするとコストが割高となってしまう。このため、半田密着性、耐候性、エッチング性及び経済性を総合的に考慮するとめっき層中のNi+Mo比率(%)は0質量%超以上とすることが好ましく、1質量%以上とすることがより好ましく、2質量%以上とすることが更により好ましく、10質量%以上とすることが更により好ましく、20質量%以上とすることが更により好ましい。
以上の解説を踏まえてめっき層中の各元素の付着量について言及すると、Coの付着量はエッチング性を確保する観点から3000μg/dm2以上が好ましく、8100μg/dm2以上がより好ましく、8400μg/dm2以上が更により好ましく、15000μg/dm2以上が更により好ましく、30000μg/dm2以上が更により好ましい。また、Coの付着量は耐候性及び経済性の観点から108000μg/dm2以下が好ましく、54000μg/dm2以下がより好ましく、33000μg/dm2以下が更により好ましい。
Ni及びMoの合計付着量は耐候性を確保する観点から、0μg/dm2超が好ましく、6750μg/dm2以上が好ましく、10000μg/dm2以上が好ましく、20000μg/dm2以上が好ましい。また、Ni及びMoの合計付着量はエッチング性の観点から72000μg/dm2以下が好ましく、36000μg/dm2以下がより好ましく、22000μg/dm2以下が更により好ましい。NiとMoは類似の性質を有するが、Moのほうが耐候性に優れる一方で、Moのほうがエッチング性を悪化させやすいことから、両者は併存させることが耐候性及びエッチング性のバランスの観点からは好ましい。例えばめっき層におけるNiとMoの含有比率は質量比でNi:Mo=10:0〜0:10とすることができ、Ni:Mo=9:1〜1:9が好ましく、Ni:Mo=8:2〜2:8がより好ましく、Ni:Mo=6:4〜4:6が更により好ましい。
なお、Coめっき層、Co−Ni合金めっき層、Co−Mo合金めっき層、Ni−Mo合金めっき層及びCo−Ni−Mo合金めっき層にはそれぞれ不可避的不純物が含有し得る。また、その他の元素も本発明の目的を阻害しない範囲でめっき層中に含有させることも可能である。そのため、本発明においては、Coめっき層というのはCoが50質量%以上を占めるめっき層を指す。典型的にはCoめっき層中のCo濃度は60質量%以上であり、より典型的には80質量%以上であり、更により典型的には90質量%以上であり、更により典型的には98質量%以上であり、100質量%とすることもできる。本発明においては、Co−Ni合金めっき層というのはCo及びNiの合計濃度が50質量%以上を占めるめっき層を指す。典型的にはCo−Ni合金めっき層中のCo及びNiの合計濃度は60質量%以上であり、より典型的には80質量%以上であり、更により典型的には90質量%以上であり、更により典型的には98質量%以上であり、100質量%とすることもできる。本発明においては、Co−Mo合金めっき層というのはCo及びMoの合計濃度が50質量%以上を占めるめっき層を指す。典型的にはCo−Mo合金めっき層中のCo及びMoの合計濃度は60質量%以上であり、より典型的には80質量%以上であり、更により典型的には90質量%以上であり、更により典型的には98質量%以上であり、100質量%とすることもできる。本発明においては、Ni−Mo合金めっき層というのはNi及びMoの合計濃度が50質量%以上を占めるめっき層を指す。典型的にはNi−Mo合金めっき層中のNi及びMoの合計濃度は60質量%以上であり、より典型的には80質量%以上であり、更により典型的には90質量%以上であり、更により典型的には98質量%以上であり、100質量%とすることもできる。また、本発明においては、Co−Ni−Mo合金めっき層というのはCo、Ni及びMoの合計濃度が50質量%以上を占めるめっき層を指す。典型的にはCo−Ni−Mo合金めっき層中のCo、Ni及びMoの合計濃度は60質量%以上であり、より典型的には80質量%以上であり、更により典型的には90質量%以上であり、更により典型的には98質量%以上であり、100質量%とすることもできる。
めっき層中に含有させることが可能なCo、Ni及びMo以外の元素としては、常温における酸素との反応性の低い元素、すなわち、酸化物のエリンガムダイヤグラム(例えば、「社団法人日本鉄鋼協会、“第3版 鉄鋼便覧 第I巻 基礎“、昭和58年、丸善株式会社」を参照)における、固体の酸化物の標準生成自由エネルギーΔG°が温度300Kにおいて−440kJ/mol O2以上である酸化物を有する元素が挙げられる。例示的には、めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を含有し得る。この場合、例示的には、これらの元素のめっき層中の付着量は合計で0〜2000μg/dm2とすることができ、典型的には0〜1000μg/dm2とすることができ、より典型的には0〜500μg/dm2とすることができる。
典型的には前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を含有し得る。この場合、例示的には、これらの元素のめっき層中の付着量は合計で0〜2000μg/dm2とすることができ、典型的には0〜1000μg/dm2とすることができ、より典型的には0〜500μg/dm2とすることができる。
前記めっき層は金属基材の一部または全部に形成されていてもよい。また、金属基材の主表面の一方または両方の面にめっき層を形成してもよい。本発明に係るめっき付き金属基材の一実施形態においては、金属基材を箔の形態として提供し、金属箔の一方又は両方の主表面に前記めっき層を形成してもよい。めっき層は、例えば電気めっき、無電解めっき及び浸漬めっきのような湿式めっき等により得ることができる。コストの観点から電気めっきが好ましい。
金属基材と前記めっき層との間には、Coめっき、又はCo、Ni及びMoからなる群から選択される2種以上の元素を含む合金めっきの機能を阻害しない限り、下地層を設けてもよい。下地層としては、限定的ではないが、Cuめっき層、Snめっき層、Niめっき層、Cu−Znめっき層、Zn−Niめっき層、Cu−Co−Niめっき層、Cu−Coめっき層、Cu−Niめっき層、Ni−Wめっき層、Ni−W−Snめっき層、Cu−Asめっき層、Cu−Wめっき層、Cu−W−Asめっき層、貴金属(Au,Ag,白金族元素)めっき層、クロメート処理層、シランカップリング処理層等で構成した下地層が挙げられる。
金属基材と前記めっき層との間には、粗化処理層を設けてもよく、エッチング、研磨等による無光沢化加工、平滑めっき等による光沢化加工を施してもよい。これらの加工によって、仕上がりの光沢度を容易に調整することが可能になる。光沢度が低い場合には、全体としてくすんだ色味となり、落ち着いた雰囲気を醸すという好ましい効果がある。また、光沢度が高い場合には、全体として光輝き、鮮やかで、爽やかな印象を観察者に与えるという好ましい効果がある。
前記めっき層上の最表層には、防錆効果を高めるために、半田密着性に悪影響を与えない範囲で、さらに、クロム層若しくはクロメート処理層、及び/又は、シランカップリング処理層で構成された防錆処理層を形成してもよい。なお、クロメート処理層は通常用いられるクロメート処理条件で形成された場合、厚みが極めて薄いため、半田密着性には悪影響を与えない。
本発明に係るめっき付き金属基材のめっき層側またはめっき層とは反対側を樹脂基板に貼り合わせてシールドテープ又はシールド材等の積層体を製造することができる。また、必要であればさらに当該めっき付き金属基材を加工して回路を形成することにより、プリント配線板等を製造することができる。樹脂基板としては、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用やテープ用としてポリエステルフィルムやポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)、PETフィルム等を使用する事ができる。なお、本発明において、「プリント配線板」には部品が装着されたプリント配線板およびプリント回路板およびプリント基板も含まれることとする。また、本発明のプリント配線板を2つ以上接続して、プリント配線板が2つ以上接続したプリント配線板を製造することができ、また、本発明のプリント配線板を少なくとも1つと、もう1つの本発明のプリント配線板又は本発明のプリント配線板に該当しないプリント配線板とを接続することができ、このようなプリント配線板を用いて電子・電気機器を製造することもできる。なお、本発明において、「銅回路」には銅配線も含まれることとする。
また、本発明のめっき付き金属基材は放熱板、構造板、シールド材、シールド板、補強材、カバー、筐体、ケース、箱などに使用して、放熱板等の金属加工部材を作製することができる。すなわち、めっき付き金属基材は放熱板、構造板、シールド材、シールド板、補強材、カバー、筐体、ケース、箱を含む概念である。また、本発明のめっき付き金属基材を当該放熱板、構造板、シールド材、シールド板、補強材、カバー、筐体、ケース、箱などに使用して作製した金属加工部材を電子・電気機器に用いることができる。
本発明に係るめっき付き金属基材は以上のような用途において、エッチングによりめっき付き金属基材に形状加工を施し、形状加工品をめっき層を有する箇所において半田付けにより導電性部材と接合する工程を実施する場合に特に好適に使用できる。従って、本発明は一側面において、本発明に係るめっき付き金属基材と半田との接合体を提供する。本発明に係る接合体の一実施形態においては、半田と金属基材の接合界面にはSn−Coを含む熱拡散層が存在する。熱拡散層は、金属基材表面のめっき層中に含まれるCoと半田中に含まれるSnが半田付け時の熱により相互に拡散することで形成され得る。理論によって本発明が限定されることを意図するものでないが、この熱拡散層により、半田との密着性が向上すると考えられる。
〔キャリア付金属箔〕
本発明の別の実施の形態であるキャリア付金属箔は、キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄金属層をこの順に有する。そして、前記極薄金属層として前述しためっき付き金属基材を使用できる。この場合、後の回路形成でエッチングされ、更には半田付けされることを考慮して、めっき層は金属基材の少なくとも半田付けされる表面に形成することが好ましい。半田付けされる表面は回路形成プロセスによって変動し得る。半田付けされる表面は極薄金属層の中間層と対向する表面側になり得るし、極薄金属層の中間層と対向する表面と反対側の表面にもなり得るし、これら両表面にもなり得る。
<キャリア>
本発明に用いることのできるキャリアは典型的には金属箔または樹脂フィルムであり、例えば銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、鉄箔、鉄合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、絶縁樹脂フィルム(例えばポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等)の形態で提供される。
本発明に用いることのできるキャリアとしては銅箔を使用することが好ましい。銅箔は電気伝導度が高いため、その後の中間層、極薄金属層の形成が容易となるからである。キャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば5μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。従って、キャリアの厚みは典型的には12〜70μmであり、より典型的には18〜35μmである。
また、キャリアは以下の方法で作製された電解銅箔を用いることができる。
<電解液組成>
銅:90〜110g/L
硫酸:90〜110g/L
塩素:50〜100ppm
レベリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10〜30ppm
レベリング剤2(アミン化合物):10〜30ppm
上記のアミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いることができる。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
<製造条件>
電流密度:70〜100A/dm2
電解液温度:50〜60℃
電解液線速:3〜5m/sec
電解時間:0.5〜10分間(析出させる銅厚、電流密度により調整)
なお、キャリアの極薄金属層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けてもよい。当該粗化処理層を公知の方法を用いて設けてもよく、上述の粗化処理により設けてもよい。キャリアの極薄金属層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けることは、キャリアを当該粗化処理層を有する表面側から樹脂基板などの支持体に積層する際、キャリアと樹脂基板が剥離しにくくなるという利点を有する。
<中間層>
キャリア上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間に他の層を設けてもよい。本発明で用いる中間層は、キャリア付金属箔が絶縁基板への積層工程前にはキャリアから極薄金属層が剥離し難い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアから極薄金属層が剥離可能となるような構成であれば特に限定されない。例えば、本発明のキャリア付金属箔の中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、これらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含んでも良い。また、中間層は複数の層であっても良い。
また、例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成し、その上にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素の水和物または酸化物、あるいは有機物からなる層を形成することで構成することができる。
また、例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成し、その上にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成することで構成することができる。
また、中間層は前記有機物として公知の有機物を用いることが出来、また、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びカルボン酸のいずれか一種以上を用いることが好ましい。例えば、具体的な窒素含有有機化合物としては、置換基を有するトリアゾール化合物である1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等を用いることが好ましい。
硫黄含有有機化合物には、メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、チオシアヌル酸及び2−ベンズイミダゾールチオール等を用いることが好ましい。
カルボン酸としては、特にモノカルボン酸を用いることが好ましく、中でもオレイン酸、リノール酸及びリノレイン酸等を用いることが好ましい。
また、例えば、中間層は、キャリア上に、ニッケル層、ニッケル−リン合金層又はニッケル−コバルト合金層と、クロム含有層とがこの順で積層されて構成することができる。ニッケルと銅との接着力はクロムと銅の接着力よりも高いので、極薄金属層を剥離する際に、極薄金属層とクロム含有層との界面で剥離するようになる。また、中間層のニッケルにはキャリアから銅成分が極薄金属層へと拡散していくのを防ぐバリア効果が期待される。中間層におけるニッケルの付着量は好ましくは100μg/dm2以上40000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上4000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上2500μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上1000μg/dm2未満であり、中間層におけるクロムの付着量は5μg/dm2以上100μg/dm2以下であることが好ましい。中間層を片面にのみ設ける場合、キャリアの反対面にはNiめっき層などの防錆層を設けることが好ましい。上記中間層のクロム層はクロムめっきやクロメート処理により設けることができる。
中間層の厚みが大きくなりすぎると、中間層を形成するためのコストが増加する場合があるため、中間層の厚みは1〜1000nmであることが好ましく、1〜500nmであることが好ましく、2〜200nmであることが好ましく、2〜100nmであることが好ましく、3〜60nmであることがより好ましい。なお、中間層はキャリアの両面に設けてもよい。
<極薄金属層>
中間層の上には極薄金属層、すなわち本発明に係るめっき付き金属基材を設けることができる。中間層と極薄金属層の間には他の層を設けてもよい。極薄金属層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば35μm以下であり、また例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には1.5〜5μmである。また、中間層の上に極薄金属層を設ける前に、極薄金属層のピンホールを低減させるために銅−リン合金等によるストライクめっきを行ってもよい。ストライクめっきにはピロリン酸銅めっき液などが挙げられる。なお、極薄金属層はキャリアの両面に設けてもよい。極薄金属層は銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、金、金合金、銀、銀合金、白金族、白金族合金、クロム、クロム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、鉛、鉛合金、タンタル、タンタル合金、錫、錫合金、インジウム、インジウム合金、亜鉛、又は、亜鉛合金等の金属を含む、または、当該金属からなる極薄金属層であってもよく、さらに公知の金属材料も極薄金属層として使用することができる。また、JIS規格やCDA等で規格されている金属材料も極薄金属層として使用することができる。なお、極薄金属層として極薄銅層を用いることが好ましい。極薄銅層は導電率が高く、回路等の用途に適しているからである。
また、本発明の極薄金属層は下記の条件で電着金属層を形成した後に、その上に上述しためっき層を設けることで製造してもよく、中間層の上に上述しためっき層を設けてその上に下記の条件で電着金属層を形成することで製造してもよい。
・電解液組成
銅:80〜130g/L
硫酸:80〜120g/L
塩素:30〜100ppm
レベリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10〜30ppm
レベリング剤2(アミン化合物):10〜30ppm
上記のアミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いることができる。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
また、Ti、Si、Mg、P、Sn、Zn、Cr、W、Zr、V、Na、Ca、Ba、Cs、Mn、K、Ga、B、Nb、Ce、Be、Nd、Sc、Hf、Ho、Lu、Yb、Dy、Er、Pr、Y、Li、Gd、Pu、In、Fe、La、Th、Ta、U、Sm、Tb、Sr、Tm及びAlからなる群から選択される一種以上の元素を電解液中に添加してもよく、例えば各元素濃度を0.001〜30g/Lとすることができる。
・製造条件
電流密度:70〜100A/dm2
電解液温度:50〜80℃
電解液線速:1.5〜5m/sec
電解時間:0.5〜10分間(析出させる厚み、電流密度により調整)
〔めっき層上の樹脂層〕
本発明に係るめっき付き金属基材のめっき層表面に樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。なお本発明のめっき付き金属基材において「めっき層表面」とは、粗化処理層、耐熱層、防錆層、耐候性層などを設けるための表面処理をめっき層上に行った場合には、当該表面処理を行った後のめっき付き金属基材の表面のことをいう。また、めっき付き金属基材がキャリア付金属箔の極薄金属層である場合には、「めっき層表面」とは、粗化処理層、耐熱層、防錆層、耐候性層などを設けるための表面処理を行った場合には、当該表面処理を行った後の極薄金属層の表面のことをいう。なお、前記樹脂層には光透過性を有する樹脂を用いることが好ましく、光透過性の高い樹脂を用いることがより好ましく、透明な樹脂を用いることがより好ましい。
前記樹脂層は接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
前記樹脂層は接着用樹脂、すなわち接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399号、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
また、前記樹脂層は、その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリマレイミド化合物、マレイミド系樹脂、芳香族マレイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルフォンともいう)、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルフォンともいう)樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂ポリマー、ゴム性樹脂、ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミドイミド樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、カルボキシル基変性アクリロニトリル-ブタジエン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化性ポリフェニレンオキサイド樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボン酸の無水物、多価カルボン酸の無水物、架橋可能な官能基を有する線状ポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、リン含有フェノール化合物、ナフテン酸マンガン、2,2−ビス(4−グリシジルフェニル)プロパン、ポリフェニレンエーテル−シアネート系樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、シアノエステル樹脂、フォスファゼン系樹脂、ゴム変成ポリアミドイミド樹脂、イソプレン、水素添加型ポリブタジエン、ポリビニルブチラール、フェノキシ、高分子エポキシ、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、ビスフェノール、ブロック共重合ポリイミド樹脂およびシアノエステル樹脂の群から選択される一種以上を含む樹脂を好適なものとして挙げることができる。
また前記エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであって、電気・電子材料用途に用いることのできるものであれば、特に問題なく使用できる。また、前記エポキシ樹脂は分子内に2個以上のグリシジル基を有する化合物を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂が好ましい。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ブロム化(臭素化)エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N-ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン化合物、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル化合物、リン含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、の群から選ばれる1種又は2種以上を混合して用いることができ、又は前記エポキシ樹脂の水素添加体やハロゲン化体を用いることができる。
前記リン含有エポキシ樹脂として公知のリンを含有するエポキシ樹脂を用いることができる。また、前記リン含有エポキシ樹脂は例えば、分子内に2以上のエポキシ基を備える9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドからの誘導体として得られるエポキシ樹脂であることが好ましい。
(樹脂層が誘電体(誘電体フィラー)を含む場合)
前記樹脂層は誘電体(誘電体フィラー)を含んでもよい。
上記いずれかの樹脂層または樹脂組成物に誘電体(誘電体フィラー)を含ませる場合には、キャパシタ層を形成する用途に用い、キャパシタ回路の電気容量を増大させることができるのである。この誘電体(誘電体フィラー)には、BaTiO3、SrTiO3、Pb(Zr−Ti)O3(通称PZT)、PbLaTiO3・PbLaZrO(通称PLZT)、SrBi2Ta2O9(通称SBT)等のペブロスカイト構造を持つ複合酸化物の誘電体粉を用いる。
誘電体(誘電体フィラー)は粉状であってもよい。誘電体(誘電体フィラー)が粉状である場合、この誘電体(誘電体フィラー)の粉体特性は、粒径が0.01μm〜3.0μm、好ましくは0.02μm〜2.0μmの範囲のものであることが好ましい。なお、誘電体を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真撮影し、当該写真上の誘電体の粒子の上に直線を引いた場合に、誘電体の粒子を横切る直線の長さが最も長い部分の誘電体の粒子の長さをその誘電体の粒子の径とする。そして、測定視野における誘電体の粒子の径の平均値を、誘電体の粒径とする。
前述の樹脂層に含まれる樹脂および/または樹脂組成物および/または化合物を例えばメチルエチルケトン(MEK)、シクロペンタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、トルエン、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤に溶解して樹脂液(樹脂ワニス)とし、これを前記めっき付き金属基材の粗化処理表面の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100〜250℃、好ましくは130〜200℃であればよい。前記樹脂層の組成物を、溶剤を用いて溶解し、樹脂固形分3wt%〜70wt%、好ましくは、3wt%〜60wt%、好ましくは10wt%〜40wt%、より好ましくは25wt%〜40wt%の樹脂液としてもよい。なお、メチルエチルケトンとシクロペンタノンとの混合溶剤を用いて溶解することが、環境的な見地より現段階では最も好ましい。なお、溶剤には沸点が50℃〜200℃の範囲である溶剤を用いることが好ましい。
また、前記樹脂層はMIL規格におけるMIL−P−13949Gに準拠して測定したときのレジンフローが5%〜35%の範囲にある半硬化樹脂膜であることが好ましい。
本件明細書において、レジンフローとは、MIL規格におけるMIL−P−13949Gに準拠して、厚さ55μmの樹脂層を備えためっき付き金属基材から10cm角試料を4枚サンプリングし、この4枚の試料を重ねた状態(積層体)でプレス温度171℃、プレス圧14kgf/cm2、プレス時間10分の条件で張り合わせ、そのときの樹脂流出重量を測定した結果から数1に基づいて算出した値である。
前記樹脂層を備えためっき付き金属基材は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでめっき付き金属基材がキャリア付金属箔の極薄金属層である場合にはキャリアを剥離して極薄金属層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄金属層の中間層側の表面である)、めっき付き金属基材の粗化処理されている側とは反対側の表面から所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
この樹脂層を備えためっき付き金属基材を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても金属張積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
この樹脂層の厚みは0.1〜120μmであることが好ましい。
樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂層を備えためっき付き金属基材を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。一方、樹脂層の厚みを120μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる場合がある。
なお、樹脂層を備えためっき付き金属基材が極薄の多層プリント配線板を製造することに用いられる場合には、前記樹脂層の厚みを0.1μm〜5μm、より好ましくは0.5μm〜5μm、より好ましくは1μm〜5μmとすることが、多層プリント配線板の厚みを小さくするために好ましい。
以下に、本発明に係るキャリア付金属箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を極薄金属層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程を経て金属張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法の何れかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は金属箔シード層上に薄い無電解めっきを行い、パターンを形成後、電気めっき及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。
従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄金属層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電気めっき層を設ける工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、前記極薄金属層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電気めっき層を設ける工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄金属層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、を含む。
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電気めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法を指す。
従って、モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電めっき層を設ける工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層表面にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストを設けた後に、電気めっきにより回路を形成する工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄金属層をフラッシュエッチングにより除去する工程、を含む。
また、前記樹脂層上に回路を形成する工程が、前記樹脂層上に別のキャリア付金属箔を極薄金属層側から貼り合わせ、前記樹脂層に貼り合わせたキャリア付金属箔を用いて前記回路を形成する工程であってもよい。また、前記樹脂層上に貼り合わせる別のキャリア付金属箔が、本発明のキャリア付金属箔であってもよい。また、前記樹脂層上に回路を形成する工程が、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行われてもよい。また、前記表面に回路を形成するキャリア付金属箔が、当該キャリア付金属箔のキャリアの表面に基板または樹脂層を有してもよい。
モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層の上にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電気めっき層を設ける工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄金属層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、を含む。
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解めっき処理によって厚付けを行うことにより、プリント配線板を製造する方法を指す。
従って、パートリーアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層表面にエッチングレジストを設ける工程、前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、前記極薄金属層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、前記エッチングレジストを除去する工程、前記極薄金属層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、を含む。
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成する方法を指す。
従って、サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の表面に、電気めっき層を設ける工程、前記電気めっき層または/および前記極薄金属層の表面にエッチングレジストを設ける工程、前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、前記極薄金属層および前記無電解めっき層および前記電気めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、前記エッチングレジストを除去する工程、を含む。
サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付金属箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄金属層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、マスクが形成されない前記無電解めっき層の表面に電気めっき層を設ける工程、前記電気めっき層または/および前記極薄金属層の表面にエッチングレジストを設ける工程、前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、前記極薄金属層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、前記エッチングレジストを除去する工程、を含む。
スルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、及びその後のデスミア工程は行わなくてもよい。
ここで、本発明のキャリア付金属箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例を詳細に説明する。なお、ここでは粗化処理層が形成された極薄金属層を有するキャリア付金属箔を例に説明するが、これに限られず、粗化処理層が形成されていない極薄金属層を有するキャリア付金属箔を用いても同様に下記のプリント配線板の製造方法を行うことができる。
まず、表面に粗化処理層が形成された極薄金属層を有するキャリア付金属箔(1層目)を準備する。
次に、極薄金属層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、回路用のめっきを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路めっきを形成する。
次に、回路めっきを覆うように(回路めっきが埋没するように)極薄金属層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付金属箔(2層目)を極薄金属層側から接着させる。
次に、2層目のキャリア付金属箔からキャリアを剥がす。
次に、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路めっきを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、ビアフィル上に、上記のようにして回路めっきを形成する。
次に、1層目のキャリア付金属箔からキャリアを剥がす。
次に、フラッシュエッチングにより両表面の極薄金属層を除去し、樹脂層内の回路めっきの表面を露出させる。
次に、樹脂層内の回路めっき上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付金属箔を用いたプリント配線板を作製する。
上記別のキャリア付金属箔(2層目)は、本発明のキャリア付金属箔を用いてもよく、従来のキャリア付金属箔を用いてもよく、さらに通常の銅箔を用いてもよい。また、上記2層目の回路上に、さらに回路を1層或いは複数層形成してもよく、それらの回路形成をセミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行ってもよい。
なお、埋め込み樹脂(レジン)には公知の樹脂、プリプレグを用いることができる。例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンやBTレジンを含浸させたガラス布であるプリプレグ、味の素ファインテクノ株式会社製ABFフィルムやABFを用いることができる。また、前記埋め込み樹脂(レジン)には本明細書に記載の樹脂層および/または樹脂および/またはプリプレグを使用することができる。
また、前記一層目に用いられるキャリア付金属箔は、当該キャリア付金属箔の表面に基板または樹脂層を有してもよい。当該基板または樹脂層を有することで一層目に用いられるキャリア付金属箔は支持され、しわが入りにくくなるため、生産性が向上するという利点がある。なお、前記基板または樹脂層には、前記一層目に用いられるキャリア付金属箔を支持する効果するものであれば、全ての基板または樹脂層を用いることが出来る。例えば前記基板または樹脂層として本願明細書に記載のキャリア、プリプレグ、樹脂層や公知のキャリア、プリプレグ、樹脂層、金属板、金属箔、無機化合物の板、無機化合物の箔、有機化合物の板、有機化合物の箔を用いることができる。
本発明のめっき付き金属基材を、めっき層側から樹脂基板に貼り合わせて積層体を製造することができる。樹脂基板はプリント配線板等に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、フッ素樹脂含浸クロス、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、フレキシブルプリント基板(FPC)用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、フッ素樹脂およびフッ素樹脂・ポリイミド複合材等を使用する事ができる。なお、液晶ポリマー(LCP)は誘電損失が小さいため、高周波回路用途のプリント配線板には液晶ポリマー(LCP)フィルムを用いることが好ましい。
貼り合わせの方法は、リジッドPWB用の場合、ガラス布などの基材に樹脂を含浸させ、樹脂を半硬化状態まで硬化させたプリプレグを用意する。銅箔をプリプレグに重ねて加熱加圧させることにより行うことができる。FPCの場合、液晶ポリマーやポリイミドフィルム等の基材に接着剤を介して、又は、接着剤を使用せずに高温高圧下で銅箔に積層接着して、又は、ポリイミド前駆体を塗布・乾燥・硬化等を行うことで積層体を製造することができる。
本発明の積層体は各種のプリント配線板(PWB)に使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、導体パターンの層数の観点からは片面PWB、両面PWB、多層PWB(3層以上)に適用可能であり、絶縁基板材料の種類の観点からはリジッドPWB、フレキシブルPWB(FPC)、リジッド・フレックスPWBに適用可能である。
最後に、本発明に係るめっき付き金属基材をオートフォーカスモジュール用のばね材に適用する場合の説明を行う。典型的なオートフォーカスモジュールにおいては、レンズと、このレンズを光軸方向の初期位置に弾性付勢する本発明に係るめっき付き金属基材製のばね部材と、このばね部材の付勢力に抗する電磁力を生起して前記レンズを光軸方向へ駆動可能な電磁駆動手段を備える。前記電磁駆動手段は電磁駆動手段は例示的には、コの字形円筒形状のヨークと、ヨークの内周壁の内側に収容されるコイルと、コイルを囲繞すると共にヨークの外周壁の内側に収容されるマグネットを備えることができる。ばね部材は前記めっき層を有する箇所において半田付けによりコイル(典型的にはコイルのリード線)と接合することができる。オートフォーカスモジュールの構造自体は特開2014−102294号公報や特開2014−084514号公報などで公知であるので詳細な説明は省略する。
以下、本発明の実施例を示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をより良く理解するために提示するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
表2に記載の各材料組成及び厚みをもつ金属箔からなる金属基材を準備した。金属箔の表面を脱脂及び酸洗して清浄化した後、表2に記載のNi、Co及びMoの各付着条件によって当該金属箔の全面にCoめっき、Co−Ni合金めっき、Co−Mo合金めっき、Ni−Mo合金めっき又はCo−Ni−Mo合金めっきを硫酸酸性めっき浴(pH:2〜3.5、液温:40〜60℃、電流密度:2〜10A/dm2)を用いた電気めっきにより行って発明例、参考例及び比較例のめっき付き金属箔を製造した。めっき液中のNi、Mo及びCoのイオン濃度は、Ni+Mo比率(%)に応じて、表1に記載の条件とした。その他の元素のイオン濃度は付着量に応じて表1に記載の条件とした。付着量はクーロン量によって制御することができる。付着量を少なくする場合には、クーロン量を小さくすればよい。付着量を多くする場合には、クーロン量を大きくすればよい。例えばCo、Ni及びMoの合計付着量を3000μg/dm2とする場合にはクーロン量を5〜20As/dm2程度とし、Co、Ni及びMoの合計付着量を14000μg/dm2とするにはクーロン量を45〜80As/dm2程度とし、Co、Ni及びMoの合計付着量を180000μg/dm2とするにはクーロン量を700〜900As/dm2程度とすると良い。Mo付着量を多くしたい場合は、めっき液中のMo濃度を高くすればよい。Co付着量を多くしたい場合は、めっき液中のCo濃度を高くすればよい。Ni付着量を多くしたい場合は、めっき液中のNi濃度を高くすればよい。
また、試験番号90〜93については極薄金属層に金属基材を使用したキャリア付金属箔を用いた。キャリア付金属箔は以下のように製造した。試験番号90、91のキャリアにはJX日鉱日石金属(株)製の電解銅箔 JTC箔(厚み18μm)を用い、試験番号92、93のキャリアにはJX日鉱日石金属(株)製の圧延銅箔 タフピッチ銅(厚み18μm、JIS H3100 合金番号C1100)を用いた。そして、表2に記載の順番に、前記電解銅箔のS面(光沢面)側、または、圧延銅箔の表面に各層を形成した。
試験番号90〜93の中間層は以下のように形成した。
・試験番号90
<中間層>
(1)Ni層(Niめっき)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより4000μg/dm2の付着量のNi層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
硫酸ニッケル:270〜280g/L
塩化ニッケル:35〜45g/L
酢酸ニッケル:10〜20g/L
ホウ酸:30〜40g/L
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:55〜75ppm
pH:4〜6
浴温:55〜65℃
電流密度:10A/dm2
(2)Cr層(電解クロメート処理)
次に、(1)にて形成したNi層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続メッキライン上でNi層の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
重クロム酸カリウム1〜10g/L
pH:7〜10
液温:40〜60℃
電流密度:2A/dm2
・試験番号91
<中間層>
(1)Ni−Mo層(ニッケルモリブデン合金めっき)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより3000μg/dm2の付着量のNi-Mo層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
(液組成)硫酸Ni六水和物:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
・試験番号92
<中間層>
(1)Ni層(Niめっき)
試験番号90と同じ条件でNi層を形成した。
(2)有機物層(有機物層形成処理)
次に、(1)にて形成したNi層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、下記の条件でNi層表面に対して濃度1〜30g/Lのカルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)を含む、液温40℃、pH5の水溶液を、20〜120秒間シャワーリングして噴霧することにより有機物層を形成した。
・試験番号93
<中間層>
(1)Co−Mo層(コバルトモリブデン合金めっき)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより4000μg/dm2の付着量のCo−Mo層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
(液組成)硫酸Co:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
(2)有機物層(有機物層形成処理)
次に、(1)にて形成したCo−Mo層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、下記の条件でNi層表面に対して濃度1〜30g/Lのカルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)を含む、液温40℃、pH5の水溶液を、20〜120秒間シャワーリングして噴霧することにより有機物層を形成した。
また、極薄金属層としての金属箔は以下の条件で、中間層の上またはめっき層の上に、表2に記載の基材厚みとなるように形成した。
<金属箔>
銅濃度:90〜110g/L
錫濃度:1〜30g/L
硫酸濃度:90〜110g/L
塩化物イオン濃度:50〜90ppm
電解液温度:50〜80℃
電流密度:100A/dm2
電解液線速:1.5〜5m/sec
(1)Ni、Co、Mo及びその他元素の付着量(μg/dm2
得られためっき付き金属箔(試験サンプル)のめっき層におけるNi、Co、Mo及びその他元素のそれぞれの付着量(μg/dm2)は、試験サンプルを濃度20質量%の硝酸で溶解してSII社製のICP発光分光分析装置(型式:SPS3100)を用いてICP発光分析法によって測定した。なお、試験サンプルが濃度20質量%の硝酸に溶解しにくい場合には、硝酸と塩酸の混合液(硝酸濃度:20質量%、塩酸濃度:12質量%)又は試験サンプルを溶解することができる別の酸水溶液等の液によって試験サンプルを溶解すればよい。また、測定したNi、Co及びMoの付着量から、めっき層中のNi+Mo比率(%)を算出した。ここで、Ni+Mo比率(%)の定義は次式の通りである。Ni+Mo比率(%)={Ni及びMoの合計付着量(μg/dm2)/(Ni、Co及びMoの合計付着量(μg/dm2))}×100
(2)エッチング直線性
37質量%、ボーメ度40°の塩化第二鉄水溶液を用いて、各試験サンプルに対してエッチングを行い、ラインアンドスペース(L/S)が100μm/200μmの長さ150mmの直線回路と、ラインアンドスペース(L/S)が75μm/75μmの長さ150mmの直線回路をそれぞれ形成した。走査型電子顕微鏡(日立製、S−4700)を用いて回路を観察し、以下の基準で評価した。
×:うねり範囲が回路長さの50%より長い
△:うねり範囲が回路長さの25%超〜50%
○:うねり範囲が回路長さの15%超〜25%
○○:うねり範囲が回路長さの5%超〜15%
◎:うねり範囲が回路長さの0%より長く5%以下
◎◎:うねり範囲0%。うねり無し(直線状)
ここで、うねりとは回路を上面からSEMで500倍で写真撮影し、当該写真中の長さ186μmの回路の角同士を結ぶ長手方向に沿った二本の直線(太さ1.9μm)を引いた場合に、回路の稜線が各直線の中心線から5μm以上離れる箇所のことをいう。測定結果は4カ所写真撮影したときの平均値で表した。
(3)半田密着強度試験
まず、各試験サンプルの一方の表面側からウェットエッチングによって箔厚が0.03mmにまで薄くした。この際、反対面はめっきが剥離しないようにテープでマスキングした。そして、得られた薄肉化後の試験サンプルのめっき層側(めっき形成していない試験サンプルは任意の表面)と純銅箔(JX日鉱日石金属社製C1100、箔厚0.035mm)を千住金属工業(株)製Pbフリー半田(ESC M705、やに(フラックス)入り半田、Sn(残部)−3.0質量%Ag−0.5質量%Cu)を介して接合し、アイコーエンジニアリング(株)製の精密荷重測定器(MODEL−1605NL)を用いて180°引き剥がし試験を100mm/minの速度で行うことにより、その密着強度を測定した。サンプル箔は幅15mm、長さ200mmの短冊状とし、純銅箔は幅20mm、長さ200mmの短冊状とし、長さ方向に対して中央部30mm×15mmの面積を接合温度を245℃±5℃として接合した。なお、純銅箔の厚みは、評価するサンプル箔の厚みに近ければ問題ないが、0.02mm〜0.05mmが好ましく、本実施例においては0.035mmの純銅箔を用いた。なお、キャリア付金属箔の実験例においては、キャリア付金属箔からキャリアを剥離した後に上述の半田密着強度試験を行った。また、キャリア付金属箔の金属箔の厚みが0.03mmよりも小さい試験番号92及び93の場合には、金属箔上にCuめっきをして厚みを増し、金属箔の厚みとCuめっきの厚みの合計の厚みを0.03mmとした後に、キャリア付金属箔からキャリアを剥離し、その後上記の試験を行った。
(4)耐候性試験
各試験サンプルを温度85℃、相対湿度85%の恒温恒湿器(エスペック株式会社(型番:PL−2E))内で100時間又は200時間保持したときの変色度合いを調査した。変色度合いは写真撮影をした後に、透明の樹脂フィルムを重ね、変色した部分を黒色のマーカーで塗りつぶした後に、画像処理ソフトで白黒2値化し、変色部分の面積を画像処理ソフトにより求めた。得られた面積を観察視野全体の面積で割った値を100倍した値を、変色した個所の面積率(%)とした。
めっき付着量の試験結果を表2に、エッチング性、半田密着性及び耐候性の試験結果を表3に示す。表3より、実施例においては半田密着性及び耐候性が顕著に優れており、更にNi+Co+Moの合計付着量及びNi+Mo比率(%)を適切に制御した実施例(No.11、12、18、26、27、32、39〜42、44、46、48、49、78〜81、90〜99においては高いエッチング性も得られていることが分かる。一方、比較例においては優れたエッチング性を示すものもあるが、半田密着性及び耐候性を両立したものはなかった。

Claims (36)

  1. 金属基材の一部又は全部の表面上にCo−Ni合金めっき層、Co−Mo合金めっき層、又はCo−Ni−Mo合金めっき層が形成されためっき付き金属基材であって、該めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が13500μg/dm2以上であり、且つ、Co、Ni及びMoの合計付着量に対するNi及びMoの合計付着量(以下、「Ni+Mo比率(%)」ともいう。)が質量比で10%以上50%以下である金属基材であり、前記金属基材が、チタン銅、りん青銅、コルソン合金、丹銅、黄銅、又は洋白で形成されており、半田付けによって電子部品と接続して使用する用途に用いられるめっき付き金属基材。
  2. 前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が14000μg/dm2以上である請求項1に記載のめっき付き金属基材。
  3. 前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が25000μg/dm2以上である請求項1に記載のめっき付き金属基材。
  4. 前記めっき層におけるCo、Ni及びMoの合計付着量が180000μg/dm2以下である請求項1に記載のめっき付き金属基材。
  5. 前記めっき層と前記金属基材の間に下地層及び/又は粗化処理層が形成された請求項1〜4のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  6. 前記めっき層におけるNiとMoの含有比率は質量比でNi:Mo=9:1〜1:9である請求項1〜5のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  7. 前記めっき層におけるNiとMoの含有比率は質量比でNi:Mo=6:4〜4:6である請求項1〜5のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  8. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  9. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜2000μg/dm2含む請求項8に記載のめっき付き金属基材。
  10. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜1000μg/dm2含む請求項8に記載のめっき付き金属基材。
  11. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd、Pt、Bi、Os、Rh、Tl、Sb、Pb、Hg、Ir、Cd、Ru、Re、Tc及びGdからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜500μg/dm2含む請求項8に記載のめっき付き金属基材。
  12. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  13. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜2000μg/dm2含む請求項12に記載のめっき付き金属基材。
  14. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜1000μg/dm2含む請求項12に記載のめっき付き金属基材。
  15. 前記めっき層はCu、As、Ag、Au、Pd及びPtからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0〜500μg/dm2含む請求項12に記載のめっき付き金属基材。
  16. 前記金属基材が、チタン銅で形成されている請求項1〜15のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  17. 前記金属基材が、金属条、金属板、又は、金属箔の形態である請求項1〜16のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  18. 前記めっき層の表面に樹脂層を有する請求項1〜17のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  19. 前記金属基材が二つの主表面を有し、その一方又は両方の面に前記めっき層を有する請求項1〜18のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材。
  20. キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄金属層をこの順に有するキャリア付金属箔であって、前記極薄金属層が請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材であるキャリア付金属箔。
  21. 前記キャリアの一方の面に前記中間層、前記極薄金属層をこの順に有し、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する請求項20に記載のキャリア付金属箔。
  22. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材を備えたコネクタ。
  23. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材を備えた端子。
  24. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材又は請求項20〜21のいずれか一項に記載のキャリア付金属箔と樹脂基板とを積層して製造した積層板。
  25. 請求項24に記載の積層板を備えたシールドテープ又はシールド材。
  26. 請求項24に記載の積層板を備えたプリント配線板。
  27. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材又は請求項20〜21のいずれか一項に記載のキャリア付金属箔を備えた金属加工部材。
  28. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材又は請求項20〜21のいずれか一項に記載のキャリア付金属箔を備えた電子・電気機器。
  29. 請求項20〜21のいずれか一項に記載のキャリア付金属箔と絶縁基板とを準備する工程、
    前記キャリア付金属箔と絶縁基板とを積層する工程、
    前記キャリア付金属箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付金属箔のキャリアを剥がす工程を経て金属張積層板を形成し、
    その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
  30. 請求項20〜21のいずれか一項に記載のキャリア付金属箔の前記極薄金属層側表面又は前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
    前記回路が埋没するように前記キャリア付金属箔の前記極薄金属層側表面又は前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリア又は前記極薄金属層を剥離させる工程、及び、
    前記キャリア又は前記極薄金属層を剥離させた後に、前記極薄金属層又は前記キャリアを除去することで、前記極薄金属層側表面又は前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
  31. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材と半田との接合体。
  32. 半田と金属基材の接合界面にSn及びCoを含む熱拡散層が存在する請求項31に記載の接合体。
  33. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材をエッチングにより形状加工する工程と、得られためっき付き金属基材の形状加工品をめっき層を有する箇所において半田付けにより導電性部材と接合する工程とを含むめっき付き金属基材と導電性部材の接続方法。
  34. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材を備えた電子部品。
  35. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材をばね材として備えたオートフォーカスモジュール。
  36. レンズと、このレンズを光軸方向の初期位置に弾性付勢する請求項1〜19のいずれか一項に記載のめっき付き金属基材製のばね部材と、このばね部材の付勢力に抗する電磁力を生起して前記レンズを光軸方向へ駆動可能な電磁駆動手段を備えたオートフォーカスカメラモジュールであって、前記電磁駆動手段はコイルを備えており、ばね部材は前記めっき層を有する箇所において半田付けによりコイルと接合されているオートフォーカスカメラモジュール。
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