JP2006190842A - 金属磁性粉末及びこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

金属磁性粉末及びこれを用いた磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度磁気記録に好適で耐酸化性に優れ高出力可能な磁気記録媒体用の金属磁性粉末を提供する。
【解決手段】Coを含有しFeを主成分とする粒子からなり、BET比表面積値と真密度値の積が250m2/cc以上であり、かつ粒子の平均長軸長が10〜200nm、真密度が5.0g/cc以上である塗布型磁気記録媒体用金属磁性粉末である。好ましくは、AlとRを含有し、飽和磁化値と真密度値の積が450kAm2/cc以上であり、原子%比でCo/Fe=10〜50%、Al/(Fe+Co)=1〜50%、R/(Fe+Co)=1〜30%の範囲でCo、Al、およびRを含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高密度磁気記録に好適な耐酸化性に優れ高出力可能な金属磁性粉末及びこれを用いた磁気記録媒体に関するものである。
近年、音声情報や映像情報のデジタル化、高品質化に伴い、記録・保存すべき情報は増加する傾向にある。情報量の増加に伴い保存すべき情報量も増加し、そのためにそれらの情報が失われたときの被害・損害も大きく、データのバックアップの重要性も高まっているといえる。他方、データを記録保存する記録装置および媒体に対しても高容量化が求められるようになってきた。
情報を高密度で記録する媒体とは塗布型磁気記録媒体、デジタルビデオディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、汎用型メモリーメディアなどが例示できるが、中でも単位容量あたりの単価が最も安価になる塗布型磁気記録媒体は、情報のバックアップを大量に必要とする分野において幅広く使用されている。
しかしながら、昨今では更に小型化、軽量化が指向されており、出来るだけ省スペースで高容量の記録媒体が望まれるようになっている。そのためにとりうる手段としては、テープあたりの巻き数を増加させることで物理的に容量を大きくする方法や、高密度記録化、すなわち出来るだけ小さな面積に対して数多くの情報を書き込めるようにする方法をとり得る。
ただ、物理的方法として例示した巻き数を増加させることはメディア当たりの記録容量は増加するものの、メディアの総数の際だった減少をもたらすものではない。よって最も効果的に高容量化を得ようとするときにとり得る手法の最たるものは、磁性粒子の微粒子化ということになる。
ハード面では、情報の書き込みを短波長で書き込むことで出来るだけ多くの情報量を限られた面積の中で記録することの試みがなされ、現在に至っている。そこで用いられる磁性粒子は、波長よりも小さいことが必要である。
元来、磁気記録媒体の高密度記録化達成のため、その構成物質の中で重要な位置を占める磁性粉に関しては、様々な観点から特性を総合的に勘案し、各テープのフォーマットに応じた磁性粉末が提供されてきた。
例えば、特開昭62−095729号公報(特許文献1)には、金属磁性粉末の比表面積と嵩密度/真密度の範囲を規定して、電磁変換特性を改善できると開示している。この特許文献1の技術については、金属磁性粉末の真密度は5.8g/cm3(場合により5.5〜6.5g/cm3)であるとしており、この磁性粉末に圧密解砕処理を行うことによって、嵩密度を変換させ、嵩密度と真密度の比を適当な値とすることにより、分散性に優れ電磁変換特性を改善した技術に関するものである。
また、特開平05−143960号公報(特許文献2)には、比表面積と比重を規定することによって、塗布型磁気記録媒体の耐候性を改善した技術を開示している。この特許文献2にはこうした条件を満たす磁性粉末の作成法は特に記載されていないが、開示されている技術としては、針状比、BET法により算出される比表面積と真比重の積が規定の範囲内にあるときに耐候性に優れた磁気記録媒体を得ることが出来るというものである。
さらに、特開平10−241150号公報(特許文献3)には、BET法より算出された比表面積値と飽和磁化σsの関係式を規定することによって、中高域の電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ることが出来ると開示している。この特許文献3の開示技術を抜粋すると、還元工程中において適宜サンプリングを実施し、その粒子表面においてポアが多く存在するか否かによって還元をより行うか否かを判断し、より条件に近接した粒子が得られるように変化させるというものである。また、この特許文献3の技術には周期律表第2A族元素を形状保持剤として添加することも出来る旨の開示がなされている。
特開平10−162346号公報(特許文献4)には、特許文献3に示したBET法による比表面積値と飽和磁化の関係の他、磁性層における抗磁力Hcと磁束φmとの関係に言及して、磁性層における抗磁力と磁束の積が規定した範囲内にある場合、耐久性・オーバーライト特性等の電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られることが開示されている。この特許文献4にはこれらの方法には限定されないという注釈はあるものの、方法として、比表面積と飽和磁化が特定の範囲内に収まるものを使用すること、磁性層の厚さをコントロールすること、結合樹脂として特定構造のポリウレタン樹脂を用いること等が例示されている。すなわち、特許文献4はこれらの構成を組み合わせることによって、目的を達成しえた発明であるといえる。
特開2001−68318号公報(特許文献5)には磁性粉末の磁気特性として抗磁力Hcと飽和磁化σsを特定範囲内にすることによって、電磁変換特性、とりわけ短波長領域におけるC/Nおよび出力に優れた磁気記録媒体を提供できることが開示されている。また、この特許文献5には、他に影響を与える要因として金属磁性粉末のタップ密度や水分値に関し、適当な値にすることが好ましいと開示している。この特許文献5の発明では、出発原料(オキシ水酸化鉄)のサイズ、特に長軸径と軸比における、変動係数(バラツキ)を小さくすることにより、得られる磁性粉末の形状をも制御しようとするものである。また、その際に生じる粒子形態に関しても、従来の多結晶状態のものから単結晶状態のものを多くすることにより、磁気記録媒体の特性を向上させようとするものである。
以上の通り、現状において高密度磁気記録媒体に使用される金属磁性粉末に関しては様々な特性の面から検討がなされており、現在に至っている。後述するその他の特許文献および非特許文献を含めてこれらを記載すれば次の通りである。
特開昭62−095729号公報 特開平05−143960号公報 特開平10−241150号公報 特開平10−162346号公報 特開2001−68318号公報 特開平01−172501号公報 H.Jakusch, J.Inf.Rec.Mats,1993,Vol.20,pp334.Fig.9 竹内節、色剤、66(8)、pp48表2
先行文献等を比較検討したが、現在使用されているような金属磁性粉末に関しては適用できない技術が数多く存在することが本発明者らの検討により明らかになってきた。理由として、先行文献等に示される技術内容としては、磁性粉末のBET法による比表面積と特性等の関係に言及したものが多く、比較的粒子径の大きな粒子に対するものであることが考えられる。微粒子化が進むとともに、その単位あたりに吸着される窒素量はむしろ増大する傾向にあり、BET値は高くなる傾向にあるためである。
特許文献1においては、好ましい粒子の範囲を50〜500nmとしており、50nm未満の微粒子については考慮されていない。さらに粒子に対して圧密解砕処理を行い嵩密度を変化させることが必須であり、この特許文献1の技術を微粒子粉に対して行うとすると、不活性の雰囲気下で圧密解砕処理を行う必要があり、非常に効率が良くなく、また微粒子化により活性になっている粉末に対してかような処理を行えば、発火等の発生する可能性をも有する。
また、特許文献2では、具体的な粒子の作成法に関しては言及はなく、また粒子のサイズに関しては記載はないものの、その実施例記載の値等から類推すると、磁性粉末の長軸長は粒子の形状を円柱であると近似した場合、80〜450nmであると見積もることが出来る。したがって、この特許文献2においても、昨今の50nmを下回る粒子サイズを有する磁性粉末に関しては特に考慮されているとは言えない。また、BET比表面積値と真比重(g/cc)の積に関しても、微粒子化が進む場合、さらにBET値の増大が発生し、この特許文献2で示された技術的範囲である190〜250m2/ccを上回る値になることは容易に推測できる。従って、昨今の粒子サイズ等に鑑みた新たな指標を検討する必要があるといえる。また、これらの条件に合致する磁性粉末の製法等に関しても検討する必要があることは言うまでもない。
さらに、特許文献3に示された技術では、BET値を還元により制御し、微粒子を作成する技術が開示されているが、還元作業を行う際にサンプリングし、その粒子を観察するとなると、還元を適宜中断する必要があり、また微粒子化が進むと、先にも述べたとおり、活性が高くなるため発火の危険性がある。従って、工業的に利用するには相当な試行錯誤をもって実行されなければならない欠点がある。
特許文献4には、上記のとおり、磁性層に含まれる粒子のBET式によって求まる比表面積値と飽和磁化の好ましい範囲に言及しているが、そこに示されている比表面積値は30〜50m2/gであるとされており、比較的大きな粒子を対象として考えられたものであるといえる。また、その比較例を参酌すると、微粒子の磁性粉末が得られているがBET値が比較的低いものが提供されており(表面処理剤の活用によって表面を制御していると思われる)、後述する非特許文献1の記載によれば、より大きな比表面積値をもつことによって信号対雑音比(S/N比)の向上が行えることを考慮すれば、さらに高BET値を有する粉末を得るための方法の検討が必要であると思われる。
特許文献5については、粒子の単結晶化を図り、所望の金属磁性粒子形状等を得るために、原料粒子の作成の際にCaなどの微量元素を添加又は被着すること、または還元の際に条件を変更することによって、結晶性の制御や酸化物層の厚み制御などを行うことが出来る旨の開示がなされている。その実施例中にはこれらの初期物質であるオキシ水酸化鉄の粒子サイズを制御した結果等に関しては指摘がないので、この特許文献5における要点は、還元操作を2回以上行って特性の調整を行うことであるといえる。すなわち方法として開示している技術としては2回以上還元することによって所望の特性を得ようとするものであるが、その結果については磁気特性として保磁力ならびに飽和磁化に関して記載があるのみであって、明らかではないが当該発明における要点は磁気記録媒体における電磁変換特性に絞られているようにも見受けられるので、耐候性に関しては考慮されていない可能性がある。
さらに、好ましい形態として開示されている特性にTAP密度が開示されており、これを適当な範囲内にすることによって、磁気特性の改善が見られることを示している。しかし、TAP密度はその測定方法からも明らかなように、その粉末の詰まり具合、即ち嵩密度を示すものである。TAP密度の相違により磁気特性の優劣が判断できるのは、組成として全く同一の時であることが言える。例えば、嵩密度が同一であっても、磁性を有する金属成分の多寡により磁気特性は大きく変動する可能性があることを考えればよい。したがって、磁気特性のより改善された粒子となるためには、磁性金属の割合を出来るだけ大きくする、つまり、粒子密度を出来るだけ主成分であって、磁性を司るFeの密度である7.8g/ccに近づけることが必要であるといえるが、特許文献5にはそう言った示唆がなされているわけではない。
また、高密度磁気記録には媒体のS/N比(Signal to Noise比)の向上が必要であることは公知の事実であるが、この特性を改善する手法も様々に検討および示唆がなされている。例えば「H.Jakusch, J.Inf.Rec.Mats,1993,Vol.20,pp334.Fig.9」(非特許文献1)に示されるように、S/N比を改善するためには比表面積は大きくすることが効果的であること、また「竹内節、色剤、66(8)、pp48表2」(非特許文献2)からは、さらなるS/N比の改善には飽和磁化並びに磁性粒子の微粒子化を図ることが効果的であるとともに、磁性粒子の充填性が大きく影響することが示唆されている。
すなわち、今後の磁気記録媒体用金属磁性粉末に必要な特性の一つであるS/N比の改善をもたらす磁性粉末としては、粒子径ができるだけ小さく、比表面積は出来るだけ大きく、飽和磁化の大きい、かつ高充填性の磁性粉末が適すると見られるが、これらの特性に関して総合的に最適値を検討並びに工業的に作成するための方法に関して示唆検討したものは見られていなかった。
よって、本発明の解決すべき技術的課題としては、微粒子で比表面積の大きく、かつ金属成分の相対的な割合が向上した微粒子からなる金属磁性粉末の提供であり、また当該粉末を使用することによって媒体のS/N比を改善させた磁気記録媒体を提供することとする。
本発明者らは、最近の高密度磁気記録媒体に適する磁性粉末の特性に関して種々検討したところ、金属磁性粉末について、BET法により算出される比表面積値と真密度値との積、および真密度値と飽和磁化値との積が、最終的に製造される磁気記録媒体の電磁変換特性に対して密接に相関することを見いだした。
そのため、そうした磁性粒子を効率よく得るための方法を種々検討したところ、例えば次に示すような方法が例示できることを見いだし、本発明を完成させた。
磁性粒子の前駆物質から、金属磁性粒子にする還元・熱処理工程において、従来の水素還元を行い、還元・安定化処理を行った上で、従来の不活性雰囲気下での熱処理や水素雰囲気での熱処理条件よりも緩やかな条件、即ち一酸化炭素による還元(もしくはアニールという)工程を導入することによって、より表面性に優れ磁気記録媒体を構成する金属磁性粉末として好適な粒子の製造を行えることを見いだした。
ここで、同様の工程を経て形成される磁性粉末の例としては、特開平01−172501号公報(特許文献6)が挙げられる。この特許文献6の記載によると、還元・安定化処理した後の磁性粉末に対して還元雰囲気で還元処理することにより飽和磁化を大きくし、耐候性の改善が図られうる、というものである。しかし、この特許文献6中には一酸化炭素を使用すると、表層に炭化物が形成されてしまう可能性があると記載しており、使用可能性はあるが積極的に導入を示唆するものではなかった。
本発明者らは、その可能性を回避することが出来れば、一酸化炭素の有する弱還元性を効率よく引き出させることが出来るものと考え、種々のガス組成を検討した。その結果、一酸化炭素単独であれば炭化物の痕跡が残る可能性があるが、還元に影響を及ぼさない程度の希薄な水素ガスを系内に導入し、一酸化炭素と水素の混合ガスでアニール処理すれば、炭化物の痕跡が抑制できることを見いだした。
これらの工程を通常還元処理に付加することにより、粒子の真密度を向上させることができるとともに微粒子であるので、比表面積が大きく、さらに公知の技術との融合によって飽和磁化の大きな粒子が得られることを見いだした。
すなわち本発明は前記の課題を解決するものであって、第1に、Coを含有しFeを主成分とする粒子からなり、BET法により算出される比表面積(単に、BET比表面積ともいう。)値(単に、BET値ともいう。)(m2/g)と真密度(g/cc、ccはcm3を表す。)値の積が250m2/cc以上であり、かつ該粒子の平均長軸長Lが10〜200nm、前記真密度が5.0g/cc以上である、塗布型磁気記録媒体用金属磁性粉末であり、Yを含む希土類元素の少なくとも1種R(単に、Rと表す。)とAlをも含有することが好ましく、また、粒子の平均短軸長が10〜20nm、軸比が1.5〜8が好ましい。
次に本発明は、第2に、飽和磁化σs値(Am2/kg)と真密度(g/cc)値の積が450kAm2/cc以上である第1に記載の金属磁性粉末であり、第3に、原子%比で、Co/Fe=10〜50%、Al/(Fe+Co)=1〜50%、R/(Fe+Co)=1〜30%の範囲でCo、Al、および、Rが含有された第1または2に記載の金属磁性粉末である。また本発明は第4に、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿容器内に一週間保持したときの飽和磁化の低下率(劣化率ともいう。)Δσsが12%以下である、第1〜3のいずれかに記載の金属磁性粉末である。ただし、該恒温恒湿容器内に保持する前の飽和磁化をσs(i) (Am2/kg)、一週間保持後の飽和磁化をσs(ii) (Am2/kg)としたとき、Δσs(%)=100×〔σs(i)−σs(ii)〕/σs(i)で表される。
さらに本発明は第5に、粉末の保磁力が39.8〜318.4kA/m(500〜4000 Oe)、飽和磁化σsが10〜200Am2/kg(10〜200 emu/g)である、第1〜4のいずれかに記載の金属磁性粉末であり、最後に第6に、磁性粉末として上記第1〜5のいずれかに記載の金属磁性粉末を用いた磁気記録媒体であり、好ましくは塗布型磁気記録媒体である。
本発明により、微細化され耐酸化性が向上し、磁気記録媒体の高出力特性を改善する磁性粉末を実現し、性能および信頼性が向上した高密度磁気記録媒体を提供することができる。
本発明の構成について以下にさらに詳述する。
すなわち、本発明に係る磁性粉末は、形状、形態についての制限はないが、通常磁性粉末として使用される形状のものが使用できる。例えば針状、紡錘状、平針状、粒状、棒状、楕円状などが主なものである。
本発明に係る磁性粉末として、BET法による比表面積値は30〜200m2/g、好ましくは40〜170m2/g、より好ましくは50〜150m2/gである。BET値が30m2/gを下回る場合では、含まれる粒子が粗大な粒子が多く含まれることを示し、表面平滑性並びに電磁変換特性に劣る磁気記録媒体になるため好ましくない。また、200m2/gを上回る場合では微粒子が多すぎるため、スーパーパラとなって常磁性を帯びる粒子が多くなっている可能性がある。かような粒子を磁気記録媒体に使用すると、この場合でも電磁変換特性に劣る磁気記録媒体になるため好ましくない。
本発明に係る磁性粉末の真密度は5.0g/cc以上である。真密度が5.0g/cc未満であると、粒子そのものに空孔が多く、磁性金属そのものが「詰まっていない」状態となり、同一粒子体積を有するものでも金属部分が少ないものとなってしまうので、磁気特性としても劣ったものとなってしまう。
本発明に係る粒子の長軸長は10〜200nm、好ましくは15〜150nm、より好ましくは20〜80nmである。
また飽和磁化σsの範囲としては10〜200Am2/kg(10〜200emu/g)、好ましくは20〜190Am2/kg(20〜190emu/g)であり、より好ましくは30〜180Am2/kg(30〜180emu/g)であり、またバルク状態における保磁力Hcは39.8〜318.4kA/m(500〜4000Oe)、好ましくは79.6〜278.6kA/m(1000〜3500Oe)、より好ましくは119.4〜238.8kA/m(1500〜3000Oe)である。これらの値よりも大きすぎても小さすぎても、電磁変換特性に劣る磁気記録媒体になってしまうため好ましくない。
さらに、BET法による比表面積値と真密度値の積が250m2/cc以上であり、好ましくは260m2/cc以上、より好ましくは270m2/cc以上である。
前述の特許文献1に記載の粒子では、上述範囲では比表面積の増大により劣化の進行が顕著になるが、本発明ではこれらの粒子は、その他の成分調整並びに製法の検討によって、本発明のような高比表面積値を有する磁性粉末においても、先述のΔσs式に記載した耐酸化性の評価において、その飽和磁化の劣化率(低下率)が12%以下の磁性粉末を提供することが出来る。また、比表面積値が大きいので磁性粒子は有機系のバインダーに対して分散性が良く、粒子そのものの有する磁気特性を充分に引き出せる磁性粒子を得ることが出来るので好ましい。
また、磁性粉末の有する飽和磁化値と真密度値の積より、単位体積当たりの磁化量を算出することが出来る。即ち、1ccあたりにどの程度の磁化量を有するかを知ることが出来る。即ちこの値が高ければ高いほど、磁性層中においてより少ない容積でより効率よく記録できる実力があるかを推し量ることが出来る。より効率的な電磁変換効率を得るためには、その積の値は好ましくは450kAm2/cc以上、より好ましくは500kAm2/cc以上、さらに好ましくは550kAm2/cc以上である。
本発明に係る磁性粉末はFe(110)回折面から算出される、結晶子サイズDxが5.0〜20nm、好ましくは6.0〜17.5nm、より好ましくは7.0〜15.0nmであることが望ましい。結晶子サイズDxは微細であればあるほど、媒体化した際に発生するノイズが小さくなるため好ましいが、上記の規定の範囲よりも小さくしようとすると、結晶粒径の制御が困難であり、あまり工業的ではない。
本発明に係る磁性粉末の作成方法として例示できるのは、オキシ水酸化鉄粒子を還元して金属鉄磁性粒子を生成させる方法や、溶液中に存在する金属イオンを還元剤を用いて還元し金属鉄微粒子を得る方法等が例示できるが、現在最も広く行われている気相還元法による金属鉄磁性粒子の製造方法を例として示す。
まず、前駆物質としてオキシ水酸化鉄を生成させる。オキシ水酸化鉄の製法としては、炭酸塩溶液に第一鉄塩水溶液を添加し、炭酸鉄を生成させ(適宜苛性アルカリを添加しても良い)、酸素含有ガスを添加して核晶を発生させた後、粒子を成長させオキシ水酸化鉄を形成させる方法や、第一鉄塩水溶液に対して苛性アルカリを単独で添加してオキシ水酸化鉄を形成する反応などが例示できるが、本発明は、その後の焼成および/又は還元による粒子の構造変化を論じるものであって、オキシ水酸化鉄粒子形状、製造方法は特に制約を受けない。
また、前駆体としては、コバルトを組成中に含むもの、またはコバルト化合物で粒子最表面が被覆されたもののいずれでもよい。
このときのCo含有量としては、Co/Fe比(原子%比、以下同じ。)が好ましくは10〜50%、さらに好ましくは10〜40%、一層好ましくは10〜35%である。この添加割合は、保磁力や、飽和磁化、耐酸化安定性などの要因から、最も好ましい割合を適宜選択して添加する。特にCo/Fe比が50%を超える場合には、単位体積あたりの飽和磁化量および耐酸化性の観点からみた特性のバランスが悪化してしまい好ましくない。また、Co/Fe比が10%未満の場合についても同様であり、特性のバランスが悪化するため、電磁変換特性の比較的悪い粒子となるので好ましくない。
本発明に係る磁性粒子はアルミニウムを、耐磨耗性改善、焼結防止効果、バインダーへの分散性改善などを目的として添加することが望ましい。その際の添加量は、Al/(Fe+Co)(原子%比)で1〜50%、好ましくは1〜30%、より好ましくは2〜15%である。50%を超えてアルミニウムを含有すると、粒子の硬度は高くなり、研磨力は増加するものの、磁気特性の中でも飽和磁化の著しい低下を引き起こすため望ましくない。アルミニウムは、核晶の生成段階初期には添加すると、粒子の針状性が保持されず、形状磁気異方性による磁気特性が充分に得られないため、望ましくない。そのため、ある程度粒子の形状が整いつつある成長段階から酸化終了直前にかけて添加することが適当である。
本発明に係る磁性粒子には希土類元素の添加については妨げない。希土類元素の添加効果としては、磁性粒子の形状保持効果、焼結防止効果および粒度分布改善効果が挙げられる。希土類元素(Yを含む)Rの望ましい添加範囲としては、原子%比でR/(Fe+Co)が1〜30%、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%である。Rが30%を超える場合は磁気特性の著しい低下を引き起こすため好ましくなく、Rが1%未満では添加の効果が薄れてしまい、焼結防止の効果が抑制されてしまうので好ましくない。Rの添加時期としては、オキシ水酸化鉄の成長段階での添加でもいいし、成長終了後添加のいずれの場合であってもよい。
本発明に係る磁性粒子には、製造工程上不可避な成分の他、磁気特性もしくはバインダーに対する分散性の向上のために好適になる成分の添加を妨げない。
以上の工程を経て、コバルト含有のオキシ水酸化鉄を得た。こうして得られたオキシ水酸化鉄については、常法によりろ過、水洗、乾燥を施す。乾燥温度としては80〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは120〜220℃の範囲で行う。300℃を超える場合には乾燥は行えるが、ヘマタイト化が不均一に進んでしまうため好ましくなく、80℃未満の場合では水分が充分に抜けずに不均一な還元の原因となりうる。
オキシ水酸化鉄の乾燥後もしくは、酸化鉄系粒子形成処理後に、液体中での緩やかな還元作用を有する薬品を用いて、表面処理を行うことによって、原料系に含まれるアルカリ金属成分並びにアルカリ土類金属成分を除去でき、粉末pHを適当な範囲に調整できるのでより好ましい。
そうして得られたオキシ水酸化鉄もしくは酸化鉄系粒子を気相還元する。還元操作は通常公知の方法と同じく、水素を使用し気相還元を行う。その後、公知の方法を使用して安定化処理操作によって表層に酸化膜を形成させる。
その後、アニール処理を行うことが耐酸化性等の改善に繋がることは、特願2004−317584号、特願2004−186887号明細書等にて記載済みであるが、今回アニール処理に用いる還元性のガスとしては一酸化炭素と水素の混合ガスを用いる。前記出願明細書に記載のとおり、水素でもアニール処理を行うことは可能であり、耐酸化性改善の効果は顕著となるが、水素は還元作用が強いため、還元時、オキシ水酸化鉄もしくは酸化鉄系粒子から急激に酸素が取られる(還元される)ため、粒子表面に多くのポアが発生し、表面性が望ましくない状態になる場合がある。本発明は、一酸化炭素と希薄な水素の混合ガスを用い、緩やかなアニール処理を長時間かけて行うことにより、酸化膜からの急激な酸素の除去(還元反応)を抑え、表面性を制御し、ポアの発生を極力押さえることに特徴がある。この際、乾燥状態で行っても良いが、水分の存在条件下で熱処理を行うことも出来る。
このときの気相活性化処理温度(アニール温度)としては、100℃未満の場合ではアニール処理によってもたらされる酸化膜の改善効果が低下し、Δσsの改善効果が低下しまうため望ましくない。一方、500℃を越える場合にもアニール処理の効果が薄れてしまうため好ましくない。したがって、アニール処理の温度範囲の適値として、100〜500℃、好ましくは150〜450℃、より好ましくは200〜400℃で行うことが望ましい。
得られた金属磁性粒子は活性が再び高くなっているため、安定性の向上のために、再び安定化膜の形成を行う必要がある。このとき酸素含有ガス雰囲気中で行うが、本発明では、一定の温度で処理を行うのではなく、まず60℃以下、好ましくは40℃以下と低い温度で酸化膜を形成させる。60℃を越えた温度での酸化膜形成処理も可能であるが、従来と同様に酸化が急激に進むため酸化膜が厚くなりすぎ望ましくない。また、公知の方法にて形成された粒子からの金属磁性粒子の場合では、かような低温での安定化処理を行った場合、安定化膜を形成しても不十分なものとなってしまい、安定性に欠け発火の恐れがあるが、今回アニール処理に一酸化炭素を主構成ガスとすることで、緩やかなアニール処理が行えているので、かような低温での安定化膜の形成処理であっても、充分実用性に足る金属磁性粉末を得ることが出来る。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明の技術的範囲はこれらの記載に制限されるものではない。
〔粉末粒子全体の組成分析〕
粉末粒子全体の組成分析については、Co、AlおよびY(R)の定量は日本ジャーレルアッシュ株式会社製高周波誘導プラズマ発光分析装置(IRIS/AP)(ICP)を用い、Feの定量は平沼産業株式会社製平沼自動滴定装置(COMTIME-980) を用い、酸素の定量はLECO Corporation製のNITROGEN/OXYGEN DETERMETER (TC−436型) を用いて行った。これらの定量結果はwt%(重量%)として与えられるので、Feなどのat%(原子%)に対するこれら元素のat%(原子%)の比の算出は一旦全元素の割合をwt%からat%に変換したうえで行った。
[粒子の長軸長及び短軸長]
粒子の平均長軸長並びに平均短軸長は透過型電子顕微鏡にて観察された視野を174000倍に拡大した写真を使用して500個の粒子を測定し平均した。測定は粒子の重なりなどの写真の写り方によって境界のはっきりしないもの、写真の端で粒子の端が不正確になっているものに関しては測定を避け、分散のよい単独粒子のみを選択して計測している。
[磁気特性および耐候性評価]
磁気特性は東栄工業株式会社製のVSM装置(VSM-7P)を使用して外部磁場10kOe(125.6kA/m)で測定した。耐候性評価は設定温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿容器内に一週間保持して、該恒温恒湿下に保持する前の飽和磁化量σs(i)、一週間保持後の飽和磁化量σs(ii)を測定し、保存前後の飽和磁化量の低下率Δσs(%)は前述のとおり以下の(1)のΔσs式で算出される値である。
Δσs(%)=100×〔σs(i)−σs(ii)〕/σs(i) …(1)
[真密度(真比重)評価]
磁性粉末の真密度(真比重)は、通常市販されている真密度計、例えば米国カンタクロム社製のウルトラピクノメータや米国マイクロメリテクス社製のアキュビク1330型などが使用できるが、下記の方法でも測定できる。
すなわち、粉末を適量分取して、ピクノメータに装入した後に、溶媒(トルエンなど)を添加する。その後、粉末表面に付着または吸着している空気を超音波洗浄法を用いて除去し、全体の重量を測定する。そうした後にあらかじめ測定しておいたピクノメータの重量と、ピクノメータに溶媒のみを添加した時の重量、ピクノメータの容積、粉末に付着している100℃によって脱離されうる物理吸着している水分量から、下記の数式に従って算出する。
真密度(真比重)=(試料重量−試料中水分重量)/(ピクノメータの容積−溶媒の容積−水分の容積)
[比表面積評価]
湯浅イオニクス製4ソーブUSを用い、BET法を用いて算出した。
[Dx(結晶子サイズ)測定]
X線回折装置(理学電気会社製のRAD-2C)で得られる、Fe(110)=Kλ/βcosθ(式中、K:シェラー定数0.9、λ:X線波長、β:回折ピークの半価幅(ラジアンに補正して用いる)、θ:回折角)に従って求める。
[重層磁気記録媒体の製造]
実施例により得られた金属磁性粉末は、公知の方法を用いて重層磁気記録媒体とし、その電磁変換特性を測定することが出来る。その構成の一例を以下に示す。
〔ベースフィルム〕
例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン・アラミド、芳香族ポリアミド、等の樹脂フィルムを挙げることができる。
〔非磁性層(下層)用塗料〕
例えば、非磁性粉末(オキシ水酸化鉄):85重量部、カーボンブラック:20重量部、アルミナ:3重量部、塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製塩化ビニル系バインダー:MR-110):15重量部、ポリウレタン樹脂(東洋紡製ポリウレタン樹脂:UR-8200):15重量部、メチルエチルケトン:190重量部、シクロヘキサノン:80重量部、トルエン:110重量部からなる組成の非磁性塗料を挙げることができる。
〔磁性層(上層)用塗料〕
例えば、(表1に記載の)金属磁性粉末:100重量部、カーボンブラック:5重量部、アルミナ:3重量部、塩化ビニル樹脂(日本ゼオン株式会社のMR-110):15重量部、ポリウレタン樹脂(前掲のUR-8200):15重量部、ステアリン酸:1重量部、アセチルアセトン:1重量部、メチルエチルケトン:190重量部、シクロヘキサノン:80重量部、トルエン:110重量部からなる組成の磁性塗料を挙げることができる。
下層用、上層用いずれの塗料においても、各材料を所定組成となるような割合で配合し、ニーダーやサンドグラインダーなどを用いて混練分散を行うことによって塗布液に調整することができる。得られた塗布液をベースフィルム上にそれぞれ目標厚みとなるように塗布した後、磁性層が湿潤状態にあるうちに、磁場をかけて磁性層を配向させ、ついで乾燥、カレンダー処理を行うことによって磁気テープが作製できる。上に例示した強磁性粉末、ベースフィルム、塗料組成物を使用し、且つ前述の非磁性粉末を使用した非磁性層を形成することによって、従来のものにはない、高密度記録に適した高性能の磁気記録媒体を製造できる。
[電磁変換特性]
測定は、記録ヘッドをドラムテスターに取り付け、デジタル信号を記録波長0.35μmで記録した。再生信号を測定し比較例1の出力値を0dBとして、その相対値で示している。
[実施例1]
第一鉄とコバルト塩の混合溶液から炭酸塩を経由してオキシ水酸化鉄を主成分とするケーキ(含まれる粒子の物性:長軸長127.1nm、BET154.4m2/g、Co/Fe(原子%比)23.7%、Al/(Fe+Co)(原子%比)8.9%、Y/(Fe+Co)(原子%比)7.8%、表1中に示す)を130℃にて乾燥してオキシ水酸化鉄乾燥固形物を得た。
Figure 2006190842
その固形物10gをバケットに装入し、水蒸気を水として1.0g/min(分)の導入速度で添加しながら大気中にて400℃で焼成し、α-酸化鉄(ヘマタイト)を主成分とする鉄系酸化物を得た。
このα-酸化鉄を、通気可能なバケット内に投入し、該バケットを貫通型還元炉内に装入し、水素ガス(流速:40L/min)を通気しつつ、水蒸気を水として1.0g/minの導入速度で添加しながら、400℃で30分間還元処理を施した。還元時間終了後、水蒸気の供給を停止し、水素雰囲気下600℃まで10℃/minの昇温速度にて昇温した。その後、水蒸気を水として1.0g/minの導入速度で添加しながら60分高温還元処理を行い、還元鉄合金粉末を作製した。
その後、炉内雰囲気を水素から窒素に変換し、50L/minの流速で窒素を導入しながら炉内温度を降温レート20℃/minで90℃まで低下させた。酸化膜形成初期段階は窒素50L/minと純酸素400mL/minの混合割合にて混合したガスを炉内に添加し、水蒸気を水として1.0g/minの導入速度で添加しながら、水蒸気・酸素・窒素の混合雰囲気中にて酸化膜を形成させ、表面の酸化による発熱が抑制された段階で徐々に空気の供給量を増すことによって、雰囲気中における酸素濃度を上昇させた。最終的な純酸素の流量は2.0L/minの添加量とした。その際、炉内に導入されるガスの総量は窒素の流量を調整することによりほぼ一定に保たれるようにした。この最初の安定化処理は、概ね90℃に維持される雰囲気下で実施された。
次いで、窒素雰囲気下、10℃/minで450℃まで昇温した後、一酸化炭素と水素の混合ガス(ガス構成比(体積比):一酸化炭素95:水素ガス5、流速:50L/min)を用い、水蒸気を水として1.0g/minの導入速度で添加しながら3時間還元した(アニール工程)。
その後、再度一酸化炭素と水素の混合ガスを窒素に切り替え、水蒸気の供給を添加した後に、降温操作に入り、50L/minの流速で窒素を導入しながら炉内温度を降温レート20℃/minで90℃まで急速低下させた。酸化膜形成初期段階は窒素50L/minと純酸素400mL/minの混合割合にて混合したガスを炉内に添加し、水蒸気を水として1.0g/minの導入速度で添加しながら、水蒸気・純酸素・窒素の混合気体中にて酸化膜を形成させ、開始より30分間を経過した段階で純酸素の添加量を2.0L/minにあげ、1時間維持させることで、酸化膜改良型の金属磁性粉末を得た。
得られた金属磁性粉末およびこれを用いた磁気記録媒体の物性を表2および表3に示す。
Figure 2006190842
Figure 2006190842
[実施例2〜4]
粒子の組成並びに物性は、表1のとおりとした以外は実施例1と同様にして、本発明に係る酸化膜改良型の磁性粉末を得た。得られた金属磁性粉末およびこれを用いた磁気記録媒体の物性を表2および表3に示す。
[実施例5〜8]
実施例1〜4のうち、一酸化炭素と水素の混合ガスによるアニール処理を一酸化炭素対水素の割合(体積比99:1)にした以外は同様にして、金属磁性粉末を得た。得られた金属磁性粉末およびこれを用いた磁気記録媒体の物性を表2および表3に示す。
[実施例9〜12]
実施例1〜4の中で、130℃にて乾燥した後のα-FeOOH(オキシ水酸化鉄)を、その後焼成工程を経ることなく還元操作に移行した以外は、実施例1〜4を繰り返した。得られた金属磁性粉末およびこれを用いた磁気記録媒体の物性を表2および表3に示す。
[比較例1〜4]
実施例1〜4の一酸化炭素と水素の混合ガスによるアニール処理を行わなかった以外は同様にして金属磁性粉末を作成した。得られた金属磁性粉末およびこれを用いた磁気記録媒体の物性を表2および表3に示す。
実施例1〜4に関しては、電磁変換特性、および粉末磁気特性を改善した磁性粉末を作成することが出来ている。とくに、粒子長軸長が20nm程度まで微細化を行っても、本発明の範囲内に各特性が存在している場合では、所望の磁気特性が得られることが分かる。
実施例5〜8は、一酸化炭素と水素の混合ガスによるアニール処理での水素と一酸化炭素の構成割合を変化させたものについて示している。水素の割合が極端に低いので酸化膜の改善が若干不十分になり、耐酸化性は悪化傾向にあり、また、電磁変換特性も先の実施例のものと比較すると悪化傾向にある。
実施例9〜12については、オキシ水酸化鉄粒子を、焼成工程を経ないで還元処理を行ったものについて示した。ごくわずかではあるが、飽和磁化値が上昇しているが、同時に耐候性のΔσsに関しても悪化の傾向がある。

Claims (6)

  1. Coを含有しFeを主成分とする粒子からなり、BET比表面積値と真密度値の積が250m2/cc以上であり、かつ該粒子の平均長軸長が10〜200nm、前記真密度が5.0g/cc以上である、塗布型磁気記録媒体用金属磁性粉末。
  2. 飽和磁化値と真密度値の積が450kAm2/cc以上である、請求項1に記載の金属磁性粉末。
  3. 原子%比で、Co/Fe=10〜50%、Al/(Fe+Co)=1〜50%、R/(Fe+Co)=1〜30%の範囲でCo、Al、および、Yを含む希土類元素の少なくとも1種Rが含有された、請求項1または2に記載の金属磁性粉末。
  4. 温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿容器内に一週間保持したときの飽和磁化の低下率Δσsが12%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属磁性粉末。ただし、該恒温恒湿容器内に保持する前の飽和磁化をσs(i)、一週間保持後の飽和磁化をσs(ii)としたとき、Δσs(%)=100×〔σs(i)−σs(ii)〕/σs(i)で表される。
  5. 保磁力が39.8〜318.4kA/m、飽和磁化が10〜200Am2/kgである、請求項1〜4のいずれかに記載の金属磁性粉末。
  6. 磁性粉末として請求項1〜5のいずれかに記載の金属磁性粉末を用いた磁気記録媒体。
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