JP4356139B2 - 紡錘状ゲータイト粒子、紡錘状ヘマタイト粒子、及び鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子、並びにそれらの製造法 - Google Patents

紡錘状ゲータイト粒子、紡錘状ヘマタイト粒子、及び鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子、並びにそれらの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒度が均整で、短軸径が大きく、適切な軸比を有し、且つ焼結防止性能の非常に優れた紡錘状ゲータイト粒子、紡錘状ヘマタイト粒子、及び該紡錘状ヘマタイト粒子を出発原料として得られる分散性が良好(高角形比、高配向性)であって、優れた耐候性と優れた保磁力分布を兼ね備え、民生用DAT、8mm、Hi−8テープ、業務用VTRテープ、コンピューターテープあるいはディスクなどに好適に使用される保磁力1300〜1800Oeの鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用DAT、8mm、Hi−8テープ、業務用VTRテープ、コンピューターテープあるいはディスクなどのオーディオ、ビデオ、コンピューター用の磁気記録再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が激化しており、特に、昨今におけるVTR(ビデオ・テープ・レコーダー)の普及は目覚しく、長時間記録化並びに小型軽量化、更に記録方式をアナログ方式からデジタル方式化への移行を目指したVTRの開発が盛んに行われている。一方においては、磁気記録媒体である磁気テープに対する高性能化、高密度記録化、記録の信頼性向上への要求が益々高まってきている。
【0003】
磁気記録媒体の高画像画質、高出力特性、殊に周波数特性の向上が要求され、その為には、残留磁束密度Brの向上、高保磁力化並びに、分散性、充填性、テープ表面の平滑性の向上が必要であり、益々S/N比の向上が要求されてきている。
【0004】
磁気記録媒体のこれらの諸特性は磁気記録媒体に使用される磁性粒子と密接な関係を有するものであるが、近年においては、従来の酸化鉄磁性粒子に比較して高い保磁力と大きな飽和磁化を有する鉄を主成分とする金属磁性粒子が注目され、DAT、8mm、Hi−8テープ、業務用VTRテープ、コンピューターテープあるいはディスクなどの磁気記録媒体に使用され実用化されている。しかしながら、これらの鉄を主成分とする金属磁性粒子についても更なる特性改善が強く望まれている。
【0005】
磁気記録媒体の諸特性について詳述すれば次の通りである。ビデオ用磁気記録媒体として高画像画質を得る為には、S/N比、ビデオ周波数特性の向上が要求される。その為には、磁性粒子の塗料中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性を向上させることと、磁気記録媒体の表面平滑性を改良することが重要である。また、ビデオ周波数特性の向上を図る為には、磁気記録媒体の保磁力が高く、且つ、残留磁束密度が大きいことが必要であり、加えて、磁気記録媒体のS.F.D.(Switching Field Distribution)、即ち、保磁力分布が小さいことが必要である。更に、磁気記録媒体の繰り返し走行性、スチル特性、あるいは過酷な環境下における使用での記録の信頼性を確保すること、換言すれば耐久性を向上させることも重要である。
【0006】
そのような金属磁性粒子としては、分散性、耐候性においては粒子サイズが大きい方が好ましく、塗膜での角形比、配向性に関しては、軸比が大きい方が好ましいとされている。一方、表面平滑性、ノイズの観点からは粒子サイズが小さい方が好ましいが、粒子サイズが小さくなるほど分散が難しく、耐候性にも問題を生ずる。また、飽和磁化の観点からは粒子サイズが大きく、しかも粒度分布が優れている方が好ましいが、必要以上に粒子サイズが大きくなると保磁力が低下する傾向があるため、金属磁性粒子の軸比を大きくすることにより保磁力を維持する必要がある。
【0007】
一般的に、金属磁性粒子は出発原料であるゲータイト粒子、該ゲータイト粒子を加熱脱水して得られるヘマタイト粒子、又は前記各粒子に鉄以外の異種金属を含有させた粒子等を、必要により非還元性雰囲気下で加熱処理した後、還元性雰囲気下で加熱還元することにより得られる。その際、出発原料であるゲータイト粒子の形状や粒度を適切に制御し、更に、加熱、還元などの熱処理時の粒子同士の融着、あるいは単一粒子の変形、形状破壊を防止し、出発原料であるゲータイト粒子形状や粒度を金属磁性粒子へ保持継承させることが必要である。
【0008】
前記出発原料となるゲータイト粒子は、形状的には水酸化アルカリをベースにして得られる針状ゲータイト粒子、炭酸アルカリをベースとして得られる紡錘状ゲータイト粒子の2種類が存在する。針状ゲータイト粒子は一般的に軸比の大きいものが得られやすいという特徴を持つ反面、紡錘状粒子に比較して粒度分布が劣り、また粒子サイズの小さいものが得られ難いという問題がある。この粒度分布については、一次粒子の均一性の指標であるので、金属磁性粒子の保磁力分布、あるいは耐候性、即ち酸化安定性にも密接に関係してくる。なお、特開平5―98321号公報には、軸比が比較的大きい針状粒子での微細で、保磁力が高く、大きな飽和磁化を得る技術が開示されているが、金属磁性粒子の酸化安定性、耐熱性、また磁性塗膜の耐候性については十分な検討がなされていない。
【0009】
一方、紡錘状ゲータイト粒子は、一般的に粒度分布が優れるという特徴があるものの、軸比の大きなものが得られにくく、粒子サイズを大きくした場合、針状粒子に比較して金属磁性粒子の保磁力が低いので、通常、粒子サイズを小さくして保磁力が確保されている。その結果、粒子サイズが相対的に小さいため、塗料中の分散性が悪く、軸比が低いことなどにも依存し、塗膜の角形比、配向性が低く問題とされており、耐候性に関しても粒度分布の良さ以上に粒子サイズが小さいことなどに起因して未だ十分ではない。なお、特開平5―62166号公報には紡錘状金属磁性粒子の軸比を大きくする思想で保磁力を確保し分散性を向上させる技術が開示されているが、金属磁性粒子の酸化安定性、磁性塗膜の耐候性などについては全く考慮されていない。
【0010】
以上のような理由から、民生用DAT、8mm、Hi−8テープ、業務用VTRテープ、コンピューターテープあるいはディスクなどのオーディオ、ビデオ、コンピューター用の磁気記録再生用機器媒体に使用される金属磁性粒子は、現状では粒子サイズが大きく、且つ軸比が大きく、磁性塗膜の角形比、配向性が高くなりやすい保磁力1300〜1800Oeの針状形状を有する金属磁性粒子が一般的に用いられている。しかし、上述のように粒度分布の点では不十分であり、その改良も行われているが、紡錘状粒子に比較して相対的に粒度分布が広いことに依存して、粒子サイズが大きい割には耐候性が十分とは言えない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような背景により、保磁力が1300〜1800Oeの金属磁性粒子において、紡錘状粒子であって、分散性が良好(高角形比、高配向性)であり、優れた耐候性と優れた保磁力分布を兼ね備える金属磁性粒子が要求されている。
【0012】
従来、紡錘状ゲータイト及び紡錘状金属磁性粒子に関して、特公平1―18961号公報には、粒子サイズとその軸比を適当に選ぶことによって目的の保磁力を得て、低比表面積として塗料の粘度を低減させる技術が開示されているが、金属磁性粒子の酸化安定性あるいは塗膜の角形比、配向性などは全く考慮されていない。
【0013】
また、特開平9―295814号公報、特開平10―245233号公報には、従来の針状の金属磁性粒子と同様に軸比を大きくする思想で、紡錘状金属磁性粒子において高い保磁力と優れた保磁力分布を得る技術が開示されているが、酸化安定性までは全く考慮されていない。なお、上記特開平10―245233号公報には、紡錘状ヘマタイト粒子の結晶子サイズD104とD110の関係が特定範囲にある場合、塗膜の保磁力分布が優れることも記載されているが、出発原料であるゲータイト粒子の結晶子サイズとの関係までは言及されておらず、その加熱処理工程での粒子の焼結あるいは形状破壊の点で不十分である。
【0014】
一方、特開平7―126704号公報、特開平8―165501号公報、特開平8―165117号公報には、CoとAlを含有し微粒子で高保磁力である紡錘状金属磁性粒子を得る技術が開示されているが、金属磁性粒子の酸化安定性については、特開平7―126704号公報では十分な検討がなされておらず、特開平8―165501号公報でも未だ十分とは言えるレベルではない。なお、特開平8―165117号公報には、紡錘状ゲータイト粒子の結晶子サイズD020とD110の比率が特定されているが、種晶粒子から表層粒子を形成する場合の成長性までは言及されていない。
【0015】
また、金属磁性粒子の耐熱性については、特開昭59―207024号公報には、示差熱曲線が80℃まで変化しない金属磁性粒子が開示されており、粒子形状は定かでないがAlが7原子%含有のもので130℃のものが記載されている。同様に特開平2―19161号公報では、着火温度が高いものでも高々121℃であり、耐熱性としては十分とは言えない。
【0016】
更に、特開平10―334455号公報には、金属磁性粒子中のCo、Al、希土類元素量を特定範囲にすることにより優れたヘッド摺動特性と良好な保存性を有する磁気記録媒体を得る技術が開示されているが、出発原料であるゲータイト粒子の粒子サイズ、形状、粒度分布などの検討がなされておらず、保磁力、耐候性、分散性の点で十分な検討がなされていない。
【0017】
前記紡錘状ゲータイト粒子においては、その粒度分布が優れるという特徴を保持しながら、上述の問題点、即ち、粒子サイズを大きくした状態で、保磁力を維持することを含めて、高角形比、高配向性を得るため、針状の金属磁性粒子と同様の思想で軸比を大きくする検討が行われているが、未だ十分なものが得られておらず、また、個々の特性に及ぼす効果あるいは影響についても十分な検討がなされているとは言えない。
【0018】
そこで本発明は、粒度分布が優れるという特徴を持つ紡錘状金属磁性粒子において、針状金属磁性粒子の特徴である高分散性、及び塗膜中での高角形比、高配向性を有し、更に優れた粒度分布を有する紡錘状金属磁性粒子を得るに際して、従来考えられていた思想とは全く異なる思想で達成し、且つ、前記特性を有する金属磁性粒子を提供することを技術的課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1は、Coを全Feに対して0.5以上8原子%未満及びAlを全Feに対して5〜10原子%含有する平均長軸長0.18〜0.30μmの紡錘状ゲータイト粒子であって、サイズ分布(標準偏差/長軸長)が0.22以下、平均短軸長0.025〜0.045μm 、平均軸比5〜10であることを特徴とする紡錘状ゲータイト粒子を内容とする。
【0020】
また、好ましい態様としては、紡錘状ゲータイト粒子の結晶子サイズ比D020/D110が1.8〜2.4であり、且つ該紡錘状ゲータイト粒子の種晶粒子に対する結晶子サイズ比D020(紡錘状ゲータイト粒子)/D020(種晶粒子)が1.05〜1.20、D110(紡錘状ゲータイト粒子)/D110(種晶粒子)が1.02〜1.10である。
【0021】
本発明の第2は、Coを全Feに対して0.5以上10原子%未満、Alを全Feに対して5〜10原子%、及び希土類元素を全Feに対して1〜5原子%含有し、且つAl/希土類元素の比率が1.5〜5(各々Feに対する原子%)である平均長軸長0.17〜0.28μmの紡錘状ヘマタイト粒子であって、サイズ分布(標準偏差/長軸長)が0.20以下、平均短軸長0.022〜0.035μm 、平均軸比5〜10、結晶子サイズ比D110/D104が2.0〜4.0であることを特徴とする紡錘状ヘマタイト粒子を内容とする。
【0022】
本発明の第3は、Coを全Feに対して0.5以上10原子%未満、Alを全Feに対して5〜10原子%及び希土類元素を全Feに対して1〜5原子%含有し、且つAl/希土類元素の比率が1.5〜5(各々Feに対する原子%)である平均長軸長0.15〜0.25μm、サイズ分布(標準偏差/長軸長)が0.30以下、平均短軸長0.015〜0.025μm、平均軸比が5〜9であって、着火温度135℃以上、酸化安定性が10%以下、保磁力が1300〜1800Oeであることを特徴とする鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を内容とする。
【0023】
本発明の第4は、炭酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液との混合アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られる第一鉄含有沈殿物を含む水懸濁液を非酸化性雰囲気下において熟成させた後に、該水懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応によって紡錘状ゲータイト種晶粒子を生成させ、次いで該種晶粒子と第一鉄含有沈澱物とを含む水懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応によって該種晶粒子の粒子表面上にゲータイト層を成長させて紡錘状ゲータイト粒子を生成させるにあたり、前記種晶粒子の生成時においては、酸化反応開始前の熟成中の第一鉄含有沈澱物を含む水懸濁液に、全熟成期間の1/2以内の時期に全Feに対しCo換算で0.5以上8原子%未満のCo化合物を添加して酸化反応を全Fe2+の40〜50%の範囲で行い、全Feに対しAl換算で5〜10原子%のAl化合物を添加することを特徴とする紡錘状ゲータイト粒子の製造法を内容とする。
【0024】
本発明の第5は、上記紡錘状ゲータイト粒子をAl/希土類元素の比率が1.5〜5(各々Feに対する原子%)になるように、希土類元素換算で全Feに対して1〜5原子%の希土類元素の化合物からなる焼結防止剤で処理した後、且つ結晶子サイズD104がD104/ゲータイトD110として0.9〜1.1の範囲になるように非還元性雰囲気中、650〜800℃で加熱処理を行うことを特徴とする紡錘状ヘマタイト粒子の製造法を内容とする。
【0025】
本発明の第6は、上記紡錘状ヘマタイト粒子を還元性雰囲気中、400〜700℃の範囲内で加熱還元することを特徴とする鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の製造法を内容とする。
【0026】
先ず、本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子について述べる。
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子は、平均長軸径が0.18〜0.30μmであり、そのサイズ分布(標準偏差/平均長軸径)は0.22以下である。また、平均短軸径が0.025〜0.045μmである。その形状は紡錘状であって、平均軸比(長軸径/短軸径)が5〜10である。平均長軸径が0.18μm未満では金属磁性粒子とした場合、保磁力が高くなり過ぎ、更に塗料中での分散性が劣り、塗膜の耐候性も劣化しやすくなる。一方、0.30μmを超えると本発明の軸比の範囲では、目的とする保磁力が得られ難くなる。またサイズ分布は小さければ小さい程良く、従って下限は特に限定されないが、工業的製造性の観点からは0.10程度が適当である。一方、0.22を超えると酸化安定性、耐熱性が劣化し、高密度記録化も困難となる。また平均短軸径が0.025μm未満では十分な酸化安定性、耐熱性が得られず、一方、0.045μmを超えると目的とする保磁力が得られない。更に平均軸比が5未満では目的とする保磁力が得られず、一方、10を超えると保磁力が高くなり過ぎるか、あるいは、酸化安定性、耐熱性が劣化する。
【0027】
また、本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子は、BET比表面積が100〜150m2 /gであることが好ましい。BET比表面積が100m2 /g未満では粒子が相対的に大きく、目的とする保磁力が得られず、一方、150m2 /gを超えると必要以上に保磁力が高くなり、酸化安定性、耐熱性が劣化する。
【0028】
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子は、Coを全Feに対して0.5以上8原子%未満含有するとともにAlを全Feに対して5〜10原子%含有する。Co含有量が0.5原子%未満では磁気的特性の向上効果がなく、8原子%以上となると粒子サイズの制御が困難となる。またAl含有量が5原子%未満では焼結防止効果がなく、10原子%を超えると特に飽和磁化が低下する。
【0029】
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子の結晶子サイズ比D020/D110は1.8〜2.4が好適である。また、結晶子サイズD020は200〜280Å、D110は100〜140Åがそれぞれ好適である。D020/D110が1.8未満の場合は加熱脱水時、もしくは加熱還元時の形状保持が不十分となり、得られた金属磁性粒子の塗料における分散性が低下し、保磁力分布も劣化する傾向がある。また、D020/D110が2.4を超える場合は、目的とする粒子サイズの金属磁性粒子は得られるが、目的とする保磁力のものが得られにくい傾向がある。
【0030】
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子は、種晶部分と表層部分とから形成されており、該種晶部分及び該表層部分にCoが存在し、当該表層部分にのみAlが存在する。
【0031】
前記種晶部分とは、添加した第一鉄塩の内、Al化合物を添加するまでに酸化されて形成されるゲータイト種晶粒子部分をいう。具体的には、Fe2+の酸化率により決まるFeの重量比率の部分であって、好ましくは、種晶粒子の内部中心から40〜50重量%の部分である。
【0032】
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子の種晶粒子に対する結晶子サイズ比D020(紡錘状ゲータイト粒子)/D020(種晶粒子)が1.05〜1.20が好ましく、D110(紡錘状ゲータイト粒子)/D110(種晶粒子)が1.02〜1.10が好ましい。D020(紡錘状ゲータイト粒子)/D020(種晶粒子)が1.20を超え、D110(紡錘状ゲータイト粒子)/D110(種晶粒子)が1.10を超える場合は、表層部分のゲータイト層が多くなり過ぎゲータイト粒子形状の制御が難しくなる。またD020(紡錘状ゲータイト粒子)/D020(種晶粒子)が1.05未満、D110(紡錘状ゲータイト粒子)/D110(種晶粒子)が1.02未満の場合は、表層部分のAl含有ゲータイト層が少なくなり、脱水加熱及び加熱還元の際の焼結防止効果が著しく低下する傾向がある。
【0033】
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子の粒子全体の全Coの存在比率を100とした場合、前記種晶部分に含有するCoの存在比率は全Coに対して好ましくは75〜95、より好ましくは80〜90である。また、表層部分に含有するCoの存在比率は全Coに対して好ましくは103〜125、より好ましくは106〜120である。種晶部分のCoの存在比率が75未満で、表層部分のCoの存在比率が125を超える場合には、種晶部分のCoが少ないためCo合金化を起こし難く、また、表層がCoリッチになり過ぎる為、還元時の形状保持が難しくなるとともに磁気特性が劣化する傾向がある。また、種晶部分のCoの存在比率が95を超え、表層部分のCoの存在比率が103未満の場合には、種晶部分のCoが多くCo合金化し易い反面、表層部分のCo量に対して同時に存在するAl量が多すぎるため、表層のCo合金化が巧くいかず、全体としては磁気特性が劣化する傾向がある。
【0034】
前記表層部分とは、成長反応においてAl化合物が添加された後、前記ゲータイト種晶粒子の粒子表面上に成長したゲータイト層をいう。具体的には、粒子の最表面からFeの50〜60重量%の部分である。また、Alは表層部分にのみ存在し、その含有量は全Feに対して5〜10原子%である。5原子%未満の場合にはメタル化の際、十分な焼結防止効果が得られない。また、10原子%を超える場合には磁気特性、特に飽和磁化が低下し、更に粒子内部の結晶成長が阻害されるため保磁力が発現し難くなる。
【0035】
次に、本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子の製造法について述べる。
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子を構成する粒子は、まず、紡錘状ゲータイト種晶粒子を生成させ、次いで、該種晶粒子表面にゲータイト層を成長させることによって得られる。
【0036】
紡錘状ゲータイト種晶粒子は、炭酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液との混合アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られる第一鉄含有沈殿物を含む水懸濁液を非酸化性雰囲気下において熟成させた後に、該水懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応によって紡錘状ゲータイト種晶粒子を生成させるにあたり、酸化反応開始前の熟成中の第一鉄含有沈澱物を含む水懸濁液に、全熟成期間の1/2以内の時期に全Feに対しCo換算で0.5以上8原子%未満のCo化合物を添加し、酸化反応を全Fe2+の40〜50%の範囲で行うことによって得られる。Co化合物の添加を全熟成期間の1/2を超える時期とすると、目的とする軸比、粒子サイズのゲータイト粒子が得られない。また、酸化反応が全Fe2+の40%未満及び50%を超える場合にも、目的とする軸比、粒子サイズのゲータイト粒子が得られ難くなる。
【0037】
熟成は、非酸化性雰囲気下の前記懸濁液を、通常、40〜80℃の温度範囲で行うのが好適である。40℃未満の場合には、軸比が小さく十分な熟成効果が得られ難く、80℃を越える場合には、マグネタイトが混在してくることがある。熟成時間としては、通常、30〜300分間である。30分未満、300分を超えた場合には目的とする軸比のものが得られ難い。
非酸性雰囲気とするには、前記懸濁液の反応容器内に不活性ガス(窒素ガスなど)又は還元性ガス(水素ガスなど)を通気すればよい。
【0038】
紡錘状ゲータイト種晶粒子の生成反応において、第一鉄塩水溶液としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用することができる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上混合して用いられる。
【0039】
紡錘状ゲータイト種晶粒子の生成反応において使用される混合アルカリ水溶液は、炭酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを混合して得られる。この場合の混合比率(規定換算による%表示)として、水酸化アルカリ水溶液の割合は好ましくは10〜40%(規定換算%)、より好ましくは15〜35%(規定換算%)である。10%未満の場合には、目的とする軸比が得られないことがありず、40%を超える場合には、粒状マグネタイトが混在してくることがある。
【0040】
炭酸アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液等が使用でき、前記水酸化アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用できる。これらはそれぞれ単独で又は必要に応じ2種以上混合して用いられる。
【0041】
混合アルカリ水溶液の使用量は、第一鉄塩水溶液中の全Feに対する当量比として1.3〜3.5、好ましくは1.5〜2.5である。1.3未満の場合には、マグネタイトが混在することがあり、3.5を超えると工業的に好ましくない。
【0042】
第一鉄塩水溶液と混合アルカリ水溶液との混合後の第一鉄濃度は、好ましくは0.1〜1.0mol/l、より好ましくは0.2〜0.8mol/lである。0.1mol/l未満の場合には、収量が少なく、工業的でない。1.0mol/lを超える場合には、粒径分布が大きくなるため好ましくない。
【0043】
紡錘状ゲータイト種晶粒子の生成反応におけるpH値は、好ましくは8.0〜11.5、より好ましくは8.5〜11.0の範囲である。pHが8.0未満の場合には、ゲータイト粒子粉末中に酸根が多量に含まれるようになり、洗浄によっても簡単に除去することができないので、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末とした場合に粒子同志の焼結を引き起こす場合がある。また11.5を越える場合には、金属磁性粒子粉末とした場合に目的とする高い保磁力が得られにくい。
【0044】
紡錘状ゲータイト種晶粒子の生成反応は、酸素含有ガス(例えば空気)を液中に通気する酸化反応によって行う。
酸素含有ガスの空塔速度は、好ましくは0.5〜3.5cm/s、より好ましくは1.0〜3.0cm/sである。0.5cm/s未満では酸化速度があまりにも遅いため、粒状のマグネタイト粒子が混在し易く、一方、、3.5cm/sを超えると酸化速度が速すぎ、目的の粒子サイズに制御することが困難になる。なお、空塔速度とは、単位断面積(円柱反応塔の底断面積、巣板の孔径、孔数は考慮しない。)当たりの酸素含有ガスの通気量であって、単位はcm/secである。
【0045】
紡錘状ゲータイト種晶粒子の生成反応における温度は、通常、ゲータイト粒子が生成する80℃以下の温度で行えばよい。80℃を超える場合には、紡錘状ゲータイト粒子中にマグネタイトが混在することがある。好ましくは45〜55℃の範囲である。
【0046】
紡錘状ゲータイト種晶粒子の生成反応において、Co化合物としては、硫酸コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト等を使用することができる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上混合して用いられる。Co化合物の添加は、酸化反応を行う前の熟成されている第一鉄含有沈澱物を含む懸濁液に添加する。
【0047】
Co化合物の添加量は、最終生成物である紡錘状ゲータイト粒子中の全Feに対して0.5原子%以上8原子%未満である。0.5原子%未満の場合には、金属磁性粒子とした場合の磁気的特性の向上効果がなく、8原子%以上の場合には、微細化し目的とする軸比、サイズのものが得られない。
【0048】
ゲータイト層の成長反応におけるpH値は、通常、8.0〜11.5、好ましくは8.5〜11.0の範囲である。pHが8.0未満の場合には、ゲータイト粒子粉末中に酸根が多量に含まれるようになり、洗浄によっても簡単に除去することができないので、金属磁性粒子とした場合に粒子同志の焼結を引き起こす場合がある。また11.5を超える場合には、金属磁性粒子とした場合に目的とする粒度分布のものが得られない場合がある。
【0049】
前記ゲータイト層の成長反応は、酸素含有ガス(例えば空気)を液中に通気する酸化反応によって行う。
酸素含有ガスの通気の空塔速度は、前記種晶粒子の生成反応時より大きくすることが好ましい。大きくしない場合には、Al添加時に水懸濁液の粘度が上昇し、短軸方向の成長がより促進され、軸比が低下し、目的とする軸比のものが得られないことがある。但し、種晶粒子の生成反応時の空塔速度が2.0cm/s以上の場合はこの限りではない。
【0050】
ゲータイト層の成長反応における温度は、通常、ゲータイト粒子が生成する80℃以下の温度で行えばよい。80℃を越える場合には、紡錘状ゲータイト粒子中にマグネタイトが混在することがある。好ましくは45〜55℃の範囲である。
【0051】
ゲータイト層の成長反応において、Al化合物としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等の酸性塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸アンモニウム等のアルミン酸塩を使用することができる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上混合して用いられる。
【0052】
Al化合物の添加は、酸素含有ガスの空塔速度を種晶粒子の生成反応時の空塔速度を好ましくは大きくして通気すると同時に行うことができる。Alの添加が長時間に渡る場合は、酸化反応を進行させない意味で、窒素含有ガスに切り替えて行うことができる。尚、酸素含有ガスを通気した状態でAl化合物を分割添加したり、連続的及び間欠的に添加した場合には本発明の十分な効果が得られない。
【0053】
前記Al化合物の添加量は、最終生成物である紡錘状ゲータイト粒子中の全Feに対して5〜10原子%である。5原子%未満の場合には、メタル化の際十分な焼結防止効果が得られず、10原子%を超える場合には、ゲータイト以外の粒子の生成も誘発し、磁気特性、特に飽和磁化が低下し、更に粒子内部の結晶成長が阻害されるため保磁力が発現し難くなる。
【0054】
次に、本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子について述べる。
本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子を構成する粒子は、平均長軸径が0.17〜0.28μmであり、サイズ分布(標準偏差/平均長軸径)が0.20以下である。また、平均短軸径が0.022〜0.035μmである。その形状は紡錘状であって、軸比(長軸径/短軸径)が5〜10である。平均長軸径が0.17μm未満では金属磁性粒子とした場合、保磁力が高くなり過ぎ、更に塗料中での分散性が劣り、塗膜の耐候性も劣化しやすくなる。一方、0.28μmを超えると本発明の軸比の範囲では、目的とする保磁力が得られ難くなる。またサイズ分布は小さければ小さい程良く、従って下限は特に限定されないが、工業的製造性の観点からは0.10程度が適当である。一方、0.20を超えると酸化安定性、耐熱性が劣化し、高密度記録化も困難となる。また平均短軸径が0.022μm未満では十分な酸化安定性、耐熱性が得られず、一方、0.035μmを超えると目的とする保磁力が得られない。更に軸比が5未満でも、目的とする保磁力が得られず、一方、10を超えると保磁力が高くなり過ぎるか、酸化安定性、耐熱性が劣化する。
【0055】
本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子は、BET比表面積が好ましくは30〜70m2 /g、より好ましくは35〜65m2 /gである。BET比表面積が30m2 /g未満では本発明の粒子サイズでは加熱処理工程での焼結が既に生じており、サイズ分布が悪化し、金属磁性粒子のサイズ分布も悪化し、塗膜のSFDも劣化する。一方、70m2 /gを超えると加熱還元工程での焼結防止が不十分となり、金属磁性粒子のサイズ分布が悪化し、塗膜のSFDも劣化する。
【0056】
本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子を構成する粒子は、Coは全Feに対して0.5原子%以上10原子%未満含有し、Alは全Feに対して5〜10原子%含有し、また、希土類元素の含有量は、全Feに対して1〜5原子%含有し、且つAl/希土類元素の比率(各々Feに対する原子%)が1.5〜5である。
【0057】
本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子を構成する粒子の結晶子サイズ比D110/D104が2.0〜4.0である。また、結晶子サイズD104は100〜150Å、D110は200〜300Åである。D110/D104が2.0未満の場合は脱水加熱時の粒子成長が過度に起こっており、短軸方向の成長と合わせて、粒度分布が悪化し、得られた金属磁性粒子の保磁力が低く、分散性も劣化する。またD110/D104が4.0を超える場合は、脱水加熱による結晶成長が不十分で、加熱還元時の形状保持効果が期待できず、保磁力が低下し、更に粒度分布も悪化する。
【0058】
本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子を構成する粒子は、種晶部分と中間層部分と最外層部分とから形成されており、該種晶部分及び該中間層部分にCoが存在し、当該中間層部分にのみAlが存在し、且つ該最外層部分にのみ希土類元素が存在する。
なお、最外層には焼結防止効果の向上及び磁気調整のため、必要により補助的にその他の元素としてAl、Si、B、Ca、Mg、Ba、Sr、Co,Ni等から選ばれる元素の化合物の1種又は2種以上を使用してもよい。これらの化合物は、焼結防止効果を有するだけでなく、還元速度を制御する働きも有するので、必要に応じて組み合わせて使用すればよい。ただし、多過ぎると金属磁性粒子とした場合に飽和磁化が低下するので組み合わせる種類により、最適量を適宜選べばよい。
【0059】
前記種晶部分とは、前記ゲータイト粒子の種晶部分がそのまま変化したものであり、好ましくは、種晶粒子の内部中心からFeの重量比率が40〜50重量%である。また、前記中間層部分とは、前記ゲータイト粒子の表層部分がそのまま変化したものであり、好ましくは、粒子表面の希土類元素化合物からなる最外層を除いた場合の最表面からFeの重量比率が50〜60重量%の部分である。
【0060】
本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子を構成する粒子の粒子全体の全Coの存在比率を100とした場合、前記種晶部分に含有するCoの存在比率は全Coに対して好ましくは75〜95、より好ましくは80〜90である。また、中間層部分に含有するCoの存在比率は全Coに対して好ましくは103〜125、より好ましくは106〜120である。種晶部分のCoの存在比率が75未満であり、中間層部分のCoの存在比率が125を超える場合には、種晶部分のCoが少ないためCo合金化を起こし難く、また、中間層がCoリッチになり過ぎる為、還元時の形状保持が難しくなるとともに磁気特性が劣化する傾向がある。また、種晶部分のCoの存在比率が95を超え、中間層部分のCoの存在比率が103未満の場合には、種晶部分のCoが多くCo合金化し易い反面、中間層のCo量に対して同時に存在するAl量が多すぎるため、表層部分のCo合金化が巧くいかず、全体としては磁気特性が劣化する傾向がある。なお、必要に応じてCoを最外層に存在させた場合はその作用が異なり、全体的な還元速度の制御あるいは最表面の酸化安定性などに作用すると考えられる。一方、前記Coは粒子内部にFe元素と同時に存在し、主に各層に存在するFeとの合金化に直接絡むものであるという点で重要と考えられる。
【0061】
Co化合物の含有量は、全Feに対して0.5原子%以上10原子%未満である。0.5原子%未満の場合には、金属磁性粒子とした場合に磁気的特性の向上効果がなく、一方、10原子%以上の場合には、還元速度の制御が難しくなり、形状破壊を招きやすい。
また、Alは中間層部分にのみ存在し、全Feに対して5〜10原子%である。5原子%未満の場合にはメタル化の際、十分な焼結防止効果が得られない。また10原子%を超える場合には磁気特性、特に飽和磁化が低下し、更に粒子内部の結晶成長が阻害されるため保磁力が発現し難くなる。
【0062】
前記最外層部分とは、希土類化合物からなる。最外層部分に含有する希土類元素の含有量は、全Feに対して1〜5原子%である。1原子%未満の場合には、焼結防止効果が十分でなく、また金属磁性粒子とした場合にサイズ分布が劣化し、塗膜のSFDも悪化する。5原子%を超える場合には著しい飽和磁化の減少が生じる。
【0063】
なお、Al元素と希土類元素との比率は、Al/希土類元素として1.5〜5である。1.5よりも小さい場合は、金属磁性粒子とした場合十分な酸化安定性が得られ難く、5を超える場合は十分な耐熱性が得られず、着火温度が低くなり易い。
【0064】
次に、本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子の製造法について述べる。
本発明においては、前記した如く得られた紡錘状ゲータイト粒子を、加熱脱水処理に先立って焼結防止のために焼結防止剤により前記紡錘状ゲータイト粒子表面を被覆処理しておく。
【0065】
焼結防止剤としては、希土類元素の化合物を用いる。希土類元素の化合物としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム等の1種又は2種以上の化合物が好適であり、前記希土類元素の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等が使用できる。その処理方法は乾式又は湿式のいずれでもよく、好ましくは湿式での被覆処理である。
その使用量は、全Feに対して好ましくは1〜5原子%である。1原子%未満の場合には、焼結防止効果が十分でなく、また金属磁性粒子粉末とした場合に粉体保磁力分布(SFDr)が悪化する。5原子%を越える場合には、著しく飽和磁化値が低くなる。
【0066】
本発明においては、該紡錘状ゲータイトに含有されるAl/希土類元素の比率が1.5〜5(それぞれの元素の全Feに対する原子割合の比率)になるように希土類元素化合物を添加する。その比率が1.5未満の場合には金属磁性粒子とした時十分な酸化安定性が得られない。一方、5を超える場合には十分な耐熱性が得られないばかりか焼結防止効果のある希土類元素が少なくなり過ぎ、メタル化の際の形状保持効果が不十分となる。
【0067】
なお、焼結防止効果の向上及び磁気調整のため、必要により補助的にその他の元素としてAl、Si、B、Ca、Mg、Ba、Sr、Co,Ni等から選ばれる元素の化合物の1種又は2種以上を使用してもよい。これらの化合物は、焼結防止効果を有するだけでなく、還元速度を制御する働きも有するので、必要に応じて組み合わせて使用すればよい。ただし、多過ぎると金属磁性粒子とした場合に飽和磁化が低下するので組み合わせる種類により、最適量を適宜選べばよい。
【0068】
前記焼結防止剤等をあらかじめ被覆しておくことにより、粒子及び粒子相互間の焼結が防止され、紡錘状ゲータイト粒子の粒子形状及び軸比をより一層保持継承した紡錘状ヘマタイト粒子を得ることができ、これによって、前記形状等を保持継承し、個々に独立した鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子が得られやすくなる。
【0069】
前記焼結防止剤を被覆処理した紡錘状ゲータイト粒子を、非還元性雰囲気下において650〜800℃の範囲内で加熱処理を行うに際して、紡錘状ヘマタイト粒子の結晶子サイズD104がD104/D110(ゲータイト)として0.9〜1.1の範囲になるように加熱処理する。加熱処理温度が650℃未満では前記比率が0.9未満となりやすく、一方、800℃を超えると前記比率が1.1を超えやすい。尚、D104/D110(ゲータイト)が0.9未満の場合は、金属磁性粒子とした場合、粒度分布が広がり塗膜のSFDが劣化する。D104/D110(ゲータイト)が1.1を超える場合はヘマタイトでの形状破壊及び焼結が生じ、金属磁性粒子とした場合もそれを継承し粒度分布が広く、焼結体も存在し、塗膜とした場合は角形比、SFDともに劣化する。
【0070】
また、Na2 SO4 といった不純物塩の除去のために加熱処理後のヘマタイト粒子を洗浄してもよい。この場合において、被覆された焼結防止剤が溶出しない条件で洗浄を行うことにより、不要な不純物の除去を行うことが好ましい。
具体的には、陽イオン性不純物の除去にはpHを上げて行い、陰イオン性不純物の除去には、pHを下げることでより効率的に洗浄することができる。
【0071】
次に、本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子について述べる。
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を構成する粒子は、平均長軸径が0.15〜0.25μmであり、サイズ分布(標準偏差/平均長軸径)が0.30以下である。また、平均短軸径が0.015〜0.025μmである。その形状は紡錘状であって、軸比(長軸径/短軸径)が5〜9である。平均長軸径が0.15μm未満では保磁力が高くなり過ぎ、更に塗料中での分散性が劣り、塗膜の耐候性も劣化しやすくなる。一方、0.25μmを超えると本発明の軸比の範囲で、目的とする保磁力が得られ難くなる。またサイズ分布は小さければ小さい程良く、従って下限は特に限定されないが、工業的製造性の観点からは0.10程度が適当である。一方、0.30を超えると酸化安定性、耐熱性が劣化し、また、塗膜のSFDも劣化し、高密度記録化が困難となる。また平均短軸径が0.015μm未満では十分な酸化安定性、耐熱性が得られず、一方、0.025μmを超えると目的とする保磁力が得られない。更に軸比が5未満でも、目的とする保磁力が得られず、塗膜の角形比、配向比ともに劣化する。一方、9を超えると保磁力が高くなり過ぎるか、あるいは、酸化安定性、耐熱性が劣化する。
【0072】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子は、比表面積が好ましくは30〜60m2 /g、より好ましくは35〜55m2 /gである。比表面積が30m2 /g未満では加熱還元工程での焼結が既に生じており、塗膜の角形比が向上し難く、一方、60m2 /gを超えると塗料中の粘度が高くなり過ぎ、分散し難くなるので好ましくない。
【0073】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を構成する粒子は、Coを全Feに対して0.5以上10原子%未満含有する。また、Alを全Feに対して5〜10原子%含有する。また、希土類元素を全Feに対して1〜5原子%含有し、且つAl/希土類元素の比率が1.5〜5である。それぞれの限定の理由は紡錘状ヘマタイト粒子の場合と同じである。
【0074】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を構成する粒子は、温度60℃、相対湿度90%の環境下における促進経時試験の1週間後における飽和磁化(σs)の酸化安定性(Δσs )が絶対値として10%以下、好ましくは8%以下であり、着火温度が135℃以上、好ましくは140℃以上である。
【0075】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子は、保磁力Hcが1300〜1800Oe、好ましくは1350〜1750Oeである。また、飽和磁化σsが110〜160emu/gである。
【0076】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を構成する粒子の結晶子サイズD110 は、130〜180Å、好ましくは140〜170Åである。
【0077】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子は、5kOe磁場配向での塗膜特性における角形比(Br/Bm)が好ましくは0.84以上、より好ましくは0.85以上、配向性(OR)が好ましくは2.8以上、より好ましくは2.9以上、保磁力分布(SFD)が好ましくは0.53以下、より好ましくは0.52以下である。また、3kOe磁場配向での塗膜特性における角形比(Br/Bm)が好ましくは0.82以上、より好ましくは0.83以上、配向性(OR)が好ましくは2.6以上、より好ましくは2.7以上、保磁力分布(SFD)が好ましくは0.54以下、より好ましくは0.53以下である。
【0078】
本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子は、塗膜特性における耐候性(ΔBm)は、5kOe磁場配向の塗膜で8%以下、好ましくは6%以下である。
【0079】
次に、本発明に係る鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の製造法について述べる。
本発明においては、前記本発明に係る紡錘状ヘマタイト粒子を加熱還元することによって鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を得ることができる。
加熱還元の温度範囲は、400〜700℃が好ましい。400℃未満である場合には、還元反応の進行が遅く、長時間を要する。また、700℃を越える場合には、還元反応が急激に進行して粒子の変形と、粒子及び粒子相互間の焼結を引き起こす場合がある。
【0080】
加熱還元後の鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子は周知の方法、例えば、トルエン等の有機溶剤中に浸漬する方法、還元後の鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の雰囲気を一旦不活性ガスに置換した後、不活性ガス中の酸素含有量を徐々に増加させながら最終的に空気とする方法、酸素と水蒸気を混合したガスを使用して徐々に酸化する方法等により空気中に取り出すことができる。
【0081】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
各粒子の平均長軸径、短軸径及び軸比は、いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。また、標準偏差も同時に求め、その標準偏差を平均長軸径で除した値をサイズ分布として示した。
【0082】
粒子の比表面積は、「モノソーブMS−11」(カンタクロム(株)製)を使用し、BET法により測定した値で示した。
【0083】
粒子の各結晶子サイズは、X線回折法で測定される結晶粒子の大きさを、各粒子の結晶面のそれぞれに垂直な方向における結晶粒子の厚さを表したものであり、各結晶面についての回折ピーク曲線から、下記のシェラーの式を用いて計算した値で示したものである。
【0084】
結晶子サイズ=Kλ/βcosθ
但し、β=装置に起因する機械幅を補正した真の回折ピークの半値幅(ラジアン単位)
K=シェラー定数(=0.9)
λ=X線の波長(Cu Kα線 0.1542nm)
θ=回折角(各結晶面の回折ピークに対応)
【0085】
鉄を主成分とする金属磁性粒子の磁気特性は、「振動試料磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場10kOeで測定した。
【0086】
紡錘状ゲータイト粒子及び鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子のCo量、Al量、希土類元素量は、「誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS4000」(セイコー電子工業(株)製)を使用し、測定した。
【0087】
磁性塗膜は下記の成分を100ccのポリビンに下記の割合で入れた後、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)で8時間混合分散を行うことにより調製した磁性塗料を厚さ25μmのポリエチレンテレフタートフィルム上にアプリケータを用いて50μmの厚さに塗布し、次いで、3kOeと5kOeの2水準の磁場中で乾燥させることにより得た。
3mmφスチールボール 800重量部
鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子 100重量部
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 20重量部
シクロヘキサノン 83.3重量部
メチルエチルケトン 83.3重量部
トルエン 83.3重量部
得られた磁性塗膜について磁気特性を測定した。
【0088】
粉体の飽和磁化値(σs)の酸化安定性(Δσs)及び磁性塗膜の飽和磁束密度(Bm)の酸化安定性(ΔBm)は、温度60℃、相対湿度90%の恒温槽に粉体又は磁性塗膜を一週間静置する促進経時試験の後、粉体の飽和磁化値及び磁性塗膜の飽和磁束密度をそれぞれ測定し、試験開始前のσs及びBmと促進経時試験一週間後のσs' 及びBm' との差(絶対値)を試験開始前のσs及びBmで除した値、即ち、Δσs、ΔBmとしてそれぞれ算出した。
【0089】
粉体の着火温度は、「TG/DTA測定装置SSC5100TG/DTA22」(セイコー電子工業(株)製)を用いて測定した。
【0090】
以下の方法により、紡錘状ゲータイト粒子粉末、紡錘状ヘマタイト粒子粉末及び紡錘状金属磁性粒子粉末を製造し、上記した方法で各種特性、物性を測定又は算出した。
炭酸ナトリウム25molと、水酸化ナトリウム水溶液を19mol(混合アルカリに対し水酸化ナトリウムは規定換算で27.5mol%に該当する。)を含む混合アルカリ水溶液30Lを気泡塔の中に投入し、窒素ガスを空塔速度2.20cm/sで通気しながら47℃に調整する。次いでFe2+として20molを含む硫酸第一鉄水溶液20L(硫酸第一鉄に対し混合アルカリ水溶液は規定換算で1.725当量に該当する。)を気泡塔中に投入して30分間熟成した後、Co2+1.0molを含む硫酸コバルト水溶液4L(全Feに対しCo換算で5原子%に該当する。)を添加し、さらに4時間30分間熟成(Co添加時期の全熟成時間に対する比率10%)した後、空気を空塔速度1.50cm/sで通気してFe2+の酸化率40%まで酸化反応を行ってゲータイト種晶粒子を生成させた。
なお、Fe2+の酸化率40%まで酸化させたゲータイト種晶粒子を含む水懸濁液を分取し、希薄な酢酸水溶液ですばやく洗浄、濾過、水洗を行って得られたゲータイト種晶粒子について組成分析を行ったところ、Feが54.00重量%、Coが2.45重量%であった。また、結晶子サイズD020(種晶粒子)は245Å,D110(種晶粒子)は125Åであった。
【0091】
次いで、空気の通気量を空塔速度2.30cm/sに増加させた後、Al3+1.6molを含む硫酸アルミニウム水溶液1L(全Feに対しAl換算で8原子%に該当する。)を3ml/sec以下の速度で添加して酸化反応を行った後、フィルタープレスで電気伝導度60μS/cmまで水洗を行ってプレスケーキとした。
【0092】
前記ケーキの一部を常法により乾燥、粉砕を行って得られたゲータイト粒子の粒子形状は図1の透過型電子顕微鏡写真に示されるように紡錘状を呈しており、BET比表面積が135.4m2 /g、平均長軸径が0.275μm、σ(標準偏差)が0.0459μm、サイズ分布(標準偏差/長軸径)が0.167、平均短軸径が0.0393μm、軸比が7.0で樹枝状粒子が全く存在していないものであり、紡錘状ゲータイト粒子の結晶子サイズD020は262Å、D110は131Åであり、その比率D020/D110は2.0であった。更に、紡錘状ゲータイト粒子に対する種晶粒子の結晶子サイズとの関係は、D020(紡錘状ゲータイト粒子)/D020(種晶粒子)が1.07、D110(紡錘状ゲータイト粒子)/D110(種晶粒子)が1.05であった。
また、Feが51.5重量%、Coが2.72重量%、Alが1.99重量%であり、ゲータイト種晶粒子の分析値との比較により、種晶部分のCo含有量は種晶部分のFeに対して4.30原子%であり、種晶部分におけるCoの存在比率は、粒子全体の全Feに対する全Coの存在比率を100とした場合、86.0であり、また、表層部分のCoの存在比率は、計算により109.3であった。なお、粒子全体としてCo含有量が全Feに対して5原子%、Al含有量が全Feに対して8原子%であった。また、Alは表層部分にのみ存在していた。
【0093】
次いで、ここに得た紡錘状ゲータイト粒子1000g(Feとして9.22mol)を含有するプレスケーキを40Lの水中に十分に分散させた後、121.2gの硝酸ネオジム6水塩を含む硝酸ネオジム水溶液2L(前記ゲータイト粒子中の全Feに対しNdとして3原子%に該当する。)を添加し、攪拌し、次いで濃度25.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を沈澱剤として添加してpH9.5に調整した後、フィルタープレスで水洗し、得られたプレスケーキを圧縮成型機を用いて孔径4mmの成型板で押し出し成型して120℃で乾燥してNd化合物が被覆されたゲータイト粒子成型物を得た。該粒子成型物を粉砕して得られたゲータイト粒子中のCoの含有量は全Feに対して5原子%、Alの含有量は全Feに対して8原子%、Ndの含有量は全Feに対して3原子%であり、AlとNdの比はAl/Nd(それぞれ全Feに対する原子%)として2.67であった。また、Alは中間層部分にのみ存在し、Ndは最外層部分にのみ存在していた。
【0094】
上記Nd化合物が被覆された紡錘状ゲータイト粒子を該粒子のD110の大きさに対して、得られる紡錘状ヘマタイト粒子のD104がD104/D110(ゲータイト粒子)として0.9〜1.1の範囲になるように、空気中730℃で加熱脱水してNd化合物からなる最外層を有する紡錘状ヘマタイト粒子からなる紡錘状ヘマタイト粒子を得た。
【0095】
得られた紡錘状ヘマタイト粒子は、図2の透過型電子顕微鏡写真に示されるように平均長軸径0.241μm、σ(標準偏差)が0.0434μm、サイズ分布(標準偏差/平均長軸径)が0.180、平均短軸径が0.0309μm、軸比7.8、BET比表面積48.5m2 /gであり、また、該粒子中のCoの含有量は全Feに対して5原子%、Alの含有量は全Feに対して8原子%、Ndの含有量は全Feに対して3原子%であり、Al/Ndは2.67であった。更に、結晶子サイズD104は130Åであり、ゲータイト粒子のD110に対する比率はD104/D110(ゲータイト粒子)として0.99であった。また、D110は285Åであり、その比率D110/D104は2.19であった。
【0096】
このNd化合物からなる最外層を有する紡錘状ヘマタイト粒子100gを内径72mmの固定層還元装置に投入し、毎分35LのH2 ガスを通気し、還元温度480℃で加熱還元した後、窒素ガスに切り替えて70℃まで冷却し、次いで、水蒸気を通気しながら酸素分圧を徐々に増加させて空気と同じ比率として粒子表面に安定な酸化被膜を形成した。
【0097】
得られたCo、Al及びNdを含有する鉄を主成分とする金属磁性粒子は、図3の透過型電子顕微鏡写真に示されるように平均長軸径0.178μm、σ(標準偏差)0.0456μm、サイズ分布(標準偏差/長軸径)が0.256、平均短軸径0.0234μm、軸比7.6、BET比表面積が42.1m2 /g、X線結晶粒径のD110 が158Åの粒子からなり、紡錘形状で粒度が均斉で樹枝状粒子の少ないものであった。また、該粒子中のCoの含有量は全Feに対して5原子%、Alの含有量は全Feに対して8原子%、Ndの含有量は全Feに対して3原子%であり、Al/Ndの比率は2.67であった。 また、この紡錘状金属磁性粒子の磁気特性は、保磁力Hcが1540Oeであり、飽和磁化σsが128.8emu/g、角形比(σr/σs)が0.498、飽和磁化の酸化安定性Δσsが絶対値として4.9%(実測値−4.9%)であり、着火温度が153℃であった。また、シート特性は、配向磁場5kOeの場合は、シートHcが1470Oe、シート角形比(Br/Bm、なお、Bmは3527G)が0.872、シートORが3.39、シートSFDが0.476、ΔBmが3.4%(実測値−3.4%)であった。また、配向磁場3kOeの場合は、シートHcが1462Oe、シート角形比(Br/Bm、なお、Bmは3438G)が0.863、シートORが3.27、シートSFDが0.493、ΔBmが3.5%(実測値−3.5%)であった。
【0098】
【作用】
従来、鉄を主成分とする金属磁性粒子の出発原料としての紡錘状ゲータイト粒子の形状等を改善するために、種々の金属塩の添加が試みられてきた。そのなかでもCoは、金属磁性粒子としたときに鉄との固溶を形成し、磁化を大きくし、その保磁力Hcを高める働きがあることが知られている。
【0099】
一方、それらの元素の紡錘状ゲータイト粒子の生成反応における働きは、Coを固溶させた場合には、微粒子が得られるとともに粒子の短軸方向の粒径が小さいことに起因して、軸比も適度に大きいゲータイト粒子が得られることが知られている。
【0100】
そこで、本発明者らは紡錘状ゲータイト生成反応におけるCoの働きを詳細に調べた結果、Coを熟成時期に添加する場合、その添加時期を全熟成時間の1/2以内にCoを添加し、空塔速度を適切に制御することにより、粒子の短軸径を大きくし、軸比も比較的低下させることが可能であることを見出し、更に、この紡錘状ゲータイト粒子を金属磁性粒子とし塗膜とした場合、その角形比、配向性が飛躍的に向上することを見出した。
【0101】
出発原料である紡錘状ゲータイト粒子の短軸径が大きく、軸比が比較的小さいのにも関わらず、金属磁性粒子での塗膜の角形比、配向性が優れている理由としては、紡錘状ゲータイト粒子の種晶粒子の各結晶面(D020,D110)の成長性に対して、表層粒子を形成した後の各結晶面の成長性が異なり、また、そのD020/D110が1.8〜2.4であることに加えて、短軸径が大きく、軸比が比較的小さいことに起因して、金属磁性粒子とする際の加熱処理及び加熱還元での焼結防止性が非常に優れ、形状破壊が効果的に抑制されたともの考えている。
【0102】
また、本発明者らは焼結防止性能の観点から、加熱還元の前の加熱処理について鋭意検討を重ねた結果、出発原料である紡錘状ゲータイト粒子のD110面と得られる紡錘状ヘマタイト粒子のD104面の結晶子サイズとの関係がD104/D110(ゲータイト)として0.9〜1.1の範囲内である場合にのみ、紡錘状金属磁性粒子とし塗膜とした場合、高角形比、高配向性、低保磁力分布を示すことを見出した。
【0103】
紡錘状ゲータイト粒子から紡錘状ヘマタイト粒子への特定の結晶面の成長比率を規定することによって、塗膜での高角形比、高配向性、低保磁力分布を示すことの理由としては、得られた紡錘状ヘマタイト粒子は特定の結晶サイズ比率を有していること(D110/D104が2.0〜4.0)に加えて、加熱処理における紡錘状ヘマタイト粒子の結晶成長が還元速度を適度に制御でき得る結晶子サイズであり、還元時の焼結防止を効果的に行うとともに、形骸粒子を超えて必要以上に過度に成長していない範囲にあるため、加熱処理での焼結及び形状破壊が非常に少なくなったと考えている。
【0104】
更に、本発明者らはAlと希土類元素との比率を検討した結果、Al/希土類元素が1.5〜5の範囲の場合に、金属磁性粒子での酸化安定性が優れることに加えて、着火温度が非常に優れることを見出した。その理由は定かでないが、これらの元素は主に酸化物として金属磁性粒子の最表層を形成すると考えられ、希土類元素よりAlの方が酸化物の被膜としては経時変化による酸化防止効果が高いが、熱に対してはやはり酸化物として非常に安定な希土類元素が強いと考えられ、その両方の利点を生かす最適な組成にあるのではないかと推定している。
【0105】
上述のように、紡錘状であっても、従来の考え方とは全く異なる思想で短軸径を大きく、比較的低軸比とし、且つ焼結防止効果を各熱処理工程で最大限に発揮させることにより、保磁力を維持しながら、粒度分布に優れ、樹枝状粒子が混合しておらず、しかも、Alと希土類元素を特定の比率にすることにより、優れた酸化安定性、着火温度を兼ね備えた鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子を得ることができ、得られた前記金属磁性粒子とスルホン酸ナトリウムを官能基として有する結合剤樹脂とにより塗料化を行った場合、塗膜特性である角形比、配向性が低磁場でも向上し、また、保磁力分布も優れており、加えて耐候性をも良好とできることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0106】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0107】
実施例1〜5、比較例1〜3:<紡錘状ゲータイト粒子粉末の製造>
紡錘状ゲータイト粒子の生成条件、即ちゲータイト種晶粒子生成反応の条件及び成長反応の条件を表1、表2に示すように種々変化させた以外は、前記本発明の実施の形態と同様にして紡錘状ゲータイト粒子を得た。得られた紡錘状ゲータイト粒子の諸特性を表3に示す。
図4に実施例5によって得られた紡錘状ゲータイト粒子の粒子形態を示す電子顕微鏡写真を示した。
【0108】
比較例1
特開平10−245233号公報の実施例2記載の方法で得たゲータイト粒子の諸特性を表3に示す。また、得られたゲータイト粒子は図7の透過型電子顕微鏡写真に示す。得られたゲータイト粒子の軸比は13を超える大きなものであり、サイズ分布が不良であった。また、種晶粒子に対する表層のゲータイト層の成長性も異なり、D020/D110の結晶子サイズ比も1.8未満であった。
【0109】
比較例2
ゲータイト粒子の生成反応は、Co添加時期を全熟成時間の1/2以上とし、空気通気空塔速度を変化させた以外は、発明の実施の形態と同様にして行った。得られたゲータイト粒子は軸比が5未満でありサイズ分布が不良となった。
【0110】
比較例3
ゲータイト粒子の生成反応は、Al含有量を12原子%になるように添加した以外は、発明の実施の形態と同様にして行った。得られたゲータイト粒子は比表面積が160m2 /gを超えるものとなった。
【0111】
【表1】
Figure 0004356139
【0112】
【表2】
Figure 0004356139
【0113】
【表3】
Figure 0004356139
【0114】
実施例6〜10、比較例4〜10:<紡錘状ヘマタイト粒子の製造>
上記実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた紡錘状ゲータイト粒子を用い、焼結防止処理に用いる被覆物の種類及び添加量、加熱脱水温度、その後の加熱処理の温度を種々変化させた以外は、実施の形態と同様にして紡錘状ヘマタイト粒子を得た。その製造条件を表4に、得られた紡錘状ヘマタイト粒子の諸特性を表5に示した。
図5に実施例10で得られた紡錘状ヘマタイト粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真を示した。
【0115】
比較例4は特開平10―245233号公報の実施例2記載の方法に従った。得られたヘマタイト粒子は、12以上の軸比を有し、サイズ分布が不良であり、且つゲータイトのD110に対するD104の比が1.1を超え、D110/D104の結晶子サイズ比も2.0未満であった。尚、図8に得られたヘマタイト粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真を示した。
【0116】
比較例5は発明の実施の形態と同様にして行った。得られたヘマタイト粒子は軸比が5未満であり、サイズ分布が不良となった。また、D110/D104の結晶子サイズ比が2.0未満であった。
【0117】
比較例6は発明の実施の形態と同様にして行った。得られたヘマタイト粒子は比表面積が70m2 /gを超える大きなものであり、且つD110/D104の結晶子サイズ比が2.0未満であった。
【0118】
比較例7は本発明の実施例1で得られたゲータイト粒子を使用し、Nd含有量を6.0原子%になるように添加した以外は実施例6と同様にして行った。得られたヘマタイト粒子のAl/希土類の比率が1.5未満であった。
【0119】
比較例8は本発明の実施例2で得られたゲータイト粒子を使用し、Y含有量を1.5原子%になるように添加した以外は実施例7と同様にして行った。得られたヘマタイト粒子のAl/希土類の比率が5.0を超えるものであった。
【0120】
比較例9は本発明の実施例4で得られたゲータイト粒子を使用し、実施例9と同様にNd,Coを添加し、加熱脱水温度を変化させて行った。得られたヘマタイト粒子は比表面積が非常に大きく、ゲータイトのD110に対するD104の比が0.9未満であり、D110/D104の結晶子サイズ比も4.0を超えるものであった。
【0121】
比較例10は前記本発明の実施例4で得られたゲータイト粒子を使用し、実施例9と同様にNd,Coを添加し、加熱脱水温度を変化させて行った。得られたヘマタイト粒子はサイズ分布が不良であり、ゲータイトのD110に対するD104の比が1.1を超え、D110/D104の結晶子サイズ比も2.0未満であった。
【0122】
【表4】
Figure 0004356139
【0123】
【表5】
Figure 0004356139
【0124】
実施例11〜15、比較例11〜17:<鉄を主成分とする金属磁性粒子の製造>
上記実施例6〜10及び比較例4〜10で得られた紡錘状ヘマタイト粒子を被処理粒子として用い、焼結防止処理に用いる被覆物の種類及び添加量、加熱温度、加熱還元工程における還元温度を種々変化させた以外は本発明の実施の形態と同様の方法で鉄を主成分とする金属磁性粒子を得た。この時の還元条件及び得られた鉄を主成分とする金属磁性粒子の諸特性を表6、及び磁性塗膜とした場合の諸特性を表7に示す。
図6に実施例15で得られた鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真を示した。
図9に比較例11で得られた鉄を主成分とする金属磁性粒子の粒子形態を示す透過型電子顕微鏡写真を示した。
【0125】
比較例11は特開平10―245233号公報の実施例2記載の方法に従った。
【0126】
【表6】
Figure 0004356139
【0127】
【表7】
Figure 0004356139
【0128】
【発明の効果】
本発明に係る紡錘状ゲータイト粒子及び紡錘状ヘマタイト粒子は、粒度が均整であり、樹枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな短軸径で適切な軸比を有し、且つ種晶部分と表層部分の結晶成長性が異なる粒子からなり、加えて紡錘状ヘマタイト粒子は特定の結晶子サイズ比率及びゲータイト粒子の結晶子サイズに対する成長比率を特定の値にすることにより、加熱処理、加熱還元の両工程での形状破壊が効果的に抑制され、またAl/希土類の比率が特定された粒子であることにより、該紡錘状ゲータイト粒子又は該紡錘状ヘマタイト粒子を出発原料として得られる鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子は、前出実施例に示した通り、粒度が均整であり、樹枝状粒子が混在しておらず、低磁場でも分散性が良好(高角形比、高配向性)であって、優れた耐候性と優れた保磁力分布を兼ね備えることから高記録密度、高感度、高出力用磁性粒子として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態で得られた紡錘状ゲータイト粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図2】発明の実施の形態で得られた紡錘状ヘマタイト粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図3】発明の実施の形態で得られた鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図4】実施例5で得られた紡錘状ゲータイト粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図5】実施例10で得られた紡錘状ヘマタイト粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図6】実施例15で得られた鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図7】比較例1で得られた紡錘状ゲータイト粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図8】比較例4で得られた紡錘状ヘマタイト粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。
【図9】比較例11で得られた鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の粒子形状を示す透過型電子顕微鏡写真(30000倍)である。

Claims (7)

  1. Coを全Feに対して0.5以上8原子%未満及びAlを全Feに対して5〜10原子%含有する平均長軸長0.18〜0.30μmの紡錘状ゲータイト粒子であって、サイズ分布(標準偏差/長軸長)が0.22以下、平均短軸長0.025〜0.045μm 、平均軸比5〜10であることを特徴とする紡錘状ゲータイト粒子。
  2. 紡錘状ゲータイト粒子の結晶子サイズ比D020/D110が1.8〜2.4であり、且つ該紡錘状ゲータイト粒子の種晶粒子に対する結晶子サイズ比D020(紡錘状ゲータイト粒子)/D020(種晶粒子)が1.05〜1.20、D110(紡錘状ゲータイト粒子)/D110(種晶粒子)が1.02〜1.10である請求項1記載の紡錘状ゲータイト粒子。
  3. Coを全Feに対して0.5以上10原子%未満、Alを全Feに対して5〜10原子%、及び希土類元素を全Feに対して1〜5原子%含有し、且つAl/希土類元素の比率が1.5〜5(各々Feに対する原子%)である平均長軸長0.17〜0.28μmの紡錘状ヘマタイト粒子であって、サイズ分布(標準偏差/長軸長)が0.20以下、平均短軸長0.022〜0.035μm 、平均軸比5〜10、結晶子サイズ比D110/D104が2.0〜4.0であることを特徴とする紡錘状ヘマタイト粒子。
  4. Coを全Feに対して0.5以上10原子%未満、Alを全Feに対して5〜10原子%及び希土類元素を全Feに対して1〜5原子%含有し、且つAl/希土類元素の比率が1.5〜5(各々Feに対する原子%)である平均長軸長0.15〜0.25μm、サイズ分布(標準偏差/長軸長)が0.30以下、平均短軸長0.015〜0.025μm、平均軸比が5〜9であって、着火温度135℃以上、酸化安定性が10%以下、保磁力が1300〜1800Oeであることを特徴とする鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子。
  5. 炭酸アルカリ水溶液と水酸化アルカリ水溶液との混合アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られる第一鉄含有沈殿物を含む水懸濁液を非酸化性雰囲気下において熟成させた後に、該水懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応によって紡錘状ゲータイト種晶粒子を生成させ、次いで該種晶粒子と第一鉄含有沈澱物とを含む水懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応によって該種晶粒子の粒子表面上にゲータイト層を成長させて紡錘状ゲータイト粒子を生成させるにあたり、前記種晶粒子の生成時においては、酸化反応開始前の熟成中の第一鉄含有沈澱物を含む水懸濁液に、全熟成期間の1/2以内の時期に全Feに対しCo換算で0.5以上8原子%未満のCo化合物を添加して酸化反応を全Fe2+の40〜50%の範囲で行い、全Feに対しAl換算で5〜10原子%のAl化合物を添加することを特徴とする紡錘状ゲータイト粒子の製造法。
  6. 請求項1又は2記載の紡錘状ゲータイト粒子をAl/希土類元素の比率が1.5〜5(各々Feに対する原子%)になるように、希土類元素換算で全Feに対して1〜5原子%の希土類元素の化合物からなる焼結防止剤で処理した後、且つ結晶子サイズD104がD104/ゲータイトD110として0.9〜1.1の範囲になるように非還元性雰囲気中、650〜800℃で加熱処理を行うことを特徴とする紡錘状ヘマタイト粒子の製造法。
  7. 請求項3記載の紡錘状ヘマタイト粒子を還元性雰囲気中、400〜700℃で加熱還元することを特徴とする鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子の製造法。
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