JP5712595B2 - 磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末及び磁気記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末に関するものであり、詳しくは、平均板面径が10〜30nmであり、平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が特定の範囲にある、磁気記録媒体のノイズ低減に効果的な六方晶フェライト粒子粉末に関するものである。
磁気記録技術は、従来、オーディオ用、ビデオ用、コンピューター用等をはじめとしてさまざまな分野で幅広く用いられている。近年、機器の小型軽量化、記録の長時間化及び記録容量の増大等が求められており、記録媒体に対しては、記録密度のより一層の向上が望まれている。
従来の磁気記録媒体に対してより高密度記録を行うためには、高いC/N比が必要であり、ノイズ(N)が低く、再生出力(C)が高いことが求められている。近年では、これまで用いられていた誘導型磁気ヘッドに替わり、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)や巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)等の高感度ヘッドが開発されており、これらは誘導型磁気ヘッドに比べて再生出力が得られやすいことから、高いC/N比を得るためには、出力を上げるよりもノイズを低減する方が重要となってきている。
磁気記録媒体のノイズは、粒子性ノイズと磁気記録媒体の表面性に起因して発生する表面性ノイズに大別される。粒子性ノイズの場合、粒子サイズの影響が大きく、微粒子であるほどノイズ低減に有利であることから、磁気記録媒体に用いる磁性粒子粉末の粒子サイズはできるだけ小さいことが必要となる。
一方、表面性ノイズの場合、磁気記録媒体の表面平滑性を改良することが重要であり、磁気記録層中に配合される磁性粒子粉末に対しては、磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性改善が求められている。
一般に、粒子粉末は、微粒子になるほどBET比表面積が大きくなる傾向にある。BET比表面積値が大きくなると、増粘しやすくなると共に、粒子の表面活性が高いため、分子間力の増大により一次粒子が凝集しやすく、ビヒクル中への分散が困難であるため、表面が平滑な磁気記録媒体を得ることが困難になることから、粒子性ノイズの低減と表面性ノイズの低減という、相反する特性を満足する磁性粒子粉末、即ち、微粒子でありながら、BET比表面積値が小さく、一次粒子が凝集を起こしにくい磁性粒子粉末が強く求められている。
微粒子、且つ、高保磁力値を有する磁性粒子粉末としては、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及び六方晶フェライト粒子粉末等が知られており、六方晶フェライト粒子粉末は針状の金属磁性粒子粉末に比べ短波長領域で高い出力が得られるという特徴があり、再生にMRヘッドやGMRヘッドを用いた高密度記録の磁気記録媒体用磁性粉末として非常に有望である。
しかしながら、六方晶フェライト粒子粉末は、一般に、粒子形状が板状であるため粒子同士がスタッキングしやすく、そのため、1個1個の粒子は微細化されているにもかかわらず挙動粒子体積が大きくなるため、ノイズ低減効果が得られ難いという問題を有している。
また、六方晶フェライト粒子粉末に磁性不純物(例えばγ−FeやCoスピネルフェライト等)が存在することにより、保磁力分布SFD(Switching Field Distribution)が拡大するため、ノイズ低減が困難となることから、磁性不純物の存在しない六方晶フェライト粒子粉末が求められている。
これまでに、六方晶フェライト粒子粉末の配向性向上、スタッキング防止を目的として、板状比が1〜2の六方晶フェライト粒子粉末(特許文献1乃至特許文献4)等が知られている。
特開昭62−100417号公報 特開2007−91517号公報 特開2010−100489号公報 WO2009/142263号公報
前出特許文献1乃至特許文献4には、六方晶フェライト粒子粉末の板状比を1〜2とすることで、六方晶フェライト粒子粉末のスタッキングを防止し、これを用いて得られる磁気記録媒体のノイズを低減して出力を向上させることが記載されているが、いずれも粒子サイズに対してBET比表面積値を低減させることについては記載がなく、また、粒子サイズ及びBET比表面積値の記載がある場合でも、平均板面径(L)が10〜30nmであり、本発明の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)の関係を満たすものは得られていないことから、一次粒子が凝集を起こしやすく、表面が平滑な磁気記録媒体を得ることが困難である。
そこで、本発明は、六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径が10〜30nmであり、平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が特定の範囲にある、磁気記録媒体のノイズ低減に効果的な六方晶フェライト粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均板面径が10〜30nmである六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が下記式(1)の関係にあり、六方晶フェライト粒子粉末が、下記組成式で表されるマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末からなることを特徴とする磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末である(本発明1)。
SSA(m/g) ≦ 999.97L−1 (nm) ・・・ (1)
AFe 12−x/2−2y/3 Ti Al 19
(A:Ba,Sr及びCaから選ばれる1種以上の元素)
(x:0.05〜3、y:0.1〜3)
また、本発明は、板状比が2.0未満である本発明1記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末。である(本発明2)。
また、本発明は、保磁力(Hc)が119.4kA/m以上である本発明1又は本発明2記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、粉体SFDが1.5以下である本発明1から本発明3のいずれかに記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末である(本発明4)。
また、本発明は、非磁性支持体上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記磁性粒子粉末として本発明1から本発明のいずれかに記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末を用いることを特徴とする磁気記録媒体である(本発明)。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmからなり、平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が特定の範囲にあることにより、磁気記録媒体のノイズをより低減することができるため、高密度磁気記録媒体の磁性粒子粉末として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
先ず、本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末について述べる。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmである六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が下記式(1)の関係にあることを特徴とする。
SSA(m/g) ≦ 999.97L−1 (nm) ・・・ (1)
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)は10〜30nmであり、好ましくは10〜28nm、より好ましくは10〜25nmである。六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)が30nmを超える場合には、粒子サイズが大きいため、粒子性ノイズをより低減することが難しく、高いC/N比を有する磁気記録媒体を得ることが困難となる。また、平均板面径が(L)10nm未満である場合には、磁性粒子粉末の微細化に伴う熱揺らぎの影響が大きくなるため好ましくない。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の粒子形状は、六角板状、球状、粒状、立方体状等を用いることができる。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)との関係は下記式(1)で表される。
SSA(m/g) ≦ 999.97L−1 (nm) ・・・ (1)
平均板面径(L)とBET比表面積値(SSA)との関係が上記式(1)を満たす場合、粒子サイズに対してBET比表面積値が十分に小さいため、一次粒子が凝集を起こしにくく、磁性塗料中における分散性が向上するため、表面平滑性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。好ましくは、SSA(m/g) ≦ 923.14L−1 (nm)である。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の板状比は、後出評価方法により1.0以上2.0未満であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.8、更により好ましくは1.0〜1.6である。板状比が2.0以上の場合には、粒子間のスタッキングが多くなり、磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が低下すると共に、粘度が増加する場合があるため好ましくない。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、下記組成式で表されるマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末であることが好ましい。Feの置換元素としてTi及びAlを用いることが好ましい。Feの置換元素としてTi及びAlを用いることにより、板状比を2.0未満とすることができると共に、磁性不純物の生成を抑制できるので、粉体SFDを改善することができる。また、粒子サイズのより一層の低減を考慮すれば、置換元素としては、Ti及びAlを用いることが好ましい。
AFe12−x/2−2y/3TiAl19
(A:Ba,Sr及びCaから選ばれる1種以上の元素)
(x:0.05〜3、y:0.1〜3)
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の上記組成式におけるxは、0.05〜3(Fe 1molに対して0.42〜35.29mol%)の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.10〜2.5、更により好ましくは0.15〜2である。xの値が0.05未満の場合には、粒子サイズの分布が悪くなり、粉体SFDが拡大するため好ましくない。xの値が3を超える場合には、保磁力Hcが低下するため好ましくない。また、上記組成におけるyは、好ましくは0.1〜3の範囲であり、更に好ましくは0.15〜2である。yの値が0、即ち置換元素としてAlを用いなくても磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末を得ることはできるが、置換元素としてAlを用いることにより、粒子サイズの分布及び粉体SFDをより改善することができると共に、粒子サイズをより一層低減することが可能となる。yの値が3を超える場合には、飽和磁化値σsが低下するため好ましくない。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、上記組成式で表されるFeの一部が更に、Co、Ni、Zn、Mn、Mg、Sn、Zr、Cu、Mo、La、Ce、V、Si、S、Sc、Sb、Y、Rh、Pd、Nd、Nb、B、P、Ge、Ag、Au、Ru、Pr、Bi、W、Re、Te等の元素の1種又は2種以上によって置換されていてもよい。ただし、Ti及びAl以外の置換元素の合計量はFe 12molに対して0.077mol以下(Feに対して0.6atm.%に相当する)であることが好ましく、より好ましくは0.064mol以下(Feに対して0.5atm.%に相当する)、更により好ましくは0.051mol以下(Feに対して0.4atm.%に相当する)である。Ti及びAl以外の置換元素の合計量がFe 12molに対して0.077molを超える場合には、磁性不純物が生成し、粉体SFDが大きくなるため好ましくない。また、板状比を2.0未満に維持することが困難になると共に、磁気記録媒体用磁性粒子粉末として要求される磁気特性(保磁力Hc及び飽和磁化値σs)のバランスが崩れるため好ましくない。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の磁性不純物の有無の確認は後出評価方法により行い、本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、(1)XRDによる定性分析において、γ−Feを示すピークが認められないこと、(2)磁気特性の測定において、保磁力分布曲線のピークが1つであること、が好ましい。XRDによる定性分析において、γ−Feを示すピークが認められた場合、又は/及び、磁気特性の測定において、保磁力分布曲線のピークが2つ以上ある場合は、磁性不純物が存在し、粉体SFDが拡大する傾向にあるため好ましくない。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の磁気特性は、保磁力(Hc)が119.4〜397.9kA/mが好ましく、より好ましくは127.3〜318.3kA/mであり、飽和磁化値が30〜70Am/kgが好ましく、より好ましくは35〜70Am/kgである。また、粉体SFDは1.5以下であり、好ましくは1.2以下である。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、必要により、六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物、コバルトの水酸化物及びコバルトの酸化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物(以下、「アルミニウムの水酸化物等」という。)で被覆しておいてもよい。アルミニウムの水酸化物等で被覆処理を行うことにより、磁性塗料中に分散させた場合に、結合剤樹脂とのなじみがよく、所望の分散度がより得られ易い。
なお、六方晶フェライト粒子粉末の結晶構造中のAl、Si又はCoと、表面処理により被覆されている粒子表面に存在するAl、Si又はCoについては、「X線光電子分析装置 ESCA3500」(島津製作所株式会社製)を用い、高速Arイオンエッチングによりエッチング処理を行ないながら深さ方向のAl原子、Si原子又はCo原子とFe原子の存在比の測定を行うことにより、存在位置の違いを判定することができる。
次に、本発明に係る磁気記録媒体について述べる。
本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係る六方晶フェライト粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層が非磁性支持体上に形成されてなる。また、必要に応じて、非磁性支持体と磁気記録層との間に非磁性下地層を形成してもよく、更に、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を形成させてもよい。殊に、コンピューター記録用のバックアップテープの場合には、巻き乱れの防止や走行耐久性向上の点から、非磁性下地層やバックコート層を設けることが好ましい。
本発明における非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリスルフォン、セルローストリアセテート、ポリベンゾオキサゾール等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステンレス等金属の箔や板及び各種の紙を使用することができる。
結合剤樹脂としては、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂等を単独又は組み合わせて用いることができる。
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体と磁気記録層との間に非磁性下地層を形成する場合、非磁性下地層中には非磁性粒子粉末と結合剤が含まれている。
非磁性下地層に用いられる非磁性粒子粉末としては、アルミナ、ヘマタイト、ゲータイト、酸化チタン、シリカ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化亜鉛、チッ化珪素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム及び硫酸バリウム等を、単独又は組合せて用いることができる。好ましくはヘマタイト、ゲータイト、酸化チタンであり、より好ましくはヘマタイトである。
前記非磁性粒子粉末の粒子形状は、針状、紡錘状、米粒状、球状、粒状、多面体状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。粒子サイズは、好ましくは0.005〜0.30μmであり、より好ましくは0.010〜0.25μmである。また、必要により、粒子表面をアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物で被覆してもよく、化合物で被覆しない場合に比べ、非磁性塗料中での分散性を改善することができる。
結合剤樹脂としては、前記磁気記録層を作製するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を形成する場合、バックコート層中には、結合剤樹脂と共に、バックコート層の表面電気抵抗値及び強度向上を目的として、帯電防止剤及び無機粒子粉末を含有させることが好ましい。
無機粉末としては、アルミナ、ヘマタイト、ゲータイト、酸化チタン、シリカ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化亜鉛、チッ化珪素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム及び硫酸バリウム等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。粒子サイズは、好ましくは0.005〜1.0μmであり、より好ましくは0.010〜0.5μmである。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができる。帯電防止の他に、摩擦係数低減、磁気記録媒体の強度向上といった効果が期待できることから、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。
結合剤樹脂としては、前記磁気記録層、及び非磁性下地層を作製するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
本発明における磁気記録層、非磁性下地層及びバックコート層中には、必要に応じて、磁気記録媒体の製造に通常用いられている潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
本発明に係る磁気記録媒体は、保磁力値が119.4〜358.1kA/m、好ましくは127.3〜318.3kA/m、保磁力分布SFD(Switching Field Distribution)が、0.70以下、好ましくは0.67以下、より好ましくは0.65以下である。
次に、本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末を得るための製造法としては、前述の特性を満たすものであれば特に限定されないが、ガラス結晶化法は、焼成の際に通常、白金からなるるつぼを用いるため、得られる六方晶フェライト粒子粉末の白金族元素の含有量が10ppmを超えるので好ましくない。好ましくは、共沈−焼成法、水熱合成法等の湿式法である。
共沈−焼成法としては、具体的には、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムより選ばれた少なくとも1種の金属元素を含む金属塩と鉄化合物、並びに、Alを除く置換元素を含む金属塩を混合した懸濁液を、アルカリ水溶液に20分以上かけて徐添加した後、50〜100℃の温度範囲で反応する。置換元素としてAlあるいはZnを用いる場合には、ここで得られた共沈物にAlあるいはZnを含む金属塩を添加・混合する。次いで、得られた共沈混合物を濾別・乾燥した後、融剤の存在下で550〜900℃の温度で焼成し、融剤を除去することによって本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末得ることができる。
水熱合成法としては、具体的には、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムより選ばれた少なくとも1種の金属元素を含む金属塩と鉄化合物、並びに、Alを除く置換元素を含む金属塩を混合した懸濁液を、アルカリ水溶液に20分以上かけて徐添加した後、100〜300℃の温度範囲で反応する。置換元素としてAlあるいはZnを用いる場合には、ここで得られた共沈物にAlあるいはZnを含む金属塩を添加・混合する。次いで、得られた共沈混合物を濾別・乾燥した後、融剤の存在下で550〜900℃の温度で焼成し、融剤を除去することによって本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末得ることができる。
次に、本発明における磁気記録媒体の製造法について述べる。
前記非磁性下地層、磁気記録層、及びバックコート層の形成にあたって用いる溶剤としては、磁気記録媒体に汎用されているアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びテトラヒドロフラン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル及び酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル及びジオキサン等のグリコールエーテル類及びその混合物等を使用することができる。
非磁性下地層、磁気記録層、バックコート層は、各層を構成する成分及び溶剤を一般に使用される混練機及び分散機により混練・分散処理を行い、各塗料を作製する。該各塗料を用いて、非磁性支持体上の一面に非磁性下地層、磁気記録層の順に塗布、乾燥後、カレンダー処理を行う。その際の塗布方法としては、磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布するWet on Wet法でも、非磁性下地層を塗布・乾燥後、その上に磁気記録層を塗布するWet on Dry法のどちらでもよい。また、必要により、バックコート層を設ける場合には、非磁性下地層及び磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上にバックコート層用塗料を塗布、乾燥後、カレンダー処理を行い、磁気記録媒体を得る。
<作用>
本発明において最も重要な点は、六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が下記式(1)の関係にある平均板面径が10〜30nmである本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、磁気記録媒体のノイズをより低減できるという事実である。
SSA(m/g) ≦ 999.97L−1 (nm) ・・・ (1)
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末が、磁気記録媒体のノイズをより低減できた理由について、本発明者は、次のように考えている。
磁気記録媒体のノイズは、粒子性ノイズと磁気記録媒体の表面性に起因して発生する表面性ノイズに大別され、粒子性ノイズの場合、粒子サイズの影響が大きく、微粒子であるほどノイズ低減に有利であることから、磁気記録媒体に用いる磁性粒子粉末の粒子サイズはできるだけ小さいことが必要となる。一方、表面性ノイズの場合、磁気記録媒体の表面平滑性を改良することが重要であり、磁気記録層中に配合される磁性粒子粉末に対しては、磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性改善が求められている。
一般に、粒子粉末は、微粒子になるほどBET比表面積が大きくなる傾向にあり、BET比表面積値が大きくなると、増粘しやすくなると共に、粒子の表面活性が高いため、分子間力の増大により一次粒子が凝集しやすく、ビヒクル中への分散が困難であるため、表面が平滑な磁気記録媒体を得ることが困難になる。しかしながら、本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、微粒子でありながら、BET比表面積が小さいことから一次粒子が凝集を起こしにくく、結果、粒子性ノイズの低減と表面性ノイズの低減という、相反する特性を満足することができたため、磁気記録媒体のノイズをより低減できたものと考えている。
以下に、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径は、透過型電子顕微鏡を用いて複数の視野において粒子の写真を撮影し、該写真を用いて粒子360個以上について板面径を測定し、その平均値で粒子の平均板面径を示した。なお、平均板面径を求める際の粒子の選定基準としては、粒子同士が重なっており、境界がはっきりしていないものは測定を行わないものとした。
六方晶フェライト粒子粉末の板状比は、X線回折装置「RINT2500」(株式会社リガク製)を用いて、CuのKα線を線源とした面指数(2,2,0)面と(0,0,6)面のそれぞれのピークの半値幅を求め、Scherrerの式より結晶子径を計算し、(2,2,0)面の結晶子径/(0,0,6)面の結晶子径を板状比として示した。
比表面積は、「モノソーブMS−11」(カンタクロム株式会社製)を用いて、BET法により測定した値で示した。
六方晶フェライト粒子粉末に含有される各種元素の含有量は、試料0.2gと王水10mlとを100mlのフッ素樹脂製ビーカーへ入れて攪拌し、240℃で20分保持して溶解させ、この溶液を「誘導結合プラズマ発光分光分析装置 SPS4000」(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。
六方晶フェライト粒子粉末の磁性不純物の有無については、以下に示す2つの方法によって確認を行った。
(1)XRDによる定性分析を行ない、γ−Feを示すピークの有無の確認を行った。
(2)「振動試料型磁力計VSM SSM−5−15」(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場1193.7kA/mの条件で測定を行ない、保磁力分布曲線にピークが2つ以上ある場合は磁性不純物が存在すると判定した。
六方晶フェライト粒子粉末及び磁気テープの磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM SSM−5−15」(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場1193.7kA/mの条件で測定した。また、粉体SFD及び磁気テープのSFDは、印加磁場が0〜397.9kA/mの範囲ではスイープ速度を79.6(kA/m)/分とし、397.9〜1,193.7kA/mの範囲ではスイープ速度を397.9(kA/m)/分として測定した。
磁気テープの塗膜表面の光沢度は、「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角45°で測定した値であり、標準板光沢を86.3%とした時の値を%で示したものである。
表面粗度Raは、「ZYGO NewView600S」(ZYGO株式会社製)を用いて塗膜の中心線平均粗さを測定した。
磁気記録媒体を構成する非磁性支持体及び磁気記録層の各層の厚みは、デジタル電子マイクロメーターK351C(安立電気株式会社製)を用いて測定した。
磁気テープの電磁変換特性は、ドラムテスターを用い、記録ヘッドにはMIGヘッドを、再生用ヘッドにはMRヘッドを用いて測定を行った。ヘッドと磁気テープとの相対速度は2.5m/secとし、記録周波数10MHzにおける再生信号出力(C)及び記録周波数9MHzにおける出力をノイズ信号出力(N)を、それぞれ後出比較例2−1を0dB(基準テープ)として、基準テープに対する相対値として求めた。またC/Nはこれら再生信号出力(C)とノイズ信号出力(N)を用いて示した。
磁気テープの劣化は、磁気テープを温度60℃、相対湿度90%の環境下で14日間保存し、保存前と保存後の磁気テープそれぞれについて、前述の電磁変換特性を測定したときと同様の条件で得られるエンベロープより、単位時間当たりのドロップアウトの個数をカウントし、保存前に対する保存後のドロップアウトの増加量で示した。
<実施例1−1:磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末の製造>
BaCl・2HO 0.817mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.54molに純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、60℃で2時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、その後、アルミン酸ナトリウム 0.24molを添加して30分間攪拌して共沈混合物とした。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記共沈混合物100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む共沈混合物を得た。
次いで、得られたフラックスを含む共沈混合物を空気雰囲気下、700℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分間保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、実施例1−1の六方晶フェライト粒子粉末を得た。
得られた六方晶フェライト粒子粉末は粒状であり、平均板面径は17.9nm、板状比は1.2、BET比表面積値は45.1m/gであり、保磁力値(Hc)は153.8kA/m、飽和磁化(σs)は44.7Am/kg、粉体SFDは0.84であった。XRDの定性分析において、γ−Fe2O3のピークは認められなかった。また、磁気特性の保磁力分布曲線では、1つのピークしか認められなかった。AFe1219のマグネトプランバイト型フェライトの組成式において、AはBa、Feの置換元素としてTiをFeに対して9.0mol%、AlをFeに対して4.0mol%であった。
<実施例2−1:磁気記録媒体の製造>
非磁性下地層形成用の非磁性塗料組成
非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 11.8重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 11.8重量部、
シクロヘキサノン 78.3重量部、
メチルエチルケトン 195.8重量部、
トルエン 117.5重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 3.0重量部、
潤滑剤(ブチルステアレート) 1.0重量部。
非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末と結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを固形分が72wt%となるよう混合し、自動乳鉢を用いて30分間混練して混練物を得た。
次いで、上記非磁性塗料組成となるように、上記混練物と、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエン1.5mmφガラスビーズ95gと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って非磁性塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、非磁性下地層用非磁性塗料を調整した。
上記非磁性下地層用非磁性塗料を厚さ4.5μmの芳香族ポリアミドフィルム上に塗布し、次いで、乾燥させることにより非磁性下地層を形成した。
磁気記録層形成用の磁性塗料組成
六方晶フェライト粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 12.5重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 7.5重量部、
研磨剤(AKP−50) 5.0重量部、
カーボンブラック 2.0重量部、
潤滑剤(ミリスチン酸:ステアリン酸ブチル=1:2) 3.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 5.0重量部、
シクロヘキサノン 170.0重量部、
メチルエチルケトン 170.0重量部。
六方晶フェライト粒子粉末と研磨剤、カーボンブラック、結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを固形分が76wt%となるよう混合し、自動乳鉢を用いて40分間混練して混練物を得た。
次いで、上記磁性塗料組成となるように、上記混練物と、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエン1.5mmφガラスビーズ95gと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで12時間混合・分散を行って磁性塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、磁気記録層用磁性塗料を調整した。
上記磁気記録層用塗料を、乾燥後の厚さが1.5μmになるよう前記非磁性下地層の上に塗布した後、磁場中において配向・乾燥した。その後、60℃で24時間硬化反応を行い、12.7mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体は、保磁力値Hcが158.1kA/m、Br/Bmが0.82、保磁力分布SFDが0.53、光沢度が175%、表面粗度Raが9.7nmであり、再生出力(C)が+2.2dB、C/Nが2.7dB、ドロップアウトの増加量が2個/msecであった。
前記実施例1−1及び実施例2−1に従って六方晶フェライト粒子粉末及び磁気記録媒体を作製した。各製造条件及び得られた六方晶フェライト粒子粉末及び磁気記録媒体の諸特性を示す。
実施例1−2:
BaCl・2HO 0.817mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.54molに純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、60℃で4時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、その後、アルミン酸ナトリウム 0.42molを添加して30分間攪拌して共沈混合物とした。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記共沈混合物100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む共沈混合物を得た。
次いで、得られたフラックスを含む共沈混合物を空気雰囲気下、680℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分間保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、実施例1−2の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
参考例1−3:
BaCl・2HO 0.08mol、FeCl・6HO 0.60mol、TiCl 0.11molに純水を加えて溶解し、0.7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液0.5Lを攪拌させながら、前記混合溶液を20mL/min.の流量で35分間かけてNaOH水溶液中に添加し、オートクレーブを用いて160℃で6時間反応を行った後、室温まで冷却した。
次に、得られた反応溶液を、純水を用いて十分に水洗して六方晶フェライト粒子の前駆体を含む1Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、超音波ホモジナイザー(BRANSON株式会社製SonifierII model 450D)を用いて10分間攪拌した。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記六方晶フェライト粒子の前駆体100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む六方晶フェライト粒子の前駆体を得た。
上記で得られたフラックスを含む六方晶フェライト粒子の前駆体を、空気雰囲気下750℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、湿式粉砕後、塩酸を用いてpH値を2に調製して酸処理を行った後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整し、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して六方晶フェライト粒子粉末を得た。
上記で得られた六方晶フェライト粒子粉末555gを純水に分散させてラインミル、ビーズミルを通して8Lの水分散スラリーを得た。次いで、4.5wt%の塩化コバルト水溶液を100mL添加し、10分間攪拌を行った。次いで、前記混合溶液を攪拌しながらpH値が14になるまでNaOH水溶液を添加し、30分間攪拌後、100℃まで昇温し、更に3時間混合・攪拌した。
上記で得られた混合溶液をpH値が12以下になるまで水洗後、酢酸を用いてpH値を9に調整し、更に水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、参考例1−3のCo化合物により表面被覆された六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られたCo化合物により表面被覆された六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
実施例1−4:
BaCl・2HO 0.810mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.48mol、に純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、65℃で2時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、その後、アルミン酸ナトリウム 0.54molを添加して30分間攪拌して共沈混合物とした。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記共沈混合物100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む共沈混合物を得た。
次いで、得られたフラックスを含む共沈混合物を空気雰囲気下、750℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分間保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、実施例1−4の六方晶フェライト粒子粉末を得た。
実施例1−5:
実施例1−1の六方晶フェライト粒子粉末550gを純水に分散させて、ラインミル、ビーズミルを通して8Lの水分散スラリーを得た。次いで、該スラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH値を9とした後、加熱して60℃とし、このスラリー中に20wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液68.2g(六方晶フェライト粒子粉末に対してAl換算で1.3重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を9に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過・水洗・乾燥・粉砕し、粒子表面がアルミニウムの水酸化物等により被覆されている実施例1−5の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた粒子表面がアルミニウムの水酸化物等により被覆されている六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
参考例1−6:
BaCl・2HO 0.798mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.18mol、NiCl 0.042molに純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、80℃で4時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、フラックスとしてBaCl・2HOを前記スラリー1Lに対して100g添加し、ろ過・乾燥して共沈物を得た。
次いで、得られた共沈物を空気雰囲気下、800℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、参考例1−6の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
比較例1−1:
BaCl・2HO 0.817mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.036molに純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、60℃で2時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、その後、アルミン酸ナトリウム 1.80molを添加して30分間攪拌して共沈混合物とした。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記共沈混合物100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む共沈混合物を得た。
次いで、得られたフラックスを含む共沈混合物を空気雰囲気下、750℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分間保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、比較例1−1の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
比較例1−2:
BaCl・2HO 0.817mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.011molに純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、60℃で2時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、その後、アルミン酸ナトリウム 1.20molを添加して30分間攪拌して共沈混合物とした。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記共沈混合物100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む共沈混合物を得た。
次いで、得られたフラックスを含む共沈混合物を空気雰囲気下、650℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分間保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、比較例1−2の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
比較例1−3:
BaCl・2HO 0.817mol、FeCl・6HO 6.00mol、TiCl 0.012molに純水を加えて溶解し、7Lの混合溶液を調製した。次いで、18.55mol/LのNaOH水溶液5Lを攪拌させながら前記混合溶液を200mL/min.の流量でNaOH水溶液中に添加した後、60℃で2時間反応を行った。次に、純水を用いて十分に水洗し、共沈物を含む10Lのスラリーとした後、酢酸を用いてpH値を8.5に調整し、その後、アルミン酸ナトリウム 0.90molを添加して30分間攪拌して共沈混合物とした。次いで、フラックスとしてNaClを、ろ過・乾燥後の前記共沈混合物100重量部に対して30重量部となるように添加し、ろ過・乾燥してフラックスを含む共沈混合物を得た。
次いで、得られたフラックスを含む共沈混合物を空気雰囲気下、750℃の温度で6時間焼成し、得られた焼成物に純水1Lを加えて分散スラリーとした。得られたスラリーを、塩酸を用いてpH値を2に調製して60分間保持して酸処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を5に調整した後、水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、比較例1−の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
比較例1−4:
BaCl・2HO 0.075mol、FeCl・6HO 0.60mol、TiCl 0.03mol、CoCl 0.03molを1Lの水に溶解し、得られた溶液を、2.8molの水酸化ナトリウムを溶解した1Lの水酸化ナトリウム水溶液に加えて攪拌した。次いで、該懸濁液を1日間熟成した後、オートクレーブを用いて250℃で4時間反応を行い六方晶フェライト粒子の前駆体を得た。
次に、得られた六方晶フェライト粒子の前駆体を含む反応溶液を、純水を用いて洗液のpH値が8以下になるまで十分に水洗した後、六方晶フェライト粒子の前駆体の懸濁液を調製し、上澄み液を除去した後、該懸濁液中にフラックスとして500gのNaClを添加して攪拌し、NaClを溶解させた。次に、溶解したNaClを含む六方晶フェライト粒子の前駆体の懸濁液を面積の広いバットに入れ、乾燥機で100℃に加熱して、水分を蒸発させた。
次いで、得られた六方晶フェライト粒子の前駆体とNaClの混合物を解砕し、坩堝に入れ、まず830℃で20分間加熱してNaClを融解し、次に、温度を800℃まで下げ、800℃で約10時間加熱処理し、その後、室温まで冷却した。次に、水洗によりNaClを除去し、ろ過・乾燥・粉砕して、比較例1−4の六方晶フェライト粒子粉末を得た。得られた六方晶フェライト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
Figure 0005712595
<磁気記録媒体の製造>
実施例2−2,2−4及び2−5、参考例2−3及び2−6、比較例2−1及び2−4:
六方晶フェライト粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記実施例2−1の磁気記録媒体の作製方法に従って磁気テープを製造した。
得られた磁気テープの諸特性を表2に示す。
Figure 0005712595
上記実施例より、本発明によって得られた六方晶フェライト粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmであり、六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が特定の範囲にあることによって、これらを用いて得られた磁気記録媒体は、ノイズがより低減されていることがわかる。
本発明に係る磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmからなり、平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が特定の範囲にあることにより、磁気記録媒体のノイズをより低減することができるため、高密度磁気記録媒体の磁性粒子粉末として好適である。

Claims (5)

  1. 平均板面径が10〜30nmである六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の平均板面径(L)(nm)とBET比表面積値(SSA)(m/g)が下記式(1)の関係にあり、
    六方晶フェライト粒子粉末が、下記組成式で表されるマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末からなることを特徴とする磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末。
    SSA(m/g) ≦ 999.97L−1 (nm) ・・・ (1)
    AFe 12−x/2−2y/3 Ti Al 19
    (A:Ba,Sr及びCaから選ばれる1種以上の元素)
    (x:0.05〜3、y:0.1〜3)
  2. 板状比が2.0未満である請求項1記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末。
  3. 保磁力(Hc)が119.4kA/m以上である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末。
  4. 粉体SFDが1.5以下である請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末。
  5. 非磁性支持体上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記磁性粒子粉末として請求項1から請求項のいずれかに記載の磁気記録媒体用六方晶フェライト粒子粉末を用いることを特徴とする磁気記録媒体。
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