JP2006169131A - ヒドロホルミル化方法 - Google Patents

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Hiroki Nitsuseki
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Abstract

【課題】 錯体触媒の回収率の高いヒドロホルミル化反応を提供することにある。
【解決手段】 8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒドを生成させるヒドロホルミル化方法において、
(1)反応系から高沸点副生物の蓄積した反応液を抜き出す抜き出し工程、
(2)抜き出した反応液を貧溶媒と混合しかつ水素で処理して錯体触媒を晶出させる晶出工程、
(3)晶出した錯体触媒を混合液から分離・回収する回収工程、
(4)晶出した錯体触媒を分離した混合液を、これから反応液成分の少なくとも一部を除去した後、貧溶媒として晶出工程に供給する循環工程、
の各工程からなる反応液からの高沸点副生物の除去と錯体触媒の回収とを行うことを特徴とする方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒドロホルミル化方法に関し、より詳細には、8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒドを生成させるヒドロホルミル化反応の方法に関する。
オレフィン性不飽和有機化合物を、8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の存在下、一酸化炭素及び水素によりヒドロホルミル化してアルデヒドを製造する方法は、アルデヒドの製造法としてよく知られている(特許文献1、2参照)。
オレフィンのヒドロホルミル化反応に用いられる触媒は、高価な8〜10族金属を含むため、触媒は半永久的に使用するのが理想的である。従って通常は、反応液から生成物を蒸留分離し、蒸留残渣である触媒を含む反応液を反応帯域に循環して再使用する方法や、反応生成物をガスストリッピングにより反応帯域から留去させて、触媒を含む反応液を反応帯域に残留させたままで連続的に反応する方法が用いられている。
しかしながら、ヒドロホルミル化反応においては、種々の高沸点副生物が生成して反応液中に蓄積するので、反応液中の高沸点副生物の濃度が許容範囲を越えないように反応液の一部を連続的に又は間欠的に反応系外へ抜き出すことが必要である。抜き出された反応液には触媒、特に高価な8〜10族金属が含まれているので、これを効率よく回収することは経済的に極めて重要である。
例えば、特許文献3では、反応系から抜き出されたヒドロホルミル化反応液にアルコールと水と混合し、混合液を水素と接触させてロジウム−有機リン系錯体触媒を晶出・回収する方法が記載されている。この方法は優れた方法であるが実用的には更なる改良が望まれている。
米国特許3,527,809号 米国特許4,148,830号 特開昭57−122948号公報
本発明の課題は、高沸点副生物の蓄積を防ぐために反応系外に抜き出された反応液から錯体触媒を更に効率よく回収する方法を提供することにある。
上記課題に鑑み本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、反応液と混合する貧溶媒として晶出した錯体触媒と分離した後の混合液中の貧溶媒を用いると錯体触媒の回収率が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒドを生成させるヒドロホルミル化方法において、
(1)反応系から高沸点副生物の蓄積した反応液を抜き出す抜き出し工程、
(2)抜き出した反応液を貧溶媒と混合しかつ水素で処理して錯体触媒を晶出させる晶出工程、
(3)晶出した錯体触媒を混合液から分離・回収する回収工程、
(4)晶出した錯体触媒を分離した混合液を、これから反応液成分の少なくとも一部を除去した後、貧溶媒として晶出工程に供給する循環工程
の各工程からなる反応液からの高沸点副生物の除去と錯体触媒の回収とを行うことを特徴とする方法に存する。
本発明により、錯体触媒、特に錯体触媒中の高価な8〜10族金属を高い割合で回収しうるヒドロホルミル化方法を提供することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明において、8〜10族金属とは、1983年の周期表で第8族金属といわれていたものである。なかでも、ルテニウム、コバルト、ロジウム、パラジウム、白金、特にロジウムが好ましく用いられる。
8〜10族金属−有機リン系錯体触媒を構成する有機リン化合物としては、単座配位子又は多座配位子としての能力をもつホスフィン又はホスファイト等が挙げられる。
単座ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィンやトリス(p−トリル)ホスフィン、トリキシリルホスフィン、トリス(p−エチルフェニル)ホスフィン等のアルキル基で置換されたフェニル基を有するホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン等のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有するホスフィン等、フェニル基上にヒドロホルミル化反応条件下で不活性な置換基を有していてもよいトリアリールホスフィン等が挙げられ、中でもトリフェニルホスフィンは入手の容易さから好ましい。
また、単座のホスファイトの例としては、下記の式(1)〜(4)で示されるホスファイト化合物が挙げられる。
Figure 2006169131
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。)
式(1)中、置換されていてもよい1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基等が挙げられる。
式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、n−ブチルジエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリ−n−オクチルホスファイト、トリ−n−ドデシルホスファイト等のトリアルキルホスファイト;トリフェニルホスファイト、トリナフチルホスファイト等のトリアリールホスファイト;ジメチルフェニルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト、エチルジフェニルホスファイト等のアルキルアリールホスファイト等が挙げられる。これらのホスファイトのアリール基には置換基が存在していてもよい。また、例えば、特開平6−122642号公報に記載されているビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)フェニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)(4−ビフェニル)ホスファイト等を用いてもよい。これらの中で最も好ましいものはトリフェニルホスファイトである。
Figure 2006169131
(式中、Rは置換されていてもよい2価の炭化水素基を示し、Rは置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。)
式(2)中、Rで示される置換されていてもよい2価の炭化水素基としては、炭素鎖の中間に酸素、窒素、硫黄原子等を含んでいてもよいアルキレン基;炭素鎖の中間に酸素、窒素、硫黄原子等を含んでいてもよいシクロアルキレン基;フェニレン、ナフチレン等の2価の芳香族基;2価の芳香環が直接又は中間にアルキレン基、酸素、窒素、硫黄等の原子を介して結合した2価の芳香族基;2価の芳香族基とアルキレン基とが直接又は中間に酸素、窒素、硫黄等の原子を介して結合したもの等が挙げられる。Rで示される置換されていてもよい1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基等が挙げられる。
式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、エチレン(2,4,6−トリ−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、1,2−ブチレン(2,6−ジ−t−ブチル−フェニル)ホスファイト等の米国特許第3415906号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
Figure 2006169131
(式中、R10は式(2)におけるRと同義であり、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレン基を示し、x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を示し、Qは−CR1112−,−O−,−S−,−NR13−,−SiR1415及び−CO−よりなる群から選ばれる架橋基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基又はアニシル基を示し、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、nは0又は1を示す。)
式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等の米国特許第4599206号公報に記載されている化合物、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル−(2−t−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスファイト等の米国特許第4717775号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
Figure 2006169131
(式中、Rは環状又は非環状の置換されていてもよい3価の炭化水素基を示す。)
式(4)で表される化合物の具体例としては、例えば、4−エチル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン等の米国特許第4567306号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
また、多座ホスファイトの例としては、式(5)〜(10)で示されるホスファイト化合物が挙げられる。
Figure 2006169131
(式中、Rは式(2)におけるRと同義であり、R及びRはそれぞれ独立して置換されていてもよい炭化水素基を示し、a及びbはそれぞれ0〜6の整数を示し、aとbの和は2〜6であり、Xは(a+b)価の炭化水素基を示す。)
式(5)で表される化合物のうち好ましいものとしては、例えば、6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1’−ジメチルエチル)−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサホスフェビン等の特開平2−231497号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
Figure 2006169131
(式中、Xはアルキレン、アリーレン及び−Ar−(CH)x−Qn−(CH)y−Ar−よりなる群から選ばれた2価の基を示し、R16及びR17は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基を示す。Ar、Ar、Q、x、y、nは式(3)と同義である。)
式(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開昭62−116535号公報及び特開昭62−116587号公報に記載されている化合物等が挙げられる。
Figure 2006169131
(式中、X、Ar、Ar、Q、x、y、nは式(6)と同義であり、R18は式(2)におけるRと同義である。)
Figure 2006169131
(式中、R19及びR20はそれぞれ独立して芳香族炭化水素基を示し、かつ少なくとも一方の芳香族炭化水素基は、酸素原子が結合する炭素原子に隣接する炭素原子に炭化水素基を有しており、mは2〜4の整数を示し、各−O−P(OR19)(OR20)基は互いに異なっていてもよく、Xは置換されていてもよいm価の炭化水素基を示す。)
式(8)で表される化合物の中では、例えば、特開平5−178779号公報に記載されている化合物や2,2’−ビス(ジ−1−ナフチルホスファイト)−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル等の特開平10−45776号公報に記載されている化合物等が好ましい。
Figure 2006169131
(式中、R21〜R24は、置換されていてもよい炭化水素基を示し、これらは互いに独立したものであっても、R21とR22、R23とR24が互いに結合して環を形成していてもよく、Wは置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、Lは置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の2価の脂肪族炭化水素基を示す。)
式(9)で表される化合物としては、例えば、特開平8−259578号公報に記載のものが用いられる。
Figure 2006169131
(式中、R25〜R28は、置換されていてもよい1価の炭化水素基を示し、R25とR26、R27とR28は互いに結合して環を形成していてもよく、A及びBはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、nは0又は1の整数を示す。)。
有機リン化合物としては、ホスフィンが好ましい。
8〜10族金属−有機リン系錯体触媒は、8〜10族金属化合物と有機リン化合物とから公知の錯体形成方法により容易に調製することができる。また、8〜10族化合物と有機リン化合物とを反応帯域に供給して反応帯域内で錯体を形成させてもよい。この場合、有機リン化合物はそのまま反応帯域に導入してもよいが、取扱やすさ等を考慮すると、反応媒体に溶解させて導入するのが好ましい。
8〜10属金属化合物としては、例えば塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金、臭化ロジウム、沃化ロジウム、硫酸ロジウム、硝酸ロジウム、硝酸パラジウム、塩化ロジウムアンモニウム、塩化ロジウムナトリウム等の水溶性の無機塩又は無機錯化合物、ギ酸ロジウム、酢酸ロジウム、酢酸パラジウム、プロピオン酸ロジウム、プロピオン酸パラジウム、オクタン酸ロジウム等の水溶性有機酸塩等を挙げることができる。また、それぞれの金属の錯体種を用いてもよい。その中でも反応活性及び触媒コストの観点から、酢酸ロジウムを用いるのが好ましい。
ヒドロホルミル化反応は、8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素とを反応させることにより行われ、オレフィンとしては、炭素数が2〜20のものが用いられる。オレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンでも、内部オレフィンでもよい。
ヒドロホルミル化反応の反応媒体としては、原料及び8〜10族金属−有機リン系錯体触媒を溶解し、生成するアルデヒドより高沸点で反応阻害作用のないものが好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、酢酸ブチル、酪酸ブチルエステル等のエステル類あるいはケトン類等が挙げられる。反応媒体中の8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の濃度は、8〜10族金属原子換算で、通常1wtppm〜10重量%であり、配位子として用いられる有機リン化合物は、錯体触媒の安定性を増大させる等のために通常は過剰量を反応媒体中に存在させる。
ヒドロホルミル化反応は公知の条件で行えばよく、例えば、ロジウム−ホスフィン系錯体触媒を用いた場合には、通常、水素分圧0.1〜200kg/cmG、一酸化炭素分圧0.1〜200kg/cmG、全圧数kg/cmG〜300kg/cmG、水素分圧/一酸化炭素分圧=0.1〜10、反応温度60〜200℃、Rh濃度は数ppm〜数重量%、P(遊離有機リン配位子)/Rh=2〜10000(モル比)、反応時間が数分〜10数時間の範囲内で適宜選択される。
ヒドロホルミル化反応では、炭素数がn(nは2〜20の整数)の原料オレフィンから、炭素数がn+1のアルデヒドを得ることができる。このようなアルデヒドとしては、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド等が挙げられる。通常アルデヒドは、直鎖体と分岐鎖体の混合物として得られる。
ヒドロホルミル化反応は、通常、連続式の反応器を用いて上記反応条件で行われるが、回分式の反応器を使用することもできる。
連続反応の方式として主なものに、ストリッピング方式と液循環方式がある。
ストリッピング方式(図1)は、触媒を含む反応液4を反応器3内に保持し、オレフィン2、オキソガス1を連続的に供給し、反応によって生成したアルデヒドを反応器内で気化させ、系外に取り出す方法である。
一方、液循環方式(図2)は、オレフィン2、オキソガス1と触媒を含む反応媒体、即ち反応液4を連続的に反応器3に供給する方法で、生成したアルデヒド、触媒、反応媒体等を含む反応液7が連続的に反応器外に抜き出される。この反応器から抜き出された反応液は、例えば未反応ガスによるストリッピング、蒸留等の分離操作8によって、生成アルデヒド5と触媒を含む反応液4に分離される。得られた生成アルデヒド5は系外に抜き出され、触媒を含む反応液4は反応器3に循環される。
ストリッピング方式の場合、反応器内に保持されている触媒を含む反応液中に副生物である高沸点生成物が蓄積するため、通常その一部を間欠的に反応系外に抜き出している。また、液循環方式の場合、触媒を含む反応液の循環を続けると反応系に副生物である高沸点生成物が蓄積するため、連続的または間欠的に、触媒を含む反応液の一部を反応系外に抜き出している。
通常、反応系外に反応液を抜き出した場合には、抜き出された反応液に含まれる錯体触媒及び有機リン化合物に対応する量の錯体触媒と有機リン化合物が新たに反応帯域に供給される。
このようにして反応系外に抜き出された反応液からは錯体触媒を晶析させて回収する。回収された錯体触媒は反応帯域に戻すのが好ましい。
本発明では反応系外に抜き出された反応液から触媒を晶析・回収するため、まず、これに貧溶媒を混合する。本発明において貧溶媒とは、反応液と見かけ上均一な溶液を形成することができ、かつ反応液よりも錯体触媒の溶解度の小さいものを意味する。なお、貧溶媒は反応系で反応に関与しないものが好ましい。貧溶媒としては、通常は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン及びそれらと水の混合物が用いられる。8〜10族金属の回収率の観点から、水と炭素数1から3のアルコールの混合物を用いるのが好ましい。その混合比(体積比率)は、水:アルコールが通常5:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:4である。水の比率が少ないと錯体の溶解度の関係から錯体触媒の回収率が低下する。逆に水の比率が高すぎると系が油相と水相の2相となり錯体触媒の回収率が低下する。
また、貧溶媒と反応液との混合比(重量比率)は、貧溶媒の種類、反応液の組成に影響されるため一律には決められないが、貧溶媒:反応液の比は、通常約10:1〜1:2程度であり、好ましくは5:1〜1:1である。貧溶媒の割合が少ない方が晶析回収装置を小さくできるが、十分な回収率が得られるような量を選定する。
反応系外に抜き出された反応液はそのまま貧溶媒と混合しても、蒸留などにより反応媒体を留去し、錯体触媒を濃縮しておいてもよい。
反応液を貧溶媒と混合し、かつ水素で処理することにより、反応液中の8〜10族金属−有機リン系錯体触媒を晶出しうる形態へと変化させることができる。水素で処理する際の温度は、通常0〜95℃、好ましくは10〜30℃である。
水素で処理する方法としては、まず反応液と貧溶媒を混合し、得られた混合液に水素ガスと接触させる方法、水素雰囲気下で反応液と貧溶媒を混合する方法などがある。水素分圧は通常0.1〜10MPa、水素ガスとの接触時間は通常数分〜数時間である。
次いで、溶液を通常0〜70℃、好ましくは0〜30℃に保持していると、8〜10族金属−有機リン系錯体触媒が晶出する。好ましくは、晶析操作は水素雰囲気下で行う。すなわち反応液と貧溶媒との混合液を引き続き水素処理圧力下に保持すればよい。晶析時間は通常数分〜数時間である。
晶出した8〜10族金属−有機リン系錯体触媒は、通常用いられる固液分離の方法で混合液(母液)から分離回収する。具体的には、デカンテーション、遠心分離、濾過等の方法があり、工業的には遠心濾過が使われることが多い。
本発明では、晶出した錯体触媒を分離回収した後の混合液中の貧溶媒を、反応系から抜き出された反応液に混合する貧溶媒として用いる。そのためには、まず混合液中の反応液成分を蒸留等により除去する。なお反応液成分を全て除去する必要はなく、主として高沸点副生物を除去すれば十分である。蒸留条件は、貧溶媒の組成や高沸点物の種類にもよるが、貧溶媒が水とアルコールの混合溶媒の場合には、蒸留液がそのまま貧溶媒として用い得るような条件で行うのが好ましい。
混合液中の貧溶媒を用いることにより、錯体触媒の回収率が高くなる理由は明らかではないが、回収した貧溶媒に含まれる酸などの影響によるものと推察される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
酢酸ロジウムとトリフェニルホスフィンを用いて、プロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、高沸点副生物の蓄積した反応液を抜き出した。これから蒸留により反応溶媒を除去して、下記組成の釜残液を得た。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算値) 779wtppm
トリフェニルホスフィン 58.6重量%
トリフェニルホスフィンオキサイド 2.6重量%
高沸点副生物 38.7重量%
この釜残液74g及び30重量%の水を含有するイソプロピルアルコールと水の混合溶媒191gを、不活性ガスの雰囲気下で、容量0.5Lの電磁誘導撹拌型のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、ゆるやかに撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力2Mpaとなるよう圧入し、この圧力、温度下で4時間保持した。水素ガスをパージした後、減圧濾過して晶出物を回収した。ロジウム錯体の回収率は、ロジウム原子換算で18.4%であった。
濾液のうち171gを用いて、オイルバス温度125℃で、常圧から次第に減圧していき最終的に300mmHgでエバポレーションを行い、水を29重量%の割合で含有する留出液142gを得た。
釜残液24g、上述の留出液64gを容量0.2Lの電磁誘導攪拌型のオートクレーブに入れ、上記と全く同様にして水素処理を行い、次いで上記と全く同様にして減圧濾過して晶出物を回収した。ロジウム錯体の回収率は、ロジウム原子換算で41.1%であった。
ストリッピング方式の反応器の図である。 液循環方式の反応器の図である。
符号の説明
1 オキソガス
2 オレフィン
3 反応器
4 触媒と反応媒体を含む反応液
5 生成アルデヒド
6 パージガス
7 反応生成物、触媒及び反応媒体などを含む反応液
8 分離器

Claims (6)

  1. 8〜10族金属−有機リン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒドを生成させるヒドロホルミル化方法において、
    (1)反応系から高沸点副生物の蓄積した反応液を抜き出す抜き出し工程、
    (2)抜き出した反応液を貧溶媒と混合しかつ水素で処理して錯体触媒を晶出させる晶出工程、
    (3)晶出した錯体触媒を混合液から分離・回収する回収工程、
    (4)晶出した錯体触媒を分離した混合液を、これから反応液成分の少なくとも一部を除去した後、貧溶媒として晶出工程に供給する循環工程、
    の各工程からなる反応液からの高沸点副生物の除去と錯体触媒の回収とを行うことを特徴とする方法。
  2. 回収した錯体触媒をヒドロホルミル化反応帯域に供給することを特徴とする請求項1に記載のヒドロホルミル化方法。
  3. 8〜10族金属がロジウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒドロホルミル化方法。
  4. 貧溶媒が、炭素数1〜3のアルコール及びケトンよりなる群から選ばれた有機溶媒と水との混合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 循環工程において、晶出した錯体触媒を分離した混合液を蒸留し、留出液を貧溶媒として晶出工程に供給することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 抜き出した反応液を蒸留して低沸点成分を除去した蒸留残を貧溶媒と混合することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
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