JP2841689B2 - バレルアルデヒドの精製法 - Google Patents

バレルアルデヒドの精製法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ブテン留分をヒドロホルミル化反応させて
得られるバレルアルデヒド含有反応生成物の精製法に関
するものである。
従来ブテン類のヒドロホルミル化反応について、特開
昭55−127335号などに、n−バレルアルデヒドをより高
収率で得るためのヒドロホルミル化条件、さらに、未反
応のブテン類を蒸留等により回収しこれをヒドロホルミ
ル化工程に再循環させる方法が記載されている。
一般にBB留分は、ブテン類(1−ブテン、2−ブテン
及びイソブテン)の他にC3炭化水素類や、ブタジエン、
ブタンなどを含み、ブテン濃度は通常40〜80重量%程度
である。n−バレルアルデヒドをより高収率で得るには
1−ブテンのみを選択的に反応させることであり、他の
成分は未反応分として回収する。
[発明が解決しようとする課題] 上記ブテン留分をヒドロホルミル化反応させて得られ
るバレルアルデヒド含有反応生成液から未反応のブテン
留分を蒸留分離する際、蒸留塔の塔底温度が塔底液中の
ブテン留分の含有量によって著しく変化し、安定な連続
運転が難しいことが判明した。そして、上記塔底液中の
ブテン留分を全量留出させようとすると、蒸留塔の塔底
温度が著しく上昇して高沸化が著しく促進されるばかり
でなく、ヒドロホルミル化触媒の熱劣化の問題も生起す
る。また、蒸留塔の塔底温度を低下させるために減圧下
で蒸留することも考えられるが、この場合にはブテン留
分を凝縮させるために0℃以下にする必要があり、この
ため冷凍設備が必要となる。いずれにしても蒸留条件は
工業的に不利なものとなり、上記バレルアルデヒド反応
生成液から未反応のブテン留分を蒸留分離することは工
業的に容易ではなかった。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は上記したバレルアルデヒド反応生成液か
ら未反応のブテン留分を蒸留分離する際の上記問題点を
改善して工業的に有利にバレルアルデヒドを精製する方
法について鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに上記
蒸留塔の塔底液中にブテン留分を特定量保持して蒸留す
ることにより、塔底温度を低温化でき、これにりバレル
アルデヒドの高沸化が抑制され、且つ塔底温度の変動
(振れ幅)を著しく小さくできること、そしてこれによ
って蒸留塔を安定的に連続運転でき、バレルアルデヒド
を工業的有利に精製できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ブテン留分をヒドロホル
ミル化反応させて得られるバレルアルデヒド含有反応生
成物を精製する方法において、 バレルアルデヒド含有反応生成液を蒸留塔に供給
し、塔底液中のブテン留分の濃度を2wt%以上に保持
し、且つ、塔底温度を150℃以下で運転すること、 該蒸留塔の塔頂より未反応のブテン留分を主成分と
する留出物を留出させ、一方、塔底よりバレルアルデヒ
ドを含有する缶出液を得ること、 を特徴とするバレルアルデヒドの精製法、に存する。
以下に本発明につき更に詳細に説明する。
出発原料であるブテン留分とは、ブテン類を主要な成
分とするBB留分であり、ナフサ等の炭化水素油の熱分解
によって得られるBB留分あるいは重軽質油等の炭化水素
油の接触分解(FCCなど)によって得られるBB留分のい
ずれも使用することができる。
また、更に、上記の熱分解又は接触分解によって得ら
れたBB留分からブタエジンの大部分を取り除いた後のい
わゆるスペントBB留分や、更にイソブテンの一部分を取
り除いた後のいわゆるスペントスペントBB留分なども好
適に使用出来る。またこれらの混合物も使用出来る。
ヒドロホルミル化反応は常方に従って行なわれる。ヒ
ドロホルミル化条件も特に臨界的なものではなく、従来
公知のロジウム法やコバルト法のいずれも使用出来る
が、生成物たるバレルアルデヒド中のα−体の比率が多
い方が経済的にはある程度有利である。ロジウム法の場
合のロジウム源としては酢酸ロジウムなどの有機塩、硝
酸ロジウムなどの無機塩あるいはヒドリドカルボニルト
リス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどの錯体な
どいずれも使用できる。コバルト法の場合のコバルト源
としては、ラウリン酸コバルトなどの有機酸塩、硝酸コ
バルトなどの無機酸塩のほか、ジコバルトオクタカルボ
ニル、ヒドリドコバルトテトラカルボニルなどの錯体が
使用できる。
反応圧力としては、通常、常圧〜300kg/cm2G、反応温
度としては通常、50〜150℃、H2/CO比としてはモル比で
通常、1〜10、触媒濃度としては通常数ppm、数wt%の
条件が採用される。配位子としてはトリフェニルホスフ
ィン、トリフェニルホスファイトなどの3価の有機リン
化合物やそのオキシドなどが上記触媒に対するモル比で
通常1〜1000で適宜用いられる。
溶媒を用いなくても良いが、必要に応じて溶媒を用い
ることもできる。溶媒としては触媒を溶解し、かつ反応
に悪影響を与えないものであれば、任意のものを用いる
ことができる。例えばベンゼン、トルエン、キシレン、
ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン
等の脂環式炭化水素;ジブチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジエチルフタ
レート、ジオクチルフタレート等のエステル類のなどが
用いられる。また、ヒドロホルミル化反応により生成し
たアルデヒド類、アルコール類を溶媒とすることもでき
る。またアルデヒドの重縮合物などの高沸点副生物も用
いることが出来る。
反応は連続方式および回分方式のいずれでも行なうこ
とが出来る。
ヒドロホルミル化反応においては、ブテン類の反応速
度は各成分毎に違い、α−アルデヒドとイソ−アルデヒ
ドとの比率もある程度反応条件によって変化させること
が出来ることが知られている。
従って、上記したヒドロホルミル化反応において適当
な反応条件を採用することによってバレルアルデヒドの
組成をコントロールすることができる。
ブテン留分のヒドロホルミル化反応で得られたバレル
アルデヒド含有反応生成物は、蒸留塔に供給し、塔底液
中のブテン留分の濃度を2wt%以上に保持し、かつ、塔
底温度を150℃以下で運転し、該蒸留塔の塔頂より未反
応のブテン留分を主成分とする留出物を留出させ、一方
塔底よりバレルアルデヒドを含有する缶出液を得ること
によって精製する。
以下、図面を用いて本発明の精製法を更に詳細に説明
する。
上述の如く、ブテン留分(1)及びオキソガス(2)
をヒドロホルミル化触媒(3)及び場合によっては溶融
を存在させて、ブテン留分のヒドロホルミル化反応を行
なって得られたバレルアルデヒド含有反応生成液はヒド
ロホルミル化反応器(4)から導管(5)により抜き出
され、気液分離器(6)(6′)で放圧により気液分離
され、未反応の水素ガス、一酸化炭素ガス及びブテン留
分の一部が気相から抜出され、一方、液相は導管(7)
より蒸留塔(8)に供給される。該液相中のブテン留分
の濃度しては、通常5〜30wt%の範囲である。蒸留塔
(8)は該液相中、すなわち、バレルアルデヒド含有反
応生成液中の未反応のブテン留分を蒸留分離して回収す
る蒸留塔であり、塔より未反応のブテン留分を導管
(9)より留出させて回収するものである。
本発明においては、蒸留塔(8)の塔底液中のブテン
留分の濃度を2wt%以上、通常、2〜10wt%の範囲好ま
しくは2〜5wt%の範囲に保持し、且つ塔底温度を150℃
以下、通常、80〜150℃の範囲好ましくは100〜130℃の
範囲の条件下で操作する。これによって高沸化の抑制、
ヒドロホルミル化触媒の熱劣化の防止及び蒸留塔の安定
運転をはかるものである。
上記蒸留塔の塔底液中のブテン留分の濃度が2wt%未
満では塔底温度が上昇し、且つ塔底温度の変動が著しく
なることにより、高沸化が促進され、且つ蒸留塔の安定
運転が難しくなるので好ましくない。また塔底温度が15
0℃より高い高沸化が著しく促進され、且つヒドロホル
ミル化触媒の熱劣化が生起するので好ましくない。
蒸留塔(8)は通常、理論段数5〜15段の塔であっ
て、塔頂圧力0〜5kg/cm2G、塔頂温度−2〜60℃及び還
流比1〜10の範囲内で操作する。
該蒸留塔(8)の塔底液は導管(10)より抜出されて
蒸留塔(11)供給される。蒸留塔(11)においては未反
応のブラン留分を伴なうバレルアルデヒドが高沸物を含
有する触媒液から蒸留分離され、塔頂から導管(12)よ
り抜出され、凝縮器の冷却温度を調節することによりバ
レルアルデヒドのみを選択的に凝縮させて気液分離器
(13)で分離し、取得する。一方、塔底より、導管(1
4)にて反応溶液及び高沸物を含有する触媒液の塔底液
が抜出され、ヒドロホルミル化反応器へ循環される。
該蒸留塔(11)は通常、理論段数10〜30段の塔であっ
て、塔頂圧力(100〜250mmHg、塔頂温度50〜80℃及び塔
底温度90〜130℃の条件下で還流比3〜20の範囲内で操
作される。
[実施例] 以下に本発明につき、実施例に基づいて更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜6 ナフサのクラッカーよりのBB留分から、ブタジエンと
イソブテンとを大部分除去したあとの下記組成のスペン
トスペントBB留分を連続的にヒドロホルミル化した。
[組 成] 1−ブテン 43 wt% 2−ブテン 22 イソブテン 4 ブタジエン 1.3 C3類 0.3 その他 29.4 反応条件は 全圧力7kg/cm2G、オキソガス分圧4kg/cm2G(H2/CO=
1) 反応温度 100℃ 原料/触媒液=1.0(重量比) 反応器滞留時間2.0時間 であった。
オートクレーブを冷却、脱圧後、反応生成液を全量回
収した。
反応生成液の組成は、 C4留分 27.8wt% (ブタン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、
ブタジエン) バレルアルデヒド 26.1wt% キシレン 34.0wt% トルフェニルホスフィン 11.3wt% その他 0.8wt% であった。
内径42.6mm×5段の蒸留塔の2段目に回収した反応生
成液を4/hrでフィードし、還流比1で連続蒸留を行
ない、流出した未反応C4留分を回収した。その他の蒸留
条件及び得られた塔底液の高沸物化率及びC4留分濃度に
つき第1表に示す。
[発明の効果] 本発明によれば、ブテン留分のヒドロホルミル化によ
り得られるバレルアルデヒド含有反応生成物からバレル
アルデヒドを工業的有利に精製することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明におけるブテン留分のヒドロホルミル化
及びバレルアルデヒドの精製のフローの一例を示す図で
ある。 1:ブテン留分、2:オキソガス、3:ヒドロホルミル化触
媒、4:ヒドロホルミル化反応器、5,7,9,10,12,14:導
管、6,6′,13:気液分離器、8,11:蒸留塔。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 47/02 C07C 45/82 C07C 45/50 WPI/L(QUESTEL)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブテン留分をヒドロホルミル化反応させて
    得られるバレルアルデヒド含有反応生成物を精製する方
    法において、 バレルアルデヒド含有反応生成液を蒸留塔に供給し、
    塔底液中のブテン留分の濃度を2wt%以上に保持し、且
    つ塔底温度を150℃以下で運転すること、 及び、 該蒸留塔の塔頂より未反応のブテン留分を主成分とす
    る留出物を留出させ、一方、塔底よりバレルアルデヒド
    を含有する缶出液を得ること、 を特徴とするバレルアルデヒドの精製法。
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