JPH08225481A - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents

アルデヒド類の製造方法

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JPH08225481A
JPH08225481A JP7320286A JP32028695A JPH08225481A JP H08225481 A JPH08225481 A JP H08225481A JP 7320286 A JP7320286 A JP 7320286A JP 32028695 A JP32028695 A JP 32028695A JP H08225481 A JPH08225481 A JP H08225481A
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gas
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aldehyde
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章夫 植田
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気液接触塔でヒドロホルミル化反応生成液中
の未反応オレフィンを回収する方法において、未回収オ
レフィンの回収効率を高め、且つヒドロホルミル化反応
速度を高める効率的なアルデヒド類の製造方法を提供す
るものである。 【構成】 ヒドロホルミル化反応領域からの流出物に由
来する未反応オレフィン及びアルデヒド生成物を含む液
状混合物を、加熱した後に気液接触帯域へ供給し、一酸
化炭素及び水素と向流接触させて未反応オレフィンを該
液状混合物から分離回収し、回収された未反応オレフィ
ンを前記一酸化炭素及び水素と共にヒドロホルミル化反
応領域に供給するアルデヒド類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロホルミル化
反応領域において、有機リン化合物を配位子とするロジ
ウム触媒の存在下に、オレフィンを一酸化炭素及び水素
と反応させるヒドロホルミル化の改良された方法に関す
るものである。更に詳しくは、ヒドロホルミル化反応領
域からの流出物に由来する未反応オレフィン及びアルデ
ヒド生成物を含む反応液を気液接触帯域へ供給し、一酸
化炭素及び水素と向流接触させて未反応オレフィンを該
反応液から分離回収し、回収された未反応オレフィンを
前記一酸化炭素及び水素と共にヒドロホルミル化反応領
域に供給するアルデヒド類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オレフィンのヒドロホルミル化反応をロ
ジウム触媒の存在下に行わせる方法は従来公知である。
また、ヒドロホルミル化反応生成液からの未反応オレフ
ィン、アルデヒド生成物及び触媒の分離方法についても
従来いくつかの方法が開示されている。
【0003】例えば、特開昭59−70634号には、
水溶性ロジウム−ホスフィン錯体化合物の存在下にオレ
フィンと一酸化炭素及び水素とを反応させてアルデヒド
を製造する方法が開示されており、未反応オレフィンの
回収方法として、合成ガスによるストリッピング塔を用
いる方法が開示されている。
【0004】また、INDICATIONS Wint
er 1982/83(The Internatio
nal Journal of Davy Mcke
e)には、トリフェニルホスフィン(TPP)を配位子
とするロジウム触媒の存在下に、プロピレンを一酸化炭
素及び水素と反応させてブチルアルデヒドを製造する方
法が開示されており、ガスストリッピング型反応形式に
より未反応プロピレン、水素、一酸化炭素及びブチルア
ルデヒドをガス状流出物として取り出し、凝縮させて得
られたプロピレンを含むブチルアルデヒドの液状生成物
をそのままストリッピング塔に仕込み、一酸化炭素及び
水素と接触させて未反応オレフィンを該液状生成物から
分離回収し、回収された未反応オレフィンを前記一酸化
炭素及び水素と共にヒドロホルミル化反応器に供給する
プロセスが開示されている。この場合、ストリッピング
塔を出るブチルアルデヒドはさらに次工程で溶存ガスの
分留回収が行われている。
【0005】更に、特願平5−138630号には、ヒ
ドロホルミル化反応領域において、3価の有機リン化合
物を配位子とするロジウム触媒の存在下に、オレフィン
を一酸化炭素及び水素と反応させるヒドロホルミル化方
法であって、前記ヒドロホルミル化反応領域より取り出
される未反応オレフィン、アルデヒド生成物及び触媒を
含む反応液を、一酸化炭素及び水素と接触させて、ロジ
ウム触媒を実質的に失活させないで未反応オレフィンを
該反応液から分離回収し、回収された未反応オレフィン
を前記一酸化炭素及び水素と共にヒドロホルミル化反応
領域に供給することを特徴とするオレフィンのヒドロホ
ルミル化方法が開示されている。
【0006】このように、オレフィンのヒドロホルミル
工程においては、未反応のオレフィンを生成物流から回
収するに際し、ヒドロホルミル化反応に供する一酸化炭
素及び水素の混合ガスを気液接触帯域にて生成物流と向
流接触させる方法が多数考案されている。上記気液接触
帯域にて未回収の溶存オレフィンはロスとなるか、また
は、さらに分留等の回収手段により回収しなければなら
ず、気液接触帯域の脱気効率はプロセスの経済性に大き
な影響をもたらしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したいずれの方法
においても、未反応オレフィン回収用のガスとしての一
酸化炭素及び水素の量は、ヒドロホルミル化反応器での
マスバランス見合いとなるため量の変化の自由度がな
く、従って生成物流に含まれる溶存オレフィン量が上昇
すると脱気効率の低下をもたらし、経済性の観点から必
然的にヒドロホルミル化反応器内のオレフィン濃度に上
限が生じることとなる。一方、反応効率の観点から、ヒ
ドロホルミル化反応器内のオレフィン濃度を高くする方
が反応速度が高く、生産性を高めることになる。
【0008】従って、気液接触塔において、ヒドロホル
ミル化反応に供する一酸化炭素及び水素の混合ガスとヒ
ドロホルミル化生成物とを向流接触させて、未反応のオ
レフィンを生成物流から回収するオレフィンのヒドロホ
ルミル化工程で、気液接触帯域での未回収オレフィン量
を増大させることなくヒドロホルミル化反応器内のオレ
フィン濃度を増加することは従来の技術では困難であっ
た。本発明は、気液接触帯域でのオレフィン回収効率を
高め、ヒドロホルミル化反応器内のオレフィン濃度を高
くすることが可能な、工業的に有利なアルデヒド類の製
造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
つき鋭意検討した結果、ヒドロホルミル化反応生成物
を、ヒドロホルミル化反応領域に導入する一酸化炭素及
び水素と緊密に向流接触させる際、ヒドロホルミル化反
応生成物の液状混合物を加熱することにより、上記課題
を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明の要旨は、ヒドロホルミル化
反応領域において、有機リン化合物を配位子とするロジ
ウム触媒の存在下に、オレフィンを一酸化炭素及び水素
と反応させるアルデヒド類の製造方法であって、前記ヒ
ドロホルミル化反応領域からの流出物に由来する未反応
オレフィン及びアルデヒド生成物を含む液状混合物を、
加熱した後に気液接触帯域へ供給し、加熱した液状混合
物を一酸化炭素及び水素と向流接触させ、未反応オレフ
ィンを含む一酸化炭素及び水素のガス流を気液接触帯域
から抜き出して未反応オレフィンを該液状混合物から分
離回収し、回収された未反応オレフィンを前記一酸化炭
素及び水素と共にヒドロホルミル化反応領域に供給する
ことを特徴とするアルデヒド類の製造方法、に存する。
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるオレフィンには特に臨界的な
制限はなく、単品でも混合オレフィンでも用いることが
できるが、好適なオレフィンは炭素数2〜5のオレフィ
ン又はそれらの混合物であり、最も好適なオレフィンは
プロピレンである。また、パラフィン類等のオレフィン
以外の炭化水素を含むようなオレフィンの純度の低い原
料も好適に使用できる。
【0011】原料オレフィンは通常特別な前処理などを
することなく用いられるが、触媒毒として知られる硫黄
分やハロゲン分又はジエン、トリエン類、更には過酸化
物類等を従来公知の吸着、抽出、蒸留、熱処理、膜分離
等の方法により除去したものを用いることもできる。
【0012】触媒には有機リン化合物を配位子とするロ
ジウム触媒が用いられるが、有機リン化合物としては、
トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のト
リアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
トリルホスフィン、フェニル基の水素がスルホン基やハ
ロゲン等で置換されたトリアリールホスフィン等のトリ
アリールホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等
のトリシクロアルキルホスフィン、モノブチルジフェニ
ルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン等のアル
キルアリールホスフィン、シクロアルキルアリールホス
フィン、アルキルシクロアルキルホスフィン等が挙げら
れる。
【0013】また、トリアルキルホスファイト、置換基
を有していてもよいトリフェニルホスファイト、トリナ
フチルホスファイト等のトリアリールホスファイト及び
アルキルアリールホスファイト等も用いられ、具体的に
はUSP3415906、USP4599206、US
P4351759、USP4748261、USP45
67306、USP5235113及びUSP5227
532に開示されている化合物等が挙げられるが、本発
明は有機リン化合物の種類に限定されるものではない。
【0014】これらの有機リン化合物のうち2種以上を
混合配位子として用いることもできる。また、上記有機
リン化合物とトリフェニルホスフィンオキシド等の5価
の有機リン化合物とを混合して用いることもできる。ロ
ジウム源としては、ヒドリドカルボニルトリス(トリフ
ェニルホスフィン)ロジウム、アセトキシビス(トリフ
ェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム錯体の他にロ
ジウムアセチルアセトネート、酢酸ロジウム等の有機
塩、硝酸ロジウム等の無機塩、酸化ロジウム等の酸化物
等も用いられる。ロジウムは直接ヒドロホルミル化反応
器にフィードしてもよいが、反応器外で有機リン化合物
配位子と共に溶媒中で高められた温度・圧力のもとで一
酸化炭素と水素とで処理し、あらかじめ触媒液を調製し
ておくこともできる。この触媒調製のための溶媒は通常
後述する反応溶媒の中から選ばれるが、反応溶媒とは同
一のものでなくてもよい。触媒の調製条件としては、通
常ロジウム濃度が数ppm〜数重量%、有機リン化合物
配位子とロジウムとの比率はモル比でP/Rh=1〜1
0000、温度は60〜200℃、圧力は常圧〜200
kg/cm2 G、処理時間は数分〜十数時間の範囲で行
われる。
【0015】上記処理は回分式でも連続式でもよい。ヒ
ドロホルミル化の反応溶媒としては、オレフィン自身を
溶媒にしてもよいし、生成アルデヒドや副生する高沸点
物を使用することもできる。その他ヘキサン、オクタン
等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ブタノー
ル、オクタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のアルコール類、トリグライム、テ
トラグライム等のエーテル類、ジオクチルフタレート等
のエステル類、又は水等の触媒を溶解し反応に悪影響を
与えぬものが使用される。ヒドロホルミル化反応条件と
しては、通常水素分圧0.1〜200kg/cm2 G、
一酸化炭素分圧0.1〜200kg/cm2 G、全圧数
kg/cm2 G〜300kg/cm2 G、水素分圧/一
酸化炭素分圧=0.1〜10、温度60〜200℃、ロ
ジウム濃度は数重量ppm〜数重量%、有機リン化合物
配位子中のP/Rh=1〜10000(モル比)、反応
時間数分〜十数時間の範囲で行われる。
【0016】上述のごとく実施されるヒドロホルミル化
反応領域からアルデヒド生成物を取得する方法として
は、気液接触塔への仕込み液がロジウム触媒を実質的に
含有する方法と含有しない方法とがある。本発明は、こ
れらの方法において共通して用いられる気液接触塔に供
給する反応生成物の液状混合物を適切な温度まで加熱す
ることにより、未反応オレフィンの分離効率を高めるこ
とができる。
【0017】気液接触塔への仕込み液がロジウム触媒を
実質的に含有する方法としては、ヒドロホルミル化反応
領域から取り出される、未反応オレフィン、アルデヒド
生成物及び触媒を含む反応液を放圧することなく、即
ち、実質的に反応領域と同一の圧力で気液接触塔の上部
へ導入し、一方、一酸化炭素及び水素を塔底部より導入
し、反応領域から取り出された上記反応液と向流接触さ
せ、塔頂より得られた未反応オレフィンを前記一酸化炭
素及び水素と共にヒドロホルミル化反応領域に再循環さ
せる方法等がある。
【0018】この方法では、気液接触塔に供給する反応
生成物の液状混合物を、ヒドロホルミル化反応領域の反
応温度よりも高い温度に加熱し、好ましくは200℃以
下、更に好ましくは反応温度よりも5℃以上高く、且つ
190℃以下の温度に加熱するのが、未反応オレフィン
の分離効率を高めることができるという点で好ましい。
気液接触塔で未反応オレフィンが除かれた反応液は、蒸
留等の分離手段で生成アルデヒドと触媒液とに分離さ
れ、触媒液はヒドロホルミル化帯域へ再循環される。
【0019】一方、気液接触塔への仕込み液がロジウム
触媒を実質的に含有しない第1の方法としては、ヒドロ
ホルミル化反応領域から取り出される未反応オレフィ
ン、アルデヒド生成物及び触媒を含む反応液を、1段階
もしくは複数段階でフラッシュ又は単蒸留し、未反応オ
レフィンを含むアルデヒド生成物と触媒液とに分離し、
触媒液はヒドロホルミル化反応領域へ再循環し、未反応
オレフィンを含むアルデヒド生成物は気液接触塔へ仕込
んで一酸化炭素及び水素と向流接触させ、未反応オレフ
ィンを前記一酸化炭素及び水素と共にヒドロホルミル化
反応領域に再循環させる方法等がある。この方法では、
気液接触塔に供給する未反応オレフィンを含むアルデヒ
ド生成物を、アルデヒドの凝縮温度より高く、且つ12
0℃以下の温度に加熱するのが、未反応オレフィンの分
離効率を高めることができるという点で好ましい。
【0020】また、第2の方法としては、ヒドロホルミ
ル化反応溶媒に水を用い、水溶性の触媒で反応を行なう
場合に適用され、ヒドロホルミル化反応領域から取り出
される未反応オレフィン、アルデヒド生成物及び触媒を
含む反応液、又は該反応液に水を加えて得られた混合液
を、分液層上で未反応オレフィン及びアルデヒド生成物
を含む有機相と触媒を含む水相とに分液し、水相はヒド
ロホルミル化反応領域に再循環させ、未反応オレフィン
及びアルデヒド生成物を含む有機相は、第1の方法と同
様に気液接触塔へ導き未反応オレフィンを回収する方法
等がある。
【0021】この方法では、気液接触塔に供給する有機
相を、水相と有機相とに分液する際の温度(分液温度)
よりも高く、且つ120℃以下の温度に加熱するのがよ
く、更には分液温度よりも5℃以上高く、且つ120℃
以下の温度に加熱するのが、未反応オレフィンの分離効
率を高めることができるという点で好ましい。更に、第
3の方法としては、ヒドロホルミル化反応領域より、未
反応の一酸化炭素、水素、オレフィン及びアルデヒド生
成物を蒸気流として取り出し、凝縮器にて未反応オレフ
ィンを含むアルデヒド生成物を液として取得し、未凝縮
ガスをヒドロホルミル化反応領域へ再循環し、未反応オ
レフィンを含むアルデヒド生成物は、第1及び第2の方
法と同様に気液接触塔へ導き未反応オレフィンを回収す
る方法等がある。
【0022】この方法では、気液接触塔に供給する凝縮
後の液状混合物を、アルデヒドの凝縮温度より5℃以上
高く、且つ100℃以下の温度に加熱するのが、未反応
オレフィンの分離効率を高めることができるという点で
好ましい。上述した第1〜3の方法は、触媒とアルデヒ
ド生成物の分離手段が異なるだけで、気液接触塔への仕
込み液がロジウム触媒を含有しないという点においては
同一である。
【0023】加熱のための熱源としては水蒸気又はプラ
ント内の他工程の廃熱を用いることができる。また、前
述した各方法において、気液接触塔の塔頂より抜き出さ
れるガスには、未反応オレフィンの他に生成アルデヒド
も含まれているが、この生成アルデヒドがヒドロホルミ
ル化反応領域へ再循環されると、ヒドロホルミル化反応
領域中の生成アルデヒド濃度が上昇し、好ましくない副
生成物である高沸点物(生成アルデヒドの重・縮合物)
の生成量が増加する恐れがある。
【0024】従って、気液接触塔の塔頂より抜き出され
るガスに含まれる生成アルデヒドを、凝縮器を用いて部
分的に凝縮させ、凝縮液を気液接触帯域に還流させるの
が好ましい。そして、未反応オレフィンを含む未凝縮ガ
スは、オキソガスと共にヒドロホルミル化反応領域に供
給される。この時凝縮器の凝縮温度の範囲、例えば凝縮
器出口ガス温度は、好ましくは、オレフィンが凝縮しな
い程度の温度(通常0℃以上)〜気液接触塔の塔頂ガス
温度よりも10℃以上低い温度の範囲とするのがよい。
【0025】通常、反応器の高沸物の増大を回避するた
めに、反応器内の液量を増加させる処置、例えば液循環
方式においては循環液量の増加(後述の図1における管
路5,16,8,12の流量増加)を行い、ガス循環方
式においては循環ガス量の増加(後述の図2における循
環圧縮機Cの負荷増)を行うが、これらの方法では、無
視し得ない動力源の消費増を伴なうという問題点があっ
た。しかし、上述した気液接触帯域からのガス流を還流
させる方法を採用することにより、動力源の消費増を抑
制し、塔頂ガスへのアルデヒドの同伴を極小とすること
ができる。本発明は、気液接触帯域における未反応オレ
フィンの分離効率を高めることで、オレフィンのロスを
増大させることなくヒドロホルミル化反応領域における
オレフィン濃度を高めることができ、結果としてヒドロ
ホルミル化反応の速度を上昇させることができる。
【0026】
【実施例】次に本発明の具体的態様を実施例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以
下の実施例により限定されるものではない。 実施例1〜3及び比較例1〜2 図1の装置を用いてプロピレン(以下、PPYと表す)
のヒドロホルミル化反応を行なった。反応器4内の触媒
条件はRh233mg/l、トリフェニルホスフィン
(以下TPPと表す)0.573mol/lとした。反
応器4は100℃、全圧15.5kg/cm2 Gに維持
し、プロピレン(管路1)を7.5kg/Hで仕込ん
だ。プロピレン(管路1)は純度99mol%のものを
使用し、水性ガス(管路2)は、H2 /CO比1.01
5のガスを用い、反応器4の圧力を15.5kg/cm
2 Gに維持するように補給した。イナート及び一部の未
反応物はベント3へ放出した。熱交換器18は気液接触
塔への仕込温度を調節するために設置し、気液接触塔1
5は理論段数12段相当の充填塔を用いた。反応器4内
のPPY濃度の調整は反応器4の液面及びベント3への
放出量を操作して行なった。ヒドロホルミル化反応器と
気液接触塔の条件及び結果を表−1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1及び2は熱交換器18での加熱を
行なわず、反応器4内のPPY濃度のみを変化させたも
のであるが、このPPY濃度の上昇によりPPYロス率
が上昇する傾向が読み取れる。一方、実施例1〜3では
熱交換器18にて各々130℃、165℃、190℃迄
加熱を行なった。加熱により反応器4内のPPY濃度が
上昇しても、PPYロス率は上昇しないばかりか、さら
にPPYロス率が低下することがわかる。また、反応速
度はPPY濃度の上昇に伴ない大幅に上昇していること
がわかる。
【0029】実施例4〜5及び比較例3〜4 図2の装置を用いてPPYのヒドロホルミル化反応を行
なった。反応器4内の触媒条件はRh233mg/l、
TPP0.573mol/lとした。反応器4は90
℃、全圧17kg/cm2 Gに維持し、プロピレン(管
路1)を7.5kg/Hで仕込んだ。プロピレン(管路
1)は純度99.9mol%のものを使用し、水性ガス
(管路2)はH2 /CO比1.02のガスを用い、反応
器4の圧力を17kg/cm2 Gに維持するように補給
した。
【0030】イナート及び一部の未反応物はベント3へ
放出した。ヒドロホルミル化反応領域から蒸気流として
取り出された反応生成物を熱交換器18に冷却水を通す
ことにより凝縮させ、受液槽7の温度が40℃となるよ
う冷却水量を調節した。熱交換器9は、アルデヒド生成
物流8の気液接触塔15への仕込温度を調節するために
設置し、気液接触塔15は理論段数14段相当の充填塔
を用いた。反応器4内のPPY濃度の調節は反応器4の
液量及びベント3への放出量を操作して行なった。ヒド
ロホルミル化反応器と気液接触塔の条件及び結果を表−
2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】比較例3及び4は熱交換器9での加熱を行
なわず、反応器4内のPPY濃度のみを変化させたもの
であるが、このPPY濃度の上昇によりPPYロス率の
上昇傾向が読み取れる。一方、実施例4及び5では熱交
換器9にて各々70℃、90℃迄加熱を行なった。加熱
により反応器4内のPPY濃度が上昇してもPPYロス
率は上昇しないことがわかる。また、反応速度はPPY
濃度の上昇に伴ない明らかに上昇していることがわか
る。
【0033】実施例6及び7 図1の液循環プロセスにおいて、気液接触塔15の塔頂
ガスラインに、凝縮器19を設け、凝縮液を管路21に
て気液接触塔15の頂部に還流するように変更した図3
のフローを用いて反応を行った。凝縮器19には冷却水
を通し、塔頂ガスを40℃まで冷却した。ヒドロホルミ
ル化反応器と気液接触塔の条件及び結果を表−3に示し
た。
【0034】実施例8 図2のガス循環プロセスにおいて、気液接触塔15の塔
頂ガスラインに、凝縮器19を設け、凝縮液を管路21
にて気液接触塔15の頂部に還流するように変更した図
4のフローを用いて反応を行った。凝縮器19には冷却
水を通し、塔頂ガスを40℃まで冷却した。ヒドロホル
ミル化反応器と気液接触塔の条件及び結果を表−3に示
した。
【0035】
【表3】
【0036】液体循環方式に関しては、実施例6と比較
例1、実施例7と実施例2とを各々比較すると、向流接
触塔の仕込み温度が同じであっても、向流接触塔の塔頂
コンデンサーを採用することにより高沸化率が低減して
いることがわかる。また、同様に気体循環方式に関して
も、実施例4と実施例8とを比較すると、向流接触塔の
塔頂コンデンサーを採用することにより、高沸化率が低
減していることがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によりアルデヒド類を製造
することで、気液接触帯域における未反応オレフィンの
分離効率を高めることができる。つまり、オレフィンの
ロスを増大させることなく、ヒドロホルミル化反応領域
のオレフィン濃度を高めることができ、結果としてヒド
ロホルミル化反応の速度を上昇させることができるた
め、工業的な利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3及び比較例1〜2で使用したプロ
セスフローを示す図である。
【図2】実施例4〜5及び比較例3〜4で使用したプロ
セスフローを示す図である。
【図3】実施例6及び7で使用したプロセスフローを示
す図である。
【図4】実施例8で使用したプロセスフローを示す図で
ある。
【符号の説明】
4:ヒドロホルミル化反応器 6:気液分離器 7:受液槽 9,18:熱交換器 10:アルデヒド分離塔 15:気液接触塔 19:凝縮器 C:コンプレッサー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロホルミル化反応領域において、有
    機リン化合物を配位子とするロジウム触媒の存在下に、
    オレフィンを一酸化炭素及び水素と反応させるアルデヒ
    ド類の製造方法であって、前記ヒドロホルミル化反応領
    域からの流出物に由来する未反応オレフィン及びアルデ
    ヒド生成物を含む液状混合物を、加熱した後に気液接触
    帯域へ供給し、加熱した液状混合物を一酸化炭素及び水
    素と向流接触させ、未反応オレフィンを含む一酸化炭素
    及び水素のガス流を気液触媒帯域から抜き出して未反応
    オレフィンを該液状混合物から分離回収し、回収された
    未反応オレフィンを前記一酸化炭素及び水素と共にヒド
    ロホルミル化反応領域に供給することを特徴とするアル
    デヒド類の製造方法。
  2. 【請求項2】 気液接触帯域から抜き出したガス流を凝
    縮器により部分的に凝縮させ、凝縮液を気液接触帯域に
    還流する請求項1に記載のアルデヒド類の製造方法。
  3. 【請求項3】 液状混合物がロジウム触媒を実質的に含
    むものであり、該液状混合物をヒドロホルミル化反応領
    域の反応温度よりも高い温度に加熱した後に、気液接触
    帯域へ供給する請求項1又は2に記載のアルデヒド類の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 液状混合物を200℃以下に加熱した後
    に気液接触帯域へ供給する請求項3に記載のアルデヒド
    類の製造方法。
  5. 【請求項5】 液状混合物がロジウム触媒を実質的に含
    まないものである請求項1又は2に記載のアルデヒド類
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 液状混合物が、ヒドロホルミル化反応領
    域から取り出される未反応オレフィン、アルデヒド生成
    物及び触媒を含む反応液を、フラッシュ又は単蒸留して
    得られた未反応オレフィンを含むアルデヒド生成物であ
    る請求項5に記載のアルデヒド類の製造方法。
  7. 【請求項7】 液状混合物が、水溶性の触媒を用いるヒ
    ドロホルミル化反応領域から取り出される反応液、又は
    該反応液に水を加えて得られた混合液を、油水分離して
    得られた未反応オレフィン及びアルデヒド生成物を含む
    有機相である請求項5に記載のアルデヒド類の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 液状混合物が、ヒドロホルミル化反応領
    域から取り出される未反応オレフィン及びアルデヒド生
    成物を含む蒸気流を凝縮することによって得られたもの
    である請求項5に記載のアルデヒド類の製造方法。
  9. 【請求項9】 オレフィンがプロピレンであり、且つア
    ルデヒド生成物がn−ブチルアルデヒド及びイソブチル
    アルデヒドである請求項1〜8の何れかに記載のアルデ
    ヒド類の製造方法。
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