JPWO2019098242A1 - アルデヒドの製造方法及びアルコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させるヒドロホルミル化反応によりアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法であって、(1)高沸点副生物が蓄積した反応液を反応帯域から抜き出し、抜き出した反応液を酸素含有ガスと接触させ酸化する工程、及び(2)(1)の工程後、反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、晶析して8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出し、晶出した錯体触媒を反応液から回収する工程を含む。

Description

本発明は、アルデヒドの製造方法に関し、より詳細には、ロジウム−ホスフィン系錯体触媒等の8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法に関する。
また、本発明は、上記アルデヒドの製造方法により製造したアルデヒドを用いるアルコールの製造方法に関する。
アルデヒドの製造方法として、オレフィンを、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下、水素及び一酸化炭素によりヒドロホルミル化してアルデヒドを製造する方法がある。
オレフィンのヒドロホルミル化反応に用いられる触媒は、ロジウム等の高価な8〜10族金属を含むため、触媒は半永久的に使用するのが理想的である。従って、反応液から反応生成物を分離し、蒸留残渣である触媒を含む反応液を反応帯域に循環して再使用する方法や、反応生成物をガスストリッピングにより反応帯域から留去させて分離し、触媒を含む反応液を反応帯域に残留させたままで連続的に反応する方法が用いられる。
しかしながら、ヒドロホルミル化反応においては、アルデヒド縮合副生物等の高沸点副生物が生成して蓄積するので、反応液の一部を連続的に又は間欠的に反応帯域外へ抜き出すことが必要である。抜き出された反応液には、高沸点副生物の他に触媒を含むため、これを回収する方法が提案されている。
例えば、特許文献1及び2には、高沸点副生物が蓄積したヒドロホルミル化反応液にアルコール、水及び水素を混合し、水素が配位したロジウム−ホスフィン系錯体触媒を析出させ、回収する方法が記載されている。
特許文献3には、トリフェニルホスフィン等の第3級有機リン系化合物を配位子として有する第8族金属錯体を含有するヒドロホルミル化反応液を、遊離の第3級有機リン系化合物、極性有機溶媒、水及び塩基性物質の存在下に、酸化剤と接触させて第8族金属の固体錯体を析出させ、回収する方法が記載されている。
また、特許文献4には、トリアリールホスフィン等の配位子が部分的にα−オレフィンのアルキル基により置換されて生じたアルキルホスフィンを酸素ガスによって処理し、対応するホスフィンオキシドへ転化することにより、失活した触媒を再活性化する方法が開示されている。
日本国特開昭57−122948号公報 日本国特開2006−151826号公報 日本国特開昭57−72995号公報 日本国特開昭57−87845号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、錯体触媒を十分に回収できなかった。また、特許文献3に記載の方法では、塩基性物質を使用しているため、固体錯体を反応帯域へ戻して再使用する前に、塩基性物質の除去のための洗浄や中和操作が必要で、工程が煩雑になるという問題があった。さらに、特許文献4に記載の方法でも、高活性な錯体触媒を十分に回収できなかった。
本発明の課題は、高沸点副生物の蓄積を防ぐために反応帯域外に抜き出された反応液から高活性の錯体触媒を効率よく回収できる、アルデヒドの製造方法を提供することにある。
上記課題に鑑み本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ヒドロホルミル化反応後の反応液を酸化し、更に該反応液を貧溶媒及び水素を用いて処理することにより、従来の方法に比べて、高活性の錯体触媒を高収率でかつ効率よく回収することができることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、下記[1]〜[14]に関するものである。
[1]8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させるヒドロホルミル化反応によりアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法であって、以下の(1)及び(2)の工程を含む、アルデヒドの製造方法。
(1)高沸点副生物が蓄積した反応液を反応帯域から抜き出し、抜き出した反応液を酸素含有ガスと接触させ酸化する工程
(2)(1)の工程後、該反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、晶析して8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出し、晶出した該錯体触媒を反応液から回収する工程
[2]前記酸化により、該反応液中のアルキル置換されたホスフィンをアルキル置換ホスフィンオキシドに転化する[1]に記載のアルデヒドの製造方法。
[3]前記酸化により、該反応液中のクラスター錯体を分解する[1]または[2]に記載のアルデヒドの製造方法。
[4]前記アルキル置換されたホスフィンの酸化率が5〜80%である[2]に記載のアルデヒドの製造方法。
[5]前記酸素含有ガスが、酸素、空気及び空気に窒素を加えたガスからなる群から選択される少なくとも一種である[1]〜[4]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[6]前記酸化を85〜180℃で行う[1]〜[5]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[7]前記貧溶媒が水とアルコールの混合物である[1]〜[6]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[8]前記酸化及び前記晶析を中性〜酸性下で行う[1]〜[7]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[9]前記(2)の工程により回収された前記錯体触媒をヒドロホルミル化反応帯域に供給する工程を含む[1]〜[8]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[10]前記8〜10族金属がロジウムである[1]〜[9]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[11]前記酸化を1〜5時間行う[1]〜[10]のいずれか1つに記載のアルデヒドの製造方法。
[12][1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法により製造したアルデヒドを用いるアルコールの製造方法。
[13][1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法によりアルデヒドを製造し、該アルデヒドからアルコールを製造する、アルコールの製造方法。
[14]8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させるヒドロホルミル化反応によりアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法であって、以下の(X)及び(Y)の工程を含む、アルデヒドの製造方法。
(X)高沸点副生物が蓄積した反応液を反応帯域から抜き出し、抜き出した反応液に以下の(a)及び(b)を行い酸化する工程
(a)該反応液中の、アルキル置換されたホスフィンをアルキル置換ホスフィンオキシドに転化し、かつ
(b)該反応液中の、クラスター錯体を分解する。
(Y)(X)の工程後、該反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、晶析して8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出し、晶出した該錯体触媒を反応液から回収する工程
本発明により、高活性の錯体触媒、特に錯体触媒中の高価な8〜10族金属を高い割合で回収できる、アルデヒドの製造方法を提供することができる。本方法はエネルギー効率的に好ましく、経済面でも環境面でも優れた方法である。
図1は、実施例1〜4及び比較例1において、酸化率、並びにロジウム−ホスフィン系錯体触媒の回収率(ロジウム原子換算)、TPP(トリフェニルホスフィン)残存率、ロジウム錯体活性率の関係を示すプロット図である。 図2は、実施例8〜11及び比較例2〜5において、晶析時間とロジウム−ホスフィン系錯体触媒の回収率(ロジウム原子換算)との関係を示すプロット図である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の第一実施形態は、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させるヒドロホルミル化反応によりアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法であって、以下の(1)及び(2)の工程を含む、アルデヒドの製造方法である。
(1)高沸点副生物が蓄積した反応液を反応帯域から抜き出し、抜き出した反応液を酸素含有ガスと接触させ酸化する工程
(2)(1)の工程後、該反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、晶析して8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出し、晶出した該錯体触媒を反応液から回収する工程
また、本発明の第二実施形態は、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させるヒドロホルミル化反応によりアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法であって、以下の(X)及び(Y)の工程を含む、アルデヒドの製造方法である。
(X)高沸点副生物が蓄積した反応液を反応帯域から抜き出し、抜き出した反応液に以下の(a)及び(b)を行い酸化する工程
(a)該反応液中の、アルキル置換されたホスフィンをアルキル置換ホスフィンオキシドに転化し、かつ
(b)該反応液中の、クラスター錯体を分解する。
(Y)(X)の工程後、該反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、晶析して8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出し、晶出した該錯体触媒を反応液から回収する工程
本発明において、8〜10族金属とは、長周期型周期表において、8〜10族に属する金属である。なかでも、ルテニウム、コバルト、ロジウム、パラジウム及び白金が触媒にした際に活性が高いため好ましく、特にロジウムが活性が高いためより好ましく用いられる。
ホスフィンは、単座配位子又は多座配位子としての能力をもつホスフィンであればよく、トリアリールホスフィンや、ヒドロホルミル化反応条件下で不活性である置換基をフェニル基上に有するトリアリールホスフィン等が挙げられる。具体的には、トリフェニルホスフィン;トリス(p−トリル)ホスフィン、トリキシリルホスフィン及びトリス(p−エチルフェニル)ホスフィン等のアルキル基で置換されたフェニル基を有するホスフィン;トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン等のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有するホスフィン等が挙げられるが、中でもトリフェニルホスフィンは活性が低いため化学的に安定で、かつ入手し易いので好ましい。
8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒は、8〜10族金属化合物とホスフィンとから公知の錯体形成方法により調製することができる。また、8〜10族金属化合物とホスフィンとをヒドロホルミル化反応帯域に供給して反応帯域内で8〜10族金属−ホスフィン系錯体を形成させてもよい。この場合、ホスフィンはそのまま反応帯域に導入してもよいが、取扱いやすさ等を考慮すると、反応媒体(ヒドロホルミル化反応を行う際に用いる溶媒)に溶解させて導入するのが好ましい。
8〜10族金属化合物としては、例えば塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化ルテニウム、塩化白金、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム、硫酸ロジウム、硝酸ロジウム、硝酸パラジウム、塩化ロジウムアンモニウム及び塩化ロジウムナトリウム等の水溶性の無機塩又は無機錯化合物並びにギ酸ロジウム、酢酸ロジウム、酢酸パラジウム、プロピオン酸ロジウム、プロピオン酸パラジウム及びオクタン酸ロジウム等の水溶性有機酸塩等を挙げることができる。また、それぞれの金属の錯体種を用いてもよい。その中でも反応活性及び触媒コストの観点から、酢酸ロジウムを用いるのが好ましい。
ヒドロホルミル化反応は、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させることにより行われる。該オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、炭素数が2〜20のオレフィンが挙げられる。炭素数が2〜20のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテン等のα−オレフィン、2−ブテン、2−ペンテン、3−ヘキセン、4−オクテン等の内部オレフィンが挙げられる。
ヒドロホルミル化反応の反応媒体としては、原料及び8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を溶解し、生成するアルデヒドより高沸点で反応阻害作用のないものが好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びオクタン等の脂肪族炭化水素、酢酸ブチル及び酪酸ブチルエステル等のエステル類あるいはケトン類等が挙げられる。反応媒体中の8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の濃度は、8〜10族金属原子換算で、通常1重量ppm〜10重量%であり、配位子として用いられるホスフィンは、錯体触媒の安定性を増大させる等のために通常は過剰量を反応媒体中に存在させる。
ヒドロホルミル化反応は公知の条件で行うことができる。例えば、ロジウム−ホスフィン系錯体触媒を用いた場合には、通常、水素分圧0.01〜20MPaG、一酸化炭素分圧0.01〜20MPaG、全圧0.02MPaG〜30MPaG、水素分圧/一酸化炭素分圧=0.1〜10、反応温度60〜200℃、Rh(ロジウム)濃度は数重量ppm〜数重量%、P(遊離有機リン配位子)/Rh=2〜10000(モル比)、反応時間が数分〜10数時間の範囲内で適宜選択される。
ヒドロホルミル化反応では、炭素数がn(nは、例えば、2〜20の整数)の原料オレフィンから、炭素数がn+1のアルデヒドを得ることができる。このようなアルデヒドとしては、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド及びデシルアルデヒド等が挙げられる。通常、アルデヒドは、直鎖体と分岐鎖体の混合物として得られる。
ヒドロホルミル化反応は、通常、流通式の反応器を用いて上記反応条件で行われるが、回分式の反応器を使用することもできる。
流通反応(上記流通式の反応器を用いた場合の反応)の方式として主なものに、ストリッピング方式と液循環方式がある。
ストリッピング方式は、触媒を含む反応液を反応器内に保持し、オレフィン及びオキソガスを連続的に供給し、反応によって生成したアルデヒドを反応器内で気化させ、系外に取り出す方法である。
一方、液循環方式は、オレフィン及びオキソガス並びに触媒を含む反応媒体を連続的に反応器に供給する方法で、生成したアルデヒド、触媒及び反応媒体等を含む反応液が連続的に反応器外に抜き出される方法である。この反応器から抜き出された反応液は、例えば未反応ガスによるストリッピングや蒸留等の分離操作によって、生成アルデヒドと触媒を含む反応液とに分離される。得られた生成アルデヒドは系外に抜き出され、触媒を含む反応液は反応器内に戻されリサイクルされる。
ストリッピング方式の場合、反応器内に保持されている触媒を含む反応液中にヒドロホルミル化反応の副生物である高沸点副生物が蓄積するため、通常、触媒を含む反応液の一部を間欠的に反応帯域外に抜き出す。また、液循環方式の場合、触媒を含む反応液のリサイクルを続けると反応帯域に副生物である高沸点副生物が蓄積するため、連続的または間欠的に、触媒を含む反応液の一部を反応帯域外に抜き出す。
なお、抜き出す反応液の量は、高沸点副生物の生成量に応じて適宜決めればよい。
また、通常、反応帯域外に反応液を抜き出した場合には、抜き出された反応液に含まれる触媒及びホスフィンに対応する量の触媒及びホスフィンを新たに反応帯域に供給する。
前記高沸点副生物は、ヒドロホルミル化反応の目的生成物であるアルデヒドが縮合することにより生成するアルデヒド縮合物等である。
上記高沸点副生物が蓄積した反応液中には、ホスフィンやアルキル置換されたホスフィン(以下、アルキル置換されたホスフィンを「アルキル置換ホスフィン」と言う。)等が存在する。また、8〜10族金属としてロジウムを用いた場合を例にとると、上記高沸点副生物が蓄積した反応液中には、
・ロジウムにホスフィンが配位した錯体:例えば、ロジウム(Rh)にトリフェニルホスフィン(PPh)が配位した錯体であるRhH(PPh
・ロジウムに一酸化炭素及びホスフィンが配位した錯体:例えばRhH(CO)(PPh
・ロジウムに一酸化炭素及びアルキル置換ホスフィンが配位した錯体:例えばRhH(CO)(PPh)(PPhR)やRhH(CO)(PPhR)(ただし、Rはアルキル基を表す。)、
・ロジウムが複数結合し、これに一酸化炭素及びホスフィンが配位したロジウムクラスター錯体、更に
・該ロジウムクラスター錯体にアルキル置換ホスフィンが配位したロジウムクラスター錯体、
等のロジウム錯体が存在する。
これらのうち、ロジウムにアルキル置換ホスフィンが配位した錯体やロジウムクラスター錯体は、錯体触媒としては活性が低い。更に、アルキル置換ホスフィンが配位した錯体(クラスター錯体を含む。)は、そうでない錯体よりも貧溶媒への溶解度が高く、晶析し難い。また、ロジウムにアルキル置換ホスフィンが配位しておらず、少なくとも水素及びホスフィンが配位した錯体は、活性が高く、ヒドロホルミル化反応の錯体触媒として好適に働く。
以上ではロジウムを例に説明したが、他の8〜10族金属でも同様である。
本発明の第一実施形態においては、上述のアルデヒド縮合副生物等の高沸点副生物が蓄積した反応液を酸素含有ガスと接触させて酸化することにより、アルキル置換ホスフィンを酸化し、対応するアルキル置換ホスフィンオキシドに転化することが好ましい。この転化によって、アルキル置換ホスフィンが配位した錯体の生成が抑えられ、錯体触媒としての反応活性の低下や、8〜10族金属−ホスフィン系錯体の回収率の低下を防ぐことができる。
アルキル置換ホスフィンは8〜10族金属に対する親和性がホスフィンより高く、また酸化されやすい。
また、本発明の第一実施形態においては、酸化により、アルキル置換ホスフィンが配位した錯体やクラスター錯体を分解することが好ましい。更に、この分解により得られた錯体は、後述する貧溶媒と水素による晶析を行うことにより、活性の高い錯体触媒として回収することが可能となる。なお、8〜10族金属としてロジウムを用いた場合には、該活性の高い錯体触媒としては、例えばRhH(CO)(PPhやRhH(PPh等が挙げられる。
アルキル置換ホスフィンの酸化率は、5〜80%であるのが好ましく、10〜70%であるのがより好ましく、最も好ましくは30〜60%である。
酸化率が上記範囲の下限以上であると、反応液中のアルキル置換ホスフィンが配位した錯体の量が少なくなり、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収率が高くなるため好ましい。また、酸化率が上記範囲の上限以下であると、ホスフィンの酸化が抑えられ、反応帯域で再使用するホスフィンの量が減少せず、好ましい。
ここで、アルキル置換ホスフィンの酸化率(%)は、{(酸化前の反応液中のアルキル置換ホスフィンの量−酸化後の反応液中のアルキル置換ホスフィンの量)/酸化前の反応液中のアルキル置換ホスフィンの量}×100で表される。
アルキル置換ホスフィン等の酸化前後の量の変化は、ガスクロマトグラフィー等の慣用の分析方法によって検知することができる。
本発明の第一実施形態の(1)の工程においては、反応液を反応帯域から抜き出したのち、抜き出した反応液を酸素含有ガスに接触させることにより酸化を行う。酸素含有ガスとしては、例えば、酸素、空気または空気に窒素等の不活性ガスを加えたガスが好ましく挙げられる。
本発明の第一実施形態における酸化は、85〜180℃で行うことが好ましく、90〜180℃で行うことがより好ましく、110〜180℃で行うことが更に好ましく、110〜160℃で行うことが特に好ましく、110〜150℃で行うことが最も好ましい。
酸化温度が上記範囲の下限以上であると、アルキル置換ホスフィンの対応するオキシドへの転化が充分であり、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収率がより高くなるため好ましい。また、酸化温度が上記範囲の上限以下であると、ホスフィンの酸化が抑えられ、反応帯域で再使用するホスフィンの量が減少せず、好ましい。
酸化温度が110〜150℃であると、クラスター錯体の分解がより促進され、活性の高いロジウム等の8〜10族金属錯体が多くなる。
本発明の第一実施形態における酸化時間は、温度等他の条件にもよるが、通常数分〜数時間程度であり、具体的には1〜5時間が好ましい。
本発明においては、上記酸化後、該反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、RhH(CO)(PPhやRhH(PPh等の8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出させ、晶出した該錯体触媒を反応液から回収する。
貧溶媒とは、反応液よりも8〜10族金属化合物の溶解度が小さいものをいい、反応液と均一相を保つものであり、かつ反応帯域で反応に関与しないものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール(n−、i−)、ブタノール(n−、i−、t−)、アセトン及びそれらと水の混合物が挙げられる。8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収率の観点から、水と炭素数1〜3のアルコールの混合物が好ましい。混合比(体積比率)は、水:アルコールが5:1〜1:5が好ましく、より好ましくは1:1〜1:4である。水の比率が下限以上であると錯体の溶解度の理由から回収率が高くなる。また、水の比率が上限以下であると反応液が均一相になりやすく、良好な回収率が得られやすくなる。
また、貧溶媒と反応液の重量比率は、貧溶媒の種類、反応液の組成にもよるが、貧溶媒:反応液が、10:1〜1:2程度が好ましく、より好ましくは5:1〜1:1である。貧溶媒の比率が低い方が晶析回収装置を小さくできるが、十分な回収率を得るには貧溶媒の量が高い方がよい。
酸化後の反応液は、そのまま貧溶媒と水素を混合してもよいし、蒸留などにより反応媒体の少なくとも一部を除去してから貧溶媒と水素を混合してもよい。
反応液に貧溶媒と水素を混合することにより、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出しうる形態へと変化させることができる。
反応液に貧溶媒と水素を混合する方法としては、まず反応液と貧溶媒を混合し、得られた混合液を水素ガスと接触させる方法、水素雰囲気下において反応液と貧溶媒を混合する方法などがある。この場合の水素分圧は通常0.1〜10MPaG、水素ガスの接触時間は通常数分〜数時間である。また、水素と接触させる際の温度は、通常0〜95℃、好ましくは10〜30℃である。
反応液に貧溶媒と水素を混合した後、反応液の温度を好ましくは0〜95℃に保持し(晶析)、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出させる。晶析温度が高すぎても低すぎても触媒の回収率が不十分となる。晶析操作の際の圧力は、通常常圧〜10MPaGの範囲である。晶析時間は通常数分〜数時間である。
晶出した8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒は、通常用いられる固液分離の方法で液体と分離回収される。具体的には、デカンテーション、遠心分離及び濾過等の方法があり、工業的には遠心濾過が使われることが多い。該錯体触媒の分離回収も混合液(反応液)の温度を0〜95℃に保持して行うのが好ましい。
本発明においては、反応液を酸化した後、晶析することにより、酸化せずに晶析した場合に比べ、晶析時間が短縮され、8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収率及び活性率が上がる。
本発明において酸化及び晶析は、中性〜酸性下で行うことが好ましい。錯体触媒を反応帯域へ戻して再使用する前に、洗浄や中和操作を行う必要がないためである。
回収された8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒は、反応媒体に溶解して、ヒドロホルミル化反応帯域に供給されることが好ましい。
回収された8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の活性率は、該錯体触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行ったときのヒドロホルミル化反応速度Aと新しい8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を用いて同様のヒドロホルミル化反応を行ったときの反応速度Bを比較することによって求めることができる。
具体的には活性率(%)は、(反応速度A/反応速度B)×100で表される。
また、上記活性率は、本発明の酸化及び晶析に従って処理される直前と、処理された直後の該錯体触媒の反応速度を比較することによっても求めることができる。なお、反応速度は、原料であるオレフィンや、一酸化炭素または水素の減少速度などとして観察することができる。
本発明のアルコールの製造方法は、本発明のアルデヒドの製造方法により製造したアルデヒドを用いる。
アルデヒド類をそのまま水素と反応させる、すなわち水素添加反応に供するか、または二量化した後に水素添加反応に供することにより、アルコールを製造することができる。該水素添加反応には、ニッケル、クロム、銅等の金属を担体に担持させた公知の固体触媒が使用できる。反応条件は、通常、温度が60〜200℃、水素圧力が0.1〜20MPaG程度である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、酸化率(%)、Rh−ホスフィン系錯体触媒回収率(%)(ロジウム原子換算)、TPP(トリフェニルホスフィン)残存率(%)及び活性率(%)は、下記式によって求めた値である。
酸化率(%)={(酸化前の反応液中のアルキル置換ホスフィンの量−酸化後の反応液中のアルキル置換ホスフィンの量)/酸化前の反応液中のアルキル置換ホスフィンの量}×100
Rh−ホスフィン系錯体触媒回収率(%)(ロジウム原子換算)=(晶析後の晶析物中のRh量/晶析前の反応液中に含まれるRh量)×100
TPP残存率(%)=(酸化後の反応液中のトリフェニルホスフィンの量/酸化前の反応液中のトリフェニルホスフィンの量)×100
活性率(%)=(回収されたRh−ホスフィン系錯体触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行った際の反応速度/新しいRh−ホスフィン系錯体触媒を用い、同様条件でヒドロホルミル化反応を行った際の反応速度)×100
実施例1
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.18(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.52(重量%)
トリフェニルホスフィン 26.53(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.31(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.46(重量%)
上記釜残液9.96kgをステンレス鋼製のジャケット付きの反応器に仕込み、内温150℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度1.50(L/min)、Nの供給速度4.50(L/min)で0.5時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの9.3重量%が酸化された。なお、該釜残液は透明な琥珀色であり、クラスター錯体が分解されたことが確認された。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.07(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.66(重量%)
トリフェニルホスフィン 26.82(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 2.02(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 69.43(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))331gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して73.8重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 276(mg/L)
トリフェニルホスフィン 12.40(重量%)
トルエン 87.50(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、83.2%であった。
実施例2
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.19(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.62(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.81(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.78(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.60(重量%)
上記釜残液471gをステンレス鋼製のジャケット付きの反応器に仕込み、内温150℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度0.50(L/min)、Nの供給速度1.51(L/min)で1時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの31.1重量%が酸化された。なお、該釜残液は透明な琥珀色であり、クラスター錯体が分解されたことが確認された。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 0.82(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.99(重量%)
トリフェニルホスフィン 24.18(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 3.13(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.88(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して78.2重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 292(mg/L)
トリフェニルホスフィン 13.01(重量%)
トルエン 86.98(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、92.7%であった。
実施例3
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.16(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.68(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.70(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.87(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.59(重量%)
上記釜残液454gをステンレス鋼製のジャケット付きの反応器に仕込み、内温150℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度0.50(L/min)、Nの供給速度1.51(L/min)で2時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの56.0重量%が酸化された。なお、該釜残液は透明な琥珀色であり、クラスター錯体が分解されたことが確認された。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 0.51(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 1.28(重量%)
トリフェニルホスフィン 22.94(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 4.56(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.71(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して76.4重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 248(mg/L)
トリフェニルホスフィン 12.45(重量%)
トルエン 87.54(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、93.9%であった。
実施例4
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.20(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.67(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.98(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.80(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.35(重量%)
上記釜残液462gをステンレス鋼製のジャケット付の反応器に仕込み、内温150℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度0.5(L/min)、Nの供給速度1.5(L/min)で4時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの83.3重量%が酸化された。なお、該釜残液は透明な琥珀色であり、クラスター錯体が分解されたことが確認された。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 0.20(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 1.58(重量%)
トリフェニルホスフィン 20.16(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 6.89(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 71.17(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して76.0重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 293(mg/L)
トリフェニルホスフィン 12.39(重量%)
トルエン 87.60(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、94.8%であった。
実施例5
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.29(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.55(重量%)
トリフェニルホスフィン 26.33(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.43(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.40(重量%)
上記釜残液10.1kgをステンレス鋼製のジャケット付きの反応器に仕込み、内温90℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度1.50(L/min)、Nの供給速度4.50(L/min)で2時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの34.9重量%が酸化された。なお、該釜残液は透明な琥珀色であり、クラスター錯体が分解されたことが確認された。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 0.84(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.92(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.93(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 2.49(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 69.82(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して74.6重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 274(mg/L)
トリフェニルホスフィン 12.45(重量%)
トルエン 87.54(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、82.2%であった。
実施例6
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.03(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.51(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.15(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.63(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 71.68(重量%)
上記釜残液498gをステンレス鋼製のジャケット付きの反応器に仕込み、内温110℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度0.04(L/min)、Nの供給速度0.16(L/min)で2時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの63.1重量%が酸化された。なお、該釜残液は透明な琥珀色であり、クラスター錯体が分解されたことが確認された。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 0.38(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 1.17(重量%)
トリフェニルホスフィン 21.46(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 5.64(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 71.35(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して76.5重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 276(mg/L)
トリフェニルホスフィン 12.20(重量%)
トルエン 87.70(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、92.9%であった。
実施例7
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.15(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.58(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.33(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.50(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 71.44(重量%)
上記釜残液498gをステンレス鋼製のジャケット付の反応器に仕込み、内温150℃で、空気及び窒素(N)を、空気の供給速度1.51(L/min)、Nの供給速度4.51(L/min)で2時間供給し酸化処理を行った。酸化処理後の釜残液を分析したところ、以下の組成となり、n−プロピルジフェニルホスフィンの46.1重量%が酸化された。なお、該釜残液は黒色透明であった。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 0.62(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 1.08(重量%)
トリフェニルホスフィン 22.47(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 3.82(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 72.01(重量%)
上記酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して82.5重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 225(mg/L)
トリフェニルホスフィン 11.89(重量%)
トルエン 88.10(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、98.6%であった。
比較例1
(8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の回収)
第8〜10族金属化合物として酢酸ロジウム、ホスフィン配位子としてトリフェニルホスフィンを用いたプロピレンのヒドロホルミル化反応を行い、反応終了後、反応液を抜き出した。次に該反応液から蒸溜により反応溶媒を除去して、以下の組成の釜残液を得た。
なお、該釜残液は黒色透明であった。また、TPP残存率(%)を求めた。結果を表1に示す。
n−プロピルジフェニルホスフィン 1.20(重量%)
n−プロピルジフェニルホスフィンオキシド 0.62(重量%)
トリフェニルホスフィン 25.94(重量%)
トリフェニルホスフィンオキシド 1.75(重量%)
その他(各種錯体、高沸点副生物等) 70.49(重量%)
上記、釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入し、この圧力、温度で2時間保持し、ロジウム錯体を析出させた。この後水素ガスをパージし、通常の減圧濾過により固液分離した。分離したロジウム錯体の量を定量し、ロジウム錯体の回収率を求めたところ、該回収率は、ロジウム原子に換算して61.6重量%であった。
(アルデヒドの製造)
回収したロジウム錯体、トリフェニルホスフィン及びトルエンを下記濃度になるように混合し、得られた混合液150mlを窒素雰囲気にて0.5Lの容量を持つ上下撹拌型のオートクレーブに入れ、オートクレーブを密閉した。
ロジウム錯体(ロジウム原子換算) 247(mg/L)
トリフェニルホスフィン 14.50(重量%)
トルエン 85.40(重量%)
その後、プロピレンを10gオートクレーブに入れ、温度を110℃まで昇温した後、水素と一酸化炭素の混合ガス(水素:一酸化炭素=1:1(重量比))を該ガスの圧力が5.0MPaGとなるように圧入し、この圧力及び温度を維持したまま、1.5時間、ヒドロホルミル化反応を行った。ヒドロホルミル化反応中の一酸化炭素の減少割合からヒドロホルミル化反応の反応速度を算出し、ロジウム錯体活性率(活性率)を求めた。得られた活性率は、74.7%であった。
Figure 2019098242
なお、実施例1〜4及び比較例1において、酸化率、並びにロジウム錯体の回収率、TPP残存率、ロジウム錯体活性率の関係を図1に示した。
実施例8〜11
実施例3の酸化処理後の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入した。この圧力、温度で、15分(実施例8)、0.5時間(実施例9)、1時間(実施例10)及び2時間(実施例11)と保持時間(晶析時間)を変えた場合における、析出したロジウム錯体の量を実施例3と同様にして定量し、ロジウム錯体の回収率(ロジウム原子換算)を求めた。晶析時間と回収率との関係を図2に示した。
比較例2〜5
実施例3の酸化処理前の釜残液80gと、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=65:35(重量比))330gを、不活性ガスの雰囲気にて0.5Lの容量を持つ電磁誘導撹拌機のオートクレーブに入れた。オートクレーブを密閉した後、611rpmで撹拌しつつ、温度15℃で、水素ガスを圧力0.9MPaGとなるように圧入した。この圧力、温度で、20分(比較例2)、0.5時間(比較例3)、1時間(比較例4)及び2時間(比較例5)と保持時間(晶析時間)を変えた場合における、析出したロジウム錯体の量を実施例3と同様にして定量し、ロジウム錯体の回収率(ロジウム原子換算)を求めた。晶析時間と回収率との関係を図2に示した。
図2に示したように、回収率が最大となるまでにかかる晶析時間は、反応液の酸化を行った場合には0.5時間であるのに対し、酸化を行わなかった場合は1時間であった。このことから、反応液を酸化することにより、回収率が高くなるうえに、晶析時間が短縮され、効率よくRh−ホスフィン系錯体触媒を回収できることが解る。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2017年11月15日出願の日本特許出願(特願2017−219776)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (13)

  1. 8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒の存在下に、オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させるヒドロホルミル化反応によりアルデヒドを生成させるアルデヒドの製造方法であって、以下の(1)及び(2)の工程を含む、アルデヒドの製造方法。
    (1)高沸点副生物が蓄積した反応液を反応帯域から抜き出し、抜き出した反応液を酸素含有ガスと接触させ酸化する工程
    (2)(1)の工程後、該反応液に貧溶媒及び水素を混合した後、晶析して8〜10族金属−ホスフィン系錯体触媒を晶出し、晶出した該錯体触媒を反応液から回収する工程
  2. 前記酸化により、該反応液中のアルキル置換されたホスフィンをアルキル置換ホスフィンオキシドに転化する請求項1に記載のアルデヒドの製造方法。
  3. 前記酸化により、該反応液中のクラスター錯体を分解する請求項1または2に記載のアルデヒドの製造方法。
  4. 前記アルキル置換されたホスフィンの酸化率が5〜80%である請求項2に記載のアルデヒドの製造方法。
  5. 前記酸素含有ガスが、酸素、空気及び空気に窒素を加えたガスからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  6. 前記酸化を85〜180℃で行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  7. 前記貧溶媒が水とアルコールの混合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  8. 前記酸化及び前記晶析を中性〜酸性下で行う請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  9. 前記(2)の工程により回収された前記錯体触媒をヒドロホルミル化反応帯域に供給する工程を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  10. 前記8〜10族金属がロジウムである請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  11. 前記酸化を1〜5時間行う請求項1〜10のいずれか1項に記載のアルデヒドの製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により製造したアルデヒドを用いるアルコールの製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法によりアルデヒドを製造し、該アルデヒドからアルコールを製造する、アルコールの製造方法。
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