JP2000302452A - ロジウムの回収方法 - Google Patents

ロジウムの回収方法

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JP2000302452A
JP2000302452A JP11459599A JP11459599A JP2000302452A JP 2000302452 A JP2000302452 A JP 2000302452A JP 11459599 A JP11459599 A JP 11459599A JP 11459599 A JP11459599 A JP 11459599A JP 2000302452 A JP2000302452 A JP 2000302452A
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phosphite
acid
oil phase
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Naoki Suzuki
直樹 鈴木
Kazuyuki Yokoyama
和之 横山
Akio Nakanishi
章夫 中西
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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    • Y02P20/584Recycling of catalysts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】オキソ反応触媒液等のロジウムとホスファイト
を含有する溶液からロジウムを水相に抽出、回収する方
法であって、特に抽出溶媒として、リン酸及び/又は亜
リン酸水溶液を使用する場合に、ロジウムの回収率を向
上させる方法を提供する。 【解決手段】ホスファイト及びロジウムを含有する油相
と、カルボン酸並びにリン酸及び/又は亜リン酸を含有
する水相を混合し、酸化剤で処理した後、相分離により
水相中にロジウムを回収する方法に於いて、酸化剤で処
理する際、油相中に1重量%以上のアルデヒドを共存さ
せることを特徴とするロジウムの回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホスファイト及び
ロジウムを含有する溶液からロジウムを分離、回収する
方法に関する。詳しくは、例えばオキソ反応触媒液等か
ら触媒として使用されたロジウムを分離、回収する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】第8族金属錯体を触媒として用いる合成
法のうち、一酸化炭素を用いるカルボニル化反応として
は、オキソ反応(アルデヒドの製造)、レッペ反応(ア
ルコールの製造)、ヒドロカルボキシル化反応、ヒドロ
エステル化反応等が知られている。これらの反応は工業
的規模で実施されているものも多く、そのプロセスは当
業者に良く知られている。例えば、工業的規模で実施さ
れるオキソ反応においては、現在、高選択性を有し、比
較的温和な条件を設定できるという理由で、価格が高い
にも関わらず、専らロジウムが触媒金属として使用され
ている。これらのプロセスを工業的に優位に実施するた
めには、反応溶液から高価な金属を効率良く回収するこ
とが必須である。ロジウム錯体を触媒とする反応混合物
や蒸留残留物などからロジウムを回収する方法は、これ
までもオキソ反応を対象に種々研究されている。例え
ば、特開昭51−63388号に示される方法は、オキ
ソ反応の蒸留残留物を、鉱酸および過酸化水素で処理
し、含有するロジウムを水相に抽出し、次いで、その金
属含有水溶液を第3級ホスフィンとハロゲン化水素酸あ
るいはハロゲン化アルカリの存在下、一酸化炭素で処理
し、再生された錯体を晶析により回収する方法である。
この方法は、回収の際ハロゲン化物を使用するため、装
置に耐ハロゲン材料を使用しなければならず、設備のコ
スト面で不利である。また、非ハロゲン系の触媒系を使
用する場合はハロゲンが触媒の失活要因となるため本法
は適用できない。
【0003】特開昭54−26218号に示されるトリ
アリールホスファイトを配位子とするオキソ反応の蒸留
残留物からのロジウムの回収法は、酸素ガスを用いた酸
化によりゼロ価のロジウムを沈殿物として回収する方法
であるが、回収した金属を活性な触媒に再生するために
は繁雑な化学処理が必要である。特開昭57−7299
5号に示される方法は、第8族貴金属を含有する有機溶
液を極性有機溶剤と水およびアルカリの存在下、空気酸
化し、金属錯体を晶析により回収する方法であるが、こ
れらのように晶析や沈殿により回収する方法は、ろ過設
備を必要とし工業的に不利である。特開平2−1454
39号に示される方法は、トリフェニルホスフィンモノ
スルホン酸塩等の水溶性ホスフィンをを含有する水溶液
でオキソ反応残留物を抽出処理し、水相にロジウムを回
収する方法であるが、水溶性ホスフィンは高価であり、
限られた系にしか適用できないという欠点がある。特開
平3−146423号に示される方法は、オキソ反応の
蒸留残留物をカルボン酸およびカルボン酸のアルカリ塩
の存在下、酸素ガスで処理し、その後、水で抽出するこ
とによりロジウムを回収する方法である。一般に工業的
に回収した触媒金属をリサイクル使用する場合、反応系
への混入成分に留意しなければならない。例えば、オキ
ソ反応においてアルカリ金属塩の混入は高沸点物の生成
を促進することが知られている。従って、上記方法で回
収した触媒金属をリサイクルするにあたっては、その前
段階でほぼ完全な脱アルカリ金属をしなければならない
が、実質的に反応系に影響を与えない様な完全な脱アル
カリ金属処理は容易でない。
【0004】米国特許第4390473号に示される方
法は、触媒として低圧オキソ法において使用されたロジ
ウム及びコバルトを含有する溶液をギ酸水溶液と接触さ
せ、酸素を含有するガスを導通した後、相分離し、水相
にロジウム及びコバルトを回収する方法である。しか
し、この方法では実際上はギ酸が還元的に作用するた
め、ロジウムが部分的に金属の形で分離し、ここで分離
した金属ロジウムは実質上損失となるため、工業的には
不利となることも知られている。更に、ドイツ特許第3
81203号に示される方法は、エチレンのヒドロカル
ボキシル化反応で生成する炭素数3〜10の脂肪族カル
ボン酸の混合溶液に含有される金属成分を水洗により抽
出回収する方法であるが、オキソ反応のように非水溶性
リン配位子を含有した溶液については、カルボン酸の系
中での有無に関わらず、水洗だけでは回収できない。
【0005】本発明者等の1部は、先に、炭素数2〜4
のカルボン酸を含有する極性溶媒とオキソ反応により得
られたロジウムを含む触媒液を酸素等の安価な酸化剤で
処理し、水相にロジウムを溶解状態で回収する方法を提
案した(特開平10−85615)。この方法はこれま
での問題点を解決するロジウムの回収方法であるが、抽
出操作1回あたりのロジウム回収率は十分でなく、高い
回収率を実現するためには、複数回の抽出操作を必要と
した。また、抽出操作を繰り返す際、カルボン酸を含む
極性溶媒として、回収ロジウムを分離した水相をリサイ
クルすることが経済的には有利であるが、リサイクルを
繰り返すと、水相中にホスファイトの分解により生成し
たリン酸及び又は亜リン酸が蓄積し、かかる水相を使用
すると、ロジウムの回収率が低下する傾向があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑み成されたものであって、ホスファイトを含むロジウ
ム溶液と、カルボン酸を含有する極性溶媒溶液とを、酸
化剤と接触させた後、極性溶媒相とより非極性の有機相
(油相)との2相に相分離し、極性溶媒相中にロジウム
を回収する方法であって、極性溶媒溶液としてリン酸お
よび/又は亜リン酸を含有する水性液を使用した場合に
おいても、抽出単位操作あたりのロジウム回収率を向上
させ、工業的により有利なロジウム回収方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決するため、検討を重ね、酸化処理の際アルデヒド
を存在させると、リン酸或いは亜リン酸を含有する水相
を使用する場合であっても、ロジウムを効率よく回収し
得ることを知り本発明を達成した。即ち本発明の要旨
は、ホスファイト及びロジウムを含有する油相と、カル
ボン酸並びにリン酸及び/又は亜リン酸を含有する水相
を混合し、酸化剤で処理した後、相分離により水相中に
ロジウムを回収する方法に於いて、酸化剤で処理する
際、油相中に1重量%以上のアルデヒドを共存させるこ
とを特徴とするロジウムの回収方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の回収方法の対象となるホスファイトとロジウム
を含有する溶液の形態を成しているロジウム回収原料液
としては、特に限定されるものではないが、ロジウム触
媒、特にホスファイトを錯体形成配位子とするロジウム
触媒を使用する合成反応の反応混合物から分離されたホ
スファイト及びロジウムを含有する有機溶液である。か
かる合成反応の代表例としてオキソ反応(ヒドロホルミ
ル化反応)が挙げられる。ロジウム回収原料液としては
ホスファイトとロジウムから成る反応後の触媒液そのも
のでも良いし、また未反応ガスによるストリッピングあ
るいは蒸留等の触媒金属と粗生成物との分離操作後の触
媒濃縮液を用いることもできる。特に触媒リサイクル反
応では失活した触媒金属あるいは副生する高沸点副生物
の蓄積をさけるために反応域に残留させたままの触媒濃
縮液、あるいは諸工程を経て反応域に再循環される触媒
濃縮液の一部を間欠的または連続的に反応域外に廃触媒
液として抜き出し、ロジウム回収原料液とすることがで
きる。例えばオキソ反応に用いられたホスファイトとロ
ジウムを含有する溶液の場合、生成アルデヒドを含有し
た反応液、ストリッピングあるいは蒸留によりアルデヒ
ドを留去した後の触媒濃縮液、更に反応溶媒を除去ある
いは高沸点副生物を濃縮した後の高沸点生成物を媒体と
する触媒濃縮液、これら触媒液から配位子あるいは金属
錯体を晶析等従来の回収方法により一部あるいは大部分
回収した後の残金属含有液などがホスファイトとロジウ
ムを含有したロジウム回収原料液となる。本発明のロジ
ウム回収法において対象となる触媒反応の形態は、任意
の溶媒存在下あるいは非存在下に実施されたもので良く
特に制限はない。工業的なリサイクル反応でしばしば適
用される高沸点副生成物をリサイクル溶媒とした反応で
も良い。
【0009】本発明に用いられるロジウム回収原料液
は、未反応原料、反応生成物および副生成物、反応溶
媒、希釈溶媒等が任意の割合からなる媒体にロジウムお
よびホスファイトが溶解している溶液である。ロジウム
回収原料液に含有されるロジウム濃度は0.1ppm〜
10wt%、好ましくは1ppm〜1wt%であり、より好
ましくは、10ppm〜0.1wt%である。本発明に用
いられるロジウム回収原料液に含有されるホスファイト
配位子の量は、特に制限はないが、過剰の配位子を含有
する場合、本発明の方法においては酸化処理によりホス
ファイトが酸化による配位子損失を受けるので、予め許
容される量に調整しておくことが好ましい。ロジウム回
収原料液中のホスファイトの量は、ロジウムモル数に対
し、1〜200等量、好ましくは1〜50等量である。
【0010】ロジウム回収液中のホスファイトしては、
特に限定されるものではなく、オキソ反応その他の反応
の触媒形成配位子として使用できるものであり、トリア
リールホスファイト、トリアルキルホスファイト、アリ
ールアルキルホスファイト等の任意のホスファイト化合
物を包含する。また、これらの組合せを同一分子内にも
つビスホスファイト、ポリホスファイト化合物等も包含
する。より具体的にモノホスファイト化合物としては、
以下のような2つの化合物群に分類することができる。
すなわち、第1の群の化合物としては、リン原子を含む
環状構造を持たないホスファイト化合物であり、他の1
群の化合物としては、環状構造を持ち、リン原子がその
環状構造中に含まれるホスファイト化合物である。第1
群のホスファイト、すなわちリン原子を含む環状構造を
持たないホスファイト化合物の中で、好ましい化合物の
例としては、下記一般式(1)のホスファイト化合物が
挙げられる。
【0011】
【化1】P(OR1)(OR2)(OR3) (1)
【0012】(式中、R1、R2およびR3は炭素数1か
ら30の置換基を有していてもよいアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリー
ル基を表す。)R1〜R3で示される基の置換基として
は、ヒドロホルミル化反応を阻害しない基であれば限定
されるものではないが、炭素数1から20のアルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、アル
キルアミノ基、アシル基、カルボアルコキシ基、オキシ
カルボニル基等が挙げられる。これらの中でも好ましい
化合物としては、一般式(1)におけるR1、R2及びR
3の少なくとも1つが下記一般式(2)で表される置換
アリール基であるホスファイトである。
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R4は−C(R9)(R10)R11
又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
9、R10およびR11はそれぞれ、水素原子、フッ化炭
化水素基または炭化水素基を表し、互いに異なっていて
もよい。好ましくはR4が全体としてイソプロピル基以
上の立体障害を持つ基、即ち、R9、R10およびR11
少なくとも2つがフッ化炭化水素基または炭化水素基で
ある。R5、R6、R7および、R8はそれぞれ、互いに異
なってもよく、水素原子または有機基であり、隣接する
置換基、例えばR6とR7が互いに結合してベンゼン環と
縮合して芳香環または複素環を形成しても良い。) これらの化合物の具体例としては、ジフェニル(2,4
ージターシャリーブチルフェニル)ホスファイト、ジフ
ェニル(2ーイソプロピルフェニル)ホスファイト、ビ
ス(2ーターシャリーブチルー4ーメチルフェニル)フ
ェニルホスファイト、ジフェニル(3、6ージターシャ
リーブチルー2ーナフチル)ホスファイト、ビス(2ー
ナフチル)(3、6ージターシャリーブチルー2ーナフ
チル)ホスファイト、ビス(3、6、8ートリターシャ
リーブチルー2ーナフチル)フェニルホスファイト、ビ
ス(3、6、8ートリターシャリーブチルー2ーナフチ
ル)(2ーナフチル)ホスファイト等が挙げられる。
【0015】より好ましいホスファイトとしては、一般
式(1)におけるR1、R2およびR 3のすべてが、前記
一般式(2)で表される置換アリール基である有機ホス
ファイト化合物である。具体例としては、トリス(2,
4ージターシャリーブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス(2ーターシャリーブチルー4ーメチルフェニル)
ホスファイト、トリス(2ーターシャリーブチルー4ー
メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(o−フェニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(o−メチルフェニ
ル)ホスファイト、ビス(3、6ージターシャリーブチ
ルー2ーナフチル)(2、4ージターシャリーブチルフ
ェニル)ホスファイト、ビス(3、6ージターシャリー
ブチルー2ーナフチル)(2ーターシャリーブチルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(3、6ージターシャリー
ブチルー2ーナフチル)ホスファイト、トリス(3、6
ージターシャリーアミルー2ーナフチル)ホスファイト
等が挙げられる。他の1群のモノホスファイト化合物、
即ち、環状構造を持ち、リン原子がその環状構造中に含
まれるホスファイト化合物としては、下記一般式(3)
で示される化合物が挙げられる。
【0016】
【化3】
【0017】(ここでZは二価の有機基を表し、Yは置
換若しくは非置換の一価有機基を表す)。一般式(3)
中、Zで示される代表的二価基は、二価の脂肪族基若し
くは二価の芳香族基である。二価脂肪族基の例は、例え
ばアルキレン、アルキレンオキシアルキレン、アルキレ
ン−NR12−アルキレン(R12は水素原子又は一価炭化
水素基)、アルキレン−S−アルキレンおよびシクロア
ルキレン基並びに類似の基である。二価芳香族基の例は
アリーレン、ビアリーレン、アリーレンアルキレン、ア
リーレンアルキレンアリーレン、アリーレンオキシアリ
ーレン、アリーレンオキシアルキレン、アリーレン−N
12−アリーレンおよびアリーレン−NR12−アルキレ
ン(R12は水素または一価炭化水素基)、アリーレン−
S−アルキレンおよびアリーレン−S−アリーレン基で
ある。一般式(3)で示されるホスファイト化合物の好
ましい例としては、下記一般式(4)で表されるホスフ
ァイト化合物が挙げられる。
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R13、R13'は、それぞれ独立
に、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基を表し、nは0から4の数を
表す。Yは置換若しくは非置換の一価有機基を表す。) 一般式(4)において、R13、R13'の代表例として
は、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基、ベン
ジル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
エチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。ま
た、より好ましくは、一般式(4)におけるYが、一般
式(2)で表されるような、酸素原子に結合する炭素原
子の隣接炭素原子に置換基を有するアリール基であるも
のが望ましい。また、一般式(3)で示されるホスファ
イト化合物の別の好ましい例としては、下記一般式
(5)のホスファイト化合物が挙げられる。
【0020】
【化5】
【0021】(ここでR14はo,m,p位の任意の置換
基を示し、またはR14が元のベンゼン環と縮合したナフ
チル環等の縮合芳香環を表す。Yは一般式(4)と同一
の意義を有す。) 一般式(5)の代表的なR14は、アルキル基、シクロア
ルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、
および置換基を有していてもよいアリール基等であり、
縮合芳香環としてはナフチル基等が挙げられる。より好
ましくは、一般式(5)におけるYが、一般式(2)で
表されるような、置換基として酸素原子に結合する炭素
原子の隣接炭素原子に置換基を有するアリール基である
ものが望ましい。また、好ましいホスファイト化合物の
別の例としては、一般式(6)で表されるジオルガノホ
スファイトが挙げられる。
【0022】
【化6】
【0023】{式中、Arは同じまたは異って、置換若
しくは非置換アリール基であり、各yは個々に0または
1の数を示し、Qは−CR1516−、−O−、−S−、
−NR 17−、−SiR1819−および−CO−(R15
よびR16は個々に水素原子、炭素数1〜12のアルキル
基、フェニル、トリル、又はアニシル基を示す。R17
18およびR19は、個々に水素原子またはメチル基を示
す。)よりなる群から選ばれる二価のブリッジ基であ
り、nは0または1の数を示し、Yは一般式(4)と同
一の意義を有す。}。より好ましくは、一般式(6)に
おけるYは、炭素数1〜20のアルキル基(第一、第二
および第三アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−
ブチル、t−ブチルエチル、t−ブチルプロピル、n−
ヘキシル、アミル、sec−アミル、t−アミル、イソ
オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、オクタデシル
等)、アラルキル基(例えばベンジル、o−トリルメチ
ル、p−トリルメチル等)よりなる群から選ばれる非置
換若しくは置換一価炭化水素基並びに、置換基を有して
いてもよいアリール基(例えばα−ナフチル、β−ナフ
チル等)である。アリール基の置換基としては、炭素数
1から20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アシル基、カ
ルボアルコキシ基、オキシカルボニル基などが挙げられ
る。一般式(6)で示されるジオルガノホスファイトの
中、より好ましくは、一般式(7)または(8)で表さ
れるホスファイト化合物が挙げられる。
【0024】
【化7】
【0025】(式中、QおよびYは前記式(6)で定義
したものと同じである。R20、R21、R22、R23、R24
及びR25は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1か
ら20のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アシル基、カル
ボアルコキシ基、オキシカルボニル基等を示す。) 更に、本発明のホスファイトとしては、以下に示すビス
ホスファイト、ポリホスファイトも使用出来る。
【0026】
【化8】
【0027】(ここでZは前記一般式(3)で定義した
のと同様の二価の有機基を表し、R26およびR27は炭素
数1から30の置換基を有していてもよいアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ
アリール基を表す。Wは置換若しくは非置換のm価炭化
水素基を表す。各ZおよびR26およびR27Rは互いに同
じまたは異なっていても構わない。m1およびm2はそれ
ぞれ0から6の値を有し、m=m1+m2は2から6の値
を有する) アルキル基等の置換基としては、ヒドロホルミル化反応
を阻害しないものであれば特に限定されるものではない
が、具体的には炭素数1から20のアルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルア
ミノ基、アシル基、カルボアルコキシ基、オキシカルボ
ニル基等が挙げられる。R26およびR27によって表され
る末端部有機基の例としては、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキ
シル基等の炭素数1〜30個の直鎖または分岐のアルキ
ル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロオ
クチル基、アダマンチル基のような炭素数3〜20個の
シクロアルキル基、フェニル基、α-ナフチル基、β-ナ
フチル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル
基、カルボメトキシフェニル基、シアノフェニル基、ニ
トロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル
基、ペンタフルオロフェニル基、メチルフェニル基、エ
チルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリフルオロメ
チルフェニル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル
基、クロロナフチル基、ニトロナフチル基、テトラヒド
ロナフチル基等の置換基を有していてもよいアリール
基、ベンジル基等のアラルキル基、ピリジル基、メチル
ピリジル基、ニトロピリジル基、ピラジル基、ピリミジ
ル基、ベンゾフリル基、キノリル基、イソキノリル基、
ベンズイミダゾリル基、インドリル基等のヘテロ元素含
有芳香族基等が挙げられる。
【0028】より好ましいホスファイト化合物として
は、一般式(9)におけるZが、前記式(4)、(5)
または(6)におけるZに相当する基及び、各Zが前記
式の組合せで表されるホスファイト化合物が挙げられ
る。 また、R26およびR27はそれぞれ互いに同じまた
は異なって置換基を有していてもよいアリール基である
ものが望ましい。具体例としては、フェニル基、2-メチ
ルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル
基、2, 4-ジメチルフェニル基、2, 5-ジメチルフェニル
基、2, 6-ジメチルフェニル基、2-メトキシフェニル
基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,
4-ジメトキシフェニル基、2, 5-ジメトキシフェニル
基、2, 6-ジメトキシフェニル基、α-ナフチル基、3-メ
チル-α-ナフチル基、3, 6-ジメチル-α-ナフチル基、
β-ナフチル基、1-メチル-β-ナフチル基、3-メチル-β
-ナフチル基等が挙げられる。また、Wは置換若しくは
未置換のm-価炭化水素基であって、例えばm=2の場
合はアルキレン、アリーレンおよびアリーレン−(CH
2)y−(Q)n−(CH2)y−アリーレン−{各アリ
ーレン基は同じかまたは別異の置換若しくは未置換アリ
ーレン基であり、Qは個々に−CR2829−、−O−、
−S−、−NR30−、−SiR3132−および−CO−
(R28およびR29は個々に水素原子又はアルキル基を表
し、R30、R31およびR32は個々に水素原子またはメチ
ル基である)よりなる群から選ばれるブリッジ基を表
し、各yおよびnは個々に0または1の値を有する基を
表す。}基である。Wによって表される二価有機基の具
体例としては、例えば1, 2-エチレン基、1, 3-プロピレ
ン基、1,3-ジメチル-1,3-プロピレン基、1, 4-ブチレン
基、1, 5-ペンチレン基、1, 6-ヘキシレン基、1, 8-オ
クチレン基、1, 2-フェニレン基、1, 3-フェニレン基、
2, 3-ナフチレン基、1, 8-ナフチレン基、1, 1'-ビフェ
ニル-2, 2'-ジイル基、1, 1'-ビナフチル-7, 7'-ジイル
基、1, 1'-ビナフチル-2, 2'-ジイル基、2, 2'-ビナフ
チル-1, 1'-ジイル基、2, 2'-ビナフチル-3, 3'-ジイル
基等が包含される。更に好ましくは、一般式(9)にお
けるZが、前記一般式(6)におけるZに相当する基で
あって、かつWが下記一般式(10)で示される基であ
る化合物である
【0029】
【化9】
【0030】(ここでR37およびR38はそれぞれ独立し
て、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、アルコシキ基、シリル基、シロキシ基、また
はハロゲン原子もしくは水素原子である。R33からR36
はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、
またはハロゲン原子もしくは水素原子である。) R37およびR38の例としては、水素原子、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
また、R33からR 36の例としては、水素原子、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチ
ル基、t-ブチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、t
−ヘキシル基、ノニル基、デシル基、メトキシ基、エト
キシ基、t-ブトキシ基等が挙げられる。また、一般式
(10)で示される基の特別な例として、R35及びR37
および/またはR36及びR38が、各々独立に、互いに結
合して炭素数3〜40個からなる環状構造の一部分を形
成した基が挙げられ、具体的には、1, 1'-ビナフチル-
2,2'-ジイル基などである。
【0031】さらにより好ましくは、一般式(9)にお
けるR26およびR27はそれぞれ互いに同じまたは異なっ
て、置換基を有していてもよいアリール基であって、か
つWが一般式(10)におけるR33及びR34がそれぞれ
独立して炭素数3〜20の分岐型アルキル基であり、か
つ、R35及びR36がそれぞれ独立して炭素数1〜20の
分岐型アルキル基またはアルコキシ基である、1, 1'-ビ
フェニル-2, 2'-ジイル骨格、もしくは、1, 1'-ビナフ
チル-2, 2'-ジイル骨格を有する置換アリーレン-アリー
レン基である。 具体例としては、3,3′−ジ−t−
ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、
3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−
ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−
ブチル−6,6′−ジ−t−ブトキシ−1,1′−ビナフ
チル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ペンチ
ル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,
3′,6,6′−テトラ−t−ペンチル−1,1′−ビ
ナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブ
チル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−
2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t
−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−1,
1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ
−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−1,1′−ビフ
ェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチ
ル−5,5′,6,6′−テトラメチル−1,1′−ビ
フェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−
テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−1,1′−
ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′
−テトラ−t−ペンチル−6,6′−ジメチル−1,
1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ
−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−6,6′−ジメ
チル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、
3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−
ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基
等が挙げられる。
【0032】最も好ましいものとしては、Wが上記制限
に加えて、更にR37及びR38が、それぞれ独立して、炭
素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、またはハロゲ
ン原子、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である場合である。従
って、最も好ましい架橋部二価有機基の例としては、
3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,6,6′−テト
ラメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,
6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジ
イル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−
6,6′−ジエチル−1,1′−ビフェニル−2,2′
−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル
−6,6′−ジメトキシ−1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′
−ジメトキシ−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェ
ニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テト
ラ−t−ブチル−6,6′−ジフルオロ−1,1′−ビ
フェニル−2,2′−ジイル基等が挙げられる。
【0033】本発明において、フォスファイト及びロジ
ウム含有液中に存在させるアルデヒドは、特に限定され
るものではなく、広範囲のアルデヒド類が使用される。
使用されるアルデヒドの例としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、n-ブチ
ルアルデヒド、i-ブチルアルデヒド、n-ペンタナール、
2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、ヘキサナー
ルおよびその異性体、ヘプタナールおよびその異性体、
オクタナールおよびその異性体、ノナナールおよびその
異性体、デカナールおよびその異性体等のアルキルアル
デヒド、ベンズアルデヒド、トリルアルデヒド等の芳香
族アルデヒド等が挙げられる。本発明に供されるアルデ
ヒド類は、ロジウム回収時にロジウム回収原料液に添加
されても良いし、反応原料、反応生成物、反応溶媒とし
てロジウム回収原料液中にあらかじめ含有されるものを
使用しても良い。例えばオキソ反応に用いられたホスフ
ァイトとロジウムを含有する溶液を対象とする場合、生
成アルデヒドを含有した反応液、ストリッピングあるい
は蒸留によりアルデヒドを留去した後の触媒濃縮液、更
に反応溶媒を除去あるいは高沸点副生物を濃縮した後の
高沸点生成物を媒体とする触媒濃縮液、これら触媒液か
ら配位子あるいは金属錯体を晶析等従来の回収方法によ
り一部あるいは大部分回収した後の残金属含有液などを
ロジウム回収原料液とする場合、含有されるアルデヒド
量を所定量以上に保ち、ロジウム回収を効率的に実施す
ることもできる。
【0034】本発明に用いられる酸化処理に共存される
アルデヒドの量は、ロジウム回収原料液に対し1wt%以
上、好ましくは2wt%以上である。本発明は、上記のホ
スファイトとロジウムを含有する溶液(油相)を、カル
ボン酸及びリン酸及び/又は亜リン酸を含有する水溶液
と混合し、酸化剤で処理した後、水相と油相との2相に
相分離させて、水相中にロジウムを含有させて回収する
ものである。水溶液中に含有されるリン酸、亜リン酸
(以下、「リン酸類」と称す)は、ロジウム含有溶液
を、ロジウム回収の為、酸化抽出する際、リサイクルさ
れる抽出水に蓄積されるホスファイト配位子の分解物で
ある。ホスファイト配位子の逐次分解反応に由来するリ
ン酸ジエステル、リン酸モノエステル、亜リン酸モノエ
ステル、アルキル亜リン酸モノエステル、アルキル亜リ
ン酸等も順次分解されリン酸、亜リン酸を生ずる。本発
明方法の適用は、リン酸類により呈する酸性度がリン酸
換算で0.05M以下が好ましい。リン酸類を含有する
水溶液にはカルボン酸を存在させる。カルボン酸の濃度
は5〜50wt%、好ましくは20〜40wt%であ
る。用いるカルボン酸は、炭素数2から4のモノカルボ
ン酸またはジカルボン酸が好ましい。具体例としては、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、リン
ゴ酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸などの炭素
数2から4個の脂肪族モノカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸あるいはその混合物が挙げられる。好ましくは酢
酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸であり、より好まし
くは酢酸が用いられる。
【0035】本発明方法は、アルデヒドを存在させたロ
ジウム回収原料液とカルボン酸を含有するリン酸類水溶
液との容量比が0.1〜10、好ましくは0.5〜4と
なるように混合し、十分な撹拌状態に維持しつつロジウ
ム回収原料液を酸化剤と接触させるのがよい。使用され
る酸化剤としては、過酸化水素等の無機酸化剤、t−ブ
チルパーオキサイド、オクテンパーオキサイド等の有機
過酸化物、あるいは酸素または酸素含有ガスから選ぶこ
とができる。好ましくは過酸化水素、あるいは酸素また
は酸素含有ガスであり、過酸化水素と酸素または酸素含
有ガスの併用も可能である。より好ましくは酸素含有ガ
スの使用である。本発明に用いる酸素含有ガスの酸素濃
度に本質的な制限はなく、任意に選ぶことができ、酸素
を不活性ガスで希釈したものを使用できる。工業的には
空気の使用が好ましい。酸素含有ガスのフィード形式お
よび過酸化物類の添加形式は特に限定されるものではな
く、バッチ方式、連続方式、いずれでも良い。必要酸素
量あるいは必要過酸化物量はロジウム含有液中のロジウ
ム、ホスファイト及びその他の有機物等の被酸化物量に
よって決まり、これらに対して原則として過剰量あれば
よい。ただし、酸素含有ガスを酸化剤として使用する場
合、回収速度は酸素の液相への溶存量に依存するため、
ある程度の分圧を保持することが好ましく、実質的には
加圧系で酸化処理を行うのが好ましい。圧力はガス中の
酸素濃度などの条件によって変わるが、通常、空気(酸
素/窒素=20/80)の時、1〜150K/G、好ま
しくは10〜100K/Gである。ホスファイトとロジ
ウムを含有するロジウム回収原料液と酸化剤との接触温
度は、60〜160℃、好ましくは70〜150℃、よ
り好ましくは80℃〜140℃の範囲から選ばれる。ロ
ジウムの回収率は、比較的低温の方が高率である。ま
た、ロジウム回収原料液とカルボン酸含有リン酸類水溶
液との接触方式は特に限定されるものではなく、バッチ
方式でも連続方式でも良い。また、一度ロジウムを水相
中に回収し、相分離した後のロジウム回収原料液を、再
度カルボン酸を含有したリン酸類水溶液と接触させ、酸
化処理を繰り返し行うことが、ロジウム回収率を向上さ
せるために有効である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の例にお
いてロジウムの分析はゼーマン原子吸光法により行っ
た。又、下式により、ロジウム回収率を計算した。
【0037】
【数1】ロジウム回収率=(水相に抽出されたロジウム
量)/(原料中のロジウム量)×100
【0038】[ロジウム回収原料液の調製]Rh(ac
ac)(CO)2 (ロジウムジカルボニルアセチルアセ
トナート)0.0705g、トリス(2,4-ジ-t-ブ
チルフェニル)ホスファイト1.91g、オクテン(異
性体混合物)225.8g及びオキソ反応高沸点副生成
物56.5gをステンレス製の500mlオートクレー
ブに仕込み、水素/一酸化炭素1:1(モル比)混合ガ
スにより5MPaを保ちながら、130℃で5時間加熱
撹拌した。室温に戻した後、水素及び一酸化炭素をパー
ジした。パージ後、反応液を窒素下密閉容器に採取し、
110℃、35mmHgの減圧下で2時間の単蒸留、さ
らに110℃、35mmHgの減圧下で1時間の水蒸気
蒸留により未反応オクテン、生成ノニルアルデヒド、生
成ノニルアルコールを、それぞれ1%以下となるまで反
応液から除去し、残留物をロジウム回収原料液とした。
なお、得られたロジウム回収原料液中のノニルアルデヒ
ド量は蒸留操作毎に若干変化するが、上記の方法で調製
した全てのロジウム回収原料液でその含有量は1wt%以
下であった。又、ホスファイト配位子であるトリス(2,
4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトは水蒸気蒸留時
に分解し、ロジウム回収原料液中のトリス(2,4-ジ-t-
ブチルフェニル)ホスファイト含有量は原料調整毎に若
干変化する。しかしながら上記の方法で調製した全ての
ロジウム回収原料液中のホスファイト分解物としてのホ
スホネートあるいはロジウム/ホスホネート錯体は、31
P−NMRの検出限界以下であり、分解物として確認で
きるのは、ヒドロキシアルキルホスホン酸類およびリン
酸エステルであった。
【0039】実施例1 ロジウム回収原料液34.7g(ロジウム555pp
m、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファ
イト3.21wt%を含有)、n-ノニルアルデヒド
1.84g、酢酸8.90g、および0.03Mリン酸
水溶液35.6gを、200mlの誘導攪拌式SUS製
オートクレーブに仕込み、空気を20K/Gに加圧した
状態で、40Nl/hのガス流量で空気を流通させなが
ら、回転数1000rpmで、80℃、2時間処理し
た。室温に降温した後、空気を放圧し、静置後、油水を
分離し、水相を回収した。その結果、ロジウムの回収率
は85.8%であった。
【0040】比較例1 ロジウム回収原料液34.0g(ロジウム555pp
m、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファ
イト3.21wt%を含有)、酢酸8.26g、および
0.03Mリン酸水溶液33.0gを、200mlの誘
導攪拌式SUS製オートクレーブに仕込み、空気を20
K/Gに加圧した状態で、 40Nl/hのガス流量で
空気を流通させながら、回転数1000rpmで、80
℃、2時間処理した。室温に降温した後、空気を放圧
し、静置後、油水を分離し水相を回収した。その結果、
ロジウムの回収率は74.3%であった。
【0041】実施例2 ロジウム回収原料液35.4g(ロジウム541pp
m、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファ
イト2.27wt%)、n-ノニルアルデヒド1.86
g、酢酸9.17g、および0.03Mリン酸水溶液3
6.7gを、200mlの誘導攪拌式SUS製オートク
レーブに仕込み、空気を20K/Gに加圧した状態で、
40Nl/hのガス流量で空気を流通させながら、回転
数1000rpmで、120℃、2時間処理した。室温
に降温した後、空気を放圧し、静置後、油水を分離し水
相を回収した。その結果、ロジウムの回収率は71.1
%であった。
【0042】比較例2 ロジウム回収原料液35.1g(ロジウム541pp
m、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファ
イト2.27wt%)、酢酸8.14g、および0.0
3Mリン酸水溶液32.5gを、200mlの誘導攪拌
式SUS製オートクレーブに仕込み、空気を20K/G
に加圧した状態で、40Nl/hのガス流量で空気を流
通させながら、回転数1000rpmで、120℃、2
時間処理した。室温に降温した後、空気を放圧し、静置
後、油水を分離し水相を回収した。その結果、ロジウム
の回収率は40.6%であった。
【0043】比較例3 ロジウム回収原料液42.6g(ロジウム469pp
m、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファ
イト2.25wt%)、酢酸10.6g、および0.5
Mリン酸水溶液42.4gを、200mlの誘導攪拌式
SUS製オートクレーブに仕込み、空気を20K/Gに
加圧した状態で、40Nl/hのガス流量で空気を流通
させながら、回転数1000rpmで、120℃、2時
間処理した。室温に降温した後、空気を放圧し、静置
後、油水を分離し水相を回収した。その結果、ロジウム
の回収率は2.7%であった。
【0044】
【発明の効果】本発明方法によれば、抽出溶媒として、
リン酸或いは亜リン酸を含有する水溶液をリサイクル使
用する場合も、ロジウムを高率で回収することができる
ので、工業的に有用な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 38/58 B01J 38/58 38/60 38/60 C22B 3/26 C22B 7/00 B 7/00 G 3/00 J 11/00 11/04 (72)発明者 中西 章夫 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 4G048 AA10 AB08 AC08 AE01 4G069 AA10 BA21C BA27A BA27B BB01C BB14C BC71A BC71B BD02C BE05C BE08C BE11A BE11B BE29A BE29B BE37B BE42A BE42B CB51 GA10 GA11 GA16 4K001 AA41 BA21 BA22 DB34

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスファイト及びロジウムを含有する油
    相と、カルボン酸並びにリン酸及び/又は亜リン酸を含
    有する水相を混合し、酸化剤で処理した後、相分離によ
    り水相中にロジウムを回収する方法に於いて、ホスファ
    イト及びロジウムを含有する油相中に、1重量%以上の
    アルデヒドを共存させることを特徴とするロジウムの回
    収方法。
  2. 【請求項2】 油相と水相の容量比が、0.1〜10で
    あることを特徴とする請求項1記載のロジウムの回収方
    法。
  3. 【請求項3】 相分離後の油相を、カルボン酸を含有す
    る水相と混合し、酸化剤で処理した後、再度相分離し、
    油相中に残存するロジウムを水相中に回収することを特
    徴とする請求項1又は2に記載のロジウムの回収方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸が炭素数2〜4の脂肪族モノ
    カルボン酸又はジカルボン酸であることを特徴とする請
    求項1乃至3の何れかに記載のロジウムの回収方法。
  5. 【請求項5】 カルボン酸が酢酸であることを特徴とす
    る請求項4記載のロジウムの回収方法。
  6. 【請求項6】 酸化剤が、酸素或いは酸素含有ガスであ
    ることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のロ
    ジウムの回収方法。
  7. 【請求項7】 ホスファイト及びロジウムを含有する油
    相が、ロジウム錯化合物及びホスファイトの存在下、炭
    素数2〜20のオレフィン系炭化水素を、一酸化炭素及
    び水素と反応させてオレフィンをヒドロホルミル化する
    オキソ反応液から分離されたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至6の何れかに記載のロジウムの回収方
    法。
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