JP2006152256A - ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて優れた耐衝撃性および耐久性を有し、かつ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂組成物は、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とを有するポリアミド(I)と、カルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、23℃における引張り弾性率が50MPa以下であるオレフィン系重合体(II)とを含む。ポリアミド(I)とオレフィン系重合体(II)との間の配合重量比は、99.5:0.5〜50:50の範囲内である。
【選択図】なし

Description

本発明は、極めて優れた耐衝撃性および耐久性を有し、かつ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性にも優れているポリアミド樹脂組成物、並びにそれからなる自動車用部品および摺動部品に関する。
従来より、種々の工業製品の軽量化や低コスト化を目的に、金属部品から樹脂部品への置換が活発に検討されており、特に耐衝撃性や耐久性が要求される自動車部品分野や摺動部品分野においても、多くの樹脂製部品が実用化されており、このような用途に用いる樹脂として、脂肪族ポリアミド、飽和ポリエステルおよびポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックが知られている。
ところが、エンジニアリングプラスチックとして利用されている上述した樹脂は、耐衝撃性が未だ十分ではなく、特に成形直後の絶乾状態や低温での耐衝撃性が著しく低下するという問題点を有している。また、これらの樹脂は繰り返して応力が加わるギアやアクチュエーター等の用途では、割れ、欠け、変形等の破損が生ずる場合があり、耐久性の点で難点がある。更に、これらの樹脂は、いずれも耐熱性が不十分であり、自動車のエンジンルーム内部品やOA機器の機構部品など、高温雰囲気下にて使用される用途には実用上十分な性能を有しているとは言い難いものである。また、脂肪族ポリアミドの場合には、更に、吸水に基づく力学物性低下や寸法変化という問題もある。
このため、上述したような樹脂に代わるエンジニアリングプラスチックとして、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と1,9−ノナンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とからなる特定の半芳香族ポリアミドと、変性ポリオレフィンとからなるポリアミド樹脂組成物が提案されている(特許文献1および2参照)。このポリアミド樹脂組成物は、優れた耐衝撃性を有し、かつ耐熱性、低吸水性、耐熱水性、耐薬品性に優れているとされている。また、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位と1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とからなるポリアミド樹脂、このポリアミド樹脂と反応し得る官能基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び潤滑剤を、特定の量比で配合したポリアミド樹脂組成物も提案されている(特許文献3参照)。このポリアミド樹脂組成物も、極めて優れた靱性および摺動性を有し、かつ耐熱性、低吸水性、耐薬品性等の諸特性に優れ、摺動部材材料として有用であるとされている。
特開平7−228771号公報 特開2000−186202号公報 特開2002−363403号公報
しかしながら、特許文献1〜3で提案されたポリアミド樹脂組成物は、確かにそれ以前のエンジニアリングプラスチックに比較して、良好な耐衝撃性や耐久性、耐熱性等を示しているが、近年のエンジニアリングプラスチックに対して要求されている、より高度な耐衝撃性および耐久性等の特性を十分に満足させていないという問題がある。
本発明の目的は、極めて優れた耐衝撃性および耐久性を有し、かつ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することにある。特に、連続使用時の耐久性が極めて優れた摺動部品を与えるポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解決すべく、前述の特許文献1〜3の技術を踏まえて更に研究を重ねた結果、変性ポリオレフィンとして、分子内に特定の官能基を有し、かつ、特定の引張り弾性率を有するオレフィン系重合体を使用すると、耐衝撃性が更に向上すると共に、耐久性が飛躍的に向上し、且つ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とを有するポリアミド(I)と、
カルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、23℃における引張り弾性率が50MPa以下であるオレフィン系重合体(II)とを含み、
該ポリアミド(I)と該オレフィン系重合体(II)との間の配合重量比が、99.5:0.5〜50:50の範囲内であるポリアミド樹脂組成物、およびそれからなる自動車部品又は摺動部品を提供する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とを有するポリアミド(I)と、オレフィン系重合体(II)とを特定の配合比で含有するものであるが、特にオレフィン系重合体(II)として、カルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、23℃における引張り弾性率が50MPa以下であるものを使用するので、極めて優れた耐衝撃性および耐久性を有し、かつ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性にも優れたものとなる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、特定のポリアミド(I)及び特定のオレフィン系重合体(II)とを、特定の配合比率で含有するものであり、そしてこのポリアミド(I)は、必須成分として特定のジカルボン酸単位(a)とジアミン単位(b)とから構成される。
ジカルボン酸単位(a)は、テレフタル酸単位を50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは75〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%の範囲内で含有する。これは、ジカルボン酸単位(a)におけるテレフタル酸単位の含有率が50モル%未満の場合には、得られるポリアミド樹脂組成物の耐熱性が低下し過ぎるからである。
なお、ジカルボン酸単位(a)は、その50モル%以下、好ましくは40モル%以下、より好ましくは25モル%以下、特に好ましくは10モル%以下であれば、テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。かかる他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでも芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸から誘導される単位を、溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
ポリアミド(I)を構成するジアミン単位(b)は、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を、50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは75〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%の範囲内で含有する。このため、靱性、摺動性、耐熱性、成形性、低吸水性、軽量性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる。
また、ジアミン単位(b)における1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位との間の配合モル比は、好ましくは95:5〜50:50、より好ましくは85:15〜55:45の範囲内である。これは、1,9−ノナンジアミン単位の配合割合が多すぎると靱性が失われる傾向があり、少なすぎると摺動性が失われる傾向があるからである。
なお、ジアミン単位(b)は、その50モル%以下であれば、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含んでいてもよい。かかる他のジアミン単位としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。ジアミン単位(b)における、これらの他のジアミン単位の含有率は40モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明で使用するポリアミド(I)には、アミノカルボン酸単位を含ませることができる。アミノカルボン酸単位としては、例えば、カプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム;1−アミノラウリン酸、1−アミノドデシル酸等のアミノカルボン酸などから誘導される単位を挙げることができる。アミノカルボン酸単位の含有率は、ポリアミド(I)の全ジカルボン酸単位に基いて、好ましくは40モル%以下、より好ましくは20モル%以下である。
ポリアミド(I)は、ポリアミド樹脂組成物により良好な溶融安定性と耐熱水性とを付与するために、その分子鎖の末端基の好ましくは10%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上を末端封止剤により封止する。
ポリアミド(I)の末端封止率は、ポリアミドに存在しているカルボキシル基末端の数 、アミノ基末端の数および末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、下記の式(1)に従って求めることができる。ここで、各末端基の数は、1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。
Figure 2006152256
式(1)中、Aは分子鎖の末端基の総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bは封止されずに残ったカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の種々の化合物を使用できるが、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンを好ましく使用することができる。中でも、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸をより好ましく使用することができる。その他、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類なども、末端封止剤として使用することができる。
末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基に対し反応性を有するものを使用することができ、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物などを使用することができる。これらのなかでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸を好ましく使用することができる。
末端封止剤として使用できるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものを使用することができ、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物などを好ましく使用することができる。中でも、反応性、沸点、封止末端の安定性、価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンを好ましく使用することができる。
本発明で使用するポリアミド(I)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出重合法などの方法により製造することができる。
ポリアミド(I)を種々の重合法で製造するに際して、前述の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルなどを重合系に添加することができる。上記の塩またはエステルとしては、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどが挙げられる。
また、本発明において使用するポリアミド(I)としては、濃硫酸中、30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が低すぎると、得られるポリアミド樹脂組成物の機械的性質が過度に低下し、極限粘度が2.0dl/gより高すぎると、得られるポリアミド樹脂組成物の流動性が過度に低下し、成形性が悪化する傾向があるので、好ましくは0.6〜2.0dl/g、より好ましくは0.7〜1.9dl/gの範囲内のものを使用する。
次に、本発明で使用するオレフィン系重合体(II)について説明する。
このオレフィン系重合体(II)は、分子内にカルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する。これらの官能基が導入されているオレフィン系重合体(II)は、ポリアミド樹脂組成物中において、均一に微分散し易くなり、ポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性と耐久性とを向上させることができる。このようなオレフィン系重合体(II)は、その製造の際に、このような官能基を有する単量体を共重合あるいは付加させる方法などによって製造することができる。
このような官能基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物などを使用できる。中でも、好ましくは無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を使用でき、特に好ましくは無水マレイン酸を使用できる。
オレフィン系重合体(II)としては、前述の特定の官能基を有する単量体と、これらの官能基を持たないオレフィン系化合物の共重合体を例示することができる。これらの官能基を持たないオレフィン系化合物としては、例えば、エチレン;プロピレン;1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の炭素数4〜20のα−オレフィンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を併用することができる。また、このようなオレフィン系重合体(II)には、他の単量体、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタアクロレイン、エチルビニルエーテル、スチレン、酢酸ビニル等が共重合されてもよい。
また、オレフィン系重合体(II)としては、前述の特定の官能基を持たないオレフィン系化合物からなる重合体に、特定の官能基を有する単量体を付加させたものを使用することもできる。前述の特定の官能基を持たないオレフィン系化合物からなる重合体に特定の官能基を有する単量体を付加する方法としては、例えば、必要に応じて有機過酸化物等のラジカル開始剤の存在下でその重合体に単量体を溶融混練する方法などを挙げることができる。また、このようなオレフィン系重合体(II)には、例えば、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等の非共役ジエン成分;ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等の共役ジエン成分;酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどが共重合されていてもよい。
なお、オレフィン系重合体(II)が上記した非共役ジエンや共役ジエンから誘導される構造単位を有する場合、こうしたジエンに由来する脂肪族炭素−炭素二重結合は、必要に応じて水素添加されていてもよい。
以上説明したオレフィン系重合体(II)の中でも、得られるポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性が優れたものになるという点から、エチレン、プロピレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンからなる群より選ばれる化合物から構成されるオレフィン系重合体を基本骨格とするものを使用することが好ましく、その中でも、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン/プロピレン共重合体;エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−オクテン共重合体等のエチレン/α−オレフィン共重合体を基本骨格とするものを使用することがより好ましい。
オレフィン系重合体(II)における、カルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基の含有量は、少なすぎるとポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性や耐久性の改良効果が十分ではない場合があり、多すぎると得られるポリアミド樹脂組成物の流動性が低下する場合があるので、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.3〜0.9重量%、特に好ましくは0.5〜0.8重量%である。ここで、本明細書における官能基の含有量とは、オレフィン系重合体(II)の全重量に対するカルボキシル基(−COH)、酸無水物基(−C(=O)OC(=O)−)およびエポキシ基のトータルの全重量である。なお、エポキシ基の含有量は、エポキシ基を構成する2個の炭素原子と1個の酸素原子の合計の重量に基づいて求める。
ところで、従来、ポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性を改良する目的で開発された変性ポリオレフィンについては、その引張り弾性率と耐衝撃性との関係を全く考慮した前例がないところ、本発明者らの研究の結果、引張り弾性率が高くなると耐衝撃性が低下することを見出された。従って、本発明で使用するオレフィン系重合体(II)としては、室温23℃におけるその引張り弾性率が50MPa以下、好ましくは30MPa以下、より好ましくは20MPa以下であるものを使用する。ここで、引張り弾性率の測定は、JIS K6922−2に従って行うことができる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド(I)とオレフィン系重合体(II)との間の配合重量比は、99.5:0.5〜50:50の範囲内、好ましくは98:2〜70:30の範囲内である。これは、オレフィン系重合体(II)の含有量がこの範囲より少ない場合には、得られるポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性および耐久性が向上せず、一方、オレフィン系重合体(II)の含有量が上記の範囲を超える場合には、ポリアミド樹脂組成物の耐熱性が低下するからである。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、限界PV値向上、摩耗量低減、動摩擦係数低減などを目的として、フッ素樹脂、シリコーン、グラファイトおよび二硫化モリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の潤滑剤(III)を配合することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物に、潤滑剤(III)を配合する場合には、ポリアミド(I)と潤滑剤(III)との間の配合重量比を、好ましくは99.5:0.5〜50:50、より好ましくは99:1〜60:40、特に好ましくは98:2〜70:30とする。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、液晶ポリエステル繊維などの繊維状充填剤を含有させてもよい。これらの繊維状充填剤を、ポリアミド(I)およびオレフィン系重合体(II)の合計100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部の割合で含有させると、力学特性と成形性のバランスがより優れたポリアミド樹脂組成物が得られる。
更に、本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、珪酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイトウィスカー、セピオライト、黒鉛ウィスカー、ゾノトライトウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、酸化チタンウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー等の針状充填剤;炭酸カルシウム、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、グラファイト、二酸化チタン、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン等の粉末状充填剤;ハイドロタルサイト、ガラスフレーク、タルク、マイカ、クレー、モンモリロナイト、カオリンなどのフレーク状充填剤を含有させてもよい。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、上記の繊維状充填剤の他に、必要に応じて、従来から公知の銅系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、結晶核剤、難燃剤、上述した潤滑剤(III)以外の潤滑剤などを含有させることもできる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、PA612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、PA12(ポリドデカンアミド)等の脂肪族ポリアミド;PA6T(ポリヘキサメチレンテレフタラミド)、PA66T(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸およびテレフタル酸よりなるポリアミド)等の上記ポリアミド(I)以外の半芳香族ポリアミド;ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM等のポリオレフィン;ポリスチレン、ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系重合体;(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリイミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリオキシメチレン;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンエーテル;ポリアリレートなどの他種ポリマーを配合することもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、以下に説明するように製造することができる。即ち、ポリアミド(I)およびオレフィン系重合体(II)、および必要に応じて潤滑剤(III)や他の成分を溶融混練等の公知の方法により均一に混合することによって製造することができる。溶融混練は、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機を使用して行うことができ、その際に使用する装置の種類や溶融混練条件などは特に限定されないが、例えば、約280〜350℃の範囲内の温度で1〜30分間混練することにより、本発明のポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
以上説明した本発明のポリアミド樹脂組成物からは、種々の成形品を製造することができる。この場合、目的とする成形品の種類、用途、形状などに応じて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形などの一般に熱可塑性重合体組成物に対して用いられている成形手法を適宜選択することができる。また、これらの成形手法を組み合わせて成形品を製造することもできる。さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物と他のポリマーとを複合成形することもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、極めて優れた耐衝撃性および耐久性を有し、かつ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性に優れていることから、インタークーラータンク、ラジエータータンク、エンジンマウント、クイックコネクタ、燃料配管、燃料容器等の自動車用部品、並びにギア、アクチュエーター、ベアリングリテーナ、軸受け、スイッチ、ピストン、パッキン、ローラー、ベルト等の摺動部品の素材として使用することができる。特に、上記のギアとしては、たとえば、平歯車、はすば歯車、やまば歯車、内歯車対、ラック−小歯車、すぐばかさ歯車、まがりばかさ歯車、交差軸フェースギア、ねじ歯車、ウォームギア(円筒ウォームギアや鼓形ウォームギアなど)、ハイポイドギアなどを例示することができる。これらのうちでも、非常に優れた耐久性を示すことから平歯車やウォームギアの素材として使用することが好ましい。
なお、上記の摺動部品は、一部が本発明のポリアミド樹脂組成物からなっていても、全部が本発明のポリアミド樹脂組成物からなっていてもよい。例えば、上記のウォームギアが本発明のポリアミド樹脂組成物からなる場合、ウォームギアを構成する円筒ウォームや鼓形ウォーム等のウォームが本発明のポリアミド樹脂組成物からなりウォームホイールが他の素材からなっていてもよいし、ウォームホイールが本発明のポリアミド樹脂組成物からなりウォームがその他の素材からなっていてもよいし、ウォームとウォームホイールの両方が本発明のポリアミド樹脂組成物からなっていてもよい。なお、ウォームやウォームホイール自体も、一部が本発明のポリアミド樹脂組成物からなっていても、全部が本発明の樹脂組成物からなっていてもよい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、成形品(試験片)の作製;耐衝撃性、耐久性、摺動性、耐熱性および平衡吸水率の評価または測定は以下に説明するように行った。
成形品(試験片)の作製
日精樹脂工業株式会社製の80トン射出成形機を使用して、シリンダー温度300℃および金型温度150℃(実施例、比較例1および3)、またはシリンダー温度270℃および金型温度80℃(比較例2)の条件下で、耐衝撃性評価用の試験片(寸法:長さ×厚さ×幅=64mm×12.7mm×3.2mm)、摺動性評価用の成形品(80mm×80mm×3mm)、および耐熱性評価用の成形品(128mm×12.7mm×6.2mm)をそれぞれ作製する。
また、日精樹脂工業株式会社製の80トン射出成形機を使用して、シリンダー温度310℃および金型温度150℃(実施例、比較例1および3)、またはシリンダー温度270℃および金型温度80℃(比較例2)の条件下で、直径60mmのインサート金属を挿入した外径80mm、モジュール2、歯数38、ピッチ円の直径76mmの耐久性評価用の金属インサートギア(平歯車)を作製する。
株式会社ソディックプラステック製の40トン射出成形機を使用して、シリンダー温度310℃および金型温度140℃(実施例1、3および比較例1)の条件下で、歯数38枚、ピッチ円直径38.05mm、歯幅10mmの耐久性評価用のウォームホイールを作製する。
また、株式会社神藤金属工業所製の圧縮成形機を使用して、温度310℃(実施例、比較例1および3)または温度270℃(比較例2)、プレス圧力100kg/cmの条件下で、平衡吸水率評価用のプレスシート(50mm×50mm×0.2mm)を作製する。
耐衝撃性の測定
上記の方法で作製した試験片を用いて、JIS K7110に準じて、アイゾット衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)を使用して、ノッチ付アイゾット衝撃値(ノッチ付IZOD)を測定する。
平歯車耐久性の評価
上記の方法で作製した金属インサートギアを使用し、該金属インサートギアと同じ形状およびサイズを有する鋼材S45Cからなるギア(平歯車)を相手部材として用い、東洋工学(株)社製のギア耐久試験器を使用して、室温、50Nmの入力トルク、減速比1:1、回転数30rpmの条件下、3回転を1サイクルとし、1サイクル回転した後に回転方向(正転と逆転の方向)を切り替え、ギアが破損するまでのサイクル数を評価する。
ウォームホイール耐久性の評価
上記の方法で作製したウォームホイールを使用して、軸方向モジュール:0.8、条数:1、ピッチ円直径:14mm、進み角:3°17’、工具圧力角:20°のJIS3形に準拠した鋼材S45Cからなる円筒ウォームと組み合わせ、動力吸収式ウォームギア試験機を使用して、室温、1Nmの入力トルク、ウォーム軸回転数3000rpmの条件下、ギアが破損するまでのトータル回転数を評価する。
摺動性の評価
上記の方法で作製した試験片を用いて、JIS K7218に準じて、摩擦摩耗試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)を使用して、面圧10kgf/cm2、すべり速度50〜200cm/secの条件下、鋼材S45C(サンドペーパー仕上げ)を相手材として、限界PV値を測定する。
耐熱性の評価
上記の方法で作製した試験片を用いて、JIS K7207に準じて、荷重ひずみ温度測定機(株式会社東洋精機製作所製)を使用して、18.6kgfの荷重下で荷重撓み温度(DTUL)を測定し、耐熱性の指標とする。
平衡吸水率の測定
上記の方法で作製した試験片を減圧下にて5日間乾燥し、秤量した(重量:W0)後、23℃の水中に10日間浸漬し、秤量して(重量:W1)、以下の式(2)に従って平衡吸水率(%)を求める。
Figure 2006152256
以下の実施例および比較例では、下記のポリアミド、オレフィン系重合体および潤滑剤を使用した。
ポリアミド(I)
テレフタル酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位[1,9−ノナンジアミン単位/2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=60/40(モル比)]とからなるポリアミド[株式会社クラレ製、ジェネスタN1000C(商品名)、極限粘度[η]:1.4dl/g]。
オレフィン系重合体(II)
無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体(無水マレイン酸の付加量:0.8重量%(官能基の含有量=0.6重量%)、23℃での引張り弾性率:10MPa)。
潤滑剤(III)
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のポリジメチルシロキサン[SH200(商品名)]。
脂肪族ポリアミド(IV)
PA66:旭化成工業(株)社製[レオナ 1300S(商品名)]。
オレフィン系重合体(V)
エポキシ変性ポリエチレン(グリシジルメタクリレートの付加量:15重量%(官能基の含有量=4.2重量%)、23℃での引張り弾性率:61MPa)。
実施例1〜3
ポリアミド(I)、オレフィン系重合体(II)および潤滑剤(III)を、下記の表1に示す割合で予備混合した後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX44C」)に供給し、シリンダー温度320℃の条件下に溶融混練して押し出し、冷却、切断してペレット状のポリアミド樹脂組成物を製造した。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて上記した方法で各種の成形品(試験片)を作製し、耐衝撃性、耐久性、摺動性、耐熱性および平衡吸水率を上記した方法で評価した。結果を下記の表1に示す。
比較例1
ポリアミド(I)を単独で用いて、上記した方法で各種の成形品(試験片)を作製し、耐衝撃性、耐久性、摺動性、耐熱性および平衡吸水率を上記した方法で評価した。結果を下記の表1に示す。
比較例2
脂肪族ポリアミド(IV)を単独で用いて、上記した方法で各種の成形品(試験片)を作製し、耐衝撃性、耐久性、摺動性、耐熱性および平衡吸水率を上記した方法で評価した。結果を下記の表1に示す。
比較例3
ポリアミド(I)およびオレフィン系重合体(V)を下記の表1に示す割合で予備混合した後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX44C」)に供給し、シリンダー温度320℃の条件下に溶融混練して押し出し、冷却、切断してペレット状のポリアミド樹脂組成物を製造した。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて上記した方法で各種の成形品(試験片)を作製し、耐衝撃性、耐久性、摺動性、耐熱性および平衡吸水率を上記した方法で評価した。結果を下記の表1に示す。













Figure 2006152256
表1から分かるように、23℃での引張り弾性率が10MPaのオレフィン系重合体を使用した実施例1〜3のポリアミド樹脂組成物から製造した各種成形品はいずれも、そのようなオレフィン系重合体を使用していない比較例1〜3のポリアミド樹脂組成物から製造した各種成形品に比較して、特に耐衝撃性(ノッチ付IZOD)、耐久性(平歯車耐久性、ウォームホイール耐久性)の点で非常に優れていた。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、極めて優れた耐衝撃性および耐久性を有し、かつ低吸水性、耐熱性、摺動性、耐薬品性などの特性に優れている。従って、本発明のポリアミド樹脂組成物は、インタークーラータンク、ラジエータータンク、エンジンマウント、クイックコネクタ、燃料配管、燃料容器等の自動車用部品、およびギア、アクチュエーター、ベアリングリテーナ、軸受け、スイッチ、ピストン、パッキン、ローラー、ベルト等の摺動部品の素材として有用である。

Claims (8)

  1. テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とを有するポリアミド(I)と、
    カルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、23℃における引張り弾性率が50MPa以下であるオレフィン系重合体(II)とを含み、
    該ポリアミド(I)と該オレフィン系重合体(II)との間の配合重量比が、99.5:0.5〜50:50の範囲内であるポリアミド樹脂組成物。
  2. ジアミン単位(b)において、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位との間の配合モル比が、95:5〜50:50である、請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. オレフィン系重合体(II)におけるカルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基の含有量が、0.1〜1重量%の範囲内である請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. オレフィン系重合体(II)が、エチレン、プロピレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンからなる群より選ばれる化合物から構成されるオレフィン系重合体を基本骨格とするものである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. フッ素樹脂、シリコーン、グラファイトおよび二硫化モリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の潤滑剤(III)をさらに含有する請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる自動車用部品。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる摺動部品。
  8. 平歯車、はすば歯車、やまば歯車、内歯車対、ラック−小歯車、すぐばかさ歯車、まがりばかさ歯車、交差軸フェースギア、ねじ歯車、ウォームギア、ハイポイドギア、アクチュエーター、ベアリングリテーナー、軸受け、スイッチ、ピストン、パッキン、ローラー、ベルトよりなる群より選ばれる1つである、請求項7記載の摺動部品。
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