JP2004107526A - ポリアミド組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、シリコーン(B)0.1〜30重量部を含有してなるポリアミド組成物および該ポリアミド組成物からなる成形品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半芳香族ポリアミドおよびシリコーンからなるポリアミド組成物並びにそれからなる成形品に関する。本発明のポリアミド組成物は、摩擦係数が小さく、限界PV値が高く、摺動特性に優れるとともに、力学強度、耐熱性、低吸水性、寸法安定性に優れることから、産業資材、工業材料、家庭用品、特にベアリングリテーナ、軸受け、ギヤ、プーリーなどの高摺動性が要求される用途に好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン6、ナイロン66等のポリアミドは、耐熱性、耐薬品性、剛性、耐摩耗性、成形性などの優れた性質を持つために、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に使用されている。特に、耐摩耗性に優れるだけでなく、無潤滑状態でも焼き付きが起こりにくく、また騒音が小さく、軽量性、耐腐蝕性にも優れているため、軸受け、歯車、ブッシュ、スペーサー、ローラー、カムなどの摺動部品に数多く使用されている。
【0003】
プラスチックを定常的に摩擦の生じる条件下で使用した場合、一般に、摩擦熱による温度上昇によって、ある限界を越えると、溶融が起こると同時に著しい摩耗を起こし、定常の摩擦運動が続けられなくなる。従来のポリアミドの場合もこの状況は同じであり、過酷な条件下で使用した場合には試料全体の温度が上昇し、最終的には摩耗面全体が溶融することがある。さらに、従来のポリアミドは吸水性のために寸法が変化したり、物性が低下するといった問題点も有しており、さらなる性能の向上が望まれている。
【0004】
このような状況下に、1,4−ブタンジアミンとアジピン酸からなるナイロン46を使用することが提案されている。ナイロン46は融点が290℃と高く、結晶性も高いため、従来のポリアミドに比べて優れた耐摩擦摩耗特性を有している。例えば、特許文献1(特開平8−134348号公報)や特許文献2(特開平9−137058号公報)にはナイロン46に高分子量ポリエチレンを配合し、摺動性を向上させた材料が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−134348号公報、
【特許文献2】
特開平9−137058号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ナイロン46は、従来のナイロン樹脂に比べて吸水率が高く、それに伴い寸法変化、物性変化が大きいため、自動車分野で使用するのは困難である。
【0007】
しかして、本発明の目的は、摩擦係数が低く、限界PV値が高く、摺動特性に優れるとともに、力学強度、耐熱性、低吸水性、寸法安定性に優れるポリアミド組成物およびそれからなる成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の半芳香族ポリアミドにシリコーンを配合することにより、上記した性能に優れたポリアミド組成物が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、シリコーン(B)0.1〜30重量部を含有してなるポリアミド組成物に関する。さらに、本発明は該ポリアミド組成物からなる成形品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明に用いられるポリアミド(A)を構成するジカルボン酸単位(a)は、テレフタル酸単位を50〜100モル%含有する。テレフタル酸単位の含有率は、60〜100モル%の範囲内が好ましく、75〜100モル%の範囲内がより好ましく、90〜100モル%の範囲内がさらに好ましい。テレフタル酸単位の含有率が50モル%未満の場合には、得られるポリアミド組成物の限界PV値、耐熱性が低下する。
【0011】
上記のジカルボン酸単位(a)は、50モル%以下であれば、テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含有していてもよい。該他のジカルボン酸単位としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。これらの他のジカルボン酸単位の含有率は、40モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。また、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸から誘導される単位を、溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
【0012】
ポリアミド(A)を構成するジアミン単位(b)は、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を50〜100モル%含有する。該脂肪族アルキレンジアミン単位の含有率は、60〜100モル%の範囲内であることが好ましく、75〜100モル%の範囲内であることがより好ましく、90〜100モル%の範囲内であることがさらに好ましい。炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位の含有率が50モル%未満の場合には、得られるポリアミド組成物の耐熱性、低吸水性、耐薬品性などの諸物性が低下する。
【0013】
かかる炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位としては、例えば、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の直鎖状脂肪族アルキレンジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族アルキレンジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。
【0014】
上記の脂肪族アルキレンジアミン単位の中でも、摺動性、耐熱性、成形性、低吸水性、軽量性により優れたポリアミド組成物を得る観点から、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンから誘導される単位が好ましく、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位がより好ましい。1,9−ノナンンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を併用する場合には、1,9−ノナンンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は、99:1〜20:80であることが好ましく、99:1〜60:40であることがより好ましく、99:1〜80:20であることがさらに好ましい。
【0015】
上記のジアミン単位(b)は、50モル%以下であれば、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含有していてもよい。該他のジアミン単位としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの他のジアミン単位の含有率は、40モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
【0016】
また、上記のポリアミド(A)にはアミノカルボン酸単位を含ませることもできる。該アミノカルボン酸単位としては、例えば、カプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム;1−アミノラウリン酸、1−アミノドデシル酸等のアミノカルボン酸などから誘導される単位を挙げることができる。アミノカルボン酸単位の含有率は、ポリアミド(A)の全ジカルボン酸単位に基づいて40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。
【0017】
本発明に用いられるポリアミド(A)は、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましい。分子鎖の末端基が末端封止剤により封止されている割合(末端封止率)は、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。末端封止率が10%以上のポリアミドを用いると、溶融安定性、耐熱水性などにより優れたポリアミド組成物が得られる。
【0018】
ポリアミド(A)の末端封止率は、ポリアミドに存在しているカルボキシル基末端、アミノ基末端および末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、下記の式(1)により求めることができる。各末端基の数は、1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。
【0019】
末端封止率(%)=[(A−B)/A]×100 (1)
〔式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bは封止されずに残ったカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す〕
【0020】
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使用することもできる。
【0021】
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらのなかでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
【0022】
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらのなかでも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
【0023】
ポリアミド(A)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出重合法などの方法により製造することができる。
【0024】
ポリアミド(A)は、例えば、最初にジアミン、ジカルボン酸、触媒および必要に応じて末端封止剤を一括して添加してナイロン塩を製造した後、200〜250℃の温度において加熱重合して濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.1〜0.6dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、または溶融押出機を用いて重合することにより製造することができる。プレポリマーの極限粘度[η]が0.1〜0.6dl/gの範囲内にあると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布が小さく、各種物性や成形性に優れたポリアミドが得られる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うことが好ましい。このときの重合温度としては、200〜280℃の範囲内が好ましく、かかる条件下で重合すると、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができる。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合の重合温度としては、370℃以下であることが好ましく、かかる条件下で重合すると、ポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の無いポリアミドが得られる。
【0025】
ポリアミド(A)を製造するに際して、前記の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルなどを添加することができる。上記の塩またはエステルとしては、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどが挙げられる。
【0026】
ポリアミド(A)は、濃硫酸中30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が、0.4〜3.0dl/gであることが好ましく、0.6〜2.0dl/gであることがより好ましく、0.8〜1.8dl/gであることがさらに好ましい。極限粘度が0.4dl/g未満では、得られるポリアミド組成物の機械的性質が損なわれる傾向があり、3.0dl/gより大きいと、得られるポリアミド組成物の流動性が低下し、成形性が悪化する傾向がある。
【0027】
本発明に用いられるシリコーン(B)は、下記の一般式(I)で示されるシロキサン単位から構成される。
−Si(R1)(R2)−O− (I)
(式中、R1は水素原子または炭化水素基を表し、R2は炭化水素基を表す)
R1またはR2が表すことがある炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。これらのうちでも、シリコーン(B)が低価格で入手でき、かつ取扱い性に優れたものとなることから、メチル基、フェニル基が好ましい。
【0028】
シリコーン(B)は、その分子末端または分子鎖中に、ポリアミドまたはその他の成分との親和性を高めるために、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、酸無水物基、反応性二重結合等の官能基を有していてもよい。さらに、これらの官能基が別の成分と反応した形態、例えば、アミド基、エステル基、イミド基、ウレタン基、ウレア基等に変換されたものであってもよい。これらの中では、アミノ基、エポキシ基、酸無水物基を有するものがポリアミドとの親和性に優れていることから好ましい。
【0029】
シリコーン(B)の粘度は、1〜100万cStの範囲内であることが好ましく、1000〜50万cStの範囲内であることがより好ましく、1万〜10万cStの範囲内であることがより好ましい。粘度が上記の範囲内のシリコーンを使用すると、摺動性に優れたポリアミド組成物が得られる。なお、本明細書でいう粘度は、25℃での粘度である。
【0030】
シリコーン(B)の含有量は、ポリアミド(A)100重量部に対して、0.1〜30重量部であり、0.5〜20重量部であることが好ましい。シリコーン(B)の含有量が、ポリアミド(A)100重量部に対して0.1重量部未満の場合には、得られるポリアミド組成物の摺動性向上効果が小さく、一方、30重量部を越える場合には、得られるポリアミド組成物の機械物性および耐熱性が低下する。
【0031】
本発明のポリアミド組成物は、さらに銅化合物(C)および/または充填材(D)を含有することができる。
【0032】
銅化合物(C)としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二銅、ピロリン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅等の無機銅塩、酢酸銅等の有機カルボン酸の銅塩、銅アセチルアセトネート等の有機金属化合物などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも、ヨウ化第一銅が好ましい。
銅化合物(C)の含有量は、ポリアミド(A)100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲内であることがより好ましい。
【0033】
これらの銅化合物(C)は、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属塩;またはベンゾイミダゾール誘導体、アルキレンジアミン、アルキレントリアミン等の銅と錯体を形成し得る有機物とともに使用することができる。これらの中でも、ヨウ化カリウムが好ましい。上記のハロゲン化アルカリ金属塩または銅と錯体を形成し得る有機物の使用量は、銅化合物(C)に対して1〜20重量倍の範囲内が好ましい。
【0034】
充填材(D)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ゾノトライト、ワラストナイト等の繊維状または針状の充填材;タルク、マイカ、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレン、炭酸カルシウム、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、二酸化チタン等の粉末状充填材などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。
これらの充填材(D)を、ポリアミド(A)100重量部に対して0〜300重量部含有させると、摺動性および機械的特性に優れたポリアミド組成物が得られる。
【0035】
上記の繊維状または針状の充填材としては、補強効果と摺動性のバランスの観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ゾノトライトが好ましく、摺動部材の相手材を傷つけない観点から、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ゾノトライトがより好ましい。また、粉末状充填材としては、摺動性を向上させる観点から、タルク、マイカ、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレンを使用することが好ましく、タルク、ポリテトラフルオロエチレンがより好ましい。
【0036】
本発明のポリアミド組成物には、必要に応じて、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、結晶核剤等の添加剤を配合することができる。また、ポリオレフィン等の汎用樹脂;PA6、PA66、PA12、PA11等の脂肪族ポリアミド;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリアリレート等のスーパーエンジニアリングプラスチック;フッ素樹脂;シリコーン樹脂等の各種の高分子物質などの他種ポリマーを配合することもできる。
【0037】
ポリアミド(A)にシリコーン(B)および必要に応じて銅化合物(C)、充填材(D)、上記の各種添加剤などの成分を配合することにより本発明のポリアミド組成物を製造することができる。配合方法としては、例えば、ポリアミド(A)の重縮合反応時にシリコーン(B)等の成分を添加する方法、ポリアミド(A)とシリコーン(B)等の成分をドライブレンドする方法、押出機を用いて溶融混練する方法などが挙げられ、これらのなかでも操作の容易さの点から、通常は押出機を用いて溶融混練する方法が有利である。この際に用いられる押出機は2軸スクリューのものが好ましく、溶融混練温度としては280〜340℃の範囲内が好ましい。
【0038】
本発明のポリアミド組成物を、目的とする成形品の種類、用途、形状などに応じて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形などの一般に熱可塑性樹脂組成物に対して用いられる成形方法によって成形することにより、成形品を製造することができる。また上記の成形方法を組み合わせた成形方法を採用することもできる。さらに、本発明のポリアミド組成物と他のポリマーとを複合成形することもできる。
【0039】
上記の成形により、自動車部品、工業材料、産業資材、電気電子部品、機械部品、事務機器用部品、家庭用品、シート、フイルム、繊維、その他の任意の形状および用途の各種成形品を製造することができる。中でも、摺動性が必要とされる自動車部品、OA機器、家庭用電化製品などの分野、特にベアリングリテーナ、軸受け、ギヤ、プーリーなどの部品において特に有用である。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例または比較例中の限界PV値、動摩擦係数、平衡吸水率および平衡吸水時の寸法変化率は以下の方法により測定または評価した。
【0041】
試験片の作製:
日精樹脂工業株式会社製の80トン射出成形機を使用して、シリンダー温度330℃(実施例1〜5、比較例1)またはシリンダー温度300℃(比較例2および3)、および金型温度140℃(実施例1〜5、比較例1)または金型温度80℃(比較例2および3)の条件下で、摺動性評価用の試験片(80mm×80mm×3mm)、平衡吸水率および平衡吸水時の寸法変化率評価用の試験片(40mm×100mm×1mm)をそれぞれ作製した。
【0042】
限界PV値および動摩擦係数:
上記の方法で作製した試験片を用いて、JIS K7218に準じて、摩擦摩耗試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)を使用して、面圧10kg/cm2、すべり速度50〜200cm/secの条件下、鋼材S45C(サンドペーパー仕上げ)を相手材に、限界PV値及び動摩擦係数を測定した。
【0043】
平衡吸水率および平衡吸水時の寸法変化率:
上記の方法で作製した試験片を減圧下にて5日間乾燥し、重量と長さを測定した後(重量:W0、長さ:L0)、23℃の水中に24時間浸漬し、重量と長さを測定した(重量:W1、長さ:L1)。以下の式に従って、平衡吸水率および平衡吸水時の寸法変化率を求めた。
平衡吸水率(%)=〔(W1−W0)/W0〕×100
平衡吸水時の寸法変化率(%)=〔(L1−L0)/L0〕×100
【0044】
実施例1〜4および比較例1
テレフタル酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8オクタンジアミン単位(1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8オクタンジアミン単位のモル比が80:20)からなる、極限粘度[η](濃硫酸中、30℃で測定)1.20dl/g、融点302℃、末端封止率70%(末端封止剤:安息香酸)のポリアミド(以下、「PA9T」と略称する;特開平7−228689号公報の実施例1に記載された方法に準じて調製した)を減圧下120℃で24時間乾燥した後、シリコーンオイル(東レダウコーニングシリコーン製「SH200」および「SH550」)、ヨウ化第一銅(和光純薬製)、ヨウ化カリウム(和光純薬製)から選ばれる成分を下記の表1に示す割合でドライブレンドした。これを、2軸押出機(スクリュー径:30mm、L/D=28、シリンダー温度:310〜330℃、回転数:150rpm)を用いて溶融混練することによりポリアミド組成物を得た。得られたポリアミド組成物について、上記の方法で評価した結果を下記の表1に示す。
【0045】
実施例5
実施例1において、ポリアミドを、テレフタル酸単位と、1,10−デカンジアミン単位からなる、極限粘度[η](濃硫酸中、30℃で測定)1.20dl/g、融点316℃、末端封止率70%(末端封止剤:安息香酸)のポリアミド(以下、「PA10T」と略称する;特開平7−228689号公報の実施例1に記載された方法に準じて調製した)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリアミド組成物を得た。得られたポリアミド組成物について、上記の方法で評価した結果を下記の表1に示す。
【0046】
比較例2および3
実施例1において、ポリアミドを表1に示すポリアミドに変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリアミド組成物を得た。得られたポリアミド組成物について、上記の方法で評価した結果を下記の表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、摩擦係数が低く、限界PV値が高く、摺動特性に優れるとともに、力学強度、耐熱性、低吸水性、寸法安定性に優れるポリアミド組成物およびそれからなる成形品が提供される。
Claims (4)
- テレフタル酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、シリコーン(B)0.1〜30重量部を含有してなるポリアミド組成物。
- 炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である請求項1記載のポリアミド組成物。
- ポリアミド(A)100重量部に対して、さらに銅化合物(C)0.01〜1重量部および/または充填材(D)0〜300重量部を含有してなる請求項1または2記載のポリアミド組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリアミド組成物からなる成形品。
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