JP2006137982A - 硬質皮膜被覆部材及びその被覆方法 - Google Patents

硬質皮膜被覆部材及びその被覆方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 Si含有皮膜を高硬度化させ、硬質皮膜全体の高硬度化、耐剥離性に優れ、耐摩耗性の要求される部材等に最適な硬質皮膜を提供し、この硬質皮膜を被覆した硬質皮膜被覆部材及びその被覆方法を提供する。
【解決手段】 基体に硬質皮膜を積層した硬質皮膜被覆部材において、硬質皮膜は最下層と最上層と中間積層部とを有し、最下層はAl、Ti、Cr、Si、Nbから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物主体の硬質皮膜、最上層はSiが10から30%を含有し、非金属成分としてN、C、O、Bの1種以上を含有する非晶質相を含有し、硬度が40から80GPaの高硬度な硬質皮膜、中間積層部は金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Zr、Wから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物、ホウ窒化物又は炭窒化物の何れかが主体の積層部、該積層部はA層とB層とが交互に積層される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面に硬質皮膜を被覆した部材に関する。該部材としては、切削工具、金型、軸受け、ダイス、ロールなど高硬度が要求される耐摩耗工具等がある。また、該硬質皮膜の被覆方法に関する。
硬質皮膜被覆部材については、皮膜硬度、基体密着性、耐酸化性の改善を目的とした以下の特許文献1から8の技術が開示されている。
特許文献1は、Siを含有した(TiSi)(CN)皮膜を開示している。(TiSi)(CN)は極めて高硬度を有するものの、同時に硬質皮膜内の残留圧縮応力が過剰であり、被覆基体との密着性が悪く、(TiSi)(CN)単一層のみでは切削工具として十分な性能を示さない。
特許文献2は、金属成分のみの原子%が、Al:40%越え75%以下、残Tiで構成される窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物の何れかを、母材表面直上に被覆し、その直上に高硬度を有するSiを含有する皮膜を被覆することにより、切削性能を改善した硬質皮膜切削工具を開示している。この改善によれば、高硬度を有するSi含有硬質皮膜の剥離を低減させ切削性能は改善される。しかし、耐摩耗性を改善させるために、皮膜硬度を向上させる場合、又は高硬度を有するSi含有皮膜の膜構成比率を増加させると、膜内部の残留圧縮応力の影響で、剥離が発生し易くなり、耐摩耗性を逆に低下させる結果となる。従って、皮膜構成層の1部を高硬度化しているに過ぎず、また皮膜の高硬度化にも限界があり、十分な耐摩耗性の改善には至ってはいない。
特許文献3は、Siを含有した硬質皮膜において、金属成分のみの原子%で、Siが10%以上60%以下、B、Al、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの1種または2種以上で10%未満、残りTiで構成される窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物のいずれかで、Si3N4及びSiが独立した相として化合物中に存在せしめることにより、Si含有皮膜の高硬度化が開示されている。
特許文献4は、Siを含有した硬質皮膜においてSiの含有濃度が相対的に高い結晶粒と相対的に低い結晶粒とを含有する組成偏析多結晶体で構成した事例を開示している。この改善は、Si含有皮膜の高硬度化を追求した結果、従来硬質皮膜に比べ、高硬度化が達成されたものの、層全体としても検討が不十分であり、高硬度化に伴い剥離や異常摩耗が発生し易くなり、皮膜の高硬度化による耐摩耗性改善効果には限界がある。
特許文献5は、硬質皮膜をナノオーダーで積層する手段による皮膜の高硬度化を開示している。4a、5a、6a族金属元素或いはAl、Siの窒化物、酸化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物の中から選んだ1つ以上の化合物と、4a、5a、6a族金属元素及びAl、Siのうち、2種の金属元素の合金の窒化物、酸化物、炭化物、炭窒化物及び/若しくはホウ化物を積層周期0.4nm〜50nmで積層し、全体の膜厚を0.5〜10μmとした構成の硬質皮膜である。
特許文献6は、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Si、およびBから選択される1種以上の元素(第1元素)と、B、C、N、およびOから選択される1種以上の元素(第2元素)とを主成分とする化合物からなり、互いに異なる組成を有する少なくとも2種の化合物層であって、厚さ方向に元素の組成(at%)が変化する組成変調層とを含み、該化合物層と前記組織変調層とが周期的に積層されてなり、且つ、前記組成変調層において結晶格子が歪みながら連続していることを特徴とする積層体を開示している。しかし、上記の特許文献5、6に記載の技術においては、硬質皮膜の高硬度化が計られているものの、密着強度に関する対策が十分ではない。
特許文献7は、組成式:(Ti1−(X+Y)AlX SiY)N(但し、原子比で、Xは0.40〜0.65、Y:0.05〜0.15)と組成式:(TI1-YSiY)N(但し、原子比で、Y:0.05〜0.15)を0.01〜0.1μmの積層周期で積層することにより、硬質皮膜の強度及び靭性不足によるチッピングを抑制する技術を開示している。
特許文献8は、TiSiの窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物及び炭酸窒化物から選択された1種の化合物からなる第一の膜と、Ti、Cr及びTiCrから選択された1種の金属Mの窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物及び炭酸窒化物から選択された1種の化合物からなる第2の膜とを夫々1層以上交互に積層し、各層厚が夫々0.5nm以上50nm以下で構成する技術を開示している。
特許文献9は、炭化タングステン基超硬合金基体または炭窒化チタン系サーメット基体の表面に、AlとTiとSiの複合窒化物層からなる硬質被覆層を0.5〜15μmの全体平均層厚で物理蒸着してなる表面被覆超硬合金製切削工具において、上記硬質被覆層が、層厚方向にそって、Al最高含有点とTi最高含有点とが所定間隔をおいて交互に繰り返し存在し、かつ前記Al最高含有点から前記Ti最高含有点、前記Ti最高含有点から前記Al最高含有点へAl及びTi含有量が夫々連続的に変化する成分濃度分布構造を有し、更に、上記Al最高含有点が、組成式:(Al1−(X+Z)TiXSiZ)N(但し、原子比で、Xは0.05〜0.25、Zは0.05〜0.15)、上記Ti最高含有を満足し、かつ隣り合う上記Al最高含有点とTi最高含有点の間隔が、0.01〜0.1μmであること、点が、組成式:(Ti1−(Y+Z)AlYSiZ)N(但し、原子比で、Yは0.05〜0.25、Zは0.05〜0.15)とする高速重切削条件で硬質被覆層が耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具を開示している。しかし、上記の特許文献7から8に記載の手法においては、硬質皮膜間の接合強度、密着強度が十分ではなく、硬質皮膜の高硬度化にも限界があり耐摩耗性の改善が十分ではない。
特開平8−118106号公報 特開2000−218407号公報 特開2000−334606号公報 特開2003−25113号公報 特開平7−205361号公報 特許第3416938号公報 特開2003−291005号公報 特開2004−42192号公報 特開2004−223619号公報
本発明は、Si含有皮膜を著しく高硬度化させても、剥離や異常摩耗が発生し難く、硬質皮膜全体の高硬度化と同時に耐剥離性に優れ、過酷な摩耗環境において、耐摩耗性の要求される部材等に最適な硬質皮膜を提供し、更にこの硬質皮膜を被覆した硬質皮膜被覆部材及びその被覆方法を提供することが課題である。
本発明は、基体に物理蒸着法により組成が異なる複数層の硬質皮膜を積層した硬質皮膜被覆部材において、該硬質皮膜は基体表面に被覆される最下層と、硬質皮膜の最表面に被覆される最上層と、該最下層と該最上層とに接する中間積層部とを有し、該最下層は、Al、Ti、Cr、Si、Nbから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物主体の硬質皮膜であり、該最上層は、金属元素のみの原子%で、Siが10%以上、30%以下を含有し、非金属成分として、N、C、O、Bの少なくとも1種以上を含有する少なくとも非晶質相を含有し、硬度が40GPa以上、80GPa未満の高硬度な硬質皮膜であり、該中間積層部は、金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Zr、Wから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物、ホウ窒化物又は炭窒化物の何れかが主体の積層部であり、該積層部はA層とB層とが交互に積層され、夫々層厚方向にAl含有量が、金属元素のみの原子%で、該A層は、5%以上、30%未満の層であり、該B層は、30%以上、60%未満の層であり、該A層と該B層との層厚さは夫々0.5nm以上、20nm未満であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材である。本構成を採用して中間積層部に高硬度を有するSi含有皮膜を用いることにより、皮膜全体を高硬度化することを可能とし、同時に積層する硬質皮膜が夫々優れた密着強度を有した状態で構成される。そのため、2層間の剥離が起こり難く、高硬度を有しながら耐剥離性、耐チッピング性に優れ、異常摩耗が発生し難く、優れた耐摩耗性を発揮することができる。更に、本発明に重要な点は、高硬度を有するSi含有皮膜を硬質皮膜に被覆する場合において、最適な層構造を有していることである。皮膜の剥離や異常摩耗を著しく抑制することを可能にして、優れた耐摩耗性を発揮する硬質皮膜被覆部材を提供することができる。
本発明の硬質皮膜を被覆した部材において、該硬質皮膜の該中間積層部の金属元素組成は、(AlXSiYMZ)で示され、但し、MはTi、Cr、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種から成り、X、Y、Zは夫々原子%を示し、該A層は、5≦X<30、5≦Y≦30、60≦Z≦85、X+Y+Z=100であり、該B層は、30≦X<60、1≦Y≦15、40≦Z≦70、X+Y+Z=100であることが好ましい。更により好ましくは、該A層は、10≦X≦25、10≦Y≦20、65≦Z≦80、X+Y+Z=100、該B層は、25<X≦55、1≦Y<10、50≦Z<65、X+Y+Z=100である。また、該A層と該B層とは、少なくともSi及びAlの相互拡散層であり、結晶格子が連続していることが好ましい。更に、該中間積層部のSi含有量が層厚方向に異なり、表層側になる程Si含有量の多いことが好ましい。
本発明の硬質皮膜において、該最上層の層厚さTTHμmが、0.1≦TTH<5、該中間積層部の層厚さMTHμmが、0.1≦MTH<5、該最下層の厚さ層BTHμmが、0.01≦BTH<3、であること、更により好ましくは、TTH≧MTH≧BTH、となることである。
本発明の硬質皮膜において、該最上層、該中間積層部、該最下層の夫々の硬度をTHA、MHA、BHAとすると、THA≧MHA≧BHA、であること、また該最上層、該中間積層部、該最下層の夫々の弾性係数をTEL、MEL、BELとすると、TEL≦MEL≦BEL、であること、ナノインデンテーションによる硬度測定により求めた該最上層、該中間積層部、該最下層の夫々の弾性回復率をTR、MR、BRとすると、TR≧MR≧BR、であること、更に該中間積層部の弾性回復率MR%が、30<MR<38となることが好ましい。
本発明の硬質皮膜において、該最上層は酸素を含有し、最表面から膜厚方向に100nm以内の深さ領域で酸素濃度の最大値を有することが好ましい。本発明の硬質皮膜を被覆した部材は、エンドミル又はドリルであることが好ましい。
本発明の硬質皮膜被覆部材に被覆する方法は、物理蒸着法を採用し、該物理蒸着法はスパッタリング法及び/又はアーク放電式イオンプレーティング(以下、AIPと言う。)法であることが好ましい。更に好ましい被覆方法は、該硬質皮膜の被覆時に使用する金属製ターゲット材の組成が、該最上層被覆用と該最下層被覆用とで異なり、該中間積層部の被覆時は該最上層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源と、該最下層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源とを同時に稼動して被覆する方法を用いることが好ましい。
本発明は、Si含有皮膜を著しく高硬度化させても、剥離や異常摩耗が発生し難く、硬質皮膜全体の高硬度化と同時に耐剥離性に優れ、過酷な摩耗環境において、耐摩耗性の要求される部材等に最適な硬質皮膜を提供し、更にこの硬質皮膜を被覆した硬質皮膜被覆部材及びその被覆方法を提供することが可能となった。例えば、過酷な摩耗環境において耐摩耗性の要求される高速切削加工等の工具部材に適用した場合、硬質皮膜全体の剥離が起こり難く、高硬度を有しながら耐剥離性、耐チッピング性に優れ異常摩耗が発生し難く、優れた耐摩耗性を発揮する硬質皮膜被覆工具部材を提供することが可能となった。
本発明は、硬質皮膜の層構造が重要である。図1に本発明における硬質皮膜の積層構造の概略図を示す。本発明の硬質皮膜の層構造は、基体に物理蒸着法により組成が異なる複数層の硬質皮膜を積層しており、硬質皮膜は基体表面に被覆される最下層と、硬質皮膜の最表面に被覆される最上層と、最下層と最上層とに接する中間積層部とから構成される。高硬度を有する最上層が存在しない場合には、優れた耐摩耗効果を発揮することができず、中間積層部が存在しない場合には、最上層の過剰な残留応力により、剥離や異常摩耗が発生し、同様に耐摩耗性の改善には至らない。また、最下層が存在せず、中間積層部だけしか存在しない場合、最上層の残留応力を吸収することができず、剥離や異常摩耗が先行した摩耗状態となり、耐摩耗性の改善には至らないのである。
本発明の最下層は、Al、Ti、Cr、Si、Nbから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物主体の硬質皮膜とすることが必要である。これより、最上層の応力緩和層として有効に作用することと伴に、中間積層部との密着強度に優れる。
次に、本発明の最上層は、金属元素のみの原子%で、Siが10%以上、30%以下を含有し、非金属成分として、N、C、O、Bの少なくとも1種以上を含有する少なくとも非晶質相を含有し、硬度が40GPa以上、80GPa未満の高硬度な硬質皮膜である。Si含有量が10%以上、30%以下とし、非金属成分として、N、C、O、Bの少なくとも1種以上を含有する少なくとも非晶質相が存在する場合、高硬度を有する硬質皮膜が得られる。Siが10%未満、又は30%を超えて大きい場合、耐摩耗性を発揮するための硬度達成が不十分である。Si含有量が本発明規定の範囲であり、非晶質相を含有する場合、皮膜が高硬度化する。最上層の皮膜硬度は、40GPa以上、80GPa未満であることが必要である。最上層の硬度が40GPa未満の場合、耐摩耗性改善効果が確認できない。また硬度が80GPa以上の場合、最下層及び中間積層部を改善しても、剥離や、剥離による異常摩耗の発生を抑制することができない。
本発明の中間積層部は、金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Zr、Wから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物、ホウ窒化物又は炭窒化物の何れかが主体の積層部であり、この積層部はA層とB層とが交互に積層され、夫々層厚方向にAl含有量が、金属元素のみの原子%で、A層は、5%以上、30%未満の層であり、B層は、30%以上、60%未満の層であり、A層とB層との層厚さは夫々0.5nm以上、20nm未満である。この条件を満たす事によって、最下層と最上層との硬度、密着性、強度のバランスが最適となる。ここで、A層は、金属元素のみの原子%で、5%以上30%未満であることが必要である。5%未満の場合、A層とB層との密着強度が十分ではない。一方、30%以上の場合、中間積層部の硬度が低下する傾向にあり、強度が十分でない。またB層は、30%以上、60%未満であることが必要である。30%未満となる場合、中間積層部の皮膜硬度が低下する傾向にあり、強度が十分ではない。60%以上となる場合、A層との密着強度が十分ではない。更に、A層とB層との各層の厚さが0.5nm以上、20nm未満の範囲で交互に積層されることが必要である。A層とB層とを交互に積層することにより、中間積層部が高硬度化され、最下層並びに最上層との密着強度及び硬質皮膜全体の強度のバランスが最適となる。また、中間積層部の上層側に最上層を被覆することにより、最上層の硬度が向上することも本発明において重要である。
上記に述べた様に、最下層と中間積層部とから構成される硬質皮膜を被覆することにより、この上層側に、硬度が40GPa以上、80GPa未満の高硬度な硬質皮膜を最上層として被覆しても、剥離や異常摩耗を著しく抑制することが可能である。
本発明の硬質皮膜において、中間積層部の組成は(AlXSiYMZ)で示され、但し、MはTi、Cr、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種から成り、X、Y、Zは夫々原子%を示し、A層は、5≦X<30、5≦Y≦30、60≦Z≦85、X+Y+Z=100であり、B層は、30≦X<60、1≦Y≦15、40≦Z≦70、X+Y+Z=100であることが好ましい。更により好ましくは、該A層が、10≦X≦25、10≦Y≦20、65≦Z≦80、X+Y+Z=100であり、該B層が、25<X≦55、1≦Y<10、50≦Z<65、X+Y+Z=100である。上記の組成範囲に調整することにより、中間積層部が高硬度化され、A層とB層との密着強度が優れると伴に、最下層並びに最上層との密着強度にも優れ、硬質皮膜全体の強度のバランスが最適となり好ましい。
中間積層部のA層とB層とは少なくともSi及びAlの相互拡散層であることが好ましい。この場合、特にA層とB層との密着強度、並びに、最下層及び最上層との密着強度に優れ、中間積層部の硬度を向上させると伴に、硬質皮膜全体の強度のバランスが最適となり、中間積層部にとって特に好ましい層構造の形態である。相互拡散層としての組成は、(AlXSiYMZ)で示され、但し、MはTi、Cr、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種、X、Y、Zは夫々原子%を示し、A層が、10≦X≦25、10≦Y≦20、65≦Z≦80、X+Y+Z=100であり、B層が、25<X≦55、1≦Y<10、50≦Z<65、X+Y+Z=100であることが特に好ましい。
相互拡散層の有無は、透過型電子顕微鏡による格子像観察並びに各層のエネルギー分散型X線分光(以下、EDSと言う。)分析により確認することができる。この場合、各層を構成する金属ターゲット材の組成と、A層とB層の組成から判断することができる。またA層とB層に相互拡散が起こらない場合は、A層とB層で固溶体を形成していない場合である。この場合、A層とB層は格子定数が異なり、X線回折により2種の異なるピークが存在する。
本発明の硬質皮膜において、中間積層部のA層とB層の格子が連続して成長していることが好ましい。この場合、特にA層とB層との密着強度、並びに、最下層及び最上層との密着強度に優れ、中間積層部の硬度を向上させると伴に、硬質皮膜全体の強度のバランスが最適となり、中間積層部としては好ましい層構造の形態である。本構造を確認する手法としては、透過型電子顕微鏡による格子像観察により確認することができる。
中間積層部のSi含有量が層厚方向に異なり、表層側になるSi含有量の多いことが好ましい。本構成により、中間積層部の密着強度、硬度並びに強度が傾斜化され、その結果として、硬質皮膜全体の密着強度、硬度並びに強度が傾斜化され、耐摩耗性を改善することができるので好ましい。
本発明の硬質皮膜において、最上層のTTHμmが、0.1≦TTH<5、であることが好ましい。最上層が0.1μm未満の場合、最上層の高硬度化による耐摩耗性改善効果が確認されない場合がある。一方、最上層の層厚が5μm以上の場合、過剰な残留応力により、硬質皮膜の剥離や異常摩耗が発生する場合があるため好ましくない。
中間積層部のMTHμmが、0.1≦MTH<5、であることが好ましい。中間積層部が0.1μm未満の場合、最上層と最下層との密着強度、硬度、強度のバランスが悪く、耐摩耗性改善効果が発揮されない場合があるため好ましくない。
最下層のBTHμmが、0.01≦BTH<3、であることが好ましい。最下層が0.01μm以上未満の場合、最下層の有する効果が十分に確認されないばかりではなく、耐摩耗性が安定せず、また最下層が3μm以上の場合、耐摩耗効果が十分に発揮されない場合があるため、好ましくない。更に、TTH≧MTH≧BTH、となることがより好ましい。本構成により、本発明の効果が最大限に発揮される層構造となる。
本発明の硬質皮膜において、夫々の層の硬度であるTHA、MHA、BHAが、THA≧MHA≧BHA、となることが好ましい。ここで言う硬度THA、MHA、BHAは、押込み硬さのことであり、通常のビッカ−ス硬度等の測定方法に代表される塑性変形硬度と区別される。また、夫々の層の弾性係数であるTEL、MEL、BELが、TEL≦MEL≦BEL、となることが好ましい。また、夫々の層の弾性回復率であるTR、MR、BRが、TR≧MR≧BR、となることが好ましい。上記の様に、皮膜硬度、弾性係数、弾性回復率などが本発明規定の関係を示す事により、密着強度、耐摩耗性、耐剥離性のバランスが最適となり、本発明の効果が得られ易く、硬質皮膜の異常摩耗に対して効果的であり、特に好ましい層構造である。更にMR%が、30<MR<38となることが好ましい。MRが30%以下となる場合、耐摩耗性に乏しく、一方、38%以上となる場合、耐剥離性に乏しく異常摩耗が発生し易いためである。ここで硬度THA、MHA、BHA、弾性係数TEL、MEL、BEL、の測定方法は、ナノインデンテーションによる硬度測定法により求められる。また、弾性回復率は100−[(接触深さ)/(最大荷重時の最大変位量)]により求められる。接触深さ及び最大荷重時の最大変位量はナノインデンテーション法により求められる(W.C.Oliverand、G.m.Pharr:J.Mater.Res.、Vol.7、NO.6、June1992、pp.1564−1583)。
最上層は酸素を含有し、最表面から膜厚方向に100nm以内の深さ領域で酸素濃度の最大値を有することが好ましい。これにより、硬質皮膜表面への被加工物の凝着抑制に効果的である。
本発明の硬質皮膜被覆部材において、対象部材をエンドミル又はドリルとし、これに硬質皮膜を被覆した場合、特に耐摩耗性改善効果が顕著であり、工具摩耗を著しく低減させることができるため、好ましい。
本発明の硬質皮膜を物理蒸着法により被覆する場合は、スパッタリング法及び/又はAIP法により被覆した硬質皮膜被覆部材は、特に硬質皮膜が高硬度で密着強度に優れ、剥離及び異常摩耗抑制に優れ、本発明の効果が得られ易い。
上記硬質皮膜をスパッタリング法及び/又はAIP法により被覆し、被覆方法において、硬質皮膜の被覆時に使用する金属製ターゲット材の組成は、最上層被覆用と最下層被覆用とが異なり、中間積層部の被覆時は最上層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源と、最下層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源とを同時に稼動して被覆することである。この被覆方法を採用することにより、優れた耐摩耗性を発揮することができる硬質皮膜被覆部材を得ることができる。上記被覆方法の1例として、まず最下層の被覆について、最下層構成元素からなる金属製ターゲット1による被覆を行い、次に最上層構成元素からなる金属製ターゲット2による放電を開始し、金属ターゲット1と金属ターゲット2とにより同時に中間積層部を被覆する。次に、金属ターゲット1による被覆を停止し、金属ターゲット2により最上層を被覆するのである。以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の硬質皮膜の被覆には、AIP装置を用いた。図2に装置の概略図を示し、構成並びに被覆方法を述べる。装置構成は、減圧容器3と絶縁された複数のアーク放電式蒸発源4、5、6、7、基体ホルダー8よりなる。蒸発源4から7に硬質皮膜の金属成分となるターゲット1及び2を装着し、各蒸発源に所定の電流を供給してターゲット1及び2上でアーク放電を行い、金属ターゲット成分を蒸発しイオン化させ、減圧容器3と基体ホルダー8との間に負に印加したバイアス電圧により、基体9に被覆した。基体9は回転機構10を有しており、1回転/分から15回転/分の範囲で回転させた。即ち、ターゲット1の前面に基体9が対向した場合にターゲット1を含有した硬質皮膜が被覆され、ターゲット2の前面に基体9が対向した場合にターゲット2を含有した硬質皮膜が被覆される。この時、夫々のターゲット材成分を含有した窒化物を形成する場合は、窒素ガスを導入しながら放電した。
本発明の硬質皮膜特性を評価するために、組成が質量%で、Co含有量13.5%、残りWC及び不可避不純物からなる超硬合金を用いて、JIS規格SNGA432のインサートを製作した。この基体を脱脂洗浄し、基体ホルダー8に装填した。減圧容器3に設置された加熱用ヒーターにより、基体は550℃に加熱され、この状態を30分間保持することにより加熱及び脱ガス処理を行った。続いて、減圧容器3にArガスを導入し、減圧容器3に設置された熱フィラメントにより、Arのイオン化を行った。基体に印加したバイアス電圧により、基体をArイオンによるクリーニング処理を30分間行った。ここで、硬質皮膜への炭素、酸素、窒素、硼素成分の添加方法は、反応ガスであるN2ガス、CH4ガス、C2H2ガス、Arガス、O2ガス、COガス等から目的の皮膜組成が得られるようにガス種を選択し、被覆工程時に減圧容器3へ導入することによって可能である。また予め金属ターゲットに添加することによっても可能である。
本発明例1の硬質皮膜に使用したターゲット材は、粉末法で作成した金属製ターゲットである。本発明例1は、最下層被覆用ターゲット材1として、組成が原子%で、Al55Ti45を、アーク放電式蒸発源4、6に装着した。最上層被覆用ターゲット材2として、Ti75Si25を、アーク放電式蒸発源5、7に装着した。
第1に、ターゲット材1を装着した蒸発源に25V、100Aの電力を供給し、負バイアス電圧を50V、反応ガス圧力を4Pa、被覆基体温度を500℃とし、基体ホルダー8を3回転/分とし、基体表面に約200nmの窒化物膜を被覆した。この時のターゲット材1の組成がAl55Ti45であるのに対し、硬質皮膜組成における金属成分の組成は、Al52Ti48の窒化物であった。この硬質皮膜は本発明例1の最下層である。
第2に、中間積層部を、ターゲット材1を装着した蒸発源に25V、100Aの電力を供給し、ターゲット材2を装着した蒸発源に20V、60Aの電力を供給した。この状態で、ターゲット材1、2を装着した全ての蒸着源を同時に稼動させ窒化膜の被覆を開始した。そして、窒化膜の成膜条件を連続的に変化させていった。即ち、ターゲット材2を装着した蒸発源に供給する電流を被覆時間の経過と伴に60Aから段階的に100Aまで増加させ、同時にターゲット材1を装着した蒸発源の電流を被覆時間の経過と伴に100Aから段階的に60Aまで変化させて被覆を行った。被覆の間は、基体にはパルスバイアス電圧を印加した。その条件は負バイアス電圧を60V、正バイアス電圧を10V、周波数を20kHz、振幅を負側に80%、正側に20%、とした。全圧力は6Pa、基体温度は525℃とし、被覆基体を保持する冶具は、6回転/分で回転させ、ターゲット材1、2の2種のターゲットから放出される夫々の窒化物の中間積層部を約1300nm被覆した。
第3に、最上層を、ターゲット材1を装着した蒸発源への電力供給を止め、成膜条件を段階的に変化させた。パルスバイアス電圧の条件は、負バイアス電圧を80V、正バイアス電圧を0V、周波数を10kHz、振幅を負側に95%、正側に5%、とした。全圧力を5Pa、基体温度を500℃、基体回転数を3回転/分に設定変更し、ターゲット材2による窒化物ベースの皮膜を約1500nm被覆した。第1〜第3の工程により得られた試料を本発明例1とした。本発明例1による硬質皮膜の中間積層部の層厚、皮膜構造、組成、結晶構造を確認した。オージェ電子分光(以下、AESと言う。)分析により、マクロ領域における膜厚深さ方向の組成分析と、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと言う。)によるナノ領域の解析を行った。
AES分析によるマクロ領域の膜厚深さ方向の組成分析方法について述べる。使用した装置は、PHI社製670Xi型、走査型AES装置であり、加速電圧10kV、試料電流15nA、電子線プローブ径を0.1μm以下に設定し、Arイオン銃により試料をエッチングしながら、マクロ領域の膜厚深さ方向の組成分析を行った。図3に、本発明例1の硬質皮膜について、AES分析によるマクロ領域の膜厚深さ方向の組成分析結果を示す。図3より本発明例1の硬質皮膜は、中間積層部のSi含有量が層厚方向に異なり、表面側になる程Si含有量が多くなっていることを確認した。中間積層部に約50nmから100nmの層厚で組成が異なっていることも確認できた。このような比較的大きな組成の異なる層厚の変化は、成膜装置におけるターゲット配置に影響を受けるものである。これは、皮膜の硬度等の性能を傾斜させることが可能である。このように、中間積層部に約50nmから100nmの層厚で組成が変調した層が存在する場合であっても、この組成が変調した層の中にA層とB層とから構成される0.5nm以上20nm未満の積層部が存在すれば本発明の効果は発揮されるのである。
TEMによるナノ領域分析方法について説明する。組織観察に用いる試料準備の方法は、試料とダミー基板とをエポキシ樹脂を用いて接着し、切断、補強リング接着、研磨、ディンプリング、Arイオンミーリングを行った。試料厚さが原子層厚さになる領域において、組織観察、格子像観察、φ1nm程度の微小部のEDS分析、微小部の電子線回折等を行い、組成及び組織構造を決定した。中間積層部の観察位置は、層厚方向における中央付近を観察した。分析装置は、日本電子製JEM−2010F型の電解放射型透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧200kVで組織観察を行った。微小部のEDS分析には、装置付属のノーラン製UTW型Si(Li)半導体検出器を用いて、ナノメートルオーダーの積層膜の組成を決定した。このとき、半値幅1nmの電子プローブを使用した。微小部電子線回折は、カメラ長を50cm、ビーム径をφ1nmに収束させ、ナノメートルオーダーの積層膜の結晶構造を同定した。
図4及び図5に本発明例1の走査透過電子顕微鏡法(以下、STEMと言う。)による皮膜組織の観察像を示す。図5は、図4とは別の視野を観察したものである。STEM像は、組成によるコントラストの相違が明確に現れることから、結晶構造よりも組成の影響を考察することができる。図4、図5より、本発明例1の中間積層部は、数ナノの一定周期構造が確認され、各層の厚みが15nm未満の積層構造となっていた。具体的な積層周期は、約4nmから8nmであることが確認できた。図4中の分析位置1から4、及び図5中の分析位置1から8に対応した、EDS組成分析結果を表1に示す。
図4の分析位置1と3とが同一層であり、分析位置2と4とが同一層である。また図5の分析位置1から4とが同一層であり、分析位置5から8とが同一層である。表1より、図4の分析位置1と3とを含む層、及び図5の分析位置1から4を含む層が中間積層部のA層に相当し、図4の分析位置2と4とを含む層、及び図5の分析位置5から8を含む層がB層に相当している。本発明例1のA層のAl含有量は、金属元素のみの原子%で、約10%から20原子%に対し、B層は、約30%から43%であった。ここで注目すべきは、A層とB層とは回転機構を有した基体ホルダーに設置されているため、理論的には、ターゲット材1の前面に基体ホルダーが近付いたときに、ターゲット材1成分の窒化物が被覆され、ターゲット材2前面に基体ホルダーが近付いたときに、ターゲット材2成分の窒化物が被覆されるべきである。しかし実際には、ターゲット材1成分と、ターゲット材2成分との相互拡散層となっていたことである。これは、数ナノレベルの層厚で基体に被覆された皮膜は、次の数ナノレベル層が成膜された後、若しくはその成膜中に、層間で両金属成分による相互拡散が起こっているのである。この相互拡散による層間結合が優れた層間結合強度をもたらし、中間積層部が高硬度化を有した状態で被覆されるため、その直上に最上層となる高硬度を有するSi含有皮膜を被覆することを可能にし、優れた耐摩耗性を発揮するのである。
EDS分析は、実際には試料を透過する際にビームが広がり、X線が発生する領域は更に広がると考えられるが、結果として得られている情報は2nm未満であると考えられ、2nm以上の層厚であればEDS分析による組成定量分析は可能である。また、膜厚深さ方向の情報はすべて含まれるものと考えられるが、試料厚さが原子層厚さであることより、粒子そのものの情報であると考えられる。また、一般的に試料が薄くなると得られるX線のカウント数が少なくなるため、定量精度は悪くなると考えられるが、精々2%未満のバラツキ範囲であった。
図6は、図4と同一視野のTEMによる観察像を示す。図6より、図4で確認された数ナノ層厚の界面は確認されず、更にA層とB層との界面の格子に連続性が認められた。この場合、特に高硬度で密着強度に優れた硬質皮膜が得られる。図7、図8は、図6の分析位置1及び2に対応した微小部電子線回折結果を示す。図7は図6の分析位置1、即ちA層に相当する位置の層微小部電子線回折結果を示す。図8は、図6の分析位置2、即ちB層に相当する位置の微小部電子線回折結果を示す。A層及びB層の結晶構造は、fcc構造であり、全く同じ結晶構造を示した。図9は、最上層のSiを多く含有したナノ領域の微小部電子線回折結果を示す。図9より最上層には非晶質相を含有していることを確認した。即ち、数ナノレベルで積層により、中間積層部のSi含有皮膜は結晶質であり、一方、最上層のSi含有皮膜は非晶質構造を示し、本質的に異なる特性を有していた。
本発明例1の皮膜について、最上層、中間積層部及び最下層の夫々の層のTHA、MHA、BHA、TEL、MEL、BEL、及びTR、MR、BRを各10箇所測定した。測定結果を図10、図11に示す。図10及び図11に示すように、縦軸の硬度は、THA≧MHA≧BHAの関係を示した。図10では横軸の弾性係数TEL、MEL、BELは、TEL≦MEL≦BELの関係を示し、図11では横軸の弾性回復率TR、MR、BRが、TR≧MR≧BRの関係を示した。上記の様な場合、硬質皮膜の構造として最適である。この理由は、Si含有皮膜の高硬度化でき、しかも、硬質皮膜の最上層として、剥離や異常摩耗を抑制する高硬度Si含有皮膜をバランスよく被覆することが可能となるからである。
(実施例2)
実施例1と略同様な手法を用い、表2に示す各種ターゲット材を用いて硬質皮膜を被覆し、皮膜の評価及び、硬質皮膜を切削工具に適用した場合の評価を行った。硬質皮膜の評価結果を表3に示し、硬質皮膜を切削工具に適用した場合の評価結果を表4に示した。
表2に示す蒸発源4、5、6、7には夫々所定の組成を有するターゲット材を装着し、図2の様に減圧容器に配置した。ここで、4と6及び5と7とは夫々対向して配置した。表3に最下層の組成、中間積層部のA層、B層、必要に応じて他層の組成、積層硬質皮膜の積層周期、相互拡散の有無、格子連続性の有無、最上層の組成、硬質皮膜表面から測定した硬度を示す。中間積層部の各層の組成は、実施例1と同様にTEM−EDS分析により決定した。積層周期の確認は、STEMによる観察像から実測し、格子連続性はTEM格子像から確認した。硬度測定は、試料表面を平滑にするためにダイヤモンド粒子を含有したバフにより、5秒間平滑化処理したものを用い、ナノインデンテーションにより、押込み荷重49mNで10点測定し、その平均値を記載した。最下層、最上層の組成は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析、エネルギー分散型X線分光(EDX)分析、又は透過型電子顕微鏡付属のEDS分析、電子エネルギー損失分光(EELS)分析によっても可能であり、更に、ラザフォード後方散乱(RBS)分析法、電子分光(XPS)分析法、AES分析法等の深さ方向分析により、総合的に決定することも可能である。切削寿命評価用のエンドミルは、Co含有量が8質量%の微粒超硬合金製、径はφ10mmの2枚刃ボールエンドミルを用いた。本発明の試料の成膜条件は、特に記載がない限り、実施例1に準ずる。
本発明の硬質皮膜被覆部材の耐摩耗性を評価するために、主な適用例としてエンドミルの性能評価を行った。評価は切削長190mにおける最大逃げ面摩耗幅を測定した。切削条件を以下に示す。
(エンドミル性能評価条件)
工具 :超硬合金製2枚刃ボールエンドミル
被削材 :熱間金型鋼、YXR33、硬さHRC58
工具回転数:8000回転/分
1刃当りの送り量:0.125mm/刃
軸方向切込み量 :0.2mm
ピックフィード :0.4mm
加工方法 :乾式切削加工、底面切削、1方向ダウンカット
切削長 :190m
本発明例1から14について述べる。表4に示す様に、本発明の硬質皮膜を被覆した工具は高硬度を示し、層間の密着強度に特に優れ、硬度と靭性がバランス良く構成されているため、工具の折損やチッピングが起こり難く、工具として使用した場合、格段に耐摩耗性に優れる結果となった。
本発明例1は、実施例1により作成した試料を示し、皮膜の硬度が高く、工具に適用した場合、耐摩耗性に特に優れ好ましい被覆形態である。本発明例1の様に、中間積層部の上層側に最上層を被覆することによって、高硬度を示し、耐摩耗性に優れていた。一方、従来例26、従来例27の様に、同一組成の最上層を被覆しても、高硬度な特性が得られず、耐摩耗性の改善は見られなかった。本発明例2は、AlCr系ターゲット材とTiSi系ターゲット材を使用した場合を示す。TiAl系ターゲット材と同様に、耐摩耗性の改善が確認された。本発明例3は、AlCrSi系ターゲット材とTiSi系ターゲット材を使用した場合を示す。TiAl系ターゲット材と同様に、耐摩耗性の改善が確認された。本発明例4は、AlCrSi系ターゲット材とCrSi系ターゲット材を使用した場合を示す。耐摩耗性の改善が確認された。本発明例5は、蒸発源4及び蒸発源6にAlTi系ターゲット、蒸発源5にTiSi系ターゲット、蒸発源7にAlSi系ターゲットを設置した場合を示す。最下層の成膜には、蒸発源4若しくは蒸発源6を用いて被覆し、中間積層部の成膜には、蒸発源5と蒸発源7とを同時に用いて被覆し、最上層の成膜には、蒸発源5を用いて被覆を行った。この場合、最上層が特に高硬度化されており、耐摩耗性が改善された。本発明例5は、ボールエンドミル以外の他の工具、例えばスクエアエンドミル、ドリルにおいても耐摩耗性の改善効果は優れていた。本発明例6、本発明例7、本発明例8は、最下層、中間積層部、最上層において夫々の膜厚の設定値が異なる場合である。何れの場合も、耐摩耗性は大幅に改善された。膜厚構成としては、特にボールエンドミルに対しては、本発明例1の膜厚設定が最も良好であった。一方、他の工具、例えばスクエアエンドミル及びドリルに関しては、本発明例8の膜厚構成が良好な耐摩耗性を示した。本発明例9は、本発明例1と同様に中間積層部のSi含有量が層厚表面側方向に高くなる様に傾斜させた場合を示す。この様な処理によって最上層の硬度をより向上させることができ、耐摩耗性に特に優れていた。本発明例10は、AlTi系ターゲットを装着した蒸発源をAIP法、TiSi系ターゲットを装着した蒸発源をスパッタリング法とし、併用した場合を示す。また本発明例11は、蒸発源にスパッタリング蒸発源を採用した場合を示す。成膜中の減圧容器内雰囲気は、ArガスとN2ガスの雰囲気とした。ArガスとN2ガスとの流量比は、Arを90%、N2を10%とし、全体の圧力を0.5Paに設定した。スパッタ蒸発源には9kWの電力を供給した。その他の被覆条件は、実施例1に準じた。この場合もAIP法単独の場合と同様に、優れた耐摩耗性を示した。本発明例12は、最上層の500nm以内の範囲に酸素を含有する場合であり、耐凝着性に優れた。また、ドリルの耐摩耗性改善効果が大きかった。本発明例13は、最上層の硬度が62GPaの場合を示す。このような高硬度膜を被覆しても、剥離や異常摩耗の発生も確認されず、耐摩耗性に優れていた。本発明例14は、パルスバイアス電圧の条件について、負バイアス電圧を60Vから200Vへ増加させ、正バイアス電圧を10V、周波数を20kHz、振幅を負側に80%、正側に20%、とした場合を示す。この時、表面から測定した硬度が75GPaと言う更に高硬度を示した。最上層にこのような高硬度の皮膜を被覆した場合でも、皮膜の密着強度は確保され、剥離や異常摩耗の発生も確認されず、耐摩耗性に優れていた。
次に比較例15から21について述べる。比較例の被覆条件は、実施例1より適宜条件等を変更した。比較例14は、中間積層部のA層、B層ともにAl含有量が金属元素のみの原子%で、40%から50%の範囲にあり、この影響で最上層の硬質皮膜が高硬度化されず、耐摩耗効果は確認されなかった。比較例16は、中間積層部が存在しない場合を示す。比較例15同様に最上層の硬質皮膜の硬度を向上させることができず、耐摩耗効果は確認されなかった。比較例17は、中間積層部の積層周期が30nmから40nmの場合を示す。最上層の硬質皮膜の硬度が不十分であり、中間積層部の層間で相互拡散が確認されないことも影響して、耐摩耗性の改善は確認されなかった。比較例18は、最上層の硬質皮膜のSi含有量が金属元素のみの原子%で38%となった。Si含有量が30%を超えたため、最上層の硬度上昇が確認されず、耐摩耗性を改善するには至らなかった。比較例19は、最上層のSi含有量が金属元素のみの原子%で3%となった。Si含有量が10%未満となったため、耐摩耗性改善効果は確認されなかった。比較例20は、最上層が存在しない場合を示す。最下層、中間積層部は本発明で規定する範囲内の硬質皮膜であるが、最上層が無い場合は、耐摩耗性を改善することはできない。比較例21は、最下層が存在しない場合を示す。中間積層部、最上層は本発明で規定する範囲内の硬質皮膜であるが、最下層が無い場合は、耐摩耗性のばらつきが大きく安定した耐摩耗性を示さないため、満足のいく結果が得られなかった。
従来例22から30について述べる。従来例による被覆は、従来技術に記載された被覆条件を参考にした。従来例22は、TiNを最下層とし、その上層側に(TiAl)N系皮膜を被覆した場合、従来例23は、(TiAl)N皮膜の単一層の場合、従来例24は、(AlCrSi)N系皮膜の単一層の場合、従来例25は(TiSi)N系皮膜単一層の場合を示す。切削初期に硬質皮膜の剥離が認められ、最大逃げ面摩耗幅は0.2mmを超えて大きくなった。従来例26は、(TiAl)N系皮膜の上層側に(TiSi)N系皮膜を被覆した場合を示す。(TiAl)N系単一層の場合に比べ、耐摩耗性が改善されているものの、最大逃げ面摩耗幅は0.19mmと大きかった。従来例27は、(TiAl)N系皮膜の上層側に(TiSi)N系皮膜を被覆した場合を示す。自己破壊を起こさない程度に負バイアス電圧を高くし、(TiSi)N系皮膜の硬度を向上させた場合である。ボールエンドミルによる耐摩耗性の評価では、従来例26に比べ、多少硬度向上の効果が確認された。従来例28は、TiNを最下層とし、その上層側に(TiSi)N系皮膜と(TiCr)N系皮膜を積層周期5nmで被覆した積層皮膜の場合、従来例29は、(TiAl)N系の積層皮膜の場合、従来例30は、(TiAlSi)N系皮膜と(TiSi)N系皮膜の積層膜の場合を示す。何れの場合も最大逃げ面摩耗幅は0.2mmを超えて大きくなった。
図1は、本発明の硬質皮膜について積層構造の模式図を示す。 図2は、本発明の実施例に用いた製膜装置の概略図を示す。 図3は、本発明例1のAES分析結果を示す。 図4は、本発明例1の中間積層部のSTEM像を示す。 図5は、図4と別視野における中間積層部のSTEM像を示す。 図6は、図4と同一視野における中間積層部のTEM像を示す。 図7は、図6の分析位置1に対応した微小部電子線回折結果を示す。 図8は、図6の分析位置2に対応した微小部電子線回折結果を示す。 本発明例1の最上層における微小部電子線回折結果を示す。 図10は、本発明例1の硬質皮膜の評価結果を示す。 図11は、本発明例1の硬質皮膜の評価結果を示す。
符号の説明
1:最下層被覆用のターゲット材
2:最上層被覆用のターゲット材
3:減圧容器
4:蒸発源
5:蒸発源
6:蒸発源
7:蒸発源
8:基体ホルダー
9:基体
10:回転機構

Claims (16)

  1. 基体に、物理蒸着法により組成が異なる複数層の硬質皮膜を積層した硬質皮膜被覆部材において、該硬質皮膜は基体表面に被覆される最下層と、硬質皮膜の最表面に被覆される最上層と、該最下層と該最上層とに接する中間積層部とを有し、該最下層は、Al、Ti、Cr、Si、Nbから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物主体の硬質皮膜であり、該最上層は、金属元素のみの原子%で、Siが10%以上、30%以下を含有し、非金属成分として、N、C、O、Bの少なくとも1種以上を含有する少なくとも非晶質相を含有し、硬度が40GPa以上、80GPa未満の高硬度な硬質皮膜であり、該中間積層部は、金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Zr、Wから選択される1種以上の金属元素からなる窒化物、ホウ窒化物又は炭窒化物の何れかが主体の積層部であり、該積層部はA層とB層とが交互に積層され、夫々層厚方向にAl含有量が、金属元素のみの原子%で、該A層は、5%以上、30%未満の層であり、該B層は、30%以上、60%未満の層であり、該A層と該B層との層厚さは夫々0.5nm以上、20nm未満であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  2. 請求項1記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部の金属元素組成は(AlXSiYMZ)で示され、但し、MはTi、Cr、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種から成り、X、Y、Zは夫々原子%を示し、該A層は、5≦X<30、5≦Y≦30、60≦Z≦85、X+Y+Z=100であり、該B層は、30≦X<60、1≦Y≦15、40≦Z≦70、X+Y+Z=100であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  3. 請求項2記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部の該A層は、10≦X≦25、10≦Y≦20、65≦Z≦80、X+Y+Z=100であり、該B層は、25<X≦55、1≦Y<10、50≦Z<65、X+Y+Z=100であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  4. 請求項1乃至請求項3いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部を構成する該A層と該B層は、少なくともSi及びAlの相互拡散層であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  5. 請求項1乃至請求項4いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部を構成する該A層と該B層は、結晶格子が連続していることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  6. 請求項1乃至請求項5いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部のSi含有量が層厚方向に異なり、表層側になる程Si含有量が多いことを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  7. 請求項1乃至請求項6いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該最上層の層厚さTTHμmが、0.1≦TTH<5、該中間積層部の層厚さMTHμmが、0.1≦MTH<5、該最下層の厚さ層BTHμmが、0.01≦BTH<3、であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  8. 請求項1乃至請求項7いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、TTH≧MTH≧BTH、であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  9. 請求項1乃至請求項8いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該最上層、該中間積層部、該最下層の夫々の硬度をTHA、MHA、BHAとすると、THA≧MHA≧BHA、であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  10. 請求項1乃至請求項9いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該最上層、該中間積層部、該最下層の夫々の弾性係数をTEL、MEL、BELとすると、TEL≦MEL≦BEL、であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  11. 請求項1乃至請求項10いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、ナノインデンテーションによる硬度測定により求めた該最上層、該中間積層部、該最下層の夫々の弾性回復率をTR、MR、BRとすると、TR≧MR≧BR、であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  12. 請求項1乃至請求項11いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、ナノインデンテーションによる硬度測定により求められる該中間積層部の弾性回復率MR%が、30<MR<38であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  13. 請求項1乃至請求項12いずれかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該最上層は酸素を含有し、最表面から膜厚方向に100nm以内の深さ領域で酸素濃度の最大値を有することを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  14. 請求項1乃至請求項13いずれかに記載の硬質皮膜を被覆した部材において、該部材がエンドミル又はドリルであることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  15. 請求項1乃至請求項14いずれかに記載の物理蒸着法により硬質皮膜を被覆した部材において、該物理蒸着法はスパッタリング法及び/又はアーク放電式イオンプレーティング法であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材の被覆方法。
  16. 請求項15記載の硬質皮膜被覆部材の被覆方法において、該硬質皮膜の被覆時に使用する金属製ターゲット材の組成は、該最上層被覆用と該最下層被覆用とが異なり、該中間積層部の被覆時は該最上層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源と、該最下層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源とを同時に稼動して被覆することを特徴とする硬質皮膜被覆部材の被覆方法。
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