JP2006126809A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
Description
ところが、感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN−メチル−2−ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
このポジ型感光性樹脂の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物がアルカリ性水溶液に不溶であるのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物が化学変化を起こしインデンカルボン酸化合物となってアルカリ性水溶液に可溶となることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部のみのレリーフパターンの作成が可能となる。
上述のPBO前駆体組成物は、露光およびアルカリ性水溶液による現像でポジ型レリーフパターンの形成が可能であり、硬化後のPBO膜はポリイミド膜と同等の熱硬化膜特性を有しているため、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。しかしながら、これまで開示されている方法によって得られるPBO前駆体組成物には、未だ問題点も多い。
低温でオキサゾール環への閉環反応を進行させるためには、濃硫酸、オキシ塩化リン、ポリリン酸などの脱水剤の使用が有効なことが従来から知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、これらの脱水剤を感光性PBO前駆体組成物に添加することは、組成物の安定性、リソグラフィー性能などを考慮すると非常に困難で、未だに満足なものが提案されていない。
すなわち、本発明の一は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つのエステル化合物0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である。
本発明の四は、本発明の三の製造方法により得られる硬化レリーフパターン層を有してなる半導体装置である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。 (1)ヒドロキシポリアミド
本発明のポジ型感光性樹脂組成物のベースポリマーであるヒドロキシポリアミドは、下記一般式(1)のジヒドロキシジアミド単位m個を含むポリマーである。該ジヒドロキシジアミド単位は、X1 (NH2 )2 (OH)2 の構造を有するビスアミノフェノールおよびY1 (COOH)2 の構造を有するジカルボン酸を縮合させた構造を有する。ここで、該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基はそれぞれ互いにオルト位にあるものである。触媒作用を有する化合物を添加しない場合には、該ヒドロキシポリアミドは通常約300〜400℃に加熱されることによって閉環して、耐熱性樹脂であるポリベンズオキサゾールに変化する。mは2〜1000の範囲が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることが最も好ましい。
前述の一般式(1)で示される繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミドにおいて、その末端基を特定の有機基で封止することも本発明の範囲に含まれる。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド構造あるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書2,772,972号、第2,797,213号、第3,669,658号等により公知の物質である。好ましいものの例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、さらに一般式(2)、または一般式(4)で表わされる少なくとも1つのエステル化合物を含有させることが重要である。なお、以下において、C1〜C8の有機基とは炭素数が1〜8の有機基を意味し、C1〜C10の有機基とは炭素数が1〜10の有機基を意味するものとする。
該エステル化合物の添加量としては、ヒドロキシポリアミド100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。添加量が0.1質量部以上だと低温での熱硬化時のPBOへの閉環反応を促進する効果があり、一方、添加量が30質量部以内であれば組成物の安定性が良好である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、アクリレート系化合物を含有させることが最終硬化膜の機械物性向上の点から好ましい。アクリレート系化合物とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミドからなる群から選択される化合物をいう。
該アクリレート化合物の例としては、新中村化学工業社製NK−エステルシリーズ;M−20G、M−40G、M−90G、M−230G、CB−1、SA、S、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−90G、A−SA、LA、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BG、HD、NPG、9PG、701、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE―1300、A−200、A−400、A−600、A−HD、A−NPG、APG−200、APG−400、APG−700、A−BPE−4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、及びA−TMMTなどが挙げられる。
また、共栄社化学製ライトアクリレートシリーズ IAA、L−A、S−A、BO−A、EC−A、MTG−A、130A、DPM−A、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、THF−A、IB−XA、HOA、HOP−A、M−600A、HOA−MS、HOA−MPE、3EG−A、4EG−A、9EG−A、14EG−A、NP−A、1.6HX−A、1.9ND−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、TMP−A、TMP−6EO−3A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A、BA−104、BA−134、及びG−201Pなどが挙げられる。
これらのアクリレート系化合物の中でも、熱重合性官能基を2つ以上有する化合物が特に好ましい。また、これらの化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
アクリレート系化合物のヒドロキシポリアミドへの配合量は、該ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。アクリレート系化合物の配合量が1質量部以上だと熱硬化後の膜の伸度を改善する効果があり、100質量部以内だと、組成物の安定性が良好である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、従来感光性樹脂組成物の添加剤として用いられている染料、界面活性剤、安定剤、基板との密着性を高めるための接着助剤、架橋剤、溶剤等を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。また、界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類あるいはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤、例えば、フロラード(商品名、住友3M社製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業社製)あるいはスルフロン(商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、例えば、KP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。また、接着助剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー等、および各種シランカップリング剤が挙げられる。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して硬化レリーフパターンを製造する方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布やロールコーターにより塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
第二に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
第三に、照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また、該有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
最後に、得られたレリーフパターンを加熱処理して、ポリベンズオキサゾール構造を有する耐熱性硬化レリーフパターンを形成することができる。この加熱処理は、180℃以上の温度を5分間以上与えるものであり、ある一定温度を保っても良いし、連続的に昇温してもよい。好ましい加熱処理条件は最高温度が200℃以上で、200℃以上である時間が30分間以上のものである。
上述の製造方法によって作成した硬化レリーフパターンは、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、半導体装置を製造することができる。また、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜等としても有用である。
<ヒドロキシポリアミドの合成>
〔参考例1〕
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン173.1g(0.473モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)605.7g、ピリジン71.2g(0.9モル)を室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。これに、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボニルクロリド132.80g(0.45モル)をジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)531.2gに溶解したものを滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は60分、反応液温は最大で30℃であった。
また、更にポリマーの精製が必要な場合は、以下の方法にて実施することが可能である。すなわち、上記で得られたポリマーをDMDGに再溶解した後、これを陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂にて処理し、それにより得られた溶液をイオン交換水中に投入後、析出したポリマーを濾別、水洗、真空乾燥することにより精製されたポリマーを得ることができる。
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン173.1g(0.473mol)、ピリジン71.2g(0.9mol)、DMAc605.7gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途DMDG30g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物7.4g(0.045mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は7分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌したのち反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1および1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。さらにHPLCによる反応追跡により、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパンと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の生成物がすべてイミドになっていることを確認した。
次にこれを氷浴により0℃に冷却し、これに別途DMDG531.2g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド132.8g(0.45mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は120分、反応液温は最大で12℃であった。滴下終了から3時間後 上記反応液を20lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミドP−2を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミドのGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で31000であった。
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン85.0g(0.23mol)、ピリジン35.6g(0.45mol)、DMAc297.4gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途DMDG9g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物2.3g(0.014mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は4分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌したのち反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1および1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。さらにHPLCによる反応追跡により、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパンと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の生成物がすべてイミドになっていることを確認した。
次にこれを氷浴により0℃に冷却し、これに別途DMDG180.5g中にイソフタル酸クロライド13.7g(0.068mol)、および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド46.5g(0.158mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は150分、反応液温は最大で12℃であった。滴下終了から3時間後 上記反応液を20lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミドP−3を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミドのGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で32000であった。
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン259.59g(0.708mol)、ピリジン35.6g(0.45mol)、DMAc908.55gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。ここに、別途γ−ブチロラクトン75.65g中にメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物15.13g(0.09mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は10分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、室温で3時間攪拌放置し、ポリマー鎖の全アミン末端基の99%をカルボキシメチルシクロヘキシルアミド基で封止した。この際の反応率は投入した、メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物の残量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で追跡することにより容易に算出することができる。その後上記反応液を氷浴により0℃に冷却し、これに別途γ−ブチロラクトン948.4g中にイソフタル酸クロライド13.47g(0.066mol)、および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド176.21g(0.597mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は150分、反応液温は最大で12℃であった。滴下終了から3時間後、上記反応液を20lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミドP−4を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミドのGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で22595であった。
容量1lのセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別した後、これにTHF500mlを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
生成物がイミド化していることは、IRスペクトルで1394cm-1および1774cm-1のイミド基の特性吸収が現れ、1540cm-1および1650cm-1付近のアミド基の特性吸収が存在しないこと、およびNMRスペクトルでアミドおよびカルボン酸のプロトンのピークが存在しないことにより確認した。
滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36重量%濃度の塩酸水溶液5.6gを一気に投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。この際得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液5lに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、感光性ジアゾキノン化合物Q−1を得た。
レゾルシノール102.4g(0.92mol)、ヘキサノール92.0g(0.92mol)をエタノール920ml中に溶解した。これを0℃に冷やし12N塩酸を148ml滴下、攪拌した。次にこの混合物を窒素雰囲気下70℃で10時間攪拌した。室温にしたのち濾過によって沈殿物を除去した。濾液を80℃の水で洗浄後乾燥し得られた固体をメタノール及びヘキサン、アセトン混合溶媒で再結晶を行った。その後真空乾燥を行い、レゾルシン環状4量体を収率50%で得た。
次に先に合成したレゾルシン環状4量体を76.9g(0.1mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライドを134.3g(0.5mol、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化率62.5%相当)、テトラヒドロフラン1057gを加え、20℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン53.1g(0.525mol)をテトラヒドロフラン266gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴を用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36重量%濃度の塩酸水溶液6.8gを一気に投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。
この際得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液10lに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、目的の感光性ジアゾキノン化合物Q−2を得た。
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製>
上記参考例1〜4にて得られたヒドロキシポリアミド(P−1〜4)100質量部、上記参考例5、6にて得られたQ−1またはQ−2の感光性ジアゾキノン化合物20質量部、下記式E−1〜E−8(全て東京化成工業社製)の構造を有するエステル化合物10質量部、D−1(和光純薬工業社製ポリリン酸)の脱水剤10質量部、A−1(新中村化学工業社製:NKエステル4G)のアクリレート系化合物を表1に記載の組み合わせでGBL170質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して、実施例1〜8、及び比較例1〜4のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
(1)オキサゾール化率評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、塗膜を形成した。縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、250℃あるいは350℃で1時間のキュア(加熱硬化処理)を施した。得られた硬化膜のIRスペクトルを顕微ATR法により測定し、1490cm-1のピークを基準として用いて各々のスペクトルの大きさを揃えた後、オキサゾール環の特性吸収である1050cm-1のピークの大きさを用いて、以下の式により350℃でのオキサゾール化率を100%とした時の250℃でのオキサゾール化率を算出し表2に示した。
オキサゾール化率(%)=(250℃加熱処理サンプルの1050cm-1のピークの高さ)÷(350℃加熱処理サンプルの1050cm-1のピークの高さ)×100
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、あらかじめスパッタによりアルミニウム膜を形成した5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、膜厚11.0μmの塗膜を形成した。この塗膜を10mm短冊状のパターンのフォトマスクを用いて、キャノン製PLA−501Fで露光した。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、1分浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、250℃で1時間のキュアを施した。この膜を3%フッ酸水溶液に浸し、短冊状のフィルムを剥がし、純水にて充分に洗浄、乾燥後、短冊状のテストサンプルを得た。このフィルムをテンシロンで引っ張り(加重=2kgf、引っ張り速度=40mm/分)、機械特性の評価として破断時の伸び率を測定し表2に示した。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、膜厚10.7μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi−線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これをクラリアントジャパン社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.1μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。ポジ型感光性樹脂組成物の現像時間及び感度を表3に示した。 なお、ポジ型感光性樹脂組成物の感度は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm2 )]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を室温にて1週間放置し、放置後の粘度の変化率を測定した。粘度の変化率を表3に示した。
表2から本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより250℃での加熱硬化処理によってもPBO前駆体からPBOへの閉環反応が充分に進行していることがわかる。また、破断時の伸び率も高い値であった。
表3から、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は現像時間、感度及び安定性を低下させていないことがわかる。これに対し、表2で250℃において充分に閉環反応が進行していた比較例3の組成物は感度及び安定性を大きく低下させていた。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つのエステル化合物0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- エステル化合物が、下記一般式(3)で表される少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(4)で表わされるエステル化合物0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、さらにアクリレート系化合物1〜100質量部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- (1)請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、(2)マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線またはイオン線を直接照射し、(3)露光部または照射部を溶出除去し、(4)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項6に記載の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターン層を有してなることを特徴とする半導体装置。
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