JP2008083528A - 感光性樹脂組成物、それを用いた硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)水酸基の一部が保護基によって保護された特定のポリマー、(2)感光剤、(3)分子内にメタクリロイル基もしくはアクリロイル基を含む化合物、及び(4)溶剤を含有する感光性樹脂組成物、該組成物を用いる硬化レリーフパターンの製造方法、および該硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
【選択図】なし
Description
ところが、感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN-メチル-2-ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
このポジ型感光性樹脂の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物がアルカリ性水溶液に不溶であるのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物が化学変化を起こしインデンカルボン酸化合物となってアルカリ性水溶液に可溶となることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部のみのレリーフパターンの形成が可能となる。上述の感光性ジアゾキノン化合物を画像形成主体とする感光性組成物は、感光性ジアゾキノン化合物が感光性と未露光部の不溶性の機能を一手に担っているために、高感度化と高解像力化を両立することが困難であった。
一方、感光性と未露光部の不溶性の機能を分離する技術として、半導体フォトレジストの分野では露光で触媒量の酸を発生させ、引き続く加熱プロセスにより組成物中のアルカリ不溶の基を露光で発生した酸を触媒とする化学反応でアルカリ可溶の基に変換する化学増幅型の感光性組成物が数多く適用されている。本技術分野に於いても、化学増幅型の感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、化学増幅型の感光性組成物は、その特徴を生かすために、感光剤量が少量になるために、感光剤の膜中の密度が低く、感光剤起因の膜欠陥によって膜物性が不十分であるという場合があった。
また、近年の半導体技術の発展に伴い、微細化の要求があり、半導体用フォトレジスト並みの高解像力更にはマスク寸法と硬化後のパターン寸法差(マスクバイアス)が小さい材料が要求されており、その意味では、半導体フォトレジスト並みのリソグラフィー性能を有し、低温キュアで十分な膜物性を有する材料の開発が待たれていた(例えば、特許文献2参照)。
〔1〕(1)下記一般式(I)で表される、水酸基の一部が保護基によって保護されたポリマー、(2)感光剤、(3)分子内にメタクリロイル基もしくはアクリロイル基を含む化合物、及び(4)溶剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
〔2〕前記Aで表される保護基が、酸との反応で分解する基であること特徴とする、前記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔3〕前記Aで表される保護基が、150℃以上350℃以下の加熱により分解する保護基であることを特徴とする、前記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔4〕前記感光剤が光酸発生剤であることを特徴とする、前記〔1〕又は〔2〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔5〕前記感光剤として、光酸発生剤とキノンジアジド化合物とを含有することを特徴とする、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔6〕更にスルホン酸エステル化合物を含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔7〕更に密着促進剤を含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔8〕前記〔1〕〜〔7〕に記載の感光性樹脂組成物の層を半導体基板上に形成し、マスクを介して光線、電子線、イオン線で露光し、露光部を水性アルカリ現像液で除去し、得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
〔9〕前記〔8〕に記載の製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
本発明の感光性樹脂組成物は、(1)一般式(I)で表される、水酸基の一部が保護基によって保護されたポリマー、(2)感光剤、(3)分子内にメタクリロイル基もしくはアクリロイル基を含む化合物、及び(4)溶剤を含有する。
本発明の水酸基の一部が保護基によって保護され、アルカリ現像液に対する溶解性を低減させたポリマーは下記一般式で表される。
)]の約0〜90モル%である。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルケトン、4,4’-ジアミノジフェニルケトン、3,4’-ジアミノジフェニルケトン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)-1-ペンテン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)-2-ペンテン、1,4-ビス(α,α-ジメチル-4-アミノベンジル)ベンゼン、イミノ-ジ-p-フェニレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)ペンタン、5(または6)-アミノ-1-(4-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、ビス(p-アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’-ジアミノアゾベンゼン、4,4’-ジアミノジフェニル尿素、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ビス[4-(α,α-ジメチル-4-アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(α,α―ジメチル-4-アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、o-トルイジンスルホン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4-(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3-(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-ジ-(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
シリコンジアミンとして、下記構造も挙げることができる。
素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数6〜20のフェニレン基、炭素数3〜20の2価の脂環基、またはこれらを組み合わせて構成される基を表す。R7およびR8で表される1価の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を表す。
より具体的には、下記を挙げることができる。
芳香族基およびヘテロ環基の例としては、下記が挙げられる。
具体的には、一般式(I)で示される構造の基本となるポリアミド樹脂(Gを含まない)を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基を、カルボニル基又はスルホニル基を介して結合する、酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。Gで表される基の好ましい具体例として、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ベンジル)、炭素数1〜10のアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、オクタノイル、ベンゾイル)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル)、および炭素数1〜10のカルバモイル基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、モルホリン−4−イルカルボニル)が挙げられる。
保護基としては、さらに酸の作用により分解する基(酸分解性基)が好ましく、分解により保護前の水酸基よりもpKaの小さな基が生成する基が、露光部と非露光部との溶解速度の差を与えることができより好ましい。また、ポリマーの溶解速度の調整をするために、酸分解性基と非酸分解性基を混合して用いることもできる。
150℃以上350℃以下の加熱により分解する保護基とは、該温度で分解する基であれば特に限定されないが、特に好ましく基としては、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、および置換カルバモイル基を挙げることができる。ここで示すアルキル基とは置換基を有していても良い炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐、環状のアルキルである。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基を挙げることができる。また、カルボニル基もしくはスルホニル基に近い炭素の置換基、もしくはアルキル基の炭素数により、熱安定性を調整することができる。
特に好ましいアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ヘキサデカニルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等を挙げることができる。
特に好ましいアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ヘキサデカニルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基等を挙げることができる。
置換カルバモイル基は、−CO−NH−Rまたは−CO−N(−R)2で表され、Rは脂肪族基、置換脂肪族基、芳香族基、複素芳香族基、置換芳香族基または置換複素芳香族基である。 特に好ましいのは、−CO−N(−R)2である。ここで、脂肪族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましく、1〜10であることがさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。脂肪族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、炭素数1〜4の脂肪族基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12シクロアルキル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基である。芳香族炭化水素基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることがさらに好ましい。芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、置換芳香族基、置換複素芳香族基の置換基と同様である。複素環基は、5員または6員の複素環を有することが好ましい。複素環に、他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。複素環の複素原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子であることが好ましい。複素環基は置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、置換芳香族基、置換複素芳香族基の置換基の例と同様である。好ましい置換カルバモイル基としては、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−ジプロピルカルバモイル基、N,N−ジブチルルカルバモイル基、N,N−ジフェニルカルバモイル基を挙げることが出来るがこれに限定されるものではない。
具体的な保護率としては、ポリマー中の全水酸基の0.5モル%以上50モル%以下を保護することが好ましい。更に、好ましくは0.5モル%以上30モル%以下。特に好ましくは0.5モル%以上20モル%以下である。保護率が高すぎると基板との密着性が低下する、キュア時の膜の重量減少が増加するなどの問題があり好ましくない。また、全く
保護しないときは本発明の効果が得られない。
本発明の感光剤は、露光により画像を形成する機能を感光剤に付与するかつ/またはそのきっかけを与える化合物を指す。具体的には露光による酸を発生する化合物(光酸発生剤)や感光性のキノンジアジド化合物、ジヒドロピリジン化合物を挙げることができる。これら感光剤は2種以上を併用して用いることもできる。また、感度調整のために、増感剤などを併用して用いることもできる。好ましい感光剤は、光酸発生剤と感光性ナフトキノンジアジドである。
R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4-、PF6-、SbF6-などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基としては、Rc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、好ましくは、炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc1及びRc3〜Rc5の有機基として、好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。また、Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201
〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは、直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、更により好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
R201〜R203としての直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものである。
R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基は、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。
R204〜R207のアルキル基は、直鎖、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R207のシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207a及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207aとして好ましくは、アリール基である。R208として好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の含量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜8質量%である。
増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
増感剤の添加量は、光酸発生剤100質量部に対して、一般的には1〜100質量部であり、好ましくは5〜70質量部であり、更に好ましくは10〜50質量部である。
感光剤において、フェノール性水酸基のキノンジアジドスルホン酸基によるエステル化率は30〜100%が好ましく、50〜100%がより好ましい。
R1は、独立に、アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、又は、アルコキシカルボニル基を表す。
R2は、独立に、アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、複数のR2は互いに結合して環を形成してもよい。異なる2つのR2が結合して形成される基としてはアルキレン基を挙げることができる。
a〜cは、独立に1〜3の整数を表す。
l、m、n、pは、0〜3を表す。
a〜cが2又は3のとき、l、m、nは0〜2を表す。
R3は、独立に水素原子又はアルキル基を表す。
R4及びR5は、各々独立に、少なくとも一つの水酸基を有する、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は環状アルキル基を表す。
q及びrは、独立に、1〜3の整数を表す。
環状アルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の環状アルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の環状アルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基等を挙げることができる。
アラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
アシルオキシ基は、炭素数1〜15のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセトキシ基、メチルブチノイルオキシ基、メチルデシノイルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等を挙
げることができる。
アルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
sは1〜3の整数を表す。
aは1〜3の整数を表す。
トリクロルエタン、トリクロルエチレン、ジクロルエタンあるいはγ−ブチルラクトン等の溶媒をフラスコ中に仕込み、塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、4−メチルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−メチルピペリジン等を滴下して縮合させる。反応温度は、通常−20〜60℃、好ましくは0〜40℃である。
本発明の分子内にメタクリロイル基又はアクリロイル基を含む化合物とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルからなる群から選択される化合物である。これら化合物は、アルカリ現像液には不溶であるため、組成物のアルカリ溶解性を抑制する働きがあり、未露光部の膜減りを抑制するために良好な画像形成に役立つ。また、具体的な反応機構は把握していないが、キュア反応の段階で、アクリル基やメタクリル基が組成物中化合物と反応することにより組成物を構成する成分の分子量が部分的に増加することで膜物性が向上する。そのため、アクリロイル基、メタクリロイル基を1分子中に2個以上ある化合物とすることで、この化合物が架橋化合物的な機能が発揮できるためにこのましい。
また、アクリロリル基、メタクリロイル基を含む骨格が芳香環や脂環などの環構造、特に脂環構造を含む物であるものが露光光の透過率およびキュア膜の剛直性のためにより好ましい。
更に、骨格中のエチレンオキサイド(EO)鎖、プロピレンオキサイド(PO)鎖の長さ(n)は長いと膜の剛直性が失われるためにn=1〜5であることが好ましい。
特に好ましくは、AMP-10G、AMP-20GY、ACB-3、A-IB、702A、ABE-300、A-BPE-4、A-BPE-10、A-BPE-20、A-BPE-30、A-BPP-3、A-DCP、A-B1206PE、A-9300、PHE-1G、CB-1、CB-3、CB-23、IB、BPE-100、BPE-200、BPE-300、BPE-500、BPE-900、BPE-1300N、DCPである。
溶剤は本発明の組成物を溶解できるものであれば特に限定されないが、塗布時に溶剤が必要以上に蒸発して塗布時に組成物の固形分が析出しないようにするため、100℃以上の沸点の溶剤が好ましい。
好適な溶剤には、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、およびこれらの混合物のような有機溶剤があるが、これらに限定されない。好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトンおよびN−メチルピロリドンである。最も好ましいのはγ−ブチロラクトンである。
具体的には、プロピレングリコールモノアルキルエーテル及びγ―ブチロラクトンを含む混合溶剤が好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテル及びγ―ブチロラクトンの合計量が溶剤総量の70質量%以上である混合溶剤がより好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテル/γ―ブチロラクトンの混合比は、質量比として95/5〜50/50の範囲が好ましい。
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテを挙げることができ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
双極子モーメント3.5デバイ以上の溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ε−カプロラクタム、アセトニトリル、アクリロニトリル、ベンゾニトリル、ブタンニトリル、クロトンアルデヒド、エチレンカーボネート、ホルムアミド、イソブチルニトリル、メタクリロニトリル、N−メチルアセトアミド、4−メチルブタンニトリル、N−メチルホルムアミド、ペンタンニトリル、ペンタンアセトニトリル、プロパンニトリル、プロピオンニトリル、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾールが挙げられる。これらの中で好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランである。なお双極子モーメント3.5デバイ以上の溶剤は1種類でも2種類以上使用してもかまわない。
本発明のスルホン酸エステルは下記式で示されるものが好ましい。この化合物の作用機構は不明であるが、本発明に対して添加することによりキュア膜の膜物性がより改善される。
本発明のスルホン酸エステルの添加量は、ポリマー100質量部に対して、30質量部以下が好ましい。特に好ましくは0.5質量部以上20質量部以下である。
本発明のスルホン酸エステルの好ましい具体例として下記が挙げられる。
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要により密着性付与のための有機ケイ素化合物、シランカップリング剤、レベリング剤等の密着性付与剤を添加してもよい。これらの例としては、例えば、γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。密着性付与剤を用いる場合は、ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて、レリーフパターンを形成する方法としては、(a)本発明の感光性樹脂組成物を適当な基板上にコートし、(b)コートされたこの基板をベーキングし、(c)活性光線または放射線で露光し、(d)水性現像剤で現像し、そして(e)硬化することにより、硬化されたレリーフパターンを形成することができる。
(1)樹脂A−1の合成
3つ口フラスコ3lに、293g(0.8mol)のヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(日本化薬(株)製)、126.6g(1.6mol)のピリジンおよび1.2kgのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した。これを室温で撹拌し、次いでドライアイス/アセトンバスで−25℃まで冷却した。この溶液に、反応温度を−20℃〜−30℃を維持しながら、73.9g(0.364mol)のイソフタロイルクロライド(東京化成(株)製)、107.4g(0.364mol)の4,4’−オキシビスベンゾイルクロライド(4,4’−オキシビス安息香酸(Aldrich製)を定法にて酸クロリドに変換して得た。)、NMP700gの混合溶液を滴下した。添加が完了した後、得られる混合物を室温で16時間撹拌した。激しく撹拌した50Lの脱イオン水中で、アセトン2Lで希釈した溶液を投入し、析出した白色粉体を濾過によって回収し、そして脱イオン水および水/メタノール(50/50)混合物によって洗浄した。真空下でポリマーを40℃において24時間乾燥させ、目的物である樹脂a−1を得た。収量はほとんど定量的であり、また樹脂a−1の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.4×103、分散度2.1であった。
得られた樹脂(a−1)400gをアセトンに溶解し15%溶液とした。これにエチルマロニルクロリド(Aldrich製)19gを添加し、室温で3時間攪拌した。水酸基を保護するため、この反応液に更にアセチルクロリド13gとピリジン25gを添加し、更に3時間攪拌した。反応終了後、反応液を蒸留水40Lに滴下し、目的物である樹脂A−1を析出させた。析出した白色粉体である樹脂A−1を濾過、取り出しし、乾燥し、目的物である樹脂A−1を得た。収率は90%、また樹脂A−1の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.5×103、分散度2.1であった。1HNMRよりエチルマロニルクロリドの導入率が定量的であったこと、水酸基のアセチル基保護率が7mol%であることを確認した。
合成例1で得た樹脂a−1を使用し、エチルマロニルクロリドの代わりにシクロヘキシルマロニルクロリドを使用した他は合成例1と同様にして樹脂A−2を合成した。樹脂A−2の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.5×103、分散度2.1であった。1HNMRよりシクロヘキシルマロニルクロリドの導入率が定量的であったこと、水酸基のアセチル基保護率が6mol%であることを確認した。
合成例1で得た樹脂a−1を400g、ジグライム/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)の50/50の混合溶媒に溶解し、共沸脱水により系中の水分をのぞくため50℃で溶媒を留去し、固形分濃度15%の溶液とした。系中の水分は0.01%であった。次にエチルマロニルクロリド19gを添加し、室温で3時間攪拌した。得られた溶液にエチルビニルエーテル15g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを添加、室温で3時間撹拌した。得られた溶液にトリエチルアミン10gを加え、反応液を3回水洗し、PGMEA1Lを加えていったん希釈した後、共沸脱水により系中の水分をのぞくため50℃で溶媒を留去し、固形分濃度40%の樹脂A−3PGMEA溶液とした。樹脂A−3の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.5×103、分散度2.1であった。1HNMRよりエチルマロニルクロリドの導入率が定量的であったこと、水酸基のエチルアセタール基保護率が14mol%であることを確認した。
3つ口フラスコ3lに、293g(0.8mol)のヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、126.6g(1.6mol)のピリジンおよび1.2kgのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した。これを室温で撹拌し、次いでドライアイス/アセトンバスで−25℃まで冷却した。この溶液に、反応温度を−20℃〜−30℃を維持しながら、73.9g(0.364mol)のイソフタロイルクロライド、107.4g(0.364mol)の4,4’−オキシビスベンゾイルクロライド、NMP700gの混合溶液を滴下した。添加が完了した後、得られる混合物を室温で16時間撹拌した。激しく撹拌した50Lの脱イオン水中で、アセトン2Lで希釈した溶液を投入し、析出した白色粉体を濾過によって回収し、そして脱イオン水および水/メタノール(50/50)混合物によって洗浄した。真空下でポリマーを40℃において24時間乾燥させ、目的物である樹脂を得た。収量はほとんど定量的であり、またこの樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.3×103、分散度2.0であった。
得られた樹脂400gをアセトンに溶解し15%溶液とした。これにエチルマロニルクロリド19gを添加し、室温で3時間攪拌した。激しく撹拌した50Lの脱イオン水中で、アセトン2Lで希釈した溶液を投入し、析出した白色粉体を濾過によって回収し、そして脱イオン水および水/メタノール(50/50)混合物によって洗浄した。真空下でポリマーを40℃において24時間乾燥させ、目的物である樹脂b−1を得た。この樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.4×103、分散度2.1であった。1HNMRよりエチルマロニルクロリドの導入率が定量的であったことを確認した。
(1)感光剤(P−1)の合成
3つ口フラスコに下記フェノール化合物(BP−1)21.6gと1,4−ジオキサン200mLを加え均一になるまで溶解した。次に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド27gを加え溶解した。反応容器を氷水で10℃まで冷却し、ついでトリエチルアミン11.1gを1時間かけて滴下した。滴下終了後24時間撹拌した。反応終了後蒸留水を加え析出した塩を溶解し30分撹拌し、希塩酸で中和した後、蒸留水1Lに晶析した。析出し濃黄色の粉体を濾取した。濾物をジオキサン200mLに再度溶解し、これを蒸留水1Lに晶析した。析出した濾物を濾過し、濾物を1Lの蒸留水で洗浄、濾過し、濃黄色の粉体である目的物(P−1)39gを回収した。得られた(P−1)を高速液体クロマトグラフィー(Waters社製S1525)により分析した結果、フェノール化合物(BP−1)のエステル化物の純度は98%であった(検出波長254nm)。
使用したフェノール化合物を下記(BP−2)に変更し、使用した1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドの量を2倍にした他は上記合成例と同様の方法で感光剤(P−2)を合成した。得られた(P−2)を高速液体クロマトグラフィー(Waters社製S1525)により分析した結果、フェノール化合物(BP−2)のエステル化物の純度は97.5%であった(検出波長254nm)。
表1に記載した樹脂、感光剤、添加剤、溶剤を混合撹拌した。ついでPTFE製カセット型フィルター(0.1μm)で濾過し、感光性樹脂組成物を調製した。
調製した組成物をシリコンウエーファ上にスピンコートし、そしてホットプレート上で、120℃、4分間ベーキングを行って厚さ9μmのフィルムを得た。このフィルムをi−ラインステッパーを使用し、100ミクロンのビアホール繰り返しパターン、および、横5ミクロン×縦25ミクロンパターンを含むマスクを使用して、露光し、次いで0.262NのTMAH水溶液を基板上に盛り40秒静止現像し、引き続いて新たに0.262NのTMAH水溶液を盛り直し40秒間静止現像し、続いて脱イオン水ですすいだ。その後、100℃、2分間ホットプレート上でベーキングを行った。10ミクロンのビアホールパターンを再現する露光量を最適感度とし、その最適感度の時に横5ミクロン×縦25ミクロンのマスクパターンの横方向のサイズを測定し、設計マスクサイズ5ミクロンとの寸法差[測定サイズ(ミクロン)−5ミクロン]をマスクバイアスと定義する。また、現像後の残膜量を測定し、現像前の膜厚との比率(現像後の膜厚/現像前の膜厚×100)で残膜率を定義した。測定結果を表2に示す。
調製した樹脂溶液をシリコンウエーハー上にスピンコートし、そしてホットプレート上で、120℃で4分間ベーキングを行い、更に窒素条件下300℃で30分、350℃で60時間加熱硬化し、得られたウエハーより樹脂膜をはがしとり、更に幅5mm長さ7cmのサイズにカットした。
得られたサンプルをテンシロンにて両端1cmずつを固定して引っ張り(5mm/分)、破断するまでの伸び率(破断伸び)を測定した。結果を表2に示す。
Claims (9)
- (1)一般式(I)で表される、水酸基の一部が保護基によって保護されたポリマー、
(2)感光剤、
(3)分子内にメタクリロイル基もしくはアクリロイル基を含む化合物、及び
(4)溶剤
を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
式中、Ar1は4価の芳香族基および4価のヘテロ環基から選択される基を表し、Ar2は2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂環基、および珪素を含んでいても良い2価の脂肪族基から選択される基を表し、Ar3は2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂肪族基、および2価の脂環基から選択される基を表し、Ar4は−Ar1(OA)2−およびAr2から選択される基を表し、Aは水素原子又は保護基を表し、Gはカルボニル基又はスルホニル基を介して結合する1価の有機基を表し、xは5〜1000を表し、yは0〜900を表す。ただし、一般式(I)で表されるポリマー中のAのうち、0.5mol%以上が保護基である。 - 前記Aで表される保護基が、酸との反応で分解する基であること特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記Aで表される保護基が、150℃以上350℃以下の加熱により分解する保護基であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光剤が光酸発生剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光剤として、光酸発生剤とキノンジアジド化合物とを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 更にスルホン酸エステル化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 更に密着促進剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7に記載の感光性樹脂組成物の層を半導体基板上に形成し、マスクを介して光線、電子線、イオン線で露光し、露光部を水性アルカリ現像液で除去し、得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
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