JP2017090803A - 層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法、並びにデバイス - Google Patents

層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法、並びにデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】機械特性(例えば破断伸度等)が更に高められた層間絶縁膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体(Z)(但し、アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、を含有する層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、この硬化物を含む層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法、並びに、支持体上に前記の層間絶縁膜を備えたデバイス。【選択図】なし

Description

本発明は、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法、並びにデバイスに関する。
近年、半導体素子の高集積化、大型化が進み、パッケージ基板のより一層の薄型化、小型化への要求がある。これに伴い、半導体素子の表面保護層、層間絶縁膜、又は再配線層を有するパッケージ基板の層間絶縁膜を、より優れた電気特性、耐熱性、機械特性等を併せ持つ材料によって形成することが求められている。
ポリイミド樹脂(以下「PI」という。)やポリベンズオキサゾール(以下「PBO」という。)は、そのような要求特性を満足し得る材料の代表であり、例えば、PIやPBOに感光特性を付与した感光性PIや感光性PBOの使用が検討されている。
これらの感光性樹脂を用いると、パターン形成工程が簡略化されて煩雑な製造工程が短縮できるという利点があるうえ、従来のカルボキシ基を導入してアルカリ現像可能としたビニル系の感光性樹脂に比べ、耐熱性や絶縁抵抗が高いため、上記層間絶縁膜として有効である(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、感光性PIや感光性PBOには、高温(350〜400℃)での焼成が必要であることや、経時安定性が良好でない、形成した樹脂膜の膜減りが大きい、溶剤溶解性が低い等の問題があった。
これに対し、耐熱性が高く、且つ、取り扱い性も良好な感光性アクリル樹脂を用いた層間絶縁膜が提案されている(特許文献3等)。
特開2011−180472号公報 特開2007−031511号公報 特開2008−040183号公報
しかしながら、前記の感光性アクリル樹脂を用いた層間絶縁膜は、機械特性(例えば破断伸度等)に対して更なる要求がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機械特性が更に高められた層間絶縁膜を形成できる感光性樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明の第1の態様は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体(Z)(但し、前記アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、を含有することを特徴とする、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物である。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物の硬化物を含むことを特徴とする、層間絶縁膜である。
本発明の第3の態様は、支持体上に、前記第1の態様の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂組成物層を現像して、層間絶縁膜パターンを形成する工程と、前記層間絶縁膜パターンを加熱して硬化する工程と、を有することを特徴とする、層間絶縁膜の形成方法である。
本発明の第4の態様は、支持体上に、前記第2の態様の層間絶縁膜を備えたことを特徴とする、デバイスである。
本発明によれば、機械特性が更に高められた層間絶縁膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供することができる。
例えば、本発明により、引張強度(膜強度)が維持されつつ破断伸度がより向上した層間絶縁膜を形成できる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
以下、本発明の各態様の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物≫
本発明の第1の態様に係る実施形態は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体(Z)(但し、前記アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、を含有する層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物(以下単に「感光性樹脂組成物」ともいう。)である。
[アルカリ可溶性樹脂(A)]
アルカリ可溶性樹脂(A)(以下「(A)成分」ともいう。)としては、アルカリに対する溶解性を有するアルカリ可溶性基を有する任意の樹脂を採用できる。
該(A)成分としては、例えば、アクリル系樹脂が好適に用いられる。該(A)成分の中でも、後述の一般式(a−1)で表される構成単位(A1)又は脂環式エポキシ基含有単位(A3)を有するものが好ましい。
〔構成単位(A1)〕
構成単位(A1)は、下記一般式(a−1)で表される。
Figure 2017090803
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Ra01は、水酸基を有する有機基又は水素原子を表す。]
一般式(a−1)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。炭素数1〜5のアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
一般式(a−1)中、Ra01は、水酸基を有する有機基又は水素原子を表す。
ここで、有機基としては、例えば、分岐鎖状、直鎖状、又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基を挙げられる。
Ra01が水酸基を有する有機基である場合、Ra01は、その構造中に少なくとも一つの水酸基を有する。前記有機基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。有機基の炭素数が前記の好ましい下限値以上であると、保存安定性や層間絶縁層の低誘電率化の面で好ましく、有機基の炭素数が前記の好ましい上限値以下であると、解像性に優れる。
なお、構成単位(A1)において、Ra01が水素原子の場合、即ち、メタクリル酸やアクリル酸等を選択することも、共重合体のアルカリ現像性を高める上で有効であるが、保存安定性の面から、Ra01として、上記の水酸基を有する有機基を採用することが好ましい。
好ましい構成単位(A1)の例として、下記一般式(a−1−1)で表される構成単位を挙げることができる。
Figure 2017090803
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Ya01は、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。Ra001は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。aは1〜5の整数であり、bは0又は1〜4の整数であり、a+bは5以下である。なお、Ra001が2つ以上存在する場合、これらのRa001は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。]
一般式(a−1−1)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記と同様である。一般式(a−1−1)中、Rは、メチル基であることが好ましい。
Ya01は、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。炭素数1〜5のアルキレン基としては、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基等が挙げられる。中でも、単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。
Ya01は、アルカリ可溶性を向上させることができることと、更に層間絶縁膜としたときの耐熱性が向上することから、単結合であることが好ましい。
ここで、aは、1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1であることが好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、Ya01と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
Ra001は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。炭素数1〜5のアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
ここで、bは、0又は1〜4の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、bは0であることが好ましい。
構成単位(A1)として、更に具体的には、o−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートまたはp−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、特に、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)成分が有する構成単位(A1)は、1種でも2種以上でもよい。
(A)成分における前記構成単位(A1)の含有比率は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜70モル%であることが好ましく、15〜60モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
〔脂環式エポキシ基含有単位(A3)〕
脂環式エポキシ基含有単位(A3)としては、例えば、脂環式エポキシ基を構造中に有し、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位が挙げられる。
脂環式エポキシ基の脂環式基の炭素数は、5〜10が好ましい。(A)成分が脂環式エポキシ基含有単位(A3)を有することで、アウトガス発生の原因となる低分子量架橋成分を感光性樹脂組成物に添加せずとも、その耐熱性を向上することが可能となる。
脂環式エポキシ基含有単位(A3)として、例えば、以下の一般式(1)〜(31)でそれぞれ表される脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物から誘導される構成単位が挙げられる。
Figure 2017090803
Figure 2017090803
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。R、R及びRは同一又は異なってもよい。wは0〜10の整数を示す。
これらの中でも、一般式(1)〜(6)、(14)、(16)、(18)、(21)、(23)〜(25)、(30)でそれぞれ表されるものが好ましく、一般式(1)〜(6)でそれぞれ表されるものがより好ましい。
(A)成分が有する脂環式エポキシ基含有単位(A3)は、1種でも2種以上でもよい。
(A)成分における前記脂環式エポキシ基含有単位(A3)の含有比率は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜40モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることがさらに好ましい。
脂環式エポキシ基含有単位(A3)の含有比率が5モル%以上であれば、層間絶縁膜の耐熱性や密着性を高めることができ、40モル%以下であると、層間絶縁膜の誘電率を低く抑えることができる。
〔その他構成単位〕
(A)成分は、上述の構成単位(A1)、脂環式エポキシ基含有単位(A3)以外の構成単位(その他構成単位)を有してもよい。
かかるその他構成単位としては、構成単位(A1)、脂環式エポキシ基含有単位(A3)と共重合し得るものであれば特に制限されず、例えば、以下に示す構成単位(A2)、構成単位(A4)等が挙げられる。
・構成単位(A2)について
(A)成分は、下記一般式(a−2)で表される構成単位(A2)を有することが好ましい。
Figure 2017090803
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Rbは、炭化水素基を表す。]
前記一般式(a−2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記と同様である。
Rbの炭化水素基としては、例えば、分岐鎖状、直鎖状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を挙げることができる。
前記炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。この炭素数が20以下であれば、アルカリ解像性は十分であり、炭素数が1以上であれば、層間絶縁膜の誘電率を低減できて好ましい。
更に、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12が好ましく、1〜6が最も好ましい。分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数3〜12が好ましく、3〜6が最も好ましい。環状のアルキル基としては、炭素数6〜20が好ましく、6〜12が最も好ましい。置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基としては、炭素数6〜20が好ましく、6〜12が最も好ましい。
構成単位(A2)として具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、t−オクチルアクリレート等の直鎖あるいは分岐鎖アルキルアクリレート;シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート等の脂環式アルキルアクリレート;ベンジルアクリレート、アリールアクリレート(例えば、フェニルアクリレート)等から誘導されるものが挙げられる。
あるいは、構成単位(A2)として具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート等の直鎖又は分岐鎖アルキルメタクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等の脂環式アルキルメタクリレート;ベンジルメタクリレート、アリールメタクリレート(例えばフェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート等)等から誘導されるものが挙げられる。
上記構成単位(A2)を(A)成分に導入することにより、共重合体の溶解スピードを調整することができる。構成単位(A2)としては、特に脂環式の基を有する単量体から誘導されるものが、層間絶縁膜の低誘電率化の面から好ましい。
(A)成分が有する構成単位(A2)は、1種でも2種以上でもよい。
(A)成分における構成単位(A2)の含有比率は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜50モル%であることが好ましい。
・構成単位(A4)について
(A)成分には、本発明の目的に反しない範囲で構成単位(A1)〜(A3)以外の構成単位(A4)を有していてもよい。この構成単位(A4)としては、例えば、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、及びスチレン類等から選ばれる単量体に由来する構成単位が挙げられる。
アクリルアミド類としては、具体的には、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシフェニル基等)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基の炭素数は1〜10が好ましい)、N,N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基等が挙げられる)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドが挙げられる。
メタクリルアミド類としては、具体的には、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基等が挙げられる。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基等が挙げられる。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドが挙げられる。
アリル化合物としては、具体的には、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、具体的には、アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等)が挙げられる。
ビニルエステル類としては、具体的には、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルが挙げられる。
スチレン類としては、具体的には、スチレン、アルキルスチレン(例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等)、ハロゲンスチレン(例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロム−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等)が挙げられる。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も挙げられる。
上記その他構成単位としては、脂環式の基を有する単量体から誘導されるものを選択することが、層間絶縁膜の誘電率を低下させる点で好ましい。
本実施形態において、(A)成分は、前記構成単位(A1)と前記脂環式エポキシ基含有単位(A3)とを有する共重合体を含むことが好ましく、前記の構成単位(A1)、(A2)及び(A3)からなる共重合体を含むことがより好ましい。
(A)成分の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値)は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。Mwを2000以上とすることにより、容易に膜状に形成することが可能となる。また、Mwを50000以下とすることによって、適度なアルカリ溶解性を得ることが可能となる。
上記(A)成分は、公知のラジカル重合により、製造することができる。例えば、前記の構成単位(A1)を誘導する重合性単量体、脂環式エポキシ基含有単位(A3)を誘導する重合性単量体、その他構成単位等を誘導する重合性単量体、及び公知のラジカル重合開始剤を重合溶媒に溶解した後、加熱撹拌することにより製造することができる。
更に、(A)成分は、上記構成単位(A1)又は脂環式エポキシ基含有単位(A3)を有する重合体以外に、1種以上の他の重合体を含んでいてもよい。
(A)成分に占める、かかる他の重合体の割合は、(A)成分の総量(100質量%)に対して、50質量%以下であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましい。
かかる他の重合体の質量平均分子量(Mw)は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。
[感光剤(B)]
本実施形態における感光剤(B)(以下「(B)成分」ともいう。)としては、感光成分として使用できる化合物であれば特に限定されるものではないが、例えばキノンジアジド基含有化合物が好適に挙げられる。
キノンジアジド基含有化合物として、具体的には、フェノール化合物(フェノール性水酸基含有化合物ともいう。)と、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物と、の完全エステル化物又は部分エステル化物が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)等のトリスフェノール型化合物;
2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物等のリニア型ポリフェノール化合物;
ビス(2,3,−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン等のビスフェノール型化合物;1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等の多核枝分かれ型化合物;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の縮合型フェノール化合物等が挙げられる。
これらは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸等を挙げることができる。
また、他のキノンジアジド基含有化合物、例えばオルトベンゾキノンジアジド、オルトナフトキノンジアジド、オルトアントラキノンジアジド又はオルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類等のこれらの核置換誘導体が挙げられる。更には、オルトキノンジアジドスルホニルクロリドと、水酸基又はアミノ基をもつ化合物(例えばフェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエテール、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を一部残してエステル化又はエ−テル化された没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン等)と、の反応生成物等も用いることができる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのキノンジアジド基含有化合物は、例えばトリスフェノール型化合物と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドとをジオキサン等の適当な溶剤中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリの存在下で縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより製造することができる。
また、上記(B)成分としては、非ベンゾフェノン系のキノンジアジド基含有化合物を用いることが好ましく、多核枝分かれ型化合物を用いることがより好ましい。
また、このフェノール性水酸基含有化合物は、350nmの波長におけるグラム吸光係数が1以下であることが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物において、より高い感度が得られ、層間絶縁膜としたときの透過率(透明性)を向上させることができる。
更に、上記フェノール性水酸基含有化合物は、分解温度が、300℃以上であることがより好ましい。これにより、層間絶縁膜の透明性を確保することができる。
このような(B)成分としては、キノンジアジド基含有化合物が好ましく、特にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物が好ましい。なかでも、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を好適に用いることができる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物中、(B)成分の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましく、15〜25質量部がさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物中、(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、10〜40質量%が好ましく、12〜30質量%がより好ましい。
(B)成分の含有量を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることによって、解像度を向上させることが可能となる。また、パターンを形成した後の、パターンの膜減り量を低減させることが可能となる。また、(B)成分の含有量を、前記の好ましい範囲の上限値以下とすることによって、適度な感度や透過率を付与することが可能となる。
[重合体(Z)]
本実施形態における重合体(Z)(以下「(Z)成分」ともいう。)は、官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有するものである。
官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートとは、分子中に、ウレタン結合(−NH−CO−O−)と、3つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基と、を有する重合性単量体を意味する。
ウレタン(メタ)アクリレートの官能基数は、3以上であり、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜5、さらに好ましくは3又は4、特に好ましくは3である。
(Z)成分は、構成単位の繰返しの数(重合度)の低い(例えば、2〜20程度の)オリゴマー、並びに、これより重合度の高いプレポリマー及びポリマーをいずれも包含する。
本実施形態の感光性樹脂組成物においては、(Z)成分を含有することで、(Z)成分を含有しないものに比べ、引張強度(膜強度)が維持されつつ破断伸度がより向上し、機械特性が高められた層間絶縁膜を形成できる。
例えば、(Z)成分としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物と、(メタ)アクリロイルオキシ基とヒドロキシ基とを有する(メタ)アクリレートモノマーと、を反応させることによって得られるものが好適に挙げられる。
前記のポリオール化合物としては、芳香族ポリオール、脂肪族ポリオール、脂環式のポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
脂肪族ポリオール又は脂環式のポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブチリオン酸、グリセリン、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、前記の芳香族ポリオール、脂肪族ポリオール若しくは脂環式のポリオールと多塩基性カルボン酸(無水物)との脱水縮合反応により得られるものが挙げられる。多塩基性カルボン酸又はその無水物としては、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)トリメリット酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリアルキレングリコールのほか、前記ポリオール若しくはフェノール類とアルキレンオキシドとの反応により得られるポリオキシアルキレン変性ポリオールが挙げられる。
前記のポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネート等のトリイソシアネート、又はジイソシアネートを多量化させて得られるポリイソシアネート等が挙げられる。
前記の(メタ)アクリロイルオキシ基とヒドロキシ基とを有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
〔構成単位(z1)〕
構成単位(z1)は、官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位である。
好ましいウレタン(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(z−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017090803
[式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Vz01は、ポリオールに由来する基を含有する2価の連結基を表す。Wz01は、3価以上の有機基を表す。nzは3以上の数である。]
前記式(z−1)中、Vz01は、ポリオールに由来する基を含有する2価の連結基を表す。ここでのポリオールとしては、上記のポリオール化合物と同様のものが挙げられる。
以下に、ポリオールに由来する基を含有する2価の連結基を表すVz01の好適な具体例を挙げる。式中の「*」は、酸素原子に結合する結合手であることを表す(以下同じ)。
Figure 2017090803
前記式(z−1)中、Wz01は、3価以上の有機基を表す。
ここでの有機基としては、上記のポリイソシアネート化合物における−N=C=O以外の部分に由来する基が挙げられる。
以下に、3価以上の有機基を表すWz01の好適な具体例を挙げる。
Figure 2017090803
前記式(z−1)中、nzは、3以上の数であり、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜5、さらに好ましくは3又は4、特に好ましくは3である。
(Z)成分が有する構成単位(z1)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(Z)成分が有する構成単位(z1)の含有比率は、(Z)成分を構成する全構成単位の合計に対して、90モル%以上であることが好ましく、93モル%以上がより好ましく、95モル%以上がさらに好ましく、100モル%であってもよい。
構成単位(z1)の含有比率を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることにより、層間絶縁膜を形成した際、引張強度(膜強度)が維持されつつ破断伸度がより向上しやすくなる。
〔その他構成単位〕
(Z)成分は、上述の構成単位(z1)以外の構成単位(その他構成単位)を有してもよい。
かかるその他構成単位としては、公知の重合方法によって構成単位(z1)と共重合し得るものであれば特に制限されず、例えば、以下に示す構成単位(z2)、上記の構成単位(A4)等が挙げられる。
・構成単位(z2)について
(Z)成分は、構成単位(z1)に加えて、さらに架橋性基を有する構成単位(z2)を有してもよい。(Z)成分が構成単位(z2)を有する場合、感光性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜を形成する際に(Z)成分が(A)成分と架橋しやすくなるため、機械特性等が良好である層間絶縁膜が形成されやすくなる。
構成単位(z2)としては、架橋性基を有するものであれば特に限定されないが、エポキシ基含有重合性不飽和化合物から誘導される構成単位が好ましい。
エポキシ基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、ビニル基とエポキシ基とを有する化合物が挙げられる。具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルフェニルプロピル]アクリルアミド、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、前記脂環式エポキシ基含有単位(A3)を誘導する重合性単量体(上記の一般式(1)〜(31)でそれぞれ表される脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物)などが挙げられる。
中でも、構成単位(z2)としては、アクリル酸グリシジルから誘導される構成単位、メタクリル酸グリシジルから誘導される構成単位、上記の一般式(1)〜(31)でそれぞれ表される脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物から誘導される構成単位が好ましく、アクリル酸グリシジルから誘導される構成単位、メタクリル酸グリシジルから誘導される構成単位がより好ましい。
(Z)成分が有する構成単位(z2)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(Z)成分が構成単位(z2)を有する場合、(Z)成分における構成単位(z2)の含有比率は、(Z)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10モル%以下が好ましく、7モル%以下がより好ましく、0.1〜5モル%がさらに好ましい。
構成単位(z2)の含有比率を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることにより、(Z)成分が(A)成分と適度に架橋し、機械特性等が良好である層間絶縁膜をより形成しやすくなる。構成単位(z2)の含有比率を、前記の好ましい範囲の上限値以下とすることにより、構成単位(z1)とのバランスをとることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物においては、(Z)成分を、以下に示す市販品を用いて配合することができる。
官能基数が3であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体は、例えば、CN929、CN944B85、CN989、CN9008(以上、商品名;サートマー・ジャパン株式会社製);EBECRYL204、EBECRYL205、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL294/25HD、EBECRYL1259、EBECRYL4820、EBECRYL8465、EBECRYL9260、KRM8296、EBECRYL8311、EBECRYL8701、KRM8667、EBECRYL8201、(以上、商品名;ダイセル・オルネクス製)等の市販品を用いることで配合できる。
官能基数が4以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体は、例えば、U−6HA、U−6H、U−15HA、UA−32P、U−324A、UA−7200(以上、商品名;新中村化学工業製);CN968、CN9006、CN9010(以上、商品名;サートマー・ジャパン株式会社製);UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、UN−904、UN−901T、UN−905、UN−952(以上、商品名;根上工業製);EBECRYL8210、EBECRYL8405、KRM8528(以上、官能基数が4)、EBECRYL220、EBECRYL1290、KRM8200、KRM8200AE、EBECRYL5129、EBECRYL8254、EBECRYL8301R(以上、官能基数が6)、官能基数が9のKRM8904、官能基数が10のKRM8452(以上、商品名;ダイセル・オルネクス製)等の市販品を用いることで配合できる。
上記の中でも、かかる市販品としては、官能基数が3であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体を配合できるものが好ましい。
また、(Z)成分の中では、本発明の効果がより得られやすいことから、以下に示す物性を満足するものが好ましい。
(Z)成分は、破断伸度が100%以下を示すものが好ましく、より好ましくは5〜99%のもの、さらに好ましくは30〜60%のものである。
(Z)成分は、硬化物のガラス転移温度が90℃以下であるものが好ましく、より好ましくは60℃以下のもの、さらに好ましくは−20〜40℃のものである。
(Z)成分の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値)は、3000以下であるものが好ましく、より好ましくは500〜2500のもの、さらに好ましくは1000〜2000のものである。
(Z)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物中、(Z)成分の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、5〜20質量部が好ましく、7〜20質量部がより好ましく、7〜15質量部がさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物中、(Z)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
(Z)成分の含有量を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることによって、破断伸度をより向上させることができる。また、(Z)成分の含有量を、前記の好ましい範囲の上限値以下とすることによって、充分な膜強度が維持されやすくなる。
[任意成分]
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)、感光剤(B)及びウレタン(メタ)アクリレート化合物(Z)に加えて、これら以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
かかる任意成分としては、例えば、熱酸発生剤(T)、シランカップリング剤(C)、架橋剤(D)、有機溶剤(S)、界面活性剤(E)、増感剤、消泡剤等の各種添加剤が挙げられる。
・熱酸発生剤(T)について
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、さらに熱酸発生剤(T)(以下「(T)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物が(T)成分を含有する場合、熱硬化処理時に、熱により発生する酸の作用によって、感光性樹脂膜中の重合反応(特にアルカリ可溶性樹脂中のエポキシ基での重合)がさらに促進され、膜密度が向上すると考えられる。
(T)成分としては、公知のものから適宜選択して用いればよく、トリフルオロメタンスルホン酸塩、三フッ化ホウ素エーテル錯化合物、六フッ化リン酸塩、パーフルオロブタンスルホン酸、三フッ化ホウ素等のカチオン系又はプロトン酸触媒等を用いることができる。中でも、6フッ化リン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸が好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸がより好ましい。
(T)成分の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸ジエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸エチルジイソプロピルアンモニウム等が挙げられる。
また、光酸発生剤としても用いられる芳香族オニウム塩のうち、熱によりカチオン種を発生するものがあり、これらも(T)成分として用いることができる。例えば、サンエイドSI−45、SI−47、SI−60、SI−60L、SI−80、SI−80L、SI−100、SI−100L、SI−110L、SI−145、I−150、SI−160、SI−180L、SI−B3、SI−B3A(三新化学工業株式会社製)等が挙げられる。その他にも、CI−2921、CI−2920、CI−2946、CI−3128、CI−2624、CI−2639、CI−2064(日本曹達株式会社製)、CP−66、CP−77(株式会社ADEKA製)、FC−520(3M社製)K―PURE TAG−2396、TAG−2713S、TAG−2713、TAG−2172、TAG−2179、TAG−2168E、TAG−2722、TAG−2507、TAG−2678、TAG−2681、TAG−2679、TAG−2700、TAG−2710、TAG−2100、CDX−3027、CXC−1615、CXC−1616、CXC−1750、CXC−1738、CXC−1614、CXC−1742、CXC−1743、CXC−1613、CXC−1739、CXC−1751、CXC−1766、CXC−1763、CXC−1736、CXC−1756、CXC−1821、CXC−1802−60(KING INDUSTRY社製)等が挙げられる。
上記のなかでも、(T)成分は、トリフルオロメタンスルホン酸塩又は六フッ化リン酸塩が好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸塩がより好ましい。
(T)成分の酸発生温度は、プリベークの温度以上であることが好ましく、具体的には、110℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。
なお、(T)成分の酸発生温度がプリベーク温度よりも低いと、プリベーク時に(T)成分から酸が発生し、感光性樹脂膜中でエポキシ基の重合が進行してしまうため、露光部におけるアルカリ溶解性が低下してしまい、良好なパターンが形成しにくくなるおそれがある。
一方、(T)成分の酸発生温度を、プリベークの温度以上とした場合には、感光性樹脂膜形成後の熱硬化処理時において、感光性樹脂膜中の重合を促進できるため、パターン形成を阻害することなく、膜密度の向上に寄与できると考えられる。
(T)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物中、(T)成分の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましく、0.1〜0.2質量部がさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物中、(T)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.4質量%がさらに好ましい。
(T)成分の含有量を、前記の好ましい範囲の上限値以下とすることによって、熱酸発生剤自身の光吸収の影響が低減されるため、光の透過性を良好なものとすることができ、良好にパターンを形成できると考えられる。(T)成分の含有量を、前記の好ましい範囲の下限値以上とすることによって、重合に必要な酸発生量が確保されて重合が促進されるため、膜密度の高い膜を形成することができると考えられる。この結果、感光性樹脂膜の耐薬品性が向上すると考えられる。具体的には、例えば、半導体製造工程に供されるときに曝される溶剤(例えば、PGMEA、PGME、N−メチルピロリドン(NMP)等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮できる。
・シランカップリング剤(C)について
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤(C)(以下「(C)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物が(C)成分を含有する場合、感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性をより向上できる、加えて、感光性樹脂組成物により形成された膜の性質を調整することができる。
(C)成分として、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物中、(C)成分の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましく、0.5〜2質量部がさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物が(C)成分を含有する場合、感光性樹脂組成物中、(C)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が前記の好ましい範囲内であると、感光性樹脂組成物から形成されるパターンと基板との密着性が向上して好ましい。
・架橋剤(D)について
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、さらに架橋剤(D)(以下「(D)成分」ともいう。)を含有してもよい。(D)成分としては、オキセタン含有化合物、エポキシ基含有化合物及びブロックイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
〔オキセタン含有化合物、エポキシ基含有化合物〕
オキセタン基又はエポキシ基を有する化合物としては、例えば、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル、p−フェニルフェノールグリシジルエーテル、グリシジルシンナメート、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシドール、N−グリシジルフタルイミド、1,3−ジブロモフェニルグリシジルエーテル、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製)、オキセタンアルコール等が挙げられる。
オキセタン含有化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成株式会社製)を用いることができる。
エポキシ基含有化合物の具体例としては、エポキシ樹脂EXA4850−150、エポキシ樹脂EXA4850−1000(ともにDIC株式会社製)を用いることができる。
〔ブロックイソシアネート化合物〕
本実施形態において使用されるブロックイソシアネート化合物は、常温では不活性であり、加熱されることによって、オキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等のブロック剤が解離してイソシアネート基を再生する化合物である。
ブロックイソシアネート化合物は、イソシアネート化合物とブロック剤とを反応させることによって製造できる。
イソシアネート化合物としては、公知のものを使用でき、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体などが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;ジシクロへキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体などが好ましい。
中でもアダクト体としては、脂肪族ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加体が好ましく、ビウレット体としては、ヘキサメチレンジイソシアネートと水又は三級アルコールとの反応物が好ましく、イソシアヌレート体としてはヘキサメチレンジイソシアネートの三量体が好ましい。
ブロック剤とは、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離してイソシアネート基を生成する化合物である。
ブロック剤の具体例としては、例えば、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム、プロピオラクタムなどのラクタム化合物;メチルエチルケトオキシム、メチルイソアミルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、クレゾール、カテコール、ニトロフェノールなどの単環フェノール化合物;1−ナフトールなどの多環フェノール化合物;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、トリメチロールプロパン、2−エチルヘキシルアルコールなどのアルコール化合物、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル化合物;マロン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸アルキルエステル、アセチルアセトンなどの活性メチレン化合物などが挙げられる。
ブロック剤は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
イソシアネート化合物とブロック剤との反応は、例えば、活性水素を持たない溶剤(1.4ジオキサン、セロソルブアセテート等)中にて50〜100℃の加熱下、および必要に応じてブロック化触媒の存在下で行われる。
イソシアネート化合物とブロック剤との使用割合は、特に制限されないが、イソシアネート化合物中のイソシアネート基とブロック剤との当量比として、好ましくは0.95:1.0〜1.1:1.0であり、さらに好ましくは1:1.05〜1.15である。
ブロック化触媒としては、公知のものを使用でき、例えば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムフェノラート、カリウムメチラートなどの金属アルコラート;テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド;これらの酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩などの有機弱酸塩、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
ブロック化触媒は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
ブロックイソシアネート化合物としては、市販品も使用できる。市販品の具体例としては、TPA−B80E(商品名、旭化成株式会社製、イソシアヌート型)、17B−60P(商品名、旭化成株式会社製、ビウレット型)、E402−B80B(商品名、旭化成株式会社製、アダクト型)などが挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
感光性樹脂組成物中、ブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、1〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
上述の中でも、(D)成分としては、層間絶縁膜の機械特性を向上させる観点から、ブロックイソシアネート化合物を採用することが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物の中でも、アダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用することが好ましい。
アダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用する場合、感光性樹脂組成物中、アダクト型のブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、10〜40質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。この範囲内とすることにより、層間絶縁膜の機械特性の向上に加え、熱耐性も付与することができる。
・有機溶剤(S)について
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、塗布性を改善したり、粘度を調整したりするために、有機溶剤(S)(以下「(S)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。
(S)成分としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート(MA)、3−メトキシブタノール(BM)、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル又はこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でもPGME、PGMEA、MAや、PGMEとPGMEAとの混合溶剤、MAとBMとの混合溶剤等を用いることが好ましい。
有機溶剤(S)の使用量は、特に限定されないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。具体的には、感光性樹脂組成物の固形分濃度が10〜50質量%、特に15〜40質量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
・界面活性剤(E)について
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、界面活性剤(E)(以下「(E)成分」ともいう。)を含有していてもよい。(E)成分を含有することにより、塗布性、平坦性を向上させることができる。
(E)成分は、従来公知のものであってよく、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられる。
(E)成分としては、例えば、シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が挙げられる。具体的には、シリコーン系界面活性剤は、BYK−Chemie社のBYK−077、BYK−085、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−335、BYK−341v344、BYK−345v346、BYK−348、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358、BYK−361、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−380、BYK−390などを使用することができる。
フッ素系界面活性剤としては、DIC(DaiNippon Ink&Chemicals)社のF−114、F−177、F−410、F−411、F−450、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−472SF、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−172D、MCF−350SF、TF−1025SF、TF−1117SF、TF−1026SF、TF−1128、TF−1127、TF−1129、TF−1126、TF−1130、TF−1116SF、TF−1131、TF1132、TF1027SF、TF−1441、TF−1442などを使用することができる。
他の界面活性剤としては、X−70−090(商品名、信越化学工業社製)等も挙げることができる。
(E)成分は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
感光性樹脂組成物中、(E)成分の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.3質量部がより好ましく、0.05〜0.2質量部がさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、感光性樹脂組成物中、(E)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分(100質量%)に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%である。
(E)成分の含有量が前記の好ましい範囲内であると、感光性樹脂組成物から形成されるパターンと基板との密着性が向上して好ましい。
増感剤には、従来公知のレジスト等に用いられるものを使用することができる。増感剤としては、例えば、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
消泡剤としては、従来公知のものであってよく、シリコーン系化合物、フッ素系化合物が挙げられる。
本実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、例えば、(A)成分と、(B)成分と、(Z)成分と、任意成分とを、ロールミル、ボールミル、サンドミル等の撹拌機で混合(分散又は混練)し、必要に応じて5μmメンブランフィルター等のフィルターで濾過して調製することができる。
以上説明した本実施形態の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)及び感光剤(B)と共に重合体(Z)を併有する。この(Z)成分は、官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する。
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、分子中に、3つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、本実施形態の感光性樹脂組成物においては、より密な構造の層間絶縁膜が形成されやすくなる。
加えて、前記ウレタン(メタ)アクリレートは、分子中に、ウレタン結合(−NH−CO−O−)部分を含むハードセグメントと、該ウレタン結合と前記(メタ)アクリロイルオキシ基との間にソフトセグメントと、を有する。そして、形成される層間絶縁膜に対し、ハードセグメントは膜の強靭性に寄与し、ソフトセグメントは膜の弾性に寄与し得る。
一般に、層間絶縁膜において、膜強度は、破断伸度とトレードオフの関係にあることが知られている。しかし、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、(A)成分及び(B)成分と共に(Z)成分を併有することで、機械特性が高められた層間絶縁膜、例えば引張強度(膜強度)が維持されつつ破断伸度がより向上した層間絶縁膜を形成できる。
≪層間絶縁膜≫
本発明の第2の態様に係る実施形態は、前記第1の態様に係る実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁膜である。
本実施形態の層間絶縁膜は、例えば後述の層間絶縁膜の形成方法によって形成される。
本実施形態の層間絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品における層状に配置される配線の間を絶縁するために設ける層間絶縁膜として好適に用いることができる。
≪層間絶縁膜の形成方法≫
本発明の第3の態様に係る実施形態は、支持体上に、前記第1の態様に係る実施形態の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂組成物層を現像して、層間絶縁膜パターンを形成する工程と、前記層間絶縁膜パターンを加熱して硬化する工程と、を有する、層間絶縁膜の形成方法である。
本実施形態の層間絶縁膜の形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
感光性樹脂組成物層を形成する工程:
まず、基板等の支持体上に、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物をスピンナー、ロールコーター、スプレーコーター、スリットコーター等を用いて塗布し、乾燥させて、感光性樹脂組成物層を形成する。
上記基板としては、例えば、透明導電回路等の配線を備え、必要に応じてブラックマトリクス、カラーフィルタ、偏光板等を備えるガラス板が挙げられる。
上記乾燥の方法としては、例えば(1)ホットプレートにて80〜120℃の温度にて60〜120秒間乾燥する方法、(2)室温にて数時間〜数日放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分〜数時間入れて溶剤を除去する方法、のいずれでもよい。
上記感光性樹脂組成物層の膜厚は、特に限定されるものではないが、1.0〜5.0μmであることが好ましい。
露光する工程:
次いで、所定のマスクを介して、露光を行う。
この露光は、紫外線、エキシマレーザ光等の活性エネルギー線を照射することにより行う。この活性エネルギー線の光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、エキシマレーザー発生装置等が挙げられる。
照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30〜2000mJ/cmであればよい。
現像して層間絶縁膜パターンを形成する工程:
次いで、露光された感光性樹脂組成物層を、現像液で現像して、層間絶縁膜パターンを形成する。この現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液のような有機アルカリ水溶液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機アルカリ水溶液が挙げられる。
かかる現像により、支持体上の所望の範囲に層間絶縁膜パターンを形成することができる。
硬化する工程:
最後に、前記の層間絶縁膜パターンを加熱して硬化する。
この層間絶縁膜パターンの加熱は、例えば300℃以下の条件で行うことが好ましく、250℃以下の条件で行うことがより好ましく、200〜250℃の条件で行うことがさらに好ましい。
≪デバイス≫
本発明の第4の態様に係る実施形態は、支持体上に、前記第2の態様に係る実施形態の層間絶縁膜を備えたデバイスである。
本実施形態のデバイスは、例えば、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品用として好適なものである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪感光性樹脂組成物の調製≫
(実施例1〜9、比較例1〜7)
表1に示す各成分を混合して得られた混合物を、PGMEA/PGME=60/40(質量比)の混合溶剤に溶解して、感光性樹脂組成物を調製した。
なお、実施例1〜9及び比較例1〜7の感光性樹脂組成物の固形分濃度は、いずれも40質量%である。
Figure 2017090803
上記表1中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合部数(質量部)である。
(A)−1:下記高分子化合物(A)−1(共重合組成比x/y/z=50/30/20、Mw=17000)。
(B)−1:下記化合物(B’)−1に対し、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル2モルを反応させたキノンジアジド基含有化合物。
Figure 2017090803
(C)−1:下記化合物(C)−1。
Figure 2017090803
(T)−1:熱酸発生剤(KING INDUSTRY社製、TAG−2690)。
(E)−1:シリコン系表面調整剤(ビックケミー・ジャパン社製、BYK−310)。
(Z)−1:脂肪族ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名KRM8296、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数3、破断伸度42%、60℃での粘度2400mPa・s、硬化物のガラス転移温度−11℃。
(Z)−2:脂肪族ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名EBECRYL9260、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数3、破断伸度35%、60℃での粘度3000mPa・s、硬化物のガラス転移温度21℃。
(Z)−3:脂肪族ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名EBECRYL8465、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数3、破断伸度50%、60℃での粘度21000mPa・s、硬化物のガラス転移温度30℃。
(Z’)−1:ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名EBECRYL8411、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数2、破断伸度280%、60℃での粘度7000mPa・s、硬化物のガラス転移温度−18℃。
(Z’)−2:ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名EBECRYL8800、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数2.5、破断伸度75%、65℃での粘度10000mPa・s、硬化物のガラス転移温度30℃。
(Z’)−3:ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名EBECRYL9227EA、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数2、破断伸度224%、60℃での粘度3000mPa・s、硬化物のガラス転移温度−34℃。
(Z’)−4:ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名KRM7735、ダイセル・オルネクス株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数2、破断伸度280%、60℃での粘度1300mPa・s、硬化物のガラス転移温度22℃。
(Z’)−5:紫外線硬化型ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名UV−3010B、日本合成化学株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数2、破断伸度185%、硬化物のガラス転移温度−39℃。
(Z’)−6:紫外線硬化型ウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)。製品名UV−3210EA、日本合成化学株式会社製。ウレタンアクリレートの官能基数2、破断伸度70%、硬化物のガラス転移温度−10℃。
≪感光性樹脂組成物の硬化膜の形成≫
実施例及び比較例で調製した各感光性樹脂組成物を、8インチのシリコン基板上に、スピンコーター(TR25000:東京応化工業株式会社製)を用いて塗布し、110℃で300秒間プリベークを行い、膜厚10μmの塗膜(感光性樹脂組成物層)を形成した。
次いで、前記感光性樹脂組成物層を、100℃で30分間加熱し、その後、120℃で30分間加熱し、その後、さらに200℃で60分間加熱して熱硬化処理を行い、硬化膜を形成した。
≪硬化膜の評価≫
万能材料試験機(製品名TENSILON、株式会社オリエンテック製)を用い、上記で形成された硬化膜について、引張強度、破断伸度及び引張弾性率をそれぞれ測定した。
引張強度の測定結果を「Tensile strength(MPa)」、破断伸度の測定結果を「Elongation(%)」、引張弾性率の測定結果を「Young modulus(GPa)」として表2に記す。
Figure 2017090803
表2に示す評価結果から、本発明を適用した実施例1〜9の感光性樹脂組成物、を用いて形成された硬化膜は、引張強度(膜強度)を維持しつつ破断伸度が向上していることが確認できる。

Claims (10)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)と、
    感光剤(B)と、
    官能基数が3以上であるウレタン(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(z1)を有する重合体(Z)(但し、前記アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、
    を含有する、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  2. 前記ウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式(z−1)で表される化合物である、請求項1に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 2017090803
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Vz01は、ポリオールに由来する基を含有する2価の連結基を表す。Wz01は、3価以上の有機基を表す。nzは3以上の数である。]
  3. 前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(Z)の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して5〜20質量部である、請求項1又は2に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、下記一般式(a−1)で表される構成単位(A1)又は脂環式エポキシ基含有単位(A3)を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 2017090803
    [式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Ra01は、水酸基を有する有機基又は水素原子を表す。]
  5. さらにシランカップリング剤(C)を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  6. さらに熱酸発生剤(T)を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物の硬化物を含む、層間絶縁膜。
  8. 支持体上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、
    前記露光後の感光性樹脂組成物層を現像して、層間絶縁膜パターンを形成する工程と、
    前記層間絶縁膜パターンを加熱して硬化する工程と、
    を有する、層間絶縁膜の形成方法。
  9. 前記層間絶縁膜パターンの加熱を、300℃以下で行う、請求項8に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  10. 支持体上に、請求項7に記載の層間絶縁膜を備えた、デバイス。
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