JP6643863B2 - 層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜、デバイス及び層間絶縁膜の形成方法 - Google Patents

層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜、デバイス及び層間絶縁膜の形成方法 Download PDF

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本発明は、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜、デバイス及び層間絶縁膜の形成方法に関する。
近年、半導体素子の高集積化、大型化が進み、パッケージ基板のより一層の薄型化、小型化への要求がある。これに伴い、半導体素子の表面保護層、層間絶縁膜、又は再配線層を有するパッケージ基板の層間絶縁膜を、より優れた電気特性、耐熱性、機械特性等を併せ持つ材料により形成することが求められている。
ポリイミド樹脂(以下、「PI」という。)やポリベンズオキサゾール(以下、「PBO」という。)はそのような要求特性を満足し得る材料の代表であり、例えば、PIやPBOに感光特性を付与した感光性PIや感光性PBOの使用が検討されている。これらの感光性樹脂を用いると、パターン形成工程が簡略化されて煩雑な製造工程が短縮できるという利点があるうえ、従来のカルボキシル基を導入しアルカリ現像可能としたビニル系の感光性樹脂に比べ耐熱性や絶縁抵抗が高いため、上記層間絶縁膜として有効である(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、感光性PIや感光性PBOは、高温(350〜400℃)での焼成が必要であることや、経時安定性が良好でない、形成した樹脂膜の膜べりが大きい、溶剤溶解性が低い等の問題があった。
これに対し、耐熱性が高く、且つ取り扱い性も良好な感光性アクリル樹脂を用いた層間絶縁膜が提案されている(特許文献3等)。しかしながら、この感光性アクリル樹脂を用いた層間絶縁膜は、機械特性等に未だ改良の余地があった。
特開2011−180472号公報 特開2007−031511号公報 特開2008−040183号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機械特性が良好である層間絶縁膜を形成可能な感光性樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明の第一の態様は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、下記一般式(z−1)で表される構成単位(z1)を有する樹脂(Z)(但し、アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、を含有する層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物である。
Figure 0006643863
[前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Vz01は下記一般式(Vz01)で表される基を含有する2価の連結基を表し、Rz01は水素原子又は炭化水素基を表す。]
Figure 0006643863
[前記一般式中、Oは酸素原子を表し、Lz01は置換基としてヒドロキシ基を有していてもよいアルキレン基を表し、pは1〜10の整数を表す。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜である。
本発明の第三の態様は、支持体上に前記第三の態様の層間絶縁膜を備えたデバイスである。
本発明の第四の態様は、支持体上に、前記第一の態様の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、露光された前記感光性樹脂組成物層を現像して層間絶縁膜パターンを形成する工程と、前記層間絶縁膜パターンを加熱硬化する工程と、を有する層間絶縁膜の形成方法である。
本発明によれば、機械特性等が良好である層間絶縁膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物≫
本発明の第一の態様は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、下記一般式(z−1)で表される構成単位(z1)を有する樹脂(Z)(但し、アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、を含有する層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物である。
Figure 0006643863
[前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Vz01は下記一般式(Vz01)で表される基を含有する2価の連結基を表し、Rz01は水素原子又は炭化水素基を表す。]
Figure 0006643863
[前記一般式中、Oは酸素原子を表し、Lz01は置換基としてヒドロキシ基を有していてもよいアルキレン基を表し、pは1〜10の整数を表す。]
[アルカリ可溶性樹脂(A)]
アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリに対する溶解性を有するアルカリ可溶性基を有する任意の樹脂を採用できる。
該アルカリ可溶性樹脂(A)(以下、「共重合体(A)」と記載することがある。)としては、例えば、アクリル系樹脂が好適に用いられる。
アクリル系樹脂としては、一般式(a−1)で表される構成単位(A1)又は脂環式エポキシ基含有単位(A3)を含有することが好ましい。
〔構成単位(A1)〕
構成単位(A1)は、下記一般式(a−1)で表される。
Figure 0006643863
[前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Ra01は水素原子又は水酸基を有する有機基を表す。]
一般式(a−1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。炭素数1〜5のアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
一般式(a−1)中、Ra01は水素原子又は水酸基を有する有機基である。
ここで、有機基とは、例えば、分岐状、直鎖状、又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基を挙げることができ、Ra01は、その構造中に少なくとも一つの水酸基を有する。前記有機基の炭素数は1〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。炭素数が大きいと保存安定性や層間絶縁層の低誘電率化の面で好ましく、炭素数が小さいと解像性に優れる。
なお、構成単位(A1)として、Ra01が水素原子の場合、即ち、メタクリル酸やアクリル酸等を選択することも共重合体のアルカリ現像性を高める上で有効であるが、保存安定性の面から、構成単位(A1)として、上記の水酸基を有する有機基を採用することが好ましい。
構成単位(A1)として好ましい例として、下記一般式(a−1−1)で表される構成単位を挙げることができる。
Figure 0006643863
[前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Ya01は単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Ra001は炭素数1〜5のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0又は1〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、Ra001が2以上存在する場合、これらのRa001は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。]
一般式(a−1−1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記と同様である。一般式(a−1−1)中、Rはメチル基であることが好ましい。
また、Ya01は単結合又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基等が挙げられる。中でも、単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。
Ya01は、アルカリ可溶性を向上させることができることと、更に層間絶縁膜としたときの耐熱性が向上することから、単結合であることが好ましい。
ここで、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aが1であることが好ましい。また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、Ya01と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
また、Ra001は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
ここで、bは0又は1〜4の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、bは0であることが好ましい。
構成単位(A1)として、更に具体的には、o−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートまたはp−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、特に、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが好ましい。
共重合体における前記構成単位(A1)の含有比率は、10〜70モル%であることが好ましい。更に、15〜60モル%であることが好ましく、20〜50モル%であることが最も好ましい。
〔脂環式エポキシ基含有単位(A3)〕
また、脂環式エポキシ基含有単位(A3)としては、脂環式エポキシ基を構造中に有し、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であれば、特に限定されない。脂環式エポキシ基の脂環式基の炭素数は、5〜10程度が好ましい。本発明の共重合体が脂環式エポキシ基含有単位(A3)を有することで、アウトガス発生の原因となる低分子量架橋成分を感光性樹脂組成物に添加せずとも、その耐熱性を向上することが可能となる。
具体的な脂環式エポキシ基含有単位(A3)として、例えば、以下の一般式(1)〜(31)で示される脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物から誘導されるものが挙げられる。
Figure 0006643863
Figure 0006643863
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、R、R及びRは同一又は異なってもよく、wは0〜10の整数を示す。
これらの中でも、一般式(1)〜(6)、(14)、(16)、(18)、(21)、(23)〜(25)、(30)で表されるものが望ましい。更に好ましくは、一般式(1)〜(6)である。
共重合体における前記脂環式エポキシ基含有単位(A3)の含有比率は、5〜40モル%であることが好ましい。更に、10〜30モル%であることが好ましく、15〜25モル%であることが最も好ましい。その含有比率が10モル%以上であれば、層間絶縁膜の耐熱性や密着性を高めることができ、40モル%未満であると層間絶縁膜の誘電率を低く抑えることができる。
〔構成単位(A2)〕
また、上記共重合体は一般式(a−2)で表される構成単位(A2)を有することが好ましい。
Figure 0006643863
[Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rbは炭化水素基である。]
前記一般式(a−2)中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記と同様である。
Rbの炭化水素基としては、例えば、分岐状、直鎖状、若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を挙げることができる。前記炭化水素基の炭素数は1〜20であることが好ましい。更に、分岐状、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12が好ましく、1〜6が最も好ましい。環状のアルキル基としては、炭素数6〜20が好ましく、6〜12が最も好ましい。置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基としては、炭素数6〜20が好ましく、6〜12が最も好ましい。炭素数が20以下であればアルカリ解像性は十分であり、炭素数が1以上であれば層間絶縁膜の誘電率を低減できて好ましい。
構成単位(A2)として具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、t−オクチルアクリレート等の直鎖あるいは分岐鎖アルキルアクリレート;シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート等の脂環式アルキルアクリレート;ベンジルアクリレート、アリールアクリレート(例えば、フェニルアクリレート)等から誘導されるものが挙げられる。
あるいは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート等の直鎖又は分岐鎖アルキルメタクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等の脂環式アルキルメタクリレート;ベンジルメタクリレート、アリールメタクリレート(例えばフェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート等)等から誘導されるものが挙げられる。
上記構成単位(A2)を共重合体に導入することにより、共重合体の溶解スピードを調整することができる。構成単位(A2)としては、特に脂環式の基を有する単量体から誘導されるものが、層間絶縁膜の低誘電率化の面から好ましい。
共重合体における構成単位(A2)の含有比率は、5〜50モル%であることが好ましい。
〔構成単位(A4)〕
また、上記共重合体には、本発明の目的に反しない範囲で構成単位(A1)〜(A3)以外の構成単位(A4)を含有していてもよい。この構成単位は、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であれば、特に限定されない。このような構成単位としては、例えば、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、及びスチレン類等から選ばれる構成単位が挙げられる。
アクリルアミド類としては、具体的には、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシフェニル基等)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基の炭素数は1〜10が好ましい)、N,N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基がある)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドが挙げられる。
メタクリルアミド類としては、具体的には、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基等がある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基等がある)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドが挙げられる。
アリル化合物としては、具体的には、アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、具体的には、アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等)が挙げられる。
ビニルエステル類としては、具体的には、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルが挙げられる。
スチレン類としては、具体的には、スチレン、アルキルスチレン(例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等)、ハロゲンスチレン(例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロム−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等)が挙げられる。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も挙げられる。
上記その他の構成単位として、脂環式の基を有する単量体から誘導されるものを選択することが、層間絶縁膜の誘電率を低下させる点で好ましい。
本発明において、共重合体(A)は、前記構成単位(A1)、(A2)及び(A3)からなることが好ましい。
上記共重合体(A)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値)は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。分子量を2000以上とすることにより、容易に膜状に形成することが可能となる。また、分子量50000以下とすることによって、適度なアルカリ溶解性を得ることが可能となる。
上記共重合体は、公知のラジカル重合により、製造することができる。即ち、前記構成単位(A1)〜(A3)等を誘導する重合性単量体、及び公知のラジカル重合開始剤を重合溶媒に溶解した後、加熱撹拌することにより製造することができる。
更に、アルカリ可溶性樹脂(A)は、上記構成単位(A1)〜(A3)を含有する共重合体以外に、1種以上の他の共重合体を含んでいてもよい。この共重合体は、上記共重合体(A)100質量部に対して、0〜50質量部であることが好ましく、0〜30質量部であることがより好ましい。この共重合体の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値)は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。
[感光剤(B)]
本発明における感光剤(B)としては、感光成分として使用できる化合物であれば特に限定されるものではないが、好ましい例としてキノンジアジド基含有化合物が挙げられる。
キノンジアジド基含有化合物としては、具体的には、フェノール化合物(フェノール性水酸基含有化合物ともいう)と、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物と、の完全エステル化物や部分エステル化物が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、具体的には、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4‘−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)等のトリスフェノール型化合物;
2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物等のリニア型ポリフェノール化合物;
ビス(2,3,−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4′−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2′,3′,4′−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3′−フルオロ−4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)プロパン等のビスフェノール型化合物;1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、等の多核枝分かれ型化合物;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の縮合型フェノール化合物等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸等を挙げることができる。
また、他のキノンジアジド基含有化合物、例えばオルトベンゾキノンジアジド、オルトナフトキノンジアジド、オルトアントラキノンジアジド又はオルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類等のこれらの核置換誘導体が挙げられる。更には、オルトキノンジアジドスルホニルクロリドと、水酸基又はアミノ基をもつ化合物(例えばフェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエテール、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を一部残してエステル化又はエ−テル化された没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン等)と、の反応生成物等も用いることができる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのキノンジアジド基含有化合物は、例えばトリスフェノール型化合物と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドとをジオキサン等の適当な溶剤中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリの存在下で縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより製造することができる。
また、上記(B)成分としては、非ベンゾフェノン系のキノンジアジド基含有化合物を用いることが好ましく、多核枝分かれ型化合物を用いることが好ましい。また、このフェノール性水酸基含有化合物は、350nmの波長におけるグラム吸光係数が1以下であることが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物において、より高い感度が得られ、層間絶縁膜としたときの透過率(透明性)を向上させることができる。更に、上記フェノール性水酸基含有化合物は、分解温度が、300℃以上であることがより好ましい。これにより、層間絶縁膜の透明性を確保することができる。
このような(B)成分としては、キノンジアジド基含有化合物が好ましく、特にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物が好ましい。なかでも、4,4‘−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を好適に用いることができる。
(B)成分の含有量は、全固形成分に対し、10〜40質量%が好ましく、更に好ましくは15〜30質量%である。(B)成分の含有量を10質量%以上とすることによって、解像度を向上させることが可能となる。また、パターンを形成した後の、パターンの膜減り量を低減させることが可能となる。また、(B)成分の含有量を40質量%以下とすることによって、適度な感度や透過率を付与することが可能となる。
[樹脂(Z)]
樹脂(Z)は、下記一般式(z−1)で表される構成単位(z1)を有する。ただし、樹脂(Z)は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)を除く。
Figure 0006643863
[前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Vz01は下記一般式(Vz01)で表される基を含有する2価の連結基を表し、Rz01は水素原子又は炭化水素基を表す。]
Figure 0006643863
[前記一般式中、Oは酸素原子を表し、Lz01は置換基としてヒドロキシ基を有していてもよいアルキレン基を表し、pは1〜10の整数を表す。]
〔構成単位(z1)〕
構成単位(z1)は、下記一般式(z−1)で表される。
前記一般式(z−1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記と同様である。
前記一般式(z−1)中、Vz01は前記一般式(Vz01)で表される基を含有する2価の連結基を表す。
前記一般式(Vz01)中、Lz01は置換基としてヒドロキシ基を有していてもよいアルキレン基を表す。
Lz01のアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキレン基としては、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
環状アルキレン基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記環状アルキレン基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の環状アルキレン基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の環状アルキレン基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Lz01のアルキレン基は、置換基としてヒドロキシ基を有していてもよい。Lz01のアルキレン基がヒドロキシ基を有する場合、ヒドロキシ基の数は1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。
Lz01としては、置換基としてヒドロキシ基を有していてもよい直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、置換基としてヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。
前記一般式(Vz01)中、pは1〜10の整数を表し、1〜8の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましい。
前記一般式(Vz01)で表される基としては、下記一般式(Vz1)〜(Vz3)のいずれかで表される基が好ましい。
Figure 0006643863
[式中、p1は2〜10の整数を表し、p2は2〜10の整数を表し、p3は1〜10の整数を表す。]
前記一般式(Vz1)中、p1は2〜10の整数を表し、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。
前記一般式(Vz2)中、p2は2〜8の整数を表し、2〜4が好ましい。
前記一般式(Vz3)中、p3は1〜8の整数を表し、1〜4が好ましい。
前記一般式(Vz01)で表される基を含有する2価の連結基としては、前記一般式(Vz01)で表される基に−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−−Y21、[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]が結合した2価の連結基が挙げられる。中でも、Vz01としては、前記一般式(Vz01)で表される基に−O−が結合した2価の連結基が好ましく、下記一般式(Vz1−1)〜(Vz3−1)のいずれかで表される基がより好ましい。
Figure 0006643863
[式中、p1〜p3は前記と同様である。]
前記一般式中、Rz01は水素原子又は炭化水素基を表す。Rz01の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。Rz01における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基が挙げられる。前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)のアルケニル基が挙げられる。前記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)のアルキニル基が挙げられる。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Rz01の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基等のアルコキシ基(例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基等)、カルボキシ基、メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(例えば、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基等)、アセチル基等のアシル基(例えば、炭素数1〜6のアシル基等)、シアノ基、フェニル基等のアリール基(例えば、炭素数6〜14のアリール基等)、メチル基等のアルキル基(例えば、炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基)、ビニル基等のアルケニル基(例えば、炭素数2〜6のアルケニル基等)、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基等)、ニトロ基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキル基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキル基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子およびハロゲン化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
前記置換基としてのアリール基は、前記芳香族炭化水素基と同様である。
前記置換基としてのアリールアルキル基は、前記アリール基に前記アルキル基が結合したものが挙げられる。
中でも、Rz01としては、水素原子、置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基がより好ましく、メチル基又はフェニル基が更に好ましい。
構成単位(z1)としては、下記一般式(z−1−1)〜(z−1−3)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006643863
[式中、R、p1、p2およびp3は前記と同様であり、Rz11は炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
前記一般式(z−1−1)中、Rz11は炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基は、前記Rz01としての炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基と同様である。Rz11としては、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、置換基としてアリールアルキル基若しくはアルキル基を有していてもよいアリール基が好ましく、メチル基又はフェニル基がさらに好ましい。
以下に構成単位(z1)の具体例を示す。下記式中、R、p1、p2及びp3は前記と同様である。
Figure 0006643863
Figure 0006643863
構成単位(z1)としては、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
樹脂(Z)における構成単位(z1)の含有比率は90〜99.9モル%であることが好ましく、93〜99.9モル%がより好ましく、95〜99.9モル%がさらに好ましい。構成単位(z1)の含有比率を上記範囲内とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
〔構成単位(z2)〕
樹脂(Z)は、更に架橋性基を有する構成単位(z2)(以下、「構成単位(z2)」という。)を含有することが好ましい。構成単位(z2)を有する場合、感光性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜を形成する際に樹脂(Z)がアルカリ可溶性樹脂(A)と架橋するため、機械特性等が良好である層間絶縁膜を形成しやすくなる。
構成単位(z2)としては、架橋性基を有するものであれば特に限定されないが、エポキシ基含有重合性不飽和化合物から誘導される構成単位が好ましい。
エポキシ基含有重合性不飽和化合物としては、例えばビニル基とエポキシ基を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルフェニルプロピル]アクリルアミド、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、前記脂環式エポキシ基含有単位(A3)として例示したものなどが挙げられる。
中でも、構成単位(z2)としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、又は前記一般式(1)〜(31)で示される脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物から誘導される構成単位が好ましく、アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジルから誘導される構成単位がさらに好ましい。
構成単位(z2)としては、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
樹脂(Z)における構成単位(z2)の含有比率は0.1〜10モル%であることが好ましく、0.1〜7モル%がより好ましく、0.1〜5モル%がさらに好ましい。構成単位(z2)の含有比率を上記範囲内とすることにより、樹脂(Z)がアルカリ可溶性樹脂と適度に架橋し、機械特性等が良好である層間絶縁膜を形成しやすくなる。
〔他の構成単位〕
樹脂(Z)は、本発明の目的に反しない範囲で構成単位(z1)〜(z2)以外の構成単位を含有していてもよい。他の構成単位としては、前記構成単位(A4)等が挙げられる。
樹脂(Z)は、前記構成単位(z1)及び(z2)からなることが好ましい。
樹脂(Z)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値)は、50000〜300000であることが好ましく、70000〜250000であることがより好ましく、90000〜200000であることがさらに好ましい。樹脂(Z)の質量平均分子量が上記範囲内である場合、十分な膜強度を維持しつつ、破断伸度を向上させることができる。
樹脂(Z)は、公知のラジカル重合により、製造することができる。即ち、前記構成単位(z1)〜(z2)等を誘導する重合性単量体、及び公知のラジカル重合開始剤を重合溶媒に溶解した後、加熱撹拌することにより製造することができる。
樹脂(Z)の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対し5〜20質量部であることが好ましく、7〜20質量部であることがより好ましく、7〜15質量部であることがさらに好ましい。
樹脂(Z)の含有量が上記範囲内である場合、十分な膜強度を維持しつつ、破断伸度を向上させることができる。
[感光剤(B)]
本発明における感光剤(B)としては、感光成分として使用できる化合物であれば特に限定されるものではないが、好ましい例としてキノンジアジド基含有化合物が挙げられる。
キノンジアジド基含有化合物としては、具体的には、フェノール化合物(フェノール性水酸基含有化合物ともいう)と、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物と、の完全エステル化物や部分エステル化物が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、具体的には、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4‘−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)等のトリスフェノール型化合物;
2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物等のリニア型ポリフェノール化合物;
ビス(2,3,−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4′−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2′,3′,4′−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3′−フルオロ−4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)プロパン等のビスフェノール型化合物;1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、等の多核枝分かれ型化合物;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の縮合型フェノール化合物等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸等を挙げることができる。
また、他のキノンジアジド基含有化合物、例えばオルトベンゾキノンジアジド、オルトナフトキノンジアジド、オルトアントラキノンジアジド又はオルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類等のこれらの核置換誘導体が挙げられる。更には、オルトキノンジアジドスルホニルクロリドと、水酸基又はアミノ基をもつ化合物(例えばフェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエテール、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を一部残してエステル化又はエ−テル化された没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン等)と、の反応生成物等も用いることができる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのキノンジアジド基含有化合物は、例えばトリスフェノール型化合物と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドとをジオキサン等の適当な溶剤中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリの存在下で縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより製造することができる。
また、上記(B)成分としては、非ベンゾフェノン系のキノンジアジド基含有化合物を用いることが好ましく、多核枝分かれ型化合物を用いることが好ましい。また、このフェノール性水酸基含有化合物は、350nmの波長におけるグラム吸光係数が1以下であることが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物において、より高い感度が得られ、層間絶縁膜としたときの透過率(透明性)を向上させることができる。更に、上記フェノール性水酸基含有化合物は、分解温度が、300℃以上であることがより好ましい。これにより、層間絶縁膜の透明性を確保することができる。
このような(B)成分としては、キノンジアジド基含有化合物が好ましく、特にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物が好ましい。なかでも、4,4‘−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を好適に用いることができる。
(B)成分の含有量は、全固形成分に対し、10〜40質量%が好ましく、更に好ましくは15〜30質量%である。(B)成分の含有量を10質量%以上とすることによって、解像度を向上させることが可能となる。また、パターンを形成した後の、パターンの膜減り量を低減させることが可能となる。また、(B)成分の含有量を40質量%以下とすることによって、適度な感度や透過率を付与することが可能となる。
[熱酸発生剤(T)]
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤(T)を含有することが好ましい。層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物が熱酸発生剤(T)を含有する場合、熱硬化処理時に、熱により発生する酸の作用により、感光性樹脂膜中の重合反応(特にアルカリ可溶性樹脂中のエポキシ基での重合)がさらに促進され、膜密度が向上すると考えられる。
熱酸発生剤としては、公知のものから適宜選択して用いればよく、トリフルオロメタンスルホン酸塩、三フッ化ホウ素エーテル錯化合物、六フッ化リン酸塩、パーフルオロブタンスルホン酸、三フッ化ホウ素等のカチオン系又はプロトン酸触媒等を用いることができる。中でも、6フッ化リン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸が好まく、トリフルオロメタンスルホン酸がより好ましい。
その具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸ジエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸エチルジイソプロピルアンモニウム等が挙げられる。また、酸発生剤としても用いられる芳香族オニウム塩のうち、熱によりカチオン種を発生するものがあり、これらも熱カチオン重合開始剤として用いることができる。例えば、サンエイドSI−45、SI−47、SI−60、SI−60L、SI−80、SI−80L、SI−100、SI−100L、SI−110L、SI−145、I−150、SI−160、SI−180L、SIーB3、SIーB3A(三新化学工業(株)製)等が挙げられる。その他にも、CI−2921、CI−2920、CI−2946、CI−3128、CI−2624、CI−2639、CI−2064(日本曹達(株)製)、CP−66、CP−77((株)ADEKA製)、FC−520(3M社製)K―PURE TAG−2396、TAG−2713S、TAG−2713、TAG−2172、TAG−2179、TAG−2168E、TAG−2722、TAG−2507、TAG−2678、TAG−2681、TAG−2679、TAG−2690、TAG−2700、TAG−2710、TAG−2100、CDX−3027、CXC−1615、CXC−1616、CXC−1750、CXC−1738、CXC−1614、CXC−1742、CXC−1743、CXC−1613、CXC−1739、CXC−1751、CXC−1766、CXC−1763、CXC−1736、CXC−1756、CXC−1821、CXC−1802−60(KING INDUSTRY社製)等が挙げられる。
上記のなかでも、トリフルオロメタンスルホン酸塩又は六フッ化リン酸塩が好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸塩がより好ましい。
本発明においては、熱酸発生剤(T)の酸発生温度は、プリベークの温度以上であることが好ましく、具体的には、110℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。
なお、熱酸発生剤(T)の酸発生温度がプリベーク温度よりも低いと、プリベーク時に熱酸発生剤(T)から酸が発生し、感光性樹脂膜中でエポキシ基が重合が進行してしまうため、露光部におけるアルカリ溶解性が低下してしまい、良好なパターンが形成できない。
一方、本発明においては、熱酸発生剤(T)の酸発生温度を上記の範囲とした場合には、感光性樹脂膜形成後の熱硬化処理時において、感光性樹脂膜中の重合を促進できるため、パターン形成を阻害することなく、膜密度の向上に寄与できると考えられる。
本発明においては、熱酸発生剤(T)の含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜0.8質量%、最も好ましくは0.1〜0.4質量%である。
前記上限値以下とすることにより、熱酸発生剤自身の光吸収の影響が低減されるため、光の透過性を良好なものとすることができ、良好にパターンを形成できると考えられる。
また、前記下限値以上とすることにより、重合に必要な酸発生量を確保し、重合が促進されるため、膜密度の高い膜を形成することができると考えられる。この結果、感光性樹脂膜の耐薬品性が向上すると考えられる。具体的には、例えば、半導体製造工程に供されるときに曝される溶剤(例えば、PGMEA、PGME、N−メチルピロリドン(NMP)等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮できる。
[シランカップリング剤(C)]
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤(C)を含有することが好ましい。本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物がシランカップリング剤(C)を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できたり、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜の性質を調整することができる。
シランカップリング剤(C)として、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記シランカップリング剤を含有する場合、その含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、最も好ましくは0.2〜1.5質量%である。前記のような範囲で含まれる場合、本発明の感光性樹脂組成物から形成されるパターンと基板との密着性が向上して好ましい。
[架橋剤(D)]
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、架橋剤(D)を含有することが好ましい。また、架橋剤(D)は、オキセタン含有化合物、エポキシ基含有化合物及びブロックイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
〔オキセタン含有化合物、エポキシ基含有化合物〕
オキセタン基又はエポキシ基を有する化合物としては、例えば、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル、p−フェニルフェノールグリシジルエーテル、グリシジルシンナメート、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシドール、N−グリシジルフタルイミド、1,3−ジブロモフェニルグリシジルエーテル、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製)、オキセタンアルコール等が挙げられる。
オキセタン含有化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
エポキシ基含有化合物の具体例としては、エポキシ樹脂EXA4850−150、エポキシ樹脂EXA4850−1000(ともにDIC株式会社製)を用いることができる。
〔ブロックイソシアネート化合物〕
本発明において使用されるブロックイソシアネート化合物は、常温では不活性であり、加熱されることにより、オキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等のブロック剤が解離してイソシアネート基を再生する化合物である。ブロックイソシアネート化合物は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ここで、イソシアネート化合物としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体などが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、ジシクロへキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体などが好ましい。
中でもアダクト体としては、脂肪族ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加体が、ビウレット体としてはヘキサメチレンジイソシアネートと水又は三級アルコールとの反応物が、イソシアヌレート体としてはヘキサメチレンジイソシアネートの三量体が好ましい。
ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離してイソシアネート基を生成する化合物である。ブロック化剤の具体例としては、たとえば、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム、プロピオラクタムなどのラクタム化合物、メチルエチルケトオキシム、メチルイソアミルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物、フェノール、クレゾール、カテコール、ニトロフェノールなどの単環フェノール化合物、1−ナフトールなどの多環フェノール化合物、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、トリメチロールプロパン、2−エチルヘキシルアルコールなどのアルコール化合物、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル化合物、マロン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸アルキルエステル、アセチルアセトンなどの活性メチレン化合物などが挙げられる。ブロック剤は1種を単独で使用できまたは2種以上併用できる。
ブロックイソシアネート化合物は、イソシアネート化合物とブロック剤とを反応させることによって製造できる。イソシアネート化合物とブロック剤との反応は、たとえば、活性水素を持たない溶剤(1.4ジオキサン、セロソルブアセテート等)中にて50〜100℃程度の加熱下および必要に応じてブロック化触媒の存在下に行われる。イソシアネート化合物とブロック化剤との使用割合は特に制限されないが、好ましくは、イソシアネート化合物中のイソシアネート基とブロック剤との当量比として、0.95:1.0〜1.1:1.0であり、さらに好ましくは1:1.05〜1.15である。ブロック化触媒としては公知のものを使用でき、たとえば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムフェノラート、カリウムメチラートなどの金属アルコラート、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、これらの酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩などの有機弱酸塩、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。ブロック化触媒は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ブロックイソシアネート化合物としては市販品をも使用できる。市販品の具体例としては、TPA−B80E(商品名、旭化成株式会社製、イソシアヌート型)、17B−60P(商品名、旭化成株式会社製、ビウレット型)、E402−B80B(商品名、旭化成株式会社製、アダクト型)などが挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物の含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは1〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは10〜40質量%である。
本発明において、架橋剤(D)としては、層間絶縁膜の機械特性を向上させる観点から、ブロックイソシアネート化合物を採用することが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物の中でも、アダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用することが好ましい。
アダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用する場合は、アダクト型のブロックイソシアネート化合物の含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜25質量%である。
上記範囲とすることにより、層間絶縁膜の機械特性の向上に加え、熱耐性も付与することができる。
[有機溶剤(S)]
本発明に係る感光性樹脂組成物は、塗布性を改善したり、粘度を調整したりするために、有機溶剤(S)を含有することが好ましい。
(S)成分としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート(MA)、3−メトキシブタノール(BM)、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル又はこれらの混合物等が挙げられる。中でもPGME、PGMEA、MAや、PGMEとPGMEAの混合溶剤、MAとBMの混合溶剤等を用いることが好ましい。
有機溶剤(S)の使用量は特に限定されないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。具体的には、感光性樹脂組成物の固形分濃度が10〜50質量%、特に15〜35質量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
[界面活性剤(E)]
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、界面活性剤(E)を含有していてもよい。
界面活性剤(E)としては、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が挙げられる。具体的には、シリコーン系界面活性剤は、BYK−Chemie社のBYK−077、BYK−085、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−335、BYK−341v344、BYK−345v346、BYK−348、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358、BYK−361、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−380、BYK−390などを使用することができる。
フッ素系界面活性剤としては、DIC(DaiNippon Ink&Chemicals)社のF−114、F−177、F−410、F−411、F−450、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−472SF、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−172D、MCF−350SF、TF−1025SF、TF−1117SF、TF−1026SF、TF−1128、TF−1127、TF−1129、TF−1126、TF−1130、TF−1116SF、TF−1131、TF1132、TF1027SF、TF−1441、TF−1442などを使用することができるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記界面活性剤を含有する場合、その含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、最も好ましくは0.05〜1.0質量%である。前記のような範囲で含まれる場合、本発明の感光性樹脂組成物から形成されるパターンと基板との密着性が向上して好ましい。
[その他]
また、本発明に係る感光性樹脂組成物は、界面活性剤や、増感剤、消泡剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
界面活性剤としては、従来公知のものであってよく、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられる。具体的には、X−70−090(商品名、信越化学工業社製)等を挙げることができる。界面活性剤を添加することにより、塗布性、平坦性を向上させることができる。
増感剤としては、従来公知のポジ型レジストに用いられるものを使用することができる。例えば、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
上記消泡剤としては、従来公知のものであってよく、シリコーン系化合物、フッ素系化合物が挙げられる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を、ロールミル、ボールミル、サンドミル等の撹拌機で混合(分散及び混練)し、必要に応じて5μmメンブランフィルター等のフィルターで濾過して調製することができる。
本発明によれば、機械特性等が良好である層間絶縁膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することができる。上記効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される
本発明においては、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物が構成単位(z1)を有する樹脂(Z)を含有する。構成単位(z1)は、アルキレングリコールに由来する基を含有する2価の連結基を有する。該アルキレングリコールに由来する基は極性基を有するため、アルカリ可溶性樹脂(A)との相溶性向上に寄与していると推測される。
通常、層間絶縁膜において、膜強度は破断伸度とトレードオフの関係にあることが知られている。しかしながら、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物においては、樹脂(Z)がアルカリ可溶性樹脂と適度に相溶し、十分な膜強度を維持しつつ、良好な破断伸度を有する層間絶縁膜を形成しやすくなると推測される。
[層間絶縁膜]
本発明は、前記層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜を提供する。
本発明の層間絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品における層状に配置される配線の間を絶縁するために設ける層間絶縁膜として好適に用いることができる。
本発明は、前記層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜を備えたデバイスを提供する。
該デバイスとしては、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品が挙げられる。
以下、本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜を形成する方法について説明
する。
[層間絶縁膜の形成方法]
まず、基板等の支持体上に本発明に係る感光性樹脂組成物をスピンナー、ロールコーター、スプレーコーター、スリットコーター等を用いて塗布、乾燥させ、感光性樹脂組成物層を形成する。上記基板としては、例えば、透明導電回路等の配線を備え、必要に応じてブラックマトリクス、カラーフィルタ、偏光板等を備えるガラス板が挙げられる。
上記乾燥の方法としては、例えば(1)ホットプレートにて80〜120℃の温度にて60〜120秒間乾燥する方法、(2)室温にて数時間〜数日放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分〜数時間入れて溶剤を除去する方法、のいずれでもよい。また、上記感光性樹脂組成物層の膜厚は、特に限定されるものではないが、1.0〜5.0μm程度であることが好ましい。
次いで、所定のマスクを介して、露光を行う。この露光は、紫外線、エキシマレーザ光等の活性エネルギー線を照射することにより行う。この活性エネルギー線の光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、エキシマレーザー発生装置等が挙げられる。照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30〜2000mJ/cm程度であればよい。
次いで、露光された感光性樹脂組成物層を、現像液で現像し、パターンを形成する。この現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液のような有機アルカリ水溶液又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機アルカリ水溶液が挙げられる。これにより、所望の範囲に層間絶縁膜を設けることができる。最後に、前記パターンを加熱硬化する。この加熱硬化温度しては、例えば300℃以下の条件で加熱硬化処理を行うことが好ましく、250℃以下の条件で加熱硬化処理を行うことがより好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪感光性樹脂組成物の調製≫
表1に示す各成分を混合してPGMEA/PGME=60/40の混合溶剤に溶解し、感光性樹脂組成物を調製した。なお、実施例1〜6及び比較例1の固形分濃度は40質量%である。
Figure 0006643863
上記表中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
なお、(A)成分100質量部に対する(Z)成分の添加量は、実施例1が7.5質量部、実施例2,5,及び6が10質量部、実施例3が15質量部、実施例4が20質量部である。
(A)−1:下記高分子化合物(A)−1
(x/y/z=50/30/20(モル比)、Mw=17000)
(B)−1:下記化合物(B’)−1に対し、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルを2モル反応させたもの
(C)−1:下記化合物(C)−1
(D)−1:ブロックイソシアヌート架橋剤アダクト型
(旭化成ケミカルズ社製、E402−B80B)
(T)−1:熱カチオン重合開始剤
(KING INDUSTRY社製、TAG−2690)
(E)−1:シリコン系表面調整剤(ビックケミー・ジャパン社製、BYK−310)
(Z)−1:下記高分子化合物(Z)−1
(x/y=99.5/0.5(モル比)、Mw=190000)
(Z)−2:下記高分子化合物(Z)−2
(x/y=99.5/0.5(モル比)、Mw=94100)
Figure 0006643863
Figure 0006643863
[引張強度、引張伸度、引張弾性率の測定]
実施例および比較例で調製した感光性樹脂組成物を、8インチシリコン基板)上にスピンコーター(TR25000:東京応化(株)製)を用いて塗布し、110℃で300秒間プリベークを行い、膜厚10μmの塗膜を形成した。その後、100℃で30分間、その後120℃で30分間、その後200℃で60分間の熱硬化処理を行い、膜を得た。
得られた膜を万能材料試験機(TENSILON、株式会社オリエンテック製)によって、感光性樹脂の破断強度、破断伸度、及び引張弾性率を測定した。破断強度の評価結果を「Tensile strength (%)」、引張伸度の評価結果を「Elongation (%)」、引張弾性率の評価結果を「Young modulus (Gpa)」として表2に記す。
Figure 0006643863
上記結果に示したとおり、実施例1〜6の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて形成した感光性樹脂膜は、引張強度(膜強度)を維持しつつ、破断伸度が向上されていることが確認された。

Claims (12)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、下記一般式(z−1)で表される構成単位(z1)を有する樹脂(Z)(但し、アルカリ可溶性樹脂(A)を除く)と、を含有する層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物であって、
    前記樹脂(Z)の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対し5〜20質量部であり、
    前記樹脂(Z)における構成単位(z1)の含有比率が90〜99.9モル%である、層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 0006643863
    [前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Vz01は下記一般式(Vz1−1)〜(Vz3−1)のいずれかで表される基を表し、Rz01は水素原子又は炭化水素基を表す。]
    Figure 0006643863
    [前記一般式中、Oは酸素原子を表し、p1は2〜10の整数を表し、p2は2〜10の整数を表し、p3は1〜10の整数を表す。]
  2. 前記構成単位(z1)が、下記一般式(z−1−1)〜(z−1−3)のいずれかで表される構成単位である、請求項1に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 0006643863
    [式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、p1は2〜10の整数を表し、p2は2〜10の整数を表し、p3は1〜10の整数を表し、Rz 11 は炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
  3. 前記樹脂(Z)の質量平均分子量(Mw)は、50000〜300000である、請求項1又は2に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、下記一般式(a−1)で表される構成単位(A1)又は脂環式エポキシ基含有単位(A3)を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 0006643863
    [前記一般式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Ra01は水素原子又は水酸基を有する有機基を表す。]
  5. 更にシランカップリング剤(C)を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  6. 更に熱酸発生剤(T)を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  7. 更に架橋剤(D)を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  8. 前記架橋剤(D)が、ブロックイソシアネート化合物である請求項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜。
  10. 支持体上に請求項に記載の層間絶縁膜を備えたデバイス。
  11. 支持体上に、請求項1〜のいずれか一項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、
    露光された前記感光性樹脂組成物層を現像して層間絶縁膜パターンを形成する工程と、
    前記層間絶縁膜パターンを加熱硬化する工程と、を有する層間絶縁膜の形成方法。
  12. 前記加熱硬化処理を300℃以下で行うことを特徴とする請求項11に記載の層間絶縁膜の形成方法。
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