JP6397697B2 - 層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜である。
本発明の第三の態様は、支持体上に、前記第一の態様の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、露光された前記感光性樹脂組成物層を現像して層間絶縁膜パターンを形成する工程と、前記層間絶縁膜パターンを加熱硬化する工程と、を有する層間絶縁膜の形成方法である。
本発明の第一の態様は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、シランカップリング剤(C)と、架橋剤(D)と、を含有する層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物であって、前記架橋剤(D)が、オキセタン含有化合物、エポキシ基含有化合物及びブロックイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物である。
アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリに対する溶解性を有するアルカリ可溶性基を有する任意の樹脂を採用できる。
該アルカリ可溶性樹脂(A)(以下、「共重合体(A)」と記載することがある。)としては、例えば、アクリル系樹脂が好適に用いられる。
アクリル系樹脂としては、一般式(a−1)で表される構成単位(A1)又は脂環式エポキシ基含有単位(A3)を含有することが好ましい。
構成単位(A1)は、下記一般式(a−1)で表される。
一般式(a−1)中、Ra01は水素原子又は水酸基を有する有機基である。
ここで、有機基とは、例えば、分岐状、直鎖状、又は環状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基を挙げることができ、Ra01は、その構造中に少なくとも一つの水酸基を有する。前記有機基の炭素数は1〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。炭素数が大きいと保存安定性や層間絶縁層の低誘電率化の面で好ましく、炭素数が小さいと解像性に優れる。
また、Ya01は単結合又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を示す。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基等が挙げられる。中でも、単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。
Ya01は、アルカリ可溶性を向上させることができることと、更に層間絶縁膜としたときの耐熱性が向上することから、単結合であることが好ましい。
ここで、bは0又は1〜4の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、bは0であることが好ましい。
また、脂環式エポキシ基含有単位(A3)としては、脂環式エポキシ基を構造中に有し、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であれば、特に限定されない。脂環式エポキシ基の脂環式基の炭素数は、5〜10程度が好ましい。本発明の共重合体が脂環式エポキシ基含有単位(A3)を有することで、アウトガス発生の原因となる低分子量架橋成分を感光性樹脂組成物に添加せずとも、その耐熱性を向上することが可能となる。
また、上記共重合体は一般式(a−2)で表される構成単位(A2)を有することが好ましい。
また、上記共重合体には、本発明の目的に反しない範囲で構成単位(A1)〜(A3)以外の構成単位(A4)を含有していてもよい。この構成単位は、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であれば、特に限定されない。このような構成単位としては、例えば、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、及びスチレン類等から選ばれる構成単位が挙げられる。
上記共重合体(A)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値)は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。分子量を2000以上とすることにより、容易に膜状に形成することが可能となる。また、分子量50000以下とすることによって、適度なアルカリ溶解性を得ることが可能となる。
本発明における感光剤(B)としては、感光成分として使用できる化合物であれば特に限定されるものではないが、好ましい例としてキノンジアジド基含有化合物が挙げられる。
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤(C)を含有する。本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤(C)を含有することにより、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できたり、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜の性質を調整することができる。
シランカップリング剤(C)として、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、架橋剤(D)を含有する。架橋剤(D)は、オキセタン含有化合物、エポキシ基含有化合物及びブロックイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、架橋剤(D)を含有することにより、架橋密度が向上するため、本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて形成した層間絶縁膜の弾性が向上し破断伸度をより高くでき、機械特性に優れたものとすることができると考えられる。その結果、本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて形成した層間絶縁膜の機械特性は、ポリイミド樹脂を採用した場合と同等又はそれ以上とすることができると考えられる。
オキセタン基又はエポキシ基を有する化合物としては、例えば、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル、p−フェニルフェノールグリシジルエーテル、グリシジルシンナメート、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシドール、N−グリシジルフタルイミド、1,3−ジブロモフェニルグリシジルエーテル、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製)、オキセタンアルコール等が挙げられる。
オキセタン含有化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
エポキシ基含有化合物の具体例としては、エポキシ樹脂EXA4850−150、エポキシ樹脂EXA4850−1000(ともにDIC株式会社製)を用いることができる。
本発明において使用されるブロックイソシアネート化合物は、本願発明に用いられるブロックイソシアネートは、常温では不活性であり、加熱されることにより、オキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等のブロック剤が解離してイソシアネート基を再生する化合物である。ブロックイソシアネート化合物は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ここで、イソシアネート化合物としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体などが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、ジシクロへキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのアダクト体などが好ましい。
中でもアダクト体としては、脂肪族ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加体が、ビウレット体としてはヘキサメチレンジイソシアネートと水又は三級アルコールとの反応物が、イソシアヌレート体としてはヘキサメチレンジイソシアネートの三量体が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは1〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは10〜40質量%である。
また、ブロックイソシアネート化合物の中でも、アダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用することが好ましい。
アダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用する場合は、アダクト型のブロックイソシアネート化合物の含有量は本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜25質量%である。
上記範囲とすることにより、層間絶縁膜の機械特性の向上に加え、熱耐性も付与することができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、塗布性を改善したり、粘度を調整したりするために、有機溶剤(S)を含有することが好ましい。
本発明の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物は、界面活性剤(E)を含有していてもよい。
界面活性剤(E)としては、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が挙げられる。具体的には、シリコーン系界面活性剤は、BYK−Chemie社のBYK−077、BYK−085、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−335、BYK−341v344、BYK−345v346、BYK−348、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358、BYK−361、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−380、BYK−390などを使用することができる。
フッ素系界面活性剤としては、DIC(DaiNippon Ink&Chemicals)社のF−114、F−177、F−410、F−411、F−450、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−472SF、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−172D、MCF−350SF、TF−1025SF、TF−1117SF、TF−1026SF、TF−1128、TF−1127、TF−1129、TF−1126、TF−1130、TF−1116SF、TF−1131、TF1132、TF1027SF、TF−1441、TF−1442などを使用することができるが、これらにのみ限定されるものではない。
また、本発明に係る感光性樹脂組成物は、界面活性剤や、増感剤、消泡剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明は、前記層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜を提供する。
本発明の層間絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品における層状に配置される配線の間を絶縁するために設ける層間絶縁膜として好適に用いることができる。
する。
まず、基板等の支持体上に本発明に係る感光性樹脂組成物をスピンナー、ロールコーター、スプレーコーター、スリットコーター等を用いて塗布、乾燥させ、感光性樹脂組成物層を形成する。上記基板としては、例えば、透明導電回路等の配線を備え、必要に応じてブラックマトリクス、カラーフィルタ、偏光板等を備えるガラス板が挙げられる。
表1〜2に示す各成分を混合してPGMEA/PGME=60/40の混合溶剤に溶解し、感光性樹脂組成物を調製した。なお、実施例1〜11及び比較例1の固形分濃度は20質量%、実施例12〜22及び比較例2の固形分濃度は40質量%である。ただし、実施例1〜7及び実施例12〜18はいずれも参考例である。
(A)−1:下記高分子化合物(A)−1
(A)−2:下記高分子化合物(A)−2
(B)−1:下記化合物(B)−1に対し、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルを3モル反応させたもの
(B)−2:下記化合物(B)−1に対し、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルを2モル反応させたもの
(C)−1:下記化合物(C)−1
(D)−1:オキセタン架橋剤(東亜合成社製、OXT−121)
(D)−2:柔軟エポキシ架橋剤
(大日本インキ化学工業社製、EXA4850−150)
(D)−3:ブロックイソシアヌート架橋剤イソシアヌート型
(旭化成ケミカルズ社製、TPA−B80E)
(D)−4:ブロックイソシアヌート架橋剤ビウレット型
(旭化成ケミカルズ社製、17B−60P)
(D)−5:ブロックイソシアヌート架橋剤アダクト型
(旭化成ケミカルズ社製、E402−B80B)
(E)−1:シリコン系表面調整剤(ビックケミー・ジャパン社製、BYK−310)
実施例および比較例で調製した感光性樹脂組成物を、8インチシリコン基板上にスピンコーター(TR25000:東京応化(株)製)を用いて塗布し、115℃で90秒間プリベークを行い、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(製品名:NSR−i 14E、株式会社ニコン製、NA=0.50、σ=0.64、Focus=0μm)を使用し、塗膜に紫外線を照射した。露光量は、500mJ/cm2とした。
露光後の塗膜を、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像し、100℃で30分間、その後120℃で30分間、その後200℃で60分間の熱硬化処理を行った。
そして、作製された各感光性樹脂膜について、下記の評価を行った。その結果を表3〜4に示す。
得られた感光性樹脂膜を万能材料試験機(TENSILON、株式会社オリエンテック製)によって、感光性樹脂の破断伸度、破断強度、及び引張弾性率を測定した。引張伸度の評価結果を「Elongation (%)」、破断強度の評価結果を「Tensile strength (%)」、引張弾性率の評価結果を「Young modulus (Gpa)」として表3〜4に記す。
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量法(DSC;Differential Scanning Calorimeter)により測定した。
所定の温度で熱硬化処理した感光性樹脂膜について、熱機械的分析装置TMA/SS-7100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、熱機械分析により、荷重5g、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下(流量20ml/分)、温度50〜450℃の範囲における試験片伸びの測定を行い、100〜300℃の感光性樹脂膜のCTEを求めた。その結果を「CTE (-ppm/K)」として表3〜4に示す。
中でも、架橋剤(D)としてアダクト型のブロックイソシアネート化合物を採用した実施例8、9、19及び20の感光性樹脂膜は、機械特性に加え耐熱性も良好であった。
Claims (7)
- 前記アダクト型のブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して10〜40質量%である、請求項1に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
- 前記共重合体における前記脂環式エポキシ基含有単位(A3)の含有比率は、5〜30モル%である、請求項1又は2に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁膜。
- 支持体上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
前記感光性樹脂組成物層を露光する工程と、
露光された前記感光性樹脂組成物層を現像して層間絶縁膜パターンを形成する工程と、
前記層間絶縁膜パターンを加熱硬化する工程と、
を有する層間絶縁膜の形成方法。 - 前記加熱硬化処理を300℃以下で行う、請求項6に記載の層間絶縁膜の形成方法。
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