JP2023085600A - 感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子 - Google Patents

感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2023085600A
JP2023085600A JP2021199718A JP2021199718A JP2023085600A JP 2023085600 A JP2023085600 A JP 2023085600A JP 2021199718 A JP2021199718 A JP 2021199718A JP 2021199718 A JP2021199718 A JP 2021199718A JP 2023085600 A JP2023085600 A JP 2023085600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
coloring composition
meth
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021199718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7219378B1 (ja
Inventor
康明 須田
Yasuaki Suda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Visual Solutions Co Ltd
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyo Visual Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd, Toyo Visual Solutions Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2021199718A priority Critical patent/JP7219378B1/ja
Priority to CN202211497318.6A priority patent/CN116256942A/zh
Priority to TW111146258A priority patent/TW202323868A/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP7219378B1 publication Critical patent/JP7219378B1/ja
Publication of JP2023085600A publication Critical patent/JP2023085600A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/22Absorbing filters
    • G02B5/223Absorbing filters containing organic substances, e.g. dyes, inks or pigments
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/027Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、現像時に低露光量であっても所期の画素幅が得られ、画素表面のシワを抑制し、画素に耐熱性があり、積層フォトスペーサーの高さを制御しやすい感光性着色組成物の提供を目的する。【解決手段】着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、前記重合性化合物(C)が、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)を含み、前記光重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)を含む感光性着色組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ等に使用する感光性着色組成物に関する。
画像表示装置や固体撮像素子等に使用する光学フィルタの1種であるカラーフィルタは、通常、感光性着色組成物から形成した被膜に対して、フォトリソグラフィー法等の工程でパターン形成を行っている。
液晶ディスプレイ(LCD)はTFT基板とカラーフィルタ基板を所定の間隔を設けて対向させて配置し、隙間には液晶が封入されている。この間隔を正確に保持しなければ、液晶層の厚みに差異が生じて表示不良が発生する。そこで、特許文献1には、形成する方法が提案されている。特許文献1には、スペーサーと呼ばれる直径10μm~50μmの柱状突起をカラーフィルタの基板上にフォトリソグラフィーの手法で形成する手法が開示されている。
スペーサーを形成する感光性着色組成物として、特許文献2には。体質顔料、特殊モノマーを含む感光性着色組成物が開示されている。特許文献3には、エポキシ硬化剤を含む感光性着色組成物が開示されている。特許文献4には、溶剤組成を調整してレベリング性を向上させた感光性着色組成物が開示されている。
特開2013-101234号公報 特開2013-97235号公報 特開2020-095194号公報 特開2019-133144号公報
しかし、従来の組成物は、工程時間を短縮するため現像時の露光量を下げると画素幅が狭くなる問題、画素表面にシワが発生する問題、および耐熱性が不足する問題があった。また従来の組成物は、積層フォトスペーサー高さを制御することが難しかった。
本発明は、現像時に低露光量であっても所期の画素幅が得られ、画素表面のシワを抑制し、画素に耐熱性があり、積層フォトスペーサーの高さを制御しやすい感光性着色組成物の提供を目的とする。
本発明は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記重合性化合物(C)が、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)を含み、
前記光重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)を含む感光性着色組成物に関する。
また本発明は、前記重合性化合物(C)が、更に、25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)を含む前記感光性着色組成物に関する。
また本発明は、前記25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)の含有量が、前記重合性化合物(C)100質量%中、5~50質量%である前記感光性着色組成物に関する。
また本発明は、前記着色剤(A)が、中心金属がAlであるフタロシアニン顔料を含む前記感光性着色組成物に関する。
また本発明は、基板、及び前記感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを有するカラーフィルタに関する。
また本発明は、前記カラーフィルタを有する画像表示装置に関する。
また本発明は、前記カラーフィルタを有する固体撮像素子に関する。
上記の本発明によれば、現像時に低露光量であっても所期の画素幅が得られ、画素表面のシワを抑制し、画素に耐熱性があり、積層フォトスペーサーの高さを制御しやすい感光性着色組成物を提供できる。また、本発明は、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子を提供できる。
図1は、画像表示装置の概略断面図を示す。 図2は、画素および積層フォトスペーサー高さ評価の概略断面図を示す。
本願明細書の用語を定義する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。着色剤は、顔料および染料を含む。
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含み、
前記重合性化合物(C)が、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)を含み、
前記光重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)を含む。本発明の感光性着色組成物は、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)および1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)の相乗効果により、現像時に低露光量であっても所期の画素幅が得られ、画素表面のシワを抑制し、画素に耐熱性があり、積層フォトスペーサーの高さを制御しやすい課題を解決できる。
本発明の感光性着色組成物は、画像表示装置や固体撮像素子等のカラーフィルタを構成する画素や積層フォトスペーサー等の用途に使用することが好ましい
<着色剤>
着色剤は、顔料または染料が挙げられる。顔料は、有機顔料、無機顔料が挙げられる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い面で有機顔料が好ましい。以下に、有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、C.I.ピグメントレッド48:1,122,177,224,242,269,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料がさらに好ましい。
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報、特開2017-171912号公報、特開2017-171913号公報、特開2017-171914号公報、特開2017-171915号公報等に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー138,139,150,185,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が好ましい。
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン36、58、59、62、63が好ましい。
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6が好ましい。
紫色顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19,23が好ましい。
黒色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31,32等が挙げられる。また、特表2010-534726号公報、特表2012-515233号公報、特表2012-515234号公報、特開平1-170601号公報、特開平2-34664号公報等に記載の化合物も挙げられる。
本明細書で感光性着色組成物は、緑色顔料および黄色顔料を含む感光性緑色組成物が好ましい。この場合、緑色顔料はC.I.ピグメントグリーン58(中心金属がZnであるフタロシアニン顔料)、63(中心金属がAlであるフタロシアニン顔料)が好ましく、C.I.ピグメントグリーン63がより好ましい。黄色顔料は、C.I.ピグメントイエロー138が好ましい。これにより、例えば、白色LEDをバックライトに用いるLCD用途で輝度が高い最緑色画素を形成できる。
上記以外の無機顔料は、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。
<顔料の微細化>
着色剤に有機顔料を使用する場合は、微細化処理を行った後、他の原料と混合することが好ましい。微細化処理の方法は、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法等が挙げられる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等が好ましい。微細化処理後の有機顔料の平均一次粒子径は、10~80nmが好ましく、15~70nmがより好ましい。適度な粒子径により分散性がより向上し、被膜のコントラスト比がより向上する。なお、平均一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)の拡大画像から任意に選択した約20個の粒子の平均値である。なお、粒子の縦軸長さと横軸長さがある場合、縦軸長さを使用する。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50~2000質量部が好ましく、300~1000質量部がより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する。水溶性有機溶剤は、水に溶解(混和)し、水溶性無機塩を実質的に溶解しない化合物である。水溶性有機溶剤は、ソルトミリング時の温度上昇で揮発しにくい面で沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤は、例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が挙げられる。水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対し、5~1000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
ソルトミリング処理の際、必要に応じて樹脂を添加できる。樹脂は、例えば、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。樹脂は、室温で固体であり、水不溶性が好ましく、かつ水溶性有機溶剤に一部可溶がより好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5~200質量部が好ましい。
<金属の除去>
顔料の構成成分以外の不純物として特定金属元素が着色組成物に多く存在すると、経時分散安定性を阻害するし、また、耐熱性が低下する場合や、感度低下を引き起こす場合がある。また、これを用いて作成したカラーフィルタは、異物の発生がある場合があり、結果として明度低下を引き起こしやすい。感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCr(以下、特定金属元素ともいう)の合計含有量が、500質量ppm以下であることが好ましい。
感光性着色組成物に含まれる特定金属元素の合計量は、300質量ppm以下がより好ましく、200質量ppm以下が特に好ましい。また、特定金属元素の合計量の下限は、特に限定されないが、1質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましい。上記範囲内であれば、コストも抑制でき、保存安定性に優れ、かつ異物の発生、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる感光性着色組成物を得ることができる。なお、特定金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
感光性着色組成物に含まれる各特定金属元素の量は、各々100質量ppm以下が好ましく、各々50質量ppm以下がより好ましい。
また、顔料を構成するNi、Zn、Cu、Al、Fe、Fe、Co、及びCoなどの金属も有効に機能しない不純物も少ない方がよく、以下の方法で特定金属元素と同様に取り除くことが出来る。さらに、Mn、Cs、Ti、Co、Si、Pd等も感光性着色組成物の各種原料の製造工程で用いる材料(たとえば触媒)などにより混入してしまったものも低濃度であることが好ましい。
着色剤(A)あるいは製造過程での装置からの混入した金属を除去する方法としては特開2010-83997号公報、特開2018-36521号公報、特開平7-198928号公報、特開平8-333521号公報、特開2009-7432号公報等による水洗による方法、特開2011-48736号公報に記載のマグネットによる磁性異物の除去等の方法が挙げられる。
<染料>
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、染料の誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料も挙げられる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。また、酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、または一級アミン化合物等の含窒素化合物との塩である造塩化合物が好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性着色組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸またはその金属塩と塩を形成する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンとしてはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
染料の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料等が挙げられる。これらの中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料がより好ましい。
着色剤(A)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
着色剤(A)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
<色素誘導体>
着色組成物には、必要に応じて色素誘導体を使用できる。色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、またはリン酸基などの酸性置換基を有する化合物、ならびにこれらのアミン塩、スルホンアミド基、または末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体は、特開2001-220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017-156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体は、特開2007-226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体は、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体は、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体は、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体は、特開2007-314785号公報、トリアジン系色素誘導体は、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体は、特開2009-57478号公報、キノフタロン系色素誘導体は、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系色素誘導体は、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、アゾ系色素誘導体は、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基は、特開2004-307854号公報、塩基性置換基は、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報に記載された色素誘導体が挙げられる。なお、これらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
色素誘導体は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の使用量は、有機顔料100質量部に対し、1~100質量部が好ましく、3~70質量部がより好ましく、5~50質量部がさらに好ましい。
顔料に色素誘導体を添加し、アシッドペースティング、アシッドスラリー、ドライミリング、ソルトミリング、ソルベントソルトミリング等の微細化処理を行う事で、顔料表面に色素誘導体が吸着し、色素誘導体を添加しない場合と比較して顔料の一次粒子をより微細化することができる。
<樹脂型分散剤>
本発明の感光性着色組成物は、分散樹脂(G)を含有できる。分散樹脂(G)は、着色剤(A)に吸着する着色剤親和性部位と、着色剤以外の成分と親和性が高く、分散粒子間を立体反発させる緩和部位とを有する。
分散樹脂(G)は、例えば、ポリウレタン等のウレタン系分散剤、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩;(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等;ポリエステル、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
また、塩基性官能基を有する高分子分散樹脂は、窒素原子含有グラフト共重合体、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体やウレタン系高分子分散樹脂等が挙げられる。
市販の樹脂型分散樹脂は、例えば、ビックケミ-・ジャパン社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti-Terra-U、203、204、またはBYK-P104、P104S、220S、LPN6919、LPN21116、LPN21324またはLactimon、Lactimon-WSまたはBykumen等、日本ル-ブリゾ-ル社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASFジャパン社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ-PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
分散樹脂(G)の使用量は、着色剤(A)に対して3~200質量%程度が好ましく、5~100質量%程度がより好ましい。適量使用すると成膜性が向上する。
[アルカリ可溶性樹脂(B)]
アルカリ可溶性樹脂(B)は、バインダ樹脂であり、被膜をフォトリソグラフィー法でパターン形成する用途に使用することが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)は、アルカリ可溶性基を有する。アルカリ可溶性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)は、非感光性アルカリ可溶性樹脂、及び感光性アルカリ可溶性樹脂に大別できる。
(非感光性アルカリ可溶性樹脂)
非感光性アルカリ可溶性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
(感光性アルカリ可溶性樹脂)
感光性アルカリ可溶性樹脂は、重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂である。感光性アルカリ可溶性樹脂は、例えば、以下に示す(i)または(ii)の方法で合成する樹脂が好ましい。活性エネルギー線による硬化で樹脂は、3次元架橋して架橋密度が向上し薬品耐性が向上する。
[方法(i)]
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、モノカルボキシル基含有単量体を付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて感光性アルカリ可溶性樹脂を得る方法が挙げられる。
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエ-ト、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナ-ト、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラ-ト、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノア-ト、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、後述する水酸基含有単量体の水酸基に、たとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物等のリン酸エステル基含有単量体が挙げられる。
モノカルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられる。
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解することもできる。
また、方法(i)に似た方法として、例えば、カルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のカルボキシル基の一部にエポキシ基含有単量体を付加し、感光性アルカリ可溶性樹脂を得る方法が挙げられる。
[方法(ii)]
方法(ii)は、例えば、水酸基含有単量体、モノカルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させる方法が挙げられる。
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート類が挙げられる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。これらの中でも被膜中に異物が生じ難い面で2-ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。また、光感度の面でグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基含有単量体は、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
モノカルボキシル基含有単量体、およびその他単量体は、既に例示した単量体を使用できる。
感光性アルカリ可溶性樹脂の合成に使用する原料は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
また感光性アルカリ可溶性樹脂は、上段で説明した非感光性アルカリ可溶性樹脂に重合性不飽和基を付与した樹脂でもよい。
アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、2,000~40,000が好ましく、3,000~30,000がより好ましく、4,000~20,000がさらに好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。適度なMwにより基板に対する密着性およびアルカリ現像性が向上する。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために50~200mgKOH/gが好ましく、70~180mgKOH/gがより好ましく、90~170mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価によりアルカリ現像溶解性が向上し、残渣を抑制できる。パターンの直線性が向上する。
アルカリ可溶性樹脂(B)の含有量は、現像液溶解性の観点から、感光性着色組成物の不揮発分中に5~60質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。
本明細書では、アルカリ可溶性樹脂以外のバインダ樹脂として熱可塑性樹脂を併用できる。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合のビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。なお、オリゴマーは、分子量1000以上の化合物である。
重合性化合物(C)は、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)、25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)、酸基を有する重合性化合物(C3)、およびその他重合性化合物(C4)が挙げられる。これらの中でも脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)、25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)が好ましく、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)がより好ましい。
(脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1))
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)は、分子内に、芳香族部位を有さず脂肪族部位およびウレタン結合を有する(メタ)アクリレートである。脂肪族部位は、例えば、鎖状炭化水素基、飽和環状炭化水素基が挙げられる。脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)を使用すると耐熱性の向上および画素のシワ抑制を両立できる。また、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)は、比較的低粘度であるため、積層フォトスペーサーの高さを制御に寄与する。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)は、上記部位を有すればよく限定さないところ、例えば、脂肪族ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートの反応生成物が挙げられる。特に直鎖脂肪族ジイソシアネートを反応物にする脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)は、耐熱性がより向上する。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートは、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)の市販品は、共栄社化学株式会社製のUA-306H、UA-306I、UA-510H等が挙げられる。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、5~95質量%が好ましく、5~80質量%がより好ましい。
(25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2))
感光性着色組成物は、25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)(以下、重合性化合物(C2)という)を含有すると乾燥工程で溶剤が蒸発する際の被膜の流動性を高めることができるため積層フォトスペーサーの高さ調整がより容易になる。なお、溶剤種を変えることでも上記高さ調整ができるが、残留溶剤の悪影響が懸念されるため好ましくない。
重合性化合物(C2)は、例えば、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFEO変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(及びテトラ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。市販品の例は、東亜合成社製M-309、M-310、M-450、新中村化学工業社製A-DCP等が挙げられる。
重合性化合物(C2)の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、5~50質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
重合性化合物(C2)の重合性不飽和基は、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。これにより低露光量での線幅感度および乗り上げ率制御の両立が容易となる。
(酸基を有する重合性化合物(C3))
酸基を有する重合性化合物(C3)は、酸基として、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。
酸基を有する重合性単量体(C3)は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。具体例は、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン-1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン-1,2,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられる。
その他重合性化合物(C4)は、例えばジペンタエリスリトールペンタ(及びヘキサ)(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ビス及びトリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、共栄社化学社製のUA-306H等が挙げられる。
重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合性化合物(C)の配合量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1~50質量%が好ましく、2~40質量部がより好ましい。適量配合すると硬化性及び現像性がより向上する。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)は、1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)を含み、必要に応じてその他光重合開始剤を併用できる。
(オキシム系光重合開始剤(D2))
オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN-O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系化合物は高い量子効率を持つため好適に使用される。
オキシム系光重合開始剤(D2)は、1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物(D2a)、1分子中にオキシム基を2つ含有する化合物(D2b)が挙げられ、低露光量での線幅感度が良好な点から、1分子中にオキシム基を2つ含有する化合物(D2b)がより好ましい。
〔1分子中にオキシム基を2つ含有する化合物(D2b)〕
1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)は、例えば、特開2005-215378号公報、特開2011-105713号公報、特表2017-523465号公報、特開2021-011486号公報等に記載の化合物等が挙げられる。なかでも、下記一般式(7)で表される化合物が好ましい。
一般式(7)
Figure 2023085600000002
一般式(7)中、X及びXは、それぞれ独立にカルボニル結合(-CO-)または単結合を表す。Xは、単結合または硫黄原子を表す。Rは、炭素数1~20のアルキル基を表し、R及びRは、個々独立に水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環、炭素数6~30のアリール基、または炭素原子数7~30のアリールアルキル基を表す。R及びRは、各々独立に炭素数1~20のアルキル基、炭素原子数2~30の複素環基、炭素数6~30のアリール基、または炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。
一般式(7)中、X及びXは、それぞれ独立にカルボニル結合(-CO-)または単結合を表す。なかでも、有機溶剤への溶解性の観点から、X及びXの少なくとも1つはカルボニル結合(-CO-)が好ましく、X及びXはカルボニル結合(-CO-)がより好ましい。
一般式(7)中、Xは、単結合または硫黄原子であり、単結合が好ましい。
一般式(7)中、Rは、炭素数1~20のアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、またはこれらの組合せのアルキル基のいずれであってもよく、また、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換されたアルキル基であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
一般式(7)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環、炭素数6~30のアリール基、または炭素原子数7~30のアリールアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基は、上記同様である。その中でも、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基が好ましい。
炭素数2~30の複素環基は、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
炭素数6~30のアリール基は、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。アリール基は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換された基であってもよい。
炭素数7~30のアリールアルキル基は、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。アリールアルキル基は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換された基であってもよい。
これらの中でも、R及びRは、有機溶剤への溶解性の観点から、少なくとも1つは炭素数1~20の直鎖状のアルキル基が好ましく、有機溶剤への溶解性、及び水しみの抑制の観点から、炭素数1~20の直鎖状のアルキル基と炭素数1~20の環状のアルキル基がより好ましい。
一般式(7)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~20のアルキル基、炭素原子数2~30の複素環基、炭素数6~30のアリール基、または炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基は、上記同様である。その中でも、反応性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
炭素数2~30の複素環基は、上記同様である。
炭素数6~30のアリール基は、上記同様である。その中でも、反応性の観点から、フェニル基が好ましい。
炭素数7~30のアリールアルキル基は、上記同様である。
これらの中でも、R及びRは、反応性の観点から、メチル基、エチル基、またはフェニル基が好ましく、メチル基、またはエチル基がより好ましい。
一般式(7)で表される化合物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、特表2017-523465号公報、特開2021-011486号公報等に記載の方法を用いることができる。
以下、1分子中にオキシム基を2つ含有する化合物(D2b)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2023085600000003
化学式(10)
Figure 2023085600000004
化学式(11)
Figure 2023085600000005
化学式(8)~(11)の中でも、水しみの抑制の観点から、化学式(8)の化合物が好ましい。
〔1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物(D2a)〕
1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物(D2a)の市販品は、例えば、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03、ADEKA社製のアデカアークルズN-1919,NCI-831,930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,358,380,365,610,3054,3057、IGM Resins社製のOMNIRAD1312,1314,1316、サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,EOX-01等が挙げられる。
1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物(D2a)の具体例は、例えば、以下のものが挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2023085600000006
化学式(3)~(6)の化合物の製造方法は、例えば、特表2004-534797号公報、特開2008-80068号公報、特表2012-526185号公報、国際公開第2015/036910号、国際公開第2015/152153号、特表2016-504270号公報、特表2017-512886号公報等に記載の方法が挙げられる。
1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物(D2a)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
(一般式(1)で表される光重合開始剤(D1))
一般式(1)
Figure 2023085600000007
(一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子数1~8のアルキル基を表す。Rは、水素原子、または1価の置換基を表す。)
、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子数1~8のアルキル基を表す。
炭素原子数1~8のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。なかでも、水しみの抑制、パターン形状の観点から、炭素原子数3~8の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素原子数4~6の直鎖のアルキル基がより好ましい。
は、水素原子、または任意の1価の置換基を表す。
1価の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素原子数1~20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1~20のアルコキシ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;炭素原子数1~20のアシル基;炭素原子数1~20のアルキルエステル基;炭素原子数1~20のアルコキシカルボニル基;炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数4~20の芳香族環基;アミノ基;炭素原子数1~20のアミノアルキル基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;置換基を有してよいベンゾイル基;置換基を有してよいテノイル基等が挙げられる。ベンゾイル基、またはテノイル基が有してよい置換基としては、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。なかでも、ラジカル生成効率の観点から、水素原子、ニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物(D1)の製造方法は、例えば、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報等に記載の方法が挙げられる。
以下、一般式(1)で表される化合物(D1)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
化学式(2)
Figure 2023085600000008
その他光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、オキシムエステル系化合物が好ましい。
光重合開始剤(D)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合開始剤(D)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、1~20質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。適量配合すると光硬化性及びフォトリソグラフィー性がより向上する。
<増感剤>
本発明の感光性着色組成物は、増感剤を含有できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でもチオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等がより好ましい。
増感剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
増感剤の含有量は、光重合開始剤(D)100質量部に対し、3~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。適量含有すると硬化性、現像性がより向上する。
<熱硬化性化合物>
本発明の感光性着色組成物は、熱硬化性化合物を含有できる。これにより、加熱工程で熱硬化性化合物が反応し、架橋密度が高まるため耐熱性が向上する。
熱硬化性化合物は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
熱硬化性化合物の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~50質量%が好ましく、1~40質量%がより好ましい。
<チオール系連鎖移動剤>
感光性着色組成物は、連鎖移動剤を含有できる。連鎖移動剤は、チオール系連鎖移動剤が好ましい。チオール系連鎖移動剤は、光重合開始剤と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性着色組成物の感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤は、チオール基(SH基)2以上有するある多官能チオールが好ましい。なお、チオール系連鎖移動剤は、SH基を4以上有することがより好ましい。官能基数が増えると被膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
チオール系連鎖移動剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1~10質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。適量含有すると光感度、テーパー形状が向上し、被膜表面にシワが発生し難くなる。
<重合禁止剤>
感光性着色組成物は、重合禁止剤を含有できる。これによりフォトリソグラフィー法の露光時にマスクの回折光による感光を抑制できるため、所望の形状のパターンが得やすくなる。
重合禁止剤は、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-tert-ブチルカテコール、3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、2-エチルレゾルシノール、4-エチルレゾルシノール、2-プロピルレゾルシノール、4-プロピルレゾルシノール、2-n-ブチルレゾルシノール、4-n-ブチルレゾルシノール、2-tert-ブチルレゾルシノール、4-tert-ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分中、0.01~0.4質量部が好ましい。適量含有すると良好なパターン形状が得やすくなる。
<紫外線吸収剤>
感光性着色組成物は、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びサリシレート系化合物等が挙げられる。なお、紫外線吸収剤は、オリゴマーやポリマーであってもよい
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。適量含有すると現像後の解像性がより向上する。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1~20質量%が好ましい。適量含有すると基板と被膜の密着性がより向上し、良好な解像性が得られる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸エステル系化合物としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。適量含有すると良好なパターン形状が得やすい。なお、感光性着色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
<酸化防止剤>
感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、感光性着色組成物から形成される被膜が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化による黄変を防ぎ、被膜の透過率の低下を抑制できる。特に感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、相対的に光重合性化合物(D)の含有量が減少するため、光重合開始剤の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると被膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、被膜の透過率の低下を抑制できる。
酸化防止剤は、ラジカル補足機能、又は過酸化物分解機能を有する化合物である。酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、ヒドロキシルアミン系化合物の化合物等が挙げられる。なお、酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
酸化防止剤(L)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
酸化防止剤(L)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。適量含有すると透過率、分光特性、及び感度が向上する。
<レベリング剤>
感光性着色組成物は、レベリング剤を含有できる。これにより、被膜形成時の透明基板に対する濡れ性および被膜の乾燥性がより向上する。レベリング剤は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコ-ニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤またはレベリング剤が挙げられる。
市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテ-ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ-ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロ-ルモノステアレート、グリセロ-ルモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフロ-No.75,No.90,No.95等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
市販品は、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
レベリング剤(M)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
レベリング剤(M)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。この範囲内であることで、感光性着色組成物の塗布性と密着性のバランスがより向上する。
<貯蔵安定剤>
感光性着色組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。貯蔵安定剤は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1~10質量%が好ましい。
<密着向上剤>
感光性着色組成物は、密着向上剤を含有できる。これにより被膜と基材の密着性がより向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。密着向上剤は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類が挙げられる。
密着向上剤の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましい。適量含有すると感光性着色組成物の光感度が向上し、被膜の密着性がより向上し、パターンの解像性もより向上する。
<溶剤>
感光性着色組成物は、溶剤を含有できる。これにより感光性着色組成物の粘度調整が容易になるため、表面が平滑な被膜を形成し易い。溶剤は、使用目的に応じて適宜選択し、適量を含有すれば良い。
溶剤は、例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤を含むことが好ましい。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。
<感光性着色組成物の製造方法>
感光性着色組成物は、例えば、着色剤(A)、および色素誘導体および/または分散樹脂等を使用して分散処理を行い着色剤分散体を作製する。次いで、着色剤分散体、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)等を配合し混合して製造できる。なお、配合する材料および配合するタイミングは、任意である。また、分散工程は、複数回行うこともできる。
前記分散処理は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の分散装置を使用できる。
<粗大粒子の除去>
本明細書では、着色剤(A)分散体の段階、または感光性着色組成物を作製してから、含有する粗大粒子を除去することが好ましい。これにより、被膜から異物を除去できるため微細なパターンを形成し易くなる。
前記除去は、例えば、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の方法で行うことが好ましい。これにより5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子等の異物を除去できる。このように感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下を含まないことが好ましい。
<感光性着色組成物中の水分量>
本発明の感光性着色組成物は、含まれる水の含有量が2質量%以下であることが好ましい。水の含有量が、上記範囲内になると、感光性着色組成物の経時保存後の分散安定性・感度に優れる。なお、水の含有量は、1.8質量%以下が好ましく、1.6質量%以下がより好ましい。
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、乾燥した不活性ガスを吹き込みながら、感光性着色組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブスを投入し脱水する方法等が挙げられる。その中でも、乾燥した不活性ガスを吹き込みながら、調整する方法が好ましい。
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
<カラーフィルタ>
本明細書のカラーフィルタは、基材(透明基板ともいう)、および感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備える。カラーフィルタセグメント(以下、フィルタセグメントともいう)は、使用する着色剤(A)の種類を適宜選択することで、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有することが好ましい。また、カラーフィルタは、これらカラーフィルタセグメントに変えて補色系のマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、黄色フィルタセグメントを有することができる。なお、透明基板に代えて反射基板を使用できる。透明基板は、例えば、ガラス基板が挙げられる。反射基板は、例えばアルミ電極や金属薄膜を反射面として使用する基板が挙げられる。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、まず基材上にブラックマトリクスを形成し、次いでフィルタセグメントを形成することが好ましい。なお、基材上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成してからブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクスは、例えば、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が挙げられる。
フィルタセグメントの形成は、例えば、印刷法、電着法、転写法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等で作製できる。本明細書では、最も好ましいフォトリソグラフィー法を説明する。
電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色のフィルタセグメントをそれぞれ透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを作製する。また、転写法は、剥離性シートの剥離処理面に、フィルタセグメントを形成する。次いでこのフィルタセグメントを透明基板に転写して作製する。
フォトリソグラフィー法は、例えば、ある色調の着色剤を含有する感光性着色組成物を、透明基板上に、乾燥膜厚が0.2~5μm程度になるように塗布し被膜を形成する。得られた被膜(以下、第一の被膜という)は、所定のパターンを有するマスクを通して露光(光照射)を行う。次いで、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧し現像を行い、未硬化部分を除去して所望のパターンを得る。この工程を他の色調の着色剤を有する感光性着色組成物を使用して同様に行うことで、各色のフィルタセグメントを有するカラーフィルタを製造できる。また、露光前の第一の被膜上にさらにポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂を使用して第二の被膜(酸素遮断膜)を形成できる。これにより第一の被膜は、酸素に接しないため露光感度がより向上する。また、カラーフィルタは、フィルタセグメント中に未硬化の光重合性化合物を硬化させるために加熱を行うことができる。
塗布装置は、例えば、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等が挙げられる。塗工に際し、乾燥工程を行うことができる。乾燥装置は、例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター等が挙げられる。
前記現像液は、アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ;ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリが挙げられる。また、現像液は、消泡剤や界面活性剤を添加できる。
本発明のカラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、カラー液晶表示装置が製造される。このカラー液晶表示装置は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
本明細書でカラーフィルタは、液晶表示装置以外に固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、電子ペーパー、ヘッドマウントディスプレイ等の用途に使用できる。
<液晶表示装置>
本明細書の画像表示装置は、カラーフィルタを備える。画像表示装置は、さらに光源を備えることが好ましい。画像表示装置の一例として液晶表示装置を説明する。
液晶表示装置は、カラーフィルタと、光源とを具備する。光源は、例えば、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm~485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm~580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm~650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm~485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm~580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1としては、具体的にはNSSW306D-HG-V1(日亜化学社製)、NSSW304D-HG-V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
実施例に先立ち、樹脂の平均分子量、及び樹脂の酸価の測定方法の計算方法について説明する。
(樹脂の平均分子量)
樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットール注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
(塩基性樹脂型分散剤のアミン価(mgKOH/g))
塩基性樹脂型分散剤のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
(アンモニウム塩価(mgKOH/g))
アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、不揮発分のアンモニウム塩価を示す。
<着色剤(A)の製造>
(微細化した赤色顔料(A-1))
C.I.ピグメントレッド254を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で6時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状として、濾過・水洗をして塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより微細化した赤色顔料(A-1)を得た。
(微細化した赤色顔料(A-2))
C.I.ピグメントレッド177を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で6時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状として、濾過・水洗をして塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより微細化した赤色顔料(A-2)を得た。
(微細化した青色顔料(A-3))
C.I.ピグメントブルー15:6を100部、塩化ナトリウム1,000部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、50℃で12時間混練した。この混合物を温水3,000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で24時間乾燥し、粉砕することにより微細化した青色顔料(A-3)を得た。
(微細化した紫色顔料(A-4))
C.I.ピグメントバイオレット23を100部、塩化ナトリウム1,200部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次に、この混練物を8,000部の温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム、およびジエチレングリコールを除いた後、85℃で24時間乾燥し、粉砕することにより微細化した紫色顔料(A-4)を得た。
(微細化した緑色顔料(A-5))
C.I.ピグメントグリーン58を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した緑色顔料(A-5)を得た。
(微細化した緑色顔料(A-6)
特開2017-111398号公報の実施例に従って、下記化学式(12)の緑色顔料(A-6)を得た。緑色顔料(A-6)を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した緑色顔料(A-6)を得た。
化学式(12)
Figure 2023085600000009
(微細化した黄色顔料(A-7))
C.I.ピグメントイエロー150を100部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2,000部に投入し、80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した黄色顔料(A-7)を得た。
(微細化した黄色顔料(A-8))
C.I.ピグメントイエロー138を100部、粉砕した塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した黄色顔料(A-8)を得た。
(微細化した黄色顔料(A-9))
C.I.ピグメントイエロー185(BASFジャパン社製「Palitol Yellow D1155」)100部、粉砕した塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した黄色顔料(A-9)を得た。
(微細化した黄色顔料(A-10)
特開2012-226110号公報の実施例に従って、下記化学式(13)の黄色顔料(A-10)を得た。黄色顔料(A-10)100部、粉砕した塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した黄色顔料(A-10)を得た。
化学式(13)
Figure 2023085600000010
上記微細化された顔料の平均一次粒子径は、5~120nmの範囲内であった。
(染料(A-11))
下記の手順でC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物である染料(A-11)を製造した。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n-ブチルメタクリレート28.0部、2-エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6,830であることを確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%のアンモニウム基を有する側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
次に、水2,000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である染料(A-11)を得た。このとき染料(A-11)中のC.I.アシッドレッド52に由来する成分の含有量は25質量%であった。
<アルカリ可溶性樹脂(B)の製造>
(アルカリ可溶性樹脂(B1-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)270.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりグリシジルメタクリレート(以下、GMA)80.0部、ジシクロペンタニルメタクリレート(以下、DCPMA)75.0部、スチレン29.0部と、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート19.0部、PGMAcの混合物を2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で更に2時間撹拌し前駆体を得た。その後、フラスコ内を空気に置換し、変性化合物としてアクリル酸(以下、AA)40.6部と、触媒であるトリフェニルホスフィン0.6部及びメチルハイドロキノン0.2部を投入し、110℃で10時間反応させた。これにより、GMAのエポキシ基とAAのカルボキシル基を反応させた単量体単位(以下、GMA+AA)を得て、重合性不飽和基含有単量体単位を導入した。
次いで、変性化合物として無水コハク酸(以下、SHA)93.0部を加え、110℃で4時間反応させた。これにより、GMA+AAの水酸基の一部とSHAを反応させた。その後、不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加して、アルカリ可溶性樹脂(B1-1)溶液を調製した。アルカリ可溶性樹脂(B1-1)は、酸価79mgKOH/g、重量平均分子量6,000であった。
(アルカリ可溶性樹脂(B1-2)~(B1-3)溶液)
表1に記載の構成比率になるように配合種、及び量を変え、アルカリ可溶性樹脂(B1-1)と同様の方法で、アルカリ可溶性樹脂(B1-2)~(B1-3)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を20質量%とした。
Figure 2023085600000011
表1に記載のMAA+GMAは、前駆体中のメタクリル酸(以下、MAA)由来のカルボキシル基に、GMAのエポキシ基を付加させた重合性不飽和基含有単量体単位を表す。GMA+AA+THPAは、GMA+AAの反応生成部位の水酸基の一部とテトラヒドロ無水フタル酸(以下、THPA)を反応させた重合性不飽和基含有単量体単位を表す。
(アルカリ可溶性樹脂(B2)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート25.1部、n-ブチルメタクリレート23.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート14.3部、メタクリル酸13.4部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)24.1部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加して、アルカリ可溶性樹脂(B2)溶液を調製した。酸価87mgKOH/g、重量平均分子量25,000であった。
Figure 2023085600000012
<重合性化合物(C)の製造>
(脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1-3))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部、N,Nジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からヘキサメチレンジイソシアネート64部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート64部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、5070℃の温度で8時間反応させ、IRにより2180cm1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。溶剤を留去し、重合性不飽和基数10の脂肪族ウレタンアクリレート(C1-3)を得た。
(酸基を有する重合性化合物(C3-2))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、PGMAc100部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からトルエンジイソシアネート66部とPGMAc66部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。ついで、メルカプト酢酸35部、4-メトキシフェノール0.6部を仕込み、50~60℃の温度で6時間反応させた。溶剤を留去し、酸基を有する重合性化合物(C3-2)を得た。
<分散樹脂(G)の製造>
(分散樹脂(G-1)溶液)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500の分散樹脂(G-1)溶液を得た。
(分散樹脂(G-2)溶液)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、1-チオグリセロール108部、ピロメリット酸無水物174部、PGMAc650部、触媒としてモノブチルスズオキシド0.2部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で5時間反応させた(第一工程)。酸価の測定で95%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した。次に、第一工程で得られた化合物を不揮発分換算で160部、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート200部、エチルアクリレート200部、t-ブチルアクリレート150部、2-メトキシエチルアクリレート200部、メチルアクリレート200部、メタクリル酸50部、PGMAc663部を仕込み、反応容器内を80℃に加熱して、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.2部を添加し、12時間反応した(第二工程)。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。最後に、第二工程で得られた化合物の不揮発分50%のPGMAc希釈溶液を500部、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)27.0部、ヒドロキノン0.1部を仕込み、IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認するまで反応を行った(第三工程)。ピーク消失の確認後、反応溶液を冷却して、PGMAcで不揮発分調整することにより不揮発分30%の分散樹脂(G-2)溶液を得た。得られた分散樹脂(G-2)の酸価は68mgKOH/g、不飽和二重結合当量は1,593、重量平均分子量は13,000であった。
(分散樹脂(G-3)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、無水トリメリット酸3部、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール1部、メトキシプロピルアセテート50部、ジメチルベンジルアミン0.1部を仕込んだ。窒素ガスで置換した後、反応容器内を120℃に加熱し4時間反応させ、次いで80℃で2時間反応させた。さらにターシャリーブチルアクリレート30部、ETERNACOLL OXMA(3-エチル-3-オキセタニル)メチルメタクリレート、宇部興産社製)20部、メタクリル酸5部、エチルアクリレート40部、メトキシプロピルアセテート10部を仕込み、反応容器内を80℃に保ちながら2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.2部を15回に分けて30分ごとに添加した。最終添加から1時間後に不揮発分測定を行い、モノマーの95%が反応したことを確認した。最後にメトキシプロピルアセテート希釈した後、冷却して反応を完了した。不揮発分30%、不揮発分当たりの酸価51mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)24,000の分散剤(G-3)を得た。
(分散樹脂(G-4)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート30部、nーブチルメタクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとして1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート20部(日立化成工業社製、ファンクリルFA-711MM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、不揮発分当たりのアミン価が57mgKOH/g、数平均分子量4,500(Mn)の分散樹脂(G-4)溶液を得た。
(分散樹脂(G-5)溶液)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)250質量部及び開始剤のジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール5.81質量部を、添加用ロートを介して加え、充分に窒素置換を行った。触媒のテトラブチルアンモニウムm-クロロベンゾエートの1モル/Lアセトニトリル溶液0.5質量部を、シリンジを用いて注入し、親溶剤性を有するブロック用モノマーのメタクリル酸2-ヒドロキシエチル19.7質量部、メタクリル酸2-エチルヘキシル7.5質量部、メタクリル酸n-ブチル12.9質量部、メタクリル酸ベンジル10.7質量部、メタクリル酸メチル30.9質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。フラスコを氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、色材吸着機能ブロック用モノマーであるジメチルアミノプロピルメタクリルアミド18.3質量部を20分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行った。
続いて、100mL丸底フラスコ中でPGMAc35質量部に、得られたブロック共重合体15.0質量部を溶解させ、塩形成成分であるフェニルホスフィン酸1.1質量部(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに対し、0.5モル等量)加え、反応温度30℃で20時間攪拌し、PGMAcを添加して調整し、不揮発分30%の分散樹脂(G-5)溶液を得た。
<分散体の製造>
(分散体1)
直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で、3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、以下の組成の分散体1を作製した。有機溶剤(P-1)は、PGMAcである。
微細化した青色顔料(A-3) :9.05質量部
微細化した紫色顔料(A-4) :0.31質量部
染料(A-11) :4.16質量部
色素誘導体(F-1) :1.04質量部
分散樹脂(G-1)溶液 :3.47質量部
アルカリ可溶性樹脂(B2-1)溶液 :10.0質量部
有機溶剤(P-1) :71.97質量部
色素誘導体(F-1):下記構造
Figure 2023085600000013

ただしnは1~4の整数である。
表3に記載した原料、量を変えた以外は、分散体1と同様に分散体2~9を作成した。
Figure 2023085600000014
表3の色素誘導体(F-2):下記構造
Figure 2023085600000015
表3の色素誘導体(F-3):下記構造
Figure 2023085600000016
色素誘導体(F-4):下記構造
Figure 2023085600000017
色素誘導体(F-5):下記構造
Figure 2023085600000018
<感光性着色組成物の製造>
[実施例1]
(感光性着色組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物1を得た。
分散体3 :31.74質量部
分散体5 :27.44質量部
アルカリ可溶性樹脂(B1-1)溶液 :2.90質量部
重合性化合物(C1-1) :2.12質量部
重合性化合物(C2-1) :1.20質量部
重合性化合物(C4-1) :1.70質量部
オキシム系光重合開始剤(D2b-1) :0.44質量部
熱硬化性化合物(H1-1) :0.08質量部
重合禁止剤(J) :0.0015質量部
レベリング剤(M) :0.50質量部
有機溶剤(P) :31.89質量部
[実施例2~31、比較例1~2]
実施例1の感光性着色組成物1を、表4-1~表4-2に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2~21、比較例1~2の感光性着色組成物を作製した。
Figure 2023085600000019
Figure 2023085600000020
表4-1~表4-2に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
[重合性化合物(C)]
(脂肪族ウレタンアクリレート(C1))
C1-1:UA-306H(共栄社化学社製)
C1-2:UA-306I(共栄社化学社製)
(25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2))
括弧内に重合性不飽和基の官能基数と25℃における粘度を記載する。
C2-1:M-309(東亞合成社製:3官能、60-150mPa・s)
C2-2:M-310(東亞合成社製:3官能、60-110mPa・s)
C2-3:M-450(東亞合成社製:4官能、400-650mPa・s)
C2-4:A-DCP(新中村化学工業社製:2官能、135mPa・s)
(酸基を有する重合性化合物(C3))
C3-1:アロニックスM-520(東亞合成社製、多塩基酸変性アクリルオリゴマー 酸基:カルボキシル基)
(その他重合性化合物(C4))
C4-1:KAYARAD DPHA(日本化薬社製、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物)
C4-2:UA-306T(共栄社化学社製、トリレンジイソシアネート変性物である芳香族ウレタンアクリレート)
[光重合開始剤(D)]
〔1分子中にオキシム基を2つ含有する化合物(D2b)〕
D2b-1:上述の化学式(8)の化合物
D2b-2:上述の化学式(11)の化合物
〔1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物(D2a)〕
D2a-1:TRONLY TR-PBG-3057(常州強力新材料社製、1分子中にオキシム基を1つ含有する化合物)
D2a-2:上述の化学式(3)の化合物
D2a-3:上述の化学式(4)の化合物
D2a-4:上述の化学式(5)の化合物
D2a-5:上述の化学式(6)の化合物
(一般式(1)で表される光重合開始剤(D1))
D1-1:上述の化学式(2)の化合物
(その他光重合開始剤(D3))
D3-1:Omnirad 907(IGM Resins社製、アセトフェノン系化合物)
D3-2:Omnirad 369(IGM Resins社製、アセトフェノン系化合物)
[増感剤(E)]
(チオキサントン系化合物(E1))
D1-1:2,4-ジエチルチオキサントン
(ベンゾフェノン系化合物(E2))
D2-1:4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[熱硬化性化合物]
(エポキシ化合物(H1))
H1-1:EHPE-3150(ダイセル社製)
[重合禁止剤(J)]
J-1:4-メチルカテコール
J-2:メチルヒドロキノン
J-3:t-ブチルヒドロキノン
以上、(J-1)~(J-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(J)とした。
[レベリング剤(M)]
M-1:BYK-330(ビックケミー社製)
M-2:メガファックF-551(DIC社製)
以上、(M-1)及び(M-2)をそれぞれ1部混合し、PGMAc98部に溶解させた混合溶液をレベリング剤(M)とした。
[有機溶剤(P)]
P-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
P-2:シクロヘキサノン 30部
P-3:3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
P-4:プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
P-5:シクロヘキサノールアセテート 10部
P-6:ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(P-1)~(P-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、有機溶剤(P)とした。
<感光性着色組成物の評価>
実施例1~21および比較例1~2の感光性着色組成物について、耐熱性、乗り上げ率、線幅感度、輝度(緑色画素のみ評価)及びしシワの評価を下記の方法で行った。評価結果を表5に示す。
[耐熱性評価]
得られた感光性着色組成物について、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で乾燥した。次いで、高圧水銀灯を用いて照度30mW/cm、25mJ/cm、で露光を行った。その後、23℃の炭酸ナトリウム水溶液で40秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。
得られた塗膜のC光源での色度([L、(1)、a(1)、b(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性評価として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L、(2)、a(2)、b(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求めた。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
ΔEab=((L(2)-L(1))+(a(2)-a(1))+(b(2)-b(1)))1/2
5:ΔEabが1未満
4:ΔEabが1以上2未満
3:ΔEabが2以上3未満
2:ΔEabが3以上5未満
1:ΔEabが5以上
[乗り上げ率評価]
積層フォトスペーサーの高さ制御を乗り上げ率で評価した。得られた感光性着色組成物について、スピンコート法によりブラックマトリクスを配置した縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で乾燥した。次いで、高圧水銀灯を用いて照度30mW/cm、25mJ/cmで露光を行った。その後、23℃の炭酸ナトリウム水溶液で40秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。
次いでカラーフィルタの断面図(図2)に示す画素の膜厚(イ)とブラックマトリクス上の積層部の膜厚(ロ)とを接触式膜厚計で測定し、乗り上げ率(ロ÷イ×100)を算出した。その結果を表5に示した。3以上で実用可能とする。
5:乗り上げ率が75以上80未満
4:乗り上げ率が80以上82.5未満
3:乗り上げ率が82.5以上85未満
2:乗り上げ率が85以上90未満
1:乗り上げ率が90以上
[線幅感度]
低露光量時の画素幅制御を線幅感度で評価した。得られた感光性着色組成物について、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mmガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で乾燥した。次いで、高圧水銀灯を用いて照度30mW/cm、25mJ/cmでフォトマスクを使用したパターン露光を行った。なお、基板とフォトマスクの間隔は150μmとした。その後、23℃の炭酸ナトリウム水溶液で40秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。
得られたフォトリソパターン画素幅を光学顕微鏡(オリンパス光学社製「BX-51」、倍率:500倍)および画像処理ソフト(ImagePro)で測定した。3以上を実用可能とする。
5:(画素幅-フォトマスク開口幅)の値が10μm以上
4:(画素幅-フォトマスク開口幅)の値が8μm以上10μ未満
3:(画素幅-フォトマスク開口幅)の値が6μm以上8μ未満
2:(画素幅-フォトマスク開口幅)の値が2μm以上6μ未満
1:(画素幅-フォトマスク開口幅)の値が2μm未満
[輝度]
得られた感光性着色組成物について、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で乾燥した。次いで、高圧水銀灯を用いて照度30mW/cm、25mJ/cmでフォトマスクを使用したパターン露光を行った。なお、基板とフォトマスクの間隔は150μmとした。その後、23℃の炭酸ナトリウム溶液で40秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。
白色LED2においてx=0.298、y=0.593になるような塗布基板を得た。得られた基板の輝度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP-SP100」)で測定した。3以上を実用可能とする。
輝度は緑色着色組成物で評価を行い、それ以外は、評価しない。
5:60.4以上
4:59.9以上、60.4未満
3:59.4以上、59.9未満
2:57.4以上、59.4未満
1:57.4未満
[シワ]
上記パターン形成性評価用基板を、光学顕微鏡(オリンパス光学社製「BX-51」、倍率:200倍)を用いて、パターン表面を観察した。3以上を実用可能とする。
5:パターンの表面にシワが全く観察されない。
4:パターンの表面にごく僅かにシワが観察される。
3:パターンの表面に僅かにシワが観察される。
2:パターンの表面にシワが観察される。
1:パターンの表面に酷くシワが観察される。
Figure 2023085600000021
Figure 2023085600000022
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶
32 ブラックマトリクス
33 画素
34 積層フォトスペーサー
35 透明基板
<分散体の製造>
(分散体1)
直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で、3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、以下の組成の分散体1を作製した。有機溶剤(P-1)は、PGMAcである。
微細化した青色顔料(A-3) :9.05質量部
微細化した紫色顔料(A-4) :0.31質量部
染料(A-11) :4.16質量部
色素誘導体(F-1) :1.04質量部
分散樹脂(G-1)溶液 :3.47質量部
アルカリ可溶性樹脂(B2)溶液 :10.0質量部
有機溶剤(P-1) :71.97質量部
[実施例2~31、比較例1~2]
実施例1の感光性着色組成物1を、表4-1~表4-2に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2~21、比較例1~2の感光性着色組成物を作製した。本明細書で実施例5、6および10~12は参考例である。

Claims (7)

  1. 着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
    前記重合性化合物(C)が、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(C1)を含み、
    前記光重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ含有するオキシム系光重合開始剤(D2b)を含む感光性着色組成物。
  2. 前記重合性化合物(C)が、更に、25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
  3. 前記25℃における粘度が800mPa・S以下である重合性化合物(C2)の含有量が、前記重合性化合物(C)100質量%中、5~50質量%である請求項2に記載の感光性着色組成物。
  4. 前記着色剤(A)が、中心金属がAlであるフタロシアニン顔料を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
  5. 基板、及び請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを有するカラーフィルタ。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
  7. 請求項5に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
JP2021199718A 2021-12-09 2021-12-09 感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子 Active JP7219378B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021199718A JP7219378B1 (ja) 2021-12-09 2021-12-09 感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子
CN202211497318.6A CN116256942A (zh) 2021-12-09 2022-11-24 感光性着色组合物、滤色器、图像显示装置、及固体摄像元件
TW111146258A TW202323868A (zh) 2021-12-09 2022-12-02 感光性著色組成物、濾色器、圖像顯示裝置、及固體攝影元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021199718A JP7219378B1 (ja) 2021-12-09 2021-12-09 感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7219378B1 JP7219378B1 (ja) 2023-02-08
JP2023085600A true JP2023085600A (ja) 2023-06-21

Family

ID=85172228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021199718A Active JP7219378B1 (ja) 2021-12-09 2021-12-09 感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7219378B1 (ja)
CN (1) CN116256942A (ja)
TW (1) TW202323868A (ja)

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089713A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
JP2012048241A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Dongwoo Fine-Chem Co Ltd 着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びこれを具備した液晶表示装置
JP2013079301A (ja) * 2011-10-03 2013-05-02 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd アルミニウムフタロシアニン
WO2015137278A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 日立化成株式会社 感光性導電フィルム
WO2017056831A1 (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 富士フイルム株式会社 感光性組成物、硬化膜、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ、硬化膜の製造方法、固体撮像素子、画像表示装置、固体撮像素子の製造方法および赤外線センサの製造方法
JP2017090803A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 東京応化工業株式会社 層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法、並びにデバイス
JP2017151342A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP2017167399A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 株式会社Dnpファインケミカル カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、表示装置
JP2018163284A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 東洋インキScホールディングス株式会社 有機el表示装置用緑色感光性着色組成物、カラーフィルタおよび有機el表示装置
JP2018180023A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 Dic株式会社 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2019008014A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP2019519518A (ja) * 2016-05-19 2019-07-11 サムヤン コーポレイション オキシムエステル誘導体化合物、それを含む光重合開始剤及び感光性組成物
WO2020196198A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化物、カラーフィルタ、固体撮像素子及び画像表示装置
WO2020203663A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社カネカ 感光性樹脂組成物作製キットおよび感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板およびその製造方法
JP2021110761A (ja) * 2020-01-06 2021-08-02 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性着色組成物、カラーフィルタおよび画像表示装置
JP2021165828A (ja) * 2020-04-06 2021-10-14 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性着色組成物、およびカラーフィルタ

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089713A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 平版印刷版原版および平版印刷版の作製方法
JP2012048241A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Dongwoo Fine-Chem Co Ltd 着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びこれを具備した液晶表示装置
JP2013079301A (ja) * 2011-10-03 2013-05-02 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd アルミニウムフタロシアニン
WO2015137278A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 日立化成株式会社 感光性導電フィルム
WO2017056831A1 (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 富士フイルム株式会社 感光性組成物、硬化膜、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ、硬化膜の製造方法、固体撮像素子、画像表示装置、固体撮像素子の製造方法および赤外線センサの製造方法
JP2017090803A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 東京応化工業株式会社 層間絶縁膜形成用感光性樹脂組成物、層間絶縁膜及び層間絶縁膜の形成方法、並びにデバイス
JP2017151342A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性着色組成物およびカラーフィルタ
JP2017167399A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 株式会社Dnpファインケミカル カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、表示装置
JP2019519518A (ja) * 2016-05-19 2019-07-11 サムヤン コーポレイション オキシムエステル誘導体化合物、それを含む光重合開始剤及び感光性組成物
JP2018163284A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 東洋インキScホールディングス株式会社 有機el表示装置用緑色感光性着色組成物、カラーフィルタおよび有機el表示装置
JP2018180023A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 Dic株式会社 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2019008014A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ
WO2020196198A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化物、カラーフィルタ、固体撮像素子及び画像表示装置
WO2020203663A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社カネカ 感光性樹脂組成物作製キットおよび感光性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板およびその製造方法
JP2021110761A (ja) * 2020-01-06 2021-08-02 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性着色組成物、カラーフィルタおよび画像表示装置
JP2021165828A (ja) * 2020-04-06 2021-10-14 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性着色組成物、およびカラーフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP7219378B1 (ja) 2023-02-08
CN116256942A (zh) 2023-06-13
TW202323868A (zh) 2023-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7136268B2 (ja) 着色組成物、着色硬化膜及び表示素子
JP2020063413A (ja) 着色組成物、感光性着色組成物、およびカラーフィルタ、カラー液晶表示装置
JP2021165828A (ja) 感光性着色組成物、およびカラーフィルタ
JP7375330B2 (ja) 着色組成物、感光性着色組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP2015129927A (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2023104975A (ja) 着色組成物、カラーフィルタ、固体撮像素子および液晶表示装置
WO2023038092A1 (ja) 感光性組成物、それを用いた硬化膜、カラーフィルタ、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子、及び赤外線センサ
JP2021015169A (ja) 着色組成物、感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置
JP7219378B1 (ja) 感光性着色組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子
JP2020066702A (ja) 着色組成物、感光性着色組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP7334525B2 (ja) 感光性着色組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置
JP7119387B2 (ja) カラーフィルタ用感光性着色組成物及びカラーフィルタ
JP7131089B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP7334615B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP7306185B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP2020101622A (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置
JP7318505B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、および画像表示装置
JP7491436B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP7318770B2 (ja) カラーフィルタ用感光性着色組成物及びカラーフィルタ
JP2020085937A (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP7347164B2 (ja) カラーフィルタ用感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置
JP2020016821A (ja) カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP7472521B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、および画像表示装置
JP7263856B2 (ja) 感光性着色組成物、および、これを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置
JP7404686B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220720

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20221227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20221227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7219378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151