JP7347164B2 - カラーフィルタ用感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
レベリング剤(F)がシリコーングラフトアクリル系レベリング剤を含む。
レベリング剤(F)がシリコーングラフトアクリル系レベリング剤を含む。
本発明の感光性着色組成物は、有彩色着色剤として、有機又は無機の顔料、または染料を単独又は2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
また、緑色着色組成物を作製する場合、後述の黄色顔料を併用してもよい。
有機顔料を使用する場合、微細化処理を行った後、他の原料と混合することが好ましい。微細化処理の方法は、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法等が挙げられる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等が好ましい。微細化処理後の有機顔料の平均一次粒子径は、10~80nmが好ましく、15~70nmがより好ましい。適度な粒子径により分散性がより向上し、被膜のコントラスト比がより向上する。なお、平均一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)の拡大画像から任意に選択した約20個の粒子の平均値である。なお、粒子の縦軸長さと横軸長さがある場合、縦軸長さを使用する。
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、染料の誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料も挙げられる。
感光性着色組成物は、必要に応じて色素誘導体を含有できる。色素誘導体は、有機顔料の表面に吸着することで、顔料の表面が極性を持ち、分散剤(B)と親和し易くなることで顔料の分散性がより向上する。色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、またはリン酸基などの酸性置換基を有する化合物、ならびにこれらのアミン塩、スルホンアミド基、または末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
分散剤(B)は、公知の樹脂型分散剤が好ましい。樹脂型分散剤は、有彩色着色剤(A)に吸着する着色剤親和性部位と、着色剤以外の成分と親和性が高く、分散粒子間を立体反発させる緩和部位とを有する。樹脂型分散剤は、ポリウレタン等のウレタン系分散剤、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
塩基性官能基を有する高分子分散剤は、例えば、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤等が挙げられる。
バインダ樹脂(C)は、400~700nmの全波長領域において透過率が80%以上の樹脂である。なお、透過率は、95%以上が好ましい。バインダ樹脂(C)は、アルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性樹脂と併用してアルカリ可溶性を有しない熱可塑性樹脂を使用できる。アルカリ可溶性は、カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸性基が必要である。また、アルカリ可溶性樹脂は、被膜の硬化度を高めるためアルカリ可溶性感光性樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性感光性樹脂は、重合性不飽和基を有する樹脂である。重合性不飽和基は、例えば、以下に示す(i)または(ii)の方法で導入できる。活性エネルギー線による硬化で樹脂の3次元架橋により架橋密度が上がり、薬品耐性が向上する。なお、アルカリ可溶性感光性樹脂は、エポキシ基やオキセタニル基等も熱硬化性基を有することもできる
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、およびそれ以外の単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体を付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させてアルカリ可溶性樹脂(C2)を得る方法が挙げられる。
方法(ii)は、例えば、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、およびそれ以外の単量体を合成し重合体を作製する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させる方法が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
アルカリ可溶性を有しない熱可塑性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
重合性化合物(D)は、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成する単量体、オリゴマーを含む。
酸基含有多官能化合物の酸基は、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。
カプロラクトン変性多官能化合物は、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε-カプロラクトン構造含有多官能(メタ)アクリレート、下記一般式(1)で示す単量体等が挙げられる。これらの中でも低露光量であっても適度な順テーパー形状の画素を形成することができる観点で一般式(1)で示す単量体が好ましい。
その他重合性化合物は、例えば、後述するウレタン結合を有する重合性化合物や、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
ウレタン結合を有する重合性化合物は、重合性不飽和基およびウレタン結合を有する化合物である。ウレタン結合を有する重合性化合物は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤(E)は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、オキシムエステル系化合物が好ましい。
オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN-O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系化合物は高い量子効率を持つため好適に使用される。
感光性着色組成物には、増感剤を含有できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でもチオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等が挙げられる。
感光性着色組成物は、連鎖移動剤を含有できる。連鎖移動剤は、チオール系連鎖移動剤が好ましい。チオール系連鎖移動剤は、光重合開始剤と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性着色組成物の感度が向上する。
感光性着色組成物は、熱硬化性化合物を含有できる。熱硬化性化合物を含むと、フィルタセグメントの焼成時に反応して被膜の架橋密度を高める。これによりフィルタセグメントの耐熱性が向上し、顔料凝集が抑えられるため、コントラスト比が向上する。
熱硬化性化合物は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
感光性着色組成物は、重合禁止剤を含有できる。これによりフォトリソグラフィー法の露光時にマスクの回折光による感光を抑制できるため、所望の形状のパターンが得やすくなる。
感光性着色組成物は、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びサリシレート系化合物等が挙げられる。
感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化による黄変を防ぎ、被膜の透過率の低下を抑制できる。特に感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、相対的に光重合性化合物(D)の含有量が減少するため、光重合開始剤の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると被膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、被膜の透過率の低下を抑制できる。
感光性着色組成物には、レベリング剤(F)としてシリコーングラフトアクリル系レベリング剤を含む。これより減圧度が高い乾燥でも被膜に気泡に由来する欠陥が生じ難い。
表面張力低下能の高いシリコーン系やフッ素系のレベリング剤は、塗工後の被膜表面に早く移動するが、そのため表面の泡に入り込み、泡を安定化し易い。しかし、シリコーングラフトアクリル系レベリング剤は、一般的なシリコーン系レベリング剤等に比べ表面張力低下能が低く、泡を安定化し難いため、減圧度が高い乾燥でも被膜に気泡に由来する欠陥が生じ難いと発明者は推測している。
シリコーングラフトアクリル系レベリング剤は、例えば、下記一般式(4)で示す化合物が挙げられる。
シリコーングラフトアクリル系レベリング剤の市販品は、例えば、BYK-3550(ビックケミー社製)、LHP-810,NSH-8430HF,UVX-270,UVX-271,UVX-272,UVX-2280,UVX-2285(以上、楠本化成社製ディスパロンシリーズ)等が挙げられる。
感光性着色組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。貯蔵安定剤は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
感光性着色組成物は、密着向上剤を含有できる。これにより被膜と基材の密着性がより向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。密着向上剤は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
感光性着色組成物は、有彩色着色剤(A)、分散剤(B)および溶剤等を使用して分散処理を行い着色剤分散体を作製する。次いで、着色剤分散体、バインダ樹脂(C)、重合性化合物(D)、光重合開始剤(E)、およびレベリング剤(F)を混合して感光性着色組成物を作製できる。分散処理の際、色素誘導体等の分散助剤を併用すると着色剤(A)をより微細に分散できる、また、有彩色着色剤(A)が溶剤への溶解性が高い場合、分散処理を必要としない場合がある。有彩色着色剤(A)を2種類以上併用する場合、着色剤分散体は、別個に有彩色着色剤(A)を使用、または、複数の有彩色着色剤(A)を併用してもよい。なお、各材料を配合するタイミングが任意であることはいうまでもない。
感光性着色組成物は、溶剤を含有できる。これにより感光性着色組成物の粘度調整が容易になるため、表面が平滑な被膜を形成し易い。溶剤は、使用目的に応じて適宜選択し、適量を含有すれば良い。
本明細書では、着色剤(A)分散体の段階、または感光性着色組成物を作製してから、含有する粗大粒子を除去することが好ましい。これにより、被膜から異物を除去できるため微細なパターンを形成し易くなる。
粗大粒子の除去は、感光性着色組成物を重力加速度3000~25000Gの遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
本明細書でカラーフィルタは、基材(透明基板ともいう)、および感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備える。フィルタセグメントは、使用する有彩色着色剤(A)の種類を適宜選択することで、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを形成できる。また、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、黄色フィルタセグメントを形成することもできる。なお、透明基板に代えて反射基板を使用できる。透明基板は、例えば、ガラス基板が挙げられる。反射基板は、例えばアルミ電極や金属薄膜を反射面として使用する基板が挙げられる。基板上にITO膜等の透明電極を形成することもできる。本明細書では、各色のフィルタセグメントのうち、少なくとも1色を本明細書の感光性着色組成物で形成すればよい。
カラーフィルタは、まず基材上にブラックマトリクスを形成し、次いでフィルタセグメントを形成することが好ましい。なお、基材上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成してからブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクスは、例えば、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が挙げられる。
本明細書の画像表示装置は、カラーフィルタを備える。以下、画像表示装置の一例として液晶表示装置を説明する。液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、光源とを備える。光源は、例えば、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量はいずれもポリスチレン換算値である。
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、不揮発分のアンモニウム塩価を示す。
特開2017-111398号公報の実施例に準じて表1の微細化顔料(A-1)~(A-5)を作製した。
C.I.ピグメントグリ-ン58(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリ-状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A-6)97部を得た。
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素74部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過するコートにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕するコートにより、微細化フタロシアニン顔料(A-7)を得た。得られた微細化顔料(A-7)は、リガク社製ZSX100Eによる蛍光X線分析カラー、1分子中のハロゲン原子数が平均13.97個であり、そのうち臭素原子数が平均11.46個、塩素原子数が平均2.51個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素59部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過するコートにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕するコートにより、微細化顔料(A-8)を得た。得られた微細化顔料(A-8)は、蛍光X線分析カラー、1分子中のハロゲン原子数が平均12.71個であり、そのうち臭素原子数が平均10.22個、塩素原子数が平均2.49個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素44部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過するコートにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕するコートにより、微細化顔料(A-9)を得た。得られた微細化顔料(A-9)は、蛍光X線分析カラー、1分子中のハロゲン原子数が平均11.98個であり、そのうち臭素原子数が平均9.00個、塩素原子数が平均2.98個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
300mLフラスコに、塩化スルフリル109部、塩化アルミニウム131部、塩化ナトリウム18部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素52部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過するコートにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕するコートにより、微細化顔料(A-10)を得た。得られた微細化顔料(A-10)は、蛍光X線分析カラー、1分子中のハロゲン原子数が平均12.69個であり、そのうち臭素原子数が平均8.54個、塩素原子数が平均4.16個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム72部、塩化ナトリウム 15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素29部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過するコートにより緑色粗顔料を得た。得られた緑色粗顔料20部、粉砕した塩化ナトリウム140部、ジエチレングリコール32部、キシレン1.8部を1L双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕するコートにより、微細化顔料(A-11)を得た。得られた微細化顔料(A-11)は、蛍光X線分析カラー、1分子中のハロゲン原子数が平均8.88個であり、そのうち臭素原子数が平均6.90個、塩素原子数が平均1.98個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であった。
C.I.ピグメント グリーン 36(トーヨーカラー社製「リオノールグリーン 6YK」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の微細化顔料(A-12)を得た。
C.I.ピグメント グリーン 36をC.I.ピグメント グリーン 7(トーヨーカラー社製「リオノールグリーン YS-07」)に変えた以外は、微細化顔料(A-12)と同様にして、490部の微細化顔料(A-13)を得た。
C.I.Pigment Red254(BASFジャパン社製「イルガフォアレッドB-CF」)100部、色素誘導体(化合物8)10部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で8時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A-14)を得た。
特開2017-138417号公報の実施例に準じて作製した表2に示すジケトピロロピロール系赤色顔料(a-15~a-22)を下記の通り微細化し、それぞれ微細化顔料(A-15~A-22)を得た。
顔料(a-15)100部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより微細化顔料(A-15)を得た。
ジケトピロロピロール系赤色顔料(a-15)を表2に示す顔料に変更した以外は、微細化ジケトピロロピロール系赤色顔料(A-15)と同様に微細化を行い、それぞれ微細化顔料(A-16~A-22)を得た。
特許第6368844号公報の実施例に準じて作製した表3に示すアゾ顔料を下記の通り微細化し、それぞれ微細化顔料(A-23~A-45)を得た。
アゾ顔料(a-23)を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A-23)を得た。
アゾ顔料(a-23)の代わりに、表3に示したアゾ顔料(a-23~a-45)に変更した以外は微細化顔料(A-23)の製造と同様にして、微細化顔料(A-24~A-45)を得た。
アントラキノン系赤色顔料C.I.Pigment Red 177(シニック社製「シニレックスレッド SR3C」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化有機顔料(A-46)を得た。
C.I.Pigment Red 242(クラリアント社製「ノボパーム スカーレット4RF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し微細化顔料(A-47)を得た。
C.I.ピグメントレッド269(PR269)(クラリアント社製「Toner Magenta F8B」)100部、塩化ナトリウム800部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で5時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A-48)を得た。
C.I.Pigment Blue15:6(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、50℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A-49)を得た。
C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASFジャパン社製「パリオトールイエローK0960-HD」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A-50)を得た。
特開2012-226110号公報の実施例に従って表4で示すキノフタロン顔料の微細化顔料(A-51)~(A-53)をそれぞれ作製した。以下に、その構造を示す。
イソインドリン系黄色顔料C.I.pigment yellow 139(BASFジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R-CF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A-54)を得た。
金属錯体系黄色顔料(C.I.pigment yellow 150、ランクセス社製 「Yellow Pigment E4GN」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A-55)を得た。
黄色顔料C.I.Pigment Yellow 185(BASFジャパン社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A-56)を得た。
ジオキサジン系紫色顔料PV23(トーヨーカラー社製「リオノゲンバイオレットRL」)300部を96%硫酸3000部に投入し、1時間撹拌後、5℃の水に注入した。1時間撹拌後、濾過、温水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、70℃で乾燥した。得られたアシッドペースティング処理顔料120部、色素誘導体(化合物4)5部、粉砕した食塩1500部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で20時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A-57)を得た。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n-ブチルメタクリレート28.0部、2-エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%のアンモニウム基を有する側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
水2000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、C.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である着色剤(染料1)を得た。このとき着色剤(染料1)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する有効色素成分の含有量は25質量%であった。
C.I.アシッドレッド52をC.I.アシッドレッド289に変更した以外は着色剤(染料1)の製造と同様に行い、C.I.アシッドレッド289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である着色剤(染料2)を得た。このとき着色剤(染料2)の中のC.I.アシッドレッド289に由来する有効色素成分の含有量は27質量%であった。
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.ベーシックバイオレット10(BV10:田岡化学社製:RodamineB)を5.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、着色剤(染料3)を得た。
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(染料溶液(a-1))を作製した。
着色剤(染料1) :12.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcという):88.5部
染料溶液(a-1)と同様にして、着色剤(染料2、染料3)を用いてそれぞれ染料溶液(a-2),(a-3)を調製した。
使用した各色素誘導体の構造を表5に示す。
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8500の酸性樹脂型分散剤(B)溶液を得た。
(バインダ樹脂(C1-1)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にPGMAc196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n-ブチルメタクリレート37.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C1-1)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコ内を窒素雰囲気とし、PGMAc210部を入れ、撹拌しながら100℃まで昇温した。次いで、ベンジルメタクリレート106部、アクリル酸22部及びジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成社製FA-513M)22部をPGMAc215部に溶解させ、さらに2,2’-アゾビスイソブチロニトリル3.6部を溶解させて調製した溶液を、フラスコ内に滴下し、100℃で5時間撹拌し続けることにより、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂を調製し、重量平均分子量(Mw)10000の樹脂(C1-2)溶液を得た。
バインダ樹脂(C1-1)液とバインダ樹脂(C1-2)液を同量混合・撹拌してバインダ樹脂(C1-M)混合液を調整した。
(着色組成物の製造)
[製造例1]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(X-1)を作製した。
顔料(A-1) :20.0部
分散剤(B:不揮発分30%液) :10.0部
バインダ樹脂(C1-M:不揮発分20%液) :15.0部
溶剤(O) :55.0部
尚、溶剤(O)は、下記(O-1)~(O-6)をそれぞれ質量部にて混合したものである。
(O-1)PGMAc 20部
(O-2)シクロヘキサノン 20部
(O-3)3-エトキシプロピオン酸エチル 20部
(O-4)プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
(O-5)シクロヘキサノールアセテート 10部
(O-6)ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
(着色組成物(X-2~62)の製造)
表6-1~表6-2に示す組成に変更した以外は着色組成物(X-1)と同様にして、着色組成物(X-2~62)を調製した。
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、
感光性着色組成物(Y-1)を得た。
(感光性着色組成物(Y-1))
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(Y-1)を得た。
着色組成物溶液(X-1:不揮発分25.0%) :65.0部
バインダ樹脂溶液(C2-M:不揮発分20%) :22.0部
重合性化合物(D) :3.0部
光重合開始剤(E) :0.4部
レベリング剤(F-1:不揮発分0.8%) :1.0部
熱硬化性化合物溶液(G-1:不揮発分40%) :0.5部
熱硬化性化合物溶液(G-2:不揮発分40%) :0.5部
増感剤(H) :0.1部
シランカップリング剤(I-M) :1.0部
チオール系連鎖移動剤(J) :0.4部
酸化防止剤(K) :0.1部
重合禁止剤(L) :0.05部
貯蔵安定剤(M) :0.1部
紫外線吸収剤(N) :0.1部
溶剤(O) :15.75部
(感光性着色組成物(Y-2~102))
表7-1~表7-3に示した組成、及び配合量(質量部)に変えた以外は、感光性着色組成物(Y-1)と同様にして、混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(Y-2~102)を得た。なお、本明細書で実施例62および98は、参考例である。
(バインダ樹脂(C2-1)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にPGMAc207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、PGMAc26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C2-1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、PGMAc333gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、グリシジルメタクリレート71.1g(0.50モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)22.0g(0.10モル)および、PGMAc164gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、メタクリル酸43.0g[0.5モル、(本反応に用いたグリシジルメタクリレートのグリシジル基に対して100モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け不揮発分酸価が1mgKOH/gとなったところで反応を終了した。次に、テトラヒドロフタル無水フタル酸60.9g(0.40モル)、トリエチルアミン0.8gを加え、120℃で3.5時間反応させ酸価80mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C2-2)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は12,000であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、PGMAc182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)22.0g(0.10モル)およびPGMAc136gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、酸価が79mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C2-3)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は13,000であった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、単量体滴下槽として、ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル120部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、PGMAc40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n-ドデカンチオール8部、PGMAc32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMAc395部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、単量体滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110 ℃ にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル70部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃ で12時間反応させた。その後、PGMAc150部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(C2-4)液を得た。樹脂の重量平均分子量(Mw)は18000、不揮発分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
バインダ樹脂(C2-1)~(C2-4)液の4種類を同量混合・撹拌してバインダ樹脂(C2-M)混合液を調整した。
(D-1)酸基含有多官能化合物
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸変性物
(D-2)カプロラクトン変性多官能化合物
[一般式(1)のRのうち、一般式(2)で表される基の数が3個であり、該一般式(2)で表される基のmは1であり、また、一般式(1)のRの残りの3個の一般式(3)で表される基のR1が全て水素原子である化合物[KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート]
(D-12)上記、(D-1)と(D-2)を同量にて混合し、重合性化合物(D-12)とした。
(D-M)以下、(D-3)~(D-7)をそれぞれ同量にて混合し、重合性化合物(D-M)とした。
(D-3)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成社製)]
(D-4)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
[アロニックスM402(東亞合成社製)]
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(432g、ヘキサメチレンジイソシアネート84gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(D-5)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(D-5)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
[ABE-300(新中村化学社製)]
(D-7)エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
[A-9300(新中村化学社製)]
(E-1)2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン
[Omnirad 907(IGM Resins社製)]
(E-2)2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン
[Omnirad 379EG(IGM Resins社製)]
(E-3)2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド
[Omnirad TPO(IGM Resins社製)]
(E-4)2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(E-5)p-ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(E-6)エタン-1-オン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル],1-(O-アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(E-7)1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
[Omnirad 2959(IGM Resins社製)]
(E-8)ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
[Omnirad 819(IGM Resins社製)]
以上、(E-1)~(E-8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(E)とした。
シリコーングラフトアクリル系レベリング剤は一般式(4)で示す化合物である。
(F-1)シリコーングラフトアクリル系レベリング剤:BYK-3550(ビックケミー社製:不揮発分52%)1.5部をPGMAc98.5部に溶解させた溶液。
(F-2)シリコーングラフトアクリル系レベリング剤:ディスパロンNSH-8430HF(楠本化成社製:不揮発分10%)8部をPGMAc92部に溶解させた溶液。
(F-M)シリコーングラフトアクリル系レベリング剤以外の下記レベリング剤2種をPGMAc98部に溶解させた混合溶液。
ビックケミ-社製「BYK-330:不揮発分51% 」 1部、
DIC社製「メガファックF-551:不揮発分30%」 1部
・熱硬化性化合物(G-1)
(G-1-1)2,2’-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物
[EHPE-3150(ダイセル社製)]、
(G-1-2)ソルビトールのグリシジルエーテル化エポキシ化合物
[デナコールEX611(ナガセケムテックス社製)]、
(G-1-3)イソシアヌル酸トリグリシジル
(G-1-1)~(G-1-3)をそれぞれ同量混合し、熱硬化性化合物(G-1)とした。
・熱硬化性化合物(G-2):
3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン
[アロンオキセタンOXT-221(東亞合成社製)]
(H-1)2,4-ジエチルチオキサントン[カヤキュアDETX-S(日本化薬社製)]
(H-2)4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン[CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)]
以上、(H-1)(H-2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(H)とした。
(I-M)以下、(I-1)~(I-5)をそれぞれ同量にて混合しシランカップリング剤(I-M)とした。
(I-1)「KBM-5103(信越化学工業社製)」
(I-2)3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-403(信越化学工業社製)]
(I-3)3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン[信越シリコーン シランカップリング剤KBE-503(信越化学工業社製)]
(I-4)N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-603(信越化学工業社製)]
(I-5)3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-803(信越化学工業社製)]
(J-1)トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)
[TEMB(昭和電工社製)]
(J-2)トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
[TPMB(昭和電工社製)]
(J-3)ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
[PEMP(堺化学工業社製)]
(J-4)トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
[TMMP(堺化学工業社製)]
(J-5)トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート
[TEMPIC(堺化学工業社製)]
以上、(J-1)~(J-5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(J)とした。
(K-1)ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(K-2)3,3'-チオジプロパン酸ジオクタデシル
(K-3)トリス[2,4-ジ-(t)-ブチルフェニル]ホスフィン
(K-4)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケ-ト
(K-5)サリチル酸p-オクチルフェニル
以上、(K-1)~(K-5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(K)とした。
(L-1)3-メチルカテコール
(L-2)メチルヒドロキノン
(L-3)tert-ブチルヒドロキノン
以上、(L-1)~(L-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(L)とした。
(M-1)2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール(本州化学工業社製「BHT」)
(M-2)トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製「TPP」)
以上、(M-1)(M-2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(M)とした。
(N-1)2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン[TINUVIN400(BASFジャパン社製)]
(N-2)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール[TINUVIN900(BASFジャパン社製)]
以上、(N-1)(N-2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(N)とした。
得られた感光性着色組成物(Y-1~Y-87)について、以下の方法で評価を行った。結果を表8-1~表8-3に示す。なお、評価ランクの意味は、以下の通りである。
◎:極めて良好
〇:良好
△:実用可能
×:実用には適さない
得られた感光性着色組成物をダイコート方式の塗布装置を用いて、360mm×465mmサイズのガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗布し、得られた塗布基板を50Paで60秒間減圧乾燥して乾燥塗膜基板を得た。得られた乾燥塗膜の短辺の端部中央より中心方向に10cmまで5mmおきに膜厚を測定した。その時の最大膜厚をTmax、最小膜厚をTmin、平均膜厚をTavgとする。下記数式(3)により膜厚の均一性U(Uniformity)が、1%未満を◎、1%以上2%未満を〇、2%以上5%未満を△、5%以上を×として評価を行った。
U[%]=(Tmax-Tmin)/(Tavg×2) ・・・・・・数式(3)
上記膜厚均一性評価で作製した上記乾燥塗膜基板について、白色透過光にて気泡由来の欠陥評価を行った。白色透過光の目視によって気泡由来の欠陥がない場合を○、気泡由来の欠陥がわずかに観察された場合を△、気泡由来の欠陥がハッキリと観察された場合を×とした。
得られた感光性着色組成物をダイコート方式の塗布装置を用いて、360mm×465mmサイズのガラス基板上に乾燥後の膜厚2.5μmとなるように塗布し、50μm×50μmの中空がある四角パターンを作成できるフォトマスクを通して100mJ/cm2の条件下にて紫外線露光を行った。その後、スプレーにより水酸化カリウム現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成した。得られた塗膜について、230℃のオーブンで40分間加熱処理(ポストベーク)を施し、顕微鏡(オリンパス光学社製「BX-51」)にて残渣の有無を確認した。評価は50μm×50μmの中空がある四角画素中の残渣の残存面積を計算し、以下のように評価した。塗膜の膜厚は、Dektak 8(日本真空技術社製)を用いた。
○:100μm2未満
△:100μm2以上500μm2未満
×:500μm2以上
得られた感光性着色組成物をダイコート方式の塗布装置を用いて、360mm×465mmサイズのガラス基板上に、60℃のオーブンで5分間プリベークを行った後に、乾燥後の膜厚2.0μmとなるように塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、基板上の塗膜に、高圧水銀ランプを用い50μmの径のドットパターンを作成するフォトマスクを介して40mJ/cm2の露光量で露光した。その後、基板上の塗膜に、室温の0.04重量%水酸化カリウム水溶液をシャワリングすることで、未露光部の塗膜が完全に剥離しさらに5秒経過するまで吐出することにより現像を行った。次いで、超純水を同様にシャワリングすることでリンス処理を行って、パターンを形成した。エアブローによりドットパターンが形成された基板表面上の水分を除去した後、光学顕微鏡を用いて、20個のドットパターンを観察した。20個のパターンのうち10個以上のパターンに水シミが観察される場合を×、1~9個のパターンに水シミが観察される場合を△、水シミが全く観察されない場合を○として評価した。
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶
Claims (5)
- 有彩色着色剤(A)、分散剤(B)、バインダ樹脂(C)、重合性化合物(D)、光重合開始剤(E)、レベリング剤(F)を含み、
有彩色着色剤(A)は、有機顔料を含み、
重合性化合物(D)が、酸基含有多官能化合物、およびカプロラクトン変性多官能化合物の少なくとも一方を含み、
レベリング剤(F)がシリコーングラフトアクリル系レベリング剤を含む、カラーフィルタ用感光性着色組成物。 - レベリング剤(F)の含有量が、カラーフィルタ用感光性着色組成物100質量%中、0.001~0.5質量%である、請求項1記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
- 酸基含有多官能化合物、およびカプロラクトン変性多官能化合物の合計含有量が、カラーフィルタ用感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1~60質量%である、請求項1または2に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物
- 基材、および請求項1~3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物から形成してなるフィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
- 請求項4記載のカラーフィルタを備える、画像表示装置。
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