JP2007187828A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定性が良好で、低い熱硬化温度で使用しても優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを有する、ポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】特定の一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、特定のリン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】特定の一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、特定のリン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体装置の表面保護膜、または層間絶縁膜として使用されるポリベンズオキサゾール樹脂の前駆体となるポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた耐熱性を有する硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置に関する。
従来から、半導体装置の表面保護膜、及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂が広く用いられている。このポリイミド樹脂は、現在は一般に感光性ポリイミド前駆体組成物の形で供され、塗布、活性光線によるパターニング、現像、熱イミド化処理等を施すことによって、半導体装置上に表面保護膜、層間絶縁膜等を容易に形成させることが出来、従来の非感光性ポリイミド前駆体組成物に比べて大幅な工程短縮が可能となるという特徴を有している。
ところが、感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN−メチル−2−ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
中でも、アルカリ性水溶液可溶性のヒドロキシポリアミド、例えばポリベンズオキサゾール(以下、「PBO」ともいう)前駆体を、感光性ジアゾキノン化合物などの光活性成分と混合したPBO前駆体組成物をポジ型感光性樹脂組成物として用いる方法が、近年注目されている(例えば、特許文献1参照)。
中でも、アルカリ性水溶液可溶性のヒドロキシポリアミド、例えばポリベンズオキサゾール(以下、「PBO」ともいう)前駆体を、感光性ジアゾキノン化合物などの光活性成分と混合したPBO前駆体組成物をポジ型感光性樹脂組成物として用いる方法が、近年注目されている(例えば、特許文献1参照)。
このポジ型感光性樹脂の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物がアルカリ性水溶液に不溶であるのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物が化学変化を起こしインデンカルボン酸化合物となってアルカリ性水溶液に可溶となることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部のみのレリーフパターンの作成が可能となる。
上述のPBO前駆体組成物は、露光およびアルカリ性水溶液による現像でポジ型レリーフパターンの形成が可能であり、硬化後のPBO膜はポリイミド膜と同等の熱硬化膜特性を有しているため、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。しかしながら、これまで開示されている方法によって得られるPBO前駆体組成物には、未だ問題点も多い。
上述のPBO前駆体組成物は、露光およびアルカリ性水溶液による現像でポジ型レリーフパターンの形成が可能であり、硬化後のPBO膜はポリイミド膜と同等の熱硬化膜特性を有しているため、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。しかしながら、これまで開示されている方法によって得られるPBO前駆体組成物には、未だ問題点も多い。
例えば、近年では、従来品に比べて耐熱性に劣る半導体装置が開発され、表面保護膜、または層間絶縁膜としての熱硬化温度の低下が求められ、特に280℃以下での熱硬化性を求められることも多くなっている。しかしながら、従来のPBO前駆体組成物は、280℃以下の領域ではPBO前駆体からPBOへの閉環反応(オキサゾール環への閉環反応)が充分に進行しないものであったため、280℃以下の温度で硬化させて得られた膜はPBOに期待される、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを有するものではなかった。
低温でオキサゾール環への閉環反応を進行させるためには、濃硫酸、オキシ塩化リン、ポリリン酸などの脱水剤の使用が有効なことが従来から知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、これらの脱水剤を感光性PBO前駆体組成物に添加することは、組成物の安定性、リソグラフィー性能などを考慮すると非常に困難で、未だに満足なものが提案されていない。
低温でオキサゾール環への閉環反応を進行させるためには、濃硫酸、オキシ塩化リン、ポリリン酸などの脱水剤の使用が有効なことが従来から知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、これらの脱水剤を感光性PBO前駆体組成物に添加することは、組成物の安定性、リソグラフィー性能などを考慮すると非常に困難で、未だに満足なものが提案されていない。
本発明は安定性が良好で、低い熱硬化温度で使用してもPBOの閉環反応が充分進行することにより優れた耐熱性と電気特性、機械特性を発現する、新規なポジ型感光性樹脂組成物、該組成物を用いた硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシポリアミドと感光性ジアゾキノン化合物に、特定の構造を有するリン酸誘導体を組み合わせることで、上記の課題を解決するポジ型感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の一は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つの鎖状リン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である。
すなわち、本発明の一は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つの鎖状リン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である。
上記鎖状リン酸誘導体が下記一般式(3)で表される少なくとも1つの化合物であるこ
とが好ましい。また、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、さらにアクリレート系化合物1〜100質量部を含むことが好ましい。
(式中、R7 、R8 、R9 、R10、及びR11は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキルカルボニル基、アミド基、イミド基、アルコキシル基、アミノ基、イミノ基、またはエステル基の少なくとも1つで置換されていてもよい炭素数1〜10の一価の有機基を示す。)
とが好ましい。また、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、さらにアクリレート系化合物1〜100質量部を含むことが好ましい。
本発明の二は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(4)で表わされる環状リン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である。
(式中、X1 は少なくとも6個以上の炭素原子を有する4価の芳香族基を示し、X2 、Y1 、およびY2 はそれぞれ独立に少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価の有機基を示す。また、mは2〜1000の整数を示し、nは0〜500の整数を示し、m/(m+n)>0.5である。なお、X1 およびY1 を含むm個のジヒドロキシジアミド単位、並びにX2 およびY2 を含むn個のジアミド単位の配列順序は問わない。)
上記環状リン酸誘導体が下記一般式(5)で表される少なくとも1つの化合物であることが好ましい。また、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、さらにアクリレート系化合物1〜100質量部を含むことが好ましい。
(式中、R12は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキルカルボニル基、アミド基、イミド基、アルコキシル基、アミノ基、イミノ基、またはエステル基の少なくとも1 つ
で置換されていてもよい炭素数1〜8の一価の有機基を示す。)
で置換されていてもよい炭素数1〜8の一価の有機基を示す。)
本発明の三は、(1)本発明の一または二に記載のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、(2)マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線またはイオン線を直接照射し、(3)露光部または照射部を溶出または除去し、(4)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法である。
本発明の四は、本発明の三の製造方法により得られる硬化レリーフパターン層を有してなる半導体装置である。
本発明の四は、本発明の三の製造方法により得られる硬化レリーフパターン層を有してなる半導体装置である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、安定性が良好であり、低い熱硬化温度で使用してもPBOの閉環反応が充分進行することにより優れた耐熱性と電気特性、機械特性を発現する。また、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの製造方法、および該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置が提供される。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下に具体的に説明する。
(1)ヒドロキシポリアミド
本発明のポジ型感光性樹脂組成物のベースポリマーであるヒドロキシポリアミドは、下記一般式(1)のジヒドロキシジアミド単位m個を含むポリマーである。
該ジヒドロキシジアミド単位は、X1 (NH2 )2 (OH)2 の構造を有するビスアミノフェノールおよびY1 (COOH)2 の構造を有するジカルボン酸を縮合させた構造を有する。ここで、該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基はそれぞれ互いにオルト位にあるものである。触媒作用を有する化合物を添加しない場合には、該ヒドロキシポリアミドは通常約300〜400℃に加熱されることによって閉環して、耐熱性樹脂であるポリベンズオキサゾールに変化する。mは2〜1000の範囲が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることが最も好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下に具体的に説明する。
(1)ヒドロキシポリアミド
本発明のポジ型感光性樹脂組成物のベースポリマーであるヒドロキシポリアミドは、下記一般式(1)のジヒドロキシジアミド単位m個を含むポリマーである。
該ジヒドロキシジアミド単位は、X1 (NH2 )2 (OH)2 の構造を有するビスアミノフェノールおよびY1 (COOH)2 の構造を有するジカルボン酸を縮合させた構造を有する。ここで、該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基はそれぞれ互いにオルト位にあるものである。触媒作用を有する化合物を添加しない場合には、該ヒドロキシポリアミドは通常約300〜400℃に加熱されることによって閉環して、耐熱性樹脂であるポリベンズオキサゾールに変化する。mは2〜1000の範囲が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることが最も好ましい。
該ヒドロキシポリアミドには、必要に応じて、下記一般式(1)のジアミド単位n個を縮合させてもよい。該ジアミド単位は、X2 (NH2 )2 の構造を有するジアミンおよびY2 (COOH)2 の構造を有するジカルボン酸を縮合させた構造を有する。nは0〜500の範囲が好ましく、0〜10の範囲がより好ましい。該ヒドロキシポリアミド中における該ジアミド単位の割合が高すぎると現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が低下するので、m/(m+n)の値は0.5超以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが最も好ましい。
X1 (NH2 )2 (OH)2 の構造を有するビスアミノフェノールとしては、例えば、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。これらのビスアミノフェノールは単独あるいは混合して使用してもよい。
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。これらのビスアミノフェノールは単独あるいは混合して使用してもよい。
また、X2 (NH2 )2 の構造を有するジアミンとしては、芳香族ジアミン、シリコンジアミンなどが挙げられる。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α―ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
また、基材との接着性を高めるためにシリコンジアミンを選択することができ、この例としては、ビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、ビス(p−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α―ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
また、基材との接着性を高めるためにシリコンジアミンを選択することができ、この例としては、ビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、ビス(p−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
また、Y1 (COOH)2 またはY2 (COOH)2 の構造を有する好ましいジカルボン酸としては、Y1 、およびY2 が下記から選ばれた芳香族基の場合があげられる。
(式中、Aは、−CH2 −、−O−、−S−、−SO2 −、−CO−、−NHCO−、−C(CF3 )2 −からなる群から選択される2価の基を意味する。)
前述の一般式(1)で示される繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミドにおいて、その末端基を特定の有機基で封止することも本発明の範囲に含まれる。
このような封止基としては、例えば、特開平5−197153号公報に記載されているような不飽和結合を有する基が挙げられ、これらで封止した場合、加熱硬化後の塗膜の機械物性(特に伸度)や、硬化レリーフパターン形状が良好となることが期待される。このような封止基のうちの好適例としては、以下のものが挙げられる。
このような封止基としては、例えば、特開平5−197153号公報に記載されているような不飽和結合を有する基が挙げられ、これらで封止した場合、加熱硬化後の塗膜の機械物性(特に伸度)や、硬化レリーフパターン形状が良好となることが期待される。このような封止基のうちの好適例としては、以下のものが挙げられる。
(2)感光性ジアゾキノン化合物
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド構造あるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号明細書、同第2,797,213号明細書、同第3,669,658号明細書等により公知の物質である。好ましいものの例としては、例えば、下記の構造式のものが挙げられる。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド構造あるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号明細書、同第2,797,213号明細書、同第3,669,658号明細書等により公知の物質である。好ましいものの例としては、例えば、下記の構造式のものが挙げられる。
これらの中で特に好ましいものとしては次のものが挙げられる。
感光性ジアゾキノン化合物のヒドロキシポリアミドへの配合量は、該ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。感光性ジアゾキノン化合物の配合量が1質量部以上だと樹脂のパターニング性が発現し、100質量部以内だと硬化後の膜の引張り伸び率、及び露光部の現像残さ(スカム)が良好になる。
(3)リン酸誘導体
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、さらに下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つの鎖状リン酸誘導体、または下記一般式(4)で表される少なくとも1つの環状リン酸誘導体を含有させることが重要である。なお、以下においては、「鎖状リン酸誘導体」と「環状リン酸誘導体」をあわせて単に「リン酸誘導体」というものとする。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、さらに下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つの鎖状リン酸誘導体、または下記一般式(4)で表される少なくとも1つの環状リン酸誘導体を含有させることが重要である。なお、以下においては、「鎖状リン酸誘導体」と「環状リン酸誘導体」をあわせて単に「リン酸誘導体」というものとする。
該リン酸誘導体は、下記一般式(3)または下記一般式(5)で表される少なくとも1つの化合物であることがより好ましく、さらに好ましくは一般式(5)で表される少なくとも1つの化合物である。
(式中、R7 、R8 、R9 、R10、及びR11は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキルカルボニル基、アミド基、イミド基、アルコキシル基、アミノ基、イミノ基、またはエステル基の少なくとも1つで置換されていてもよい炭素数1〜10の一価の有機基を示す。)
上述の一般式(2)ないし一般式(5)のいずれかで表わされるリン酸誘導体を、前述
のヒドロキシポリアミドと感光性ジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂組成物に加えると、熱硬化温度が例えば280℃以下と低温でも、PBOの閉環反応が充分進行し優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを有する最終硬化膜が得られる。しかも、一般式(2)ないし一般式(5)のいずれかで表わされるリン酸誘導体は添加することで該組成物の安定性を損なうことがない。また、該リン酸誘導体は、より酸を発生させやすくする目的で、必要に応じて、アミンイミド化合物などの熱塩基発生剤とともに添加することも可能である。
のヒドロキシポリアミドと感光性ジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂組成物に加えると、熱硬化温度が例えば280℃以下と低温でも、PBOの閉環反応が充分進行し優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを有する最終硬化膜が得られる。しかも、一般式(2)ないし一般式(5)のいずれかで表わされるリン酸誘導体は添加することで該組成物の安定性を損なうことがない。また、該リン酸誘導体は、より酸を発生させやすくする目的で、必要に応じて、アミンイミド化合物などの熱塩基発生剤とともに添加することも可能である。
該リン酸誘導体の例としては、リン酸トリアリルエステル、リン酸トリ−n−アミルエステル、リン酸トリ−n−ブチルエステル、リン酸トリス(2−クロロエチル)エステル、リン酸トリス(1,3−ジクロロ−2−プロピル)エステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸トリルエステル、リン酸トリス(2−n−ブトキシエチル)エステル、リン酸2−エチルヘキシルジフェニルエステル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)エステル、リン酸トリス(1H,1H,5H−オクタフルオロ−n−ペンチル)エステル、ピロリン酸テトラベンジルエステル、リン酸トリ−o−トリルエステル、リン酸トリ−m−トリルエステル、リン酸トリス(4−ニトロフェニル)エステル、リン酸トリ−p−トリルエステル、アセチルホスホン酸ジエチルエステル、2−ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステル、ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4,4’−ビス(ジエチルホスホノメチル)ジフェニル、シアノホスホン酸ジエチルエステル、シアノメチルホスホン酸ジエチルエステル、(3−クロロベンジル)ホスホン酸ジエチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、ホスホン酸ジエチルエステル、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジフェニルエステル、N,N−ジエチルカルバモイルホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、N,N−ジエチルカルバモイルメチルホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、N,N−ジエチルカルバモイルメチレンホスホン酸ジ−n−ヘキシルエステル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、(エトキシカルボニル)ホスホン酸ジエチルエステル、エチルホスホン酸ジエチルエステル、メチルホスホン酸ジメチルエステル、4−メトキシフェニルホスホン酸ジエチルエステル、メチルホスホン酸ジフェニルエステル、アセトニルホスホン酸ジメチルエステル、ベンゼンホスホン酸ジメチルエステル、ベンゼンホスホン酸ジエチルエステル、ホスホン酸ジイソプロピルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル、(フタルイミドメチル)ホスホン酸ジエチルエステル、1−ピロリジノメチルホスホン酸ジエチルエステル、n−プロピルホスホン酸無水物、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)(メトキシカルボニルメチル)ホスホン酸エステル、ジエチルホスホノ酢酸エチルエステル、ジエチルホスホノ酢酸メチルエステル、ジフェニルホスホノ酢酸エチルエステル、メチルホスホン酸ジメチルエステル、(2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチルエステルなどが挙げられる。
これらリン酸誘導体のうち、最も好ましいものとしては、n−プロピルホスホン酸無水物が挙げられる。また、これらの化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
該リン酸誘導体の添加量としては、ヒドロキシポリアミド100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。添加量が0.1質量部以上だと低温での熱硬化時のPBOへの閉環反応を促進する効果があり、一方、添加量が30質量部以内であれば組成物の安定性が良好である。
該リン酸誘導体の添加量としては、ヒドロキシポリアミド100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。添加量が0.1質量部以上だと低温での熱硬化時のPBOへの閉環反応を促進する効果があり、一方、添加量が30質量部以内であれば組成物の安定性が良好である。
(4)アクリレート系化合物
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、アクリレート系化合物を含有させることが最終硬化膜の機械物性向上の点から好ましい。アクリレート系化合物とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミドからなる群から選択される化合物をいう。
該アクリレート化合物の例としては、新中村化学工業社製NK−エステルシリーズ;M−20G、M−40G、M−90G、M−230G、CB−1、SA、S、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−90G、A−SA、LA、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BG、HD、NPG、9PG、701、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE―1300、A−200、A−400、A−600、A−HD、A−NPG、APG−200、APG−400、APG−700、A−BPE−4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、及びA−TMMTが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、アクリレート系化合物を含有させることが最終硬化膜の機械物性向上の点から好ましい。アクリレート系化合物とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミドからなる群から選択される化合物をいう。
該アクリレート化合物の例としては、新中村化学工業社製NK−エステルシリーズ;M−20G、M−40G、M−90G、M−230G、CB−1、SA、S、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−90G、A−SA、LA、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BG、HD、NPG、9PG、701、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE―1300、A−200、A−400、A−600、A−HD、A−NPG、APG−200、APG−400、APG−700、A−BPE−4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、及びA−TMMTが挙げられる。
また、共栄社化学社製ライトエステルシリーズ;M、E、NB、IB、EH、ID、L、L−5、L−7、TD、L−8、S、MC、130MA、041MA、CH、THF、BZ、PO、IB−X、HO、HOP、HOA、HOP−A、HOB、A、HO−MS、HO−HH、HO−MPP、G、P−1M、P−2M、EG、2EG、1.4BG、1.6HX、1.9ND、TMP、G−101P、G−201P、BP−2EM、TB、IS、MTG、BO、CL、3EG、4EG、9EG、14EG、NP、M−3F、M−4F、M−6F、FM−108、1.3BG、及び1.10DCなどが挙げられる。
また、共栄社化学社製ライトアクリレートシリーズ;IAA、L−A、S−A、BO−A、EC−A、MTG−A、130A、DPM−A、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、THF−A、IB−XA、HOA、HOP−A、M−600A、HOA−MS、HOA−MPE、3EG−A、4EG−A、9EG−A、14EG−A、NP−A、1.6HX−A、1.9ND−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、TMP−A、TMP−6EO−3A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A、BA−104、BA−134、及びG−201Pなどが挙げられる。
さらには、共栄社化学社製エポキシエステルシリーズ;M−600A、40EM、70PA、200PA、80MFA、3002M、及び3002Aなどや、東亜合成社製アロニックスシリーズ;M−101、M−102、M−110、M−111、M−113、M−117、M−120、M−208、M−210、M−211、M−215、M−220、M−225、M−233、M−240、M−245、M−260、M−270、M−305、M−309、M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、M−400、M−408、M−450、M−5300、M−5400、M−5600、及びM−5700など、または興人社製DMAEA、DMAPAA、DMAA、ACMO、NIPAM、及びDEAA等が挙げられる。
これらのアクリレート系化合物の中でも、熱重合性官能基を2つ以上有する化合物が特に好ましい。また、これらの化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
アクリレート系化合物のヒドロキシポリアミドへの配合量は、該ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。アクリレート系化合物の配合量が1質量部以上だと熱硬化後の膜の伸度を改善する効果があり、100質量部以内だと、組成物の安定性が良好である。
アクリレート系化合物のヒドロキシポリアミドへの配合量は、該ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。アクリレート系化合物の配合量が1質量部以上だと熱硬化後の膜の伸度を改善する効果があり、100質量部以内だと、組成物の安定性が良好である。
(5)その他の成分
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、従来から感光性樹脂組成物の添加剤として用いられている染料、界面活性剤、安定剤、基板との密着性を高めるための接着助剤、架橋剤、溶剤等を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。また、界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンラウリルエーテル
等のポリグリコール類あるいはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤、例えば、フロラード(商品名、住友3M社製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業社製)あるいはスルフロン(商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、例えば、KP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。また、接着助剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー等、および各種シランカップリング剤が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、従来から感光性樹脂組成物の添加剤として用いられている染料、界面活性剤、安定剤、基板との密着性を高めるための接着助剤、架橋剤、溶剤等を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。また、界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンラウリルエーテル
等のポリグリコール類あるいはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤、例えば、フロラード(商品名、住友3M社製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業社製)あるいはスルフロン(商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、例えば、KP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。また、接着助剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー等、および各種シランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の具体的な好ましい例としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、2−(トリアルコキシシリルエチル)ピリジン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシランもしくは3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシラン並びに酸無水物もしくは酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシランまたは3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基またはウレア基に変換したものなどを挙げることができる。なお、この際のアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などが、酸無水物としてはマレイン酸無水物、フタル酸無水物などが、酸二無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが、ウレタン基としてはt−ブトキシカルボニルアミノ基などが、ウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基などが挙げられる。
架橋剤としては、1,1,2,2−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、テトラグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、アセチルアセトンアルミ(III)塩、アセチルアセトンチタン(IV)塩、アセチルアセトンクロム(III)塩、アセチルアセトンマグネシウム(II)塩、アセチルアセトンニッケル(II)塩、トリフルオロアセチルアセトンアルミ(III)塩、トリフルオロアセチルアセトンチタン(IV)塩、トリフルオロアセチルアセトンクロム(III)塩、トリフルオロアセチルアセトンマグネシウム(II)塩、トリフルオロアセチルアセトンニッケル(II)塩などの金属キレート剤、ニカラックMW−30MH、MW−100LH(商品名、三和ケミカル社製)、サイメル300、サイメル303(商品名、三井サイテック社製)などのアルキル化メラミン樹脂がある。
本発明においては、これらの成分を溶剤に溶解してワニス状にし、ポジ型感光性樹脂組成物として使用する。このような溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を単独または混合して使用できる。
これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましく、具体的なより好ましい例としては、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどを挙げることができる。
これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましく、具体的なより好ましい例としては、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどを挙げることができる。
<硬化レリーフパターン、及び半導体装置の製造方法>
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して硬化レリーフパターンを製造する方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布やロールコーターにより塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
第二に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して硬化レリーフパターンを製造する方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布やロールコーターにより塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
第二に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
第三に、照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物により形成された感光性樹脂膜を現像するために用いられる現像液は、アルカリ可溶性ポリマーを溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液であることが必要である。現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物、有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物により形成された感光性樹脂膜を現像するために用いられる現像液は、アルカリ可溶性ポリマーを溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液であることが必要である。現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物、有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また、該有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
最後に、得られたレリーフパターンを加熱処理して、ポリベンズオキサゾール構造を有する耐熱性硬化レリーフパターンを形成することができる。この加熱処理は、180℃以上の温度を5分間以上与えるものであり、ある一定温度を保っても良いし、連続的に昇温してもよい。好ましい加熱処理条件は、最高温度が200℃以上で、200℃以上である時間が30分間以上のものである。
具体的には、MRAM、有機半導体、銅配線を有するCMOS等の300℃以上の加熱ができない耐熱性に劣る半導体装置の製造に本発明の組成物を使用する場合は、加熱処理温度を180〜290℃にすることが好ましく、220〜250℃にすることがより好ましい。一方、300℃以上に加熱することに問題のない半導体装置の製造に使用する場合は、300〜350℃にすることがより好ましい。
具体的には、MRAM、有機半導体、銅配線を有するCMOS等の300℃以上の加熱ができない耐熱性に劣る半導体装置の製造に本発明の組成物を使用する場合は、加熱処理温度を180〜290℃にすることが好ましく、220〜250℃にすることがより好ましい。一方、300℃以上に加熱することに問題のない半導体装置の製造に使用する場合は、300〜350℃にすることがより好ましい。
上述の製造方法によって作成した硬化レリーフパターンは、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、半導体装置を製造することができる。また、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜等としても有用である。
以下に、本発明を参考例、実施例等に基づいて更に具体的に説明する。
<ヒドロキシポリアミドの合成>
〔参考例1〕
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン259.59g(0.708mol)、ピリジン35.6g(0.45mol)、DMAC908.55gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。ここに、別途γ−ブチロラクトン75.65g中にメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物15.13g(0.09mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は10分、反応液温は最大で28℃であった。
<ヒドロキシポリアミドの合成>
〔参考例1〕
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン259.59g(0.708mol)、ピリジン35.6g(0.45mol)、DMAC908.55gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。ここに、別途γ−ブチロラクトン75.65g中にメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物15.13g(0.09mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は10分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、室温で3 時間攪拌放置し、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパンのアミノ基の12%をカルボキシメチルシクロヘキシルアミド基で封止した。この際、メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物の99%の消費を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認した。その後上記反応液を氷浴により0℃に冷却し、これに別途γ−ブチロラクトン948.4g中にイソフタル酸クロライド13.47g(0.066mol)、および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド176.21g(0.597mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は150分、反応液温は最大で12℃であった。滴下終了から3時間後、上記反応液を20lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミドP−4を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミドのGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で22595であった。
〔参考例2〕
容量1lのセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別した後、これにTHF500mlを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
容量1lのセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別した後、これにTHF500mlを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
生成物がイミド化していることは、IRスペクトルで1394cm-1および1774cm-1のイミド基の特性吸収が現れ、1540cm-1および1650cm-1付近のアミド基の特性吸収が存在しないこと、およびNMRスペクトルでアミドおよびカルボン酸のプロトンのピークが存在しないことにより確認した。
次に、該生成物65.9g(0.1mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライドを53.7g(0.2mol)、アセトン560g加え、20℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン21.2g(0.21mol)をアセトン106.2gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴などを用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。
次に、該生成物65.9g(0.1mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライドを53.7g(0.2mol)、アセトン560g加え、20℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン21.2g(0.21mol)をアセトン106.2gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴などを用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。
滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36重量%濃度の塩酸水溶液 5.6gを一気に投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。この際得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液5lに、その撹拌下で1時間
かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、下記化学式で表される感光性ジアゾキノン化合物を得た。
かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、下記化学式で表される感光性ジアゾキノン化合物を得た。
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製>
上記参考例1にて得られたヒドロキシポリアミド100質量部、上記参考例2にて得られた感光性ジアゾキノン化合物20質量部、下記化学式E−1ないしE−3(全て東京化成工業社製)の構造を有するリン酸誘導体5質量部をγ−ブチロラクトン180質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して、実施例1〜3、及びリン酸誘導体を含有しない比較例1のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
上記参考例1にて得られたヒドロキシポリアミド100質量部、上記参考例2にて得られた感光性ジアゾキノン化合物20質量部、下記化学式E−1ないしE−3(全て東京化成工業社製)の構造を有するリン酸誘導体5質量部をγ−ブチロラクトン180質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して、実施例1〜3、及びリン酸誘導体を含有しない比較例1のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
<ポジ型感光性樹脂組成物の評価>
(1)オキサゾール化率評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、塗膜を形成した。縦型キュア炉(光洋サーモシステム社製)にて、窒素雰囲気中、250℃あるいは350℃で1時間のキュア(加熱硬化処理)を施した。得られた硬化膜のIRスペクトルを顕微ATR法により測定し、1490cm-1のピークを基準として用いて各々のスペクトルの大きさを揃えた後、オキサゾール環の特性吸収である1050cm-1のピークの大きさを用いて、以下の式により350℃でのオキサゾール化率を100%とした時の250℃でのオキサゾール化率を算出し表1に示した。
オキサゾール化率(%)=(250℃加熱処理サンプルの1050cm-1のピークの高さ)÷(350℃加熱処理サンプルの1050cm-1のピークの高さ)×100
(1)オキサゾール化率評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、塗膜を形成した。縦型キュア炉(光洋サーモシステム社製)にて、窒素雰囲気中、250℃あるいは350℃で1時間のキュア(加熱硬化処理)を施した。得られた硬化膜のIRスペクトルを顕微ATR法により測定し、1490cm-1のピークを基準として用いて各々のスペクトルの大きさを揃えた後、オキサゾール環の特性吸収である1050cm-1のピークの大きさを用いて、以下の式により350℃でのオキサゾール化率を100%とした時の250℃でのオキサゾール化率を算出し表1に示した。
オキサゾール化率(%)=(250℃加熱処理サンプルの1050cm-1のピークの高さ)÷(350℃加熱処理サンプルの1050cm-1のピークの高さ)×100
(2)耐熱性評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、あらかじめスパッタによりアルミニウム膜を形成した5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて120℃、180秒間プリベークを行い、膜厚11.0μmの塗膜を形成した。この塗膜を10mm短冊状のパターンのフォトマスクを用いて、キャノン製PLA−501Fで露光した。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、1分浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、250℃で1時間のキュアを施した。この膜を3%フッ酸水溶液に浸し、短冊状のフィルムを剥がし、純水にて充分に洗浄、乾燥後、短冊状のテストサンプルを得た。このフィルムを、Shimazu社製TGA−50にて5%重量減少温度を測定し、耐熱性の評価とした。フィルムの5%重量減少温度を表1に示した。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、あらかじめスパッタによりアルミニウム膜を形成した5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて120℃、180秒間プリベークを行い、膜厚11.0μmの塗膜を形成した。この塗膜を10mm短冊状のパターンのフォトマスクを用いて、キャノン製PLA−501Fで露光した。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、1分浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、250℃で1時間のキュアを施した。この膜を3%フッ酸水溶液に浸し、短冊状のフィルムを剥がし、純水にて充分に洗浄、乾燥後、短冊状のテストサンプルを得た。このフィルムを、Shimazu社製TGA−50にて5%重量減少温度を測定し、耐熱性の評価とした。フィルムの5%重量減少温度を表1に示した。
(3)パターニング特性評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて120℃、180秒間プリベークを行い、膜厚10.7μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi−線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これをAZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.1μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。ポジ型感光性樹脂組成物の現像時間及び感度を表2に示した。 なお、ポジ型感光性樹脂組成物の感度は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm2 )]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて120℃、180秒間プリベークを行い、膜厚10.7μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi−線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これをAZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.1μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。ポジ型感光性樹脂組成物の現像時間及び感度を表2に示した。 なお、ポジ型感光性樹脂組成物の感度は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm2 )]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
(4)安定性評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を室温にて1週間放置し、放置後の粘度の変化率を測定した。粘度の変化率を表2に示した。
表1から本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより250℃での加熱硬化処理によってもPBO前駆体からPBOへの閉環反応が充分に進行していることがわかる。
表2から、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は感度及び安定性を低下させていないことがわかる。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を室温にて1週間放置し、放置後の粘度の変化率を測定した。粘度の変化率を表2に示した。
表1から本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより250℃での加熱硬化処理によってもPBO前駆体からPBOへの閉環反応が充分に進行していることがわかる。
表2から、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は感度及び安定性を低下させていないことがわかる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、及びバンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、並びに液晶配向膜等として好適に利用できる。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(2)で表わされる少なくとも1つの鎖状リン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、下記一般式(4)で表わされる少なくとも1つの環状リン酸誘導体0.1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部とを含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、さらにアクリレート系化合物1〜100質量部を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- (1)請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、(2)マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線またはイオン線を直接照射し、(3)露光部または照射部を溶出または除去し、(4)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項6に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターン層を有してなる半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2006005119A JP2007187828A (ja) | 2006-01-12 | 2006-01-12 | ポジ型感光性樹脂組成物 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008065905A1 (fr) * | 2006-11-15 | 2008-06-05 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Composition de résine photosensible et carte de circuit imprimé souple comprenant cette composition |
JP2009057458A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Toyohashi Univ Of Technology | 耐熱性樹脂組成物 |
JP2009058760A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Yokohama National Univ | 反応現像画像形成法 |
JP2009063980A (ja) * | 2006-11-15 | 2009-03-26 | Asahi Kasei Corp | 感光性樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板 |
JP2010204464A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ホスファゼン構造を有する感光剤を含む感光性樹脂組成物 |
-
2006
- 2006-01-12 JP JP2006005119A patent/JP2007187828A/ja not_active Withdrawn
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