JP2006117635A - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既に損傷している毛髪に対してもその損傷の修復・回復を図り、ハリ・コシ感の低下やパサツキの発生を極力抑えて、パーマネントウェーブが効果的に形成でき、必要によって、パーマネントウェーブ処理剤における特異臭の発生を抑制することのできる毛髪処理剤を提供する。
【解決手段】 本発明の毛髪処理剤は、(a)還元剤として、チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオ乳酸、チオリンゴ酸若しくはそれらの塩類、グリセリルチオグリコレートおよびチオグリセリンよりなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を配合したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヘアカラー処理などの化学反応を伴う処理によって傷んだ毛髪に対しても、所望のパーマネントウェーブを形成することのできる毛髪処理剤に関するものであり、特に現状よりも毛髪を傷めることなくパーマネントウェーブ形成能を向上させるために使用され、必要によって特異臭の発生を抑制することのできる毛髪処理剤に関するものである。
毛髪の理・美容処理としては、パーマネントウェーブ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ(脱色)処理等、化学反応を伴う様々な処理が行われている。このうちパーマネントウェーブ処理は、還元剤を主成分として含むアルカリ性溶液をパーマネントウェーブ第1剤として毛髪に浸透させ、所望のウェーブを得るためにロッド等に巻きつけて一定時間放置し、毛髪中のケラチンのジスルフィド結合を開裂させた後、臭素酸ナトリウム、過酸化水素等の酸化剤を主成分とするパーマネントウェーブ第2剤により、新たな位置でジスルフィド結合を再結合させ、ウェーブを固定化させるものである。この処理は、処理前の毛髪とは異なる半永久的なウェーブ状の変形を得る方法である(例えば、非特許文献1)。
近年、ヘアカラーブームもあり、ブリーチ処理またはブリーチを伴う処理の頻度が増加してきている。このブリーチ処理は、過酸化水素によって毛髪中のメラニン色素を分解することによって毛髪の脱色を行うものであり、還元および酸化過程を経るパーマネントウェーブ処理とは毛髪に与える損傷の性質が異なるものである。
上記のようなパーマネントウェーブ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理等の化学反応を伴う様々な処理は、繰り返して行われることになるが、それにつれて毛髪の損傷が激しくなり、パーマネントウェーブ処理によるウェーブ形成が困難になってくるのが実状である。実際のところ、理・美容室では明るく脱色された毛髪にヘアカラー処理をする習慣が広がっており、パーマネントウェーブ処理においては目的とするウェーブが得られないうえ、パーマネントウェーブ第1剤のアルカリ剤と還元剤の作用により毛髪の損傷だけが進行してしまうという問題がある。
その結果、毛髪の保湿性、柔軟性、毛髪表面の平滑性などが失われ、毛髪のハリ・コシ感の低下、パサツキ、枝毛、切れ毛を発生させたり、毛髪の光沢や手触り感が損なわれるなど、物性や感触の低下に伴い、毛髪に良好なパーマネントウェーブが得られないという問題があった。
これまでにも、毛髪の損傷をできるだけ抑制して良好なパーマネントウェーブを付与するためのパーマネントウェーブ処理剤(若しくはパーマネントウェーブ第1剤)について、様々提案されている。例えば、特許文献1には、還元剤を主剤として含有するパーマネントウェーブ第1剤において、化学修飾した蛋白質(例えば、ケラチンの酸化分解物またはその塩)を配合することによって毛髪の損傷を抑制する技術が提案されている。また、特許文献2には、蛋白質分解物/蛋白質分解物誘導体と、チオール系還元剤、ジスルフィドとを必須成分として含有するパーマネントウェーブ処理剤について提案されている。この特許文献2で使用する蛋白質分解物としては、ケラトース、ケラチン加水分解物、大豆由来蛋白質等のSH基を含有する蛋白質、毛髪のケラチンとの相互作用により吸着できるシルク由来蛋白質、コラーゲン、小麦由来蛋白質、トウモロコシ由来蛋白質、卵白等が挙げられている。
これまで、提案されている上記各種技術では、毛髪の損傷を抑制しつつパーマネントウェーブを形成する処理剤として有用であるが、既に損傷を受けている毛髪に対しては、毛髪の損傷を修復・回復させてパーマネントウェーブ形成能を改善することは困難である。
ところで、パーマネントウェーブ処理剤では、還元剤を主剤として含有するものであるが、この還元剤の種類としては、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、L−システイン、L−システイン塩酸塩、アセチルシステイン、システアミン、システアミン塩酸塩、チオ乳酸、チオリンゴ酸、グリセリルチオグリコレート、チオグリセリン等、様々なものが知られている(例えば、非特許文献1、2)。そして、これらの還元剤については、その還元作用や毛髪に与える影響はそれほど差異がないものと考えられていた。
日本パーマネントウェーブ液工業組合編著「サイエンス オブ ウェーブ」新美容出版株式会社、2002年4月10日発行、第13〜31頁 「THE SCIENCE OF HAIR CARE」MARCEL DEKKER,INC.1986年発行、第190〜193頁 特開2000−327545号公報 特許請求の範囲等 特開2003−81785号公報 特許請求の範囲等
これまで提案されている毛髪処理剤(特に、パーマネントウェーブ処理剤)としては、還元剤を主剤とし、これに毛髪の損傷を抑制するための蛋白質分解物を含むものが主流を占めているが、これまで提案されている毛髪処理剤では、既に損傷している毛髪に対してはパーマネントウェーブが効果的に形成されないという問題がある。
また、毛髪処理剤は、酸性溶液中ではパーマネントウェーブを形成しにくいことから、アルカリ性溶液として使用されるのが一般的となっているが、損傷している毛髪に対して、還元剤を配合したアルカリ性溶液のパーマネントウェーブ処理剤で処理すると、毛髪のハリ・コシ感が低下し、パサツキが生じ易くなる。そして、ハリ・コシ感が低下し、パサツキが生じ易くなった毛髪では、パーマネントウェーブ形成能が弱くなり、枝毛、切れ毛等が生じるという問題がある。
更に、パーマネントウェーブ第1剤は、一般にチオール基を還元剤中に含んでおり、このチオール基は硫黄元素を含むものであり、その揮発性に起因して、腐卵臭や温泉の原水のような臭い(本願発明では、このような臭いを「特異臭」と呼んでいる)を発生するものが多く、こうした特異臭の発生をできるだけ抑制することが望まれている。
本発明はこうした状況の下でなされたものであり、その目的は、既に損傷している毛髪に対してもその損傷の修復・回復を図り、ハリ・コシ感の低下やパサツキの発生を極力抑えて、パーマネントウェーブが効果的に形成でき、必要によって、パーマネントウェーブ処理剤における特異臭の発生を抑制することのできる毛髪処理剤を提供することにある。
上記目的を達成することができた本発明の毛髪処理剤とは、(a)チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオ乳酸、チオリンゴ酸若しくはそれらの塩類、グリセリルチオグリコレートおよびチオグリセリンよりなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を配合したものである点に要旨を有するものである。
本発明の毛髪処理剤においては、蛋白質組成物の毛髪処理剤全体に占める割合が0.1〜10.0質量%であることや、還元剤の毛髪処理剤全体に占める割合が1.2mol/L(リットル)以下(0mol/Lを含まない)であることが好ましい。また、本発明で使用する還元剤としては、チオグリコール酸、システイン若しくはこれらの塩類、およびチオグリセリンの少なくともいずれかを含むものであることが好ましい。特に、還元剤として、少なくともチオグリセリンを含むものであれば、特異臭の発生を抑制することのできる毛髪処理剤が実現できる。
本発明では、(a)還元剤として、チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオ乳酸、チオリンゴ酸若しくはそれらの塩類、グリセリルチオグリコレートおよびチオグリセリンよりなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を配合することによって、既に損傷している毛髪に対してもその損傷の修復・回復を図り、ハリ・コシ感の低下やパサツキの発生を極力抑え、パーマネントウェーブが効果的に形成できる毛髪処理剤が実現できた。特に、還元剤として、少なくともチオグリセリンを含むものでは、特異臭の発生を抑制できると共に、パーマネントウェーブ保持力にも優れた毛髪処理剤が得られる。
本発明の毛髪処理剤では、(a)還元剤として、チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオ乳酸、チオリンゴ酸若しくはそれらの塩類、グリセリルチオグリコレートおよびチオグリセリンよりなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を必須成分として配合したものであるが、これらの成分による作用効果は次の通りである。
上記還元剤は、毛髪中のケラチン蛋白質のジスルフィド結合を開裂させるために添加するものであり、これまで様々提案されている。本発明者らが検討したところによると、こうした還元剤においても、アルカリ性溶液で使用したときの毛髪に対する作用効果が異なり、特定の還元剤を選び、後述する特定蛋白質との組み合わせによって、損傷した毛髪を修復・回復でき、パーマネントウェーブが効果的に形成できることを見出したのである。
即ち、本発明の毛髪処理剤で使用する還元剤としては、チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオ乳酸、チオリンゴ酸若しくはそれらの塩類、グリセリルチオグリコレートおよびチオグリセリン等が挙げられ、これらの1種以上を使用することが効果的である。これらの還元剤による効果は、極く微量でも発揮されるが、過剰になると還元剤による毛髪の損傷が増大するので、1.2mol/L以下とすることが好ましい。また、還元剤のより好ましい下限は、毛髪処理剤全体に占める割合で0.001mol/Lである。
本発明で使用する還元剤としては、上記各種のものが挙げられ、いずれを用いても本発明の効果が発揮されるものであるが、これらの還元剤においてはアルカリ性溶液で使用したときに若干の効果の違いがある。こうした観点からして、本発明で用いる還元剤としては、チオグリコール酸、システイン若しくはこれらの塩類、およびチオグリセリンの少なくともいずれかを含むものであることが好ましい。
還元剤の種類によって、上記のように作用効果上の違いが生じる理由については、その全てを解明し得た訳ではないが、おそらく次のように考えることができた。即ち、チオグリコール酸、システインおよびチオグリセリンにおいて、保有されているチオール基が解離する際、求核置換反応を起こすが、それらの反応はシステアミンやグリセリルチオグリコレートのそれよりも特定蛋白質中のジスルフィド結合と相互作用性が強いことから、毛髪の修復・回復の効果が推察され、これが毛髪の修復・回復の効果の違いとなったものと考えられる。
また本発明者らが検討したところによれば、上記各還元剤のうち特にチオグリセリンは、パーマネントウェーブ処理剤における特異臭を抑制する効果も発揮することを見出した。従って、本発明の毛髪処理剤においては、還元剤として、少なくともチオグリセリンを上記程度含有させたものでは、その異臭の発生を極力抑制したものとなる。またチオグリセリンは、一旦形成したパーマネントウェーブを保持する上でも有用であることも判明した。
一方、上記蛋白質組成物は、毛髪に作用してパーマネントウェーブ形成能を向上させるという効果を発揮するものであり、本発明者が有用な毛髪処理剤の成分として見出したものである。本発明者は、パーマネントウェーブ形成能を修復・改善する毛髪処理剤の開発を目指してかねてより研究を進めており、その研究の一環として、ヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質(特定蛋白質)がこうした効果を発揮できる成分として有用であることを見出し、その技術的意義が見出されたので先に出願している(特願2004−060586号)。そしてこの蛋白質だけでなく、平均分子量が9700の蛋白質も含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物(夾雑物を含む毛髪分画蛋白質)の状態で毛髪から分離したものも上記の効果が発揮できることを見出している。本発明は、こうした蛋白質組成物を応用するものである。
尚、上記蛋白質組成物の調製および電気泳動による蛋白質の確認、各蛋白質の精製、分子量測定等は、下記の夫々の方法によるものである。また、こうした蛋白質組成物は、ヒト毛髪ばかりでなく、羊毛を原料としたときでも同様に得られることを確認している。
(特定蛋白質を含む毛髪蛋白質溶液の調製方法)
本発明で用いる蛋白質組成物は、毛髪から製造、調製することができる。毛髪からの構成蛋白質の抽出(分画)は、従来の2−メルカプトエタノールによる還元処理を利用した方法(例えば、「Journal of Cosmetic Science」1998年、49巻、第13〜22頁)が適切である。本発明に応用した抽出方法を下記に示す。
ブリーチ処理やパーマネントウェーブ処理を受けた経験のない毛髪0.2g(長さ16cm)を脱脂用剤(クロロホルム/メタノール=2/1:容積比)に24時間浸漬させることにより、毛髪表面を脱脂処理した。処理後の毛髪をドライヤにより十分乾燥させ、約1cmの長さに切断した。切断後の毛髪をビーカに入れ、毛髪蛋白質分画抽出液[2.5mol/Lの2−メルカプトエタノールと1質量%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む0.025mol/Lのトリス塩酸バッファ、pH8.3]20mLと良く混合させ、50℃、72時間の条件下で浸漬させた。
浸漬処理後の溶液を透析チューブ(分子量8000用、ナカライテスク製)に入れ、イオン交換水を外液とし16時間以上(外液交換4回)の透析を行った。透析後のチューブ内液(分子量8000以上)を攪拌式セル(分子量3000以上用、ミリポア製)による限外濾過処理で濃縮した。濃縮により蛋白質濃度が0.1〜1.5mg/mLに調整された試料を本発明の毛髪蛋白質溶液(特定蛋白質を含む)として得た。
(毛髪蛋白質溶液のTricine−SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法
による蛋白質のバンド確認方法)
毛髪蛋白質溶液と試料バッファ(0.5mol/Lのトリス塩酸バッファを2mL、10質量%のSDS溶液を4mL、2−メルカプトエタノールを1.2mL、グリセロールを2mL、イオン交換水を0.8mL、1質量%BPB(ブロモフェノールブル)を数滴加え、全量10mLにする)を1:1の割合で混合し、3分間、95℃という条件で熱変性させ、電気泳動用試料とした。
下記の組成で予め作製しておいたゲルに試料をアプライし、50mAの定電流で電気泳動を行った。尚、泳動バッファの組成は、陽極のバッファとして0.2mol/LのTris(pH8.9)を、陰極のバッファとして0.1mol/LのTrisと0.1mol/LのTricine、0.1質量%のSDS溶液の混合溶液(pH8.25)を使用した。泳動終了後、ゲルをCBB(クマシーブリリアントブル)染色液にて蛋白質バンドを染色し、エタノール/酢酸/イオン交換水を組成[エタノール/酢酸/イオン交換水=3/1/6:容積比]とする脱色液で蛋白質以外のゲル部位を脱色した。そして、Tricine−SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法によって、分子量が11000の位置にバンドがあることを確認した(例えば、「Analytical Biochemistry」1987年、166巻、第368〜379頁)。
(分離ゲル)
アクリルアミド溶液(48質量%のアクリルアミドと1.5質量%のビスアクリルアミド)を6mL、ゲルバッファ(3.0mol/LのTrisと0.3質量%のSDS溶液の混合液、pH8.45)を10mL、グリセロールを4mL、10質量%過硫酸アンモニウムを0.15mL、TEMED(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)を0.15mL、残部イオン交換水からなる分離ゲルを作製した(全量30mL)。
(濃縮ゲル)
アクリルアミド溶液(48質量%のアクリルアミドと1.5質量%のビスアクリルアミド)を1mL、ゲルバッファ(3.0mol/LのTrisと0.3質量%のSDS溶液の混合液、pH8.45)を3.1mL、10質量%過硫酸アンモニウムを0.075mL、TEMED(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)を0.005mL、残部イオン交換水からなる濃縮ゲルを作製した(全量12.5mL)。
(蛋白質の精製)
カラム内部の樹脂には、DEAE(ジエチルアミノエチル)−セルロース(ナカライテスク製)を用いた。精製方法について下記に述べる。上記樹脂をカラム内に充填し、酸およびアルカリによる洗浄を行った後、イオン交換水によりカラム内を平衡化する。平衡化されたカラム内に上記毛髪蛋白質溶液を徐々にアプライする。アプライ後、0.1〜0.5mol/Lの塩でイオン勾配処理を行うことにより、目的の蛋白質を溶離させるという一般的な蛋白質精製方法により、毛髪蛋白質溶液の蛋白質を分離した。
(分子量測定)
ゲル濾過カラムクロマトグラフィによる分子量測定を下記に述べる。高速液体カラムクロマトグラフとして「Shimadzu Liquid chromatograph LC−6A」(島津製作所製)を用い、検出器として「Shimadzu UV−VIS Spectrophotometric detector SPD−6AV」(島津製作所製)を用い、レコーダーとして「Shimadzu Chromatopac C−R6A」(島津製作所製)を用い、ガードカラムとして「TSK−GEL Guard Column SW 7.5×7.5(mm)」(東ソー製)を用い、カラムとして「TSK−GEL G3000SW 7.5×600(mm)」(東ソー製)を用いた。
分析方法は、上記の機器および試料を用いて、流速0.5mL/min、測定波長280nmの条件下で、溶出バッファ(0.1mol/LのNaHPO/NaHPO(pH7.0)+0.1mol/LのNaSO)を使用し分析を行った。尚、この分子量測定は、分子量が既知の標準マーカとして、グルタミン酸脱水素酵素(分子量290000)、乳酸脱水素酵素(分子量142000)、エノラーゼ(分子量67000)、アデニル酸キナーゼ(分子量32000)、チトクロームc(分子量12400)を用いて測定したものである。
本発明の毛髪処理剤は、上記の様な還元剤および蛋白質組成物を必須成分として配合したものであるが、本発明の効果を発揮させるためには蛋白質組成物の含有量は、毛髪処理剤全体に対して0.1〜10.0質量%程度であることが好ましい。蛋白質組成物の含有量が0.1質量%未満であると、損傷毛髪への修復・回復効果が発揮されず、10.0質量%を超えると、毛髪に必要以上蛋白質組成物が付着するため、パーマネントウェーブ形成能が明らかに低下する。
本発明の毛髪処理剤は、基本的にアルカリ性溶液中で使用され、そのためのアルカリ剤(例えば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン)を含むものであるが、本発明の効果を妨げない範囲において、必要に応じて他の成分、例えば多価アルコール、低級アルコール、ヒドロキシカルボン酸、カチオン性、両性または非イオン性の高分子若しくは低分子の界面活性剤、高級アルコール、シリコーンおよびシリコーン誘導体、各種染料、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料等を適宜配合することができる。
本発明の毛髪処理剤の剤型は、液状、ミスト状、クリーム状、ゲル状、泡状、エアゾール状など種々のタイプが可能で、特に限定されるものではない。また、本発明の毛髪処理剤は、パーマネントウェーブ第1剤として使用できるのは勿論のこと、パーマネントウェーブを形成するための前処理剤としても使用できるものである。
本発明の毛髪処理剤をパーマネントウェーブ第1剤として使用する場合には、アルカリ剤を含有させてパーマネントウェーブ第1剤を調製し、酸化剤を含む第2剤と組み合わせて毛髪を処理し、所望のウェーブを得ることができる。このとき用いるパーマネントウェーブ第2剤は、通常使用されているものを用いればよく、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素などの酸化剤が必須成分として配合される。
本発明の毛髪処理剤を用いることによって、毛髪へのパーマネントウェーブ形成能を向上させることができると共に、ヘアカラー、ブリーチ、パーマネントウェーブのような美容施術および日常のドライヤによる乾燥、ブラッシングによる損傷を受けた毛髪を修復・回復させる効果を発揮することになる。
次に、実施例によって本発明をより具体的に示すが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
(ブリーチ処理毛の作製およびパーマネントウェーブ形成能の評価)
化学的処理を全く受けていない毛髪に下記のブリーチ処理を3回夫々繰り返し処理した処理毛を作製し、その毛髪について下記表1のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、その後のパーマネントウェーブ形成能を評価した。このときのパーマネントウェーブ形成能の評価方法は下記の通りである。
(ブリーチ処理)
トーナーブリーチパウダ(粉末ブリーチ剤、中野製薬株式会社製)とキャラデコオキサイド06(過酸化水素系酸化剤、中野製薬株式会社製)を1:3(質量比)となるように混合したブリーチ剤を、毛髪に質量比1:1の割合で塗布し、30℃、30分間の条件で処理した後、10質量%のSDS溶液によって、洗浄し、その後乾燥した。こうした一連の手順を一工程として3回(三工程)の処理を行った。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある分子量92.12のチオグリコール酸を50質量%含有する水溶液と、羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を20質量%含有する試料[以下、試料Aとする]を用いて、下記表1に示す各種配合割合(処方例1〜11)で各種原料を配合して、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。尚、表1中、「混合アルカリ液」とは、モノエタノールアミンとトリエタノールアミンをモル濃度換算で5:3の比率で混合した溶液を意味し、この混合アルカリ液で処理液のpHを9に調整した。また、各処方例に記載のモル濃度([ ]内の値)は全溶液の比重を1と規定したときの値である(後記表2〜6についても同じ)。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
(パーマネントウェーブ形成能の評価)
上記ブリーチ処理した毛髪(0.2g)を直径12mmのロッドに巻きつけて、輪ゴムで固定し、これを上記パーマネントウェーブ第1剤に30秒間浸漬させ、その溶液から取り出した後40℃で15分間放置した。その後、十分に水洗してから、パーマネントウェーブ第2剤に30秒間浸漬させ、その溶液から取り出した後30℃で10分間放置した。その後、十分に水洗してから毛髪を吊るし、その自然長を比較することによってパーマネントウェーブ形成能について評価した(その長さが短くなるにつれて、パーマネントウェーブ形成能が向上する)。
図1は、上記パーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。図1に基づいて、還元剤を含まない毛髪処理剤で処理したときの長さ(自然長)を100%としたときに、各処理毛(毛髪処理剤の異なる毛髪)の長さを比較した値を表1に示しており、本発明の毛髪処理剤を用いたものではパーマネントウェーブ形成能が向上していることが分かる。
(破断強度測定方法)
上記表1に示した処方例3、4、5、6、7、9および10のパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛束から毛髪10本を任意に選び、「毛髪直径計測システム」(カトーテック株式会社)により毛髪の長径(mm)と短径(mm)を計測し、横断面積(mm)を次の式から求めた。
断面積(mm)=(π/4)×長径(mm)×短径(mm)
次に、卓上型材料試験機[「テンシロン STA−1150」 (株)オリエンテック製]を用い、上記の毛髪試料の水中における引張り破断値(cN)の測定を行った。その後、横断面積(mm)当たりの引張り破断値(cN)を算出することで破断強度(cN/mm)を求めた。その結果を、前記表1に併記する。尚、表1において、(−)の欄は、未測定であることを意味する。
これらの結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、毛髪の強度改善傾向が認められることが分かる。
上記表1に示した処方例1〜11のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束について、毛髪のコンディション(ハリ・コシ感の良否、パサツキ感の抑制)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて下記の評価基準で判断した。その結果を前記表1に併記する。
(毛髪のコンディションの評価基準)
◎:処理前の毛髪と比較し、明らかにコンディションの良さが向上した。
○:処理前の毛髪と比較し、コンディションが良くなった。
△:処理前の毛髪と比較し、コンディションが同程度であった。
×:処理前の毛髪と比較し、コンディションが低下した。
この結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、パーマネントウェーブを形成した毛髪のコンディションが良好に維持できることが分かる。
実施例2
実施例1と同様のブリーチ処理をした毛髪について、下記表2のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、パーマネントウェーブ形成能を実施例1と同様に評価した。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある分子量175.64のシステイン塩酸塩と、前記試料Aを用いて、下記表2に示す各種配合割合(処方例1、12〜21)で各種原料を配合して、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
図2は、上記パーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。図2に基づいて、還元剤を含まない毛髪処理剤で処理したときの長さ(自然長)を100%としたときに、各処理毛(毛髪処理剤の異なる毛髪)の長さを比較した値を表2に示しており、本発明の毛髪処理剤を用いたものではパーマネントウェーブ形成能が向上していることが分かる。
上記表2に示した処方例13、14、15、16、17、19および20のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束から毛髪10本を任意に選び、実施例1と同様にして破断強度(cN/mm)を求めた。その結果を、前記表2に併記する。尚、表2において、(−)の欄は、未測定であることを意味する。
これらの結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、毛髪の強度改善傾向が認められることが分かる。
上記表2に示した処方例1、12〜21のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束について、毛髪のコンディション(ハリ・コシ感の良否、パサツキ感の抑制)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を前記表2に併記する。
この結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、パーマネントウェーブを形成した毛髪のコンディションが良好に維持できることが分かる。
実施例3
実施例1と同様のブリーチ処理をした毛髪について、下記表3のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、パーマネントウェーブ形成能を実施例1と同様に評価した。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある分子量108.2の1−チオグリセリン(98質量%)と、前記試料Aを用いて、下記表3に示す各種配合割合(処方例1、22〜31)で各種原料を配合して、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
図3は、上記パーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。図3に基づいて、還元剤を含まない毛髪処理剤で処理したときの長さ(自然長)を100%としたときに、各処理毛(毛髪処理剤の異なる毛髪)の長さを比較した値を表3に示しており、本発明の毛髪処理剤を用いたものではパーマネントウェーブ形成能が向上していることが分かる。
上記表3に示した処方例23、24、25、26、27、29および30のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束から毛髪10本を任意に選び、実施例1と同様にして破断強度(cN/mm)を求めた。その結果を、前記表3に併記する。尚、表3において、(−)の欄は、未測定であることを意味する。
これらの結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、毛髪の強度改善傾向が認められることが分かる。
上記表3に示した処方例1、22〜31のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束について、毛髪のコンディション(ハリ・コシ感の良否、パサツキ感の抑制)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を前記表3に併記する。
この結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、パーマネントウェーブを形成した毛髪のコンディションが良好に維持できることが分かる。
実施例4
実施例1と同様のブリーチ処理をした毛髪について、下記表4のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、パーマネントウェーブ形成能を実施例1と同様に評価した。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある分子量166.1のグリセリルチオグリコレート(80質量%)と、前記試料Aを用いて、下記表4に示す各種配合割合(処方例1、32〜41)で各種原料を配合して、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
図4は、上記パーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。図4に基づいて、還元剤を含まない毛髪処理剤で処理したときの長さ(自然長)を100%としたときに、各処理毛(毛髪処理剤の異なる毛髪)の長さを比較した値を表4に示しており、本発明の毛髪処理剤を用いたものではパーマネントウェーブ形成能が向上していることが分かる。
上記表4に示した処方例33、34、35、36、37、39および40のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束から毛髪10本を任意に選び、実施例1と同様にして破断強度(cN/mm)を求めた。その結果を、前記表4に併記する。尚、表4において、(−)の欄は、未測定であることを意味する。
これらの結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、毛髪の強度改善傾向が認められることが分かる。
上記表4に示した処方例1、32〜41のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束について、毛髪のコンディション(ハリ・コシ感の良否、パサツキ感の抑制)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を前記表4に併記する。
この結果から明らかなように、グリセリルチオグリコレートを還元剤として使用した毛髪処理剤で処理したものでは、実施例1〜3のものと比べて若干低下するが、パーマネントウェーブを形成した毛髪のコンディションがほぼ維持できていることが分かる。
実施例5
実施例1と同様のブリーチ処理をした毛髪について、下記表5のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、パーマネントウェーブ形成能を実施例1と同様に評価した。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある分子量113.6のシステアミン塩酸塩を50質量%含有する水溶液と、前記試料Aを用いて、下記表5に示す各種配合割合(処方例1、42〜51)で各種原料を配合して、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
図5は、上記パーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。図5に基づいて、還元剤を含まない毛髪処理剤で処理したときの長さ(自然長)を100%としたときに、各処理毛(毛髪処理剤の異なる毛髪)の長さを比較した値を表5に示しており、本発明の毛髪処理剤を用いたものではパーマネントウェーブ形成能が向上していることが分かる。
上記表5に示した処方例43、44、45、46、47、49および50のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束から毛髪10本を任意に選び、実施例1と同様にして破断強度(cN/mm)を求めた。その結果を、前記表5に併記する。尚、表5において、(−)の欄は、未測定であることを意味する。
これらの結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、毛髪の強度改善傾向が認められることが分かる。
上記表5に示した処方例1、42〜51のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束について、毛髪のコンディション(ハリ・コシ感の良否、パサツキ感の抑制)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を前記表5に併記する。
この結果から明らかなように、システアミン塩酸塩を還元剤として使用した毛髪処理剤で処理したものでは、実施例1〜3のものと比べて若干低下するが、パーマネントウェーブを形成した毛髪のコンディションがほぼ維持できていることが分かる。
実施例6
実施例1と同様のブリーチ処理をした毛髪について、下記表6のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、パーマネントウェーブ形成能を実施例1と同様に評価した。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある分子量92.12のチオグリコール酸を50質量%含有する水溶液と、前記試料Aを用いて、下記表6に示す各種配合割合(処方例1、3、52〜57)で各種原料を配合し、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
図6は、上記パーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。図6に基づいて、還元剤を含まない毛髪処理剤で処理したときの長さ(自然長)を100%としたときに、各処理毛(毛髪処理剤の異なる毛髪)の長さを比較した値を表6に示しており、本発明の毛髪処理剤を用いたものではパーマネントウェーブ形成能が向上していることが分かる。
上記表6に示した処方例1、3、52〜57のパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪を処理した各毛束について、毛髪のコンディション(ハリ・コシ感の良否、パサツキ感の抑制)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を前記表6に併記する。
この結果から明らかなように、本発明の毛髪処理剤を用いたものでは、良好なコンディションが維持できていることが分かる。
実施例7
実施例1と同様のブリーチ処理をした毛髪について、下記表7のパーマネントウェーブ処理剤でウェーブを形成し、下記の方法で特異臭の発生程度およびパーマネントウェーブ保持力について評価した。
(パーマネントウェーブ処理剤)
(A)パーマネントウェーブ第1剤
還元作用のある、チオグリコール酸(50質量%含有する水溶液)、システイン塩酸塩、1−チオグリセリン(98質量%)、グリセリンチオグリコレート(80質量%)、システアミン塩酸塩(50質量%含有する水溶液)のいずれかと、前記試料A、およびヒドロキシセルロース、カチオン化セルロース、リン脂質コポリマー(1質量%含有物)、金属イオン封鎖剤等を用いて、下記表7に示す各種配合割合(処方例58〜63)で各種原料を配合して、各種パーマネントウェーブ第1剤を調製した。
(B)パーマネントウェーブ第2剤
臭素酸ナトリウムを8質量%含有した水溶液からなるパーマネントウェーブ第2剤を調製した。
上記表7に示した処方例58〜63の各パーマネントウェーブ第1剤について、それらの特異臭の発生状況を、専門のパネラー10名で下記の基準で評価した。その結果を、前記表7に併記する。尚、表7において、(−)の欄は、未測定であることを意味する。
(特異臭の発生状況評価基準)
○:パーマの特異臭の発生が非常に抑えられている。
△:パーマの特異臭の発生が抑えられている。
×:パーマの特異臭の発生が全く抑えられていない。
(パーマネントウェーブ保持力)
上記ブリーチ処理した毛髪(0.2g)を直径12mmのロッドに巻きつけて、輪ゴムで固定し、これを上記パーマネントウェーブ第1剤に30秒間浸漬させ、その溶液から取り出した後40℃で15分間放置した。その後、十分に水洗してから、パーマネントウェーブ第2剤に30秒間浸漬させ、その溶液から取り出した後30℃で10分間放置した。その後、十分に水洗してから毛髪を吊るし、そのウェーブの角度αを測定する(ウェーブ形成初期値の測定)。次に、ウェーブを帯びた毛束を真っ直ぐに固定し、70℃の温水中に30分間浸漬し、その後のウェーブの角度β(処理後の値)を測定する。これらの値に基づいて、次の式からパーマネントウェーブ保持力(%)を求め、下記の基準で評価した。その結果を、前記表7に併記した。
パーマネントウェーブ保持力={1−(β―α)/(180−α)}×100(%)
(パーマネントウェーブ保持力評価基準)
○:パーマネントウェーブ保持力が68%以上。
△:パーマネントウェーブ保持力が60%以上、68%未満。
×:パーマネントウェーブ保持力が60%未満。
この結果から明らかなように、還元剤として少なくともチオグリセリンを含むものでは、特異臭の発生を抑制することができると共に、良好なパーマネントウェーブ保持力が維持できていることが分かる。
実施例1においてパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。 実施例2においてパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。 実施例3においてパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。 実施例4においてパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。 実施例5においてパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。 実施例6においてパーマネントウェーブ処理剤で処理した毛髪のパーマネントウェーブ形成能を自然長にて比較した図面代用写真である。

Claims (5)

  1. (a)還元剤として、チオグリコール酸、システイン、システアミン、チオ乳酸、チオリンゴ酸若しくはそれらの塩類、グリセリルチオグリコレートおよびチオグリセリンよりなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を配合したものであることを特徴とする毛髪処理剤。
  2. 前記蛋白質組成物の毛髪処理剤全体に占める割合が0.1〜10.0質量%である請求項1に記載の毛髪処理剤。
  3. 前記還元剤の毛髪処理剤全体に占める割合が1.2mol/L以下(0mol/Lを含まない)である請求項1または2に記載の毛髪処理剤。
  4. 前記還元剤は、チオグリコール酸、システイン若しくはこれらの塩類、およびチオグリセリンの少なくともいずれかを含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪処理剤。
  5. 前記還元剤は、少なくともチオグリセリンを含むものであり、特異臭の発生を抑制したものである請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪処理剤。
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