JP5295520B2 - カール形成化粧料 - Google Patents

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本発明は、高温整髪用アイロンを用いて毛髪にカールを形成する際に使用するカール形成化粧料、およびこうしたカール形成化粧料で毛髪を処理した後に用いる酸化性化粧料に関するものであり、特に高温整髪用アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭を効果的に抑制することができると共に、損傷を受けた毛髪に対しても有効にカールを形成することのできるカール形成化粧料、およびカール形成を施した毛髪の質感を向上させるために用いる酸化性化粧料等に関するものである。
ヘアカラーが流行すると共に、ヘアカラーを施術する顧客も増加し、それに伴い、ヘアカラーやブリーチによる毛髪の損傷等の悩みを持つ顧客が増えてきている。また、ヘアカラーをする顧客が高温整髪用アイロンを用いるパーマを施術することを望むこともある。そうした場合に、毛髪のコンディションが著しく低下することになる。特に、「パサツキ感の発生(まとまり感がない)」、「毛髪の損傷」、「アイロン操作時のコゲ臭の発生」、「パーマ臭」、「パーマ臭の残存」、「アイロン操作時のスベリ感の低下」等が問題視されているのが実情である。
高温整髪用アイロンを用いるパーマ施術工程は、還元剤やアルカリ剤を配合した還元性化粧料(第1剤)を毛髪に塗布し、一定時間放置した後、水洗し、わずかに水分を残した状態まで乾燥し、高温整髪用アイロン(以下、単に「アイロン」と呼ぶことがある)によって、所望のスタイルとなる様にクセ付けを行う。その後、過酸化水素、臭素酸塩、若しくは過ホウ酸塩等の酸化剤を配合した酸化性化粧料(第2剤)を毛髪に塗布し、水洗およびトリートメントを施した後、乾燥させる工程が一般的である。
また上記還元性化粧料としては、一般的にクリーム剤の形態(剤型)で使用されることが多い。通常のパーマ剤が液状または低粘性剤型であることと比較すると、一般的なアイロンを用いるパーマ剤は高粘性の部類に属することになる。高粘性剤型である方が、毛髪から垂れ落ちることなく適切な塗布性を維持し、アイロンの操作性も向上するので、クリーム剤型の方が汎用されている。
アイロンを用いるパーマ施術は、クセ毛に悩む方がスタイルを変えるために行なうことが最も多い。こうした要望に応えるための化粧料(例えば、カール形成化粧料)としては、これまで様々なものが開発されている(例えば、非特許文献1、2)。
高温整髪用アイロンを用いるスタイルとして、ストレートスタイルが一般的であるが、通常のパーマ剤を用いても原理的には所望のウェーブスタイル(カール)を形成することができる(例えば、非特許文献3)。高温整髪用アイロンを用いる化粧料は、前述のごとく、高温整髪用アイロンを用いた工程によって使用されるのが一般的である(例えば、特許文献1)。この場合、具体的な現象として、高温整髪用アイロンを用いる際に、高温のアイロンと毛髪とが触れあい、化粧料原料または毛髪由来のコゲ臭が美容室内に充満する。こうした不都合を回避するため、ポリブテンを含有した毛髪処理剤も提案されている(例えば、特許文献2)。また、パーマ剤に含有される還元剤特有のニオイを抑制するため、ゲルマニウムが配合された各種化粧料も開発されている(例えば特許文献3〜5)。
一方、パーマ施術時における皮膚刺激を低減するために、還元性化粧料(第1剤)に用いる還元剤として、チオグリコール酸アンモニウムとチオグリコール酸モノエタノールアミンのモル濃度比を4:6〜6:4とするパーマネントウェーブ剤も開発されている(例えば、特許文献6)。
優れた感触、光沢を得るために、アミノ変性シリコーンを配合した縮毛矯正剤も開発されている(例えば、特許文献7)。また耐湿性の向上、損傷低減効果を図った縮毛矯正剤として、アミノ変性シリコーンを配合したものも開発されている(例えば、特許文献8)。
アイロンパーマ(いわゆるアイパー)は、加熱と共に毛髪のS−S結合を切断するため、非常に毛髪へ負担をかけることになる。つまり、高温整髪用アイロンを用いるため、毛髪蛋白質が熱変性しやすい状態になる。
昨今のヘアカラーの流行により、ヘアカラー毛が非常に多いことから、上記作用による毛髪の損傷が非常に激しく、手触り感やまとまり感も悪くなる。また、アイロン操作時のコゲ臭の発生、パーマ臭の残存が問題である。従って、これらの問題点を回避できるような性能が必要とされていた。
アイロン操作時のコゲ臭を抑制するという観点から、カール形成剤(第1剤)に、ヘマチンや柿エキスを配合することも試みられているが(例えば、特許文献9、10)、上記コゲ臭を効果的に抑制し得るほどの効果が得られていないのが実情である。
「SCIENCE of WAVE」日本パーマネントウェーブ液工業組合著、新美容出版株式会社発刊、『パーマネントウェーブのサイエンス』、2002年発行、第20〜64頁 「TOMOTOMO 6月号」鷲家真吾著、新美容出版株式会社発刊、『アイロンストレートパーマで、どうして縮毛がストレートになるのですか?』、2006年発行、第75〜77頁 「Hi PREPPY 12月号」藤江建志、鷲家真吾著、新美容出版株式会社発刊、『パーマ施術の基礎知識』、2006年発行、第75〜79頁 特開2000−256146号公報 特開2003−335636号公報 特開昭55−108812号公報 特開昭59−172414号公報 特開昭60−260507号公報 特開2002−363041号公報 特開平11−246365号公報 特開2002−238368号公報 特開昭52−154530号公報 特開2003−231620号公報
これまで提案されているカール形成化粧料には、毛髪の損傷を抑制する成分等を配合したものも提案されており、それなりの効果も発揮されているのであるが、毛髪表面のコンディション(きしみ感、ツルツル感、すべりの良さ)、カール形成力、アイロンの操作性、アイロン操作時のコゲ臭の発生、パーマ臭やパーマ残臭を減少させるという全特性を考慮した場合には、不十分であった。
本発明は上記の様な実情に着目してなされたものであって、その目的は、ヘアカラーやブリーチを施す等によって損傷が大きい毛髪に対しても、カールを効果的に形成することができると共に、アイロン操作時のコゲ臭の発生、パーマ臭やパーマ残臭の減少も良好であるようなカール形成化粧料、およびこうしたカール形成化粧料と併用することによって、アイロンの操作性や毛髪表面のコンディションを良好にできる酸化性化粧料を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明のカール形成化粧料とは、少なくとも還元剤を含有するカール形成化粧料において、前記還元剤として、(A)チオグリコール酸アンモニウムと、(B)チオグリコール酸モノエタノールアミンを、1:5〜1:17[(A):(B)]の質量比率で含有すると共に、ゲルマニウムをカール形成化粧料全体に対して0.0004〜0.012質量%で含有するものである点に要旨を有するものである。
本発明のカール形成化粧料においては、(A)チオグリコール酸アンモニウムと、(B)チオグリコール酸モノエタノールアミンの合計含有量が、カール形成化粧料全体に対してチオグリコール酸換算で0.1〜2質量%未満であることが好ましい。
本発明のカール形成化粧料には、必要によって(a)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物や、(b)シリル化加水分解蛋白質等を含有させることが好ましく、これらを含有させることによって、カールを形成した後の毛髪の損傷を抑制しつつカールの持続性(ヘアスタイルの保持力)を向上させるという効果が発揮される。
上記のようなカール形成化粧料で毛髪を処理した後に使用される酸化性化粧料としては、アミノ変性シリコーンを酸化性化粧料全体に対して0.08〜0.8質量%未満で含有するものであることが好ましい。
本発明では、チオグリコール酸アンモニウムと、チオグリコール酸モノエタノールアミンを所定の質量比率で含有すると共に、所定量のゲルマニウムを含有させることによって、ヘアカラーやブリーチを施す等によって損傷が大きい毛髪に対しても、カールを効果的に形成することができると共に、アイロン操作時のコゲ臭の発生、パーマ臭やパーマ残臭の減少も良好であるようなカール形成化粧料が実現できた。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、様々な角度から検討した。その結果、チオグリコール酸アンモニウムと、チオグリコール酸モノエタノールアミンを所定の質量比率で含有すると共に、所定量のゲルマニウムを含有させれば、カールが効果的に形成できると共に、アイロン操作時のコゲ臭の発生、パーマ臭の減少も良好であるようなカール形成化粧料が実現できることを見出し、本発明を完成した。
本発明で用いるチオグリコール酸アンモニウムやチオグリコール酸モノエタノールアミンは、パーマ剤の還元剤として知られている(例えば、前記特許文献6)。しかしながら、これらの成分は、モル濃度で4:6〜6:4程度とすることによって、皮膚刺激を少なくするものであり、その効果としてコゲ臭の発生、パーマ臭の減少等については知られていない。
一方、ゲルマニウムは還元剤による臭気を抑制するのに有効であることは知られているが(例えば、前記特許文献3〜5)、アイロン操作時のコゲ臭の発生を抑制することについては知られていない。
本発明者らは、上記のような各成分について、その配合比率や含有量について、様々検討したところ、上記のような配合比率および含有量にすれば、これまでにない特異な効果が発揮されたのである。
本発明のカール形成化粧料においては、(A)チオグリコール酸アンモニウムと、(B)チオグリコール酸モノエタノールアミンを、1:5〜1:17[(A):(B)]の質量比率で含有させる必要がある。チオグリコール酸モノエタノールアミンに対するチオグリコール酸アンモニウムの比率が小さくなり過ぎると、カール形成力が低下することになる。しかしながら、チオグリコール酸モノエタノールアミンに対するチオグリコール酸アンモニウムの比率が大きくなり過ぎると、アイロン操作時のコゲ臭抑制、パーマ臭やパーマ残臭の抑制効果が低減することになる。
本発明のカール形成化粧料では、(A)チオグリコール酸アンモニウムと、(B)チオグリコール酸モノエタノールアミンの配合比率(質量比率)を適切にすることによって、上記効果が有効に発揮されるものであるが、これらの合計含有量は、カール形成化粧料全体に対して、チオグリコール酸換算で、0.1〜2質量%未満であることが好ましい。即ち、上記効果を有効に発揮させるためには、0.1質量%以上含有させることが有用であるが、2質量%以上になると、臭いを抑制する効果が発揮されにくくなる。
また、本発明のカール形成化粧料には、ゲルマニウムも含有させる必要があるが、上記の還元剤との相乗効果によって、上記「コゲ臭」、「パーマ臭」および「パーマ残臭」を効果的に抑制するためには、カール形成化粧料全体に対して0.0004質量%以上含有させる必要がある。しかしながら、ゲルマニウムの含有量が0.012質量%を超えて過剰になると、処理毛髪にパサツキが生じる。
本発明のカール形成化粧料には、必要によって、(a)羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物や、(b)シリル化加水分解蛋白を配合することも有効である。これらを含有させることによって、毛髪に作用して毛髪の損傷を抑制しつつカールの持続性(ヘアスタイルの保持力)を向上させるという効果が発揮される。
本発明者は、パーマネントウェーブ形成能を修復・改善する毛髪処理剤の開発を目指してかねてより研究を進めており、その研究の一環として、ヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質(特定蛋白質)がこうした効果を発揮できる成分として有用であることを見出し、その技術的意義が見出されたので先に出願している(特開2004−286738号)。そして上記特定蛋白質だけでなく、平均分子量が9700の蛋白質も含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物(夾雑物を含む毛髪分画蛋白質)の状態で毛髪から分離したものも上記の効果が発揮できることを見出している。本発明のカール形成化粧料では、こうした蛋白質組成物をも有効に利用できるものであり、特にカールのヘアスタイルを形成したときにもその持続性を維持できることになる。
尚、上記蛋白質組成物の調製および電気泳動による蛋白質の確認、各蛋白質の精製、分子量測定等は、下記の夫々の方法によって確認できるものである。また、こうした蛋白質組成物は、ヒト毛髪ばかりでなく、羊毛を原料としたときでも同様に得られることを確認している。
(特定蛋白質を含む毛髪蛋白質溶液の調製方法)
本発明で用いることのある蛋白質組成物は、毛髪から製造、調製することができる。毛髪からの構成蛋白質の抽出(分画)は、従来の2−メルカプトエタノールによる還元処理を利用した方法(例えば、「Journal of Cosmetic Science」1998年、49巻、第13〜22頁)が適切である。本発明に応用した抽出方法を下記に示す。
ブリーチ処理やパーマネントウェーブ処理を受けた経験のない毛髪0.2g(長さ16cm)を脱脂用剤(クロロホルム/メタノール=2/1:容積比)に24時間浸漬させることにより、毛髪表面を脱脂処理した。処理後の毛髪をドライヤにより十分乾燥させ、約1cmの長さに切断した。切断後の毛髪をビーカに入れ、毛髪蛋白質分画抽出液[2.5mol/L(リットル)の2−メルカプトエタノールと1質量%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む0.025mol/Lのトリス塩酸バッファ、pH8.3]20mLと良く混合させ、50℃、72時間の条件下で浸漬させた。
浸漬処理後の溶液を透析チューブ(分子量8000用、ナカライテスク製)に入れ、イオン交換水を外液とし16時間以上(外液交換4回)の透析を行った。透析後のチューブ内液(分子量8000以上)を攪拌式セル(分子量3000以上用、ミリポア製)による限外濾過処理で濃縮した。濃縮により蛋白質濃度が0.1〜1.5mg/mLに調整された試料を本発明の毛髪蛋白質溶液(特定蛋白質を含む)として得た。
(毛髪蛋白質溶液のTricine−SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法による蛋白質のバンド確認方法)
毛髪蛋白質溶液と試料バッファ(0.5mol/Lのトリス塩酸バッファを2mL、10質量%のSDS溶液を4mL、2−メルカプトエタノールを1.2mL、グリセロールを2mL、イオン交換水を0.8mL、1質量%BPB(ブロモフェノールブルー)を数滴加え、全量10mLにする)を1:1の割合で混合し、3分間、95℃という条件で熱変性させ、電気泳動用試料とした。
下記の組成で予め作製しておいたゲルに試料をアプライし、50mAの定電流で電気泳動を行った。尚、泳動バッファの組成は、陽極のバッファとして0.2mol/LのTris(pH8.9)を、陰極のバッファとして0.1mol/LのTrisと0.1mol/LのTricine、0.1質量%のSDS溶液の混合溶液(pH8.25)を使用した。泳動終了後、ゲルをCBB(クマシーブリリアントブルー)染色液にて蛋白質バンドを染色し、エタノール/酢酸/イオン交換水を組成[エタノール/酢酸/イオン交換水=3/1/6:容積比]とする脱色液で蛋白質以外のゲル部位を脱色した。そして、Tricine−SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法によって、分子量が11000の位置にバンドがあることを確認した(例えば、「Analytical Biochemistry」1987年、166巻、第368〜379頁)。
(分離ゲル)
アクリルアミド溶液(48質量%のアクリルアミドと1.5質量%のビスアクリルアミド)を6mL、ゲルバッファ(3.0mol/LのTrisと0.3質量%のSDS溶液の混合液、pH8.45)を10mL、グリセロールを4mL、10質量%過硫酸アンモニウムを0.15mL、TEMED(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)を0.15mL、残部イオン交換水からなる分離ゲルを作製した(全量30mL)。
(濃縮ゲル)
アクリルアミド溶液(48質量%のアクリルアミドと1.5質量%のビスアクリルアミド)を1mL、ゲルバッファ(3.0mol/LのTrisと0.3質量%のSDS溶液の混合液、pH8.45)を3.1mL、10質量%過硫酸アンモニウムを0.075mL、TEMED(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)を0.005mL、残部イオン交換水からなる濃縮ゲルを作製した(全量12.5mL)。
(蛋白質の精製)
カラム内部の樹脂には、DEAE(ジエチルアミノエチル)−セルロース(ナカライテスク製)を用いた。精製方法について下記に述べる。上記樹脂をカラム内に充填し、酸およびアルカリによる洗浄を行った後、イオン交換水によりカラム内を平衡化する。平衡化されたカラム内に上記毛髪蛋白質溶液を徐々にアプライする。アプライ後、0.1〜0.5mol/Lの塩でイオン勾配処理を行うことにより、目的の蛋白質を溶離させるという一般的な蛋白質精製方法により、毛髪蛋白質溶液の蛋白質を分離した。
(分子量測定)
ゲル濾過カラムクロマトグラフィによる分子量測定を下記に述べる。高速液体カラムクロマトグラフとして「Shimadzu Liquid chromatograph LC−6A」(島津製作所製)を用い、検出器として「Shimadzu UV−VIS
Spectrophotometric detector SPD−6AV」(島津製作所製)を用い、レコーダーとして「Shimadzu Chromatopac C−R6A」(島津製作所製)を用い、ガードカラムとして「TSK−GEL Guard
Column SW 7.5×7.5(mm)」(東ソー製)を用い、カラムとして「TSK−GEL G3000SW 7.5×600(mm)」(東ソー製)を用いた。
分析方法は、上記の機器および試料を用いて、流速0.5mL/min、測定波長280nmの条件下で、溶出バッファ(0.1mol/LのNaH2PO4/Na2HPO4(pH7.0)+0.1mol/LのNa2SO4)を使用し分析を行った。尚、この分子量測定は、分子量が既知の標準マーカとして、グルタミン酸脱水素酵素(分子量290000)、乳酸脱水素酵素(分子量142000)、エノラーゼ(分子量67000)、アデニル酸キナーゼ(分子量32000)、チトクロームc(分子量12400)を用いて測定したものである。
上記蛋白質組成物を配合するときの含有量は、カール形成化粧料全体に占める割合で0.03〜4.0質量%であることが好ましい。この割合が、0.03質量%未満になると蛋白質組成物を配合した効果が発揮されず、4.0質量%を超えると却って蛋白質が付着しすぎ、ベタツキ感が生じコンディションが悪くなる。
本発明のカール形成化粧料には、必要によって、シリル化加水分解蛋白質を含有させることも有用である。このシリル化加水分解蛋白質は、カール形成の持続性を維持すると共に、カール形成後の毛髪へ静電気が帯電することを抑制して、毛髪のパサツキ感を抑制する効果を発揮するものである。特に、上記蛋白質組成物とシリル化加水分解蛋白質を併用することによって、こうした効果を更に向上させることができる。こうした効果を発揮させるためには、シリル化加水分解蛋白質の配合割合は、カール形成化粧料全体に占める割合で0.001〜1.0質量%であることが好ましい。即ち、このシリル化加水分解蛋白質の配合割合が、0.001質量%未満になるとシリル化加水分解蛋白質を配合した効果が発揮されず、1.0質量%を超えると却ってベタツキ感が生じ、手触り感に悪影響を及ぼすことになる。
本発明のカール形成化粧料で用いることのできるシリル化加水分解蛋白質は、代表的には下記の化学式で示されるものが挙げられるが(式中nは正の整数、Rはアミノ酸側鎖を夫々示す)、こうしたシリル化加水分解蛋白質としては、絹由来、羊毛由来、小麦由来、大豆由来、トウモロコシ由来、ジャガイモ由来、ゴマ由来等、様々なものがあり、そのいずれも使用できる。
Figure 0005295520
本発明のカール形成化粧料は、パーマ第1剤に含まれる通常の有効成分である還元剤やアルカリ剤、反応調整剤、その他各種の添加剤を含むものであっても良い。
上記還元剤は、一般的にパーマネントウェーブ剤やストレートパーマ剤に使用されるものであるが、こうした還元剤としては、本発明で用いるチオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミンの他、L−システイン、DL−システイン、L−システイン塩酸塩、DL−システイン塩酸塩、アセチルシステイン、システアミン、システアミン塩酸塩、チオ乳酸、チオリンゴ酸、グリセリルチオグリコレート、チオグリセリン、ブチロラクトンチオール等が例示され、許容できる範囲内(全還元剤のチオグリコール酸換算合計含有量で2質量%未満相当量)で含有させることができる。
アルカリ剤としては、アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アルギニン等が挙げられる。反応調整剤としては、ジチオジグリコール酸やジチオジグリコール酸塩等が挙げられる。
カール形成化粧料に配合される各種添加剤としては、保湿剤類、油脂類、ラノリン類、高級アルコール類、フッ素化合物類、シリコーン類、カチオン化ポリマー類、界面活性剤類(陽イオン界面活性剤類・陰イオン界面活性剤類・非イオン界面活性剤類・両性界面活性剤類)、増粘・ゲル化剤類、防腐剤類、キレート剤類、pH調整剤・酸・アルカリ類、溶剤類、抗炎症剤類、香料、色素類等が挙げられ、これらを適宜配合することができる。
保湿剤類としては、1,3−ブチレングリコ−ル、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド等の蛋白質・ペプチド類およびその誘導体、アルギニン、セリン、グリシン、グルタミン酸、トリメチルグリシン等のアミノ酸類、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス等の植物抽出成分類、ヒアルロン酸ナトリウム、クエン酸塩、コンドロイチン硫酸、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム等が挙げられる。
油脂類としては、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油、ゴマ油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、ティーツリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、液状シア脂、ホホバ油等の植物油脂類、流動パラフィン、スクワラン、軽質流動イソパラフィン、セレシン、パラフィンロウ、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素等、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル等のエステル類、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、鯨ロウ、セラック、綿ロウ、モクロウ、水添ホホバ油等のロウ類が挙げられる。
ラノリン類としては、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン等が挙げられる。高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール類、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
フッ素系化合物類としては、パーフルオロポリエーテル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアリルアミド、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルポリエチレングリコールリン酸等のフッ素系化合物誘導体類が挙げられる。
シリコーン類としては、低粘度ジメチルポリシロキサン、高粘度ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、カチオン変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。
カチオン化ポリマー類としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化デンプン、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウムの重合体または共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤類としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤類としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
非イオン界面活性剤類としては、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルポリグリコシド、アルキルグルコシド等が挙げられる。
両性界面活性剤類としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
増粘・ゲル化剤類としては、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸、トラガントガム、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂アルカノールアミン液等が挙げられる。
防腐剤類としては、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、安息香酸塩類、フェノキシエタノール、四級アンモニウム塩類等が挙げられる。
キレート剤としては、エデト酸塩、ホスホン酸類、ポリアミノ酸類等が挙げられる。
pH調整剤・酸・アルカリ類としては、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、塩酸、硫酸、硝酸若しくはそれらの塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、アンモニア水、アミノメチルプロパノール若しくはそれらの塩類等が挙げられる。
溶剤類としては、水、エタノールやデカメチルシクロペンタシロキサンの他にも、2−プロパノール等の低級アルコール類等が挙げられる。
抗炎症剤類としては、グリチルリチン酸、カルベノキソロン二ナトリウムをはじめとする甘草誘導体、アラントイン、グアイアズレン、アロエ、α−ビサボロール等が挙げられる。
また、本発明のカール形成化粧料の剤型は、クリーム剤型が最も有用であるが、液状やジェル状等の剤型で用いることもできる。尚、本発明では、加熱処理を行うため高温整髪用アイロンを用いているが、ドライヤや加熱ロッド・カーラー等の加熱器具によっても同様の効果が得られる。
本発明のカール形成化粧料は、この化粧料で毛髪を処理するだけでも、その効果を発揮するものであるが、本発明のカール形成化粧料で毛髪を処理した後に、通常使用されているような酸化性化粧料を使用して処理することもできる。こうした酸化性化粧料としては、アミノ変性シリコーンを酸化性化粧料全体に対して0.08〜0.8質量%未満で含有するものであることが好ましい。
アミノ変性シリコーンは、パーマ処理した毛髪に優れた感触や光沢を付与することは知られているが、こうしたアミノ変性シリコーンを所定量で含有する酸化性化粧料を用いることは、上記のようなカール形成化粧料で処理した毛髪に対して、毛髪表面のコンディション(きしみ感、ツルツル感、すべりの良さ)を向上させる上で極めて有効である。こうした効果を発揮させるためには、アミノ変性シリコーンの含有量をカール形成化粧料全体に対して0.08質量%以上とすることが好ましいが、0.8質量%以上となると必要以上に毛髪に付着し、ゴワツキ感が出るので好ましくない。
本発明で用いることのできるアミノ変性シリコーンとしては、アミノ基やアンモニウム基を有していれば良く、未端水酸基の全部または一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が置換されていないもの[例えば、「SS−3551」、「SF8452C」(いずれも東レ・ダウコーニング社製)]が挙げられる。またエマルション形式のアミノ変性シリコーンエマルションとして、「SM8904 COSMETIC EMULSION」(東レ・ダウコーニング社製)等のアモジメチコンエマルション等も使用できる。
上記酸化性化粧料は、酸化性化粧料としての機能を発揮させるために、少なくとも過酸化水素、臭素酸塩、過ホウ酸塩等の酸化剤を含有するものであるが、その他上記カール形成化粧料に適宜配合される各種添加剤(保湿剤類、油脂類、ラノリン類、高級アルコール類等)を適宜配合することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(ブリーチ処理毛の作製)
化学的処理を全く受けていない毛髪に下記のブリーチ処理を施して処理毛を作製し、その毛髪について下記表1〜4に示すカール形成化粧料を用いてカール形成処理毛の作製し、アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生について下記の基準で評価した。
(ブリーチ処理)
トーナーブリーチパウダ(粉末ブリーチ剤:中野製薬株式会社製)とキャラデコオキサイド06(過酸化水素系酸化剤:中野製薬株式会社製)を1:3(質量比)となるように混合したブリーチ剤を、毛髪に質量比1:1の割合で塗布し、30℃、30分間で処理した後、10質量%のSDS溶液(ドデシル硫酸ナトリウム溶液)によって洗浄し、その後乾燥した。
(カール形成処理毛の作製)
上記ブリーチ処理毛髪に各処方例(表1〜4の処方例1〜33)で示すカール形成化粧料を塗布し、加温状態(約40℃)で30分間放置した。その後、水洗し、ドライヤ等でわずかに水分を含んだ状態まで乾燥させた後、高温整髪用アイロンにて、カールとなるよう施術した。次に、臭素酸ナトリウムを含む酸化性化粧料を塗布し、室温で10分間放置した。水洗し、乾燥後、下記の実験に用いた。このとき用いた蛋白質組成物水溶液は、前述した方法によって羊毛から分離・精製した蛋白質組成物を用いた(純分濃度は20質量%)。
(アイロン操作時のコゲ臭またはパーマ残臭の発生に関する評価)
表1〜4に示した処方例1〜33の各カール形成化粧料について、それらのアイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生状況を、専門のパネラー10名で下記の基準で評価した。その結果を表1〜4に併記する。
[アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生状況評価基準]
◎:アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生が非常に抑えられている。
○:アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生がほとんど抑えられている。
△:アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生がわずかに抑えられている。
×:アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭およびパーマ残臭の発生が全く抑えられていない。
またこのとき、チオグリコール酸アンモニウム(ATG)と、チオグリコール酸モノエタノールアミン(MEA−TG)の配合割合を変えたカール形成化粧料(表3の処方例1,15〜25および表4の処方例26〜33)については、下記の手順でカール形成能についても評価した。その結果を表3、4に併記する。
(カール形成能の評価)
上記ブリーチ処理した毛髪(0.2g)に、表3に示した処方例1、15〜25および表4に示した処方例26〜33の各カール形成化粧料を、質量比1:1の割合で塗布し、直径12mmのロッドに巻きつけて、輪ゴムで固定した。40℃で15分間放置した後、十分に水洗してから、臭素酸ナトリウムを4%含有する水溶液に30秒間浸漬させ、その溶液から取り出した後30℃で10分間放置した。その後、十分に水洗してから毛髪を吊るし、5分放置後の自然長を比較することによってカール形成能について評価した(未処理毛髪の自然長を100%とする。処理毛髪の自然長が短くなるにつれて、カール形成能が向上する)。
[カール形成能の評価基準]
◎:処理毛髪の自然長が85%未満
○:処理毛髪の自然長が85%〜90%未満
△:処理毛髪の自然長が90%〜95%未満
×:処理毛髪の自然長が95%〜100%
Figure 0005295520
Figure 0005295520
Figure 0005295520
Figure 0005295520
これらの結果より、チオグリコール酸アンモニウムと、チオグリコール酸モノエタノールアミンを所定の質量比率で含有すると共に、ゲルマニウムを0.0004〜0.012質量%の範囲で含有するカール形成化粧料では、アイロン操作時のコゲ臭、パーマ臭、パーマ残臭が効果的に抑制されると共に、カール形成能も高くなっていることが分かる。
上記でカール形成力を評価した毛束のうち、処方例1、26、27、28で処理したものについて、10質量%のSDS水溶液によって洗浄し、水洗後の毛束を乾燥させた。この工程を1工程として一ヶ月を想定した実験(30回処理)を実施した。そして、30回処理後のカール形成能について、上記と同様にして評価し、その持続性について調査した。その結果を、下記表5に示す。
Figure 0005295520
この結果から明らかなように、30回処理後では、蛋白質組成物水溶液と各種シリル化加水分解蛋白質を含有する化粧料で処理したときには(処方例1、26、27)、それらを含まない化粧料で処理したとき(処方例28)に比べて、カール形成力の持続が向上していることが分かる。
[実施例2]
実施例1と同様にしてブリーチ処理した各毛髪について、前記処方例1のカール形成化粧料で処理した後、下記表6、7に示した処方例34〜48の酸化性化粧料で処理した毛髪を用いて、下記の方法で摩擦係数を測定することによってスベリ感(アイロン操作性)を評価すると共に、下記官能試験によって毛髪表面のコンディション(キシミ感の抑制、ツルツル感、すべりの良さ)について確認した。測定結果を下記表6、7に併記する。また、このときの評価基準は下記の通りである。
(摩擦係数測定方法)
(A)対象毛髪
化学的処理を受けていない毛髪に上記ブリーチ処理を1回処理した毛髪を用いて、摩擦感測定用固定ヘアピース(以下、「測定用毛束」と呼ぶ)を作製した。
(B)初期値測定(初期値の測定は同特性の毛束を選択するために行った)
(i)毛髪の調湿:測定用毛束を(20℃、湿度60%)で24時間以上調湿した。
(ii)測定機器:測定には、摩擦感テスター「KES−SE」(カトーテック株式会 社製)を用いた。
(iii)測定は、測定感度:H、摩擦静荷重:50gf、センサー:シリコンタイプ
の条件にて行った。走査は、順方向(根元からの毛束)にて行った。MIU値
に係数0.1を掛け、摩擦係数(μ)を求めた。
[すべり感の評価基準]
◎:摩擦係数μが0.50未満とする。
○:摩擦係数μが0.50〜0.60未満とする。
△:摩擦係数μが0.60〜0.70未満とする。
×:摩擦係数μが0.70以上とする。
(毛髪表面のコンディションの官能評価方法)
処方例1のカール形成化粧料で処理した後、下記表6、7に示した処方例34〜48の上記の酸化性化粧料で処理した処理毛を用い、毛髪表面のコンディション(キシミ感の抑制、ツルツル感、すべりの良さ)を、専門のパネラー10名で毛束(ヘアピース)を用いて下記の評価基準で判断した。その結果を、下記表6、7に併記する。
[毛髪表面のコンディションの評価基準]
◎:処理前の毛髪と比較し、明らかにコンディションが向上した。
○:処理前の毛髪と比較し、コンディションが良くなった。
△:処理前の毛髪と比較し、コンディションが同程度であった。
×:処理前の毛髪と比較し、コンディションが低下した。
Figure 0005295520
Figure 0005295520
これらの結果から、カール形成化粧料で処理した後、アミノ変性シリコーンを所定量含む酸化性化粧料で処理することによって、毛髪表面のコンディション(キシミ感の抑制、ツルツル感、すべりの良さ)が良好になっていることが分かる。

Claims (3)

  1. 少なくとも還元剤を含有するカール形成化粧料において、前記還元剤として、(A)チオグリコール酸アンモニウムと、(B)チオグリコール酸モノエタノールアミンを、1:5〜1:17[(A):(B)]の質量比率で含有すると共に、前記(A)チオグリコール酸アンモニウムと、(B)チオグリコール酸モノエタノールアミンの合計含有量が、カール形成化粧料全体に対してチオグリコール酸換算で0.1〜2質量%未満であり、且つゲルマニウムをカール形成化粧料全体に対して0.0004〜0.012質量%で含有するものであることを特徴とするカール形成化粧料。
  2. 羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を含むものである請求項1に記載のカール形成化粧料。
  3. シリル化加水分解蛋白質を含有するものである請求項1または2に記載のカール形成化粧料。
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