JP2006092632A - 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録媒体用中間体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁気記録再生特性に優れた磁気記録媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板1A上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材のうち凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層16が形成されていると共に、凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体であって、非磁性層16の厚さを1nm以下とすることにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板1A上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材のうち凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層16が形成されていると共に、凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体であって、非磁性層16の厚さを1nm以下とすることにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録媒体用中間体に関し、さらに詳しくは、磁気記録層にダメージを与えず、磁気再生特性の優れた磁気記録媒体及びその製造方法等に関するものである。
ハードディスク等の磁気記録媒体は、磁気記録層を構成する磁性粒子の微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良手段により著しい面記録密度の向上が図られており、今後も一層の面記録密度の向上が期待されている。しかし、これまでに行われてきた改良手段では、ヘッドの加工限界、磁界の広がりに起因するサイドフリンジ、クロストーク等の問題が顕在化し、従来の手段による面記録密度の向上は限界にきている。
こうした問題に対し、磁気記録媒体の面記録密度を向上させることができる手段の一つとしてディスクリートトラック型の磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。このディスクリートトラック型の磁気記録媒体は、通常、同心円状のトラックパターンで形成された磁気記録層と、互いに隣接するトラック間の凹部にトラック方向に連続するように充填されてその同心円状のトラックパターンを分離する非磁性層とを有している。
ディスクリートトラック型の磁気記録媒体の製造においては、磁気ヘッドを搭載したヘッドスライダの浮上変動を抑制するために、同心円状のトラックパターンで形成された隣接するトラック間の凹部に非磁性層を充填して、磁気記録媒体の上面を平坦化することが一般に行われている。隣接するトラック間の凹部への非磁性層の充填方法としては、半導体製造の分野で用いられているスパッタリング等の成膜技術が利用されている。この成膜技術を用いると、非磁性層はトラック間だけでなく磁気記録層の上面にも形成されるが、例えば特許文献2に記載のように、その非磁性層の磁気記録層上の厚さが約10nmと厚い場合には、磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドと、磁気記録媒体を構成する磁気記録層とのギャップ長を大きく(すなわち、磁気ヘッドと磁気記録層とのスペーシングロスを大きく)して検出感度を低下させたり、異物を堆積させ易くするという問題を生じさせる。
この問題に対しては、磁気記録層上に形成された非磁性層を薄くしつつその表面を平坦化することが望ましく、そうした平坦化手段として、例えばドライエッチング法が適用されている。
特開平9−97419号公報(第0027段等)
特開2000−195042号公報(第0059段等)
しかしながら、上述したドライエッチング法による平坦化においては、エッチング速度の管理が難しく、過エッチングにより磁気記録層にダメージを与えてしまうという問題があった。また、過エッチングされると、磁気記録層と、トラック間の凹部に充填される非磁性層との間に段差が生じ易く、その結果、得られた磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドが不安定になる等、磁気ヘッドの浮上特性に悪影響が生じ易くなるという問題があった。
したがって、磁気記録層にダメージを与えないと共に、磁気ヘッドとの間の大きなスペーシングロスによる磁気記録再生特性の低下が極力抑制されるように、磁気記録層上に形成される非磁性層の厚さを制御することが必要となる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、磁気記録再生特性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そうした磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。また、本発明の第3の目的は、そうした磁気記録媒体を製造することができる磁気記録媒体用中間体を提供することにある。
上記第1の目的を達成するための本発明の磁気記録媒体は、基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定の凹凸パターンで設けられ、前記凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、前記凸部上には前記非磁性材のうち前記凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層が形成されていると共に、前記凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体であって、前記非磁性層の厚さが1nm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、凸部上には、凹部を充填する非磁性材からなる層のうち凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層が形成され、その非磁性層の厚さが1nm以下であるので、ダメージのない磁気記録層を備えた磁気記録媒体をなしている。さらに、この発明によれば、凹部が非磁性材で充填され、凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されているので、磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドの浮上が安定する。こうした本発明の磁気記録媒体は、凸部を形成する磁気記録層上に、前記凹部の最低面に位置する非磁性材からなる非磁性層が1nm以下の厚さで形成されているが、さらにその上に複数の保護層等が形成された場合であっても、その総厚さが薄く且つ平坦になるので、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくすることができ、その結果、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
また、上記第1の目的を達成するための本発明の磁気記録媒体は、基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定の凹凸パターンで設けられ、前記凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、前記凸部上には前記非磁性材からなる層のうち前記凹部の最底面に積層する2つの非磁性材からなる非磁性層が形成されていると共に、前記凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体であって、前記非磁性層の厚さが1nm以下であることを特徴とする。
この発明によれば、凸部上には、凹部を充填する非磁性材からなる層のうち凹部の最底面に積層する2つの非磁性材からなる非磁性層が形成され、その非磁性層の厚さが1nm以下であるので、ダメージのない磁気記録層を備えた磁気記録媒体をなしている。さらに、この発明によれば、上記同様、凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されているので、磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドの浮上が安定する。こうした本発明の磁気記録媒体は、上記同様、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくすることができ、その結果、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
上記第2の目的を達成するための本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定のパターンで設けられてなる凹凸パターンの上に第1非磁性層を形成する第1非磁性層形成工程と、前記第1非磁性層上にエッチングモニター層を形成するエッチングモニター層形成工程と、前記エッチングモニター層上に第2非磁性層を形成する第2非磁性層形成工程と、前記凸部を形成する磁気記録層上に設けられた少なくとも第2非磁性層をエッチングするエッチング工程と、を有する磁気記録媒体の製造方法であって、前記第1非磁性層形成工程、エッチングモニター層形成工程及び第2非磁性層形成工程を経た後に、前記凹凸パターンの凹部が各工程で形成される少なくとも1種又は2種以上の非磁性層により充填され、前記エッチング工程は、前記凸部上及び凹部上の表面を実質的に平坦化する工程であると共に、前記凸部を形成する磁気記録層上に設けられたエッチングモニター層がエッチングされ始めた後に、前記エッチングモニター層のエッチング速度又は前記第1非磁性層のエッチング速度又は前記凹凸パターンの凹部上に前記第2非磁性層が残存する場合には該第2非磁性層のエッチング速度をゼロ若しくは小さくするエッチング速度調整工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、凸部を形成する磁気記録層上に設けられたエッチングモニター層がエッチングされ始めた後に、エッチングモニター層のエッチング速度又は第1非磁性層のエッチング速度又は凹凸パターンの凹部上に前記第2非磁性層が残存する場合にはその第2非磁性層のエッチング速度をゼロ若しくは小さくするエッチング速度調整工程を含むので、凸部を形成する磁気記録層上のエッチングモニター層を検出するまでは速いレートで効率的にエッチングすることができると共に、磁気記録層上に残る層を均一且つ薄い厚さに容易に制御することができる。さらに、この発明によれば、エッチング工程が凸部上及び凹部上の表面を実質的に平坦化する工程であるので、磁気記録媒体の表面を平坦化することが容易となる。こうした本発明の製造方法によれば、磁気記録層上に残る層の上にさらに保護層等が形成された場合であっても、凸部を形成する磁気記録層上の複数の層の総厚さを極力薄くすることができるので、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくする磁気記録媒体を容易に製造できる。
この発明によれば、前記エッチング工程後の磁気記録層上に単層構造又は2層構造の非磁性層が存在し、しかもその非磁性層の厚さが1nm以下となる磁気記録媒体を容易に製造できるので、ダメージのない磁気記録層を備えた、磁気記録特性のよい磁気記録媒体を製造することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、上記本発明の磁気記録媒体の製造方法において、前記第1非磁性層と前記第2非磁性層とが同一の材料であることを特徴とする。
この発明によれば、磁気記録層上に設けられた第1非磁性層と第2非磁性層とが同一の材料であるので、エッチング工程におけるエッチング条件を大きく変動させる必要がなく、磁気記録媒体の製造を容易に行うことができる。また、凹部内に第2非磁性層が残存する場合であっても、エッチング速度調整工程後の第1非磁性層と第2非磁性層のエッチングレートを同一にすることができ、磁気記録媒体の表面を平坦化することがより容易となる。
上記第3の目的を達成するための本発明の磁気記録媒体用中間体は、基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定の凹凸パターンで設けられ、前記凹凸パターンの凹部が非磁性で充填され、前記凸部上に非磁性層が形成されている磁気記録媒体用中間体であって、前記非磁性層が少なくとも3層からなり、該3層の中間層が上下2層とは異なる元素を有する層であることを特徴とする。
この発明の磁気記録媒体用中間体を用いた磁気記録媒体の製造方法において、少なくとも3層からなる非磁性層の中間層が上下2層とは異なる元素を有するので、その中間層をエッチングモニター層として機能させてその元素をエッチング工程中に検出することにより、エッチング後に磁気記録層上に残る層の厚さを容易に制御することができる。その結果、こうした磁気記録媒体用中間体を用いることにより、磁気記録層上の残る層の厚さを精度よくエッチングすることが可能となるので、ダメージのない磁気記録層を備えた、磁気記録特性のよい磁気記録媒体を容易に製造することができる。
なお、本出願において、「基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定のパターンで設けられ」とは、基板上に所定のパターンで多数の記録要素に分割された磁気記録層が設けられている場合の他、一部が連続するように部分的に分割された磁気記録層が設けられている場合、螺旋状の渦巻き形状の磁気記録層のように基板上の一部に連続して形成された磁気記録層が設けられている場合、凸部及び凹部双方が形成された凹凸パターンの連続した磁気記録層が設けられている場合、も含む意義で用いることとする。さらに、本出願において、「凹凸パターンの凸部」とは、表面と垂直な断面における凹凸形状の突出した部分という意義で用いることとする。なお、本出願においては、凸部82と凹部81とで構成される凹凸パターンの凸部82に例えば図8に示すようなテーパ角が存在する場合には、その凸部82はテーパ部を含むものとする。
以上説明したように、本発明の磁気記録媒体によれば、磁気記録層へのダメージがないので、磁気記録再生特性の低下が抑制された磁気記録媒体となる。さらに、本発明の磁気記録媒体は、凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されているので、磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドの浮上が安定する。さらに、凸部を形成する磁気記録層上に形成された非磁性層の厚さが薄く且つ平坦であるので、磁気記録媒体上を磁気ヘッドが浮上した場合における磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくすることができ、その結果、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、凸部を形成する磁気記録層上のエッチングモニター層を検出するまでは速いレートで効率的にエッチングすることができると共に、磁気記録層上に残る層を均一且つ薄い厚さに容易に制御することができる。さらに、磁気記録媒体の表面を平坦化することが容易となる。こうした本発明の製造方法によれば、磁気記録層上に残る層の上にさらに保護層等が形成された場合であっても、凸部を形成する磁気記録層上の非磁性層の総厚さを極力薄くすることができるので、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくする磁気記録媒体を容易に製造できる。こうして製造された磁気記録媒体を磁気記録再生装置に適用すれば、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
本発明の磁気記録媒体用中間体によれば、異なる元素を有する中間層をエッチングモニター層としてその後のエッチング工程中に検出することにより、エッチング後に磁気記録層上に残る層の厚さを容易に制御することができる。その結果、こうした磁気記録媒体用中間体を用いることにより、磁気記録層上に残る層の厚さを精度よくエッチングすることが可能となるので、ダメージのない磁気記録層を備えた、磁気記録特性のよい磁気記録媒体を容易に製造することができる。また、本発明の磁気記録媒体用中間体を用いることにより、スペーシングロスを小さくする磁気記録媒体を容易に提供することができる。
以下、本発明の磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録媒体用中間体について詳しく説明する。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、情報の記録や読み取りに磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体をいうが、これらに限定されず、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含まれる。
本発明の磁気記録媒体は、情報の記録や読み取りに磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体をいうが、これらに限定されず、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含まれる。
本発明の好ましい実施形態に係る磁気記録媒体は、軟磁性層を有する垂直記録型の磁気記録媒体であり、例えば図1(A)及び図2(A)(B)に示す第1、第3及び第4実施形態のように、基板1上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材からなる層のうち凹部の最低面に位置する非磁性材からなる非磁性層16(第1非磁性層6)が形成されていると共に、その凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体である。そして、本発明は、上記の非磁性層16(第1非磁性層6)の厚さが1nm以下であることに特徴を有している。
また、本発明の他の好ましい実施形態に係る磁気記録媒体は、例えば図1(B)に示す第2実施形態のように、基板1上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材からなる層のうち凹部の最低面に積層する2つの非磁性材からなる非磁性層16(第1非磁性層6及びエッチングモニター層9)が形成されていると共に、その凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体である。そして、本発明は、上記の非磁性層16(第1非磁性層6及びエッチングモニター層9)の厚さが1nm以下であることに特徴を有している。
最初に、本発明の磁気記録媒体の各実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。図1及び図2は、本発明の磁気記録媒体の実施形態の各例を示す概略断面図であり、図1(A)は第1実施形態に係るもの、図1(B)は第2実施形態に係るもの、図2(A)は第3実施形態に係るもの、図2(B)は第4実施形態に係るものであり、以下に順次説明する。なお、図1(A)において、符号1Aは、基板1上に下地層2、軟磁性層3及び配向層4が順に積層された後のもの全体を便宜的に「基板1A」と表したものであり、図1(B)及び図2(A)(B)においては、その基板1Aを用いて基板1、下地層2、軟磁性層3及び配向層4を省略する。
第1実施形態に係る磁気記録媒体10は、図1(A)に示すように、基板1A上に凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、その凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材からなる層(6,9,6b)のうち凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層16(第1非磁性層6)が単層構造で形成されている。この磁気記録媒体10において、凹凸パターンの凹部は、基板1A側から、第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6bがその順からなる積層形態で充填されている。
第2実施形態に係る磁気記録媒体11は、図1(B)に示すように、基板1A上に凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、その凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材からなる層(6,9,6b)のうち凹部の最底面に積層する2つの非磁性材からなる非磁性層16(第1非磁性層6とエッチングモニター層9)が2層構造で形成されている。この磁気記録媒体11において、凹凸パターンの凹部は、基板1A側から、第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6bがその順からなる積層形態充填されている。
第3実施形態に係る磁気記録媒体20は、図2(A)に示すように、基板1A上に凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、その凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上にはその非磁性材からなる単層構造の非磁性層16(第1非磁性層6)が形成されている。なお、この磁気記録媒体20は、基板1A上に所定の凹凸パターンで形成された磁気記録層5,5間に磁気記録層が存在しない場合の磁気記録媒体20の断面形態を示すものである。
第4実施形態に係る磁気記録媒体21は、図2(B)に示すように、基板1Aに凹凸を形成し、その上に磁気記録層5をその凹凸に沿うように成膜した磁気記録媒体(パームタイプと呼ばれている。)であり、それ以外は、上記の第3実施形態に係る磁気記録媒体20と同じである。
以上説明した第1〜第4実施形態に係る各磁気記録媒体10,11,20,21は、凹部を充填した非磁性材で形成されてなる単層構造又は2層構造の非磁性層16が凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上に設けられ、その非磁性層16の厚さT1が1nm以下であることに特徴がある。こうした特徴を有する本発明の磁気記録媒体は、その非磁性層16の厚さが1nm以下であるので、ダメージのない磁気記録層を備え、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
上記の第1〜第4実施形態においては、凹凸パターンの凸部上の表面と凹部上の表面とが段差なく実質的に平坦化されている。また、上記第2実施形態においては、凹凸パターンの凸部上に形成された第1非磁性層6及びエッチングモニター層9からなる非磁性層16の表面と、凹部に充填された第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6bからなる非磁性層の表面とが段差なく実質的に平坦化されている。これら何れの場合においても、平坦化された表面を覆うように保護層7と潤滑層8とが形成されている。こうした磁気記録媒体は、その上を空気流により浮上する磁気ヘッドの浮上を安定化させることができる。
さらに、本発明の磁気記録媒体においては、上記の非磁性層16の厚さT1が1nm以下であるので、その上にさらに保護層7や潤滑層8等が形成された場合であっても、磁気記録層5から磁気記録媒体の最表面までの総厚さを薄くすることができ、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくすることができる。
なお、以下においては、主に軟磁性層3を有する垂直記録型の磁気記録媒体10について図1(A)に基づいて説明するが、本発明の磁気記録媒体は、面内記録型の磁気記録媒体であってもよいし、図2(B)に示すように、凹凸パターンの凹部に磁気記録層が存在する形態の磁気記録媒体21であってもよい。
次に、本発明の磁気記録媒体を構成する各層について説明する。
基板1は、通常、ディスク形状からなるものであり、磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドの低浮上化を可能にするため、極めて平滑であり且つうねり等がないことが望ましい。基板1としては、ガラス基板やNiPめっきAl−Mg合金基板等が好ましく用いられる。特に、ガラス基板は、表面粗さが小さく高い表面平滑性を持つものを容易に入手し易いと共に耐衝撃性にも優れているので、小型の磁気記録媒体においては好ましく用いられる。
下地層2は、その上に形成される軟磁性層3の配向制御等を目的として設けられ、軟磁性層3は、磁気ヘッドと磁気記録媒体の間での磁気回路の形成等を目的として設けられ、配向層4は、その上に形成される磁気記録層5の配向制御等を目的として設けられる。
磁気記録層5は、ハードディスクドライブ等の磁気記録層として所定のパターンで設けられる。例えばディスクリートトラック型の磁気記録媒体において、磁気記録媒体を構成するデータトラック領域では、磁気記録層は、磁気記録情報を記録再生するためにトラックの径方向に微細な間隔で同心円状のパターンで形成されている。一方、磁気記録媒体を構成するサーボパターン領域では、磁気記録層は、磁気ヘッドを所定のデータトラックにオントラックさせるトラッキング制御の基準となるべきパターンで形成されている。また、例えばディスクリートビット型の磁気記録媒体において、磁気記録媒体を構成するデータトラック領域では、磁気記録層は、トラックの円周方向及び径方向に微細な間隔でドット状パターンで形成されている。一方、磁気記録媒体を構成するサーボパターン領域では、磁気記録層は、所定のサーボ情報等に対応したパターンで形成されている。
磁気記録層5の形成材料としては、例えば、CoCrTa、CoCrPt、CoCrPtTa等のCo−Cr系の多元合金が好ましく挙げられ、スパッタリング法等の成膜手段とエッチング手段とにより、厚さ5〜30nmの範囲内で形成される。なお、データトラック領域においては、同心円状に形成された磁気記録層のパターン(磁気記録層5で形成された磁気記録を担う部分のパターンをいい、以下においては「磁気記録層パターン」又は「トラックパターン」ということがある。)が例えば5〜300nmの範囲内のパターン幅及び例えば10〜500nmの範囲内のパターンピッチで形成され、サーボパターン領域においては、種々の形態の磁気記録層パターンが例えば15〜1000nmの範囲内のパターン幅及び例えば30〜2000nmの範囲内のパターンピッチで形成される。
非磁性層16は、凹部に充填された非磁性材のうち凹部の最底面に位置する非磁性材からなる層であって、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上に設けられる非磁性層である。本願でいう非磁性層16は、例えば図1(A)、図2(A)及び図2(B)に示すように、第1非磁性層6からなる単層構造の場合や、例えば図1(B)に示すように、第1非磁性層6及びエッチングモニター層9からなる2層構造の場合等を例示できる。本発明の磁気記録媒体は、凸部上に非磁性層16を少なくとも含むので、この非磁性層16の存在によって磁気記録層に対するエッチングによるダメージを防ぐことができ、その結果、磁気記録再生特性の低下が抑制された磁気記録媒体となる。
第1非磁性層6は、凹凸パターンの凹部を充填する非磁性層の一つであって、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上に設けられる層である。この第1非磁性層6は、その凸部を形成する磁気記録層5の上に直接設けられるものであっても、他の層を介して設けられるものであってもよい。この第1非磁性層6は、凹凸パターンの凹部を充填する非磁性材のうちで最も基板側の最底面に位置する層である。第1非磁性層6を形成する非磁性材としては、例えば、SiO2(二酸化ケイ素)、In(インジウム)、ITO(スズドープ酸化インジウム)、Al2O3、TiN、TaSi合金、Ta、MgO、SiC、TiC等が挙げられ、スパッタリング法等の成膜手段により形成される。
第1非磁性層6を形成する材料は、上述した各種の非磁性材のうち、酸化物(SiO2、ITO、Al2O3、MgO等)、窒化物(TiN等)及び炭化物(SiC、TiC等)から選ばれる1又は2以上の化合物であることが好ましい。これらの化合物はそれ自体化学的安定性に優れると共に例えば金属成分を有した磁気記録層5との接触による腐食等の発生が起き難く、その結果、化学的安定性に優れた磁気記録媒体を提供できる。本発明においては、特にSiO2を主成分とする非磁性材が好ましく用いられる。SiO2はエッチング加工し易いので、エッチング条件を制御することにより平坦化加工し易いという利点がある。また、SiO2は磁気記録層5との間の密着性に優れると共に、結晶粒成長が抑制された第1非磁性層6を形成できるという効果がある。
また、第1非磁性層6には、アモルファス構造を有する材料又は微結晶状態の材料である非磁性材も好ましく用いることができる。第1非磁性層6を結晶質の材料で形成した場合においては、形成された第1非磁性層6のエッチング時に、その結晶質の材料が有する結晶粒界に沿ってエッチングが進行し、エッチングされた面の表面粗さが悪化することがある。しかしながら、アモルファス構造を有する材料又は結晶粒界の存在が実質的に問題にならない微結晶状態の材料を用いることにより、表面粗さが悪化するという現象を起こり難くするという効果がある。アモルファス構造を有する材料又は微結晶状態の材料である非磁性材の具体例としては、C、Si、SiO2、Al2O3、TaSi合金、TbFeCo合金、CoZr合金等が挙げられ、スパッタリング法等の成膜手段により形成することができる。なお、微結晶状態の材料とは、X線回折において結晶性ピークを有していない材料という意義である。
保護層7は、下記の潤滑層8と協働して、磁気記録媒体の表面を保護して耐摺動特性を確保することを目的として設けられる。特に、磁気ヘッドを搭載したヘッドスライダとの接触時における磁気記録媒体の損傷を防ぐために設けられる。保護層7の形成材料としては、ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という。)と呼称される硬質炭素膜、酸化ジルコニウム(ZrO2)又は二酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられ、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法等の成膜手段により形成される。なお、DLCは、炭素を主成分としたアモルファス構造膜であって、ビッカース硬度測定で2×109〜8×1010Pa程度の硬さを示す炭素質材料である。
潤滑層8は、上記の保護層7と協働して、磁気記録媒体の表面を保護して耐摺動特性を確保することを目的として設けられる。潤滑層8の形成材料としては、パーフルオロポリエーテル(PFPE)等の液体フッ素系化合物が好ましく挙げられ、ディッピング法等の成膜手段により形成される。
本発明においては、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上に設けられた非磁性層16が1nm以下であることが好ましい。こうした薄い非磁性層16が凸部上に形成されているので、その上に設けられる保護層7や潤滑層8等との総厚さTも薄くなる。こうした磁気記録媒体は、ヘッドスライダに搭載された磁気ヘッドとの間のスペーシングロスを小さくすることができる。なお、非磁性層16の下限は0.1nmであることが望ましい。非磁性層16の厚さが0.1nm未満である場合には、非磁性層16の例えば直下に設けられる磁気記録層5がエッチングによりダメージを受けることがある。
また、本発明においては、非磁性層16(図1(A)、図2(A)(B)においては第1非磁性層6)の厚さT1が1nm以下であるので、第1非磁性層6上に形成される保護層7と潤滑層8の合計厚さも3nm程度又はそれ以上の厚さとすることができる。その結果、本発明によれば、磁気記録層5が十分に保護されて摺動特性に優れると共にスペーシングロスの小さい磁気記録媒体となる。保護層7と潤滑層8等の厚さについては特に限定されないが、保護層7は1〜2nmの範囲内の厚さで形成されることが望ましく、潤滑層8は1〜2nmの範囲内の厚さで形成されることが望ましい。
以上、本発明の磁気記録媒体によれば、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上に、凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層が存在し、しかもその非磁性層の厚さが1nm以下であるので、得られた磁気記録媒体はダメージのない磁気記録層を備えている。さらに、凹凸パターンの凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されているので、磁気記録媒体上を空気流により浮上する磁気ヘッドの浮上が安定する。こうした磁気記録媒体は、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上の非磁性層16の上に、さらに保護層等が形成された場合であっても、その総厚さが薄く且つ平坦になっているので、磁気記録層とヘッドスライダに搭載された磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくすることができ、その結果、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
なお、本発明の磁気記録媒体は、上述した実施形態において、磁気記録層5の下に基板1側から下地層2、軟磁性層3及び配向層4が形成されているが、本発明はこうした構成に限定されるものではなく、磁気記録層5の下の層の構成を磁気記録媒体の種類に応じて適宜変更することができる。例えば、下地層2、軟磁性層3及び配向層4のうち1又は2の層を省略してもよいし、基板上に連続記録層を直接形成してもよい。
また、上述した実施形態において、本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層がトラックの径方向に微細な間隔で分割された垂直記録型のディスクリートトラック型磁気ディスクであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気記録層がトラックの周方向(セクタの方向)に微細な間隔で分割された磁気ディスク、トラックの径方向及び周方向の両方向に微細な間隔で分割された磁気ディスク、図2(B)に示したような凹凸パターンの連続した磁気記録層を有するパームタイプの磁気ディスク、及び、磁気記録層が螺旋形状をなす磁気ディスク、のいずれについても本発明は適用可能である。
(磁気記録媒体の製造方法)
次に、上述した磁気記録媒体の製造方法の一例について説明する。図3〜図5は、本発明の磁気記録媒体の製造工程を説明する断面形態図である。
次に、上述した磁気記録媒体の製造方法の一例について説明する。図3〜図5は、本発明の磁気記録媒体の製造工程を説明する断面形態図である。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板1A上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層5が所定のパターンで設けられてなる凹凸パターンの上に第1非磁性層6を形成する第1非磁性層形成工程と、第1非磁性層16上にエッチングモニター層9を形成するエッチングモニター層形成工程と、エッチングモニター層9上に第2非磁性層6bを形成する第2非磁性層形成工程と、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上に設けられた少なくとも第2非磁性層6bをエッチングするエッチング工程と、を有している。そして、そのエッチング工程は、凹凸パターンの凸部上及び凹部上の表面を実質的に平坦化する工程であると共に、その凸部を形成する磁気記録層5上に設けられたエッチングモニター層9がエッチングされ始めた後に、エッチングモニター層9のエッチング速度又は第1非磁性層6のエッチング速度又は凹凸パターンの凹部上に第2非磁性層6bが残存する場合にはその第2非磁性層6bのエッチング速度をゼロ若しくは小さくするエッチング速度調整工程を含むことに特徴を有している。
この製造方法においては、第1非磁性層形成工程、エッチングモニター層形成工程及び第2非磁性層形成工程を経た後における凹凸パターンの凹部は、各工程で形成される少なくとも1種又は2種以上の非磁性層により充填されている。
また、本発明は、エッチング工程後に凸部を形成する磁気記録層5上に残る層が、第1非磁性層6からなる単層構造の非磁性層16、又は、第1非磁性層6及びエッチングモニター層9からなる2層構造の非磁性層16であり、その単層構造又は2層構造の非磁性層16の厚さが1nm以下であることに特徴を有している。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、1nm以下の厚さにエッチングされた層の上に例えば保護層7や潤滑層8等を形成する保護層形成工程や潤滑層形成工程をさらに有することが好ましい。
以下に本発明の磁気記録媒体の製造方法について図3及び図4に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の方法に限定されるものではない。
1)磁気記録層パターン形成工程:
先ず、基板1を準備し、この基板1上に、それぞれ所定の厚さで下地層2、軟磁性層3、配向層4及び磁気記録層5をその順に、例えばスパッタリング法等により形成して積層させる(図3(A)を参照)。その磁気記録層5上には、第1マスク層31と第2マスク層32とをその順に例えばスパッタリング法等により形成して積層させ、さらにその上にレジスト層33を例えばディッピング法又はスピンコート法により積層させる(図3(B)を参照)。ここで、第1マスク層31は例えばTiNで形成され、第2マスク層32は例えばNiで形成され、レジスト層33は例えばネガ型レジスト(NEB22A(住友化学工業株式会社製)等)で形成される。
先ず、基板1を準備し、この基板1上に、それぞれ所定の厚さで下地層2、軟磁性層3、配向層4及び磁気記録層5をその順に、例えばスパッタリング法等により形成して積層させる(図3(A)を参照)。その磁気記録層5上には、第1マスク層31と第2マスク層32とをその順に例えばスパッタリング法等により形成して積層させ、さらにその上にレジスト層33を例えばディッピング法又はスピンコート法により積層させる(図3(B)を参照)。ここで、第1マスク層31は例えばTiNで形成され、第2マスク層32は例えばNiで形成され、レジスト層33は例えばネガ型レジスト(NEB22A(住友化学工業株式会社製)等)で形成される。
次に、ナノインプリント法により、レジスト層33に所定の凹凸パターンを転写してレジストパターンを形成した後、このレジストパターンの凹部底面のレジスト層をO2ガスを反応ガスとする反応性イオンビームエッチングにより除去する(図3(C)を参照)。また、リソグラフィ法によりレジストパターンを形成してもよい。
次に、例えばAr(アルゴン)ガスを用いたイオンビームエッチングにより、レジストパターンの凹部底面に露出した第2マスク層32を除去する。この際、凹部以外の領域に形成されているレジスト層33も若干除去される(図3(D)を参照)。その後、例えばSF6(6フッ化硫黄)ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、凹部底面の第1マスク層31を除去する(図3(E)を参照)。これにより、凹部底面に磁気記録層5が露出する。なお、この際、凹部以外の領域に形成されているレジスト層33は完全に除去され、また、凹部以外の領域の第2マスク層32は一部が除去されるが若干量が残存する。
次に、例えばCOガス及びNH3ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、凹部底面に露出した磁気記録層5をエッチング除去する(図3(F)を参照)。これにより、所定の凹凸パターンからなる磁気記録層5が形成される。なお、この反応性イオンエッチングにより、凹凸パターンの凹部以外の領域の第2マスク層32が完全に除去されると共に、その凹部以外の領域の第1マスク層31も一部が除去される。なお、磁気記録層5上には、若干の第1マスク層31が残存する。
次に、例えばSF6ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、凹凸パターンの凸部である磁気記録層5上に残存する第1マスク層31が完全に除去される(図3(G)を参照)。こうして、所定の凹凸パターンからなる磁気記録層5が形成される。このとき、残留した反応性ガスはドライ洗浄により除去される。
2)第1非磁性層形成工程:
次に、スパッタリング法により、非磁性材として例えばSiO2を成膜して、磁気記録層5,5間に位置する凹凸パターンの凹部に第1非磁性層6を形成すると共に、凹凸パターンの凸部の磁気記録層5上にも第1非磁性層6と同一の非磁性材からなる非磁性層16(第1非磁性層6)を形成する(図4(A)を参照)。この際、第1非磁性層6を形成するための非磁性材としては、第1非磁性層6の形成材料として上述した各種のものを任意に選択することができる。
次に、スパッタリング法により、非磁性材として例えばSiO2を成膜して、磁気記録層5,5間に位置する凹凸パターンの凹部に第1非磁性層6を形成すると共に、凹凸パターンの凸部の磁気記録層5上にも第1非磁性層6と同一の非磁性材からなる非磁性層16(第1非磁性層6)を形成する(図4(A)を参照)。この際、第1非磁性層6を形成するための非磁性材としては、第1非磁性層6の形成材料として上述した各種のものを任意に選択することができる。
3)エッチングモニター層形成工程:
次に、第1非磁性層6上にエッチングモニター層9を形成する(図4(B)を参照)。エッチングモニター層9は、後述するエッチング工程時に検出可能な元素で構成されたもの又はそうした元素を含むものであれば特に制限されない。従って、エッチングモニター層9は、第1非磁性層6や第2非磁性層6bには含まれない元素を含んでいればよい。エッチングモニター層9の材料としては、例えば、炭素、DLC等の炭素質材料、Al2O3等の酸化物材料、Ta(タンタル)、W(タングステン)等の金属材料等を例示できる。なお、検出手段としては、例えば質量分析モニター等が用いられる。エッチングモニター層9の厚さは、約1〜5nmの範囲内であることが好ましいが、その下限値は検出手段の感度等との関係から任意に設定され、その上限値はエッチングモニター層のエッチングレートとの関係から任意に設定される。
次に、第1非磁性層6上にエッチングモニター層9を形成する(図4(B)を参照)。エッチングモニター層9は、後述するエッチング工程時に検出可能な元素で構成されたもの又はそうした元素を含むものであれば特に制限されない。従って、エッチングモニター層9は、第1非磁性層6や第2非磁性層6bには含まれない元素を含んでいればよい。エッチングモニター層9の材料としては、例えば、炭素、DLC等の炭素質材料、Al2O3等の酸化物材料、Ta(タンタル)、W(タングステン)等の金属材料等を例示できる。なお、検出手段としては、例えば質量分析モニター等が用いられる。エッチングモニター層9の厚さは、約1〜5nmの範囲内であることが好ましいが、その下限値は検出手段の感度等との関係から任意に設定され、その上限値はエッチングモニター層のエッチングレートとの関係から任意に設定される。
また、エッチングモニター層9をエッチングレートの低い材料で形成した場合には、エッチングモニター層9で一時的にエッチングの進行が遅くなるので、その間にエッチング条件を変更する時間的な余裕が生まれる。その結果、変更されたエッチング条件により、エッチングモニター層9の下に形成されている第1非磁性層6の厚さを精度よくコントロールすることができる。エッチングレートの進行を遅くするエッチングモニター層9の形成材料としては、上述したもののうち、Ta、Wを好ましく用いることができる。なお、エッチングモニター層9は、図4(B)に示すようにその凹部にも形成される。
4)第2非磁性層形成工程:
次に、エッチングモニター層9上に第2非磁性層6bを形成する(図4(C)を参照)。第2非磁性層6bは、上述した第1非磁性層6を形成する非磁性材から選ばれる材料で形成されることが好ましく、第1非磁性層6と同じ材料で形成されることがより好ましい。第2非磁性層6bを第1非磁性層6と同じ材料で形成することにより、エッチング工程におけるエッチング条件を大きく変動させる必要がなく、磁気記録媒体の製造を容易に行うことができる。なお、第2非磁性層6bは、図4(C)に示すようにその凹部にも充填される。
次に、エッチングモニター層9上に第2非磁性層6bを形成する(図4(C)を参照)。第2非磁性層6bは、上述した第1非磁性層6を形成する非磁性材から選ばれる材料で形成されることが好ましく、第1非磁性層6と同じ材料で形成されることがより好ましい。第2非磁性層6bを第1非磁性層6と同じ材料で形成することにより、エッチング工程におけるエッチング条件を大きく変動させる必要がなく、磁気記録媒体の製造を容易に行うことができる。なお、第2非磁性層6bは、図4(C)に示すようにその凹部にも充填される。
この第2非磁性層形成工程においては、基板1にバイアスパワーを印加しつつ第2非磁性層を形成することが好ましい。このようにすることで、表面の凹凸が抑制されつつ第2非磁性層が形成されるので、磁気記録媒体の表面を効率よく平坦化することができる。
第2非磁性層形成工程後においては、図4(C)に示すように、次のエッチング工程に供される磁気記録媒体用中間体40が得られる。
磁気記録媒体用中間体40は、具体的には、基板1A上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層5が所定の凹凸パターンで設けられ、凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、凸部上に非磁性層16が形成されているものであり、本発明の磁気記録媒体の製造工程において、エッチング工程前の態様に係るものである。具体的には、非磁性層が少なくとも3層からなり、その3層の中間層が上下2層とは異なる元素を有している。なお、3層は、磁気記録層5の側から、第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6bの順で形成されている。この磁気記録媒体用中間体40によれば、磁気記録媒体の製造工程において、第1非磁性層6と第2非磁性層6bとの間に形成されたエッチングモニター層9をその後のエッチング工程中に検出することにより、エッチング後に磁気記録層5上に残る層の厚さを1nm以下に制御し易い。その結果、こうした磁気記録媒体用中間体40を用いることにより、磁気記録層5上に残る層の厚さを精度よくエッチングすることが可能となるので、スペーシングロスを小さくする磁気記録媒体を提供することができる。
5)エッチング工程:
エッチング工程は、第2非磁性層6bとエッチングモニター層9をエッチングして磁気記録層5上の第1非磁性層6を1nm以下の厚さにする工程である(図4(D)及び図4(E)を参照)。
エッチング工程は、第2非磁性層6bとエッチングモニター層9をエッチングして磁気記録層5上の第1非磁性層6を1nm以下の厚さにする工程である(図4(D)及び図4(E)を参照)。
具体的には、先ず、エッチングモニター層9を検出するための検出手段を作動させながら上述した第2非磁性層形成工程後の被加工体の表面をイオンビームエッチングによりエッチングする。エッチングがエッチングモニター層9にまで到達すると、エッチングモニター層9を構成する元素又はエッチングモニター層9に含まれる元素が検出手段により検出されるので、検出された後に、エッチングモニター層9のエッチング速度を小さくするようにエッチング速度を調整する(この工程を、「エッチング速度調整工程」という。)。こうしたエッチング工程により、凸部をなす磁気記録層5上の第2非磁性層6bとエッチングモニター層9の一部又は全てを除去することができる。例えば図4(E)に示すように、磁気記録層5上の第2非磁性層6bとエッチングモニター層9の全てを除去するエッチング工程により、磁気記録層5上に残る第1非磁性層6からなる非磁性層16の厚さを1nm以下に調整することができる。さらに、図4(E)に示すように、凹凸パターンの凸部上の表面と、凹部上の表面とを段差なく形成することができ、実質的に平坦化することができる。
このとき、エッチングモニター層9のエッチング速度を小さくして引き続きエッチングを行う場合は、通常、エッチングモニター層9が検出されてもなお磁気記録層5上に形成された第1非磁性層6とエッチングモニター層9とからなる非磁性層16の厚さが1nmを超える場合である。
このエッチング工程において、イオンビームエッチングは、例えば、Arガス等を用いたイオンビームエッチング法が適用される。前記のようにエッチングモニター層9が検出された後にさらにエッチングを行わなければならない場合には、図4(D)に示すようにエッチングモニター層9が検出されるまでは比較的速いエッチングレートでエッチングされ、エッチングモニター層9が検出された後はエッチングレートが小さくなる条件でのエッチングが行われる。エッチングレートの変更は、イオンビーム41の入射角、エッチングパワー、ガス圧力、ガス種等により変更可能であり、第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6bの成膜条件や構成材料の性質を考慮して任意に設定される。例えば、エッチングモニター層9が検出された後にエッチングレートの大きい入射角からエッチングレートの小さい入射角にイオンビームの入射角を変更したり、エッチングレートの大きいガスからエッチングレートの小さいガスにガス種を切り替えたりすることができる。
本発明においては、こうしたエッチング工程を含むので、磁気記録層上の非磁性層16を1nm以下の厚さにする際に、磁気記録層5にダメージを与えることなく磁気記録媒体を製造することができる。さらに、結果として磁気記録層5上に非磁性層16残存し且つその厚さが1nm以下の厚さになっているので、その非磁性層16上にさらに保護層等が下記工程で形成された場合であっても、磁気記録層上の総厚さを極力薄くすることができ、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくする磁気記録媒体を容易に製造できる。
なお、本願において、「イオンビームエッチング」という用語は、例えばイオンミリング等、イオン化したガスを被加工体に照射して除去する加工方法の総称として用い、イオンビームを絞って照射する加工方法に限定されない。また、「入射角」とは、被加工体の表面に対するイオンビーム(イオン化したガス)の入射角度であって、被加工体の表面とイオンビームの中心軸とが形成する角度という意義で用いている。例えば、イオンビームの中心軸が被加工体の表面と平行である場合、入射角は0°であり、イオンビームの中心軸が被加工体の表面と垂直である場合、入射角は90°である。
6)保護層及び潤滑層形成工程:
本発明の磁気記録媒体においては、エッチング工程で1nm以下の厚さにエッチングされた非磁性層16(例えば図4(E)に示す第1非磁性層6)上に保護層7や潤滑層8等を形成する。例えば、保護層7は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ1nm以下の非磁性層16(例えば第1非磁性層6)上に形成され、潤滑層8は、ディッピング法により保護層7上に形成される。これにより、本発明の磁気記録媒体が完成し、スペーシングロスの小さい摺動特性に優れた磁気記録媒体を製造できる(図4(F)を参照)。さらに、こうして製造された磁気記録媒体を磁気記録再生装置に適用すれば、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
本発明の磁気記録媒体においては、エッチング工程で1nm以下の厚さにエッチングされた非磁性層16(例えば図4(E)に示す第1非磁性層6)上に保護層7や潤滑層8等を形成する。例えば、保護層7は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ1nm以下の非磁性層16(例えば第1非磁性層6)上に形成され、潤滑層8は、ディッピング法により保護層7上に形成される。これにより、本発明の磁気記録媒体が完成し、スペーシングロスの小さい摺動特性に優れた磁気記録媒体を製造できる(図4(F)を参照)。さらに、こうして製造された磁気記録媒体を磁気記録再生装置に適用すれば、磁気記録再生特性の低下を極力抑制することができる。
なお、本発明の磁気記録媒体の製造方法においては、上述したように、(i)磁気記録層5上に形成されている第2非磁性層6b及びエッチングモニター層9の全てをエッチングにより除去して、磁気記録層5上に残す非磁性層16を第1非磁性層6のみの単層構造とする場合の他、(ii)磁気記録層5上に形成されている第2非磁性層6bの全てとエッチングモニター層9の一部をエッチングにより除去して、磁気記録層5上に残す非磁性層16を第1非磁性層6及びエッチングモニター層9の一部からなる2層構造とする場合、及び(iii)磁気記録層5上に形成されている第2非磁性層6b及びエッチングモニター層9の全てをエッチングにより除去し、さらに第1非磁性層6の一部を除去して、磁気記録層5上に残す非磁性層16を第1非磁性層6の一部のみの単層構造とする場合としてもよい。こうした(i)〜(iii)の手段により、図1(A)及び図1(B)に例示する形態にすることができる。
(他の実施形態)
他の実施形態としては、例えば図2(A)及び図2(B)に示すように、凹凸パターンの凹部が第1非磁性層6で充填されている例を挙げることができる。図5は、例えば図2(A)に示す形態に係る磁気記録媒体の製造工程を説明する断面形態図である。
他の実施形態としては、例えば図2(A)及び図2(B)に示すように、凹凸パターンの凹部が第1非磁性層6で充填されている例を挙げることができる。図5は、例えば図2(A)に示す形態に係る磁気記録媒体の製造工程を説明する断面形態図である。
例えば図5(A)に示すように、上述した第1非磁性層形成工程において、第1非磁性層6の成膜条件を変化させて厚く成膜することにより、第1非磁性層6で凹部を充填することができる。この形態に係る磁気記録媒体は、凹凸パターンの凹部が第1非磁性層6だけで充填されている点で、図4に示す形態に係る磁気記録媒体とは異なっているが、各工程については上記のものと同様の方法を適用することができるので、ここでは図5を示すが、その詳細な説明については省略する。
以上のように、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、エッチング工程により凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上の非磁性層16を1nm以下の厚さにする際に磁気記録層5にダメージを与えることなく磁気記録媒体を製造することができる。さらに、製造された磁気記録媒体は、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上の非磁性層16が1nm以下の厚さとなるので、その非磁性層16上に保護層等が形成された場合であっても、磁気記録層5上に形成されたそれらの総厚さを極力薄くすることができ、その結果、磁気記録層と磁気ヘッドとのスペーシングロスを小さくする磁気記録媒体を容易に製造できる。また、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上の非磁性層16の厚さT1が1nm以下であるので、非磁性層16上に形成される保護層7及び潤滑層8等からなる層の厚さを少なくとも3nm以上の厚さとすることができ、その結果、摺動特性に優れる磁気記録媒体を製造することができる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明をさらに詳しく説明する。
(被加工体の作製)
先ず、ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を形成するための被加工体を作製した。ガラス基板からなる厚さ635μmのディスク基板1上に、下地層2、軟磁性層3、配向層4、磁気記録層5(厚さ20nm)、第1マスク層(TiN:25nm)、第2マスク層(Ni:10nm)をこの順に成膜した。成膜したサンプルにスピンコート法によりネガ型レジスト(商品名:NEB22A、住友化学工業株式会社製)を塗布し、厚さ100nmのレジスト層を形成した。所定の凹凸形状を有するスタンパーを用い、ナノインプリント法によりサンプル表面のレジスト層にプレスによる転写及びO2ガスを反応ガスとする反応性イオンビームエッチングを行い、微小図形からなるレジストパターンを形成した。次いで、そのレジストパターンをマスクとし、Arガスを用いたイオンビームエッチング法により、第2マスク層にレジストパターンの微小図形を転写して、その微小図形からなる第2マスクパターンを形成した。次いで、その第2マスクパターンをマスクとし、SF6を反応ガスとした反応性イオンエッチング法により、第1マスク層に第2マスクパターンの微小図形を転写して、その微小図形からなる第1マスクパターンを形成した。次いで、その第1マスクパターンをマスクとし、COガス及びNH3ガスを反応ガスとした反応性イオンエッチング法により、磁気記録層5に第1マスクパターンの微小図形を転写して、その微小図形からなる磁気記録層パターンを形成した。次いで、SF6を反応ガスとした反応性イオンエッチング法により、磁気記録層パターン上に残留する第1マスク層を除去した。
先ず、ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を形成するための被加工体を作製した。ガラス基板からなる厚さ635μmのディスク基板1上に、下地層2、軟磁性層3、配向層4、磁気記録層5(厚さ20nm)、第1マスク層(TiN:25nm)、第2マスク層(Ni:10nm)をこの順に成膜した。成膜したサンプルにスピンコート法によりネガ型レジスト(商品名:NEB22A、住友化学工業株式会社製)を塗布し、厚さ100nmのレジスト層を形成した。所定の凹凸形状を有するスタンパーを用い、ナノインプリント法によりサンプル表面のレジスト層にプレスによる転写及びO2ガスを反応ガスとする反応性イオンビームエッチングを行い、微小図形からなるレジストパターンを形成した。次いで、そのレジストパターンをマスクとし、Arガスを用いたイオンビームエッチング法により、第2マスク層にレジストパターンの微小図形を転写して、その微小図形からなる第2マスクパターンを形成した。次いで、その第2マスクパターンをマスクとし、SF6を反応ガスとした反応性イオンエッチング法により、第1マスク層に第2マスクパターンの微小図形を転写して、その微小図形からなる第1マスクパターンを形成した。次いで、その第1マスクパターンをマスクとし、COガス及びNH3ガスを反応ガスとした反応性イオンエッチング法により、磁気記録層5に第1マスクパターンの微小図形を転写して、その微小図形からなる磁気記録層パターンを形成した。次いで、SF6を反応ガスとした反応性イオンエッチング法により、磁気記録層パターン上に残留する第1マスク層を除去した。
以上の方法により、ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を形成するための被加工体を作製した。磁気記録層パターンの加工寸法は、トラックピッチ:150nm、磁気記録層のパターン幅:90nm、凹部の深さ:20nmである。
(実施例1)
上述のようにして得られた被加工体の凹凸パターン上に第1非磁性層6を形成した。先ず、非磁性材であるSiO2をスパッタリング法により、成膜パワー(ターゲットに印加するパワー)RF500W、Arガス圧力0.3Paの条件で厚さ3nmの第1非磁性層6を成膜した。次いで、その第1非磁性層6上に、Taをスパッタリング法により成膜パワーDC500W、Arガス圧力0.3Paの条件で厚さ2nmのエッチングモニター層9を成膜した。次いで、そのエッチングモニター層9上に、非磁性材であるSiO2をスパッタリング法により、成膜パワーRF500W、Arガス圧力0.3Pa、被加工体に印加するバイアスパワーRF150Wの条件で厚さ95nmの第2非磁性層6bを成膜した。なお、ここでいう膜厚は、凸部をなす磁気記録層5上の膜厚である。
上述のようにして得られた被加工体の凹凸パターン上に第1非磁性層6を形成した。先ず、非磁性材であるSiO2をスパッタリング法により、成膜パワー(ターゲットに印加するパワー)RF500W、Arガス圧力0.3Paの条件で厚さ3nmの第1非磁性層6を成膜した。次いで、その第1非磁性層6上に、Taをスパッタリング法により成膜パワーDC500W、Arガス圧力0.3Paの条件で厚さ2nmのエッチングモニター層9を成膜した。次いで、そのエッチングモニター層9上に、非磁性材であるSiO2をスパッタリング法により、成膜パワーRF500W、Arガス圧力0.3Pa、被加工体に印加するバイアスパワーRF150Wの条件で厚さ95nmの第2非磁性層6bを成膜した。なお、ここでいう膜厚は、凸部をなす磁気記録層5上の膜厚である。
第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6bを磁気記録層5上に順次形成した後の被加工体に、Arを用いた入射角8°のイオンビームエッチングを、エッチングモニター層9を構成するTaが質量分析計で検出されるまで行った。このとき、ビーム電圧を700V、ビーム電流を1100mAとした。質量分析計はSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いた。エッチングモニター層9が検出された後、エッチングレートが小さくなるようにエッチング条件をArのイオンビームの入射角を1°に変更してエッチングを継続した。なお、図6は、エッチング時間と凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上の非磁性層(第1非磁性層6、エッチングモニター層9及び第2非磁性層6b)の厚さとの関係を示すグラフである。図6からわかるように、エッチングモニター層9が検出されるまでは約40nm/分のエッチングレートでエッチングを行ったが、エッチングモニター層9が検出された後は、約1nm/分のエッチングレートでエッチングを行った。そして、エッチングモニター層9を構成するTaのSIMSによる検出量が低下し、第1非磁性層6(SiO2)が検出され始めたと判断されると同時に、ビーム電圧を500V、ビーム電流を200mAに変更し、約1nm/分のエッチングレートでエッチングを行った。そのエッチングレートとエッチング時間とにより、磁気記録層5上に形成された第1非磁性層6の厚さが0.5nmになるまでエッチングした。その上に、CVD法により厚さ2nmのDLCを形成して保護層7とし、さらにその上に、ディッピング法により厚さ1nmのパーフロロポリエーテル(PFPE)を形成して潤滑層8とした。
こうして作製された磁気記録媒体は、図1(A)に示すように、凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層5上に設けられた第1非磁性層6からなる非磁性層16と、保護層7及び潤滑層8からなる層との総厚さTが3.5nmであった。また、本実施例1の磁気記録媒体を10個作製し、前記の総厚さを、磁気記録媒体の断面をTEM(Transmission Electron Microscope)により観察することにより測定したところ、その厚さの標準偏差は0.05nmであり、極めてバラツキの小さい平坦な磁気記録媒体を作製することができた。
(比較例1)
実施例1においてエッチングモニター層形成工程を省略したこと及びエッチング条件の変更を途中で行わないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の磁気記録媒体を作製した。なお、第1非磁性層6及び第2非磁性層6bを磁気記録層5上に形成した後のSiO2の厚さを100nmとし、その被加工体のエッチング工程については、Arを用いた入射角8°のイオンビームエッチング(ビーム電圧700V、ビーム電流1100mA)を行った。このときのエッチング時間は、予め測定したエッチング時間とエッチングレートとの関係から2.49分間とし、磁気記録層5上に形成された非磁性層16の厚さが0.5nmになるまでエッチングした。その上に、CVD法により厚さ2nmのDLCを形成して保護層7とし、さらにその上に、ディッピング法により厚さ1nmのパーフロロポリエーテル(PFPE)を形成して潤滑層8とした。また、本比較例1の磁気記録媒体を10個作製し、非磁性層16と保護層7及び潤滑層8からなる層との総厚さを実施例1と同様の方法により測定したところ、その厚さの標準偏差は0.5nmであり、上述した実施例1に比べてバラツキが大きくなった。
実施例1においてエッチングモニター層形成工程を省略したこと及びエッチング条件の変更を途中で行わないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の磁気記録媒体を作製した。なお、第1非磁性層6及び第2非磁性層6bを磁気記録層5上に形成した後のSiO2の厚さを100nmとし、その被加工体のエッチング工程については、Arを用いた入射角8°のイオンビームエッチング(ビーム電圧700V、ビーム電流1100mA)を行った。このときのエッチング時間は、予め測定したエッチング時間とエッチングレートとの関係から2.49分間とし、磁気記録層5上に形成された非磁性層16の厚さが0.5nmになるまでエッチングした。その上に、CVD法により厚さ2nmのDLCを形成して保護層7とし、さらにその上に、ディッピング法により厚さ1nmのパーフロロポリエーテル(PFPE)を形成して潤滑層8とした。また、本比較例1の磁気記録媒体を10個作製し、非磁性層16と保護層7及び潤滑層8からなる層との総厚さを実施例1と同様の方法により測定したところ、その厚さの標準偏差は0.5nmであり、上述した実施例1に比べてバラツキが大きくなった。
(非磁性層の厚さとヘッド浮上量との関係)
磁気記録層5上に形成される非磁性層16(第1非磁性層6、又は、第1非磁性層6及びエッチングモニター層9)の厚さと、ヘッド浮上量との関係について検討した。磁気記録層5の上に非磁性層16を設けた場合、磁気記録層からヘッドまでの距離に依存したスペーシングロスを抑えるには、ヘッドの浮上量を低下させる必要がある。図7は、ヘッド浮上量を変えながらグライドハイトテストを行い、ヘッド浮上量を変化させたときの磁気記録媒体表面へのヘッドの衝突回数を測定した結果をプロットしたグラフである。測定は、従来型の連続膜媒体からなる2.5インチメディア全面にヘッドをスキャンさせて、ヘッドが磁気記録媒体表面に衝突する回数をカウントし、浮上量10nmの平均衝突回数を1として規格化した。
磁気記録層5上に形成される非磁性層16(第1非磁性層6、又は、第1非磁性層6及びエッチングモニター層9)の厚さと、ヘッド浮上量との関係について検討した。磁気記録層5の上に非磁性層16を設けた場合、磁気記録層からヘッドまでの距離に依存したスペーシングロスを抑えるには、ヘッドの浮上量を低下させる必要がある。図7は、ヘッド浮上量を変えながらグライドハイトテストを行い、ヘッド浮上量を変化させたときの磁気記録媒体表面へのヘッドの衝突回数を測定した結果をプロットしたグラフである。測定は、従来型の連続膜媒体からなる2.5インチメディア全面にヘッドをスキャンさせて、ヘッドが磁気記録媒体表面に衝突する回数をカウントし、浮上量10nmの平均衝突回数を1として規格化した。
浮上量12nm〜浮上量10nmの場合はほぼ安定して浮上したが、浮上量を8nmにすると、衝突回数は20倍以上に急激に増加した。この理由は、ヘッド浮上量を8nmにまで小さくすると、磁気記録媒体表面に存在し得るわずかな突起やうねりにヘッドが接触する機会が大幅に増えることによる。一方で、スペーシングロスの小さい高記録密度を達成する磁気記録再生装置を実現するためには、磁気記録層の表面からヘッドまでの距離を10nm以下にすることがスペーシングロスの観点から有効であるが、上記結果のように、ヘッド浮上量が8nm以下になるとヘッドの衝突が顕著に生じ易くなる。そのため、本発明の磁気記録媒体のように、磁気記録層5上に形成される非磁性層16の厚さを1nm以下にすることにより、磁気記録層5上に非磁性層16が存在しない場合に対してスペーシングロスを保つために、ヘッドの浮上量を低下させる量を1nm以下にすることができる。その結果、ヘッドが磁気記録媒体表面に接触するのを抑制しつつ、磁気記録層とヘッドとの距離に基づくスペーシングロスを抑制することができるという効果がある。
1,1A 基板
2 下地層
3 軟磁性層
4 配向層
5 磁気記録層
6 第1非磁性層
6b 第2非磁性層
7 保護層
8 潤滑層
9 エッチングモニター層
10,11,20,21 磁気記録媒体
16 非磁性層
31 第1マスク層
32 第2マスク層
33 レジスト層
40 磁気記録媒体用中間体
41 イオンビーム
81 凹凸パターンの凹部
82 凹凸パターンの凸部
T 凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上の層の総厚さ
T1 凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上の非磁性層16の厚さ
2 下地層
3 軟磁性層
4 配向層
5 磁気記録層
6 第1非磁性層
6b 第2非磁性層
7 保護層
8 潤滑層
9 エッチングモニター層
10,11,20,21 磁気記録媒体
16 非磁性層
31 第1マスク層
32 第2マスク層
33 レジスト層
40 磁気記録媒体用中間体
41 イオンビーム
81 凹凸パターンの凹部
82 凹凸パターンの凸部
T 凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上の層の総厚さ
T1 凹凸パターンの凸部を形成する磁気記録層上の非磁性層16の厚さ
Claims (6)
- 基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定の凹凸パターンで設けられ、前記凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、前記凸部上には前記非磁性材のうち前記凹部の最底面に位置する非磁性材からなる非磁性層が形成されていると共に、前記凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体であって、前記非磁性層の厚さが1nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
- 基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定の凹凸パターンで設けられ、前記凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、前記凸部上には前記非磁性材のうち前記凹部の最底面に積層する2つの非磁性材からなる非磁性層が形成されていると共に、前記凸部上及び凹部上の表面が実質的に平坦化されている磁気記録媒体であって、前記非磁性層の厚さが1nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
- 基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定のパターンで設けられてなる凹凸パターンの上に第1非磁性層を形成する第1非磁性層形成工程と、前記第1非磁性層上にエッチングモニター層を形成するエッチングモニター層形成工程と、前記エッチングモニター層上に第2非磁性層を形成する第2非磁性層形成工程と、前記凸部を形成する磁気記録層上に設けられた少なくとも第2非磁性層をエッチングするエッチング工程と、を有する磁気記録媒体の製造方法であって、
前記第1非磁性層形成工程、エッチングモニター層形成工程及び第2非磁性層形成工程を経た後に、前記凹凸パターンの凹部が各工程で形成される少なくとも1種又は2種以上の非磁性層により充填され、
前記エッチング工程は、前記凸部上及び凹部上の表面を実質的に平坦化する工程であると共に、前記凸部を形成する磁気記録層上に設けられたエッチングモニター層がエッチングされ始めた後に、前記エッチングモニター層のエッチング速度又は前記第1非磁性層のエッチング速度又は前記凹凸パターンの凹部上に前記第2非磁性層が残存する場合には該第2非磁性層のエッチング速度をゼロ若しくは小さくするエッチング速度調整工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 前記エッチング工程後に前記凸部を形成する磁気記録層上に残る層が、前記第1非磁性層からなる単層構造の非磁性層、又は、前記第1非磁性層及び前記エッチングモニター層からなる2層構造の非磁性層であり、当該単層構造又は2層構造の非磁性層の厚さが1nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記第1非磁性層と前記第2非磁性層とが同一の材料であることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 基板上に少なくとも凸部を形成する磁気記録層が所定の凹凸パターンで設けられ、前記凹凸パターンの凹部が非磁性材で充填され、前記凸部上に非磁性層が形成されている磁気記録媒体用中間体であって、前記非磁性層が少なくとも3層からなり、該3層の中間層が上下2層とは異なる元素を有する層であることを特徴とする磁気記録媒体用中間体。
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