JP2003223707A - 磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記憶装置

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JP2003223707A
JP2003223707A JP2002016135A JP2002016135A JP2003223707A JP 2003223707 A JP2003223707 A JP 2003223707A JP 2002016135 A JP2002016135 A JP 2002016135A JP 2002016135 A JP2002016135 A JP 2002016135A JP 2003223707 A JP2003223707 A JP 2003223707A
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Takashi Satoie
隆志 郷家
Tomoaki Okuyama
智明 奥山
Akira Kikuchi
暁 菊池
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、磁気記憶装置に用いられる磁気記
録媒体に関し、磁気記録媒体の耐食性の向上を図ること
により、再生ヘッドと磁気記録媒体の磁性層間の磁気ス
ペーシングの低減のための保護膜の薄膜化が可能な、高
密度記録に適した磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】基板11と、この基板の上方に設けられた
記録層としての磁性層15と、保護膜16とを少なくと
も含む磁気記録媒体であって、磁性層15は、CoCr
Pt系合金と、標準電極電位が陰性の元素及びPt以外
の白金族元素からなる群から選択された少なくとも1つ
の添加元素を含むよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記憶装置に用
いられる磁気記録媒体に関する。特に磁気記録媒体の耐
食性を向上させることにより、保護膜の薄膜化を図っ
て、高密度記録に適した磁気記録媒体及びその磁気記録
媒体を備えた磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報処理技術の高度化に伴い、磁
気記憶装置に対する記憶容量の増大化が求められてい
る。記憶容量を増大するためには、磁気記憶装置に搭載
する磁気記録媒体の枚数を増加する方法がある。しか
し、磁気記憶装置のスペース上、搭載できる磁気記録媒
体の枚数には限界があり、この方法では、記憶容量増大
化の要求を満足することは困難である。そこで、磁気記
録媒体の高記録密度化が必須となっている。ここで、磁
気記録媒体の高記録密度化の手段としては、磁気記録媒
体の線記録密度及びトラック密度を向上する手段があ
る。トラック密度の向上は、主として磁気ヘッドの読み
出しに用いられる再生ヘッドの出力向上等によって達成
される。
【0003】一方、線記録密度向上のための磁気記録媒
体性能の指標として、W50(孤立再生波形半値幅)が
挙げられる。一般的に、このW50値が小さければ、小
さいほど高密度記録に適している磁気記録媒体であると
いうことが知られている。
【0004】このW50値は、磁気ヘッドの読み出し用
の磁気抵抗素子を有する再生ヘッドののギャップ長g、
再生ヘッドと磁気記録媒体の記録層間の磁気スペーシン
グd、磁気記録媒体の磁化遷移幅aとしたとき、 W50=2((g/2)+(d+a)1/2 で求めることができる。
【0005】上記の式より、W50値を小さくする為、
すなわち高記録密度化を達成する為には、再生ヘッドの
ギャップ長gを小さくすること、磁化遷移幅aを小さく
すること、磁気スペーシングdを小さくすることが必要
である。
【0006】ここで、磁気スペーシングdを小さくする
方法として、磁気記録媒体の記録層の上に形成される保
護膜、主としてカーボン系保護膜の膜厚を薄くする方法
がある。
【0007】しかし、保護膜を薄膜化すると、保護膜の
記録層に対する被覆性が劣化する。被覆性の劣化とは、
具体的には、記録層が保護膜に被覆されていない部分
(被覆欠陥部)が局部的に生じることである。このよう
な場合、大気中の水分が保護膜表面に吸着あるいは結露
したとき、この水分が保護膜の被覆欠陥部を通じて記録
層に達して腐食が発生する。腐食のメカニズムの例とし
て、記録層に達した水分中に存在する金属イオン、水素
イオン又は酸素の還元(カソード反応)により記録層に
含まれるCoがCoイオンとして水分に溶け出すCoの
酸化(アノード反応)という反応が挙げられる。腐食が
発生すると、Coが溶け出してしまうためCo量が減少
し、その部分の飽和磁化量及び残留磁化量が減少すると
いう問題が生じる。このような場合に、かかる磁気記録
媒体に対しては、十分に記録できない場合や再生出力が
局部的に劣化するなどの記録再生時の障害が発生し、磁
気記録媒体の信頼性が著しく劣化するという問題が生じ
る。
【0008】磁気記録媒体の記録層に用いられる磁性材
料は、CoCrPtにTaやBなどのCr偏析を促進さ
せる元素を数at%添加した合金である。CrやPtの
含有量を増加させることにより記録層の耐食性が向上す
ることが知られている。
【0009】また、特開平11−154321号公報に
記録層の耐食性を向上させた磁気記録媒体が開示されて
いる。当該磁気記録媒体は、非磁性基板上に、Crなど
の非磁性金属を介して、Pt及びIrからなる群から選
ばれた少なくとも1種の第1の添加元素と、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ge及び
Siからなる群から選ばれた少なくとも1種の第2の添
加元素と、酸素と、残部がCoからなるCo基合金磁性
層を形成してなる磁気記録媒体である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、記録層のCr
の含有量を増加させると記録層の飽和磁化量が減少し、
再生出力が低下してしまうという問題が生じる。また、
記録層のPtの含有量を増加させると記録層を構成して
いる磁性粒子径の分布が広くなり、また磁性粒子間の交
換相互作用が増大するため、再生信号における媒体ノイ
ズが増加し、S/N比が低下してしまうという問題が生
じる。
【0011】また、前記公報に開示されている磁気記録
媒体は、記録層内に酸素を含むため、磁気記録媒体の保
磁力が低下してしまうという問題が生じる。また、記録
層の成膜時の熱の影響により記録層の飽和磁化量の安定
性が低下するという問題が生じる。さらに、再生信号に
おける媒体ノイズが増加し、S/N比が低下してしまう
という問題が生じる。
【0012】したがって、本発明の目的は、磁気記録媒
体の耐食性を向上させることにより、保護膜の薄膜化を
図って磁気スペーシングを低減し、高密度記録に適した
磁気記録媒体を提供することである。また、かかる磁気
記録媒体を備えた大記憶容量の磁気記憶装置を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は請求項1に
記載の如く、基板と、該基板の上方に設けられた記録層
と、保護膜とを少なくとも含む磁気記録媒体であって、
前記記録層は、少なくとも1つの磁性層を含み、前記磁
性層は、CoCrPt系合金と、標準電極電位が陰性の
元素及びPt以外の白金族元素からなる群から選択され
た少なくとも1つの添加元素を含む磁気記録媒体より達
成される。なお、前記記録層は、1つの磁性層からなる
単層構造であってもよく、複数の磁性層を含む多層構造
であってもよい。また、CoCrPt系合金とは、Co
CrPt及びCoCrPtにB又はTaなどを添加した
CoCrPtB、CoCrPtTaなどである。
【0014】本発明によれば、磁気記録媒体の耐食性の
向上させることにより、保護膜の薄膜化を図って磁気ス
ペーシングを低減し、高密度記録に適した磁気記録媒体
を実現することができる。
【0015】また、請求項2に記載される如く、請求項
1に記載の磁気記録媒体において、前記磁性層は、前記
添加元素を0.01から30at%含むことが好まし
い。前記添加元素の元素量が30at%を超えると、前
記磁性層が磁性の性質を失うからである。
【0016】さらに、請求項3に記載の如く、請求項1
又は2に記載の磁気記録媒体において、前記記録層は、
複数の磁性膜を含み、該磁性層間に非磁性結合層を備え
ることが好ましい。記録層に書き込まれた記録ビットの
熱的安定性が向上するからである。
【0017】請求項4に記載される如く、前記保護膜の
膜厚は0.5nmから10nmであることが好ましい。
磁気的スペーシングを低減して、磁気記録媒体の記録再
生分解能が向上するからである。
【0018】本発明の請求項5に記載の如く、請求項1
から4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体を備えた磁
気記憶装置とすることができる。
【0019】この装置によると、磁気記録媒体の耐食性
の向上させることにより、磁気スペーシングの低減のた
めの保護膜の薄膜化を図って、高密度記録に適した磁気
記録媒体を搭載することにより、大記憶容量の磁気記憶
装置を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の第
1実施例及び第2実施例を説明する。第1実施例は、記
録層が1つの磁性層を有する磁気記録媒体に関するもの
である。また、第2実施例は、記録層が2つの磁性層と
この磁性層間に1つの非磁性結合層を有する磁気記録媒
体に関するものである。
【0021】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例
に係る磁気記録媒体10の積層構成を示した図である。
この磁気記録媒体10は、非磁性の基板11の表面にN
iP膜をコートし、テクスチャ処理を施したものを用い
ることができる。この磁気記録媒体10は、基板11上
に、下からCr下地層12、CrMo下地層13、Co
CrTa中間層14、CoCrPtBP磁性層15、及
びDLC(水素化カーボン)保護膜16を順次積層した
構造を有する。
【0022】次に、図1に示した本発明の第1実施例に
係る磁気記録媒体10の好ましい製造例を説明する。
【0023】この磁気記録媒体10の基板11として
は、非磁性のAl基板又はガラス基板などを用いること
ができる。かかる基板に限定されるわけではなく、プラ
スチック基板等を用いることができる。本実施例ではA
l基板を用いた。
【0024】基板11の表面に無電解めっきによりNi
P膜をコートし、同心円状にメカニカルテクスチャ処理
又はレーザテクスチャ処理を施したものを用いることが
できる。しかしテクスチャは施さなくてもよい。本実施
例ではメカニカルテクスチャ処理を施した。
【0025】磁気記録媒体10の各層11〜16は、ス
パッタリング装置を用いた薄膜形成技術を用いて形成す
ることができる。より具体的には、本実施例ではDCマ
グネトロンスパッタリング法を用いて成膜を行った。各
層の成膜前にスパッタ室内を4×10−5Pa以下の真
空度まで排気後、Arガスを導入しスパッタ室内を0.
67Paに保持して成膜を行う。
【0026】Cr下地層12の成膜前に、基板11に付
着している不純物のクリーニングとCr下地層12の結
晶配向性制御の為に、基板11の温度を200℃以上に
加熱する。また、基板温度が270℃を超えると非晶質
であるNiPが結晶化して帯磁するので、これを抑制す
るため基板温度は200℃から270℃の範囲にするこ
とが好ましい。なお、本実施例では基板温度を220℃
とした。
【0027】次いで、この基板11上に、Cr下地層1
2を成膜する。Cr下地層の膜厚は2nmから7nmの
範囲のから選択することが好ましい。Cr下地層12が
2nmより薄いとCr下地層12の結晶性が十分でな
く、その結果磁性層15のc軸の磁化容易軸であるc軸
の面内方向への結晶配向性が劣化し、また、Cr下地層
12が7nmより厚いとCr下地層12の結晶粒子が増
大し、その結果磁性層15の磁性粒子の体積が増大し、
再生時の媒体ノイズが増加するからである。本実施例で
はCr下地層12は5nmとした。
【0028】このCr下地層12の上に、Crより大き
な格子定数をもつCr系合金下地層13を形成する。こ
れにより、磁性層15との結晶格子の面間隔の整合性が
良好となり、磁性層15の磁化容易軸であるc軸の面内
方向への結晶配向性が良好となる。Cr系合金下地層1
3はW,V及びMoからなる群から少なくとも1つを選
択した元素を含んでおり、その結晶構造がhcp構造
(最密六方構造)であるものにより形成されていること
が好ましい。なお本実施例では、CrMoを用い、2n
m成膜した。
【0029】このCr系合金下地層13の上に、中間層
14を成膜する。中間層14には、hcp構造を有する
Co基合金を用い、このCo基合金は、Cr、Ta、M
o、Mn、Re及びRuからなる群から少なくとも1つ
選択した元素を含むことが好ましい。これにより、磁性
層15のc軸の面内方向への結晶配向性をさらに向上さ
せることができる。ここで、中間層14の膜厚は0.3
nmから5nmの範囲から選択することが好ましい。中
間層14の膜厚が0.3nmより薄いと中間層14の結
晶性が十分でなく磁性層15のc軸の面内方向への結晶
配向性が向上されず、また、中間層14の膜厚が5nm
より厚いと記録再生分解能の低下を招くからである。本
実施例では、CoCrTaを用い、1nm成膜した。
【0030】この中間層14の上に、記録層として磁性
層15を成膜する。この磁性層15には、CoCrPt
系合金、たとえばCoCrPtのみならず、CoCrP
tにTa及びBなどを添加したCoCrPtTa又はC
oCrPtBなどに、標準電極電位が陰性の元素及びP
t以外の白金族元素からなる群から選択された少なくと
も1つの添加元素を含む磁性材料を用いる。ここで、標
準電極電位が陰性の元素とは、例えばP、Li、Rb、
K、Cs、Ba、Sr、Ca、Na、La、Ce、M
g、Th、Be、U、Al、Ti、Mn、Zn、Fe、
Cd、Tl、Ni、Sn、Pb及びSである。また、P
t以外の白金族元素とは、例えばRu、Os、Rh、I
r及びPdである。より好ましい添加元素は、化学反応
性に乏しいPt以外の白金族元素、例えばRu、Os、
Rh、Ir及びPdである。
【0031】上記添加元素の添加量は、磁性層の磁性材
料全体を100at%としたときに、0.01から30
at%であることが望ましい。この添加量が30at%
を超えると磁性層のCoの含有量が70at%より低下
することとなり、磁性層が磁性の性質を失うからであ
る。また、添加元素の添加量は1at%から30at%
であることが好ましい。添加元素の添加量が1at%未
満では、十分な耐食性を得ることができず、30at%
を超えると、磁性層が磁性の性質を失うからである。
【0032】本実施例では、CoCrPtBにPを5a
t%添加したCoCrPtBPを用いて、磁性層15
を成膜した。tBr(磁性層膜厚と残留磁化の積)が
6.0nTmになるように成膜した。
【0033】次いで、磁性層15の上に保護膜16を成
膜する。保護膜16はカーボンを主成分とし、水素、窒
素などを添加した膜である。ここで保護膜16の膜厚は
0.5nmから10nmである。本実施例においては、
DLC(水素化カーボン)保護膜を0.5nmから10
nmの範囲から適宜選択した膜厚で成膜した。
【0034】保護膜16の上に潤滑膜17を形成する。
潤滑膜17には、有機物潤滑剤からなる。潤滑膜17の
膜厚は1.0nmとした。
【0035】また、磁性層15をCoCrPtBにIr
を5at%添加したCoCrPtBIrを用いて、他
は上記の磁気記録媒体と同一の条件で磁気記録媒体を作
製した。
【0036】(第2実施例)図2は本発明の第2実施例
に係る磁気記録媒体20の積層構成を示した図である。
本実施例は、記録層として2つの磁性層25,27とこ
の磁性層間に1つの非磁性結合層26を設けたものであ
る。
【0037】この磁気記録媒体20は、上記磁気記録媒
体10の基板11と同様に形成される基板21上に、下
からCr及びCrMoによる2層の下地層22、23、
CoCrTa中間層24、CoCrPtB磁性層25、
Ru非磁性結合層26及びCoCrPtBP磁性層2
7、DLC保護膜28及び潤滑膜29が順次積層した構
造を有する。ここで、記録層は、CoCrPtB磁性層
25、Ru非磁性結合層26及びCoCrPtBP磁性
層27からなる。Ru非磁性結合層26の膜厚を適切な
範囲に選定すると、磁性層25と磁性層27が反強磁性
的に結合され、磁性粒子径を増加させることなく実効的
な磁性粒子体積を増加させることが可能となり、その結
果、磁気記録媒体に書き込まれた記録ビットの熱的安定
性が向上する。かかる発明は、例えば特開2001−5
6925号公報に開示されているものである。
【0038】次に、図2に示した本発明の第2実施例に
係る磁気記録媒体20の好ましい製造例を説明する。
【0039】磁気記録媒体20を構成するもののうち、
基板21、Cr及びCrMoによる2層の下地層22、
23、CoCrTa中間層24及、DLC保護膜28及
び潤滑膜29は第1実施例の磁気記録媒体10と同様に
製造できる。
【0040】また、CoCrTa中間層24の上に、磁
性層25を成膜する。磁性層25にはCoCrPtを用
いる。勿論、第1実施例の磁性層と同じ磁性材料を用い
てもよい。本実施例ではCoCrPtB磁性層を5nm
成膜した。
【0041】この磁性層25の上に、非磁性結合層26
を成膜する。非磁性結合層26はRu、Cr、Ru合
金、Cr合金等からなる。具体的には非磁性結合層26
は0.4nmから1.0nmの範囲から選択することが
好ましい。このような範囲に選定することにより磁性層
25及び磁性層27が反強磁性的に結合し、両磁性層の
磁化方向が互いに反平行になるからである。本実施例で
は、Ruを0.8nm成膜した。
【0042】この非磁性結合層26の上に磁性層27を
成膜する。この磁性層27は前述した第1実施例の磁性
層15と同様のものである。本実施例では、CoCrP
tBにPを5at%添加したCoCrPtBPを用い
て、tBrが6.0nTmになるように成膜した。ま
た、磁性層27にCoCrPtBにIrを5at%添加
したCoCrPtBIrを用いて、磁気記録媒体を本
実施例と同様に作製した。
【0043】図3は、本発明によらない比較例の磁気記
録媒体30の積層構成を示した図である。この磁気記録
媒体30は、第1実施例に係る磁気記録媒体10の基板
11と同様に形成される基板31上に、下からCr及び
CrMoによる2層の下地層32、33、CoCrTa
中間層34、CoCrPtB磁性層35及びDLC保護
膜36が順次積層された構造を有する。この比較例の磁
気記録媒体30は、磁性層35の磁性材料がCoCrP
tBである点を除き、第1実施例の磁気記録媒体10と
同一である。
【0044】次に、前記磁気記録媒体に対して次に示す
ような耐食性試験を行って評価した。その試験方法は、
3%の硝酸溶液0.5mlを磁気記録媒体の表面の4箇
所に滴下して、1時間放置し、滴下した磁気記録媒体表
面の硝酸溶液中に溶出したCoイオン質量をICP−M
S(Inductively Coupled Plasma Mass Spectroscopy:
ICP質量分析法)で測定し、摘出した硝酸溶液中のC
oイオン質量(Co溶出量)により合否を判定するもの
である。上述したように、腐食は磁気記録媒体の保護膜
表面に吸着等した水分に含まれる水素イオン等の還元と
磁性層に含まれるCoの酸化により、Coが水分中に溶
出する現象であるので、この試験法により磁気記録媒体
の耐食性を的確に判定することができるものである。
【0045】測定結果の判定基準として、Co溶出量が
2.5μg/m以下を合格、2.5μg/mを超え
る場合を不合格とした。
【0046】図4は本発明の第1実施例に係る磁気記録
媒体及び比較例に係る磁気記録媒体について、Co溶出
量とDLC保護膜の膜厚との関係を示した図である。図
4によれば、比較例に係るCoCrPtB磁性層の磁気
記録媒体は、DLC保護膜の膜厚が3nm以下は不合格
であるのに対して、第1実施例に係るCoCrPtBI
n磁性層の磁気記録媒体及び第1実施例に係るCoCr
PtBP磁性層の磁気記録媒体は、DLC保護膜の膜厚
が0.5nm以上は合格である。
【0047】図5は本発明の第1及び第2実施例に係る
磁気記録媒体及び比較例に係る磁気記録媒体のCo溶出
量とDLC保護膜の膜厚の関係を示した図である。図5
によれば、第1及び第2実施例に係るCoCrPtBI
r磁性層の及びCoCrPtBP磁性層の磁気記録媒体
は、DLC保護膜の膜厚が0.5nm以上で合格であ
る。
【0048】したがって、第1及び第2実施例の磁気記
録媒体は記録層の耐食性が向上しているので、保護膜を
薄膜化することができる。この結果、磁気スペーシング
の低減が可能となり、高密度記録可能な磁気記録媒体を
得ることができる。
【0049】次に、本発明になる磁気記憶装置の一実施
例を図6及び図7と共に説明する。図6は、磁気記憶装
置120の一実施例の要部を示す断面図であり、図7
は、磁気記憶装置の一実施例の要部を示す平面図であ
る。
【0050】図6及び図7に示すように、磁気記憶装置
120は大略ハウジング123からなる。ハウジング1
23内には、モータ124、ハブ125、複数の磁気記
録媒体126、複数の記録再生ヘッド127、複数のサ
スペンション128、複数のアーム129及びアクチュ
エータユニット121が設けられている。磁気記録媒体
126は、モータ124より回転されるハブ125に取
り付けられている。記録再生ヘッド127は、MR(磁
気抵抗効果型)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果型)素
子、又はTMR(トンネル磁気効果型)素子の再生ヘッ
ドと薄膜ヘッドの記録ヘッドとの複合型ヘッドからな
る。各記録再生ヘッド127は対応するアーム129の
先端にサスペンション128を介して取り付けられてい
る。アーム129はアクチュエータユニット121によ
り駆動される。この磁気記憶装置の基本構成自体は周知
であり、その詳細な説明は本明細書では省略する。
【0051】磁気記憶装置120の本実施例は、磁気記
録媒体126に特徴がある。各磁気記録媒体は図1及び
図2とともに説明した、上記記録媒体の第1実施例及び
第2実施例の構造を有する。勿論磁気記録媒体126の
枚数は3枚に限定されず、1枚でも、2枚又は4枚以上
であっても良い。
【0052】磁気記憶装置120の基本構成は、図6及
び図7に示すものに限定されるものではない。本発明で
用いる磁気記録媒体126は、磁気ディスクに限定され
ない。
【0053】以上、本発明の好ましい実施例について詳
述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨
の範囲内において、種々の変形・変更が可能であること
は、言うまでもない。
【0054】なお、以上の説明に関して更に以下の付記
を開示する。 (付記1)基板と、該基板の上方に設けられた記録層
と、保護膜とを少なくとも含む磁気記録媒体であって、
前記記録層は、少なくとも1つの磁性層を含み、前記磁
性層は、CoCrPt系合金と、標準電極電位が陰性の
元素及びPt以外の白金族元素からなる群から選択され
た少なくとも1つの添加元素を含むことを特徴とする磁
気記録媒体。 (付記2)付記1に記載の磁気記録媒体において、前記
磁性層は、前記添加元素を0.01から30at%含む
ことを特徴とする磁気記録媒体。 (付記3)付記1又は2に記載の磁気記録媒体におい
て、前記記録層は、複数の磁性層を含み、該磁性層間に
非磁性結合層を備えたことを特徴とする磁気記録媒体。 (付記4)付記1から3のいずれか1項に記載の磁気記
録媒体において、前記保護膜の膜厚は0.5nmから1
0nmであること特徴とする磁気記録媒体。 (付記5)付記1から4のいずれか1項に記載の磁気記
録媒体において、前記磁性層は、CoCrPt系合金
と、P、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Ba、Sr、
Ca、Ti、Mn、Fe、Ni及びLaからなる群から
選択された少なくとも1つの添加元素を含むことを特徴
とする磁気記録媒体。 (付記6)付記1から5のいずれか1項に記載の磁気記
録媒体を備えたことを特徴とする磁気記憶装置。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、本発明によれば、磁気記録媒体の耐食性を向上させ
ることにより、保護膜の薄膜化を図って磁気スペーシン
グを低減し、信頼性の高い高密度記録を行える磁気記録
媒体を実現できる。また、かかる磁気記録媒体を備える
ことにより、大記憶容量の磁気記憶装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る磁気記録媒体の積層
構成を示した図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る磁気記録媒体の積層
構成を示した図である。
【図3】本発明によらない比較例に係る磁気記録媒体の
積層構成を示した図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る磁気記録媒体及び比
較例に係る磁気記録媒体についてCo溶出量とDLC保
護膜の膜厚との関係を示した図である。
【図5】本発明の第1、第2実施例及び比較例に係る磁
気記録媒体のCo溶出量とDLC保護膜の膜厚の関係を
示した図である。
【図6】磁気記憶装置の一実施例の要部を示す断面図で
ある。
【図7】図6に示す磁気記憶装置の要部を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
10 磁気記録媒体 11 基板 15 磁性層 16 保護膜 26 非磁性結合層 120 磁気記憶装置
フロントページの続き (72)発明者 菊池 暁 山形県東根市大字東根元東根字大森5400番 2(番地なし) 株式会社山形富士通内 Fターム(参考) 5D006 AA02 AA05 BB02 BB06 BB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板の上方に設けられた記録
    層と、保護膜とを少なくとも含む磁気記録媒体であっ
    て、 前記記録層は、少なくとも1つの磁性層を含み、 前記磁性層は、CoCrPt系合金と、標準電極電位が
    陰性の元素及びPt以外の白金族元素からなる群から選
    択された少なくとも1つの添加元素を含むことを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記磁性層は、前記添加元素を0.01から30at%
    含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の磁気記録媒体に
    おいて、 前記記録層は、複数の磁性層を含み、該磁性層間に非磁
    性結合層を備えたことを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    磁気記録媒体において、 前記保護膜の膜厚は0.5nmから10nmであること
    特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    磁気記録媒体を備えたことを特徴とする磁気記憶装置。
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