JP2006053300A - 液浸露光用保護膜形成組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 酸価が2.0〜8.0ミリ当量/gの水不溶性かつアルカリ可溶性である樹脂を含有することを特徴とする液浸露光用保護膜形成組成物及び該組成物を用いたパターン形成方法。
【選択図】 なし
Description
(解像力)=k1・(λ/NA)
(焦点深度)=±k2・λ/NA2
ここでλは露光光源の波長、NAは投影レンズの開口数、k1及びk2はプロセスに関係する係数である。
この「液浸の効果」はλ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、前述の解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。
これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
特許文献4(特開平10−303114号公報)には、液浸液の屈折率変化が露光機の波面収差による投影像の劣化を引き起こすため液浸液の屈折率制御が重要であることが指摘され、液浸液の屈折率の温度係数をある範囲に制御することや、好適な液浸液として、表面張力を下げる、または、界面活性度を増加させるような添加剤を添加した水が開示されている。しかしながら、添加剤の開示や液浸露光技術に適するレジストに関してはやはり論じてはいない。
(J.Vac.Sci.Tecnol.B,17(1999))等で報告されている。ArFエキシマレーザーを光源とする場合は、取り扱い安全性と193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmでにおける屈折率1.44)が液浸液として最も有望であると考えられている。
F2エキシマレーザーを光源とする場合は、157nmにおける透過率と屈折率のバランスからフッ素を含有する溶液が検討されているが、環境安全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ見出されていない。液浸の効果の度合いとレジストの完成度から液浸露光技術はArF露光機に最も早く搭載されると考えられている。
液浸露光においては、レジスト膜と光学レンズの間を浸漬液(液浸液ともいう)で満たした状態で、フォトマスクを通して露光し、フォトマスクのパターンをレジスト膜に転写する。このとき、液浸液がレジスト膜内部に浸透することにより、結像しなくなる場合がある(非特許文献3)。また、レジスト膜中から液浸液へ有機物等が溶出することにより、液浸液中に不純物が混入し、レンズや露光装置を汚染するため、露光の妨げになることが予想される。
しかしながら、トップコートに用いられる素材として充分な性能が得られているものは知られていない。
(1)酸価が2.0〜8.0ミリ当量/gの水不溶性かつアルカリ可溶性である樹脂を含有することを特徴とする液浸露光用保護膜形成組成物。
(2)さらに、界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)に記載の液浸露光用保護膜形成組成物。
(3)固形分濃度が1〜5質量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の液浸露光用保護膜形成組成物。
(4)該樹脂中の分子量3000以下の化合物が5質量%以下である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液浸露光用保護膜形成組成物。
(6)該保護膜の形成が、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の保護膜形成組成物を塗布し、60〜100℃で加熱して行われることを特徴とする上記(5)に記載のパターン形成方法。
本発明の液浸露光用保護膜形成組成物は、酸価が2.0〜8.0ミリ当量/gの水不溶性かつアルカリ可溶性である樹脂(以下、樹脂(X)ともいう)を含有する。
フルオロアルコール基は少なくとも1つの水酸基が置換したフルオロアルキル基であり、炭素数1〜10個のものが好ましく、炭素数1〜5個のものが更に好ましい。フルオロアルコール基の具体例としては、例えば、−CF2OH、−CH2CF2OH、−CH2CF2CF2OH、−C(CF3)2OH、−CF2CF(CF3)OH、−CH2C(CF3)2OH、等を挙げることができる。フルオロアルコール基として特に好ましいのは、−C(CF3)2OHである。
酸価は、化合物を中和するのに要する水酸化カリウムの量(mg)の測定によるものである。
樹脂(X)の合成に際し、モノマーが有する酸基の数、モノマーの分子量、モノマーの組成比などを調整し、樹脂が有する酸基の数を制御することで、所望の酸価の樹脂を得ることができる。
酸基としては、例えば、上記でアルカリ可溶性基として例示したものが挙げられる。
より具体的には、下記一般式(I)〜(VI)のいずれかで表される繰り返し単位を含有する樹脂を挙げることができる。
R1としての有機基は、好ましくは炭素数3〜20であり、より好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。
R2としての有機基は、式(I)におけるR1としての有機基と同様である。
R3としてのアルカリ可溶性基は、前述したものと同様である。
R4としての有機基は、好ましくは炭素数1〜20であり、より好ましくは炭素数1〜6であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。
R4の有機基が有してもよい好ましい置換基として、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を挙げることができる。
R5としてのアルカリ可溶性基は、式(II)におけるR3としてのアルカリ可溶性基と同様である。
R5としての有機基は式(I)におけるR1としての有機基と同様である。
X8及びX9としてのフッ素化アルキル基は、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3であり、フッ素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは3〜8である。
R3及びR5としてのアルカリ可溶性基は、カルボン酸基、フッ素化アルコール基が好ましい。
一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(X)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(X)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
一般式(IV)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(X)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%である。
一般式(V)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(X)を構成する全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
一般式(VI)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(X)を構成する全繰り返し
単位に対して、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%である。
また、樹脂(X)がアルカリ可溶性であることで、保護膜の剥離工程を別段設けることなく、アルカリ現像にて容易に保護膜を溶解除去することが可能となる。
少しない性質をいう。
例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は通常20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
その他、市販の各種樹脂も利用可能である。
溶出物の阻止などの点から、樹脂(X)中の単量体などの分子量3000以下の化合物(低分子成分)は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下である。
樹脂中の低分子成分の含有量はNMRまたはGPCにより測定することができる。
本発明の液浸露光用保護膜形成組成物は、通常、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解し
て調製する。溶剤は、レジストとの混和を避けるため、レジストで使用する有機溶剤とは異なることが好ましい。また、液浸液への溶出防止の観点からは、非水溶性であることが好ましい。また、沸点100℃〜200℃の溶剤が好ましい。
本発明において、溶剤は一種または複数を混合して用いてもよい。
・ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、デカリン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ジペンテン、ナフタレン、ジメチルナフタレン、シメン、テトラリン、ビフェニル、メシチレン等の炭化水素系溶剤;
・塩化メチレン、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶剤;
・アミルアルコール、イソアミルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、3−ヘプタノール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ノナノール、ネオペンチルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール;
・アセトニトリル、イソプロパノールアミン、エチルへキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジ−n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリプロピルアミン等の含窒素溶剤;
・蟻酸、酢酸、酪酸、イソ酪酸、イタコン酸、プロピオン酸等のカルボン酸系溶剤;
・無水酢酸、無水プロピオン酸、無水イタコン酸等の酸無水物系溶剤;
・その他、アニソール、ジオキサン、ジオキソラン、ジブチルエーテル、エチル−n−ブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、エチレングリコール、ジグリシジルエーテル、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メトキシブタノール、テトラヒドロフラン、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチル、N,N−ジメチルアセトアミド。
本発明の保護膜形成組成物は、更に界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。上記界面活性剤を含有することにより、ストリエーションの発生が抑えられ、塗布均一性が向上に寄与する。
公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
オレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の液浸露光用保護膜形成組成物中の、上記の樹脂、界面活性剤などの全固形分の濃度は1〜5質量%であることが好ましい。
本発明の液浸露光用保護膜形成組成物は、レジスト膜上に塗布されるなどして保護膜を形成し、レジスト膜内部への液浸液の浸透、および、レジスト膜成分の液浸液への溶出を防ぐものである。塗布の手段は適用するプロセスにあわせて適宜設定され、特に限定されるものではなく、スピンコート等の手段を用いることができる。
また、保護膜からの溶出物により液浸液やレンズが汚染されることを防ぐため、保護膜からの溶出量は少ないことが好ましい。
保護膜の屈折率は、解像性の観点からレジスト膜の屈折率に近いことが好ましい。屈折率の調整は、保護膜形成組成物の成分、とくに樹脂の組成、繰り返し単位の比率を制御することで行うことができる。
保護膜形成組成物は、保護膜を形成する際に均一に塗布できるものが好ましい。塗布性(塗布均一性)は、溶剤の種類や、界面活性剤等や他の添加剤を適宜選択し、その添加量を調整することで改善できる。
本発明の液浸露光用保護膜形成組成物は、通常、上記の成分を溶剤に溶解し、基板上のレジスト膜上に塗布して用いる。
すなわち、液浸露光用レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。この際、基板上に適宜反射防止膜を設けた上でレジスト膜を形成することも好ましい。塗布後、スピンまたはベークにより乾燥し、レジスト膜を形成する。
さらに、レジスト組成物と同様に、レジスト膜上にスピナー、コーター等を用いて液浸露光用保護膜形成組成物を塗布、スピンまたはベークにより乾燥し、保護膜を形成する。 なお、ベーク温度は60〜100℃が好ましい。
露光後はベークを行うことが好ましく、ベーク温度は、通常30〜300℃である。露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化の観点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
水の電気抵抗は、18.3Mオーム・cm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は、20ppb以下であることが望ましい。また、脱気処理をしてあることが望ましい。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水、または純水に界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
ストは、通常、ベースポリマー、光酸発生剤、架橋剤の3成分系のものが用いられる。そして、レジスト露光時、その露光部において、光照射により発生した酸が架橋反応を起させ、現像液に対する溶解性を低下させるよう作用する。一方、ポジ型の化学増幅型レジストは、通常、溶解抑止機能をもつ保護基でブロックされた部位をもつベースポリマーと光酸発生剤を含む2成分系のものと、ベースポリマー、酸発生剤、溶解抑止剤の3成分系のものとがある。そして、レジスト露光時、その露光部において、光照射により発生した酸がポリマーの保護基を外して現像液に対する溶解性を高めるように作用する。
メタクリル酸、n−ヘキサンメタクリル酸エステルを50/50(モル比)の割合で仕込み、テトラヒドロフランに溶解し、固形分濃度20質量%の溶液130gを調製した。 この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−65(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))を20mol%加え、これを窒素雰囲気下、2時間かけて65℃に加熱したテトラヒドロフラン10gに滴下した。滴下終了後、反応液を4時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン溶媒1Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂1を12g得た。GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は9000、分散度(Mw/Mn)は1.8であった。
樹脂3及び4はモノマーを変更する点以外は、上記と同様の方法で合成した。
樹脂5(クレゾールノボラック樹脂)は住友ベークライト(株)製PR−54046を使用した。
酢酸ビニル、酢酸1−トリフルオロメチルビニルを50/50(モル比)の割合で120g仕込み、これを窒素雰囲気下、65℃に加熱、攪拌した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−65(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))を3mol%加え、更に12時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン溶媒500mlに晶析、析出した白色粉体を濾取し、下記樹脂6aを67g得た。
1Lオートクレーブ中に5−(2−ヘキサフルオロイソプロパノール)ノルボルネン26gの1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン150ml溶液を入れ、窒素雰囲気下200psiに加圧した。更にテトラフルオロエチレン20g(0.20モル)を注入し、撹拌下、50℃に加熱した。この反応液にジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1.2gの1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン15ml溶液を20分かけて注入し、更に20時間撹拌を続けた。反応終了後、反応液をメタノール2L中に激しく撹拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。得られた粉体のGPC測定による重量平均分子量は6000、分散度は1.4であった。また、1H−NMR、13C−NMRおよび19F−NMR解析によるテトラフルオロエチレン/5−(2−ヘキサフルオロイソプロパノール)ノルボルネンのモル組成比は50/50であった。
下記モノマー(A)72gをトルエン500mlに溶解し、窒素雰囲気下、室温にて攪拌しているところに、三フッ化ホウ素酸0.1mlを加え、そのまま6時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン溶媒1Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂8を65g得た。GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は20000、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。
比較樹脂C1〜C4は、モノマーの仕込み比と開始剤の量を変更し、樹脂1又は3と同様にして合成した。
<保護膜形成組成物の調製>
下記表2に示す成分を溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル)に溶解させ固形分濃度10質量%の溶液を調製し、これを孔径0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過して保護膜形成組成物を調製した。調製した保護膜形成組成物を下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
保護膜形成組成物をシリコンウェハー上に塗布、乾燥後、膜厚を測定した。その後、純水に23℃で10分間浸漬、乾燥させて再び膜厚を測定した。このときの初期膜厚との差を評価した。膜が水に溶解するとき膜厚は減少し、水で膨潤すると膜厚が増加する。絶対値が小さいほど、水不溶適性がある。
〔アルカリ剥離適性〕
保護膜形成組成物をシリコンウェハー上に膜厚が100nmになるように塗布した。これを乾燥し、アルカリ現像液に23℃で浸漬後、乾燥させて再び膜厚を測定した。5秒以内に膜厚がゼロになるものを、アルカリ剥離適性○、5秒以内に溶解しないものを×とする。
保護膜形成組成物をシリコンウェハー上に膜厚が50nmとなるように塗布。乾燥後、保護膜を光学顕微鏡によって観察し、濡れ残り及びストリエーションの発生を目視にて観察し、非常に顕著であった場合を×、若干観察された場合は△、ほとんど観察されなかった場合を○、全く観察されなかった場合を◎とした。
尚、ストリエーションとは、ウェハー中心より放射状に筋状の模様が現れる現象をいい、塗布膜厚の薄い部分と厚い部分とが放射状の筋に交互に分布している現象である。
保護膜形成組成物をシリコンウェハー上に膜厚が50nmとなるように塗布。乾燥後、保護膜の膜厚値をアルファーステップ−100(TENVCOR社製)でシリコンウェハー上の任意の10ポイントにおいて測定した。その測定値のターゲットの膜厚に対する分散を塗布均一性の指標とした。
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
<画像形成評価>
シリコンウェハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に表3に記載のレジストを塗布し、115℃、60秒ベークを行い膜厚200nmのレジスト膜を形成した。実施例9〜20においてはさらに、表3に示す成分を含有する保護膜形成組成物(固形分濃度4質量%)を塗布し、90℃、60秒ベークを行い膜厚30nmの保護膜を形成した。尚、比較例5〜8では保護膜を形成しないものを作製した。
得られたパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)にて観察し、全く倒れていないものを○、全て倒れてしまっているものを×として、評価した。また、パタ
ーンプロファイルを観察した。
尚、図1に示す装置に於いて、1はレーザー、2は絞り、3はシャッター、4、5、6は夫々反射ミラー、7は集光レンズ、8はプリズム、9は液浸液、10は反射防止膜、レジスト膜、保護膜を設けたウェハー(但し、比較例5〜8では保護膜は設けない)、11はウェハーステージを示す。
〔溶剤〕
SL−1:アイソパーG
SL−2:ヘキサフルオロベンゼン
SL−3:パーフルオロブチルテトラヒドロフラン
SL−4:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
PR1:特開2000−275845号公報の実施例1に記載のレジスト組成物、すなわち、下記樹脂P−1(重量平均分子量約1万)10質量部、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート(みどり化学社製"TPS-109"))0.2質量部、塩基性化合物(2,6−ジイソプロピルアニリン)0.015質量部、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47.5質量部とγ-ブチロラクトン2.5質量部)を含有するレジスト組成物。
また、実施例9において、保護膜形成組成物の塗布後の加熱を120℃にて行い保護膜の形成を行い評価したところ、パターンの一部が倒れた。
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸液
10 反射防止膜、レジスト膜、保護膜を設けたウェハー
11 ウェハーステージ
Claims (6)
- 酸価が2.0〜8.0ミリ当量/gの水不溶性かつアルカリ可溶性である樹脂を含有することを特徴とする液浸露光用保護膜形成組成物。
- さらに、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の液浸露光用保護膜形成組成物。
- 固形分濃度が1〜5質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液浸露光用保護膜形成組成物。
- 該樹脂中の分子量3000以下の化合物が5質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の液浸露光用保護膜形成組成物。
- レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に請求項1〜4のいずれかに記載の保護膜形成組成物により保護膜を形成し、該レジスト膜を該保護膜を介し、液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
- 該保護膜の形成が、請求項1〜4のいずれかに記載の保護膜形成組成物を塗布し、60〜100℃で加熱して行われることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
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