JP2007241109A - 保護膜形成組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

保護膜形成組成物及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液浸液の透過率が低下せず、レジストプロファイルが劣化しない、液浸露光に好適な保護膜形成組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
【解決手段】レジスト膜上に設けられる保護膜を形成する保護膜形成組成物であって、(A)少なくとも1つの珪素原子を有する樹脂と、(B)前記レジスト膜を溶解しない非水溶性有機溶媒を含有することを特徴とする保護膜形成組成物及び該組成物を用いた液浸露光パターン形成方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにはその他のフォトアプリケーションのリソグラフィー工程に使用される保護膜形成組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。特に波長が300nm以下の遠紫外線光を光源とする液浸式投影露光装置で露光するために好適な液浸露光用保護膜形成組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
半導体素子の微細化に伴い露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では193nm波長を有するArFエキシマレーザーを光源とするNA0.8
4の露光機が開発されている。これらは一般によく知れている様に次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ/NA)
(焦点深度)=±k2・λ/NA2
ここでλは露光光源の波長、NAは投影レンズの開口数、k1及びk2はプロセスに関係する係数である。
更なる波長の短波化による高解像力化のために157nmの波長を有するF2エキシマ
レーザーを光源とする露光機が検討されているが、短波長化のために露光装置に使用するレンズ素材とレジストに使用する素材が非常に限定されるため、装置や素材の製造コストや品質安定化が非常に困難であり、要求される期間内に十分な性能と安定性を有する露光装置及びレジストが間に合わない可能性が出てきている。
光学顕微鏡において解像力を高める技術として、従来から投影レンズと試料の間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、所謂、液浸法が知られている。
この「液浸の効果」はλ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の
屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、前述の解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
この効果を半導体素子の微細画像パターンの転写に応用した装置例としては、特許文献1(特開昭57−153433号公報)、特許文献2(特開平7−220990号公報)等があるが、液浸露光技術に適するレジストに関しては論じてはいない。
最近の液浸露光技術進捗が非特許文献1(SPIE Proc 4688,11(2002))、非特許文献2
(J.Vac.Sci.Tecnol.B 17(1999))、特許文献3(国際公開WO2004−077158号パンフレット)、特許文献4(国際公開WO2004−068242号パンフレット)等で報告されている。ArFエキシマレーザーを光源とする場合は、取り扱い安全性と19
3nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmにおける屈折率1.44)が液
浸液として最も有望であると考えられている。また、液浸液としてさらに高屈折率の媒体を用いて液浸露光すると高い解像力が得られることが知られている(非特許文献3(日経マイクロデバイス、2005年、3月号))。
KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うためにレジストの画像形成方法として化学増幅という画像形成方法が用いられている。ポジ型の化学増幅の画像形成方法を例に挙げ説明すると、露光で露光部の酸発生剤が分解し酸を生成させ、露光後のベーク(PEB:PostExposureBake)でその発生酸を反応触媒として利用してアルカリ不溶の基をアルカリ可溶基に変化させ、アルカリ現像により露光部を除去する画像形成方法である。
化学増幅レジストを液浸露光に適用すると、露光時にレジスト層が浸漬液と接触することになるため、レジスト層が変質することや、レジスト層から浸漬液に悪影響を及ぼす成分が滲出することが指摘されている。特許文献4(際公開WO2004−068242号パンフレット)では、ArF露光用のレジストを露光前後に水に浸すことによりレジスト性能が変化する例が記載されており、液浸露光における問題と指摘している。
このような問題を回避する解決策として、レジストとレンズの間に保護膜(以下、「トップコート」あるいは「オーバーコート」ともいう)を設けて、レジストと水が直接触れ合わないようにするという方法が知られている(例えば特許文献5(国際公開WO2004−074937号ンフレット)、特許文献6(国際公開WO2005−019937号ンフレット))。
しかしながら、トップコートに用いられる素材として十分な性能は得られていない。例えば、従来の反射防止膜を保護膜として液浸露光すると、液浸液の追随性低下とプロファイル劣化という問題点があり、改善が必要であった。
特開昭57−153433号公報 特開平7−220990号公報 国際公開WO2004−077158号パンフレット 国際公開WO2004−068242号パンフレット 国際公開WO2004−074937号パンフレット 国際公開WO2005−019937号パンフレット 国際光工学会紀要 (Proc. SPIE), 2002年, 第4688巻, 第11頁 J.Vac.Sci.Tecnol.B 17(1999) 日経マイクロデバイス、2005年、3月号
本発明の目的は、上記の様な従来液浸露光技術の問題点に鑑み、液浸液の追随性が良好、かつ、レジストプロファイルが劣化しない、液浸露光に好適な保護膜形成組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、下記構成の保護膜形成組成物及びそれを用いたパターン形成方法であり、これにより本発明の上記課題が解決される。
(1)レジスト膜上に設けられる保護膜を形成する保護膜形成組成物であって、(A)少なくとも1つの珪素原子を有する樹脂と、(B)前記レジスト膜を溶解しない非水溶性有機溶媒を含有することを特徴とする保護膜形成組成物。
(2)溶媒(B)が、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、フッ素系溶剤のいずれかを含むことを特徴とする上記(1)に記載の保護膜形成組成物。
(3)さらに、界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の保護膜形成組成物。
(4)樹脂(A)が、アルカリ現像液に溶解する樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の保護膜形成組成物。
(5)レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に上記(1)〜(4)のいずれかに記載の保護膜形成組成物により保護膜を形成し、該積層物を液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
(6)純水を介して液浸露光することを特徴とする上記(5)に記載のパターン形成方法。
本発明の保護膜形成組成物によって、アルカリ現像液により剥離が可能であり、液浸露光によるパターン形成において、液浸液の透過率が低下せず、レジストプロファイルが劣化しない、液浸露光に好適な保護膜形成組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔1〕少なくとも1つの珪素原子を有する樹脂
本発明の保護膜形成組成物は、少なくとも1つの珪素原子を有する樹脂(以下、樹脂(A)ともいう)を含有する。
樹脂(A)における珪素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
樹脂(A)としては、例えば、アクリル系またはメタクリル系、スチレン系、ノボラック樹脂系、シロキサン系、オルガノシリル系樹脂を挙げることができる。
より具体的には、下記一般式(C−I)〜(C−III)のいずれかで表される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種を含有する樹脂を挙げることができる。
Figure 2007241109
一般式(C−I)〜(C−III)中、
1〜R3は、各々独立に、水素原子、または直鎖もしくは分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
1〜W2は、各々独立に、珪素原子を含有する有機基を表す。
4〜R5は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)またはシクロアルキル基を表す。
1〜L2は、単結合または連結基を表す。
1〜L2の連結基としては、例えば、アルキレン基、フェニル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
Qは、単環もしくは多環の、脂環基または芳香環基を表す。
上記一般式(C−I)で表される繰り返し単位は、下記一般式(C−Ia)〜(C−Id)のいずれかで表される繰り返し単位であることがさらに好ましい。
Figure 2007241109
10〜R11は、各々独立に、水素原子、または、直鎖もしくは分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
3〜W6は、各々独立に、珪素原子を含有する有機基を表す。
1〜W6の珪素原子を含有する有機基は、炭素数1〜6のアルキル基が置換した、トリアルキルシリル基、または環状シロキサンであることが好ましい。具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2007241109
12〜R26は、各々独立に、炭素数1〜20個の、直鎖もしくは分岐アルキル基またはシクロアルキル基を表す。
3〜L5は、上記L1〜L2と同様のものが挙げられる。
樹脂(A)は、上記繰り返し構造単位とともに、他の繰り返し構造単位を含有することができる。他の繰り返し構造単位を形成する単量体として、例えばアクリル酸エステル類
、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、エチレン性化合物等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
以下、一般式(C−I)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。Xは水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2007241109
Figure 2007241109
以下、一般式(C−II)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007241109
以下、一般式(C−III)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007241109
樹脂(A)において、珪素原子の含有量は、樹脂(A)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位が、樹脂(A)中10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
樹脂(A)は、アルカリ現像液に溶解する樹脂であることが好ましい。具体的には、樹脂(A)中に、アルカリ可溶性基を含有する。
アルカリ可溶性基としては、たとえば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスル
ホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基を有する基等が挙げられる。
フッ素化アルコール基は少なくとも1つの水酸基が置換したフルオロアルキル基であり、炭素数1〜10個のものが好ましく、炭素数1〜5個のものが更に好ましい。フルオロアルコール基の具体例としては、例えば、−CF2OH、−CH2CF2OH、−CH2CF2CF2OH、−C(CF32OH、−CF2CF(CF3)OH、−CH2C(CF32OH、等を挙げることができる。フルオロアルコール基として特に好ましいのは、−C(CF32OHである。
樹脂(A)の合成に際し、モノマーが有するアルカリ可溶性基の数、モノマーの分子量、モノマーの組成比などを調整し、樹脂が有するアルカリ可溶性基の数を制御することで、所望のアルカリ現像液に溶解する樹脂を得ることができる。
アルカリ可溶性基の含有量は、酸価として1.5〜5.0ミリ等量/gであることが好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0ミリ等量/g、更に好ましくは、2.0〜3.0ミリ等量/gである。酸価は、化合物を中和するのに要する水酸化カリウムのmgを測定することにより求められる。酸価を調整する方法としては、酸基の数やモノマーの分子量、組成比をコントロールすることにより制御できる。
このような樹脂を用いることで、アルカリ現像液に対する溶解速度が50nm/秒より大きい保護膜とすることが好ましい。
樹脂(A)は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が既定値以下、例えばHPLC (High Permeation Liqid Chromatography) で0.1質量%等であることが好ましく、それによりレジストとしての感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができるだけでなく、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。
樹脂(A)は、各種市販品を利用することもできるし、常法により合成したものも使用できる。
例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は通常20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
また、樹脂(A)は、前記ラジカル重合に限らず、様々な方法で合成することができる。ラジカル重合のほか、たとえば、カチオン重合、アニオン重合、付加重合、環化重合、重付加、重縮合、付加縮合などによっても合成できる。
上記繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
樹脂(A)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は好ましくは1000〜100,000で、より好ましくは1000〜50,000、更に好ましくは3000〜20,000である。
分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は通常1〜5であり、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3の範囲のものが使用される。
本発明の保護膜形成組成物において、樹脂(A)の添加量は、レジスト組成物の溶剤を含む全量を基準として、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0質量%である。
また、樹脂(A)の配合量は、保護膜形成組成物の全固形分中60〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜100質量%である。
〔2〕溶剤
本発明の保護膜形成組成物は、少なくとも前記樹脂(A)をレジスト膜を溶解しない非水溶性有機溶媒(B)に溶解して調製する。
ここで、「前記レジスト膜を溶解しない」とは、レジスト膜が含有する樹脂を溶剤に溶解した溶液をシリコンウェハー上に塗布、乾燥後、溶媒(B)に23℃で1分間浸漬、乾燥させた後に膜厚測定を行った場合、膜厚が減少しない性質をいい、変化率([厚みの変化量/浸漬処理前の膜厚]×100%)として10%以下が好ましい。
レジスト膜を溶解しない非水溶性有機溶媒(B)としては、溶解度パラメータ(SP値)が、レジスト膜形成時に使用されたレジストが含有する溶媒よりも2〜5程度大きいものが好ましく、溶解度パラメータが2.5〜5、好ましくは3〜5、更に好ましくは3.5〜5大きいものがよい。
SP値は、溶解性を示す指標であり、一般に値が大きいほど親水的で、値が小さいほど疎水的であることを表す。SP値を化学構造から求める方法は1種類ではなく、Smallによる方法、Hanssenによる方法、Fedrosによる方法などが、J.Appl.Chem.,3,71(1953)、Chem.Rev.,75,731(1975)、Polym.Eng.Sci.,14,147(1974)に報告されている。本発明におけるSP値は、Fedrosによる方法を用いた。
非水溶性の点からは、SP値が小さい、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、フッ素系溶剤が好ましい。
非水溶性有機溶媒(B)は、好ましくは、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、フッ素系溶剤から選択される。例えば下記のものがあげられる。
炭化水素系溶剤としては芳香族炭化水素系溶剤と脂肪族炭化水素溶媒が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、ナフタレン、ジメチルナフタレン、シメン、テトラリン、ビフェニル、メシチレン等が挙げられる。脂肪族炭化水素系溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、デカリン、イソオクタン、イ
ソドデカン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ジペンテン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM((株)小倉興産製)、テレピン油、デカヒドロナフタリン、リモネン、ベンジン、キョーワゾールC−800、シェルゾール、アイソゾール、リグロイン(ゴードー工業(株)社製)等が挙げられる。露光光源がArF露光である場合には、ArFエキシマレーザー光(波長:193nm)に対する透明性の観点から、脂肪族炭化水素溶媒が好ましい。
ハロゲン化炭化水素溶剤としては、塩化メチレン、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等が挙げられる。
フッ素系溶剤としては、1,4−ジフルオロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン、テトラフルオロプロパノール、トリフルオロアセト酢酸エチル、パーフルオロヘプタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、パーフルオロブチルエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロポリエーテル類、フルオロフェノール類等が挙げられる。
溶剤は、沸点100℃〜200℃の溶剤が好ましい。
本発明において、溶剤は一種でもよいし、さらに別の溶剤を混合して用いてもよい。
また、さらに必要に応じ、保護膜形成用組成物は、界面活性剤およびその他の成分を含有することができる。以下にこれら各成分について説明する。
〔3〕界面活性剤
本発明の保護膜形成組成物は、更に界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。上記界面活性剤を含有することにより、ストリエーションの発生が抑えられ、塗布均一性が向上に寄与する。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新
秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファッ
クF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重
合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オ
キシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有
するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(
オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を
有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
また、本発明では、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の使用量は、保護膜形成組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明の保護膜形成組成物中の、上記の樹脂、界面活性剤などの全固形分の濃度は1〜5質量%であることが好ましい。
〔4〕保護膜
本発明の保護膜形成組成物は、レジスト膜上に塗布されるなどして保護膜を形成し、レジスト膜内部への液浸液の浸透、および、レジスト膜成分の液浸液への溶出を防ぐものである。塗布の手段は適用するプロセスにあわせて適宜設定され、特に限定されるものではなく、スピンコート等の手段を用いることができる。
保護膜は、露光光源に対して透明であることが好ましいという観点から、薄膜の方が好ましく、通常1nm〜300nm、好ましくは10nm〜150nmの厚さで形成される。膜の露光光透過率が好ましくは50%〜80%、より好ましくは60%〜70%となる膜厚であることが好ましい。露光光透過率は、樹脂の重合成分を調節するなどで調整できる。たとえば、樹脂が含有する芳香環の量を減らすことで、ArF光の透過率を高めることができる。
また、保護膜からの溶出物により液浸液やレンズが汚染されることを防ぐため、保護膜からの溶出量は少ないことが好ましい。
保護膜は、液浸液との親和性の観点から、液浸液の保護膜に対する接触角(23℃)が50度〜80度であることが好ましく、60度〜80度であることがより好ましい。接触角は酸基の量を調整したり、共重合成分の親疎水性を制御することで前記範囲に調整できる。
保護膜の屈折率は、解像性の観点からレジスト膜の屈折率に近いことが好ましい。屈折率の調整は、保護膜形成組成物の成分、とくに樹脂の組成、繰り返し単位の比率を制御することで行うことができる。
保護膜形成組成物は、保護膜を形成する際に均一に塗布できるものが好ましい。塗布性(塗布均一性)は、溶剤の種類や、界面活性剤等や他の添加剤を適宜選択し、その添加量を調整することで改善できる。
また、形成されたレジストパターンは導電性を有さないことが好ましいが、同様に、液浸露光用保護組成物は金属を含有しないことが好ましい。保護膜形成組成物が含有する金属量としては好ましくは100ppb以下、より好ましくは50ppb以下である。金属量は、使用する材料の純度向上や濾過等の通常の精製により抑制することができる。
保護膜形成組成物は、レジスト膜上へ塗布して膜を形成するため、レジスト膜と界面にて混合しないものであることが好ましい。
保護膜は、アルカリ現像液に対する溶解速度が50nm/秒より大きいことが好まし
く、50nm/秒を超え10000nm/秒以下がより好ましい。溶解速度は、リソテ
ックジャパン(株)製レジスト溶解速度解析装置(RDA790)を用いて、23℃にて、アルカリ現像液として、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム水溶液を使用して測定したもの。
〔5〕パターン形成方法
本発明の保護膜形成組成物は、通常、上記の成分を溶剤に溶解し、基板上のレジスト膜上に塗布して用いる。
すなわち、液浸露光用レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。この際、基板上に適宜反射防止膜を設けた上でレジスト膜を形成することも好ましい。塗布後、スピンまたはベークにより乾燥し、レジスト膜を形成する。
さらに、レジスト組成物と同様に、レジスト膜上にスピナー、コーター等を用いて液浸露光用保護膜形成組成物を塗布、スピンまたはベークにより乾燥し、保護膜を形成する。
なお、ベーク温度は60〜100℃が好ましい。
ついでパターン形成のためマスクなどを通し、液浸液を介して露光(液浸露光)する。
露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、好ましくは
スピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、パターンを得る。尚、本発明において、保護膜は、現像工程で現像液に溶解・剥離するため、別段剥離工程を設ける必要は無い。
露光後はベークを行うことが好ましく、ベーク温度は、通常30〜300℃である。露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化の観点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げら
れる。
使用することができる基板としては、通常のBareSi基板、SOG基板、あるいは、反射防止膜を有する基板等を挙げることができる。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−7115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点
が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3Mオーム・cm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は、20ppb以下であることが望ましい。また、脱気処理をしてあることが望ましい。
現像工程で用いるアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水、または純水に界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明の保護膜を用いる液浸露光において、レジストは、特に限定されず、通常使用されているものの中から任意に選ぶことができ、ポジ型、ネガ型のいずれのものでもよい。
レジストとしては、最近の超微細加工に適応し得る諸要求特性を充分備えたポジ型およびネガ型レジストが好適に使用でき、本発明では特に化学増幅型レジスト、更にはポジ型レジストを好ましく用いることができる。
化学増幅型レジストとしては、光等の活性エネルギー線により酸を発生するいわゆる酸発生剤を用いるものが代表的なものとして挙げられる。例えば、ネガ型の化学増幅型レジストは、通常、ベースポリマー、光酸発生剤、架橋剤の3成分系のものが用いられる。そして、レジスト露光時、その露光部において、光照射により発生した酸が架橋反応を起させ、現像液に対する溶解性を低下させるよう作用する。一方、ポジ型の化学増幅型レジストは、通常、溶解抑止機能をもつ保護基でブロックされた部位をもつベースポリマーと光酸発生剤を含む2成分系のものと、ベースポリマー、酸発生剤、溶解抑止剤の3成分系のものとがある。そして、レジスト露光時、その露光部において、光照射により発生した酸がポリマーの保護基を外して現像液に対する溶解性を高めるように作用する。
露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)である場合には、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶化する樹脂と光酸発生剤とを含む2成分系のものが好ましい。
特に、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶化する樹脂は、単環または多環の脂環炭化水素構造を有するアクリルまたはメタクリル系樹脂であることが好ましく、ラクトン残基、アダマンタン残基を有することがさらに好ましい。
尚、形成されたレジストパターンは導電性を有さないことが好ましいため、レジストは金属を含有しないことが好ましい。含有する金属量としては好ましくは100ppb以下、より好ましくは50ppb以下である。金属量は、使用する材料の純度向上や濾過等の通常の精製により抑制できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
〔合成例1:樹脂1の合成〕
アリルトリメチルシラン、2−トリフルオロメチルアクリル酸を50/50(モル比)の割合で120g仕込み、これをテトラヒドロフランに溶解し、窒素雰囲気下、65℃に加熱、攪拌した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−65(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))を3mol%加え、更に12時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン溶媒500mlに晶析、析出した白色粉体を濾取し、下記樹脂1を75g得た。
GPC (Gas Permeation Chromatography) 測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は4000、分散度(Mw/Mn)は1.5であった。
樹脂(2)〜(4)は樹脂(1)と同様に合成した。
Figure 2007241109
〔合成例2:樹脂5の合成〕
2−(トリメチルシリル)エチルメタクリル酸エステル、シクロヘキシルメタクリル酸エステルを50/50(モル比)の割合で仕込み、シクロヘキサノンに溶解し、固形分濃度20質量%の溶液130gを調製した。
この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−601を8mol%加え、これを窒素雰囲気下、2時間かけて65℃に加熱したシクロヘキサノン10gに滴下した。滴下終了後、反応液を4時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、メタノール溶媒1Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂5を35g得た。GPC測定に
より求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は9000、分散度(Mw/Mn)は1.8であった。
樹脂(6)〜(7)は樹脂(5)と同様に合成した。
Figure 2007241109
樹脂(9)を樹脂(1)と同様にして合成した。また、樹脂(10)(アルドリッチ製)を用いた。
Figure 2007241109
得られた樹脂の繰り返し単位の組成比(上記構造式における左からの繰り返し単位の順でのモル比)、重量平均分子量、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)を表1に示す。
Figure 2007241109
〔実施例1〜16及び比較例1〜2〕
<保護膜形成組成物の調製>
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度1.5質量%の溶液を調製し、これを孔径0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過して保護膜形成組成物を調製した。
<画像形成評価>
シリコンウェハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に表2に記載のレジストを塗布し、115℃、60秒ベークを行い膜厚200nmのレジスト膜を形成した。実施例1〜16については、さらに表2に示す成分を含有する保護膜形成組成物(固形分濃度4質量%)を塗布し、90℃、60秒ベークを行い膜厚20nmの保護膜を形成した。比較例1〜2については保護膜を形成しなかった。
こうして得られたウェハーを液浸液としては水を使用し、図1の装置で2光束干渉露光を行った。レーザーの波長は、193nmを用いた。130℃、60秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。90nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズムを使用し、レジストを走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)にて観察した。
尚、図1に示す装置に於いて、1はレーザー、2は絞り、3はシャッター、4、5、6は夫々反射ミラー、7は集光レンズ、8はプリズム、9は液浸液、10は反射防止膜、レジスト膜、保護膜を設けたウェハー(但し、比較例では保護膜は設けない)、11はウェハーステージを示す。
〔液浸液の追随性〕
シリコンウエハー上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、130℃で60秒間ベークを行い、160nmのレジスト膜を形成した。次に、図1に示すように、得られたポジ型レジスト組成物を塗布したウェハー1と石英ガラス基板3との間に純水2を満たした。
この状態にて石英ガラス基板3をレジスト塗布基板1の面に対して平行に移動(スキャン)させ、それに追随する純水2の様子を目視で観測した。石英ガラス基板3のスキャン速度を徐々に上げていき、純水2が石英ガラス基板3のスキャン速度に追随できず後退側で水滴が残り始める限界のスキャン速度を求めることで液浸液追随性の評価を行った。この限界スキャン可能速度が大きいほど、より高速なスキャンスピードに対して純水(液浸
液)が追随可能であり、当該レジスト膜上での水追随性が良好であることを示す。
Figure 2007241109
表2における記号は以下のとおりである。
〔溶剤〕
SL1:アイソパーG((株)小倉興産製)
SL2:イソオクタン
SL3:シクロヘキサノン
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
〔レジスト〕
PR1:特開2000−275845号公報の実施例1に記載のレジスト組成物、すなわち、下記樹脂P−1(重量平均分子量約1万)10質量部、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート(みどり化学社製"TPS-109"))0.2質量部、塩基性化合物(2,6−ジイソプロピルアニリン)0.015質量部、溶剤(プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート47.5質量部とγ-ブチロラクトン2.5質
量部)を含有するレジスト組成物。
Figure 2007241109
PR2:特開2003−167347号公報の実施例1に記載のレジスト組成物、すなわち下記樹脂P−2(重量平均分子量1万)100質量部、酸発生剤成分(トリフェニルスルホニムノナフルオロブタンスルホネート)2質量部、塩基性化合物(トリエタノールアミン)0.2質量部、有機溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート750質量部・γ−ブチロラクトン30質量部)を含有するレジスト組成物。
Figure 2007241109
PR3:特開2002−12622号公報実施例1に記載のレジスト組成物すなわち下記樹脂P−3(重量平均分子量:12200) 80質量部、酸発生剤(PAG1)1質量部、塩基性化合物(トリブチルアミン)0.078質量部、溶剤(PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)480質量部を含有するレジスト組成物。
Figure 2007241109
Figure 2007241109
PR4:特開2003−177538号公報の実施例1に記載のレジスト組成物、すなわち、下記樹脂P−4(重量平均分子量10600)2g、酸発生剤(PAG2)38mg、塩基性化合物(1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN))4mg、界面活性剤(メガファックF176(大日本インキ(株)製))10g、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)/乳酸エチル=70/30、固形分濃度14質量%)を含有するレジスト組成物。
Figure 2007241109
Figure 2007241109
表2に示したように、本発明の保護膜形成組成物は、保護膜として充分な水不溶性をもち、かつアルカリ現像液に充分な溶解度をもつ。また、表2に示したように、保護膜が存在することで液浸露光時にレジスト膜を保護してパターンが得られている。
なお、実施例9において使用した保護膜形成組成物について樹脂1.2g、溶剤18.8gとして固形分濃度6質量%とし、レジストとしてPR1を使用し、実施例9と同様にして評価したところ、プロファイルがややテーパーになった。
また、実施例9において、保護膜形成組成物の塗布後の加熱を120℃にて行い保護膜の形成を行い評価したところ、パターンの一部が倒れた。
以上より、本発明の保護膜形成組成物によって、液浸露光時に於いて、プロセス工程を複雑にすることなく、レジスト膜内部への液浸液の浸透、および、レジスト膜成分の液浸液への溶出を防ぎ、目的の微細なパターンを得られることがわかる。
2光束干渉露光実験装置の概略図である。
符号の説明
1 レーザー
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸液
10 反射防止膜、レジスト膜、保護膜を設けたウェハー
11 ウェハーステージ

Claims (6)

  1. レジスト膜上に設けられる保護膜を形成する保護膜形成組成物であって、(A)少なくとも1つの珪素原子を有する樹脂と、(B)前記レジスト膜を溶解しない非水溶性有機溶媒を含有することを特徴とする保護膜形成組成物。
  2. 溶媒(B)が、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、フッ素系溶剤のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の保護膜形成組成物。
  3. さらに、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜2に記載の保護膜形成組成物。
  4. 樹脂(A)が、アルカリ現像液に溶解する樹脂であることを特徴とする請求項1〜3に記載の保護膜形成組成物。
  5. レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に請求項1〜4のいずれかに記載の保護膜形成組成物により保護膜を形成し、該積層物を液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
  6. 純水を介して液浸露光することを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
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