JP2006023649A - 半導体集積回路パターンの検証方法、フォトマスクの作成方法、半導体集積回路装置の製造方法、及び半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラム - Google Patents

半導体集積回路パターンの検証方法、フォトマスクの作成方法、半導体集積回路装置の製造方法、及び半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】パターン検証を効率的に行う。
【解決手段】半導体集積回路パターンの検証方法は、処理基板上で所望する半導体集積回路の設計パターンAに基づいて補正処理を施すシミュレーションを実施し、処理基板上で形成されるシミュレーションパターンCを作成する工程(ST1,2)と、シミュレーションパターンCと設計パターンAとを比較し、第1の差分値Xを検出する工程(ST3)と、第1の差分値Xが第1の所定値V1以上である危険点を抽出する工程(ST4)と、危険点のパターン形状をそれぞれ比較し、第2の差分値Yを検出する工程(ST5)と、第2の差分値Yが第2の所定値V2内であるパターンを1つのグループとする工程(ST6)と、グループ毎のパターンを所定数ずつ抽出し、この抽出されたパターンの危険点の検証を行う工程(ST8,9)とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、パターン検証を効率的に行うことが可能な半導体集積回路パターンの検証方法、フォトマスクの作成方法、半導体集積回路装置の製造方法、及び半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラムに関する。
近年の半導体製造技術の進歩は非常に目覚しく、最小加工寸法が70nmサイズの微細化された半導体素子が量産されている。このような微細化は、マスクプロセス技術、光リソグラフィ技術、及びエッチング技術等のパターン形成技術の飛躍的な進歩により、実現されている。
半導体集積回路のパターンサイズが十分に大きい時代には、ウエハ上に形成したい所望の回路パターンの平面形状をそのまま設計パターンとして描き、この設計パターンに忠実なマスクパターンを作成し、このマスクパターンを投影光学系によってウエハ上に転写し、下地をエッチングすることによって、ほぼ設計パターン通りのパターンがウエハ上に形成できていた。
しかし、半導体集積回路パターンの微細化が進むにつれて、各プロセスでパターンを忠実に形成することが困難になってきており、最終的なウエハ上の仕上り寸法が設計パターン通りにならないという問題が生じてきた。
特に、微細加工を達成するために最も重要なリソグラフィ及びエッチングプロセスにおいては、形成したいパターンの周辺に配置された他のパターンのレイアウト配置がその形成したいパターンの寸法精度に大きく影響する。
そこで、これらの影響を回避するために、いわゆる光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)やプロセス近接効果補正(PPC:Process Proximity Correction)という技術が開発されている。これらの技術は、加工後の寸法が所望の設計パターンになるように、補助パターンを付加したり、パターンの幅を太めたり細めたりして、あらかじめパターン補正を行うものである。これらの技術については、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1等で報告されている。
ところで、これらの技術を用いることにより、設計者が描いた半導体集積回路パターンをウエハ上に形成することが可能にはなっているが、このOPC及びPPC技術によるパターン補正が正しく行われているか否かの検証が必要となっている。従って、補正の正しさを検証するためには、マスク値を元に検証する手法などもあるが、正確に実施するためには(リソグラフィ)シミュレータを用いた検証が必須である。
例えば、特許文献3では、ウエハ上の所望パターンにおけるエッジとOPC後のレイアウトを用いて転写されたパターンのエッジとを比較し、両者の差が、あらかじめ決められた許容値内であるかどうかを調べる検証ツールが提案されている。
また、特許文献1では、近接効果補正と検証の物理モデルをそろえて、所望パターンのエッジと転写パターンのエッジとの位置ずれを、高精度に予測する手法が提案されている。
しかしながら、上記のような従来の技術では、1つの検証エリア内に同種のパターンがあった際に、全てのパターンについての検出が行われるため、検出箇所の数が多くなり、レビューを実施すること(検出された箇所についての確認を行うこと)が非常に困難であった。
特開平9-319067号公報 特開2003-107664号公報 米国特許第6,470,489号明細書 SPIE Vol.2322 (1994) 374 (Large Area Optical Proximity Correction using Pattern Based Correction, D.M.Newmark et.al)
本発明は、パターン検証を効率的に行うことが可能な半導体集積回路パターンの検証方法、フォトマスクの作成方法、半導体集積回路装置の製造方法、及び半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラムを提供する。
本発明は、前記課題を解決するために以下に示す手段を用いている。
本発明の第1の視点による半導体集積回路パターンの検証方法は、処理基板上で所望する半導体集積回路の設計パターンに基づいて補正処理を施すシミュレーションを実施し、前記処理基板上で形成されるシミュレーションパターンを作成する工程と、前記シミュレーションパターンと前記設計パターンとを比較し、第1の差分値を検出する工程と、前記第1の差分値が前記第1の所定値以上である危険点を抽出する工程と、前記危険点のパターン形状をそれぞれ比較し、第2の差分値を検出する工程と、前記第2の差分値が第2の所定値内であるパターンを1つのグループとする工程と、前記グループ毎のパターンを所定数ずつ抽出し、この抽出されたパターンの危険点の検証を行う工程とを具備する。
本発明の第2の視点によるフォトマスクの作成方法は、上述する第1の視点による半導体集積回路パターンの検証方法を用いて検証された回路パターンに基づいて、フォトマスクを形成する。
本発明の第3の視点による半導体集積回路装置の製造方法は、上述する第2の視点によるフォトマスクの作成方法により形成されたフォトマスクを用いて、半導体集積回路装置を形成する。
本発明の第4の視点によるプログラムは、上述する第1の視点による半導体集積回路パターンの検証方法をコンピュータに実現させるためのものである。
本発明によれば、パターン検証を効率的に行うことが可能な半導体集積回路パターンの検証方法、フォトマスクの作成方法、半導体集積回路装置の製造方法、及び半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラムを提供できる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
図1は、本発明の一実施形態に係る設計データの作成から半導体集積回路装置の製造までの概略的なフロー図を示す。以下に、パターン検証を行った後に露光用フォトマスクを作成し、このフォトマスクを用いて半導体集積回路装置を製造するフローについて説明する。
まず、設計者により半導体集積回路の設計データ(設計パターンA)が作成される。そして、この設計データに対して光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)が実施され、補正データ(補正パターンB)が作成される。
次に、補正データに対してシミュレーションが行われ、シミュレーションデータ(シミュレーションパターンC)が作成される。そして、シミュレーションパターンCと設計パターンAとが比較され、所定値以上の差異のある箇所(危険点)があるか否かのパターン検証が行われる。
上記パターン検証の結果、危険点がないと判断した場合は、危険点の情報を利用せずにフォトマスクが作成され、このフォトマスクを用いて半導体集積回路装置が製造される。
一方、危険点があると判断した場合は、危険点の情報が利用される。すなわち、危険点の抽出された箇所について、(a)設計データの修正、(b)OPCのパラメータ変更、(c)ウエハ上での管理ポイント(半導体集積回路装置の製造時における条件出しの際に参照するポイント)の設定が行われる。
以上のようなフローにおいて、(1)半導体集積回路パターンの検証方法、(2)フォトマスクの作成方法、(3)半導体集積回路装置の製造方法、(4)半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラムについて、以下に具体的に説明する。
(1)半導体集積回路パターンの検証方法
図2は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路パターンの検証方法のフロー図を示す。図3は、図2のST1及びST2における設計パターンA、補正パターンB及びシミュレーションパターンCを示す。図4乃至図9は、図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法A)〜D)を示す。図10及び図11は、図2のST5における第2の差分値Yを検出するための方法1)、2)を示す。図12及び図13は、図2のST3及びST4における危険点抽出のための他の条件を示す。以下に、半導体集積回路パターンの検証方法のフローについて、ステップ(ST)毎に説明する。
[ST1]
ST1では、所望の設計パターンAに基づいて補正パターンBを形成する。以下に、ST1について具体的に説明する。
まず、設計者が処理基板上で所望するパターン形状(設計パターンA)の半導体集積回路の設計データが作成される(図3参照)。この設計データに対して、露光装置の光近接効果や処理基板上の影響を考慮し、OPCによる変形処理が実施される。これにより、設計パターンAにOPCが施された補正パターンBが形成される(図3参照)。
[ST2]
ST2では、補正パターンBの補正データに対してシミュレーションを行い、パターン評価対象となるシミュレーションパターンCを形成する。以下に、ST2について具体的に説明する。
補正パターンBの補正データに対して、ST1と同様に露光装置の光近接効果や処理基板上の影響を考慮し、シミュレーションが実施される。これにより、処理基板上で形成されるシミュレーションパターンCが形成される(図3参照)。
尚、ST1のように設計データに対してOPCを実施せずに、設計データに対して露光装置の光近接効果や処理基板上の影響を考慮した補正処理を施したシミュレーションを実施し、シミュレーションパターンCを形成してもよい。
[ST3]
ST3では、シミュレーションパターンCと設計パターンAとを比較し、この比較により求めた第1の差分値Xが所定値V1以上であるかを検討する。つまり、ST3では、シミュレーションパターンCと設計パターンAとのずれが大きな危険度の高い部分を検出する。以下に、ST3について具体的に説明する。
まず、シミュレーションパターンCと設計パターンAとが比較され、第1の差分値Xが検出される。この検出方法は、例えば、次のA)〜D)のような4通りが考えられる。尚、この4通りの中では、最も計算処理時間が短くなるD)が望ましい方法であるといえる。
A)シミュレーションパターンCのエッジを基準とした方法。
B)シミュレーションパターンC間のCD(Critical Dimension)を基準とした方法。
C)シミュレーションパターンC間を埋める形状を基準とした方法。
D)シミュレーションパターンCの分割評価点を基準とした方法。
A)の方法は、図4に示すように、シミュレーションパターンCのエッジ11と設計パターンAとの間にマーク12aを付す。そして、シミュレーションパターンCのエッジ11を基準として、このエッジ11と設計パターンAとの距離から第1の差分値Xを検出する。
B)の方法は、図5に示すように、隣接するシミュレーションパターンC間において最も近距離となる箇所にマーク12bを付す。そして、隣接するシミュレーションパターンC間の最短距離CD1を導き、この最短距離CD1の箇所に対応した隣接する設計パターンA間の最短距離CD2を導く。そして、両者の最短距離CD1,CD2を比較することで、第1の差分値Xを検出する。尚、最短距離CD1は、最短距離CD2ではなく、あらかじめ定められた基準値と比較することで、第1の差分値Xを検出することも可能である。
C)の方法は、図6に示すように、隣接するシミュレーションパターンC間を埋めるようにシミュレーションパターンCと接するマーク12cを形成する。同様に、図7に示すように、隣接する設計パターンA間を埋めるように設計パターンAと接するマーク12dを形成する。そして、両者のマーク12c,12dの形状を比較することで、第1の差分値Xを検出する。尚、マーク12cは、マーク12dではなく、あらかじめ定められた基準値と比較することで、第1の差分値Xを検出することも可能である。
D)の方法は、図8に示すように、設計パターンAのエッジを所定間隔(例えばグリッド単位)で分割し、この分割されたエッジ毎に少なくともひとつの評価点を設定する。次に、各エッジに設定された評価点とこの評価点に対応するシミュレーションパターンCの箇所との差分値dを、シミュレーションで求める。次に、分割された各エッジの面を、例えばグリッド単位で、シミュレーションパターンC上に差分値d分だけ移動させる。これにより、図9に示すように、シミュレーションパターンCの形状がデジタル化されたマーク12eが形成される。そして、このマーク12eの形状と図7に示す設計パターンAのマーク12dの形状とを比較することで、第1の差分値Xを検出する。尚、マーク12eは、マーク12dではなく、あらかじめ定められた基準値と比較することで、第1の差分値Xを検出することも可能である。
次に、上記A)〜D)等の方法により検出された第1の差分値Xが、あらかじめ設定された所定値V1以上であるかが判断される。その結果、第1の差分値Xが所定値V1以上である場合は、差異が大きいのでパターン検証の対象とされる。一方、第1の差分値Xが所定値V1以上でない場合は、差異が小さいのでパターン検証の対象外とされる。
ここで、あらかじめ設定された所定値V1は、例えば、(a)半導体集積回路パターンで許容されるデザインルールの最小寸法の10%、(b)比較箇所における寸法(幅、長さ、スペース、面積等)の20%等が考えられる。(a)の場合、デザインルールの最小寸法が例えば100nmであれば、所定値V1は10nmとなる。(b)の場合、比較箇所における寸法が例えば200nmであれば、所定値V1は160〜240nmとなる。
[ST4]
ST4では、第1の差分値Xが所定値V1以上となっている部分を含む箇所(危険点)が抽出される。つまり、第1の差分値Xが大きな危険度の高い部分を含む設計パターンA及シミュレーションパターンCやマーク12a〜12e等が抽出される。
[ST5]
ST5では、ST4で抽出された危険点のパターンが相互に比較され、第2の差分値Yが検出される。この検出方法は、例えば、次の1)、2)のような方法が考えられる。
1)パターンA、Cの形状を比較する方法。
2)マークの形状を比較する方法。
1)の方法は、上記ST3のA)〜D)のどの方法においても利用できる。図10では、上記ST3のA)の場合を例にあげており、危険点における設計パターンAのパターン形状自体を相互に比較したり、危険点におけるシミュレーションパターンCのパターン形状自体を相互に比較したりすることで、第2の差分値Yを検出している。
2)の方法は、上記ST3のC)、D)の場合に有効な方法である。図11では、上記ST3のC)の場合を例にあげており、危険点におけるマーク12cの形状を相互に比較し、第2の差分値Yを検出している。
ここで、2)のマーク形状の比較の場合は、マーク形状をポリゴンデータとして出力し、このポリゴンデータの頂点座標を求め、この頂点座標の相対位置関係を基準にしてもよい。この場合、マークが同じ形状であれば、ポリゴンの頂点数は等しく、マーク形状を構成する各辺の長さも等しくなる。例えば、頂点数が同一であり、各辺の長さの差分の絶対値の総和が0以上で、かつ各辺の長さが所定値(例えば1%)以内の差異である場合は、両者は同一である(第2の差分値Yなし)と判定する等、あいまいなマーク形状の比較をすることも可能である。
[ST6]
ST6では、上記1)、2)等の方法により検出された第2の差分値Yがあらかじめ設定された所定値V2以内となる同種のパターンが1つのグループにまとめられる。つまり、危険点におけるパターンのずれが同じようなものが1つのグループにまとめられる。
ここで、あらかじめ設定された所定値V2以内とは、例えば、(a)半導体集積回路パターンで許容されるデザインルールの最小寸法の10%のずれの範囲内、(b)危険点における寸法(幅、長さ、面積等)の20%のずれの範囲内、(c)設計の際に使用する最小単位(インクリメントの最小単位、例えば1nm、5nm程度)等が考えられる。
勿論、所定値V2は、危険点のパターン形状が完全に一致して第2の差分値Yがない場合もグループ化できるように設定する。
[ST7]
ST7では、ST5における全ての危険点の第2の差分値Yが検討されたかどうかの確認が行われる。その結果、第2の差分値Yが全て検討されている場合は、ST8に進み、全ての第2の差分値Yが検討されていない場合は、ST5に戻って再検討が行われる。
[ST8]
ST8では、ST6で分けられたグループ毎に、所定数(例えば1つ)のパターンが抽出される。
[ST9]
ST9では、ST8で抽出されたパターンにおける危険点の検証が行われる。この検証後は、危険点の情報が利用され、図1に示すように、危険点の抽出された箇所について、(a)設計データの修正、(b)OPCのパラメータ変更、(c)ウエハ上での管理ポイント(半導体集積回路装置の製造時における条件出しの際に参照するポイント)の設定が行われる。
尚、上述する半導体集積回路パターンの検証方法は、上記方法に限定されず、例えば次のように種々変更することが可能である。
上記ST3において、第1の差分値Xの検出方法としては、設計パターンA、シミュレーションパターンC、及びマーク12a〜12e等のパターン形状をポリゴンデータとして出力し、このポリゴンデータの頂点座標を求め、そして、この頂点座標の相対位置関係により比較することも可能である。
上記ST4の危険点の抽出後、以下の第1乃至第3の方法を用いて、この抽出された危険点におけるパターンからさらに危険度の優先度の高い危険点を抽出することで、後のステップの効率を向上させることも可能である。
第1の方法では、図12に示すように、X軸方向の長さXだけでなく、Y軸方向の長さLを比較の基準とする。シミュレーションパターンCが設計パターンAからX軸方向に長さXだけずれている箇所において、この箇所のX軸方向に対して垂直なY軸方向のずれの長さLは、長いほどパターンずれの危険度が高いといえる。そこで、長さLが所定値(例えばデザインルールの最小寸法の10%)以上ずれているかどうかを条件に追加し、この長さLが所定値以下の場合は危険度が低いので検証対象外とし、この長さLが所定値以上の場合は危険度が高いので検証対象にする。そして、この長さLを利用して、次のST5において、同じ長さを有する危険点のパターン形状を相互に比較することで、ST6における同種パターンのグループ分けの効率を向上させることができる。
第2の方法では、図11に示すように、マーク12aの座標を比較の基準とする。この方法は、ST4で抽出された危険点の箇所のマークに着目し、これらのマークの中から任意のマークの座標を選択し、この選択座標と同じX軸上又はY軸上に位置するマークを所定数抽出する。そして、同じ座標軸上には同じ形状が配置されていること多いため、次のST5において、同じ座標軸上に位置する危険点のパターン形状を相互に比較することで、ST6における同種パターンのグループ分けの効率を向上させることができる。尚、ここで、選択座標のX軸及びY軸のどちらか一方と同じ座標軸上に位置するパターンを抽出するだけでなく、選択座標のX軸及びY軸から所定値(例えば3%)ずれている座標軸上に位置するパターンも検証対象として抽出してよい。
第3の方法では、ST4で抽出した危険点の周囲の状況を基準とする。つまり、あらかじめ設定した範囲(デザインルールの最小寸法の10%)内に危険点が1つしか存在しない場合は、危険度が低いのでこの危険点は検証対象外とし、危険点が複数存在する場合は、危険度が高いのでこの危険点は検証対象とする。これにより、より危険度の高い危険点のみ抽出することが可能となる。
(2)フォトマスクの作成方法
図14(a)乃至図14(c)は、本発明の一実施形態に係るフォトマスクの作成方法における各工程の断面図を示す。以下に、フォトマスクを作成する方法について説明する。ここで用いる半導体回路設計回路パターンは、上記(1)半導体集積回路パターンの検証方法に基づいてパターン検証が行われ、危険点がある場合は、その危険点が抽出された箇所について設計データの修正が行われたものである。
まず、図14(a)に示すように、ガラス基板21上に遮光膜22が形成されたマスク基板23を用い、このマスク基板23上にフォトレジスト24が塗布される。そして、フォトレジスト24が設計データを基に露光及び現像され、フォトレジスト24が設計パターンAのようにパターニングされる。次に、図14(b)に示すように、このパターニングされたフォトレジスト24をマスクとして、遮光膜22がRIE(Reactive Ion Etching)等で選択的にエッチングされる。その後、図14(c)に示すように、フォトレジスト24が除去される。このようにして、所望の設計パターンAの形状である露光用のフォトマスク25が作成される。
(3)半導体集積回路装置の製造方法
図15(a)乃至図15(e)は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路装置の製造方法における各工程の断面図を示す。以下に、上記(2)フォトマスクの作成方法によって作成されたフォトマスクを用いて、半導体集積回路装置を製造する方法について説明する。
まず、図15(a)に示すように、半導体基板31上に材料層32が形成され、この材料層32上にフォトレジスト33が塗布される。そして、上述したフォトマスク25を用いて、フォトレジスト33に紫外線照射が選択的に行われる。その結果、図15(b)に示すように、フォトレジスト33内部の光化学反応により、設計パターンAが潜像としてできあがる。これを現像によってイメージとして顕在化させることで、図15(c)に示すように、フォトレジスト33に設計パターンAが焼き付けられる。次に、図15(d)に示すように、パターニングされたフォトレジスト33を用いて材料層32がパターニングされた後、図15(e)に示すように、フォトレジスト33が除去される。このようにして、所望の設計パターンAの形状である半導体集積回路装置34が形成される。
(4)半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラム
図16は、本発明の一実施形態に係る検証処理装置のブロック図を示す。以下に、上記(1)半導体集積回路パターンの検証方法をコンピュータに実現するためのプログラムについて説明する。
図16に示すように、検証処理装置40は、入力部41と、CPU(制御部)42と、出力部43と、記憶部44とを含んで構成されている。検証処理装置40は、記録媒体45に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現可能である。ここで、記録媒体45には、上記(1)半導体集積回路パターンの検証方法をコンピュータに実現するためのコンピュータに読み取り可能なプログラムが記憶されている。
従って、上記(1)半導体集積回路パターンの検証方法を実現するコンピュータは、記録媒体45に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上記(1)半導体集積回路パターンの検証方法の各処理を実現することが可能である。
記録媒体45としては、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等があげられる。
尚、プログラムは、記録媒体45に書き込んで検証処理装置40に適用することができるだけなく、種々の装置に適用することが可能であり、例えば通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。
また、記録媒体45に記録されたプログラムは、必ずしもこの記録媒体45に記録されている必要はなく、例えば検証処理装置40に記録されていてもよい。
上記本発明の一実施形態に係る半導体集積回路パターンの検証方法、フォトマスクの作成方法、半導体集積回路装置の製造方法、及び半導体集積回路パターンの検証方法を実現するためのプログラムによれば、次のような効果を得ることができる。
半導体集積回路パターンは、同じ形状のパターンから成り立っていることが多い。この場合、同じ形状のパターンであれば、パターン検証のシミュレーション結果は同じになるにもかかわらず、従来は、1つの検証エリア内に同種のパターンがあった場合にも、全てのパターンについての検証が行われていた。これに対し、本実施形態では、第2の差分値Yが所定値V2内である同種のパターンでグループ分けをしている(ST6)。従って、同種のパターンのグループから例えば1つづつ検証箇所を抽出するため、検出箇所の数を低減できる。このため、この検出箇所についての検証を効率的に行うことができる。
また、従来は、大きなパターンに対するエッジの位置ずれも小さなパターンに対するエッジの位置ずれも同等に取り扱っていた。これに対して、本実施形態では、シミュレーションパターンCと設計パターンAとの第1の差分値Xが所定値V1以下である場合、すなわち危険度が低い場合は、その箇所は検証の対象外としている(ST3)。従って、パターン検証における危険点の抽出を効率的に実施でき、危険度の高い箇所のみパターン検証することができる。
また、危険点の検証により抽出された危険点の情報を用いることで、危険点の抽出された箇所について、(a)設計データの修正、(b)OPCのパラメータ変更、(c)ウエハ上での管理ポイント(半導体集積回路装置の製造時における条件出しの際に参照するポイント)の設定が行われる。このため、危険点の情報に応じたフィードバック先を適切に選択することが可能となる。
その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係る設計データの作成から半導体集積回路装置の製造までの概略的なフローを示す図。 本発明の一実施形態に係る半導体集積回路パターンの検証方法のフローを示す図。 図2のST1及びST2における設計パターンA、補正パターンB及びシミュレーションパターンCを示す図。 図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法A)を示す図。 図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法B)を示す図。 図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法C)を示す図。 図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法C)を示す図。 図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法D)を示す図。 図2のST3における第1の差分値Xを検出するための方法D)を示す図。 図2のST5における第2の差分値Yを検出するための方法1)を示す図。 図2のST5における第2の差分値Yを検出するための方法2)を示す図。 図2のST3及びST4における危険点抽出のための他の条件を示す図。 図2のST3及びST4における危険点抽出のための他の条件を示す図。 本発明の一実施形態に係るマスクの作成工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体集積回路装置の製造工程を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る検証処理装置を示すブロック図。
符号の説明
11…エッジ、12a,12b,12c,12d,12e…マーク、21…ガラス基板、22…遮光膜、23…マスク基板、24,33…フォトレジスト、25…露光用フォトマスク、31…半導体基板、32…材料層、34…半導体集積回路装置、40…検証処理装置、41…入力部、42…CPU、43…出力部、44…記憶部、45…記録媒体。

Claims (12)

  1. 処理基板上で所望する半導体集積回路の設計パターンに基づいて補正処理を施すシミュレーションを実施し、前記処理基板上で形成されるシミュレーションパターンを作成する工程と、
    前記シミュレーションパターンと前記設計パターンとを比較し、第1の差分値を検出する工程と、
    前記第1の差分値が前記第1の所定値以上である危険点を抽出する工程と、
    前記危険点のパターン形状をそれぞれ比較し、第2の差分値を検出する工程と、
    前記第2の差分値が第2の所定値内であるパターンを1つのグループとする工程と、
    前記グループ毎のパターンを所定数ずつ抽出し、この抽出されたパターンの危険点の検証を行う工程と
    を具備することを特徴とする半導体集積回路パターンの検証方法。
  2. 前記第1の差分値の検出方法は、第1乃至第4の検出方法のいずれかの方法によるものであって、
    前記第1の検出方法は、
    前記シミュレーションパターンのエッジを基準として、このエッジと前記設計パターンとのずれから前記第1の差分値を検出する工程を含み、
    前記第2の検出方法は、
    隣接する前記シミュレーションパターン間の第1の最短距離を求める工程と、
    前記第1の最短距離の箇所における隣接する前記設計パターン間の第2の最短距離を求める工程と、
    前記第1及び第2の最短距離を比較することで前記第1の差分値を検出する工程と
    を含み、
    前記第3の検出方法は、
    隣接する前記シミュレーションパターン間を埋める第1のマークを形成する工程と、
    隣接する前記設計パターン間を埋める第2のマークを形成する工程と、
    前記第1及び第2のマークを比較することで前記第1の差分値を検出する工程と
    を含み、
    前記第4の検出方法は、
    前記設計パターンのエッジを所定間隔で分割して分割エッジを形成する工程と、
    前記分割エッジに少なくともひとつの評価点をそれぞれ設定する工程と、
    前記評価点における前記シミュレーションパターンと前記設計パターンとの第3の差分値を求める工程と、
    前記分割エッジを前記第3の差分値分移動させることで第3のマークを形成する工程と、
    隣接する前記設計パターン間を埋める第4のマークを形成する工程と、
    前記第3及び第4のマークを比較することで前記第1の差分値を検出する工程と
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  3. 前記第1の所定値は、
    デザインルールの最小寸法の10%である場合と、
    比較箇所における寸法の20%である場合と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  4. 前記第2の差分値の検出方法は、第1又は第2の検出方法のいずれかの方法によるものであって、
    前記第1の検出方法は、
    前記危険点における前記設計パターン又は前記シミュレーションパターンのパターン形状を相互に比較することで、前記第2の差分値を検出する工程を含み、
    前記第2の検出方法は、
    前記第1の差分値の検出において、隣接する前記シミュレーションパターン間を埋める第1のマークを形成し、隣接する前記設計パターン間を埋める第2のマークを形成した場合、又は、
    前記第1の差分値の検出において、前記設計パターンのエッジを所定間隔で分割して分割エッジを形成し、前記分割エッジに少なくともひとつの評価点をそれぞれ設定し、前記評価点における前記シミュレーションパターンと前記設計パターンとの第3の差分値を求め、前記分割エッジを前記第3の差分値分移動させることで第3のマークを形成し、隣接する前記設計パターン間を埋める第4のマークを形成した場合、
    前記第1乃至第4のマークのいずれかのパターン形状を相互に比較することで、前記第2の差分値を検出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  5. 前記第2の検出方法は、
    前記第1乃至第4のマークのいずれかの前記パターン形状をポリゴンデータとして出力する工程と、
    前記ポリゴンデータの頂点数が同一であり、前記パターン形状を構成する各辺の長さの差分の絶対値の総和が0以上で、かつ前記各辺の長さが所定値以内の差異であることを判定する工程と
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  6. 前記第2の所定値は、設計の際に使用する最小単位であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  7. 前記危険点を抽出した後、
    前記設計パターンに対して前記シミュレーションパターンが第1の方向にずれている箇所において、この箇所の前記第1の方向と垂直な第2の方向の長さを、前記シミュレーションパターンと前記設計パターンとの比較に用い、前記第2の方向の長さが第3の所定値以上である危険点を抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  8. 前記危険点を抽出した後、
    前記危険点の箇所の座標に基づき、同じ座標軸上に位置する危険点を抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  9. 前記危険点を抽出した後、
    所定範囲内に前記危険点が1つしか存在しない場合は、この1つの危険点は検証の対象外とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路パターンの検証方法。
  10. 前記請求項1に記載の前記半導体集積回路パターンの検証方法を用いて検証された回路パターンに基づいて、フォトマスクを形成することを特徴とするフォトマスクの作成方法。
  11. 前記請求項10に記載の前記フォトマスクの作成方法により形成された前記フォトマスクを用いて、半導体集積回路装置を形成することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  12. 前記請求項1に記載の前記半導体集積回路パターンの検証方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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