JP2006016667A - 銅基合金およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタ、リードフレーム、スイッチ、リレー用等の導電率、引張強さおよび曲げ加工性のバランスに優れた銅基合金とその製造方法を提供する。
【解決手段】Ni、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素とを総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅基合金において、表面のX線回折強度比SNDを0.05≦SND≦0.15[ただし、SND=I{200}÷[I{111}+I{220}+I{311}]。I{200}は{100}面のX線回折強度、I{111}は{111}面のX線回折強度、I{220}は{110}面のX線回折強度、I{311}は{311}面のX線回折強度である。]であって、導電率、引張強さ、0.2%耐力、ばね性、ビッカース硬さおよび曲げ加工性のバランスに優れた析出強化型銅基合金。
【選択図】 なし

Description

本発明は導電率、引張強さおよび曲げ加工性のバランスに優れた銅基合金およびその製造方法に関するものであって、詳しくは民生用製品、例えば情報・通信用の狭ピッチコネクタの原板、自動車用ハーネスコネクタの原板、半導体用リードフレームの原板および小型スイッチ、リレーの原板等を構成する銅基合金およびその製造方法に関するものである。
近時の携帯端末やモバイルの発展を背景に、パソコン、携帯電話、デジタルビデオ等に実装されるコネクタのピン厚さ・ピン幅は各々0.10〜0.30mmであり、最終製品の小型化によりさらに細幅、薄肉化する傾向にある。各ピン端子に出入力される情報量の大量化・高速化の結果、通電電流から発生するジュール熱がコンタクトの温度を上昇させることになり、コンタクトを収容している絶縁物の許容温度を超えてしまうこともある。さらに、ピン端子の一部が電源用として使われることもあり、材料には導体抵抗の低減、すなわち高い導電率が必要となり、導電率の低い黄銅やりん青銅に代わる銅合金の開発が急務になる。また、ピン端子のプレス成形加工に際して強度・ばね性と曲げ性の両立が不可欠であるが、成形サイズの細幅・薄肉化はこれまでと異なる視点からの対応を必須とする。
一方、自動車電装品に実装されるコネクタにおいては、電子制御システムの増加に伴う回路数・実装密度の増大に対応すべく、コネクタの小型化による軽量化・省スペース化が要求され、例えばボックス型のメス端子幅が10年前主流だった2.3mmから現在では0.64mmまで小型化している。よって、携帯端末同様に高い導電率が必要となることは言うまでもない。加えて、ボックス型端子に成形加工した後の良好な接続特性を維持するために、板厚は従来とあまり変らず0.25mm程度である一方で、厳しい形状精度が要求されるために、ボックス部の内曲げ半径Rが0に近い状態や密着曲げに近い状態が強いられるようになり、従来に比べてより厳しい加工条件になっている。
したがって、このような強度・ばね性と曲げ加工性の両立を加味した上で導電率の向上を図るためには、黄銅やりん青銅のように添加元素を多く添加する固溶強化型の材料では対応できない。導電率を向上し、かつ高強度・高ばね性を得る方法の一つとして、析出強化型の材料が挙げられるが、析出強化を用いると通常は材料の延性、曲げ加工性の劣化は否めなく、これを改善するために添加元素量の制御や析出物のサイズ・分布を制御するための加工熱処理工程が複雑になり、その結果製造コストが高くなる(例えば特許文献1)。残る方法として、固溶強化型の材料でありながら導電率低下につながる固溶元素の添加量を最小に抑え、加工・熱処理プロセスを工夫する策になるが、固溶強化元素の低減は強度低下を招き、その分を加工硬化に頼らざるを得ず、延性・成形性の低下は免れない。いずれにしても従来と異なる視点からの評価方法の確立と集合組織学的観点まで視野を広げた対応が必須となるが、画期的な改善は実現できなかった。
特開2000−80428号公報
上記のような従来の技術の問題点を解決すべく鋭意検討を行ったところ、金型を用いた高速プレス成形加工によって、所定の形状に打ち抜かれる狭ピッチコネクタ、自動車用のボックス型コネクタの材料では、端子の薄板化・細幅化、具体的には、ばね部の板厚0.10〜0.25mm、幅0.10〜0.30mmの傾向にある一方で、ボックス部の内曲げ半径Rが0に近い状態や密着曲げに近い状態が強いられるため、高い強度を維持した上で、曲げ加工性に優れていることが、解決すべき特性上の重要な課題として浮上している。特に、曲げ加工性については、曲げ加工時の曲げ部凸側表面の応力状態が、幅厚比(試験片幅W/板厚t比)によって単軸引張から平面ひずみ引張にかけて変化するため、曲げ加工性の劣化を伴う平面ひずみ引張を考慮した曲げ加工性の向上が必須となる。
本発明は、材料の結晶方位を制御することで、導電率、引張強さおよび曲げ加工性のバランスに優れた銅基合金およびその製造方法を提供するものである。
本発明は、銅基合金材料について、特にND面(板材表面であり、本発明においてND面という。)に着目してX線回折を行い、得られる結晶方位のうち、特定の方向の強度制御をすることで、曲げ加工性を向上した銅基合金およびその製造方法を提供するものである。なおここでX線回折強度とは、例えばX線回折法で測定される材料の結晶方位の積分強度を示すものである。
すなわち本発明は、第1に、Ni、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素とを総量で0.01〜30wt%(重量%である。以下同じ。)含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15 [ただし、SND=I{200}÷[I{111}+I{220}+I{311}]であり、I{200}は{100}面のX線回折強度、I{111}は{111}面のX線回折強度、I{220}は{110}面のX線回折強度、I{311}は{311}面のX線回折強度である。以下同じ。]である銅基合金;第2に、Ni:0.01〜4.0wt%、Sn:0.01〜10wt%、P:0.01〜0.20wt%を含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15である銅基合金;第3に、Ni:0.01〜4.0wt%、Sn:0.01〜10wt%、P:0.01〜0.20wt%を含有し、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素を総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15である銅基合金;第4に、前記元素組成の銅基合金の鋳塊に対し、冷間圧延し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、最終冷間圧延加工前の圧延加工である中延圧延を行って板材表面の前記X線回折強度比SNDを0.05≦SND≦0.15とし、しかる後に焼鈍を行って結晶粒径20μm以下の板材を得、次いで最終冷間圧延と再結晶温度未満の低温焼鈍を行う、第1〜3のいずれかに記載の銅基合金を製造する方法;第5に、前記元素組成の銅基合金の鋳塊に対し、冷間圧延し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、次式(1)
Z<100−10X−Y (1)
[ただし、Zは冷間圧延加工率(%)、Xは該元素のうちのSnの含有量(wt%)、YはSnとCu以外の該元素の含有量の総量(wt%)である。以下同じ。]を満たす加工率Zで冷間圧延し、次いで再結晶温度未満の低温焼鈍を行う、第1〜3のいずれかに記載の銅基合金を製造する方法[ここで(1)式に代えて、次式(2)
0.8×(100−10X−Y)<Z<100−10X−Y (2)
とするのが好ましい];第6に、前記組み合わせ工程を行うに先立って、前記鋳塊に対し、予め、均質化焼鈍、熱間圧延のうちから選ばれる少なくとも一方を行う、第4または5に記載の方法、を提供するものである。
本発明は、導電率、引張強さ、0.2%耐力、ばね性、硬度、曲げ性のバランスに優れ、コネクタ、スイッチ、リレー用等に好適に使用できる銅基合金を得たものであり、近年の家電製品、情報通信機器や自動車用部品の高密度実装化に伴った材料の薄肉化、細線化を実現できる銅基合金を提供することができる。とりわけ、強度・ばね性の高い銅基合金の曲げ加工性を大幅に向上させることができる。
以下に本発明の内容をさらに具体的に説明する。
本発明は、銅基合金について、特に材料表面に着目してX線回折を行い、得られる結晶方位のうち、特定の方位の強度を制御することで曲げ加工性を向上させるものである。
まず、曲げ加工に際して、材料の曲げ部表面に曲げ軸に平行なシワ状の肌荒れが観察され、シワの凸部はほぼ初期表面に近いなめらかな状態を維持しているのに対して、凹部は新生面が露出する。曲げ成形品としては、シワの発生がないことが望まれるが、前述のコネクタ等に用いられる銅合金薄板には、優れた曲げ加工性に加え、信頼性の観点から、曲げ部に割れが生じないだけではなく、肌荒れ模様の微細分散化が必須条件である。大きいシワ状の肌荒れ模様は、割れのように見えるだけでなく、コネクタ着脱時や使用中の衝撃時に割れの起点になり易いためである。
曲げ加工性の向上には、均一伸び、すなわちn値が大きい材料であることとされてきたが、コネクタ用調質銅合金薄板は端子成形および実装時に高強度・高ばね性を必要とされる結果として、均一伸びが完全焼鈍材の1/10程度と小さくその効果は期待できない。よって、曲げ加工性を改善するために残された方法は、シワ状の肌荒れ模様をできるだけ細かく分散することである。曲げ変形量を変化させて表面を観察すると、シワの前駆段階として大略結晶粒径に相当する間隔で微小な窪みや段差が多数生じる。いわば結晶粒界がくびれのきっかけとなる材料欠陥の役割を果たしている。変形量の増加とともに、それらの一部が曲げ軸方向に連結しながら曲げ軸にほぼ平行なシワに成長する。このシワの周期・振幅幅を観察するとシワ凸部幅が数個の結晶粒に相当し、多数存在した微小窪みや段差の中で成長のし易さに優劣があると考えられる。
FCC(面心立方格子)の結晶構造を有するCu系の多結晶材料は、すべり面{111}とすべり方向<110>(ここで、{ }は等価な面を一括して表したもの、< >は等価な方向(方位)を一括して表したものである。)の組み合わせ、即ち、12個のすべり系{111}<110>を有し、変形に際し1個以上のすべり系が活動する。
今、板材表面をND面として、主な4種類の面、すなわち{110}面、{111}面、{311}面、{100}面に注目する。曲げ変形に際して12個のすべり系のうち8個のすべり系が活動可能で、かつすべり系の対称性が最も良い{100}面が曲げ変形に対して最も影響力を持つ。{110}面、{111}面、{311}面等の方位は、厚さ方向より幅方向ひずみを生じ易い傾向にあるため、多結晶においては隣接する結晶粒方位に大きく影響される。一方、{100}面は立方体方位{100}<100>であり、この方位群は塑性歪比であるr値を低下させる成分としてよく知られているように、厚さ方向のひずみを生じ易い。つまり、曲げ変形に際して、各々の方位粒に単軸引張から平面ひずみ引張にかけての応力が作用する条件のもとで活動するすべり系の臨界せん断応力が等しく、しかも厚さひずみを生じ易い。
したがって、単軸引張条件のもとであれ、平面ひずみ引張条件のもとであれ、LD(Longitudinal Direction:材料の圧延方向と平行な方向)、TD(Transversal Direction:材料の圧延方向と垂直な方向)のいずれの方向においても、厚さ方向に大きなひずみを与える方位であり、曲げ変形時に窪みの起点になる可能性が高く、この方位をもった結晶粒の生成を抑え、細かく分散すること、または、この方位の生成は止むを得ないこととして、間隔をできるだけ小さく、かつ、均一に分散させることが曲げ加工性の向上に繋がると考えられる。
ここで、銅基合金のようにFCC(面心立方格子)の結晶構造を有する金属の場合、X線回折では{110}面、{111}面、{311}面、{100}面のX線回折強度(単に、回折強度ともいう。)は各々I{220}、I{111}、I{311}、I{200}として生じる。
以上を考慮した上で、従来の問題を解決すべく鋭意研究した結果、{110}面の回折強度I{220}、{111}面の回折強度I{111}、{311}面の回折強度I{311}、{100}面の回折強度I{200}を測定し、
SND=I{200}÷[I{111}+I{220}+I{311}]
なるパラメーターSNDを導入し、これを指標に組織制御することで曲げ加工性の向上を成し得た。すなわち0.05≦SND≦0.15のときは、曲げ部表面の形状は良好であった。
一方、SND<0.05のときは、{110}面をはじめとする方位面密度が高くなり、これらの結晶粒が群をなして発達するために、曲げ変形時に表面シワの局在化を招き、表面に割れが発生した。SND>0.15のときは、{100}面の方位をもった粗大な結晶粒がまばらに分布したために、曲げ変形時に表面シワの局在化を招き、その結果、幅広いシワが発生し、さらに、引張強さが500N/mm2に満たなく、小型端子の成形加工と実装には不適であった。また、曲げ変形特性を重視するのであれば0.1≦SND≦0.15であることが好ましい。
次に、本発明に係る銅基合金の成分組成範囲をNi、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素とを総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなると規定したのは、材料の導電率、引張強さ、0.2%耐力のバランスを維持し、さらにまた曲げ加工性を向上させるためである。
Ni、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素との含有量の総量が0.01wt%未満のときは、導電率が高くなるが、引張強さ、0.2%耐力等の特性が得られにくい。また、圧延加工率を98%まで上げて引張強さと0.2%耐力を向上できるが、曲げ加工性が大幅に劣化する。一方、Ni、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素との含有量の総量が30wt%を超えた時は、引張強さと0.2%耐力を向上できるが、導電率が低くなり、さらにまた曲げ加工性が劣化する。
従って、本発明に係る銅基合金の成分組成範囲をNi、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素とを総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅基合金と規定した。
また、上記の成分組成範囲に代えて、Ni:0.01〜4.0wt%、Sn:0.01〜10wt%、P:0.01〜0.20wt%を含有し、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素を総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなると規定した場合には、上記の成分元素および含有量などの限定の理由、根拠および効果などの記載における「Sn、Ni、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素とを」を「Zn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素を」に読み替えることができる。
なお、本発明で規定した上記の元素以外にも、例えば、Ag、Au、Bi、In、Mn、La、Pb、Pd、Sb、Se、Te、Yの元素のうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素を総量で2wt%以下であれば、本発明で規定した上記元素にさらに含有させると曲げ加工性を向上する役割を果たし、得られる効果を阻害しない。
次に、本発明で規定した主要添加元素について説明する。
(1)Sn
Snは曲げ加工性と強度、弾性を両立するために必須の元素である。
SnはCuマトリックス中に固溶することで曲げ加工性を左右する{100}面の集積度を大幅に低減でき、さらに加工熱処理との組み合わせで{110}面、{311}面の集積度を増やし、さらにまた{100}面を有する結晶粒を微細かつ均一に分布でき、その結果として曲げ加工性を向上できる。また同時に、強度、弾性をも向上できる。しかし、Sn含有量が0.01wt%未満ではその効果が充分に得られず、一方、Sn含有量が10wt%を超えると電気伝導性の低下が著しくなり、鋳造性や熱間加工性にも悪影響を及ぼす。また、Snは高価なために経済的にも不利になる。従って、Snの含有量は0.01〜10wt%とし、好ましくは0.3〜3.0wt%、さらに好ましくは0.5〜2.0wt%とする。
(2)Ni
NiはCuマトリックス中に固溶して強度、弾性、はんだ付け性を向上させ、さらにP、または場合によってSiと化合物を形成して析出することにより電気伝導性を向上させ、強度と弾性を向上させる。また、耐熱性および耐応力緩和特性の向上にも寄与する元素である。しかし、Niの含有量が0.01wt%未満では上記のような効果が充分得られず、一方、4.0wt%を超えるとPまたは場合によってSiとの共存下でも電気伝導性の低下が著しく、また経済的にも不利になる。従って、Ni含有量は0.01〜4.0wt%、好ましくは0.5〜3.0wt%とする。
(3)P
Pは、溶解・鋳造時に溶湯の脱酸剤として作用するとともに、Niまたは場合によってFeまたはMgまたはCoと化合物を形成して析出することにより電気伝導性を向上させ、さらに強度と弾性を向上させる。しかし、P含有量が0.01wt%未満では上記のような効果が充分得られず、一方、0.20wt%を超えるとNiまたは場合によってFeまたはMgまたはCoの共存下でも電気伝導性の低下が著しく、はんだ耐候性が著しく劣化する。また、熱間加工性にも悪影響を及ぼす。従って、P含有量は0.01〜0.20wt%、好ましくは0.03〜0.10wt%とする。
(4)Zn
Znは、Cuマトリックス中に固溶して強度、弾性を向上させる効果があり、また、溶湯の脱酸効果を高めCuマトリックス中の溶質酸素元素を減少させる効果に加えてはんだ耐候性及び耐マイグレーション性を向上させる作用がある。しかし、0.01wt%未満では上記のような効果が得られず、一方、30wt%を超えると電気伝導性の低下するだけでなく、はんだ付け性が低下するとともに、他の元素と組み合わせても耐応力腐食割れ感受性が高くなり好ましくない。従って、Znは好ましくは0.01〜30wt%、より好ましくは0.01〜10wt%、さらに好ましくは0.03〜3.0wt%とする。
(5)Si
Siは、Niと共存した状態でCuマトリックス中に析出して化合物を形成して導電率を大幅に低下することなく、強度、弾性を向上させる効果がある。Siが0.01wt%未満では上記のような効果が得られず、一方、1.0wt%を超えると熱間加工性が著しく低下する。従って、Siは好ましくは0.01〜1.0wt%とする。
(6)Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Al
これらの元素は、Cuマトリックス中に固溶または析出して化合物を形成して強度、弾性、耐熱性を向上させ、さらにプレス打ち抜き性を向上させる効果がある。しかし0.01wt%未満では上記のような効果が得られず、一方、3.0wt%を超えると電気伝導性の低下が著しく、また製造時の熱処理温度が高くなる等、経済的にも不利になる。従って、上記元素の1種または2種以上の含有量を好ましくは0.01〜3.0wt%とする。
(7)酸素
酸素を多量に含有するとSi、Fe、Mg、P等が酸化物を形成し、粒界に優先的に第2相を生成するために、めっき信頼性を始めとした本発明に係る銅基合金の諸特性を劣化させる恐れがあるので、好ましくは酸素含有量を20ppm以下とした。
次に、本発明に係る銅基合金の熱処理を含む加工工程を上記の通りに限定した理由について説明する。
本発明の材料は、次のような工程を経て製造することができる。即ち、上記成分組成の銅基合金の鋳塊を冷間圧延と焼鈍を繰り返すことで所定の板厚にした後に、前記(1)式を満たす冷間圧延加工率Z(%)の冷間圧延と再結晶温度未満の低温焼鈍を組み合わせて所望の板厚の材料とする。
なお、鋳塊を冷間圧延する前に予め均質化焼鈍または熱間圧延をすることで鋳造時に生じたミクロ的あるいはマクロ的な溶質元素の偏析を除去して溶質元素分布の均質化を図る効果があり、特に熱間圧延をすることで鋳塊の結晶方位をランダムにでき、かつ結晶粒を均一微細にでき、さらに圧延加工率を大きくとれるため経済的にも有利である。従って、鋳塊を冷間圧延する前に予め均質化焼鈍、熱間圧延の少なくとも一方の工程を入れると良い。これら均質化焼鈍、熱間圧延は750℃〜900℃で30分〜2時間行うのが好ましい。
Z<100−10X−Y (1)
[ただし、Zは冷間圧延加工率(%)、XはSn含有量(wt%)、YはSnとCu以外の元素の含有量の総量(wt%)である。]
0.8×(100−10X−Y)<Z<100−10X−Y (2)
[ただし、Zは冷間圧延加工率(%)、XはSn含有量(wt%)、YはSnとCu以外の元素の含有量の総量(wt%)である。]
冷間圧延加工率Z(%)を(1)式のように定めたのは、各添加元素に対して(1)式を満足する圧延加工率で冷間圧延することにより、ND面において曲げ変形時に表面シワの起点になる{100}面の減少と、同時に{110}面、{111}面、{311}面、特に平面ひずみ引張応力状態での曲げ加工性を劣化する{110}面の集積度を抑え、曲げ加工性の劣化を抑えることができた。この時のSNDはSND≧0.05を満足していた。加えて(2)式のように限定したのは、(2)式を満足する範囲の圧延加工率で冷間圧延することにより、{100}面、{110}面、{111}面、{311}面の集積度の変化が小さく安定していた。この時のSNDは0.05≦SND≦0.15を満足していた。さらに、引張強さ、0.2%耐力を向上でき、トレードオフの関係にある強度、0.2%耐力と曲げ加工性を両立できた。また、冷間圧延後に再結晶温度未満の低温焼鈍を実施した場合、{100}面、{110}面、{111}面、{311}面の集積割合はほとんど変化せず、引張強さと0.2%耐力も維持できる。さらに低温焼鈍により伸び、即ち曲げ性が向上できる。
従って、(1)式を満たす冷間圧延加工率Z(%)の冷間圧延、さらに好ましくは(2)式を満たす冷間圧延加工率Z(%)の冷間圧延と再結晶温度未満の低温焼鈍を組み合わせることが最も望ましい。この時の低温焼鈍条件は、銅基合金の再結晶温度より50〜250℃低い温度で30分〜2時間行うのが好ましく、例えば、温度250〜350℃、30分〜1時間であり、この条件以外でも材料に同等の熱量を与えられる温度と時間の組合せであれば特性の発現が可能である。
一方、(1)式を満足しない圧延加工率では、{100}面の集積度が大幅に減少する一方で、{110}面の集積度が顕著に増加し、平面応力状態での曲げ加工性を大幅に劣化した。この時のSNDはSND<0.05であった。さらに、曲げ加工性を向上しようとすると引張強さと0.2%耐力が劣化して両者のバランスを維持できなかった。
上記現象の代表例として、Cu−1.04wt%Ni−0.90wt%Sn−0.05wt%Pの圧延加工率とND面における各結晶方位の集積度との関係と、Cu−1.04wt%Ni−0.90wt%Sn−0.05wt%Pの圧延加工率と引張強さ、0.2%耐力、伸びとの関係を考察する。この時前記(1)式を満足する冷間圧延加工率はZ(%)<89.91%である。さらに前記(2)式を満足する冷間圧延加工率は71.9%<Z(%)<89.91%である。Z(%)<89.91%、特に71.9%<Z(%)<89.91%では曲げ変形時にシワの起点になる{100}面の集積度が殆ど変化しない。同時に平面ひずみ引張応力状態での曲げ加工性を顕著に劣化する{110}面の集積度が、この領域でほぼ一定である。この時のSNDは圧延加工率80%でSND=0.10、85%でSND=0.07であった。また、引張強さ、0.2%耐力を向上できる。なお、圧延加工率が90%を超えると引張試験により得られる伸びが向上するが、曲げ試験と対比すると、板幅と板厚の比、W/tがW/t≦4の単軸引張応力状態では曲げ加工性が向上したものの、W/t≧10の平面ひずみ引張応力状態では曲げ加工性が顕著に劣化し、引張試験により得られた伸びの結果とは対比していなかった。
次に、本発明に係る銅基合金の熱処理を含む加工工程を上記のとおりに限定した理由について説明する。
本発明の材料は、次のような工程を経て製造することができる。即ち、上記成分組成の銅基合金の鋳塊を、冷間圧延し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、最終冷間圧延加工前の圧延加工である中延圧延を行って板材表面のX線回折強度比SNDを0.05≦SND≦0.15とし、しかる後に焼鈍を行って結晶粒径20μm以下の板材を得、次いで最終冷間圧延と再結晶温度未満の低温焼鈍を行うことで所望の板厚の材料とする。
なお、鋳塊を冷間圧延する前に予め均質化焼鈍または熱間圧延をすることで鋳造時に生じたミクロ的あるいはマクロ的な溶質元素の偏析を除去して溶質元素分布の均質化を図る効果があり、特に熱間圧延をすることで鋳塊の結晶方位をランダムにでき、かつ結晶粒を均一微細にでき、さらに圧延加工率を大きくとれるため経済的にも有利である。従って、鋳塊を冷間圧延する前に均質化焼鈍、熱間圧延の少なくとも一方の工程を入れると良い。これら均質化焼鈍、熱間圧延は750〜900℃で30分〜2時間行うのが好ましい。
冷間圧延(好ましくは50〜90%、より好ましくは55〜85%の範囲での冷間圧延加工。)し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、最終冷間圧延加工前の圧延加工である中延圧延においてはその後の板材表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15となる圧延加工率をとるのが好ましく、0.05≦SND≦0.15のときは、その直後の焼鈍において、再結晶温度以上の温度で焼鈍すると均一な結晶粒が分布した。ここで、焼鈍後の結晶粒径を20μm以下になるように焼鈍の温度、時間を制御(好ましくは400〜700℃で0.5分〜10時間)すれば最終冷間圧延と再結晶温度未満の焼鈍の組合せで得られた板材において高い強度を維持しつつ、曲げ加工性を向上できる。
ここで、SND>0.15のときは、その後の焼鈍で前述の組織を得るための温度、時間の領域が狭くなり結晶粒径の制御が難しいこと、さらにまたND面において曲げ変形時の窪みの起点になる{100}面の集積度が増加し、この方位の粗大な結晶粒がまばらに分布してしまう。一方、0.05> SNDのときは、{110}面をはじめとする方位面密度が高くなり、これらの結晶粒が群をなして発達するために、曲げ変形時に表面シワの局在化を招く。また、中延圧延に続く焼鈍後の結晶粒径が20μmを超えると、必要な強度を得るための最終冷間圧延加工率が大きくなり曲げ加工性が劣化する。
以上より、導電率、引張強さ、0.2%耐力、ばね性、ビッカース硬さおよび曲げ加工性のバランスに優れた析出強化型銅基合金を得る。具体的にバランスの優れた特性としては、導電率として25.0%IACS以上、好ましくは35.0%IACS以上、引張強さとして560N/mm2以上、好ましくは580N/mm2以上、0.2%耐力として550N/mm2以上、好ましくは570N/mm2以上、ばね限界値として400N/mm2以上、好ましくは460N/mm2以上、ビッカース硬さとして180、好ましくは190以上、曲げ加工性(180°曲げ性R/t)として1.0以下、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0である。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
[実施例1] 表1にその化学成分値(wt%)を示す銅基合金No.1〜15をAr雰囲気で溶解した後、カーボン製の鋳型を用いて40×40×100(mm)の鋳塊を鋳造した。得られた鋳塊を40×40×20(mm)のサイズに輪切りに切断した後、900℃で1時間の均質化熱処理を実施した。しかる後に板材を板厚20mmから6.0mmまで熱間圧延し、圧延後水急冷および酸洗を行った。得られた板材No.1〜15について、各々の詳細条件を以下に示す。
本発明例No.1は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから1.2mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚1.2mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.2は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから0.8mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚0.8mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.3は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから1.0mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚1.0mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.4は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから1.2mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚1.2mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.5は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから1.0mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚1.0mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.6は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから1.2mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚1.2mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.7は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから0.6mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚0.6mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.8は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから0.6mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚0.6mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
本発明例No.9〜10は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延し、550℃で1時間の熱処理を実施した。しかる後に板厚2.5mmから0.8mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚0.8mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
一方、比較材No.11は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延した後に550℃で1時間の熱処理を実施し、しかる後に板厚2.5mmから0.3mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚0.3mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
比較材No.12は、板厚6.0mmから1.0mmまで冷間圧延した後に550℃で1時間の熱処理を実施し、しかる後に板厚1.0mmから0.6mmまで冷間圧延し、500℃で1時間の熱処理を実施した。得られた板材について板厚0.6mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
比較材No.13は、板厚6.0mmから0.5mmまで冷間圧延した後に600℃で1時間の熱処理を実施し、得られた板材について板厚0.5mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である300℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
比較材No.14は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延した後に550℃で1時間の熱処理を実施し、得られた板材について板厚2.5mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である250℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
比較材No.15は、板厚6.0mmから2.5mmまで冷間圧延した後に550℃で1時間の熱処理を実施し、得られた板材について板厚2.5mmから0.2mmまで仕上の冷間圧延をした後に再結晶温度未満である350℃で1時間の熱処理をして供試材とした。
Figure 2006016667
上記のようにして得られた本発明に係るNo.1〜10の板材では、最終冷間圧延加工前の500℃×1時間の熱処理後の平均結晶粒径は6〜10μmであって20μm以下であり、この熱処理前の板材表面(ND面)についてX線回折を行い、SNDを測定した結果、0.06〜0.10であって、0.05≦SND≦0.15の範囲内であったことを付け加えておく。
ここで、X線回折強度の測定条件は以下のとおりである。
管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:30mA、サンプリング幅:0.020°、モノクロメーター使用、試料ホルダー:Al
なお、X線回折強度測定条件は、上記条件に限定されるものでなく、試料の種類によって適宜変更される。
また、本発明における結晶粒径は材料表面(圧延面)について光学顕微鏡を用いて200倍の倍率で観察した結晶についてJIS H 0501に準拠して算出した。
このようにして得られたNo.1〜15のサンプルはいずれもNi-P化合物が分散析出したものであったが、これらNo.1〜15のサンプルについて、まずSNDを測定し評価した。ついで、導電率、引張強さ、180°曲げ性を評価した。導電率、引張強さはそれぞれJIS H 0505、JIS Z 2241に準拠して測定し評価した。また、曲げ性は、180°曲げ試験(JIS H3110に準拠)にて、幅10mmの試験片を圧延方向に平行な方向で打ち抜き、得られた試験片について内曲げ半径Rと板厚tの比をR/tとして、曲げ部表面に割れが発生しない最小のR/tで評価し、これらを表2に示した。
Figure 2006016667
表1および表2の結果から、次のことが明らかである。
本発明に係るNo.1〜10の合金は、仕上げ焼鈍前のSNDが0.06〜0.10であって0.05≦SND≦0.15を満足し、しかる後の焼鈍後の結晶粒径が6〜10μmであって20μm以下を満足し、最終板材もSNDが0.06〜0.11であって0.05≦SND≦0.15を満足しており、曲げ加工に優れ、また、導電率、引張強さのバランスに優れていた。
一方、仕上げ焼鈍後の仕上圧延加工率が(2)式の下限を満足しない比較例No.11は曲げ加工性を満足しているものの、引張強さが490N/mm2と本発明に係るNo.1〜10に比べて引張強さが劣化している。
仕上げ焼鈍後の結晶粒径が20μmを超えた比較例No.12、13は引張強さが540N/mm2と低く、また、曲げ加工性も劣化している。
仕上げ焼鈍後の仕上圧延加工率が(2)式の上限を満足しない比較例No.14、15については、No.14では引張強さが645N/mm2と高い値を示しているが、曲げ加工性が劣化している。No.15ではNo.14に対して低温焼鈍温度を100℃上げて曲げ加工性の向上を狙ったが、曲げ加工性は思ったほど向上せず、また、引張強さが565N/mm2まで下がってしまっている。
[実施例2] 実施例1の表1中に示す本発明合金No.3(板厚0.20mm)と市販のりん青銅合金(C5191 質別H、板厚0.20mm:6.5wt%Sn、0.2wt%P、残部Cu)について、導電率、引張強さ、0.2%耐力、ばね限界値、ビッカース硬さ及び曲げ加工性を評価した。
導電率、引張強さ、0.2%耐力、ばね限界値、ビッカース硬さの測定は、各々、JIS H 0505、JIS Z 2241、JIS H 3130、JIS Z 2244に準拠して行った。曲げ加工性は、90°W曲げ試験(JIS H 3110に準拠)にて、幅10mmの試験片を打ち抜き、得られた試験片について内曲げ半径Rと板厚tの比をR/tとして、曲げ部表面に割れが発生しない最小のR/tで評価した。結果を表3に示す。
Figure 2006016667
表3に示す結果から、本発明に係る銅基合金は、従来の代表的なコネクタ、スイッチ、リレー用の銅基合金C5191Hと比較して、導電率が著しく高く、引張強さ、0.2%耐力、ばね限界値、ビッカース硬さ及び曲げ加工性のバランスに優れていることが分かる。
本発明に係る銅基合金は、情報・通信用の狭ピッチコネクタ、自動車用ハーネスコネクタ、半導体用リードフレームおよび小型スイッチ、リレー等の用途に適用することができる。

Claims (7)

  1. Ni、Sn、Pと、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素とを総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15 [ただし、SND=I{200}÷[I{111}+I{220}+I{311}]。I{200}は{100}面のX線回折強度、I{111}は{111}面のX線回折強度、I{220}は{110}面のX線回折強度、I{311}は{311}面のX線回折強度である。]である銅基合金。
  2. Ni:0.01〜4.0wt%、Sn:0.01〜10wt%、P:0.01〜0.20wt%を含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15[ただし、SND=I{200}÷[I{111}+I{220}+I{311}]。I{200}は{100}面のX線回折強度、I{111}は{111}面のX線回折強度、I{220}は{110}面のX線回折強度、I{311}は{311}面のX線回折強度である。]である銅基合金。
  3. Ni:0.01〜4.0wt%、Sn:0.01〜10wt%、P:0.01〜0.20wt%を含有し、さらにZn、Si、Fe、Co、Mg、Ti、Cr、Zr、Alのうちから選ばれる少なくとも1種以上の元素を総量で0.01〜30wt%含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、表面のX線回折強度比SNDが0.05≦SND≦0.15[ただし、SND=I{200}÷[I{111}+I{220}+I{311}]。I{200}は{100}面のX線回折強度、I{111}は{111}面のX線回折強度、I{220}は{110}面のX線回折強度、I{311}は{311}面のX線回折強度である。]である銅基合金。
  4. 前記元素組成の銅基合金の鋳塊に対し、冷間圧延し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、最終冷間圧延加工前の圧延加工である中延圧延を行って板材表面の前記X線回折強度比SNDを0.05≦SND≦0.15とし、しかる後に焼鈍を行って結晶粒径20μm以下の板材を得、次いで最終冷間圧延と再結晶温度未満の低温焼鈍を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の銅基合金を製造する方法。
  5. 前記元素組成の銅基合金の鋳塊に対し、冷間圧延し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、次式(1)
    Z<100−10X−Y (1)
    [ただし、Zは冷間圧延加工率(%)、Xは該元素のうちのSnの含有量(wt%)、YはSnとCu以外の該元素の含有量の総量(wt%)である。]
    を満たす加工率Zで冷間圧延し、次いで再結晶温度未満の低温焼鈍を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の銅基合金を製造する方法。
  6. 前記元素組成の銅基合金の鋳塊に対し、冷間圧延し次いで焼鈍することからなる組み合わせ工程を少なくとも1回以上行った後、次式(2)
    0.8×(100−10X−Y)<Z<100−10X−Y (2)
    [ただし、Zは冷間圧延加工率(%)、Xは該元素のうちのSnの含有量(wt%)、YはSnとCu以外の該元素の含有量の総量(wt%)である。]
    を満たす加工率Zで冷間圧延し、次いで再結晶温度未満の低温焼鈍を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の銅基合金を製造する方法。
  7. 前記組み合わせ工程を行うに先立って、前記鋳塊に対し、予め、均質化焼鈍、熱間圧延のうちから選ばれる少なくとも一方を行う、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
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