JP4466688B2 - 圧延銅箔 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延銅箔に関し、特に、フレキシブルプリント配線板等の可撓性配線部材に好適な、優れた屈曲特性を有する圧延銅箔に関するものである。
フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit、以下、FPCと称す)は、厚みが薄く可撓性に優れる特長から、電子機器等への実装形態における自由度が高い。そのため、現在では、折り畳み式携帯電話の折り曲げ部、デジタルカメラ、プリンターヘッドなどの可動部、ならびに、HDD (Hard Disk Drive)やDVD (Digital Versatile Disc),CD (Compact Disk)など、ディスク関連機器の可動部の配線等にFPCが広く用いられている。
FPCの導電体としては、種々の表面処理が施された純銅箔または銅合金箔(以下、単に「銅箔」という)が一般的に用いられている。銅箔は、その製造方法の違いにより、電解銅箔と圧延銅箔に大別される。FPCは、前述のように繰り返し可動する部分の配線材として用いられることから優れた屈曲特性(例えば、100万回以上の屈曲特性)が要求され、銅箔として圧延銅箔が使用されることが多い。
一般的に、圧延銅箔は、原材料となるタフピッチ銅(JIS H3100 C1100)や無酸素銅(JIS H3100 C1020)の鋳塊に熱間圧延を施した後、所定の厚さまで冷間圧延と中間焼鈍を繰り返し施すことによって製造される。FPC用の圧延銅箔に要求される厚さは、通常、50μm以下であるが、最近では十数μm以下と更に薄くなる傾向にある。
FPCの製造工程は、概略的に、「FPC用銅箔と、ポリイミドなどの樹脂からなるベースフィルム(基材)を貼り合わせてCCL (Copper Claded Laminate)を形成する工程(CCL工程)」、「該CCLにエッチング等の手法により回路配線を形成する工程」、「該回路上に配線保護のための表面処理を行う工程」などから構成されている。CCL工程には、接着剤を介して銅箔と基材を積層した後、熱処理により接着剤を硬化して密着させる(3層CCL)方法と、接着剤を介さず、表面処理の施された銅箔を基材に直接張り合わせた後、加熱・加圧により一体化する(2層CCL)方法の2種類がある。
ここで、FPCの製造工程においては、製造の容易性の観点から冷間圧延加工上がり(加工硬化した硬質な状態)の銅箔が用いられることが多い。銅箔が焼鈍された(軟化した)状態にあると、銅箔の裁断や基材との積層時に、銅箔の変形(例えば、伸び、しわ、折れ、等)が生じ易く、製品不良になりやすいためである。
一方、銅箔の屈曲特性は、再結晶焼鈍を行うことにより、圧延加工上がりよりも著しく向上する。そこで、上述のCCL工程における基材と銅箔を密着・一体化させるための熱処理で、銅箔の再結晶焼鈍を兼ねる製造方法が一般的に選択されている。なお、このときの熱処理条件は、180〜300℃で1〜60分間(代表的には200℃で30分間)であり、銅箔は再結晶組織に調質した状態となる。
FPCの屈曲特性を高めるためには、その素材となる圧延銅箔の屈曲特性を高めることが有効である。また、一般的に、再結晶焼鈍後の銅箔の屈曲特性は、立方体集合組織が発達するほど向上することが知られている。なお、一般に言われている「立方体集合組織が発達」とは、圧延面において{200}Cu面の占有率が高いこと(例えば、85%以上)のみを意味する。
従来、屈曲特性に優れた圧延銅箔やその製造方法として、次のようなものが報告されている。最終圧延加工度を高くすること(例えば、90%以上)によって立方体集合組織を発達させる方法、再結晶焼鈍後の立方体集合組織の発達度合を規定した銅箔(例えば、圧延面のX線回折で求めた(200)面の強度が、粉末X線回折で求めた(200)面の強度の20倍より大きい銅箔)、銅箔板厚方向の貫通結晶粒の割合を規定した銅箔(例えば、断面面積率で40%以上が貫通結晶粒である銅箔)、微量添加元素の添加により軟化温度を制御した銅箔(例えば、120〜150℃の半軟化温度に制御した銅箔)、双晶境界の長さを規定した銅箔(例えば、長さ5μmを超える双晶境界が1mm2の面積あたり合計長さ20 mm以下である銅箔)、微量添加元素の添加により再結晶組織を制御した銅箔(例えば、Snを0.01〜0.2質量%添加し、平均結晶粒径を5μm以下、最大結晶粒径を15μm以下に制御した銅箔)などが報告されている(例えば、特許文献1乃至7参照)。
特開2001−262296号公報 特許第3009383号公報 特開2001−323354号公報 特開2006−117977号公報 特開2000−212661号公報 特開2000−256765号公報 特開2005−68484号公報
しかしながら、近年、電子機器類の小型化、高集積化(高密度実装化)や高性能化等の進展に伴い、FPCには従来よりも更なる高屈曲特性の要求が益々高まってきている。FPCの屈曲特性は実質的に銅箔のそれによって決まるため、要求を満たすためには銅箔の屈曲特性を更に向上させることが必須である。
従って、本発明の目的は、フレキシブルプリント配線板(FPC)等の可撓性配線部材に適しており、従来よりも優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を提供することにある。
本発明者らは、圧延銅箔における圧延集合組織に関する金属結晶学的な詳細検討を行い、圧延集合組織の結晶粒の方位・配向状態が、再結晶焼鈍後の立方体集合組織での結晶粒配向状態および銅箔の屈曲特性との間に、特定の相関関係を有することを解明したことに基づき、本発明を完成した。
本発明は、上記目的を達成するため、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定の各α角度(α=15〜90°で1°毎)におけるβ走査で得られる銅結晶の{200}Cu面回折ピークの規格化強度をプロットした際に、α=40〜60°の範囲内での規格化強度の最大値Aと、α=80〜90°の範囲内での規格化強度の最大値Bとの比がA/B≧4であり
記α角度が25〜90°の範囲において、前記規格化強度の極大領域が一つだけ存在し、かつ、前記α角度が25〜45°の範囲において、α角度が大きくなるに伴って前記規格化強度が増加するにあたり、隣接するプロット間の傾きが同じ領域と増大する領域の少なくとも一方からなることを特徴とする圧延銅箔を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る圧延銅箔において、前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークの80%以上が{220}Cu面であることを特徴とする圧延銅箔を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る圧延銅箔において、Snを0.001〜0.009質量%含み、残部がCu及び不可避不純物からなる銅合金を用いることを特徴とする圧延銅箔を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る圧延銅箔において、再結晶焼鈍を施した後の状態における前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークの90%以上が前記{200}Cu面であることを特徴とする圧延銅箔を提供する。
本発明によれば、フレキシブルプリント配線板(FPC)等の可撓性配線部材に適しており、従来よりも優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を提供することができる。
図1は、X線回折(以下、XRDと表記する場合もある)における入射X線、検出器、試料、走査軸の関係を示す概略図である。以下、図1を用いてXRDによる圧延銅箔の結晶粒配向状態に関する評価方法を説明する。なお、図1における3つの走査軸は、一般的に、θ軸が試料軸、α軸があおり軸、β軸が面内回転軸と呼ばれている。また、本発明におけるX線回折は、すべてCu Kα線によるものとする。
入射X線に対して、試料と検出器をθ軸で走査し、試料の走査角をθ、検出器の走査角を2θで走査する測定方法を2θ/θ測定という。2θ/θ測定によって、多結晶体である圧延銅箔の試料面(本発明では圧延面)において、どの結晶面が優勢であるのか(圧延面における占有率)が評価できる。
ある1つの回折面{hkl}Cuに着目して、着目した{hkl}Cu面の2θ値に対し(検出器の走査角2θを固定し)、α軸走査をステップで行い、各α値に対して試料をβ軸走査(0〜360°まで面内回転(自転))させる測定方法を極点図測定という。なお、本発明のXRD極点図測定では、試料面に垂直方向をα=90°と定義し、測定の基準とする。また、極点図測定には、反射法(α=15〜90°)と透過法(α=0〜15°)があるが、本発明における極点図測定は、反射法(α=15〜90°)のみの測定とする。
〔本発明の第1の実施の形態〕
本実施の形態における圧延銅箔は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定の各α角度(α=15〜90°で1°毎)におけるβ走査で得られる銅結晶の{200}Cu面回折ピークの規格化強度をプロットした際に、α=40〜60°の範囲内での規格化強度の最大値Aと、α=80〜90°の範囲内での規格化強度の最大値Bとの比がA/B≧4であり
記α角度が25〜90°の範囲において、前記規格化強度の極大領域が一つだけ存在し、かつ、前記α角度が25〜45°の範囲において、α角度が大きくなるに伴って前記規格化強度が増加するにあたり、隣接するプロット間の傾きが同じ領域と増大する領域の少なくとも一方からなることを特徴とする。
(規格化強度の比)
規格化強度(Rc)とは、XRD極点図測定において、各α角度におけるβ軸走査(面内回転軸走査)による所定の{hkl}Cu回折ピーク強度を平均化したカウント数であり、次式(詳細は下記文献を参照)により算出することができる。なお、規格化の計算は通常コンピューターで実施される。
Rc = Ic / Istd
ここで、
Ic:補正強度(バックグラウンド補正、吸収補正)
Istd:計算で求めた規格化するための強度
である。
(文献名)「RAD システム応用ソフトウェア 集合組織解析プログラム 取扱説明書(説明書番号:MJ201RE)」,理学電機株式会社,p.22〜23.
(文献名)「CN9258E101 RINT2000シリーズ アプリケーションソフトウェア 正極点 取扱説明書(説明書番号:MJ10102A01)」理学電機株式会社,p.8〜10.
また、XRDピーク強度を規格化して用いる理由は、XRD測定の際の管電圧や管電流などの条件設定の違いによる影響をなくして比較できるようにするためである(実質的に装置依存性がなくなる)。
ここで、圧延加工による銅結晶粒の回転について考察する。圧延加工時に掛かる応力は、対象物に対して「引張応力成分」と「圧縮応力成分」に分けて考えられる。銅箔に対する冷間圧延加工において、銅箔中の銅結晶は、圧延加工時の応力により回転現象を起こし、加工の進展とともに圧延集合組織を形成することが知られている。このとき、応力方向による結晶の回転方位(圧延面に配向する方位)は、一般的に、圧縮応力の場合が{220}Cu面、引張応力の場合が{311}Cu面や{211}Cu面である。
そこで、圧延加工中において「圧縮応力 > 引張応力」の関係が保持されるように制御することによって、{220}Cu面配向(圧延集合組織)が形成される。また、圧延銅箔において、{220}Cu面配向(圧延集合組織)の形成が、再結晶焼鈍による立方体集合組織の形成を促進すると言われている。
しかしながら、圧延加工中に加工熱による部分的な再結晶化現象(すなわち加工歪の開放)が起こると、圧延面に略平行な{220}Cu面を有する銅結晶粒が減少することが考えられる。また、圧延加工中の再結晶化現象が起こらなくても、加工歪の蓄積量が不十分な場合(例えば、圧延加工度が小さい場合)などは、圧延加工による銅結晶粒の回転が{220}Cu方位まで到達せず、{200}Cu方位付近で留まることも考えられる。
XRD極点図測定におけるα=40〜60°の範囲内の規格化強度Aは、圧延面に対応する銅結晶{200}Cu面の回折強度である。言い換えると、圧延面における{220}Cu面の規格化した回折強度を意味する。ここで、αの範囲を40〜60°とした理由は、圧延集合組織が銅結晶粒の回転現象によって形成されることから、銅結晶{220}Cu面が圧延面に対して若干の傾斜(tilt)を有する場合が多いと考えられるためである。
また、α=90°の規格化強度は、圧延面に平行な{200}Cu面の回折強度であるが、上記と同様の要因により、{200}Cu面が圧延面に対して若干の傾斜(tilt)を有する銅結晶も多く存在すると考えられる。そこで、本発明では、規格化強度Bを判定する範囲をα=80〜90°と選定した。
α=40〜60°における{200}Cu面の最大規格化強度Aとα=80〜90°における最大規格化強度Bとの比が「A/B≧4」であるということは、圧延面(若干の傾斜を含む)において銅結晶{220}Cu面が支配的であることを意味している。言い換えると、加工歪の蓄積量が十分に多い圧延集合組織を有する圧延銅箔であることを示している。
一方、規格化強度の比が「A/B<4」になると、加工歪の蓄積量が不十分または従来と同程度の圧延集合組織を有する圧延銅箔となり、結果として、従来よりも高い屈曲特性を有する銅箔が得られない。よって、「A/B≧4」とする。より望ましくは「A/B≧ 4.5」であり、更に望ましくは「A/B≧5」である。
また、圧延加工における銅結晶粒の回転が不十分、および/または圧延加工中の部分的な再結晶化現象が起こると、α=25〜45°の範囲において、規格化強度が階段状を示したり、極大値を示したりする領域(総称して「階段状で増加する領域」とする)が見られることがある。このような場合も、結果として、従来よりも高い屈曲特性を有する銅箔が得られない。よって、α角度が大きくなるに伴って規格化強度が増加するにあたり、階段状で増加する領域が実質的に存在しないことが望ましい。
〔本発明の第2の実施の形態〕
(2θ/θ測定)
本実施の形態における圧延銅箔は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の状態において、圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークにおける{220}Cu面の回折強度が強く、その{220}Cu面占有率が80%以上であることを特徴とする。
図2は、本実施の形態に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後かつ再結晶焼鈍前の状態で、圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果の一例である。図2から明らかなように、圧延面は{220}Cu面の回折強度が強く、その{220}Cu面占有率は80%以上である。これは、圧延加工による加工歪が十分に蓄積された圧延集合組織を有する圧延銅箔であることを示している。
一方、{220}Cu面占有率が80%未満であると、加工歪の蓄積量が不十分で、その後再結晶焼鈍を施した圧延銅箔において従来よりも高い屈曲特性が得られない。従って、{220}Cu面占有率は80%以上とする。より望ましくは85%以上であり、更に望ましくは90%以上である。
なお、前記{220}Cu面占有率は次のように定義した。
{220}Cu面占有率(%)=[I{220}Cu / (I{111}Cu+I{200}Cu+I{220}Cu+I{311}Cu+I{222}Cu)] × 100
ここで、
I{200}Cu:{200}Cu面の回折ピーク強度
I{111}Cu:{111}Cu面の回折ピーク強度
I{220}Cu:{220}Cu面の回折ピーク強度
I{311}Cu:{311}Cu面の回折ピーク強度
I{222}Cu:{222}Cu面の回折ピーク強度
である。
〔本発明の第3の実施の形態〕
(圧延銅箔の銅合金組成)
本実施の形態における圧延銅箔は、Snを0.001〜0.009質量%含み、残部がCu及び不可避不純物からなる銅合金であることを特徴とする。本実施の形態において、圧延銅箔を構成する銅合金の合金成分の添加理由と含有量の限定理由を以下に説明する。
圧延銅箔は、最終冷間圧延工程における総加工度が大きくなるほど(例えば、90%以上)、常温軟化を起こし易い傾向がある。この望まない現象(常温軟化)が起こると、FPC製造工程における銅箔の裁断や基材との積層時に銅箔の変形が生じ易く、歩留まり低下の要因となる。
CuにSnを含有させることにより、最終冷間圧延工程において強加工を施しても常温軟化を抑制する(軟化温度または再結晶開始温度を制御する)ことができる。なお、ここで言う「常温軟化」は、冷間圧延加工中における部分的な再結晶現象を含むものとする。
Snの含有量が増加するのに伴い、圧延銅箔の軟化温度は上昇する。Snが0.001質量%より少ない場合では、所望の軟化温度に制御することが困難である。また、Snが0.009質量%より多い場合では、軟化温度が高くなり過ぎて前述したCCL工程での再結晶焼鈍が困難になるとともに、電気伝導性が低下するという弊害も生じる。従って、Snの含有量は0.001〜0.009質量%とする。より好ましくは0.002〜0.008質量%であり、更に好ましくは0.003〜0.007質量%である。
〔圧延銅箔の製造方法〕
次に、図3を参照しながら、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔の製造方法を説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔の製造工程の1例を示すフロー図である。
はじめに、原材料となるタフピッチ銅(JIS H3100 C1100)や無酸素銅(JIS H3100 C1020)や上記成分を含む銅合金のインゴット(鋳塊)を用意する(工程a)。次に、熱間圧延を行う熱間圧延工程(工程b)を行う。熱間圧延工程の後、冷間圧延を行う冷間圧延工程(工程c)と冷間圧延による加工硬化を緩和する中間焼鈍工程(工程d)とを適宜繰り返し行うことにより「生地」と呼ばれる銅条が製造される。次に、生地焼鈍工程(工程d')が行われる。生地焼鈍工程においては、それ以前の加工歪が十分に緩和されること(例えば、略完全焼鈍)が望ましい。
その後、焼鈍した「生地」に対して最終冷間圧延工程(工程e、「仕上げ圧延工程」と称される場合もある)を施して、所定厚さの圧延銅箔が製造される。最終冷間圧延工程後の圧延銅箔は、必要に応じて表面処理等が施され(工程f)、FPC製造工程(工程g)に供給される。前述したように、再結晶焼鈍(工程g’)は工程gの中(例えば、CCL工程)で為されることが多い。本発明において、「最終冷間圧延工程」とは工程eを意味し、「再結晶焼鈍」工程g’とは工程gの中で為されるものを意味するものとする。
〔本発明の第4の実施の形態〕
(2θ/θ測定)
本実施の形態における圧延銅箔は、前述の圧延銅箔(最終冷間圧延工程の後)に対し再結晶焼鈍を施した状態において、圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークにおける{200}Cu面の回折強度が強く、その{200}Cu面占有率が90%以上であることを特徴とする。
図4は、本実施の形態に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後に再結晶焼鈍を施した状態で、圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果の1例である。図4から明らかなように、圧延面において{200}Cu面の回折強度が強く、その占有率は90%以上である。
一方、{200}Cu面占有率が90%未満であると、従来よりも高い屈曲特性が得られない。よって、{200}Cu面占有率は90%以上とする。より望ましくは92%以上であり、更に望ましくは94%以上である。
なお、前記{200}Cu面占有率は次のように定義した。
{200}Cu面占有率(%)=[I{200}Cu / (I{111}Cu+I{200}Cu+I{220}Cu+I{311}Cu+I{222}Cu)] × 100
(高屈曲特性化のメカニズムの考察)
つぎに、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔の高屈曲特性化のメカニズムについて説明する。
金属結晶に応力が掛かると、転位は結晶のすべり面に沿って移動する。しかし、結晶粒界は、一般的に転位の移動に対する障害物となる。多結晶体である圧延銅箔において、屈曲運動により転位が結晶粒界等に集積すると、集積箇所でクラックが生じやすくなり、いわゆる金属疲労を起こすと考えられる。言い換えると、多結晶体において転位が集積することを抑制できれば、屈曲特性が向上することが期待される。
本実施の形態に係る圧延銅箔は、圧延集合組織を制御することにより再結晶後の立方体集合組織を制御することが可能であることを示している。再結晶によって銅結晶の面心立方構造特有のすべり面である{111}Cu面の配向(すなわち、すべり方向を揃えること)が良く制御された立方体集合組織が得られ、それにより屈曲運動の際に転位が交差すべりを起こす確率が高くなり、その結果、高い屈曲特性が得られるものと考えられる。これは、最終圧延加工後で再結晶焼鈍前の状態(圧延集合組織の状態)の制御で、再結晶焼鈍後の銅箔の屈曲特性を間接的に評価することが可能であることを強く示唆している。
〔他の実施の形態〕
工程aにおいて、溶解・鋳造方法に制限はなく、また、材料の寸法にも制限はない。工程b、工程cおよび工程dにおいても、特段の制限はなく、通常の方法・条件でよい。また、FPCに用いる圧延銅箔の厚みは一般的に50μm以下であり、本発明の圧延銅箔の厚みも、50μm以下であれば制限はない。
〔フレキシブルプリント配線板の製造〕
上記実施の形態の圧延銅箔を用いて、通常行われている製造方法により、フレキシブルプリント配線板を得ることができる。また、圧延銅箔に対する再結晶焼鈍は、通常のCCL工程で行われる熱処理でもよいし、別工程で行われてもよい。
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)従来よりも優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を得ることができる。
(2)従来よりも優れた屈曲特性を有する圧延銅箔を安定して製造することができる。
(3)従来よりも優れた屈曲特性を有するフレキシブルプリント配線板(FPC)等の可撓性配線を得ることができる。
(4)フレキシブルプリント配線板(FPC)のみに留まらず、高い屈曲特性(屈曲寿命)が要求される他の導電部材にも適用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1および比較例1〜3の作製)
はじめに、原料素材として無酸素銅(酸素含有量2ppm)を作製し、厚さ200 mm、幅650 mmの鋳塊を製造した。その後、図3記載のフローにしたがって、10 mmの厚さまで熱間圧延を行った後、冷間圧延および中間焼鈍を適宜繰り返して、0.8 mmと0.2 mmの2種類の厚みを有する生地を製造した。なお、生地焼鈍としては、700℃の温度で、約1分間保持する熱処理を行った。
つぎに、表1に示す条件で最終冷間圧延工程を行うことにより、厚さ16μmの圧延銅箔(実施例1および比較例1〜3)を作製した。なお、実施例1の圧延1パスあたりの加工度における「10パス目以降:10〜14%を含む」とは、10パス目以降の圧延パスにおいて、加工度が10%以上14%以下のパスを少なくとも1パス以上含むことを意味する。また、各条件(各圧延銅箔)において、試料を5つずつ作製した。
Figure 0004466688
(最終冷間圧延工程上がりの圧延銅箔に対するXRD評価)
上記のようにして作製した圧延加工上がりの状態(最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前)の各圧延銅箔(厚さ16μm)に対し、XRD測定を行った。なお、各種XRD測定(極点図測定、2θ/θ測定)には、X線回折装置(株式会社リガク製、型式:RAD−B)を用いた。対陰極(ターゲット)はCuを用い、管電圧および管電流はそれぞれ40 kV、30 mAとした。また、XRD測定に供する試料の大きさは、約15×約15 mm2とした。
また、XRD極点図測定の条件は、一般的なシュルツ反射法を用い、α=15〜90°(圧延面に垂直方向がα=90°)の範囲を1°ステップ毎でβ角度を0〜360°まで走査(自転)しながら、{200}Cu面の回折強度を測定した(2θ≒50°で、2θ値は試料毎に予備測定した結果を用いた)。このときのスリット条件は、発散スリット=1°、散乱スリット=7mm、受光スリット=7mmおよびシュルツスリット(スリット高さ1mm)を用いた。
XRD2θ/θ測定の条件は、一般的な広角ゴニオメータを用い、2θ=30〜100°の範囲で測定した。2θ/θ測定におけるスリット条件は、発散スリットが1°、受光スリットが0.15 mm、散乱スリットが1°とした。
図5は、実施例1における圧延面を基準とした{200}Cu面のXRD極点図測定結果であり、各α角度におけるβ走査で得られる該{200}Cu面回折ピークの規格化強度の1例である。図6は、比較例1〜3における圧延面を基準とした{200}Cu面のXRD極点図測定結果であり、各α角度におけるβ走査で得られる該{200}Cu面回折ピークの規格化強度の例である。図6(a)は比較例1、図6(b)は比較例2、図6(c)は比較例3である。また、表2に、α=40〜60°の範囲内での規格化強度の最大値A、α=80〜90°の範囲内での規格化強度の最大値B、およびそれらの比A/Bを示す(それぞれ5試料の平均)。
Figure 0004466688
図5、図6および表2から明らかなように、実施例1においてはA/B≧4であるが、比較例1〜3ではA/B<4であった。また、α=25〜45°の範囲において、実施例1ではα角度が大きくなるに伴って規格化強度が階段状で増加する領域が実質的に存在していないのに対し、比較例1〜3では規格化強度が階段状で増加する(あるいは棚状となる)領域が明確に存在していることが判る。
A/B<4および/または規格化強度が階段状で増加する領域が生じた要因としては、最終冷間圧延工程(表1参照)において、加工歪の蓄積量が不十分または部分的な再結晶現象が生じたために、銅結晶の不十分な回転現象や加工歪の部分的な開放があったためと考えられる。これに対し、実施例1では、10パス目以降の圧延パスにおいて加工度が10%以上14%以下となるように制御されたパスを含むことで、部分的な再結晶現象を抑制しつつ加工歪の蓄積量を十分高められたものと考えられる。
図7は、最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前における、圧延面に対するX線回折2θ/θ測定結果の例である。図7(a)は実施例1、図7(b)は比較例1、図7(c)は比較例2、図7(d)は比較例3である。また、表3に、最強線の回折強度を100とした場合の相対強度と{220}Cu面占有率を示す(それぞれ5試料の平均)。
Figure 0004466688
図7および表3から明らかなように、実施例1は、{220}Cu面に強く配向した圧延集合組織({220}Cu面占有率≒92%)を形成していることが判る。これに対し、比較例1〜3は、{200}Cu面が強く検出され、{220}Cu面占有率も80%を下回っていることが判る。
(再結晶焼鈍後の圧延銅箔に対するXRD評価)
上記のようにして作製した各圧延銅箔(厚さ16μm、最終冷間圧延工程上がり)に対し、温度180℃で60分間保持する再結晶焼鈍を施した後、X線回折2θ/θ測定により各圧延銅箔の結晶粒配向状態を評価した。立方体集合組織の{200}Cu面占有率を評価したところ、実施例1が約94%、比較例1が約91%、比較例2が約89%、比較例3が約88%であった(それぞれ5試料の平均)。
(再結晶焼鈍後の圧延銅箔の屈曲特性)
次に、上記のようにして作製した各圧延銅箔(厚さ16μm、再結晶焼鈍後)に対する屈曲特性の評価を行った。図8は、屈曲特性評価(摺動屈曲試験)の概略を表した模式図である。摺動屈曲試験装置は信越エンジニアリング株式会社製、型式:SEK−31B2Sを用い、R=2.5 mm、振幅ストローク=10 mm、周波数=25 Hz(振幅速度=1500回/分)、試料幅=12.5 mm、試料長さ=220 mm、試料片の長手方向が圧延方向となる条件で測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004466688
表4の結果から明らかなように、実施例1の圧延銅箔は、比較例1〜3に比して2倍以上の屈曲寿命回数(高い屈曲特性)を有していることが判る。この結果は、圧延集合組織において結晶粒方位の制御をしたことにより、再結晶による立方体集合組織においてすべり面の配向が良く制御されたことに起因すると考えられる。
(実施例2〜3および比較例4の作製)
原料素材として前記無酸素銅(酸素含有量2ppm)にSnを0.004質量%添加した銅合金(実施例2)、前記無酸素銅にSnを0.007質量%添加した銅合金(実施例3)および前記無酸素銅にSnを0.01質量%添加した銅合金(比較例4)を作製し、厚さ200 mm、幅650 mmの鋳塊を製造した。その後、図3記載のフローにしたがって、10 mmの厚さまで熱間圧延を行った後、冷間圧延および中間焼鈍を適宜繰り返して、0.8 mmの厚みを有する生地を製造した。なお、生地焼鈍としては、700℃の温度で、約1分間保持する熱処理を行った。
つぎに、実施例1と同様の条件(表1参照)で最終冷間圧延工程を行うことにより、厚さ16μmの圧延銅箔(実施例2〜3および比較例4)を作製した。なお、先と同様に各条件(各圧延銅箔)において、試料を5つずつ作製した。これらの圧延銅箔(最終冷間圧延加工上がり)に対し、圧延面を基準とした{200}Cu面のXRD極点図測定および圧延面のX線回折2θ/θ測定を行ったところ、図5および図7(a)と同様な結果が得られた。
作製した圧延銅箔(実施例2〜3および比較例4)の軟化温度を調査した。調査方法は、JIS Z 2241の引張試験方法にほぼ準拠し、万能試験機(株式会社島津製作所製、型式:AG−I)を用いた引張強度で判定した。先ず、試料片として幅15 mm、長さ200 mmの短冊状に切り出した(長さ方向が圧延方向)。切り出した各試料片に対し、50℃、100℃、130℃、160℃、180℃、200℃、220℃、240℃、260℃、280℃、300℃、320℃、340℃、360℃の各温度で30分間熱処理を施した。熱処理後の各試料片の引張強度を測定し、強度の低下がほぼ飽和(110〜150 N/mm2程度)した温度を軟化温度とした(なお、熱処理前の圧延銅箔の引張強度は380〜480 N/mm2程度)。
このようにして調査した結果(それぞれ5試料の平均)、実施例2の軟化温度は約180℃、実施例3の軟化温度は約260℃、比較例4の軟化温度は約320℃であった。なお、Sn成分を含まない無酸素銅(実施例1)の軟化温度は約100℃であった。
これらの圧延銅箔に対し、CCL工程での再結晶焼鈍を想定した条件(温度300℃で10分間保持)で熱処理を施した後、前述と同様の屈曲特性評価(摺動屈曲試験)を行った。屈曲特性の評価結果を表5に示す。
Figure 0004466688
上記の結果を総合的に考えると、実施例2および3の圧延銅箔は、圧延集合組織において結晶粒方位の制御をしたことにより、再結晶による立方体集合組織においてすべり面の配向が良く制御されたことから、従来の圧延銅箔(比較例1〜3)に比して2倍以上の屈曲寿命回数(高い屈曲特性)を示したものと考えられる。
一方、Sn成分の含有量が本発明の要件よりも多い比較例4は、従来の圧延銅箔(比較例1〜3)よりも劣る屈曲特性であった。これは、Sn成分の含有量が多過ぎたために、十分な再結晶焼鈍が行われず、立方体集合組織が未発達となったためと考えられる。実用上の観点から圧延銅箔の軟化温度は300℃以下であることが望ましく、上記の結果から、Sn成分の含有量は0.009質量%以下であることが好ましいと言える。
X線回折における入射X線、検出器、試料、走査軸の関係を示す概略図である。 第2の実施の形態に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後かつ再結晶焼鈍前の状態で、圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果の一例である。 本発明の実施の形態に係る圧延銅箔の製造工程の1例を示すフロー図である。 第4の本実施の形態に係る圧延銅箔において、最終冷間圧延工程の後に再結晶焼鈍を施した状態で、圧延面に対してX線回折2θ/θ測定を行った結果の1例である。 実施例1における最終冷間圧延工程後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔に対する、圧延面を基準とした{200}Cu面のXRD極点図測定結果であり、各α角度におけるβ走査で得られる該{200}Cu面回折ピークの規格化強度の1例である。 比較例1〜3における最終冷間圧延工程後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔に対する、圧延面を基準とした{200}Cu面のXRD極点図測定結果であり、各α角度におけるβ走査で得られる該{200}Cu面回折ピークの規格化強度の例である。図6(a)は比較例1、図6(b)は比較例2、図6(c)は比較例3である。 最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔における、圧延面に対するX線回折2θ/θ測定結果の例である。図7(a)は実施例1、図7(b)は比較例1、図7(c)は比較例2、図7(d)は比較例3である。 屈曲特性評価(摺動屈曲試験)の概略を表した模式図である。
符号の説明
1:銅箔
2:試料固定板
2a:ねじ
3:振動伝達部
4:発振駆動体
R:曲率

Claims (3)

  1. 最終冷間圧延工程の後で再結晶焼鈍前の圧延銅箔であって、
    圧延面を基準としたX線回折極点図測定により得られる結果で、極点図測定の各α角度(α=15〜90°で1°毎)におけるβ走査で得られる銅結晶の{200}Cu面回折ピークの規格化強度をプロットした際に、α=40〜60°の範囲内での規格化強度の最大値Aと、α=80〜90°の範囲内での規格化強度の最大値Bとの比がA/B≧4であり
    記α角度が25〜90°の範囲において、前記規格化強度の極大領域が一つだけ存在し、
    かつ、前記α角度が25〜45°の範囲において、α角度が大きくなるに伴って前記規格化強度が増加するにあたり、隣接するプロット間の傾きが同じ領域と増大する領域の少なくとも一方からなることを特徴とする圧延銅箔。
  2. 請求項1に記載の圧延銅箔において、
    前記圧延面に対するX線回折2θ/θ測定により得られる結果で、銅結晶の回折ピークの80%以上が{220}Cu面であることを特徴とする圧延銅箔。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧延銅箔において、
    Snを0.001〜0.009質量%含み、残部がCu及び不可避不純物からなる銅合金を用いることを特徴とする圧延銅箔。
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