JP2006001697A - エレベータ巻上機 - Google Patents

Abstract

【課題】 小型で堅牢なエレベータ巻上機を実現する。
【解決手段】 シーブ１３１とブレーキ側端板１３２とブレーキディスク１３３を一体成形した回転部１３０と、回転子１４１とモータ側端板１４２を一体成形した回転部１４０は、ボルト１５０により同軸に連結されている。両回転部１３０，１４０は、軸受１５１，１５２によりシーブケース１１０及びフレーム１２０にて支持されている。永久磁石１７０を備えた回転子１４１と固定子巻線１７２を備えた固定１７１とでなるモータが駆動すると、回転部１３０、１４０が回転してシーブ１３１にエレベータ用ロープが巻き掛け、繰り出しされる。またブレーキ本体１６０がブレーキディスク１３３に接触して制動が掛けられる。
【選択図】 図１

Description

本発明はエレベータ巻上機に関し、小型化・低コスト化が図れるように工夫したものである。

ギアを用いないタイプのギアレスエレベータ巻上機は、各種開発されている。
図５に示すエレベータ巻上機１０は、実開昭４９−１４９２０１号公報の第１図に開示されているものである。このエレベータ巻上機１０では、ベッド１１上に設置した一対の軸受１１ａ，１１ｂにより回転軸１２を回転自在に支持している。この回転軸１２に、直流電動機１３，シーブ１４及びブレーキドラム１５が備えられている。直流電動機１３には整流子１３ａを介して電流が供給され、シーブ１４にはロープ１６が巻回される。

図６に示すエレベータ巻上機２０は、特公平５−２１８３０号公報の第１図に開示されているものである。このエレベータ巻上機２０は、回転界磁形の同期電動機を用いたものである。このエレベータ巻上機２０では、ベッド２１上に、第１の支柱２２と第２の支柱２３とが離間して配置されている。支柱２２には支持軸２２ａが固定され、支柱２３には支持軸２３ａが固定されている。支持軸２２ａには電機子２４が配置され、支持軸２３ａには軸受２５を介してシーブ２６が配置されている。このためシーブ２６は片持ち梁支持されている。シーブ２６と共に一体に形成されたブレーキホイール２７の内周面には、永久磁石２８が配置されている。この永久磁石２８と電機子２４とで、回転界磁形の同期電動機が構成されている。

実開昭４９−１４９２０１号公報 特公平５−２１８３０号公報

図５に示すエレベータ巻上機１０では、直流電動機１３の回転力を、シーブ１４及びブレーキドラム１５に伝達するため回転軸１２を設けている。この場合、回転力を伝えるために、回転軸１２と直流電動機１３の回転子、回転軸１２とシーブ１４、回転軸１２とブレーキドラム１５を、それぞれ強固に接合しなければならない。このため各接合部に、キー溝、焼きばめ、デーパー接合等の加工を施して組立をしなければならない。このため組立が煩雑であると共に組立コストの上昇を招来していた。また、直流電動機１３，シーブ１４及びブレーキドラム１５を回転軸１２を介して連結しており、これらを直結することができないので、大型化していた。更に、回転軸１２が必要であるため、その分だけコストアップになっていた。

図６に示すエレベータ巻上機２０では、シーブ２６を介して大荷重が作用する支持軸２３ａが、片持ち梁となるため、支柱２３及び軸受２５が大きくなってしまう。また、左右の支柱２２，２３をベッド２１上に組み立てるため、電機子２４と永久磁石２８との同心一を合わせる位置合わせ作業が必要となる。つまり組立工程において、支持軸２２ａと支持軸２３ａの軸芯合わせが必要となる。

本発明は、上記従来技術に鑑み、小型・低コストで組立が容易なエレベータ巻上機を提供することを目的とする。

上記課題を解決する本発明の構成は、
円筒状のシーブと、このシーブの一端側の内周面から径方向内側に伸びたリング状のブレーキ側端板と、前記シーブの一端側に位置するブレーキ回転体とが一体成形されてなる第１の回転部と、
円筒状をなし外周面に永久磁石が備えられた回転子と、この回転子の他端側の内周面から径方向内側に伸びたリング状のモータ側端板とが一体成形されてなり、前記回転子と前記シーブとが突き合わされた状態で第１の回転部と同軸になるように第１の回転部に連結された第２の回転部と、
第１の回転部を覆うと共に第１の回転部のブレーキ側端板の内周部を軸受を介して支持し、更に、前記ブレーキ回転体と接触して制動をするブレーキ制動体が備えられたシーブケースと、
第２の回転部を覆うと共に第２の回転部のモータ側端板の内周部を軸受を介して支持し、更に前記永久磁石と対面する状態で配置された固定子が備えられ、前記シーブケースと結合されてシーブケースと共に外部筐体を形成するフレームと、
を具備することを特徴とする。

また本発明の構成は、
前記ブレーキ回転体はブレーキディスクであり、前記ブレーキ制動体はブレーキディスクを挟む制動パッドを有するブレーキ本体であることを特徴とする。

また本発明の構成は、
前記ブレーキ回転体はブレーキドラムであり、前記ブレーキ制動体はブレーキドラムに接触する制動片を有するブレーキ本体であることを特徴とする。

また本発明の構成は、
第１の回転部と第２の回転部はボルト締結により連結されていることを特徴とする。

本発明では、回転子、シーブ及びブレーキ回転体を直結することにより、エレベータ巻上機の全体構成を小型化することができる。またシャフトを用いないので、その分だけ低価格化を実現することができる。更に、直結するため、シャフトへのキー溝加工等が不要になり組立が容易になる。
また軸受支持部が両持ち構造となり、大きな荷重がかかるシーブを強固に支えることができる。
またベッドを用いないため、組立工程で軸芯合わせが不要となり、組立が容易となる。

以下に本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づき説明する。

図１は本発明の実施例１にかかるエレベータ巻上機１００を示す。なお図１において、中心線よりも上側は断面図、下側は外観図で示している。

このエレベータ巻上機１００では、他端側（左端側）が開放したシーブケース１１０と、一端側（右端側）が開放したフレーム１２０とが、インロー結合により同軸に結合されており、このシーブケース１１０とフレーム１２０とで、エレベータ巻上機１００の外部筐体が形成されている。
シーブケース１１０の下部には、エレベータ巻上機１００を設置場所に固定支持する取付脚１１１が備えられている。

第１の回転部１３０は、シーブ１３１，モータ側端板１３２及びブレーキディスク（ブレーキ回転体）１３３を一体成形したものである。第２の回転部１４０は、回転子１４１とモータ側端板１４２とを一体成形したものである。第１の回転部１３０と第２の回転部１４０は、ボルト１５０による締結により連結されており、シーブ１３１と回転子１４１とが突き合わされた状態で、両回転部１３０，１４０が同軸となっている。

シーブケース１１０は、第１の回転部１３０を覆っており、ブレーキ側端板１３２の内周部を軸受１５１を介して回転自在に支持している。
フレーム１２０は、第２の回転部１４０を覆っており、モータ側端板１４２の内周部を軸受１５２を介して回転自在に支持している。
結局、連結された第１，第２の回転部１３０，１４０は、軸受１５１，１５２を介して、外部筐体（シーブケース１１０及びフレーム１２０）により、回転自在に支持されている。

シーブケース１１０の上部には、ブレーキ本体（ブレーキ制動体）１６０が備えられている。このブレーキ本体１６０は、ブレーキディスク１３３を挟む制動パッド等を有しており、制動パッドによりブレーキディスク１３３を挟むことにより制動をかける。

回転子１４１の外周面には永久磁石１７０が備えられている。一方、フレーム１２０には、固定子巻線１７２を持った固定子１７１が備えられている。固定子１７１は、永久磁石１７０と対面する状態で配置されている。この永久磁石１７０を備えた固定子１４１と、固定子巻線１７２を備えた固定子１７１により、同期モータが構成されている。

ここで回転部１３０及び回転部１４０の構成を更に説明する。

第１の回転部１３０は、前述したように、シーブ１３１，モータ側端板１３２及びブレーキディスク１３３を一体成形したものである。シーブ１３１は円筒状をなしている。ブレーキ側端板１３２は、シーブ１３１の一端側（右端側）の内周面から、径方向内側に伸び、その後に軸方向右側に伸びるようなリング状をなしている。そして軸方向に伸びた内周部が、軸受１５１で支持されている。

第２の回転部１４０は、前述したように、回転子１４１とモータ側端板１４２とを一体成形したものである。回転子１４１は円筒状をなしている。モータ側端板１４２は、回転子１４１の他端側（左端側）の内周面から、径方向内側に伸び、その後に軸方向左側に伸びるようなリング状をなしている。そして、軸方向に伸びた内周部が、軸受１５２で支持さている。

かかる構成となっているエレベータ巻上機１００では、同期モータの駆動により、回転部１３０，１４０が回転し、シーブ１３１に、エレベータ用のロープ（図示省略）が巻き込み・繰り出しされる。ロープを介してシーブ１３１に作用した負荷は、端板１３２，１４２及び軸受１５１，１５２を介して、外部筐体（シーブケース１１０及びフレーム１２０）にて支持される。したがってシャフト構造を採用することなく、両持ち構造にて重荷重を強固に支えることができる。

本実施例では、回転子１４１，シーブ１３１及びブレーキディスク（ブレーキ回転体）１３３が直結されているため、小型になる。

なお、シーブ１３１が劣化したときには、ボルト１５０を緩め、シーブ１３１を含む第１の回転体１３０を取り外し、新品の回転体１３０をセットしてこれをボルト１５０により、回転部１４０に連結すれば、簡単にシーブ１３１の交換ができる。

図２は本発明の実施例２に係るエレベータ巻上機１００Ａを示す。このエレベータ巻上機１００Ａでは、第１の回転部１３０Ａにおいて、ブレーキディスクの代わりに、ブレーキドラム１３３Ａが、シーブ１３１及びブレーキ側端板１３２と共に一体に形成されている。
またブレーキ本体１６０Ａは、ブレーキドラム１３３Ａに接触する制動片（ブレーキ帯やブレーキ片等）を有しており、制動片がブレーキドラム１３３Ａに接触することにより制動をかける。

他の部分の構成は、図１に示す実施例１と同様である。

図３に示す実施例３に係るエレベータ巻上機１００−１は、図１に示す実施例１の変形例である。つまり、実施例１ではボルト１５０を回転子１４１側からねじ込んでいるが、実施例3ではシーブ１３１側からねじ込んでいる。また回転子１４１とシーブ１３１の形状（肉厚形状）が異なるが、本質的な差異ではなく、ボルトねじ込み方向の違いに起因する形状変化である。

他の部分の構成は、図１に示す実施例１と同様である。

図４に示す実施例４に係るエレベータ巻上機１００Ａ−１は、図２に示す実施例２の変形例である。つまり、実施例２ではボルト１５０を回転子１４１側からねじ込んでいるが、実施例４ではシーブ１３１側からねじ込んでいる。また回転子１４１とシーブ１３１の形状（肉厚形状）が異なるが、本質的な差異ではなく、ボルトねじ込み方向の違いに起因する形状変化である。

他の部分の構成は、図２に示す実施例２と同様である。

本発明は、エレベータの巻き上げ、巻き下げに使用するエレベータ巻上機に利用することができる。

本発明の実施例１に係るエレベータ巻上機を示す構成図。 本発明の実施例２に係るエレベータ巻上機を示す構成図。 本発明の実施例３に係るエレベータ巻上機を示す構成図。 本発明の実施例４に係るエレベータ巻上機を示す構成図。 従来のエレベータ巻上機を示す構成図。 従来のエレベータ巻上機を示す構成図。

符号の説明

１００，１００Ａ，１００−１，１００Ａ−１ エレベータ巻上機
１１０ シーブケース
１２０ フレーム
１３０ 第１の回転部
１３１ シーブ
１３２ ブレーキ側端板
１３３ ブレーキディスク
１３３Ａ ブレーキドラム
１４０ 第２の回転部
１４１ 回転子
１４２ モータ側端板
１５０ ボルト
１５１，１５２ 軸受
１６０，１６０Ａ ブレーキ本体
１７０ 永久磁石
１７１ 固定子
１７２ 固定子巻線

Claims (4)

1. 円筒状のシーブと、このシーブの一端側の内周面から径方向内側に伸びたリング状のブレーキ側端板と、前記シーブの一端側に位置するブレーキ回転体とが一体成形されてなる第１の回転部と、
   円筒状をなし外周面に永久磁石が備えられた回転子と、この回転子の他端側の内周面から径方向内側に伸びたリング状のモータ側端板とが一体成形されてなり、前記回転子と前記シーブとが突き合わされた状態で第１の回転部と同軸になるように第１の回転部に連結された第２の回転部と、
   第１の回転部を覆うと共に第１の回転部のブレーキ側端板の内周部を軸受を介して支持し、更に、前記ブレーキ回転体と接触して制動をするブレーキ制動体が備えられたシーブケースと、
   第２の回転部を覆うと共に第２の回転部のモータ側端板の内周部を軸受を介して支持し、更に前記永久磁石と対面する状態で配置された固定子が備えられ、前記シーブケースと結合されてシーブケースと共に外部筐体を形成するフレームと、
   を具備することを特徴とするエレベータ巻上機。
2. 請求項１において、
   前記ブレーキ回転体はブレーキディスクであり、前記ブレーキ制動体はブレーキディスクを挟む制動パッドを有するブレーキ本体であることを特徴とするエレベータ巻上機。
3. 請求項１において、
   前記ブレーキ回転体はブレーキドラムであり、前記ブレーキ制動体はブレーキドラムに接触する制動片を有するブレーキ本体であることを特徴とするエレベータ巻上機。
4. 請求項１乃至請求項３の何れか一項において、
   第１の回転部と第２の回転部はボルト締結により連結されていることを特徴とするエレベータ巻上機。

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