JP2005535939A - 光学系の偏光収差を低減する構造および方法 - Google Patents

光学系の偏光収差を低減する構造および方法 Download PDF

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Abstract

光学系は、多数の立方晶光学素子および1つまたは複数の一軸複屈折素子を含む。立方晶光学素子の結晶格子は、固有複屈折の効果を低減し、低減されたリターダンスを有する系を作り出すため、相互に関して方位を決められる。系の正味リターダンスは、多数の立方晶光学素子および一軸複屈折素子からのリターダンス寄与を相殺することによって低減される。光学系は、半導体基板のような基板をパターン化して半導体デバイスを作り出すフォトリソグラフィ・ツールで使用されてよい。

Description

本発明は、光学系の収差を低減することに関する。更に具体的には、本発明は、光学系、たとえば、固有複屈折を有する立方晶光学素子を含むリソグラフィ結像系の偏光収差を低減する装置および方法に関する。
集積回路および他の半導体構成部品のデバイス集積度を増大させるため、より小さい寸法を有するデバイス特徴が望まれている。今日の急速に進歩する半導体製造産業において、努力は、そのように縮小されたデバイス特徴を、信頼性のある反復可能な方法で製造することである。
光学リソグラフィ・システムは、製造プロセスで半導体基板の上にデバイス・パターンの像を形成するために一般に使用される。そのようなシステムの解像力は露光波長に比例する。したがって、できるだけ短い露光波長を使用することが有利である。サブミクロン・リソグラフィでは、248ナノメータ以下の波長を有する遠紫外光が一般に使用される。重要な波長は193および157ナノメータを含む。
紫外線または遠紫外線の波長では、リソグラフィ・システムのレンズ、窓、および他の光学素子を形成するために使用される材料の選択が重要である。そのような光学素子は、好ましくは、これらのリソグラフィ・システムで使用される短い波長で、相当に光透過性である。
フッ化カルシウムおよび他の立方晶材料、たとえば、フッ化バリウム、フッ化リチウム、およびフッ化ストロンチウムは、たとえば、157ナノメータ・リソグラフィの光学素子として使用するために開発された幾つかの材料の典型である。これらのフッ化物単結晶材料は、通常の光学ガラスと比較して望ましい高透過率を有し、良好な均質性を有するように製造することができる。
したがって、そのような立方晶材料は、短波長光学系の光学素子として有用である。短波長光学系は、基板、たとえば、半導体製造産業で使用される半導体ウェハおよび他の基板の上に、小さな特徴を作成するために使用されるウェハ・ステッパおよび他の引き伸ばし機を含むが、それらに限定されない。特に、フッ化カルシウムは、それが容易に得られる立方晶材料であり、大きな高純度単結晶の成長が可能であることに特別の利点を見出す。しかし、これらの結晶は高価であり、或る方位、たとえば、<100>および<110>結晶方位は、<111>結晶方位のような他の方位よりも高価である。
遠紫外線リソグラフィ・システムの光学素子として立方晶材料を使用することに関する主な関心事は、立方晶材料に固有の屈折率異方性である。この効果は「固有複屈折」と呼ばれる。複屈折材料を通って伝搬する光では、屈折率は、伝搬方向および偏光に関する材料の偏光および方位の関数として変動する。したがって、異なった偏光成分は、異なった位相速度で伝搬し、複屈折材料を含む光学素子を通過すると、異なった移相(phase shift)を経験する。
光学系の素子を構成するために使用されるとき、これらの立方晶材料の複屈折特性は波面収差を生成する。この波面収差は、解像度を著しく低下させ、視野のディストーションを導入する。集積度の増大および特徴サイズの縮小に重点が置かれることによって、高解像度および厳密な重ね合わせが要求される今日の半導体製造産業のフォトリソグラフィで使用される光学器械では、これらの収差が特に問題となる。
最近、フッ化カルシウムのような立方晶材料は、光学系で使用される光波長の二乗の逆になる固有複屈折を示すことが報告された(J. Burnett, Z. H. Levine, and E. Shipley, “Intrinsic Birefringence in 157 nm materials,” Proc. 2nd Intl. Symp. on 157 nm Lithography, Austin, Intl. SEMATECH, ed. R. Harbison, 2001)。この複屈折の大きさは、特に、光波長が250ナノメータよりも小さくなるとき、とりわけ、100ナノメータへ近づくにつれて著しくなる。特に興味あることは、半導体製造産業で多用されるF2エキシマレーザによって生成される光の波長である157ナノメータ(nm)の波長における固有複屈折の効果である。この波長における強い固有複屈折は、波面収差を生成するという残念な効果を有する。この効果は、特に半導体製造サブミクロン投影リソグラフィについて、解像度を著しく低下させ、像視野のディストーションを導入する。
したがって、解像度を低下させ像視野のディストーションを生じさせる、固有複屈折によって生じるこれらの波面収差を低減する必要がある。そのような補正は、特に、遠紫外線範囲の波長を有する光を使用する立方晶光学素子を含む投影リソグラフィ・システムで望ましい。
本発明の1つの態様は光学系を含み、この光学系は、
光軸に沿って整列した複数の立方晶光学素子を含む第1の光学部分であって、前記複数の立方晶光学素子が複屈折性であって、前記光軸に沿って前記光学系を伝搬する光ビームにリターダンスを与える光学部分と、
1つまたは複数の光学素子を含む第2の光学部分であって、各々の光学素子が、前記光軸に沿って挿入された単一の複屈折軸を有する一軸複屈折媒質を含み、前記1つまたは複数の光学素子が、前記複数の立方晶光学素子によって導入された前記リターダンスを大幅に低減する複屈折量を有する光学部分と
を具備する。
本発明の他の態様は光を透過する光学装置を含み、この光学装置は、
前記光へリターダンスを導入する複屈折を有する複数の光学素子と、
前記複数の光学素子の前記リターダンスと正反対のリターダンスを生成し、前記複数の光学素子によって導入された前記リターダンスを相殺する複屈折を有する1つまたは複数のフォーム複屈折光学素子と
を具備する。
本発明の更に他の態様は光を透過する光学系を含み、この光学系は、
光軸を有する第1のオプチクスであって、光学系に関連づけられた瞳孔面を通して分布する放射および接線固有偏光状態を有し、前記放射固有偏光状態が前記光軸からほぼ放射状に向けられ、前記接線固有偏光状態が前記光軸を中心とする円軌道にほぼ接し、前記放射および接線固有偏光の双方が、前記光軸の周りでほぼ円対称である大きさの分布を有し、前記大きさが前記円軌道に沿ってほぼ一定である第1のオプチクスと、
前記第1の光学サブシステムの前記光学軸に沿って挿入された第2のオプチクスであって、前記瞳孔面を通して分布する放射および接線固有偏光状態を有し、前記放射固有偏光状態が前記光軸からほぼ放射状に向けられ、前記接線固有偏光状態が前記光軸を中心とする円軌道にほぼ接し、前記放射および接線固有偏光が、前記光軸の周りでほぼ円対称である大きさの分布を有し、前記大きさが前記円軌道に沿ってほぼ一定である第2のオプチクスと、
前記第1のオプチクスに関連づけられた前記放射および接線固有偏光状態が、相互に関して前記第2のオプチクスに関連づけられた前記放射および接線固有偏光状態にほぼ等しくかつ正反対の量だけ遅れた位相であって、前記光学系の中で前記光に与えられるトータルの位相遅れを低減するものである
を具備する。
本発明の更に他の態様は光を出力する光学系を含み、この光学系は、
第1および第2のセクションであって、各々のセクションが複数の対称形フッ化カルシウム・レンズ素子を含む、該フッ化カルシウム・レンズ素子の各々が、それぞれの光軸の周りで対称であり、前記複数の対称形フッ化カルシウム・レンズ素子が光路に沿って配列されるセクションと、
前記第2のセクションの中の少なくとも1つの一軸複屈折光学素子と、
前記第1および第2のセクションの中の前記対称形フッ化カルシウム・レンズ素子が、共に前記それぞれの光軸にほぼ平行な[111]結晶方向を有する少なくとも約80重量%の[111]立方晶フッ化カルシウムを含むことと
を具備する。
本発明の他の態様は、光学的に結像する方法を含み、この方法は、
第1のリターダンス収差を生成する固有複屈折を有する複数の立方晶素子を通して光を伝搬し、
一軸複屈折媒質を含む1つまたは複数の光学素子を通して前記光を伝搬することによって、前記第1のリターダンス収差と大きさがほぼ等しく形状がほぼ共役の第2のリターダンス収差を導入し、前記第1のリターダンス収差を大幅に相殺する
ことを含む。
本発明の他の態様は、それぞれの[111]結晶軸が光軸に沿って整列した複数の[111]立方晶光学素子を含む光学系で、固有複屈折によって生じたリターダンスを低減する方法を含み、該方法は、
少なくとも1つの前記[111]立方晶光学素子をクロックして、少なくともオンアクシス視野点について前記光軸を中心とする瞳孔の上に、より円対称のリターダンス・パターンを提供し、
単一の複屈折軸を有する媒質を含む1つまたは複数の一軸複屈折素子を前記光学系へ導入し、該1つまたは複数の一軸複屈折素子が、それに関連づけられたほぼ円対称のリターダンス・パターンを有し、該リターダンス・パターンが、少なくともオンアクシス視野点について、前記光軸を中心とする前記瞳孔の上に分布し、
前記複数の[111]立方晶光学素子に対応する前記リターダンス・パターンおよび前記1つまたは複数の一軸複屈折素子に対応する前記リターダンス・パターンが正反対であって、前記複数の[111]立方晶素子を通して透過された光ビームの中へ導入されたリターダンスが、前記1つまたは複数の一軸複屈折光学素子を通して前記ビームを透過したとき前記光ビームの中へ導入されるリターダンスによって大幅に相殺される
ことを含む。
本発明の更に他の態様は光学方法を含み、この方法は、
第1および第2の直交偏光成分を有する光ビームを、光軸に沿って配置された複数の光学素子を含む第1のオプチクスを通して伝搬し、前記第1のオプチクスが、前記光軸の周りで円対称パターンを形成する放射および接線固有偏光状態を有し、該放射および接線固有偏光状態が、前記光ビームの中の前記第1および第2の直交偏光成分の間に位相遅れを導入するように相互に関して遅れた位相とされ、
前記光軸に沿って配置された第2のオプチクスを通して前記光を伝搬することによって、前記光ビームの中の前記第1および第2の直交偏光成分の間の前記位相遅れを大幅に低減し、前記第2のオプチクスが、前記光軸の周りで円対称パターンを形成する放射および接線固有偏光状態を有し、前記第2のオプチクスの中の前記放射および接線固有偏光状態が、相互に関して前記第1のオプチクス・セクションの前記放射および接線固有偏光状態の間の前記位相遅れと正反対に遅れた位相とされる
ことを含む。
本発明の更に他の態様は光学方法を含む。この方法は、
第1および第2の直交偏光成分を有する光ビームを、光軸に沿って配置された複数の光学素子を含む第1のオプチクスを通して伝搬し、前記第1のオプチクスが、前記光軸の周りで円対称パターンを形成する放射および接線固有偏光状態を有し、該放射および接線固有偏光状態が、前記光ビームの中の前記第1および第2の直交偏光成分の間に位相遅れを導入するように相互に関して遅れた位相とされ、
前記光軸に沿って配置された第2のオプチクスを通して前記光を伝搬することによって、前記光ビームの中の前記第1および第2の直交偏光成分の間の前記位相遅れを大幅に低減し、前記第2のオプチクスが、前記光軸の周りで円対称パターンを形成する放射および接線固有偏光状態を有し、前記第2のオプチクスの中の前記放射および接線固有偏光状態が、相互に関して前記第1のオプチクス・セクションの前記放射および接線固有偏光状態の間の前記位相遅れと正反対に遅れた位相とされる
ことを含む。
本発明の他の態様はフォトリソグラフィ・ツールを含む。このフォトリソグラフィ・ツールは、
レチクルを照射する光を出力する光源と、
前記光源から光を受け取るように配置されたコンデンサ・オプチクスであって、前記光から形成された光ビームを方向付けて前記レチクルを通すように配置されたコンデンサ・オプチクスと、
前記レチクルの像を基板の上に形成するように構成された投影オプチクスと
を具備し、
前記投影オプチクスが、
前記レチクルを通って伝搬された、前記方向付けられた光ビームを受け取る1つまたは複数の立方晶レンズ素子であって、前記光ビームの中にリターダンス収差を導入する固有複屈折を有する1つまたは複数の立方晶レンズ素子と、
前記レチクルおよび前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子の共通光路に沿って配置された少なくとも1つの一軸複屈折光学素子であって、単一の複屈折軸を有する一軸複屈折媒質を含み、前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子によって導入された前記リターダンス収差にほぼ共役のリターダンス収差を前記光ビームの中に導入する複屈折を有する一軸複屈折光学素子と
を具備する。
本発明の他の態様は、半導体デバイスを形成する方法を含む。この方法は、
レチクルを通して光ビームを伝搬し、
複数の[111]立方晶光学素子を含み、該[111]立方晶光学素子のそれぞれの[111]立方晶軸が、前記[111]立方晶光学素子を通る共通光軸に整列した投影レンズの第1の部分へ前記光ビームを向け、該光ビームが、前記投影レンズの前記第1の部分によって導入された第1のリターダンス収差の結果として収差を生じ、前記第1のリターダンス収差が偏光の位相変動から生じ、前記[111]立方晶光学素子がクロックされて、オンアクシス視野点からの光に関連づけられた前記第1のリターダンス収差が、前記投影レンズの射出瞳で、前記光軸の周りでほぼ円対称にされ、
前記投影レンズの第2の部分を通して前記光ビームを伝搬し、前記投影レンズの前記第2の部分が1つまたは複数の光学素子を含み、前記投影レンズの前記第2の部分が偏光の位相変動から生じる第2のリターダンス収差を導入するように選択され、前記1つまたは複数の光学素子によって、前記投影レンズの前記射出瞳を通って伝搬するオンアクシス視野点からの光に関連づけられた前記第2のリターダンス収差が、前記光軸の周りでほぼ円対称にされて、前記オンアクシス視野点に関連づけられた前記第1の偏光収差を前記射出瞳で大幅に相殺することによって、
前記レチクルの光学像を形成し、
前記投影レンズによって出力された前記光ビームによって形成された前記光学像が前記基板の上に形成されるように前記基板を配置する
ことを含む。
本発明の更に他の態様は半導体デバイスを含む。この半導体デバイスは、
半導体ウェハの上に感光性材料を堆積し、
マスク・パターンを照射し、
前記マスク・パターンから光路に沿って複数の光学素子を通して光ビームを透過し、前記光学素子が放射および接線固有偏光状態を有し、前記ビームが第1および第2の直交偏光状態を有し、各々の直交偏光状態が前記放射および接線固有偏光状態の前記1つと一致して、前記第1の偏光状態が前記第2の偏光状態に関して位相遅れとなり、
単一の一軸複屈折軸を有する少なくとも1つの複屈折素子を通して前記光ビームを透過し、前記少なくとも1つの複屈折素子が放射および接線固有偏光状態を有して、前記第2の偏光状態が前記第1の偏光状態に関してほぼ等しい量遅れた位相であって、前記光ビームの前記第1および第2の直交偏光状態の間の相対的位相差を低減し、
前記光ビームが前記少なくとも1つの複屈折素子を透過した後に前記光ビームを受け取って、前記半導体ウェハの上の前記感光性材料の上に前記光ビームを投影し、
感光性材料の一部分を除去して、前記マスク・パターンに類似したパターンを前記感光性材料の中に形成し、
前記パターン化された感光性材料を有する前記半導体ウェハを処理する
ことを含むプロセスに従って形成される。
本発明の更に他の態様はフォトリソグラフィ・ツールを含む。このフォトリソグラフィ・ツールは、
レチクルを照射する光を出力する光源と、
前記光源から光を受け取るように配置されたコンデンサ・オプチクスであって、前記光源から形成された光ビームを方向付けて前記レチクルを通すように配置されたコンデンサ・オプチクスと、
前記レチクルの像を基板の上に形成するように構成された投影オプチクスと
を具備し、
前記コンデンサ・オプチクスが、
前記光源から前記光を受け取る1つまたは複数の立方晶光学素子であって、前記光ビームの中へリターダンスを導入する固有複屈折を有する立方晶光学素子と、
フォーム複屈折を有するフォーム複屈折光学素子であって、前記1つまたは複数の立方晶光学素子を通る共通光路に沿って配置され、前記1つまたは複数の立方晶光学素子を通して透過された前記光の上に与えられた前記リターダンスを大幅に相殺するリターダンスを導入するフォーム複屈折光学素子と
を具備する。
本発明の更に他の態様はフォトリソグラフィ・ツールを含む。このフォトリソグラフィ・ツールは、
レチクルを照射する光を出力する光源と、
前記光源から光を受け取るように配置されたコンデンサ・オプチクスであって、前記光源から形成された光ビームを方向付けて前記レチクルを通すように配置されたコンデンサ・オプチクスと、
前記レチクルの像を基板の上に形成するように構成された投影オプチクスと
を具備し、
前記コンデンサ・オプチクスが、
前記光源から前記光を受け取る1つまたは複数の立方晶レンズ素子であって、前記光ビームの中へリターダンス収差を導入する固有複屈折を有する1つまたは複数の立方晶レンズ素子と、
一軸複屈折媒質を含む少なくとも1つの一軸複屈折光学素子であって、前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子によって導入された前記リターダンス収差とほぼ共役のリターダンス収差を導入する複屈折を有する一軸複屈折光学素子と
を具備する。
本発明の更に完全な理解および利点は、同様の参照番号が同様の特徴を示す添付の図面と一緒に、以下の説明を参照することによって得られてよい。
フッ化カルシウムのような立方晶材料は、半導体製造産業で使用される高性能フォトリソグラフィ・ツールのようなリソグラフィ・システムで好まれることが良く知られている。これらの立方晶材料は短波長UV光に対して相当に透過性であり、これは高光学解像度を提供する。しかし、これらの立方晶材料は、固有複屈折、即ち、屈折率における固有の異方性を示すことも良く知られている。
複屈折(birefringenceまたはdouble-refraction)は、屈折率が異方性、即ち、屈折率、したがって位相速度が、異なった偏光について異なる屈折性材料の特性である。複屈折性材料を通って伝搬する光については、屈折率は、偏光に関する、したがって伝搬方向に関する材料の偏光および方位の関数として変動する。複屈折性材料を通って伝搬する偏光されていない光は、一般的に、直交偏光状態を有する2つのビームへ分離する。これらのビームは、固有偏光状態または固有偏光と呼ばれる。2つのビームは、材料中を異なった位相速度で伝搬する。光が複屈折性材料の単位長を通過するにつれて、2つの光路の位相速度の差は、一般にリターダンス(retardance)と呼ばれる偏光間の位相差を生成する。異なった位相速度を有するこれら2つの状態は、遅い(slow)および速い(fast)固有偏光状態と呼ばれる。
リソグラフィ業界では、センチメートル当たりナノメータ(nm/cm)の単位で複屈折を表わすことが一般的慣例であるが、複屈折は単位のない量である。複屈折は材料特性であるが、リターダンスは偏光状態間の光学的な遅れである。光学系を通る所与の光線のリターダンスは、ナノメータ(nm)で表わされるか、特定波長の波の数で表わされる。
一軸結晶、たとえば、フッ化マグネシウムまたは結晶石英において、2つの直交偏光が同じ速度で進行する複屈折性材料の通過方向は、結晶軸と呼ばれる。単結晶を取り扱うとき、光学軸の用語は、通常、結晶軸と互換的に使用される。レンズ素子の系では、光軸の用語は、通常、レンズ系の対称軸を意味する。混同を避けるため、光軸の用語は、今後、レンズ系の対称軸のみを意味するように使用される。
一軸結晶の或る特性を概念化するために有用な1つの単純化されたケースでは、2つの直交偏光は、光線の伝搬方向に直角の平面で垂直および水平に向けられる線形偏光成分である。この特定の例では、また一般的にも、2つの直交偏光は、材料を、結晶軸を除いて、方向によって異なる速度で進行する。複屈折媒質上の所与の入射光線では、2つの直交偏光状態に関連づけられた2つの屈折光線は、通常、常光線および異常光線として説明される。常光線は、結晶軸に対して直角に偏光され、スネルの法則に従って屈折し、異常光線は常光線に対して直角に偏光され、入射光線に対する結晶軸の方向および複屈折量に依存する角度で屈折する。一軸結晶では、常光線は定義のように結晶軸に対して直角に偏光されるので、常光線は光線の伝搬方向に関わらず同じ屈折率を経験する。異常光線の偏光は、必ずしも常に結晶軸に対して直角ではない。したがって、異常光線の屈折率は、伝搬方向、即ち、結晶軸に関する光線の角度に依存する。一軸結晶では、異常光線の屈折率は、同じ角度で伝搬する全ての光線について同じである。その結果は、以下で更に十分に説明されるように、結晶軸の周りで対称となる。たとえば、常光線と異常光線の屈折率の差は、結晶軸に関して同じ角度で伝搬している光線について一定である。同様に、リターダンスは、結晶軸の周りで回転対称である。周知のように、一軸結晶は、光学部品、たとえば、リターデーションプレートおよび偏光子で普通に使用される。
しかし、対照的に、屈折率は、一般的に、同じ角度で伝搬する全ての光線について同じではない。その結果、経験されるリターダンスは、単一線の周りで回転対称ではない。立方晶は、結晶格子の方位に関する光の伝搬方向に依存して変動するリターダンスの軸方位および大きさを有するように発表されてきた。しかし、リターダンスが最大である2つの伝搬方向、即ち、光学軸または結晶軸に沿った2つの反対方向を有する一軸結晶とは対照的に、立方晶は、それを通る12の異なる伝搬方向に沿って最大複屈折を有するかも知れない。
2つの固有偏光によって観察される屈折率の差であるリターダンスに加えて、立方晶では、平均屈折率も入射角の関数として変動し、これは偏光独立位相誤差を生成する。
立方晶材料から構成された光学素子は、その固有複屈折の結果として、波面を遅らせるかも知れない。更に、波面上の所与の点におけるリターダンスの大きさおよび方位は変動するかも知れない。なぜなら、材料に関する局在伝搬角または光路長が、瞳孔を横切って変動するからである。波面を横切るリターダンスのそのような変動は、「リターダンス収差」と呼ばれてよい。リターダンス収差は、均一に偏光されたか偏光されない波面を、直交偏光を有する2つの波面へ分割する。再び、これらの直交波面は固有偏光状態に対応する。直交波面の各々は、異なった屈折率を経験し、結果として異なった波面収差を生じる。
したがって、立方晶材料を含む光学素子は、偏光に相関する追加の収差を導入する。これらの収差は、一般的に、ここでは偏光収差と呼ばれ、立方晶材料の固有複屈折から生じる前述したリターダンス収差を含む。更に、これらの偏光収差は、偏光を有する光伝送の変動である二重減衰(diattenuation)を含む。
立方晶材料では、これらの偏光収差は、半導体製造処理で使用されるフォトリソグラフィ・システムのような光学系で、像の品質に影響を与えるほど十分に大きい。したがって、これらの収差を低減する方法および装置は、重要な価値を有する。
説明を容易にするため、立方晶材料は、周知のミラー指数を使用してここで説明される結晶軸方向および面を有する。ミラー指数は、共通因数を有しないで、結晶軸に沿った結晶面の切片に逆比例する整数である。格子面は、括弧内のミラー指数、たとえば(100)によって与えられ、直接格子の軸方向は、角括弧、たとえば[111]で与えられる。結晶格子方向、たとえば[111]も、材料または光学素子の[111]結晶軸と呼ばれてよい。(100)、(010)、および(001)面は、立方晶では同等であり、集約的に{100}面と呼ばれる。
前述したように、立方晶材料では、リターダンスの大きさは、結晶軸の方位に関して結晶を通過する光伝搬の方向および複屈折性媒質内の光路長に依存する。たとえば、[110]結晶軸に沿って例示的立方晶光学素子を通って伝搬している光は、最大リターダンスを経験し、[100]結晶軸に沿って伝搬している光はリターダンスを経験しない。
残念ながら、フッ化カルシウムのような立方晶材料から光学系を構成するとき、光学素子のコストは、これら光学系の総コストに大きく寄与する。特に、屈折性光学素子を製造するために使用される材料の費用は、コストを押し上げる。更に、[100]結晶方向に沿って向けられた光学軸を有し、最小のリターダンスを有するフッ化カルシウムを含む光学素子は、製造するのに最も費用がかかる。[110]に対応する光軸を有する屈折素子を作成するためのブランクも高価である。対照的に、[111]方向に成長した(または劈開された)フッ化カルシウムは、製造するのにかなり安価である。しかし、前述したように、結晶材料の[111]方向とほぼ一致する光学軸を有する光学素子は、最も安価であるが、光学系の性能、たとえば、像の品質および解像度を低下させる波面収差を導入する固有複屈折を有する。[100]および[111]の光学素子は、いずれも、それぞれの光学軸に沿ってゼロのリターダンスを有するが、[100]の光学素子では、オフアクシス(off-axis)がより大きくなる光線について、リターダンスの増加はより遅くなる。
図1は、例示的リソグラフィ・システムの投影オプチクス(optics)セクション100の概略図である。図1で示される光学系100は、D.Shaferらによるヨーロッパ特許出願第1115019A2号で図示および説明される光学系とほぼ同じである。この例示的光学系100は0.8のNAを有するラージフォーマット(large format)カタディオプトリック投影レンズである。このレンズは、157.63nmの波長のために設計され、5X縮小を提供する。そのような光学系100は、例として意図されるだけであり、他の光学結像系および非結像系が、他の実施形態で使用されてよい。しかし、光学系100は、1つの実施形態におけるリソグラフィ・ツールの投影オプチクス・セクションであってよい。図1で示されるように、投影レンズ100は、レチクル102と基板104との間に配置される。レチクル102は物体視野(object field)に対応し、基板104は投影レンズ100の像視野(image field)に存在すると考えてよい。
図示された光学系100は、通常、集約的に「レンズ」と呼ばれるレンズ系であって、複数の、即ち、21の個別の光学素子A1〜A21、光軸106、およびアパーチャストップ(AS)108を含む。レチクル102は、基板104の表面110へ投影されるマスク・パターンを含む。基板104は、たとえば、半導体製造産業で使用される半導体ウェハであってよく、表面110は、感光性材料、たとえば、半導体製造産業で普通に使用されるフォトレジストでコーティングされていてよい。他の実施形態および応用に従って、他の基板が使用されてよい。レチクル102は、様々なマイクロリソグラフィ・ツールに適したフォトマスクであってよい。一般的に言えば、今後は集約的にレチクル102と呼ばれるレチクルまたはフォトマスクは、物体視野のパターンを含む。パターンは、たとえば、透明および不透明のセクション、グレースケール・セクション、異なった移相を有する透明セクション、またはこれらの組み合わせであってよい。光はパターンを通って伝搬され、パターンはレンズ系100を通って基板104の表面110の上に投影される。レチクル102から基板表面110へ投影されたパターンは、様々な度合い、たとえば、5:1、4:1その他へ均一にサイズを縮小されてよい。光学系100は、0.8の開口数NAを有してよいが、そのように限定されない。他の開口数、たとえば、約0.60〜0.90の間、またはこの範囲を越える開口数を有する系が考えられる。
複数の素子A1〜A21の配列は、例としてのみ意図され、様々な形状およびサイズを有し、異なった材料を含む個別のレンズ素子の様々な他の配列が、他の例示的実施形態に従って使用されてよい。素子の厚さ、間隔、曲率半径、非球面係数などが、レンズ処方箋として考えられる。このレンズ処方箋は限定されず、応用、性能要件、コスト、および他の設計配慮に従って変化する。
図1に示される光学系100は、17個のレンズ素子A1、A3〜A5、A8〜A20、および窓A21を含む。これらの18個の光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21は、動作波長、即ち、たとえば、157ナノメータの波長に対して十分に光学的透過性を有する。光学系100は、更に、3つの反射性光学素子A2、A6、およびA7を含み、これらの1つは曲面であり、パワーを有する(A6)。他の設計では、これより多いか少ない光学素子が含まれてよい。他の実施形態では、これらの素子は、パワーを与えられるか、与えられないか、屈折性か、反射性か、回折性であってよく、コーティングされるか、コーティングされていなくてもよい。個別の光学素子A1〜A21は、レンズ100を通って延びる共通光軸106に沿って配列される。
光学系100が複数の個別のレンズ素子A1、A3〜A5、A8〜A20、または光学的に透過性の他の部品を含む場合、好ましくは1つまたは複数が立方晶材料である。立方晶材料、たとえば、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、およびフッ化カルシウムのようなフッ化物単結晶材料が使用されてよい。前述したように、フッ化カルシウムは、紫外(UV)光を扱うための1つの好ましい材料である。例示的実施形態において、立方晶光学素子の大部分または全てが、同じ立方晶材料から形成される。この立方晶材料は、更に、レンズ100の光軸に関して同じ結晶方位を有してよい。1つの好ましい実施形態において、レンズ素子の大多数は、光学軸と十分に整列した<111>結晶軸を有する立方晶フッ化カルシウムのような立方晶を含むが、その理由は、これらの結晶が他の結晶方向よりも安価だからである。1つの実施形態において、レンズまたはパワーを与えられた光学素子の全てが<111>結晶を含む。パワーを与えられていない透過性光学素子、たとえば、あるとすれば窓A21も、<111>結晶を含んでよい。レンズ100も、非立方晶材料、たとえば、乾燥溶融シリカとしても知られる低OH溶融シリカから形成される十分に透過性の光学素子を含んでよい。
図2は、より大きいリソグラフィ・ツール50の中で投影光学素子セクションとして機能する光学系100を示す概略図である。図2は、光源112および基板104を示す。レチクル102は、コンデンサ・オプチクス114および投影オプチクス100の間に配置される。レチクル102の光学視野(optical field)は、様々な寸法であってよい。投影オプチクス100およびコンデンサ・オプチクス114の各々は、アパーチャストップおよび複数のレンズ素子、窓、および/または他の屈折性、反射性、カタディオプトリック、および回折性部材を含んでよい。図2で示されるリソグラフィ・ツール50は、光軸106に沿って整列する。このリソグラフィ・ツール50は、ウェハステッパ、引き伸ばし機、または半導体産業で使用される他のフォトリソグラフィまたはマイクロリソグラフィ・ツールであってよい。リソグラフィ・ツール50は、同様に走査型光学系、ステップアンドリピート型光学系、または他のマイクロリソグラフィまたは投影オプチクス・システムであってよい。走査型光学系では、レチクル102の上のパターンが、基板104の表面110の対応するセクションへ投影および走査される。ステップアンドリピート型光学系、たとえば、通常のウェハステッパでは、レチクル102の上のパターンは、複数の別個の作業で表面110の多数の異なった部分へ投影される。いずれの場合も、レチクル・パターンは、表面110へ同時に投影される様々な視野点(field point)を含む。
レチクル102の上にプリントされたパターンは、基板104の上に制作されている集積回路デバイスの回路パターンを表面110に作り出すように使用されてよい。パターンは、露光パターンを作り出すため表面110の上に形成された感光性材料の上に投影されてよい。露光パターンは、感光性材料の中にフォトパターンを生成するために、通常の手段を使用して現像されてよい。フォトパターンは、エッチングまたは他の方法によって基板104の中へ転写されてよい。その上に複数の材料層を堆積することができる。表面110は層の1つであって、フォトパターンがその層の上に形成されてよい。フォトパターンを層の中へ転写するため、エッチングまたは他の手法が使用されてよい。イオン打ち込みのような既知の方法を使用した、空間的に選択されたドーピングを可能にするために、同じように形成されたフォトパターンを使用してよい。このようにして、多数のフォトリソグラフィ作業が使用され、様々な層の中で様々なパターンが形成され、集積回路のような完成半導体デバイスが作成されてよい。ここで説明される革新的手法の利点は、基板104の上に形成された像が十分に低い収差を有し、正確に寸法を合わせて整列させられたデバイス特徴が、縮小サイズで作成可能になることである。
1つの例示的走査型光学系において、基板表面110の上に投影および走査されるレチクル102の光学視野は、数センチメートルの高さおよび数ミリメートルの幅を有する。特定の応用に適した他の視野寸法(field dimension)が使用されてよく、またその寸法は投影オプチクスが含まれるリソグラフィ・ツールのタイプに依存してよい。同様に、ウェハが位置する像平面のフォーマットも変更されてよい。
光源112は、後でコンデンサレンズ114によって成形および調整される光を生成する。光源112の光波長は変動してよく、或る場合には248ナノメータよりも大きくなくてよい。1つの好ましい実施形態において、約157ナノメータの波長を有する光が使用されてよい。光源112は、線形に偏光された光を生成してよい。線形に偏光された光を生成する1つの光源は、エキシマレーザである。他の実施形態において、光源112は、他の偏光を有する光またはほぼ無偏光の光を生成してよい。約248nmで動作するKrFエキシマレーザ、約193nmで動作するArFエキシマレーザ、または約157nmで動作するF2エキシマレーザは、様々な光源112の例である。
光源112によって生成された光は、コンデンサレンズ114によって成形および調整され、レチクル102および投影オプチクス100を通って伝搬され、レチクル102またはフォトマスクの像を基板110の上に投影する。この光は、複数の光線を含む光ビームとして説明される。慣例に従えば、周縁光線は、光軸106と交差する物体視野102の上の点からアパーチャ108のエッジへ達する光線であり、像視野104でも軸106と交差する。主光線は、アパーチャストップ108の中心および光学系100の系瞳孔を通過する所与の視野点からの光線である。光軸106がレチクル102と交差する場所に置かれた物体視野点については、主光線は、光軸106に沿って進行する。レチクルまたはフォトマスク102の上の個々の物体視野点から発生する光線は、投影レンズ100を通って伝搬される波面に対応し、理想的には、基板104で対応する像視野点へフォーカスされる。したがって、関連づけられた対応波面を有する複数の像視野点によって、完全な像視野が生成される。
前述したように、これらの波面は、リターダンスの結果として収差を受け、リターダンスは、固有複屈折の結果として立方晶材料の方向で変動する大きさおよび方位を有する。図3Aは、立方晶格子を有する材料の中のリターダンス軸方位の空間変動を示す3次元ベクトル・プロットである。立方晶格子は、たとえば、フッ化カルシウムの格子であってよい。図3Aおよび図3Bで示される結晶軸方向は、ミラー指数を使用して記述される。図3Bは、図3Aで示されるベクトル・プロットの象限に対応する3次元プロットであり、立方晶からのリターダンスの対応する大きさを示す。局在するリターダンスの大きさおよび軸は、既知の様式で結晶を通して空間的に変動することが分かる。更に、光がそのような立方晶材料を通過する方向に依存して、リターダンスの大きさおよび伝搬方向に対するリターダンス軸の方位は変動することが分かる。図3Bは立方晶格子の8分円を示し、この図を、結晶を通る全ての可能な方向へ拡張すると、ここでリターダンス・ローブと呼ばれる最大リターダンスを有する12の方向が与えられる。
したがって、結晶材料を所与の面に沿って有利にカットし、その面に垂直とな光が、選択された軸方向に沿って進行するように配列することができる。たとえば、(100)結晶格子面132に垂直の方位である[100]結晶軸130(即ち、[100]結晶格子方向)に沿って進行する光は、固定および決定論的局在リターダンスを経験する。したがって、所与の光線によって遭遇されるリターダンスの大きさおよびリターダンス軸方向は、光線が結晶を通って進行する方向の関数として変動する。
図4は、例示的立方晶格子を通る様々な方向の間の角度関係を示す斜視図である。立方晶格子は、たとえば、フッ化カルシウムの格子であってよい。図4は、線142、144、および146によってそれぞれ示される[101]、[110]、および[011]格子方向に沿ったピーク・リターダンス方向を含む。線140は、リターダンスなしに結晶を通る方向に対応する[111]結晶軸方向を表す。
図5A、図5B、および図5Cは、図4で示された立方晶格子構造について、それぞれ[110]、[100]、および[111]格子方向における光軸106方位の角空間で結晶およびリターダンス軸方位における単位長さ当たりのリターダンスの大きさの変動を概略的に表したものである。結晶を通るトータルのリターダンスは、所与の光線の単位長さ当たりのリターダンスと光路長との積である。プロットの中心は光線によって遭遇されたリターダンスを表し、この光線は、示された結晶軸に沿って進行し、例示された面に垂直である。中心からの増加した放射距離で示されるリターダンスは、光軸106に関して増加した伝搬角度での光線のリターダンスを表す。したがって、これらのプロットは、たとえば、[111]材料を含むレンズ素子を通る光軸106の上の点から発生する複数の光線から遭遇されたリターダンスを可視的に示すために使用できる。光軸106を通る光線は、レンズ素子の中心を通って[111]方向で伝搬し、プロットの中心で指定された大きさおよび方位を有するリターダンスと遭遇する。軸の上の点から発生し角度を有する光線は、これらのプロットの上で示された方向によって指定されたリターダンスを経験する。図5A〜図5Cの各々において、局在リターダンス軸は、正方形グリッドの上でプロットされた線の方向によって示され、大きさは線の相対的長さによって示される。
図5A〜図5Cにおけるリターダンスの大きさの変動は、ノードとも呼ばれる幾つかのローブによって特徴づけられ、これらのローブは、リターダンスが最大となる方位に分布する。図5A〜図5Cの各々は、図4で示された立方晶格子における様々な結晶軸方向に関してピーク・リターダンス・ローブを示す。立方晶格子の空間方位は、矢印で示された他の関連結晶格子方向によって示される。たとえば、[110]結晶軸に沿って進行する光線によって遭遇されるリターダンスを中心が表す図5Aにおいて、[101]格子方向に沿って進行する光線は、[111]格子方向に沿って進行する光線よりも[110]結晶軸に関して大きな角度であり、これらの光線角度は、それぞれ60°および35.3°である。これは、[111]の矢尻よりも大きな中心からの放射距離に位置する[101]矢尻によって示される。示された[100]、[101]、および[111]格子方向の相対的方位方向は、図4で示されるとおりである。この説明は、図5Bおよび図5Cにも同様に当てはまる。
図5A〜図5Cを参照すると、各々の場合に、示された結晶軸は、紙の平面に垂直の方向で、それぞれの図面の中心にある。図5Aは、[110]格子方向に関するリターダンスを示し、ピーク・リターダンス・ローブ150A、150B、150C、および150Dを含む。ピーク・リターダンス・ローブの各々は[110]結晶軸方向に関して60°の角度を形成する。[110]リターダンスは、更に、中心リターダンス・ノードを含む。図5Bは、[100]格子方向に関するリターダンスを示し、ピーク・リターダンス・ローブ152A、152B、152C、および152Dを含む。ピーク・リターダンス・ローブの各々は、[100]結晶軸方向に関して45°の角度を形成する。[100]軸の近くで、リターダンスは、[100]軸に関して接線方位のリターダンス軸に対してほぼ円対称を示す。更に、示されていない90°の対角線に沿ったピークが存在する。図5Cは、[111]格子方向に沿ったリターダンスを示す。[111]立方晶は、[111]軸の近くで複雑なほぼ3重のリターダンス対称を示す。このリターダンス・プロットは、ピーク・リターダンス・ローブ154A、154B、および154Cを含み、これらローブの各々は、[111]結晶格子方向に関して35.3°の角度を形成する。
図5A〜図5Cで示されるような結晶軸に関する結晶格子および結果のリターダンス・ローブは、立方晶が負の立方晶である例示的ケースに対応する。即ち、常光線の屈折率は、異常光線の屈折率よりも大きく、したがって複屈折ne−noは負である。フッ化カルシウムは、負の立方晶の例である。正の立方晶については、線の各々が中点の周りで90°回転されることを除いて、パターンはほぼ同じであろう。他の立方晶光学素子、たとえば、フッ化バリウム、フッ化リチウム、およびフッ化ストロンチウムおよび他の材料が、光学素子を形成するために使用されてよいことを理解すべきである。使用される立方晶材料に関して、リターダンスの方向および大きさの変動を測定するか、コンピュータ・モデリングを使用して計算することができる。更に、光学材料のリターダンスの方向および大きさの変動を測定することができる。図5A〜図5Cに類似したリターダンスの大きさおよび軸方位の変動のグラフ表現は、前述した立方晶材料の各々について同じように生成可能である。
再び図1を参照すると、個々の透過性光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21の各々は、同じ立方晶光学材料、たとえばフッ化カルシウムから形成されてよいことが理解される。更に、これらの光学素子は、同じ結晶方位を有する立方晶、たとえば、[110]、[100]、または[111]立方晶から形成されてよく、光軸106と整列したほぼ同じ格子方位で配列されてよい。たとえば、光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21は、それらの[110]軸が光軸106とほぼ平行に整列するような方位であってよい。したがって、この場合、レンズ系100の正味リターダンスは、図5Aで概略的に示される角度リターダンス変動と同じように系射出瞳を横切って変動するリターダンスを有する。同様に、もし全ての光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21が、それらの[100]軸が光軸106とほぼ平行に整列するならば、レンズ系100の正味リターダンスは、図5Bで概略的に示される角度リターダンス変動と同じように系射出瞳を横切って変動するリターダンスを有する。
同様に、もし全ての光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21が、それらの[111]軸が光軸106とほぼ平行に整列するならば、レンズ系100の正味リターダンスは、図5Cで概略的に示された角度リターダンス変動と同じように系射出瞳を横切って変動するリターダンスを有する。したがって、それぞれの[111]結晶方向が光軸106に沿ってほぼ整列する複数の[111]光学素子を含むレンズ100については、リターダンス分布はピーク・リターダンス・ローブ154A、154B、および154Cを含み、これらのローブの各々は[111]結晶格子方向に関して35.3°の角度を形成する。更に、図5Cで示されるように、これらのローブ154A、154B、および154Cの中の局在リターダンス軸の大きな部分は、[111]軸からほぼ放射状に離れる方位である。図5Cへの挿入図は、中心点Cから延びるベクトルRによって表された例示的放射方向を示す。この中心点Cは光軸106(即ち、Z軸)と一致し、挿入図で、この軸はX軸とY軸の交点で示される。
これらのリターダンス・ローブ154A、154B、154Cの間に、ローブの中よりも概して低いリターダンスに対応するセクション164A、164B、および164Cが置かれる。図示されるように、これらのセクション164A、164B、164Cのリターダンス軸は、ローブ154A、154B、および154Cの中で見られるリターダンス軸のように、ほぼ放射方向、即ち、光軸106から離れる放射方向の方位ではない。したがって、それぞれの[111]結晶方向が光軸に沿ってほぼ同じように整列した複数の[111]光学素子を含む多くのレンズ100については、リターダンスは、接線方向T、即ち、挿入図で示されるように、光軸106を中心とした円軌道170に沿って高値と低値との間を振動する。したがって、角方向φに対応するように光軸106の周りで方位角360°を掃引することによって、射出瞳を通過する光線の分布をサンプリングすると、リターダンスの大きさは増加および減少する。更に、リターダンス軸は、ピーク領域154A、154B、および154Cで、これらローブの間のセクション164A、164B、164Cよりも放射方向の方位にあり、特に、光軸106から離れた瞳孔位置でそうである。約0.5よりも大きい開口数では、この非円対称効果が存在しやすい。開口数が小さくなると、また、アパーチャストップおよび入射瞳および射出瞳が小さくなると、円対称のレベルが認識可能になる。しかし、より大きなf数および開口数によって定義される大きな開口および瞳孔、および、より大きな光線束では、観察されるパターンは非円対称になりやすい。
この後で説明するように、ここで提示されたリターダンス・パターンの局在リターダンス軸は、1つまたは複数の光学素子を通って伝搬する光線束によって経験される局在リターダンス効果を記述する。この光線束は、たとえば、オンアクシス(on-axis)の点から錐体として広がる。この光線錐体の広がりは、立体角または開口数によって定義されてよい。この錐体の中の異なった光線は、その光学素子、または異なったロケーションの素子に入射する。同様に、これらの異なった光線は、更に、その光学素子、または1つまたは複数の光学素子に関連づけられたアパーチャまたは瞳孔の異なった位置に置かれる。更に、これらの異なった光線は、異なった垂直および水平角で光学素子に入射し、異なった光路長で光学素子を通過する。垂直および水平角および光路長の変動は、異なったリターダンスを生じる。このリターダンスは、選択された領域、たとえば、参照平面または参照球面を横切ってマップされるリターダンス・パターンまたはリターダンス分布によって特徴づけられる。リターダンス・パターンは、たとえば、射出瞳でマップされてよい。したがって、これらの局在リターダンス軸は、瞳孔内の特定ロケーションを通過する光線によって遭遇されるリターダンスを特徴づけるために使用される構成概念である。リターダンス・パターンは、たとえば、瞳孔の参照球面で複数の光線によって経験されるリターダンスの分布に対応する。光学系100のリターダンスを特徴づけるのに有用な他の構成概念は、後で詳細に説明する固有偏光状態である。
光学系100を通って伝搬する光線束によって経験される実際のリターダンスは、たとえば、素子の形状、厚さ、および分離などによって決定される素子の光学特性に依存する。更に、リターダンス・パターンは、視界角(field angle)によって影響を受けるかも知れない。光軸106が[111]方向で整列する図5Cに関する前記の説明では、光線束はオンアクシスの像および物点を通過するものと仮定された。
しかし、他の構成が可能である。ここで説明される様々な好ましい実施形態において、1つまたは複数の光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21は、リターダンス分布を変更するために光軸106の周りで回転される。1つまたは複数の透過性光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21を、光軸106の周りで一般的に回転させるプロセスは、クロッキング(clocking)と呼ばれる。
ここで説明される様々な好ましい実施形態において、[111]立方晶光学素子は、レンズ系100を通って伝搬する光線について、より均一なリターダンス特性を提供するようにクロックされる。好ましくは、±φ方向におけるこの方位回転は、光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21に関連づけられた領域154A、154B、154C、ならびに164A、164B、および164Cのオーバーラップおよびマージを生じさせ、より均一なリターダンス分布を形成する。たとえば、1つまたは複数の光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21を時計回りまたは反時計回りに回転して、回転された素子に関連づけられたローブ154A、154B、154Cが、他の素子のローブ154A、154B、および154Cの間のセクション164A、164B、164Cの上に重畳されるようにすることができる。ローブ154A、154B、154Cにおけるリターダンスの寄与は、ローブの間のセクション164A、164B、164Cの中へ導入することができる。その結果、リターダンス・ローブ154A、154B、154Cと、それらの間のセクション164A、164B、164Cとの間の差が低減される。結果として、より均一で変動の少ないリターダンス分布が、振幅および方位の双方で生じる。したがって、図5Cで示される3つのリターダンス・ピーク154A、154B、および154Cは、目立たなくなり、更に好ましくは、実質的に除去される。光学軸106の周りの同心円軌道に沿った変動は、好ましくは低減される。リターダンスの大きさの変化の減少に加えて、リターダンス軸は、回転の結果として、好ましくは、より放射方向になる。ローブ154A、154B、154Cにおける放射方向リターダンス軸は、好ましくは、ローブ164A、164B、および164Cの間のセクションの中へ導入される。光学素子A1、A3〜A5、およびA8〜A21が回転されて、別々の光学素子に関連づけられた2つのタイプの領域のオーバーラップを提供するからである。その結果、好ましくは、たとえば、射出瞳平面でリターダンス・パターンを有するレンズ系100は、光軸106の周りで各々放射方向に延びるほぼ放射方向のリターダンス軸を有する。
ローブ154A、154B、154Cにおけるリターダンスの寄与は、好ましくは、たとえば、約0.5よりも大きい開口数を有するレンズ系100の射出瞳で測定されたとき、より放射方位のリターダンス軸を有する、より円対称のリターダンス・パターンを提供する。更に好ましくは、そのようなリターダンス特性は、約0.75または0.85よりも大きい開口数を有するレンズ系100について達成可能である。少なくともオンアクシス視界角について、レンズ100の射出瞳でほぼ円対称のリターダンス・パターンが、好ましくは、レンズ100の光学素子の第1の部分で取得される。
様々な実施形態において、瞳孔で測定されたリターダンスは、好ましくは、オンアクシス視野点について、光軸106の周りで約50、75、または90パーセント以上円対称である。更に、円対称は、リターダンスの大きさが、軸方向視野点について光軸106の円軌道の周りで約30%よりも少なく変動し、更に好ましくは約20%または10%よりも少なく変動するような円対称である。更に、局在複屈折軸の約70%よりも多くが、更に好ましくは、約80または90%よりも多くが、少なくともオンアクシス視野点について、使用される有効口径の光軸106の円軌道の周りでほぼ放射方向になる。しかし、好ましくは[111]立方晶光学素子を含むこの第1の部分から生じるRMSリターダンスは、約0.5から0.7またはそれより高い開口数について、少なくとも約0.1RMS波、0.5RMS波またはそれより高くなるかも知れない。より低いリターダンス、たとえば約0.01RMS以下のリターダンスを有する系も可能である。これらの値は、オンアクシス視野に適用される。
レンズ100の正味リターダンスを低減するため、レンズ100のこの第1の部分は、共役リターダンス・パターンを有する1つまたは複数の追加の光学素子を含む第2の部分と一緒に含められる。第2の部分のリターダンスは、好ましくは、第1の部分によって寄与されたリターダンス効果を、少なくとも部分的に帳消しにする。その結果、レンズ系100の正味リターダンスは低減される。
したがって、第2の部分の光学素子は、好ましくは、たとえば射出瞳で測定されたとき光軸106の周りでほぼ円対称であるリターダンスを与える。これらの素子は、更に、好ましくは、レンズ系100の第1の部分で光学素子に関連づけられた放射方向リターダンスと直交するリターダンスを有する。したがって、レンズ100の第2の部分の局在リターダンス軸は、好ましくは、接線方向である。即ち、局在リターダンス軸は、好ましくは、光軸106を中心とする同心円軌道170にほぼ沿った方位であるか、接線方向である。第2の部分の接線方向リターダンスは、レンズ100の第1の部分に関連づけられた放射リターダンス・パターンとほぼ直角および正反対であり、したがって2つは少なくとも部分的に相互に帳消しにし、または相殺する。
そのような補償は、好ましくは、約0.5の開口数よりも大きな開口数を有する光学系100を提供する。たとえば射出瞳における正味リターダンスへの2つの部分の寄与は、好ましくは、大きさにおいてほぼ同じであるが、少なくともオンアクシス視野点では相互に打ち消すように正反対である。しかし、好ましくは、オフアクシス視野点についても、十分な補正が同じように提供される。
様々な好ましい実施形態において、結果は、好ましくは、使用された有効口径を横切る少数の波のレベルまで波面を補正することである。同様に、リターダンス誘導位相変動が、ビームを横断して約0.1から1%の間か、それ以下であることである。
レンズ100の第2の部分で使用するのに適した接線リターダンス・パターンは、負の一軸結晶によって提供されてよい。様々な負の一軸結晶は、ほぼ円対称リターダンス分布を有し、局在リターダンス軸が中央領域から放射方向にある。しかし、そのような負の一軸結晶は、一般的に、たとえば、約248ナノメータ、193ナノメータ、または157ナノメータ以下のUV波長に対してかなり光学的に透過性であるとは言えない。
接線リターダンス・パターンは、更に、一軸複屈折媒質、即ち、媒質に関連づけられた単一の実複屈折軸または光学軸を有する媒質を含む光学素子によって提供されてよい。好ましくは、この一軸複屈折軸は、接線方向複屈折パターンが生成されるように、複屈折媒質を通る光軸106とほぼ平行に整列する。
指定された参照平面または球面、たとえば、瞳孔またはアパーチャを横切って分布する局在リターダンス軸は、光学的に透過性の材料または媒質に関連づけられた物理的複屈折軸とは異なる。局在リターダンス軸は、光学素子を形成するために使用された材料または媒質に関連づけられた物理的複屈折軸の、光学系100を通って伝搬している複数の光線への効果を説明する。したがって、局在リターダンス軸、および更に広くは、リターダンス・パターンは、開口数および視界角と共に変動する。更に、複屈折性材料または媒質の実複屈折軸とは対照的に、局在リターダンス軸は、レンズ100の処方箋と共に変動してよい。複屈折軸は、レンズ系でリターダンスの変動、リターダンス・パターン、またはリターダンス分布を作り出す材料特性である。
光軸106に沿って整列した単一複屈折軸を有する一軸媒質を含む光学素子の幾何学的形状は、接線リターダンス・パターンを生成する。即ち、このパターンは、光軸106を中心とする同心円軌道170に接する局在リターダンス軸を、たとえば射出瞳で含む。したがって、一軸複屈折媒質は、レンズ100の第2の部分における光学素子の適切な候補である。第2の部分でこの一軸複屈折媒質を含む素子は、放射方向リターダンス分布を有するとして前に説明したレンズ系100の第1の部分に関連づけられた複屈折およびリターダンスを相殺する。
図6Aおよび図6Bで示されるように、光学素子へ応力を加えることによって、一軸媒質を提供することができる。4つの辺またはエッジ182に表裏の平坦面を有するフラットな矩形板180に応力を加えると、平坦面を横切ってほぼ均一の応力分布が作り出される。したがって、複屈折の大きさは、板180の矩形空間の広がりを横切ってほぼ同じである。図6Aにおいて、加えられた応力は、矢印184によって表される。好ましくは、応力は均一に加えられる。即ち、各々の方向に加えられた応力量はほぼ同じである。もっとも、他の設計が可能である。屈折率は、単一光学軸または複屈折軸を有する一軸結晶と同じように変動する。同様に、応力を加えられたフラットな矩形板180は、単一の複屈折軸を有し、一軸複屈折媒質である。この単一複屈折軸は、加えられた応力の平面に垂直、即ち、X−Y平面に垂直なZ方向にある。したがって、複屈折軸に沿って(即ち、Z軸と平行して)伝搬する光は、電場がX−Y平面にあるので遅れを有していない。対照的に、最大リターダンスは、加えられた応力平面、即ち、X−Y平面で伝搬する光について生成され、応力平面は、複屈折軸と平行で直角の直交偏光を有する。
板180それ自身は、たとえば、立方晶、たとえば、立方晶フッ化カルシウムおよび他の材料を含んでよい。応力を立方晶基板へ加えることによって構成された一軸複屈折板については、応力複屈折係数は、[100]結晶格子方向が系光軸106に沿った方位であるとき最高となる。[100]方向に沿った応力複屈折係数は、[111]格子方向に沿った係数よりも4倍を超えて大きい(Alternative Materials Development (LITJ216) Final Report - Stress Birefringence, Intrinsic Birefringence, and Index Properties of 157 nm Refractive Materials, International SEMATECH, 2/28/02, J. Burnett and R. Morton)。したがって、所与の板の厚さでは、所与のリターダンスを作り出すのに必要な応力は、[100]結晶格子方向が光軸106に沿うように板の方位を決めることによって、大幅に低減または最小にされる。立方晶応力素子は、多くの場合、[100]方位で使用される(たとえば、S.Sakumaへ発行された米国特許6,201,634号を参照)。
ほぼ均一の圧縮円形応力を、図6Bで示されるような円形窓190の周囲192へ加え、円形一軸複屈折板を作ることができる。好ましくは、結果は、円形窓の円形区域の上に、複屈折のほぼ均一の大きさが生じることである。加えられた応力は、矢印194によって示される。たとえば、窓190の周囲でクランプ、締め金、または他の構造体を使用して、圧縮力を加えることができる。
反対方向の力は、正反対の複屈折を誘導する。適切なタイプ(たとえば、負または正)の複屈折を誘導するため、立方晶フッ化カルシウムへ加えられる圧縮力および引っ張り力が使用されてよい。
図7は、前述したように応力を加えられた平坦板180、190を通って伝搬する光について、射出瞳を横切る正味リターダンスを示すグラフである。このシミュレーションでは、0.85の開口数に対応する応力を加えられた板180、190を通る光線の錐体について、リターダンスが計算される。更に、この例では、板180、190は、20ミリメートル(mm)の厚さを有し、[100]結晶軸が光軸106と平行な[100]立方晶フッ化カルシウムを含むものと仮定された。
これらのプロット、および続くリターダンス瞳孔マップでは、リターダンスは、関心のある光学系について系射出瞳を横切る正方形グリッドの上に示される。前述したように、リターダンスは、一般的に、複屈折光学系を通って伝搬する波面を横切って変動する。したがって、リターダンスは、ビームの断面を横切る異なったロケーションで異なる。これらのリターダンス・マップでプロットされた変動は、光学系100の射出瞳を横切る変動である。
リターダンス・プロットは、一般的に、楕円によって記述され、この楕円は、時には固有偏光状態の1つを示す線へ退化する。前に定義したように、固有偏光状態は、光学系の所与の瞳孔座標を通って伝搬する光線に不変である偏光状態である。プロットの固有偏光は、遅い固有偏光状態である。速いおよび遅い固有偏光は直交している。速い固有偏光状態は、中心の周りを90°回転されたプロットで示される固有偏光に対応する。たとえば、もし局在リターダンスが、線形であれ楕円であれ垂直方向にあれば、遅い固有偏光状態は垂直方向の方位にあり、速い固有偏光状態が水平の方位にある。楕円の方向は、その主軸によって定義される。即ち、垂直楕円については、主軸は垂直方向の方位にある。主軸をリターダンス軸と呼ぶことにする。楕円のサイズまたは所与の瞳孔座標における線の長さは、リターダンスの相対的強さ、即ち、速い固有偏光と遅い固有偏光との移相に比例する。
更に、レンズおよび対応するリターダンス・マップについては、座標は、右手座標系を使用して定義され、系光軸は、物体から像平面へ向けて+Z方向にあり、+Y軸は垂直方向にあり、+X方向はYおよびZ軸と直交する。射出瞳のリターダンスおよび波面マップでは、プロットは、デカルト座標系を使用して所与の視野点について射出瞳参照球面の上の変動を記述する。ここで、XおよびY座標は、主光線に直角の平面へ投影された参照球面の上の座標である。
図7に示されるリターダンス分布は、光ビームに対する応力誘導複屈折の効果を示す。このビームは、応力を加えられた光学素子を通って伝搬する光線束と考えることができる。更に具体的には、光ビームについて射出瞳を横切るリターダンスは、光軸106の上の物点から板180、190を通って理想的には光軸106の上に置かれた像視野の上のロケーションへと発生する光線束によって表される。このビームおよび対応する光線束は、板180、190に関連づけられた実または構成アパーチャを充たし、また射出瞳を充たす。図7のリターダンス・マップは、射出瞳で示された各々のロケーションの光線についてリターダンスを表示する。したがって、これらのリターダンス・プロットは、射出瞳でこの特定のビームを横切ってサンプリングされたリターダンスを表す。
この例で計算されたピーク・リターダンスは、157.63ナノメータの波長で近似的に0.48波であり、瞳孔を横切るRMSリターダンス値は、約0.12波である。リターダンスは約0.85の開口数およびオンアクシス視野ロケーションについて計算された。
リターダンス・プロットは、[100]フッ化カルシウム結晶へ加えられた約1000ポンドの応力の適用をシミュレートすることによって取得された。一軸応力複屈折の大きさは、応力と共に線形に縮尺されている。約157ナノメータの波長で0.46×10-12Pa-1の応力光学係数q44が、「Alternative Materials Development (LITJ216) Final Report - Stress Birefringence, Intrinsic Birefringence, and Index Properties of 157 nm Refractive Materials, International SEMATECH, 2/28/02」でバーネットおよびモートンによって示唆されており、約−1×10-5の一軸応力複屈折を生じる。加えられる応力は、より高いか低いことが可能であるが、フッ化カルシウム(CaF2)は比較的壊れやすいと考えられるので、1000ポンドより小さい応力が好ましい。立方晶板は、更に、これらの計算のために約−1.1×10-6の立方固有複屈折を有するものと仮定された。応力を加えられた板180、190のリターダンスを近似するとき使用された値は、例示を目的としている。他のシミュレーションでは、適当に他の値が使用されてよい。
例示されたように、応力誘導複屈折は、接線リターダンス・パターン、即ち、プロットされた固有偏光状態の方位が、光軸106を中心とした同心円軌道170にほぼ接するパターンを生じる。結果のパターンは、更に、プロットされた固有偏光状態の大きさおよび方位の双方で、おおむね円対称である。このパターンは、応力複屈折が固有複屈折よりもはるかに大きい(1×10-5対−1.1×10-6)ために、単一の複屈折または光学軸および負の複屈折を有する負の一軸結晶によって生成されたパターンと類似する。したがって、応力の適用は、単一複屈折軸を有する材料とほぼ同じように振る舞う複屈折構造を得る方法である。
接線方向リターダンス・パターンを提供するため、応力をレンズへ加えることができる。応力の大きさは、レンズのアパーチャを横切って均一ではなく、むしろ応力は、異なったロケーションで大きいか小さい。したがって、レンズの複屈折は均一ではなく、均一の一軸結晶としてレンズ材料をモデル化することはできない。しかし、レンズを横切る複屈折の変動は、固有複屈折素子を有するレンズでリターダンス収差を低減するための追加の自由度を提供することができる。
一軸複屈折構造または媒質を得る他の手法は、フォーム(form)複屈折を介することである。様々な好ましい実施形態において、光学複屈折、および更に具体的には、フォーム複屈折は、異なった屈折率を有する材料の薄い交互層から成るスタックで得られる。具体的には、層の厚さが、そこを通って伝搬する光波長よりもはるかに小さいとき、集合構造の結果の複屈折は、光軸とほぼ平行な単一結晶軸を有する一軸結晶の複屈折と類似したものになる。たとえば、YehおよびGu、「 “Optics of Liquid Crystal Displays”, John Wiley & Sons., Inc. 1999, pp. 381-384」を参照されたい。
光学素子202の表面201の上に形成された層状媒質200を含む例示的フォーム複屈折構造は、図8に示される。この多層構造200は、好ましくは、紫外線であってよい動作波長に対して、かなり光学的に透過性である。この多層構造200は、相互に重ねられた材料の交互層204、206を含む。交互層204、206は、好ましくは、異なった屈折率を有する。
そのような層204、206の3つのペアが、例示を目的として示されるが、多層構造200は、この数に限定されない。より多い層204、206が好ましい。層204、206のペアの数は、たとえば、50層よりも大きく、好ましくは、約100から2000の間である。より多いか、より少ない層も可能である。更に、交互層204および206の厚さは、図8では同じに示されるが、設計は、そのように限定されない。層204および206は、異なった厚さを有してよい。
交互層204および206は、たとえば、それぞれn1およびn2の屈折率を有してよい。これらの層の厚さが光波長よりも小さい場合、干渉効果を相当に予防することができ、多層構造200は光学異方性を示す。更に、スタック200は負の複屈折媒質のように振る舞い、異常光線の屈折率neは、常光線の屈折率noよりも小さい(即ち、ne<no)。好ましくは、これら2つの層の厚さは、更に複屈折を最大にするため、実質的に等しい。多層構造の最大複屈折は、次の方程式によって与えられる。
157ナノメータ光と一緒に使用するための或る好ましい実施形態において、交互層の一方204は、約1.8の屈折率を有するフッ化ランタンLaF2またはフッ化ガドリニウムGdF3を含んでよく、交互層の他方206は、約1.47の屈折率を有するフッ化アルミニウムAlF3およびフッ化マグネシウムMgF2を含んでよい。結果の複屈折は、約−0.04である。(この値は最大複屈折、即ち、常および異常の屈折率の最大差である。最大値は、光線が層の平面で伝搬するときに起こる。光線が複数の層へ垂直に入射するとき、近似的にゼロの複屈折が存在する。)他のバリエーションおよび他の材料も適している。
多層構造200は、光学素子202、たとえば、限定ではないが、パワーを与えられた屈折素子、板または窓、リフレクタ(reflector)または回折性光学素子の上に形成された薄膜コーティングを構成してよい。薄膜コーティングは、平坦面または曲面の上にあってよい。そのような曲率は、リターダンス分布に影響を与え、リターダンスを制御するための追加の自由度を提供する。局在複屈折軸は、面法線に沿っている。更に、曲面の上に薄膜コーティングを形成することは、パワーを与えられた光学素子と一軸複屈折媒質との集積を可能にする。そのような構造200を作り出すため、通常の薄膜堆積および/または製造手法が使用されてよいが、まだ開発されていない方法を含む他の方法が可能と考えられる。
前述したように、多層構造200は、層のスタックに垂直な、即ち、図8で示されるZ方向の局在複屈折軸または結晶軸を有する一軸結晶のように振る舞う。交互層204、206の間のインターフェイスに垂直な複屈折軸は、好ましくは、光学素子202、およびそれが含まれる光学系100の光軸106に平行である。更に、複屈折の大きさは、好ましくは、結果のフォーム複屈折光学素子を横切って均一である。たとえば、円板上のコーティングでは、複屈折の大きさは、好ましくは、その円板の円空間範囲を横切ってほぼ一定である。リターダンス分布によって示されるように、もし板に入射する光の角度が、板を横切る異なったロケーションで異なるならば、複屈折の効果は、それらの異なったロケーションで異なるであろう。
図9は、フォーム複屈折媒質、たとえば、図8で示されるような薄膜コーティング構造200を通って伝搬する光について、射出瞳を横切る正味リターダンスを示すグラフである。この例では、薄膜コーティングは、1ミクロン(μm)の厚さを有し、約−0.04のフォーム複屈折を有する。リターダンスは、約0.85の開口数に対応するフォーム複屈折コーティングを通る光線の錐体について計算される。錐体は、コーティングに関して垂直に配置される。
例示されるように、フォーム複屈折多層薄膜構造200は、接線リターダンス・パターン、即ち、プロットされた固有偏光状態の方位が、光軸106を中心とする同心円軌道170にほぼ接するパターンを生じる。結果のパターンは、更に、プロットされた固有複屈折状態の大きさおよび方位の双方で、おおむね円対称である。このパターンは、単一の複屈折軸および負の複屈折を有する負の一軸結晶によって生成されるパターンと類似する。したがって、フォーム複屈折コーティングの堆積は、一軸結晶のように振る舞う一軸複屈折構造を得る方法である。
フォーム複屈折は、更に、微細構造を有する薄膜について得られてよい。その場合、微細構造の寸法は、光波長よりも小さい。複合媒質のフォーム複屈折は、更に、たとえば、YehおよびGu、「“Optics of Liquid Crystal Displays”, John Wiley & Sons., Inc. 1999, pp. 381-384」で説明されている。様々な他の実施形態において、フォーム複屈折を生成する複合媒質も使用されてよい。
固有複屈折によって生じた偏光収差を低減する上記の手法は、フォトリソグラフィに使用される結像系の波面補正を提供するのに特に適している。この応用に関連づけられた厳密な性能要件に加えて、フォトリソグラフィ・レンズは、多くの場合、多数の大きな屈折性および他の透過性光学素子を含む。これらの素子は、一緒になってかなり大きいリターダンス量に寄与する。したがって、リターダンス収差によって生じる波面誤差は、フォトリソグラフィ投影システムによって得られる結果の解像度を大幅に制限する。
21個の光学素子A1〜A21を含み、その中の18個が動作波長に対して相当に光透過性である例示的投影レンズ100が、図1に示される。前述したように、類似のレンズは、D.Shaferらによるヨーロッパ特許出願第1115019A2号の10番目の実施形態で提供される。この光学系100は、157.63ナノメータの中心波長で動作するように設計されている。レンズ100は、約0.80の開口数で近似的に5X縮小を提供し、約22mmから7mmの寸法を有する矩形像視野を有する。視野の中心は、約4.6mmだけ光軸106からオフセットされる。例示的設計は、17個のレンズA1、A3〜A5、A8〜A20、1つの凹面鏡A6、および平坦な保護板A21を使用する。2つの他の鏡A2、A7は、系100の別個のアームに沿って光ビームを向ける。レンズA1、A3〜A5、A8〜A20の各々、および窓A21は、フッ化カルシウムから形成される。
リターデーション収差は、ヨーロッパ特許出願第1115019号で開示されるように類似の処方箋を有する類似のレンズについて計算され、レンズ素子の各々は、ほぼ同じように整列した結晶軸を有する[111]立方晶フッ化カルシウムを含む。これらの透過性部品A1、A3〜A5、A8〜A20、およびA21の各々は、これらのベースライン計算で約−1.1×10-6の固有複屈折を有すると想定される。固有複屈折の実際の値は変動してよい。前述したように、例示の系100は光軸106を含む。21個の光学素子A1〜A21は、この光軸106に沿って整列する。光ビームは、物体平面102からレンズ100の中の素子A1、A3〜A5、A8〜A20、およびA21を通って像平面104へ、光軸106に沿って伝搬する。前述したように、複数の鏡A2、A6、A7が、系100のアームに沿って光を向け、このアームは、ビームが2回通過する幾つかの屈折性光学素子A3、A4、A5を含む。半径および幾つかの非球面係数は、固有複屈折が加えられる前に波面誤差を改善するために最適化された。
立方晶レンズ材料に関連づけられた固有複屈折の効果を考慮するとき、系の性能は著しく低下する。図10Aおよび図10Bは、図1で示された全ての透過性素子A1、A3〜A5、A8〜A20、およびA21が3次元で同じように整列し、素子が光軸106に沿った[111]結晶軸方向を有する例示的実施形態に従って、それぞれ視野の中心およびエッジの視野点について系射出瞳を横切る正味リターダンスを示すグラフである。図10Aおよび図10Bは、固有複屈折の効果を含む。図10Aは、光軸106から0mmだけ離れた物体視野ロケーションの点から発生する光ビームについて射出瞳を横切る様々な位置での正味リターダンスを示す。図10Bは、物体視野のオフアクシス点から発生する光ビームについて射出瞳を横切る様々なロケーションでの正味リターダンスを定量化する。これらの2つの点は、それぞれ中心およびエッジの視野点に対応する。このエッジ視野点は、たとえば、半導体ウェハを処理するためフォトリソグラフィ器械のフレームのエッジで点へマップされてよい。この例示的配列における固有複屈折に起因する山から谷への(peak-to-valley)リターダンスは、オンアクシスおよび最端視野で近似的に1波である。
この先行する例において、図10A〜図10Bで示されるように、相当に光透過性を有する素子A1、A3〜A5、A8〜A20、およびA21の各々が[111]立方晶フッ化カルシウムを含み、それぞれの結晶軸が同じ方位であるとき、固有複屈折は大きなリターダンス収差、したがって大きな波面収差を生成する。補償されないと、この波面収差は、高精度フォトリソグラフィで許容される波面誤差を強く超過する。
しかし、光学系100の第1の部分で[111]立方晶素子をクロックし、光学系の第2の部分で一軸複屈折素子を導入することによって、リターダンスを低減することができる。好ましくは、この一軸複屈折素子は、単一の複屈折軸および負の複屈折を有する媒質を含む。更に、2つの部分のリターダンスは、好ましくは、相殺して、リターダンス収差の正味の低減を生じる。
図11は、図1で呈示された系と類似したフォトリソグラフィ・システムを示し、複数の[111]立方晶光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21を含む。しかし、更に、一軸複屈折を有する応力を加えられた板A22が含められた。この応力を加えられた板A22は、好ましくは、図6Aで示されるように2つの直交軸に沿って応力を加えられる矩形板を含む。これらの結果は、更に、ビームが通過する板部分の全体で応力が均一である円板にも適用される。更に、レンズ100の複数の[111]立方晶光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21は、放射方向局在リターダンス軸を有するほぼ円対称のリターダンス分布を生成するように、適切にクロックされている。この放射状分布は、応力を加えられた板A22によって生成されるほぼ円対称の接線分布によって、少なくとも部分的に相殺される。
ヨーロッパ特許出願第1115019A2号に基づく例示的系100の寸法は、表Iにリストされる。半径は、固有複屈折が加えられる前に波面誤差を改善するように選択された。表面の幾つかは非球面であり、下記の表IIでリストされる非球面補正を有する。
Figure 2005535939
Figure 2005535939
Figure 2005535939
Figure 2005535939
Figure 2005535939
周知のように、非球面は、次の式によって定義されてよい。
Aρ4+Bρ5+Cρ6+Dρ7+Eρ8+Fρ9・・・ (2)
ここで、ρは半径の寸法である。表IIにおいて、Kは錐体定数である。
リターダンス収差の補正を導入するため、最後のレンズ素子A20は、応力を加えられる平行平面板A22、および2つのレンズA20およびA23へ分割された。窓A21は、付加されたレンズA23と隣接する。平行平面板A21は、[111]軸が光軸106とほぼ平行な[111]立方晶フッ化カルシウムを含み、2つのレンズA20およびA23は、好ましくは、[111]結晶軸が光軸106とほぼ平行な[111]立方晶フッ化カルシウムを含む。平行平面板A22に加えられた応力は、光軸106に沿って、即ち、平行して、約−2×10-6の一軸複屈折を生成する。したがって、そのような部品A22は、光軸と整列した単結晶軸を有する負の一軸結晶として振る舞う。
更に、実質的に[111]立方晶の光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23は、円対称放射リターダンス分布を提供するため、前述したようにクロックされる。軸回転の方向および量は、一軸複屈折光学素子、即ち、応力を加えられた板A22によって導入されたリターダンスとほぼ等しいが正反対のリターダンスを生じるように選択される。応力を加えられた板A22は、負の複屈折を有する一軸結晶のようなリターダンスを有する。これらの素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23は、光学系100の第1の部分と考えられる。この系100の例示的クロッキング値は、表IIIに示される。[111]結晶軸が光軸106に沿った方位を有する[111]光学素子については、好ましくは、瞳孔で60、180、および300度のピーク・リターダンス・ローブを生成する方位に対して、各々の素子のクロッキングが与えられる。そのようなことは、単なる例であり、素子の相対的クロッキングは、様々な任意の参照ロケーションに関して記述されうることを理解すべきである。正の回転は、レンズ素子の局在+Z軸に関して右手回りである。
Figure 2005535939
Figure 2005535939
Figure 2005535939
応力を加えられた板A22は、光学系100の第2の部分に対応し、2つの部分は、好ましくは、相互に大幅に相殺して、正味のリターダンス収差を低減する。図12は、応力を加えられた板を含む全ての素子A1〜A23の固有複屈折に起因する最端視野点の系射出瞳を横切る正味リターダンスを示すグラフである。この例における最端エッジ点は、x軸上で約55mm、y軸上で40mmである(x=−55mm、y=40mm)。図示されるように、応力を加えられた板A22および適切なクロッキングを有しない図1のオール[111]素子のリターダンスと比較して、正味のリターダンスは著しく低減されている。
射出瞳の上のRMSおよび最大リターダンスは、9つの視野位置について下記の表IVにリストされる。視野9の結果は、図12のグラフで示される。約−1.1×10-6の固有複屈折が、[111]立方晶光学素子について想定された。λ0=157nmで0.0094〜0.0146波の範囲を有するRMSリターダンスが示される。約10Xより大きいリターダンス収差の低減が、この例で達成される。この系100の開口数は約0.8である。この実施形態において、負の一軸構造で補償した後の正味リターダンスの変動は最小である。しかし、もし視野を横切る顕著な変動が存在したならば、1つまたは複数の追加の一軸構造をレンズ群のどこかへ置いて、視野の上のリターダンス収差の変動を低減または最小化することができたであろう。
Figure 2005535939
例示されるように、クロッキングおよび応力を加えられた板A22を有しないオール[111]素子系100のリターダンスと比較して、正味リターダンスは著しく低減されている。これは図10Aおよび図10Bで示される。したがって、[111]素子を適切にクロックし、クロックされた[111]素子のリターダンスと共役のリターダンス分布を有する1つまたは複数の一軸複屈折素子A22を使用することによって、オール[111]光学素子を含む系100のリターダンスを大幅に補正することができる。特に、このカタディオプトリック光学系100に関連づけられた系リターダンスは、高開口数のリソグラフィで受容され得るレベルへ著しく低減される。
更に、光学系100の第1の部分の立方晶素子をクロックし、単一複屈折軸を有する1つまたは複数のフォーム複屈折光学素子を光学系の第2の部分へ導入することによって、リターダンスを低減することができる。2つの部分のリターダンスは、好ましくは、相殺してリターダンス収差の正味の低減を生じる。
図13は、光学素子A23の表面(51)の上に形成された一軸複屈折を有する薄膜層X22を追加した、図1で呈示された系と類似のフォトリソグラフィ・システム100を例示する。1つの例において、この薄膜層X22は約5ミクロンの厚さであるが、薄膜層X22の寸法は、そのように限定されるべきでない。(この薄膜層X22のサイズは、この図面では分かりやすくするため誇張されている。)薄膜層X22は、好ましくは、図8で示されるような、異なった屈折率を有する材料の交互層を含む。更に具体的には、この多層薄膜X22は、好ましくは、動作波長で相当な光透過性を有し、前述したようなフォーム複屈折を提供する。更に、複数の[111]立方晶フッ化カルシウム光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23は適切にクロックされており、放射方向リターダンス軸を有するほぼ円対称のリターダンス分布を生成する。この放射分布は、フォーム複屈折多層のほぼ円対称の接線分布によって、少なくとも部分的に相殺される。
ヨーロッパ特許出願第1115019A2号の系に基づく例示的システム100の寸法が表Vにリストされる。幾つかの表面は非球面であり、前記の表IIでリストされた非球面補正を有する。光透過性のレンズ素子A1、A3〜A5、A8〜A20、および窓A21は、各々の[111]結晶軸が光軸106に平行な[111]立方晶フッ化カルシウムから形成されるものと仮定された。
Figure 2005535939
Figure 2005535939
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リターダンス収差の補正を導入するため、最後のレンズ素子A20は、2つのレンズA20およびA23へ分割された。フォーム複屈折コーティングX22は、2つのレンズA20、A23の間に含められた。このフォーム複屈折コーティングX22は、たとえば、付加されたレンズA23の表面(51)の上に形成されてよい。窓A21は、追加のレンズA23に隣接する。レンズA20およびA23の双方は、[111]立方晶フッ化カルシウムであると仮定された。計算は、それぞれ比較的に高い(n1)および低い(n2)屈折率である1.8および1.47の交互層を含むフォーム複屈折コーティング200に基づく。前述したように、たとえば、高屈折率層はLaF3またはGdF3を含み、低屈折率層はAlF3またはMgF2を含んでよい。他の材料も同様に使用されてよい。フォーム複屈折コーティングX22は、5.0マイクロメータの厚さであり、約0.04の一軸複屈折を生じるものと仮定された。そのような構造X22は、平坦面(51)に垂直で光軸106に平行な複屈折または結晶軸を有する負の一軸結晶として振る舞う。
更に、円対称放射方向リターダンス分布を提供するため、前述したように、実質的に[111]立方晶の光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23がクロックされる。軸回転の方向および量は、一軸複屈折光学素子、即ちフォーム複屈折コーティングX22によって導入されるリターダンス分布とほぼ等しく正反対のリターダンス・パターンを生成するように選択される。前述したように、フォーム複屈折コーティングX22は、負の複屈折を有する一軸結晶と類似した複屈折を有する。これらの[111]立方晶光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23は、フォーム複屈折コーティングX22によって導入されるリターダンスと調和または整合する光学系100の第1の部分と考えられる。この系100の例示的クロッキング値が表VIに示される。正の回転は、レンズ素子の局在+Z軸に関して右手回りである。
Figure 2005535939
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フォーム複屈折コーティングX22は光学系の第2の部分に対応し、2つの部分は、好ましくは、相互に大幅に相殺し、正味リターダンス収差を大幅に低減する。図14は、フォーム複屈折コーティングX22を含む全ての素子A1〜A23の固有複屈折に起因する、最端エッジ視野点での系射出瞳を横切る正味リターダンスを示すグラフである。図示されるように、正味リターダンスは、フォーム複屈折コーティングX22を有しない図1に示されるオール[111]素子を含む類似の系100のリターダンスと比較して、著しく低減された。この補正されない系100のオフアクシス点の結果のリターダンスは、前に説明した図10Bに呈示される。
射出瞳の上のRMSおよび最大リターダンスは、9つの視野位置について下記の表VIIにリストされる。9番目の視野点からの結果は、図14のグラフで示される。λ0=157nmであるときの0.0118〜0.0173波の範囲のRMSリターダンスが示される。この残存リターダンスは、大まかに4次変動である。したがって、この例では、リターダンス収差の約10Xよりも大きい低減が達成される。この系100の開口数は約0.8である。[111]立方晶光学素子については、約−1.1×10-6の固有複屈折が想定された。
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様々な好ましい実施形態において、図15で示されるようなインピーダンス整合層300が、フォーム複屈折多層200と基板202、即ち、コーティングが形成される光学素子との間に含められる。このインピーダンス整合層300は、光学素子202の表面201の上に形成される複数の材料層304、306を含んでよい。この複数の層304、306は、フォーム複屈折多層構造200の層204、206と類似した材料を含んでよい。これらのインピーダンス整合層304、306は、好ましくは、それぞれ高いおよび低い屈折率n1、n2を有する材料を含む高いおよび低い屈折率の層に対応する。高屈折率材料の例は、1.8の屈折率を有するLaF3およびGdF3を含み、例示的な低屈折率材料は、約1.47の屈折率を有するAlF3およびMgF2を含んでよい。様々な他の実施形態では、他の材料が使用されてよく、これらの材料はフォーム複屈折多層構造200の204、206と同じである必要はない。しかし、類似の材料を使用すると、製造が簡単になるかも知れない。様々な実施形態において、層304、306の厚さは、集合構造300の所望の有効屈折率を提供するように調整されるか、高および低屈折率材料が同時に堆積されて、2つのベース材料の中間の屈折率を有する複合材料を形成してもよい。
インピーダンス整合が存在しないと、フッ化カルシウム光学素子202と、フォーム複屈折多層200の有効屈折率との屈折率不整合が、反射を生じる。したがって、フォーム複屈折多層200を通って伝搬する光の一部分が、フレネル反射の結果として、フッ化カルシウム光学素子202の表面201から反射される。
「空気」/フォーム複屈折コーティング・インターフェイス310で、追加のフレネル反射が生成される。「空気」(または他の環境媒質)とフォーム複屈折コーティングとの屈折率不整合の結果として、フォーム複屈折コーティング200の上に入射する光の一部分が反射される。逆に、光学素子202およびフォーム複屈折コーティング200を通って「空気」へ伝搬する光は、部分的に反射されてフォーム複屈折コーティングへ戻る。
2つの反射インターフェイス、即ち、「空気」/フォーム複屈折コーティング・インターフェイス310およびフッ化カルシウム光学素子202の表面201は、一緒になって弱い光学空洞共振器を作り出す。この光学空洞共振器の効果は図16Aで示される。図16Aは、インピーダンス整合層300が存在しないフォーム複屈折コーティング200を通る光の透過を示す。曲線312および314はsおよびp偏光を表し、曲線316は、これら2つの偏光の平均に対応する。曲線312、314、316は入射角に対する透過率の変動を示す。反射率および空洞共振の双方が、反射性インターフェイス310、201に入射する光の伝搬の角度と共に弱い光学空洞共振器によって変動するので、3つの曲線312、314、316にリップルが観察される。
フォーム複屈折層200とフッ化カルシウム光学素子202との間のインピーダンス整合層300は、表面201における屈折率不整合を低減し、好ましくは、空洞共振器の効果を大幅に弱める。図16Bは、インピーダンス整合層300が間に存在するフォーム複屈折コーティング200およびフッ化カルシウム光学素子202を通る光の透過を示す。この例のフォーム複屈折コーティング200は、図16Aに関連づけられた例に関連して使用された構造と同じ構造である。曲線322および324はsおよびp偏光を表し、曲線326は、これら2つの偏光の平均に対応する。これらの曲線322、324、326は、更に、入射角に対する透過の変動を示す。フッ化カルシウム素子202の表面201における反射率が低減され、空洞共振器の影響が小さくなるので、リップルは大幅に減少する。
参照のために、図16Cは、剥き出しのフッ化カルシウム光学素子202を通る光の透過を示す。この例には、フォーム複屈折多層200も、インピーダンス整合層300も含まれていない。したがって、空洞共振器の影響、たとえばリップルが除去されている。このプロットでは、曲線332および334は、sおよびp偏光に対応し、曲線336は、これら2つの偏光の平均を表す。
フォーム複屈折コーティング200とフッ化カルシウム基板202との間にインピーダンス整合構造300を付加することは、更に、入射角に対する複屈折の変動を改善するかも知れない。この効果を実証するため、異なった入射角について、直交偏光状態の間の位相遅れが計算される。図17Aは、インピーダンス整合層300が存在しないフッ化カルシウム光学素子202の上のフォーム複屈折コーティング200について、この関係を示す。このプロットでは、不規則な波動、即ちリップルが観察される。
インピーダンス整合層300を含めることは、図17Bで示されるように、このリップルを大幅に除去する。図17Bは、様々な角度で構造へ入射する光について、直交偏光の間の移相をプロットしたものである。曲線は、図17Aよりも相当に滑らかである。
図16A〜図16Cおよび図17A〜図17Bに対応する上記の例では、光波長は157.0ナノメータであり、環境は空気であった。フォーム複屈折コーティング200は、1.8および1.47の屈折率をそれぞれ有する高および低屈折率材料の103のペアを含む。これらの層の各々は、高および低屈折率材料について、それぞれ約0.49および0.4四分の一波長(即ち、n×t=0.49λ/4およびn×t=0.4λ/4)の光学的厚さ(屈折率×厚さ)を有する。インピーダンス整合層300は、それぞれ1.8および1.47の屈折率を有する高および低屈折率材料の2つのペアを含む。これらの高いおよび低い屈折率の層は、それぞれ約0.205および0.295四分の一波長(即ち、n×t=0.205λ/4およびn×t=0.295λ/4)の光学的厚さを有する。好ましくは、これらの厚さは、フッ化カルシウム基板の屈折率とフォーム複屈折コーティングの有効屈折率との積の平方根にほぼ等しい値を有する有効屈折率をインピーダンス整合層300に提供して、屈折率の不整合を低減するように選択された。フォーム複屈折コーティングの有効屈折率とフッ化カルシウムの屈折率との間の他の中間値が可能である。このインピーダンス整合コーティングは、反射を低減するので、反射防止コーティングと呼ばれてよい。しかし、この例示的インピーダンス整合コーティングは例を意味し、限定を意味しない。コーティング設計に熟練した当業者は、インピーダンス整合コーティングの他の多くのタイプおよびバリエーションが可能であることを認識するであろう。
したがって、フォーム複屈折コーティング200とフッ化カルシウム基板202との間のインピーダンス整合層300は、これらの屈折率不整合によって作り出される屈折率不整合および空洞共振器効果を著しく低減する。コーティングされない、即ち、剥き出しのフッ化カルシウム基板に匹敵する透過および複屈折が可能である。
更に、「空気」(環境)/フォーム複屈折コーティング・インターフェイス310における反射を低減するため、フォーム複屈折コーティング300の上に反射防止コーティング311を含めてよい。この反射防止(AR)コーティング311は、たとえば、技術分野で良く知られる通常のARコーティング、たとえば、四分の一波長スタックであってよい。好ましくは、このARコーティング311は、フォーム複屈折層200におけるのと同じか匹敵する材料を含む。このARコーティング311は、たとえば、それぞれ1.8および1.47の屈折率を有する高および低屈折率材料、たとえば、LaF3およびGdF3、およびAlF3およびMgF2の多数の層を含んでよい。材料のタイプおよび量(たとえば、層の厚さ)は、ここで説明される例に限定されず、これから案出されるものを含む他の反射防止コーティング・テクノロジも可能であると考えられる。
インピーダンス整合層300と同じように、ARコーティング311はインターフェイス310の反射を低減し、空洞共振器効果を減少させ、更に伝送損失を低減する。空洞共振器効果を除去し、透過を改善するため、他の手法も使用可能である。たとえば、フォーム複屈折コーティング200が、2つのフッ化カルシウム素子202の間に埋め込まれた埋め込み層の上に形成されてよい。一対のインピーダンス整合多層構造300を、フォーム複屈折コーティングの各々の側に1つずつ使用して、フッ化カルシウム材料とフォーム複屈折多層200との屈折率不整合を低減してよい。
フォーム複屈折を使用して、負の一軸結晶と同種の複屈折特性を提供することは、応力板180、190の使用に勝る幾つかの利点を提供する。幾つかの点で、フォーム複屈折媒質は、実現するのに簡単である。圧縮または引っ張り応力を加えるため、応力を加えられる光学素子へ物理的に取り付けられた機械的構造を使用する必要はない。加えられる応力は、或る場合には温度に依存する。たとえば、きつい金属バンドが光学素子の周囲を取り巻くときである。そのようなバンドは、温度変化と共に拡張および収縮し、加えられる力および結果の複屈折を変動させる。他の場合には、或るフォーム複屈折材料構造よりも、応力誘導複屈折素子が製造するのに容易であるかも知れない。
ここで説明された様々な手法および設計の応用は、前述したレンズ100のみに限定されず、広範な光学系へ広く応用されてよい。たとえば、図11および図13で示されたレンズ100は23個の光学素子A1〜A23を含んだが、他の実施形態は、より多いか少ない光学素子を含んでよく、それらの光学素子は、反射性、回折性、および/または屈折性であってよい。同様に、光学素子は、球面または非球面を有してよく、パワーを与えられるか与えられなくてもよく、オフアクシスまたはオンアクシスであってよい。他の光透過性素子は、少数の名前を挙げれば、回折およびホログラフィック光学素子、フィルタ、リトロリフレクタ、ビームスプリッタを含んでよい。前述した手法および設計は、結像および非結像系、たとえば、フォトリソグラフィ結像レンズおよび投影およびコンデンサレンズに有用であるが、これらの応用のみに限定されるべきでない。
リターダンスを低減するため、他の補償手法が適用されてよい。これらの手法の1つは、たとえば、補償を提供するため光軸に関して適切に回転される[100]光学素子を付加することを含む。他の方法は、偏光回転子を使用して、光学系100の様々な部品によって導入される偏光収差の間に補償を提供する。更に、ここで説明された手法および設計と組み合わせて、リターダンスおよび他の偏光収差を低減する他の方法が使用されてよい。
更に、他の実施形態では、1つまたは複数の光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23が、立方晶以外の結晶材料およびアモルファスガラスのような非結晶材料を含むことができる。溶融シリカは、そのような非結晶材料の例であり、UV波長、たとえば248nmおよび193.3nmに対して相当な光透過性を有し、したがって、そのようなUV応用に適合する。素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23の少なくとも或るものが結晶である場合、全てが同じ結晶方位である必要はない。たとえば、「111」、「100」、および/または「110」結晶方向を有する立方晶光学素子の様々な組み合わせが、適当に使用されてよい。
図11および図13に関して説明した様々な例において、これらの全ての透過性光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23は[111]立方晶素子である。各々の素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23の[111]結晶格子方向は、系光軸106に沿っている。
系光軸に沿った[111]結晶格子方向を有する多くの立方晶素子を選択することは、光学系100の構成に特に有利である。前述したように、高純度立方晶、たとえば、VUV光学リソグラフィ・システムのCaF2結晶は、(111)面に沿って自然に劈開し、高い光学品質の単結晶が、より容易に[111]方向に沿って成長する。その結果、[111]光学素子を構成するためのレンズ半加工品(blank)は、他の格子方向に沿った方位を有するレンズ半加工品よりも、典型的には、費用がかからず、容易に入手できる。更に、応力光学係数は、[100]または[110]方向よりも[111]方向に沿って低く、取り付けにより誘導される応力から生じる像の劣化を低減する。したがって、この好ましい配列の1つの例が呈示され、その例では、全てのパワーを与えられる立方晶素子が[111]屈折性光学素子を含み、これらの光学素子は、それぞれの[111]結晶軸が光軸に沿った方位を有する。
しかし、代替の実施形態は、結晶軸が異なった方位にある他の立方晶材料を含む光学部品を含むことができる。レンズは、たとえば、光軸106とほぼ平行な[100]および[110]格子方向を有する1つまたは複数の[100]および/または[110]光学素子を含むことができる。しかし、好ましくは、光学系でビームが通過する立方晶光学素子の大部分、または、より好ましくは、かなりの大部分が、[111]光学素子を含む。たとえば、光学系100のビーム光路にある立方晶光学素子の70、80、90パーセント以上が、好ましくは[111]立方晶オプチクスを含む。これらのパーセンテージは、立方晶レンズ素子だけに適用されるか、レンズ素子および他の光学素子、たとえば窓および板の両方を含んでよい。代替的に、レンズ100の光路にある全ての立方晶材料の[111]立方晶の重量パーセンテージは、好ましくは、50%よりも大きく、更に好ましくは、少なくとも約80%であり、最も好ましくは、90%以上である。このパーセンテージは、パワーを与えられた屈折性光学素子だけを含むか、パワーを与えられたか与えられていない光学素子、たとえば、窓および板などを含むことができる。たとえば、立方晶レンズ100の正味重量の90%は、光学軸106に沿った方位の[111]軸を有する立方晶を含むことができる。他の例では、保護窓A21を含む立方晶オプチクスの正味重量の80%が、[111]軸が光学軸に平行な[111]立方晶であってよい。そのような系100の材料のコストは、より多くの[110]または[100]結晶材料を使用する光学系と比較して著しく低減される。リターダンス収差を低減するとき一軸複屈折媒質および適切なクロッキングを使用することは、系100の光学性能を不当に低下させることなく、そのように大きな重量パーセンテージの[111]結晶材料を使用できるようにする。他の実施形態では、レンズ素子A1、A3〜A5、A8〜A23の幾つかまたは他の光学素子は、非立方晶材料から形成されるか、非立方晶材料から形成された追加のレンズおよび/または光学素子が使用されてよい。多種の適切な非立方晶材料、たとえば乾燥溶融シリカが、より低いコストの他の代替材料を提供するかも知れない。
前述した例の幾つかは、従来技術で公表されたレンズ処方箋に基づく。これらの例は例示されただけで、これらの例を参照して適用された原理は、様々な他のレンズ設計に拡張することができる。リターダンス収差を低減するためこれまで説明した手法の応用は、157nm近くの露光波長、たとえば、F2エキシマレーザによって生成される露光波長でのフォトリソグラフィのための高開口数光学系にとって特別に重要である。しかし、これらの原理および手法は、他の波長で動作する高および低開口数システムへ等しく応用されることを理解すべきである。たとえば、約0.6、0.7、0.8、0.9以上の開口数を有する高性能レンズ100について、正味リターダンスまたはリターダンス収差が大幅に低減されるであろう。より低い開口数(より大きいFナンバー)の系の補正も可能であり、多くの場合、より困難ではない。前述したように、たとえば、光学素子A1、A3〜A5、A8〜A21、およびA23のリターダンス・パターンは、より低い開口数について、より均一、より円対称、より放射状になるであろう。
更に、屈折性素子が主としてフッ化カルシウムから構成され、157nmの中心波長に設計された高開口数レンズの固有複屈折の効果を推定するため、各々の素子は、157nmの波長で測定されたフッ化カルシウムのピーク固有複屈折にほぼ等しい(ne−no)=−1.1×10-6のピーク固有複屈折を有するものと仮定される。しかし、他の実施形態では、1つまたは複数の光学素子が、他の材料、たとえば、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化ストロンチウム、および溶融シリカから構成されてよい。更に、負の複屈折を示す材料を含む光学素子の効果を補償するため、正の複屈折を示す材料を含む光学素子を含めることができる。
更に、157nmに設計された類似の高開口数レンズで固有複屈折を補償する方法は、出発点として193nmの中心波長に設計された既知の例示的レンズ処方箋を使用して実証することができる。中心波長の変化は、屈折性部品の屈折率の変化を生じ、フッ化カルシウムのようなフッ化物材料の使用を正当化するかも知れないが、使用される素子のタイプおよび所与の開口数の光線角度の分布は十分に類似し、193nmの中心波長に設計されたレンズが、高開口数レンズの固有複屈折の効果を緩和する革新的手法を実証するため157nmの中心波長で使用されることを可能にする。しかし、上記で呈示された設計手法は、他の波長で動作する光学系で偏光収差を低減するために使用されてよい。
これまでの例は、例示として意図され、限定として意図されていない。更に、平均屈折率の変動によって生成されるリターダンス収差および波面収差を含む固有複屈折の効果を相殺する様々な例示的手法は、他の実施形態に応用されてよいことが意図されている。更に一般的には、リターデーションのような偏光収差を補償するために使用されるこれらの基本原理は、様々な他の光学系のこれらの効果を少なくとも部分的に補正するために拡張することができる。原理は、屈折性およびカタディオプトリックなレンズ系、および通過して伝搬するビームに偏光収差を与える相当に光透過性の材料を含む他のシステムに応用される。他の光学系では、光学部品の光学的特徴が変化してよい。たとえば、個々の厚さ、曲率半径、非球面係数、および光線角度が部品ごとに著しく異なっていてよい。
これらの原理は、新しい光学系を設計するとき、または既知のレンズ処方箋を改善するために使用されてよい。上記の或る例において、補正された光学系は所与のレンズ処方箋に基づいており、この処方箋は、前述した手法を使用して保守され、固有複屈折の効果が補償されてよい。代替的に、リターデーションは、所与の処方箋の1つまたは複数のレンズ素子を2つ以上のサブエレメント(sub-element)へ分割することによって低減されてよい。埋め込み表面のロケーション、その曲率、およびそれぞれのサブエレメントの厚さは、収差を低減するか、他の性能属性を提供するために調整される自由度である。たとえば、光学的パワーは、同一の中心厚を有するか有しないサブエレメントへほぼ均一に分割されてよい。しかし、前述した手法および設計は、設計される種々の他の新しいレンズ処方箋へ有利に応用されてよい。
個々のレンズ素子の配置、厚さ、曲率半径、非球面係数、材料特性などを含むレンズ処方箋を生成または修正するため、光線追跡ソフトウェアを使用してよい。1つの実施形態において、RMSリターダンスは、各々の視野点の瞳孔グリッドの上で計算されてよく、たとえば、市販の光線追跡ソフトウェアCODE V(登録商標)を使用する減衰最小二乗最適化のメリット関数として使用されてよい。系の各々の素子の方位およびクロッキングおよび一軸複屈折媒質の厚さを最適化するため、コンピュータを使用してよい。収差を釣り合わせ、視野を横切るリターダンスを低減するため、部品の厚さ、部品間の間隔、曲率半径、およびレンズ素子の非球面係数が、同じように最適化されてよい。残存リターダンス変動および定常残存リターダンスを補正するため、1つまたは複数の複屈折素子、波長板、またはこれらの組み合わせが追加的に使用されてよい。[110]、[111]、および[100]素子の平均屈折率変動によって導入された位相収差、たとえば、非点収差、トレフォイル(trefoil)収差、およびカドラフォイル(quadrafoil)収差は、それぞれ2θ、3θ、および4θのように変動する曲率半径を有する1つまたは複数の表面を使用して補償されてよい。
フッ化カルシウムのような立方晶材料が使用されるとき、これらの結晶素子のかなりの部分が、好ましくは、光軸106に平行な[111]結晶格子方向を有する安価な[111]立方晶を含む。[111]素子によって導入されたリターダンスを補償するため、適切にクロックされた[100]および[110]素子を付加することができるが、これらの[100]および[110]素子のコストは高い。前述した手法は、有利には、[111]素子のリターダンスが、他の安価な[111]素子によって補償されることを可能にする。したがって、光軸に沿った[111]結晶格子方向を有する[111]結晶を含む立方晶素子の割合は、好ましくは大きく、即ち、少なくとも70〜90重量%である。一軸複屈折媒質は様々な材料から形成されてよいが、それは立方晶、たとえば、[110]、[100]、または[111]立方晶素子を含む。一軸複屈折素子が立方晶を含む幾つかの実施形態では、好ましくは、それは主として[111]立方晶を含むが、最も好ましくは、オール[111]立方晶の材料を含む。前述したように、立方晶素子の多くに[111]材料を含ませると、オプチクスのコストが低減される。最も好ましくは、透過性光学素子の大多数は、[111]結晶格子方向にほぼ整列した光軸を有する。1つの好ましい実施形態では、ほぼ全ての光透過性立方晶素子が、この[111]結晶を含む。
前述したように、半導体基板の上に収差のないパターンを形成するための様々な例示的立方晶光学系および方法は、特に有利である。特徴サイズは、ますます小さくなり、パターンを生成するために使用される光波長の半分以下に近づいているからである。そのような手法は、高い開口数(NA)のレンズ系で特別の利点を見出すが、それらの方法および革新の様々な態様は、比較的に高い開口数および比較的に低い開口数の双方を有する光学系で応用を見出す。
前述した手法および設計は、半導体産業で基板をパターン化するのに使用されるフォトリソグラフィ・ツールと関連づけて説明されたが、結像および非結像での多様な応用、赤外線、可視、および紫外線での使用を見出すであろう。医療、軍事、科学、製造、通信、および他の応用に使用される光学系は、ここで説明した革新から利益を得ることのできる候補と考えられる。
これまで、本発明の特定の実施形態と関連させて説明したが、実施形態の説明は、本発明を例示するもので、限定する意図ではないことを理解すべきである。したがって、様々な修正および応用が、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者によって案出されてよい。本発明の範囲は、ここで説明された好ましい実施形態に限定されず、むしろ次のクレイム、および、それらのクレイムが法的権利を有する同等物の全体の範囲を参照することによって、本発明の範囲が決定されるべきである。
21個の光学素子(18個は透過性であり、3個は反射性である)を含む例示的リソグラフィ・システムの投影オプチクスの断面図である。 コンデンサレンズおよび投影オプチクスを含む例示的リソグラフィ・システムの概略図である。 立方晶格子に関する複屈折軸の方位変動を表すグラフである。 立方晶格子に関する複屈折の大きさの変動を表すグラフである。 例示的立方晶格子を通る様々な方向間の角度関係を示す斜視図である。 図5Aは、立方晶材料の[110]格子方向に関して、角空間におけるリターダンスの大きさおよびリターダンス軸の方位を示し、またオフアクシス・ピーク複屈折ローブの方位を示すグラフである。図5Bは、立方晶材料の[100]格子方向に関して、角空間におけるリターダンスの大きさおよびリターダンス軸の方位を示し、またオフアクシス・ピーク複屈折ローブの方位を示すグラフである。図5Cは、立方晶材料の[111]格子方向に関して、角空間におけるリターダンスの大きさおよびリターダンス軸の方位を示し、またオフアクシス・ピーク複屈折ローブの方位を示すグラフである。 素子の光軸にほぼ平行な単一複屈折軸を有する一軸複屈折構造を作り出すための、光学素子への応力適用を示す。 素子の光軸にほぼ平行な単一複屈折軸を有する一軸複屈折構造を作り出すための、光学素子への応力適用を示す。 [100]結晶軸が光軸に沿って整列している立方晶フッ化カルシウムを光学素子が含む場合に、図6Aおよび図6Bで示されるような応力を加えられた例示的素子の射出瞳を横切る正味リターダンスを、オンアクシス視野点について示すグラフである。 多層コーティングを含むフォーム複屈折素子の概略図である。 フォーム複屈折素子が光軸に平行な単一の複屈折軸を有する場合に、図8で示されるような例示的フォーム複屈折素子の射出瞳を横切る正味リターダンスを、オンアクシス視野点について示すグラフである。 それぞれの結晶軸がほぼ同じように整列している[111]立方晶フッ化カルシウム光学素子を光学系が含む場合に、図1で示されるような例示的光学系の射出瞳における正味リターダンスを、オンアクシス視野点について示すグラフである。 それぞれの結晶軸がほぼ同じように整列している[111]立方晶フッ化カルシウム光学素子を光学系が含む場合に、図1で示されるような例示的光学系の射出瞳における正味リターダンスを、最端視野点について示すグラフである。 図1で示される投影オプチクスと類似し、更に一軸複屈折を有する応力板を含む投影オプチクスの断面図である。 図11に示されるような例示的光学系の射出瞳を横切る正味リターダンスを、オフアクシス視野点について示すグラフである。 図1で示される投影オプチクスと類似し、更にフォーム複屈折素子を含む投影オプチクスの断面図である。 図13に示されるような例示的光学系の射出瞳を横切る正味リターダンスを、オフアクシス視野点について示すグラフである。 インピーダンス整合層を含むフォーム複屈折多層コーティングの概略図である。 フッ化カルシウム上のフォーム複屈折多層の透過率(パーセンテージ)対入射角(度)のプロットである。 フッ化カルシウム上の、インピーダンス整合を含むフォーム複屈折多層の透過率(パーセンテージ)対入射角(度)のプロットである。 剥き出しのフッ化カルシウムの透過率(パーセンテージ)対入射角(度)のプロットである。 インピーダンス整合層を有しない、フッ化カルシウム上のフォーム複屈折多層の移相(度)対入射角(度)のプロットである。 インピーダンス整合層を有する、フッ化カルシウム上のフォーム複屈折多層の移相(度)対入射角(度)のプロットである。

Claims (90)

  1. 光学系であって、
    光軸に沿って整列した複数の立方晶光学素子を含む第1の光学部分であって、前記複数の立方晶光学素子が複屈折性であり、前記光軸に沿って前記光学系を伝搬する光ビームにリターダンスを与える光学部分と、
    1つまたは複数の光学素子を含む第2の光学部分であって、各々の光学素子が、前記光軸に沿って挿入された単一の複屈折軸を有する一軸複屈折媒質を含み、前記1つまたは複数の光学素子が、前記複数の立方晶光学素子によって導入された前記リターダンスを大幅に低減する複屈折量を有する光学部分と
    を具備する光学系。
  2. 前記単一の複屈折軸が前記光軸とほぼ平行に整列している、請求項1に記載の光学系。
  3. 前記光学素子の各々が負の複屈折媒質を含む、請求項1に記載の光学系。
  4. 前記一軸複屈折媒質が、約1×10−6よりも大きい複屈折を有する、請求項1に記載の光学系。
  5. 前記一軸複屈折媒質が約0.01よりも大きい複屈折を有する、請求項1に記載の光学系。
  6. 前記一軸複屈折媒質が約0.04よりも大きい複屈折を有する、請求項1に記載の光学系。
  7. 前記複数の立方晶光学素子が、オンアクシス視野および約0.7よりも大きい開口数について、約0.1RMS波よりも小さいリターダンスを与える、請求項1に記載の光学系。
  8. 前記一軸複屈折媒質が、一緒になってフォーム複屈折を導入する材料の交互層を含む、請求項1に記載の光学系。
  9. 前記一軸複屈折媒質が、第1の屈折率を有する微細構造をマトリックス材料の中に含み、該マトリックス材料が、一緒になってフォーム複屈折を導入する第2の屈折率を有する、請求項1に記載の光学系。
  10. 前記少なくとも1つの光学素子が応力部材を含み、該応力部材が前記媒質へ応力を加えて前記一軸複屈折を誘導する、請求項1に記載の光学系。
  11. 前記一軸複屈折媒質が立方晶を含む、請求項10に記載の光学系。
  12. 前記一軸複屈折媒質が[111]立方晶を含み、該[111]立方晶が、前記光軸とほぼ平行な[111]格子方向を有するように整列している、請求項1に記載の光学系。
  13. 前記一軸複屈折媒質が[100]立方晶を含み、該[100]立方晶が、前記光軸とほぼ平行な[100]格子方向を有するように整列している、請求項1に記載の光学系。
  14. 前記一軸複屈折媒質が非立方晶材料を含む、請求項1に記載の光学系。
  15. 前記第2の光学部分が、一軸複屈折媒質を含む複数の光学素子を含む、請求項1に記載の光学系。
  16. 前記第2の光学部分の中の前記少なくとも1つの光学素子が、パワーを与えられた光学素子を含む、請求項1に記載の光学系。
  17. 前記一軸複屈折媒質がフッ化カルシウムを含む、請求項1に記載の光学系。
  18. 前記一軸複屈折媒質が、フッ化ランタン、フッ化ガドリニウム、フッ化アルミニウム、およびフッ化マグネシウムから成るグループから選択された材料を含む、請求項1に記載の光学系。
  19. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子が、[111]立方晶光学素子を含み、該[111]立方晶光学素子が、それぞれ前記素子を通る前記光軸とほぼ平行な[111]格子方向を有するように整列している、請求項1に記載の光学系。
  20. 第1の光学部分の中の前記立方晶光学素子の少なくとも1つが、前記立方晶光学素子の他のものに関して光軸の周りで回転され、少なくともオンアクシス視野点からの光について、より回転対称のリターダンス分布を取得する、請求項1に記載の光学系。
  21. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子が、少なくとも1つのパワーを与えられた光学素子を含む、請求項1に記載の光学系。
  22. 前記複数の立方晶光学素子が、屈折性素子および回折性素子から成るグループから選択される、請求項1に記載の光学系。
  23. 前記光学系が結像系である、請求項1に記載の光学系。
  24. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子が、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、およびフッ化ストロンチウムから成るグループから選択される材料を含む、請求項1に記載の光学系。
  25. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子がフッ化カルシウムを含む、請求項1に記載の光学系。
  26. 更に、第1および第2の部分に関して配置された光源を含み、それらを通して光を伝搬する、請求項1に記載の光学系。
  27. 前記光源がエキシマレーザを含む、請求項21に記載の光学系。
  28. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子が、約248ナノメータより小さいか等しい波長を有する光に対して相当に光学透過性である、請求項1に記載の光学系。
  29. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子が、約193ナノメータより小さいか等しい波長を有する光に対して相当に光学透過性である、請求項1に記載の光学系。
  30. 第1の光学部分の中の前記複数の立方晶光学素子が、約157ナノメータより小さいか等しい波長を有する光に対して相当に光学透過性である、請求項1に記載の光学系。
  31. 光を透過する光学装置であって、
    前記光へリターダンスを導入する複屈折を有する複数の光学素子と、
    前記複数の光学素子の前記リターダンスと正反対のリターダンスを生成し、前記複数の光学素子によって導入された前記リターダンスを相殺する複屈折を有する1つまたは複数のフォーム複屈折光学素子と
    を具備する光学装置。
  32. 前記フォーム複屈折光学素子が板を含む、請求項31に記載の光学装置。
  33. 前記フォーム複屈折光学素子が、パワーを与えられた光学素子を含む、請求項31に記載の光学装置。
  34. 前記フォーム複屈折光学素子が層状媒質を含み、該層状媒質が、異なった屈折率を有する複数の材料層を有し、これらの材料層が一緒になってフォーム複屈折を示す、請求項31に記載の光学装置。
  35. 前記層が、前記光の波長よりも小さい厚さを有する、請求項34に記載の光学装置。
  36. 前記材料が、フッ化ランタン、フッ化ガドリニウム、フッ化アルミニウム、およびフッ化マグネシウムから成るグループから選択される、請求項34に記載の光学装置。
  37. 前記複数の材料層が第1および第2の材料の交互層を含み、前記第1の材料がLaF3およびGdF3から成るグループから選択され、前記第2の材料がAlF3およびMgF2から成るグループから選択される、請求項34に記載の光学装置。
  38. 更に、基板の上に形成された前記層状媒質の間にインピーダンス整合多層構造を含み、該インピーダンス整合多層構造が前記層状媒質と前記基板との間の反射を低減する、請求項31に記載の光学装置。
  39. 更に、前記層状媒質の上の反射防止コーティングを含み、該反射防止コーティングが前記層状媒質からの反射を低減する、請求項31に記載の光学装置。
  40. 前記フォーム複屈折光学素子が、第1の屈折率を有する複数の微細構造を含む複合媒質を含み、該微細構造が、第2の屈折率を有するマトリックスに組み込まれ、前記複数の微細構造および前記マトリックスが一緒になってフォーム複屈折を示す、請求項31に記載の光学装置。
  41. 光を透過する光学系であって、
    光軸を有する第1のオプチクスであって、光学系に関連づけられた瞳孔面を通して分布する放射および接線固有偏光状態を有し、前記放射固有偏光状態が前記光軸からほぼ放射状に向けられ、前記接線固有偏光状態が前記光軸を中心とする円軌道にほぼ接し、前記放射および接線固有偏光の双方が、前記光軸の周りでほぼ円対称である大きさの分布を有し、前記大きさが前記円軌道に沿ってほぼ一定である第1のオプチクスと、
    前記第1の光学サブシステムの前記光学軸に沿って挿入された第2のオプチクスであって、前記瞳孔面を通して分布する放射および接線固有偏光状態を有し、前記放射固有偏光状態が前記光軸からほぼ放射状に向けられ、前記接線固有偏光状態が前記光軸を中心とする円軌道にほぼ接し、前記放射および接線固有偏光が、前記光軸の周りでほぼ円対称である大きさの分布を有し、前記大きさが前記円軌道に沿ってほぼ一定である第2のオプチクスと、
    前記第1のオプチクスに関連づけられた前記放射および接線固有偏光状態が、相互に関して前記第2のオプチクスに関連づけられた前記放射および接線固有偏光状態にほぼ等しくかつ正反対の量だけ遅れた位相であって、前記光学系の中で前記光に与えられるトータルの位相遅れを低減するものである
    を具備する光学系。
  42. 前記放射固有偏光状態が前記光軸の周りで約360度に広がる、請求項41に記載の光学系。
  43. 光学的に結像する方法であって、
    第1のリターダンス収差を生成する固有複屈折を有する複数の立方晶素子を通して光を伝搬し、
    一軸複屈折媒質を含む1つまたは複数の光学素子を通して前記光を伝搬することによって、前記第1のリターダンス収差と大きさがほぼ等しく形状がほぼ共役の第2のリターダンス収差を導入し、前記第1のリターダンス収差を大幅に相殺する
    ことを含む方法。
  44. 前記第2のリターダンス収差が、前記第1のリターダンス収差と大きさがほぼ等しく形状がほぼ共役になるように、前記複数の立方晶素子がクロックされる、請求項43に記載の方法。
  45. 前記第1のリターダンス収差が、前記複数の立方晶素子を通る光軸の周りでほぼ円対称となるように、前記複数の立方晶素子がクロックされる、請求項43に記載の方法。
  46. 少なくともオンアクシス視野点から伝搬する光について、前記複数の立方晶素子を通る光軸の周りでほぼ完全に放射方向の局在リターダンス軸を提供するように、前記複数の立方晶素子がクロックされる、請求項43に記載の方法。
  47. 前記複数の立方晶光学素子が、オンアクシス視野および約0.7よりも大きい開口数について、少なくとも約0.1RMS波のリターダンスを与える、請求項43に記載の方法。
  48. 前記第1のリターダンス収差が、前記第2のリターダンス収差と組み合わせられたとき、約0.05RMS波以下へ低減される、請求項43に記載の方法。
  49. 更に、光学板を含む前記少なくとも1つの光学素子に応力を加えて一軸複屈折を誘導することを含む、請求項43に記載の方法。
  50. 更に、前記光学素子の前面および背面の周囲に応力を加えて一軸複屈折を誘導することを含み、前記少なくとも1つの光学素子を通って伝搬する前記光が前記前面に入射して前記背面から射出する、請求項43に記載の方法。
  51. 更に、前記少なくとも1つの光学素子の上に平方インチ当たり約100から約1000ポンドの応力を加えて一軸複屈折を誘導することを含む、請求項43に記載の方法。
  52. 更に、前記少なくとも1つの[111]立方晶光学素子に応力を加えて一軸複屈折を誘導することを含む、請求項43に記載の方法。
  53. 前記複数の立方晶素子が[111]立方晶を含む、請求項43に記載の方法。
  54. それぞれの[111]結晶軸が光軸に沿って整列した複数の[111]立方晶光学素子を含む光学系で、固有複屈折によって生じたリターダンスを低減する方法であって、
    少なくとも1つの前記[111]立方晶光学素子をクロックして、少なくともオンアクシス視野点について前記光軸を中心とする瞳孔の上に、より円対称のリターダンス・パターンを提供し、
    単一の複屈折軸を有する媒質を含む1つまたは複数の一軸複屈折素子を前記光学系へ導入し、該1つまたは複数の一軸複屈折素子が、それに関連づけられたほぼ円対称のリターダンス・パターンを有し、該リターダンス・パターンが、少なくともオンアクシス視野点について、前記光軸を中心とする前記瞳孔の上に分布し、
    前記複数の[111]立方晶光学素子に対応する前記リターダンス・パターンおよび前記1つまたは複数の一軸複屈折素子に対応する前記リターダンス・パターンが正反対であって、前記複数の[111]立方晶素子を通して透過された光ビームの中へ導入されたリターダンスが、前記1つまたは複数の一軸複屈折光学素子を通して前記ビームを透過したとき前記光ビームの中へ導入されるリターダンスによって大幅に相殺される
    ことを含む方法。
  55. 前記[111]立方晶光学素子の少なくとも1つが十分にクロックされて、放射方向局在リターダンス軸を有する前記円対称リターダンス・パターンを、前記瞳孔の上の前記リターダンス・パターンのほぼ全体で提供する、請求項54に記載の方法。
  56. 前記[111]立方晶光学素子の少なくとも1つが十分にクロックされて、前記光軸の周りの同心円軌道についてほぼ一定の大きさの局在リターダンスを提供する、請求項54に記載の方法。
  57. 前記導入が、フォーム複屈折媒質を含む1つまたは複数の光学素子を提供することを含む、請求項54に記載の方法。
  58. 単一の複屈折軸を有する前記媒質が、多くの層を含む少なくとも1つの多層フォーム複屈折薄膜を含み、前記多くの層の各々が、波長よりも小さい厚さを有する、請求項54に記載の方法。
  59. 単一の複屈折軸を有する前記媒質が、少なくとも1つの複合フォーム複屈折構造を含み、該複合フォーム複屈折構造が、材料に埋め込まれた複数の微細構造を含む、請求項54に記載の方法。
  60. 前記光学系が少なくとも約0.5の開口数および約0.05RMS波よりも小さい正味リターダンスを有する、請求項54に記載の方法。
  61. 前記瞳孔が少なくとも約0.5の開口数に対応する、請求項54に記載の方法。
  62. 光学的方法であって、
    第1および第2の直交偏光成分を有する光ビームを、光軸に沿って配置された複数の光学素子を含む第1のオプチクスを通して伝搬し、前記第1のオプチクスが、前記光軸の周りで円対称パターンを形成する放射および接線固有偏光状態を有し、該放射および接線固有偏光状態が、前記光ビームの中の前記第1および第2の直交偏光成分の間に位相遅れを導入するように相互に関して遅れた位相とされ、
    前記光軸に沿って配置された第2のオプチクスを通して前記光を伝搬することによって、前記光ビームの中の前記第1および第2の直交偏光成分の間の前記位相遅れを大幅に低減し、前記第2のオプチクスが、前記光軸の周りで円対称パターンを形成する放射および接線固有偏光状態を有し、前記第2のオプチクスの中の前記放射および接線固有偏光状態が、相互に関して前記第1のオプチクス・セクションの前記放射および接線固有偏光状態の間の前記位相遅れと正反対に遅れた位相とされる
    ことを含む光学的方法。
  63. フォトリソグラフィ・ツールであって、
    レチクルを照射する光を出力する光源と、
    前記光源から光を受け取るように配置されたコンデンサ・オプチクスであって、前記光から形成された光ビームを方向付けて前記レチクルを通すように配置されたコンデンサ・オプチクスと、
    前記レチクルの像を基板の上に形成するように構成された投影オプチクスと
    を具備し、
    前記投影オプチクスが、
    前記レチクルを通って伝搬された、前記方向付けられた光ビームを受け取る1つまたは複数の立方晶レンズ素子であって、前記光ビームの中にリターダンス収差を導入する固有複屈折を有する1つまたは複数の立方晶レンズ素子と、
    前記レチクルおよび前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子の共通光路に沿って配置された少なくとも1つの一軸複屈折光学素子であって、単一の複屈折軸を有する一軸複屈折媒質を含み、前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子によって導入された前記リターダンス収差にほぼ共役のリターダンス収差を前記光ビームの中に導入する複屈折を有する一軸複屈折光学素子と
    を具備するフォトリソグラフィ・ツール。
  64. 前記一軸複屈折光学素子が、フォーム複屈折によって生成される複屈折を有する光学素子を含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  65. 前記一軸複屈折光学素子が、フォーム複屈折によって生成される複屈折を有するフォーム複屈折光学素子を含み、前記フォーム複屈折素子が、高および低屈折率の複数の交互層を含む多層構造を含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  66. 前記一軸複屈折光学素子が、レンズの上に形成された多層薄膜を含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  67. 前記一軸複屈折光学素子が、板の上に形成された多層薄膜を含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  68. 前記光源が、約248ナノメータよりも小さいか等しい波長を有する光を出力する、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  69. 前記光源が、約193ナノメータよりも小さいか等しい波長を有する光を出力する、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  70. 前記光源が、約157ナノメータよりも小さいか等しい波長を有する光を出力する、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  71. 前記光源がエキシマレーザを含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  72. 1つまたは複数の立方晶レンズ素子の少なくとも最初のものが[111]立方晶を含み、該[111]立方晶が、前記最初の光学素子を通る光軸にほぼ平行な[111]結晶格子方向を有する、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  73. 前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子が、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、およびフッ化ストロンチウムから成るグループから選択される材料を含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  74. 前記投影オプチクスが、少なくとも1つの反射面を含むカタディオプトリック・システムを含む、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  75. 前記投影オプチクスが、少なくとも1つの反射面を含むカタディオプトリック・システムを含み、前記少なくとも1つの反射面が非対称応力を加えられることによって、非点収差、トレフォイル収差、またはカドラフォイル収差を低減する、請求項63に記載のフォトリソグラフィ・ツール。
  76. 半導体デバイスを形成する方法であって、
    レチクルを通して光ビームを伝搬し、
    複数の[111]立方晶光学素子を含み、該[111]立方晶光学素子のそれぞれの[111]立方晶軸が、前記[111]立方晶光学素子を通る共通光軸に整列した投影レンズの第1の部分へ前記光ビームを向け、該光ビームが、前記投影レンズの前記第1の部分によって導入された第1のリターダンス収差の結果として収差を生じ、前記第1のリターダンス収差が偏光の位相変動から生じ、前記[111]立方晶光学素子がクロックされて、オンアクシス視野点からの光に関連づけられた前記第1のリターダンス収差が、前記投影レンズの射出瞳で、前記光軸の周りでほぼ円対称にされ、
    前記投影レンズの第2の部分を通して前記光ビームを伝搬し、前記投影レンズの前記第2の部分が1つまたは複数の光学素子を含み、前記投影レンズの前記第2の部分が偏光の位相変動から生じる第2のリターダンス収差を導入するように選択され、前記1つまたは複数の光学素子によって、前記投影レンズの前記射出瞳を通って伝搬するオンアクシス視野点からの光に関連づけられた前記第2のリターダンス収差が、前記光軸の周りでほぼ円対称にされて、前記オンアクシス視野点に関連づけられた前記第1の偏光収差を前記射出瞳で大幅に相殺することによって、
    前記レチクルの光学像を形成し、
    前記投影レンズによって出力された前記光ビームによって形成された前記光学像が前記基板の上に形成されるように前記基板を配置する
    ことを含む方法。
  77. 更に、前記基板の上に感光性コーティングを形成することを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 更に、前記投影オプチクスによって出力された前記光ビームに露光した後、前記感光性コーティングを現像することを含む、請求項77に記載の方法。
  79. 更に、前記感光性薄膜を露光した後、前記感光性コーティングをエッチングすることによって、前記レチクルに類似したパターンを前記基板の上に生成することを含む、請求項77に記載の方法。
  80. 更に、前記感光性コーティングを形成する前に前記基板の上に薄膜を堆積し、前記感光性コーティングが前記薄膜の上に形成されるようにすることを含む、請求項77に記載の方法。
  81. 更に、前記投影オプチクスによって出力された前記光ビームに露光した後、前記感光性コーティングを現像することを含む、請求項80に記載の方法。
  82. 更に、前記感光性薄膜を露光した後に前記感光性薄膜をエッチングすることによって、前記レチクルにほぼ対応するパターンを前記薄膜の中に生成することを含む、請求項81に記載の方法。
  83. プロセスに従って形成される半導体デバイスであって、前記プロセスが、
    半導体ウェハの上に感光性材料を堆積し、
    マスク・パターンを照射し、
    前記マスク・パターンから光路に沿って複数の光学素子を通して光ビームを透過し、前記光学素子が放射および接線固有偏光状態を有し、前記ビームが第1および第2の直交偏光状態を有し、各々の直交偏光状態が前記放射および接線固有偏光状態の前記1つと一致して、前記第1の偏光状態が前記第2の偏光状態に関して位相遅れとなり、
    単一の一軸複屈折軸を有する少なくとも1つの複屈折素子を通して前記光ビームを透過し、前記少なくとも1つの複屈折素子が放射および接線固有偏光状態を有して、前記第2の偏光状態が前記第1の偏光状態に関してほぼ等しい量遅れた位相であって、前記光ビームの前記第1および第2の直交偏光状態の間の相対的位相差を低減し、
    前記光ビームが前記少なくとも1つの複屈折素子を透過した後に前記光ビームを受け取って、前記半導体ウェハの上の前記感光性材料の上に前記光ビームを投影し、
    感光性材料の一部分を除去して、前記マスク・パターンに類似したパターンを前記感光性材料の中に形成し、
    前記パターン化された感光性材料を有する前記半導体ウェハを処理する
    ことを含む半導体デバイス。
  84. 前記感光性材料がフォトレジストを含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
  85. 前記半導体ウェハの前記処理がエッチングを含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
  86. 前記半導体ウェハの前記処理がイオン打ち込みを含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
  87. 更に、前記半導体ウェハの上に少なくとも1つの材料層を堆積することを含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
  88. 前記半導体デバイスが半導体集積回路を含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
  89. フォトリソグラフィ・ツールであって、
    レチクルを照射する光を出力する光源と、
    前記光源から光を受け取るように配置されたコンデンサ・オプチクスであって、前記光源から形成された光ビームを方向付けて前記レチクルを通すように配置されたコンデンサ・オプチクスと、
    前記レチクルの像を基板の上に形成するように構成された投影オプチクスと
    を具備し、
    前記コンデンサ・オプチクスが、
    前記光源から前記光を受け取る1つまたは複数の立方晶光学素子であって、前記光ビームの中へリターダンスを導入する固有複屈折を有する立方晶光学素子と、
    フォーム複屈折を有するフォーム複屈折光学素子であって、前記1つまたは複数の立方晶光学素子を通る共通光路に沿って配置され、前記1つまたは複数の立方晶光学素子を通して透過された前記光の上に与えられた前記リターダンスを大幅に相殺するリターダンスを導入するフォーム複屈折光学素子と
    を具備するフォトリソグラフィ・ツール。
  90. フォトリソグラフィ・ツールであって、
    レチクルを照射する光を出力する光源と、
    前記光源から光を受け取るように配置されたコンデンサ・オプチクスであって、前記光源から形成された光ビームを方向付けて前記レチクルを通すように配置されたコンデンサ・オプチクスと、
    前記レチクルの像を基板の上に形成するように構成された投影オプチクスと
    を具備し、
    前記コンデンサ・オプチクスが、
    前記光源から前記光を受け取る1つまたは複数の立方晶レンズ素子であって、前記光ビームの中へリターダンス収差を導入する固有複屈折を有する1つまたは複数の立方晶レンズ素子と、
    一軸複屈折媒質を含む少なくとも1つの一軸複屈折光学素子であって、前記1つまたは複数の立方晶レンズ素子によって導入された前記リターダンス収差とほぼ共役のリターダンス収差を導入する複屈折を有する一軸複屈折光学素子と
    を具備するフォトリソグラフィ・ツール。
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