JP3413067B2 - 投影光学系及びそれを用いた投影露光装置 - Google Patents

投影光学系及びそれを用いた投影露光装置

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    • G03F7/70958Optical materials or coatings, e.g. with particular transmittance, reflectance or anti-reflection properties
    • G03F7/70966Birefringence

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子,CC
D,液晶デバイス等のデバイス製造用の投影光学系及び
それを用いた投影露光装置及びそれを用いたデバイスの
製造方法に関するものであり,特に,ステップアンドリ
ピート方式やステップアンドスキャン方式の投影露光装
置(ステッパ)において投影光学系を構成する光学エレ
メント(硝材)が有する複屈折性の影響を補正し、高解
像度のパターンを得る投影露光装置に好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】最近、DRAM,CPU 等の半導体素子の高集
積化が顕著であり、最先端の素子(デバイス)において
は0.25μm 以下のサイズを有する回路パターンが必要と
されている。そのような微細なパターンを高精度に形成
することが可能な装置として、所謂ステッパが広く用い
られる。ステッパにおいては、レチクル上のパターンを
紫外領域の短波長光で照明し、投影光学系を介してシリ
コン等の半導体ウェハ上に縮小投影することにより、該
ウェハ上に微細な回路パターンの形成を行っている。
【0003】その際、レチクル上のパターンを高精度に
転写するために、投影光学系に対しては様々な厳しい条
件が課せられている。投影光学系が解像することが可能
なパターンサイズはNA(開口数)に反比例するため、
NAをより大きくするための設計が必要となる。更に半
導体チップの面積に対応する領域全体で高度に収差が補
正されている必要がある。
【0004】そのような設計は、高速なコンピュータと
専用の設計ソフトウェアを用いて実現される。その投影
光学系を製造する際には、投影光学系を構成する1枚1
枚のレンズを設計値通りに高精度に加工する必要がある
のは当然であるが、用いる硝材に対しても細心の注意を
払う必要がある。硝材が有する屈折率は投影光学系の結
像特性に深く関わってくるため、その均一性は非常に厳
密に管理され通常は10-6 以下のオーダーに抑えられ
ている。更には硝材の複屈折性も結像特性に大きな影響
を与えるため、その大きさは 2nm/cm 程度に抑える必要
があることが知られている。
【0005】しかしながら,最大で直径が 200mmにも達
する投影光学系用の硝材において、全面一様にそのよう
な高精度の複屈折性の制御を行うのは非常に困難であ
り、以下に述べる理由により、通常はある程度の複屈折
性が発生してしまう。
【0006】理由の第1は、硝材の製造工程に起因する
ものである。紫外領域の光に対してはレンズエレメント
用の硝材として現在のところ石英ガラスが広く用いられ
るため、ここからの説明は石英ガラスを中心に行う。硝
材として用いられる石英ガラスは、光学結晶等とは異な
りその構造に方向性がないため、理想的な状態において
は複屈折性は発生しない。
【0007】しかしながら、石英ガラスにおいては、不
純物、熱履歴などによる残存応力に起因すると考えられ
る複屈折性が実験的に観測される。リソグフィー用の高
品質な石英ガラスの製造においては、ダイレクト法(Di
rectMethod)、VAD(vapor axial deposition)法、
ゾルゲル(sol-gel)法、プラズマバーナー( plasmabur
ner)法、等が用いられるが、いずれの方法において
も、現状の技術で不純物の混入を無視できるレベルまで
抑えるのは困難である。
【0008】また、高温の状態で形成された石英ガラス
を冷却する際に、表面と中心部の冷え方が異なることに
よる発生する応力、即ち熱履歴による応力は、アニール
等の熱処理によりある程度緩和することはできるもの
の、原理的に完全にゼロとすることが難しい。
【0009】次に図24を用いて、リソグフィーの際に
投影光学系に用いられるレンズエレメントを作製する工
程について説明する。まず石英ガラスのインゴット100
が回転対称な形で形成され、それを必要な厚さで切断す
ることによって円板状の部材101 が得られる。インゴッ
ト100 の製造は常に中心軸100aに関して対称な形で
行われるため、部材101 中に残存する不純物の分布、熱
履歴による応力の分布も当然、中心軸101aに関して
対称な形で現れる。最後に部材101 に対して切削、研磨
の加工を行うことによってレンズエレメント102 が作ら
れる。
【0010】ここで、インゴット 100に不純物が混入し
た場合に現れる歪みについて説明する。図25はインゴ
ット100 の切断面を表し、周辺のハッチ部103で不純物
濃度が高くなっているとする。インゴット 100はアニー
リングの過程において加熱される。そして熱が加わった
状態では内部応力がほぼ完全にゼロとなり、その状態か
らゆっくりと冷却することにより、理想的には室温にお
いても内部応力ゼロの材料が作られる。ところが不純物
が混入すると材料の熱膨張率が変化する。不純物が混入
することにより熱膨張率が増大するとすると、当然その
部分は、冷却の過程において縮み方が大きくなる。
【0011】そのため、加熱した状態で無応力だったも
のが、温度を下げることにより周辺部がより大きく縮も
うとする。光束が透過する硝材の中央部に着目すれば、
図25中で矢印で示すような圧縮を周辺部から受けるこ
とになり、内部応力が発生してしまう。内部応力は複屈
折性が生じる原因となる。
【0012】理由の第2は、石英ガラスをステッパ中で
使用する際の経時変化に起因するものである。石英ガラ
スに、KrF、ArFレーザー等の短波長光源からの光
を照射すると、コンパクション(compaction)と呼ばれ
る現象が発生することが知られている。その発生過程の
詳細に関する説明は省略するが、観察される現象として
は、光束が透過した部分の屈折率が上昇し、体積が収縮
するというものである。
【0013】図26中で円板状の硝材110に対して、
斜線の領域111 にレーザ光を照射すると、その部分の体
積が収縮しようとする。レーザ光が照射されない周辺部
はもちろんコンパクションの影響は受けないから、全体
としては、中心付近は収縮しようとして周辺付近はその
収縮を阻止しようとする。
【0014】そのため平衡状態においては、光束が透過
する硝材の中央部に着目すれば、図27中で矢印で示す
ような引っ張りの力を周辺部から受けることになり、内
部応力が発生してしまう。内部応力は複屈折性が生じる
原因となる。上記の現象は、ステッパの投影光学系にお
いても同様に発生する。ArFレーザ光に対してコンパ
クションの発生は特に顕著になるため、今後、ArFレ
ーザ光を光源とする投影露光装置を実用化する上で大き
な問題となることが危惧されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
硝材で発生する複屈折性を完全にゼロに抑えることは現
実的に難しい。それに対して、ステッパ用の投影光学系
において複屈折に対する要求は益々厳しくなっている。
より高性能の投影光学系を実現するために、投影光学系
を構成するレンズエレメントの枚数は増える傾向にあ
り、トータルな硝材の厚さが大きくなる。そのため単位
長さ当りの複屈折量を上述の値( 2nm/cm 程度)に抑え
たとしても、全体の複屈折量は無視し得ない大きさとな
ってしまう。また、露光光源用の波長が益々短くなって
きていることも複屈折性の影響を増大させる方向に働
く。
【0016】具体的に投影露光装置に使用されているi
線光源(波長365nm)と、ArFレーザ光源(波長
193nm)で比較してみる。例えば光学系全体で 100
nmの複屈折性があった場合、波長365nmのi線に対
しては 100/365 = 0.27波長分の波面収差に相当する
が、波長193nmのArFレーザ光源に対しては 100
/193 = 0.52 波長分の波面収差に相当し、同じ大きさ
の複屈折性を仮定しても、結像特性に与える影響は波長
が短い程大きくなることが分かる。
【0017】中心対称な複屈折性を有する光学硝材につ
いては、レンズエレメント毎に異なる複屈折率量を有す
る硝材を用い、その組み合わせを最適化することによっ
て光学特性への悪影響をある程度軽減できることが特開
平8-107060号公報に記載されているが、そのような考え
方では、もはや投影光学系に対する高精度化の要求に答
えることができなくなってきている。そのため、硝材が
有する複屈折性そのものを、何らかの手段でキャンセル
することが必要になっている。
【0018】本発明は、投影光学系中に適切に設定した
複屈折性を補正する複屈折補正部材を設けることによ
り、投影光学系の有する複屈折性及び投影露光を行って
いる過程において生じる複屈折性を良好に補正し、高精
度なパターンの転写ができる投影光学系及びそれを用い
た投影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法の
提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の投影光学系は、
(1-1) 第1物体のパターンを第2物体上に投影する投影
光学系において、該投影光学系はそれに含まれる光学エ
レメントが有する複屈折性を補正する複屈折補正手段を
有していることを特徴としている。
【0020】特に、(1-1-1) 前記複屈折補正手段は所定
の構造性複屈折を有する1つ又は複数の光学部材より成
っていること。
【0021】(1-1-2) 前記1つ又は複数の光学部材はそ
れより生じる構造性複屈折の分布を加えた分布が前記投
影光学系を構成する光学エレメントから生じる複屈折性
をキャンセルするように設定されていること。
【0022】(1-1-3) 前記1つ又は複数の光学部材は使
用波長のより小さい周期から成る回折格子を利用して構
造性複屈折を発生させていること。
【0023】(1-1-4) 前記回折格子は前記投影光学系に
含まれる光学エレメントの表面に設けられていること。
【0024】(1-1-5) 前記複屈折補正手段は所定の応力
の分布を有する1つ又は複数の光学部材より成っている
こと。
【0025】(1-1-6) 前記1つ又は複数の光学部材は、
それより生じる応力の分布を加えた分布が前記投影光学
系を構成する光学エレメントから生じる複屈折性をキャ
ンセルするように設定されていること。等を特徴として
いる。
【0026】本発明の投影露光装置は、(2-1) 照明系か
らの光束で照明した第1物体面上のパターンを構成(1-
1) の投影光学系によって第2物体面上に投影露光して
いることを特徴としている。
【0027】(2-2) スリット開口の光束で第1物体面上
のパターンを照明し、第1物体面上のパターンを構成(1
-1) の投影光学系により可動ステージに載置した第2物
体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口
の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度
比で同期させてスキャンさせながら投影露光しているこ
とを特徴としている。
【0028】本発明のデバイスの製造方法は、(3-1) 構
成(2-1) 又は(2-2) の投影露光装置を用いてデバイスパ
ターンを基板上にプリントする段階を含むことを特徴と
している。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の投影光学系の要
部断面図である。本実施形態はステップアンドリピート
方式又はステップアンドスキャン方式に適用可能なもの
である。同図においてPLは投影光学系であり、高精度
に収差が補正された通常数十枚の光学エレメントによっ
て構成されるが、それを簡略化して、レンズエレメント
1〜5で代表させて示している。
【0030】ここでレンズエレメント1〜5は石英ガラ
スを切削、研磨することによって形成されている。該投
影光学系PLが実際にステッパに搭載された構成の詳細
については後で説明する。6はレチクル、7はウェハで
ある。レチクル6面上のパターンを投影光学系PLによ
ってウエハ7面上にステップアンドリピート方式又はス
テップアンドスキャン方式で縮小投影している。
【0031】図中、8は本発明に係る複屈折補正部材で
あり、その働きの詳細については後程説明する。
【0032】レンズエレメント1〜5の材料となる石英
ガラスにおいては、前述の通り、その製造工程において
中心軸に関して対称な歪みの発生を完全に抑えることは
難しい。或いは、ArFレーザー等の短波長光源と共に
用いられる際には、コンパクションによる体積収縮の影
響で歪みが発生する。そこで硝材にそのような歪みが発
生した場合の影響について説明する。まず歪みにより発
生する応力について図2を用いて説明する。
【0033】図2において10は石英ガラスのインゴット
から所定の厚さhで切り出された円板であり、レンズエ
レメントに加工される前段階の硝材を示している。11は
円板10の中心軸を表している。また12のようにx、
y、z座標軸を定める。この場合中心軸11に沿った方
向(z方向)の応力は無視できるから、図3に示すよう
にxy面内において極座標(r、θ)で表される点Pに
おける半径方向の応力σr 、円周方向の応力σθ にの
み着目する。点Pの近傍で斜線で示す微少領域13につい
て半径方向の力の釣り合いを考えると、−σr ・rdθ
+(σr +dσr )(r+dr)dθ−σθ dθ・d
r=0の関係が得られ、高次の微少量を省略してまとめ
るとσθ −σr =r(dσr /dr) ‥‥(1)
が得られる。
【0034】硝材10に残存する歪みは半径方向で変化
するため、応力σr の半径rによる微分は一般にゼロと
はならない。そのため式(1)式の右辺はr≠0(中心
軸上以外)ではゼロでない有限の値を有し、このこと
は、中心軸11上以外では半径方向rの応力σr と円周
方向の応力σθ が異なる値を有することを意味してい
る。
【0035】その際、光学的に観測される影響を図4、
図5により説明する。図4に示すように、点P(r、
θ)の位置に、波長λでy方向に直線偏光した光束が入
射するとする。ここで直線偏光の偏光方向を矢印14で表
す。この入射光が円板10を透過する際には、その半径方
向の偏光成分15と円周方向の偏光成分16で異なる屈折率
を感じることになる。その結果、円板10を透過後には図
5に示すように、2つの偏光成分間で位相差Φが発生
し、光束の偏光状態は直線偏光から楕円偏光に変換され
てしまう。ここに位相差Φは、応力σr ,σθ を用い
てΦ(r)=(2π/λ)C・h{σθ (r)−σr
(r)} ‥‥(2)と表される。
【0036】Cは光弾性定数と呼ばれ物質に固有の値で
ある。このように円板状の硝材10を光束が透過すると、
その偏光状態が変化してしまう。硝材1枚1枚における
影響はもちろん微々たるものであるが、数十枚のエレメ
ントを透過した後には投影光学系の結像特性として無視
しえない悪影響を与える。実際の投影光学系において、
それぞれのエレメントで(2)式の影響を考え、投影光
学系全体で複屈折性による位相変化の量を加え合わせる
と図6のようになることが分かっている。
【0037】ここで横軸は、レンズエレメントの半径r
の代わりに光学系の瞳座標ρで表している。瞳座標につ
いては図7を用いて説明する。図中17、18はレンズエレ
メントである。レンズエレメント17,18を通過する
光線19に着目すると、その位置を指定するためにはレン
ズエレメント17においては中心軸(光軸)20から測った
半径r1 、レンズエレメント18においては中心軸20から
測った半径r2 といったように複数のパラメータが必要
となり不便である。
【0038】そこで光学系全体の瞳位置21に着目し、そ
こを光線19が通過する高さ瞳座標ρで光線19を指定する
ことにすれば、一つのパラメータで光学系の特性が表さ
れることになる。そこでρを瞳座標として光学系を透過
する光束の位置を規定するものとして、その最大値はρ
0 であるとする。
【0039】図6に示した結果は、実際に組み立てられ
た光学系を用いて、位相変調法等の手段を用いて実験的
に計測されるものである。但し精度をある程度犠牲にす
ればシミュレーションによって計算することも可能であ
る。位相変調法に関しては、持田悦宏 著:光技術コン
タクト vol. 27. No. 3 (1989) 等に詳細な解説が記載
されている。このため、ここでの説明は省略するが、非
常に感度が高く、複屈折性による屈折率差Δnの値で1
-8の精度の測定が可能であり、また進相軸、遅相軸を
同時に決定できるという利点も有する。
【0040】進相軸、遅相軸が分かると、図6における
Φ(ρ)の符号を直接的に決定することができる。とも
かく図6の意味するところは、光学系の中心(ρ=0)
を透過する光束については複屈折性による位相変化量は
ゼロであるが、周辺部(ρ=ρ0 )を透過する光束に対
しては複屈折性による位相変化量がπ/4にも達してし
まうということである。
【0041】結像特性に与える影響について理論式を用
いた詳細な説明は割愛するが、現象としては光学系にお
いてλ/4程度の大きさを持った非点収差が現れること
になる。ステッパ用の投影光学系に許容される収差はλ
/100 のオーダーのものであり、上記のように大きな収
差は到底許容しえない。
【0042】そこで本発明では、図1において光学系中
に複屈折補正部材8を用いることによって、図6に示し
たような位相変化分をキャンセルするようにしている。
光軸対称に発生した複屈折をキャンセルするには、光軸
対称に逆符号の複屈折性を有する部材を用いればよいこ
とは明らかである。但しその複屈折量の大きさは、投影
光学系PL全体で生じた複屈折量と同程度のものでなけ
ればならない。
【0043】ここで複屈折補正部材8の具体的な構成に
ついて説明する。この複屈折補正部材の材質としては、
露光光に対して透明で、かつ十分な耐久性を持っていな
ければならないという要請から、レンズエレメント1〜
5に用いられる光学ガラスと同等のものである必要があ
る。そのような光学ガラスに対して所定の分布を有する
複屈折性を発生させるために、ここでは構造性複屈折
(form birefringence)という現象を利用する。
【0044】そこでまず構造性複屈折について図8を用
いて説明する。図中、25は光学ガラスの表面に形成され
た位相型の回折格子を表している。回折格子25は右側
に示す拡大図にも示す通り、周期:b、深さ:dであ
り、微細格子を形成する光学ガラスの部分の幅がaであ
る。ここで今後の議論に用いるため、デューティー比t
をt=a/bで定義しておく。26はこのような回折格
子25に対して入射する入射光束(波長:λ)を表し、
27は回折格子から射出する射出光束を表す。
【0045】また28は入射光束26に関して、回折格子
25の溝と平行な方向の偏光成分29は、回折格子25
の溝と垂直な方向の偏光成分を表す。同様に30は射出
光27に関して、回折格子25の溝と平行な方向の偏光成
分を表し、31は回折格子25の溝と垂直な方向の偏光
成分を表す。
【0046】ここで回折格子25の周期bとしては、射
出光27として0次以外の回折光が発生しないようにす
るため、“bはλ以下である”ことが要請される。
【0047】図8では、入射光26においては偏光成分
28、29の間で位相差が存在しなかったものが、回折格子
25を透過することで、偏光成分30と31の間に位相差Ψが
発生していることを表している。そのため、入射光26
が直線偏光であるとすると、射出光27は楕円偏光に変
換されてしまうことが理解できる。このような現象は構
造複屈折(form birefringence)と呼ばれており、光学
の分野では古くから知られている。
【0048】例えば、「M. Born and E. Wolf : Princi
ples of Optics, 1st ed. (Pergamon Press, New Yor
k, 1959) pp.705-708」、「青山 他:“微細回折格子を
用いた複屈折素子とその応用”、光学 Vol.21, No.5, p
p.269-274 (1992)」 等には詳しい解説が記載されてい
る。以下、それらの内容を要約して説明を行う。
【0049】まず図8に示すような微細な回折格子25
においては、入射光束26の偏光方向によって異なる屈
折率を示す。入射光26の偏光が回折格子25の溝に平
行である場合の屈折率nII、入射光26の偏光が回折格
子25の溝に垂直n はそれぞれ次のように表され
る。
【0050】
【数1】 ここでtは上で定義したデューティー比であり、n1
回折格子25を構成する部材の屈折率、n2 は光束が入射
する側の媒質の屈折率である。n1 =1.6,n2
1.0として、nII及びn のtに対する依存性を計
算した結果を図9に示す。また、回折格子25の溝の深
さをdとした際に、回折格子25の溝に平行な偏光成分
と回折格子の溝に垂直な偏光成分間に現れる位相差Ψは
【0051】
【数2】 によって与えられる。
【0052】式(3)〜(5)から、デューティー比t
および溝の深さdを適当に選択することで、位相差Ψを
任意の値に設定可能なことが分かる。
【0053】次に、複屈折補正部材8を図7の投影光学
系PLの瞳位置21に挿入するとして、その具体的な構成
の説明を行う。説明には図10を用いる。
【0054】図10は、図1に示した投影光学系におい
て、瞳半径ρで指定される光束がレンズエレメント1〜
5及び複屈折補正部材8を透過する際の、半径方向の偏
光成分、円周方向の偏光成分間の位相差の関係を説明す
るためのものである。硝材において光軸に関して対称な
複屈折性を仮定すると、入射光の半径方向の偏光成分と
円周方向の偏光成分の間に位相差が発生してしまうこと
は図4及び図5を用いて説明した通りである。
【0055】図10において41〜44は半径方向の偏光成
分であり、45〜48は円周方向の偏光成分を表す。両者間
の位相差は、光束40がレンズエレメント1に入射する
前は当然ゼロである。
【0056】ここでの際、投影光学系全体としては、各
レンズエレメント1〜5に発生した複屈折性によって、
瞳半径座標ρの関数として図6に示す位相差Φ( ρ) が
生じているとする。更にΦ(ρ)をΦ(ρ)=Φ1
(ρ)+Φ2 (ρ)に従って分解し、位相差Φ1 (ρ)
をレンズエレメント1〜3によって発生する位相差、位
相差Φ2 (ρ)をレンズエレメント4〜5によって発生
する位相差とする。
【0057】また複屈折補正部材8においては、瞳座標
ρの関数として半径方向と円周方向の偏光成分間の位相
差Ψ( ρ) が生じると仮定する。そうすると、複屈折補
正部材8に入射する直前の光束には、半径方向と円周方
向の偏光成分の間の位相差はΦ1 (ρ)で与えられ、複
屈折補正部材8を透過した直後の位相差はΦ1 (ρ)+
Ψ(ρ)、更にレンズエレメント4〜5を透過した後の
位相差はΦ1 (ρ)+Φ2 (ρ)+Ψ(ρ)=Φ(ρ)
+Ψ(ρ) ‥‥(6)によって与えられる。
【0058】本発明の本質は、式(6)をゼロとするよ
うな位相差関数Ψ(ρ)を与えることが可能な複屈折性
を有する部材を光路中に挿入することである。
【0059】図6と合わせて考えると、式(6)をゼロ
とする位相差関数Ψ(ρ)は図11に示すものとなるこ
とは明らかである。即ち、位相差Φ(ρ)とは符号が逆
で絶対値が等しいものである。
【0060】前に説明したように、構造性複屈折を示す
微細な回折格子25を用いてそのデューティー比tおよ
び溝の深さdを適当に選択することで、回折格子の溝に
平行な方向の偏光成分と回折格子の溝に垂直な方向な偏
光成分の間の位相差を任意の値に設定することができ
る。
【0061】そこで、複屈折補正部材8においては、そ
の表面に、光軸に関して対称となるように微細な回折格
子を形成する。その場合、図12に示すように回折格子
25を光軸に関して同心円状に配置する構成と、図13
に示すように回折格子25を光軸に関して放射状に配置
する構成が可能である。
【0062】構造性複屈折を生じされるために必要な微
細回折格子の周期には、前にも述べた通り波長λ以下で
あるという条件のみが必要であるが、あまり小さい周期
では製造が困難になる。そこで回折格子の周期としては
λ/3〜λの範囲に収まっていることが望ましい。そ
のため回折格子を光軸に関して放射状に配置する構成で
は、図13に示すように半径方向を複数の領域に分割
し、それぞれの領域内部での周期が上記の範囲に収まる
ようにしている。
【0063】図12と図13に示した構造による機能の
違いは以下のように説明される。図12において点Pに
入射する光束について、半径方向の偏光成分50と円周方
向の偏光成分51の間では、部材8を透過することによ
り、半径方向の偏光成分50の位相に対して円周方向の偏
光成分51の位相を相対的に遅らせることができる。一方
図13の構造において同様に考えると、半径方向の偏光
成分52の位相に対して円周方向の偏光成分53の位相を相
対的に進ませることができる。即ち、投影光学系で発生
する複屈折性の符号に応じて両者を使い分けることがで
きる。ここで図11に示した位相差Ψ( ρ) を発生させ
るには図13の構造を適用すればよい。
【0064】ところで位相の補正量は、当然、半径方向
で変化させる必要がある。そのためには、微細回折格子
のデューティー比、或いは溝の深さを半径方向で変化さ
せればよい。但しデューティー比を連続的に変化させる
ことは製造上非常に困難なので、ここでは溝の深さを変
化させる構成を図14を用いて説明する。位相補正量は
図11からも明らかなように光学系の光軸上ではゼロで
ある。そのため図14に示すように、微細回折格子の溝
の深さとしては中心軸近傍ではゼロ、そして周辺にいく
に従って深くなる構造とすればよい。
【0065】複屈折補正部材8が挿入される位置として
は、投影光学系の瞳位置近傍であることが望ましいが、
必ずしもそこに限られるものではない。また複屈折補正
部材として、本実施例では平行平板のものを用いて説明
を行ったが、その形状は平行平板に限られるものではな
く、通常のレンズエレメントのように凸面、または凹面
の形状を有していても構わない。
【0066】図15(A)は、凸面上に、中心軸に関し
て同心円状に微細回折格子を構成した例であり、図15
(B)は、凸面上に、中心軸に関して放射状に微細回折
格子を構成した例である。更に本実施形態では、複屈折
補正部材が1枚の光学素子で構成される場合について説
明を行ったが、複数の部材で複屈折性の補正量を分担す
るようにしてもよい。
【0067】その際には、投影光学系に発生する、より
大きな複屈折性、あるいは、より複雑な分布を有する複
屈折性の補正を行うことが可能となる。
【0068】図16は本発明の投影光学系をステッパに
搭載した実施形態2の要部概略図である。同図において
60は回路パターンの描かれたレチクルであり、61は本発
明に係る投影光学系、62は該回路パターンが転写される
ウェハである。照明系67からの照明光束63はレチクル
60上の照明領域64を照明し、その領域64に描かれてい
る回路パターンが、投影光学系61を介して、ウェハ62上
の露光領域65に縮小転写される。ステッパにおいては、
レチクル60上のパターンがウェハ62上に一括して縮
小転写された後は、ウェハ62は所定の量だけステップ
して再び露光を行うということを繰り返す。
【0069】図中66は複屈折補正部材であり、投影光学
系61が有する複屈折量に応じてその補正量を調整できる
ように、複屈折補正部材66自体が取り外し、交換可能
になっていることが特徴である。
【0070】図17は本発明の投影光学系をステップ&
スキャン型の露光装置に搭載した実施形態3の要部概略
図である。同図において70は回路パターンの描かれたレ
チクルであり、71は投影光学系、72が該回路パターンが
転写されるウェハである。照明系67からの照明光束73
はレチクル70上の照明領域74を照明し、その領域74に
描かれている回路パターンが、投影光学系71を介して、
ウェハ72上の露光領域75に縮小転写される。ステップ&
スキャン型の露光装置は以下の点で従来のステッパとは
異なる。
【0071】ステッパにおいては、レチクル70上のパ
ターンをウェハ72上に一括して縮小転写していたが、
ステップ&スキャン型の露光装置ではスリット形状の照
明領域74で回路パターンを照明し、レチクル70、ウェ
ハ72を同期をとってスキャンすることによりレチクル70
上の回路パターン全体を縮小転写するようにしている。
【0072】座標系を76で表すと、レチクル70のスキ
ャン方向77はx軸負の方向、ウェハ72のスキャン方向
78はx軸正の方向となる。図中79は複屈折補正部材であ
り、ステッパの場合と同様に取り外し、交換可能になっ
ていることが特徴である。
【0073】ステップ&スキャン型の露光装置において
は、その照明領域74がスリット形状であるため、例え
ばArFレーザ光で照明を行った場合のコンパクション
の影響が光軸に関して対称に現れなくなる。
【0074】次に図18を用いて、投影光学系71中のレ
ンズエレメントにおける光の透過領域を説明する。図
中、80は代表的なレンズエレメントであり、xy面内で
表している(81は座標軸である)。
【0075】ここで図17に示す照明領域74の形状に対
応して、レンズエレメント80においても、光束の透過す
る領域は斜線82で示すようにy軸方向に長く延びた形状
となる。そのためコンパクションによる歪みもその形状
に対応して発生する。その結果として発生する光学系の
複屈折性も、当然、光軸に関して非対称となる。
【0076】図6果用いたのと同様の瞳座標を用いて表
すと、複屈折による位相変化量は図19に示すようにな
る。即ち、x軸方向とy軸方向で異なった分布を有す
る。このような複屈折量の分布を補正するためには、図
14で説明した溝の深さの分布をx軸方向とy軸方向で
異ならせることにより対応することが可能である。
【0077】次に本発明に係る複屈折部材の実施形態2
について説明する。図1〜図8の実施形態1では複屈折
補正部材8の具体的な構成として、複屈折補正部材の材
質が、露光光に対して透明で、かつ十分な耐久性を持っ
ていなければならないという要請から、レンズエレメン
ト1〜5に用いられる光学ガラスと同等のものを用い、
複屈折性を発生させる為に構造性複屈折という現象を利
用した場合を示した。
【0078】これに対して本実施形態では実施形態1に
比べて光学ガラスの製造時に歪みが残留し、その影響で
複屈折性が現れることはこれまで説明してきた通りであ
るが、ここでは、光学ガラスに対して積極的に歪みを与
え、所望の複屈折性を発生させている。この点が実施形
態1と異なっているだけであり、その他の構成及びその
利用形態は基本的に同じである。
【0079】光学ガラスに歪みを残留させるためには、
アニーリングの過程で温度の制御を精密に行うことで実
現される。通常アニーリングと言えば光学ガラスに残留
した歪みを取り除くために行われるものであるが、本発
明に係る複屈折補正部材の生成においては、逆に残留歪
みを発生させるためにアニーリングの過程を用いる。
【0080】アニーリングの過程について図20を用い
て説明する。図中130が複屈折補正部材8の元となる
光学部材である。光学部材130は円板状の形状を有し
ており中心軸131からの距離rで部材上の位置が指定
される。
【0081】図20(A)はアニーリング過程における
加熱前の状態であり、図20(B)は光学部材130全
体に一様に熱が加えられた状態を表す。この状態では光
学部材130の内部にはほとんど応力分布は存在してい
ないが、次の図20(C)及び図20(D)に示す冷却
の過程で大きな応力分布を発生させることができる。図
20(C)においては中心付近に気体を吹き付けて急冷
することにより、光学部材130が室温に戻った後、内
部には大きな残留応力が発生している。その応力分布を
図20(E)に示す。
【0082】半径方向rの応力σr と円周方向の応力σ
θ をそれぞれ半径rの関数として示すが、中心ではそ
れらが一致し、半径rが大きくなるに従って両者の差が
大きくなることが分かる。このような応力差の存在する
物体を光路中に挿入すると、式(2)から計算される位
相差が発生する。
【0083】ここで光学部材に発生させる応力分布は、
図6に示す投影光学系全体が有する複屈折性による位相
差を打ち消す値となるように調整される。そのために
は、吹き付ける気体の温度、吹き付ける位置、気体吹き
付け後の温度管理を厳密に行う必要があるが、それらに
対しては実験を繰り返すことにより最適な条件が見い出
される。一例として、図20(D)のように気体を周辺
部に吹き付けて急冷することにより図20(F)に示す
ような応力分布が得られる。
【0084】複屈折補正部材8に残留応力を発生させる
方法として、アニーリング過程の温度分布を制御する代
わりに、光学部材130中での不純物濃度を半径方向で
変化させても同様の効果を実現することが可能である。
更には、円板状の硝材、あるいはレンズエレメントに対
して、外部から力学的な圧力を加えることによって所望
の内部応力分布を持たせることももちろん可能である。
【0085】図17に示すステップアンドスキャン型の
露光装置では投影光学系で光軸に対する非対称の複屈折
生が発生する。このような露光装置に本実施形態の複屈
折補正板を用いて非対称の複屈折生を補正する方法を図
21を用いて説明する。
【0086】ここでは図20で説明したものと同様に、
アニーリング時の温度分布を制御することによって補正
部材の複屈折性の調整を行う。図21において163
は、アニーリング過程において全体に一様に熱が加えら
れた状態を表し、164はx方向とy方向で異なる温度
分布を持たせて冷却させた後の状態を表す。この状態に
おいて部材中の残留歪みはx方向とy方向で異なる分布
を有しており、このような部材を投影光学系中に挿入す
ることにより、光学系の光軸に関して非対称に発生した
複屈折性の影響を補正している。
【0087】次に上記説明した投影露光装置を利用した
半導体デバイスの製造方法の実施形態を説明する。
【0088】図22は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造
のフローを示す。
【0089】ステップ1(回路設計)では半導体デバイ
スの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
【0090】一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4
(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマ
スクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ
上に実際の回路を形成する。
【0091】次のステップ5(組立)は後工程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。
【0092】ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0093】図23は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。
【0094】ステップ13(電極形成)ではウエハ上に
電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打
込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0095】ステップ17(現像)では露光したウエハ
を現像する。ステップ18(エッチング)では現像した
レジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジス
ト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジスト
を取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことに
よってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0096】本実施形態の製造方法を用いれば、従来は
製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製
造することができる。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、投影光学
系中に適切に設定した複屈折性を補正する複屈折補正部
材を設けることにより、投影光学系の有する複屈折性及
び投影露光を行っている過程において生じる複屈折性を
良好に補正し、高精度なパターンの転写ができる投影光
学系及びそれを用いた投影露光装置及びそれを用いたデ
バイスの製造方法を達成することができる。
【0098】特に本発明によれば、投影光学系を構成す
る硝材に複屈折性が生じている場合でも、その影響を補
正して高精度なパターンの転写を行うことが可能とな
る。また、硝材がArFレーザ光等を吸収することによ
って発生するコンパクションによる歪みの影響も補正す
ることが可能となる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の投影光学系の断面を表す
概略図
【図2】光学エレメントの残留歪みの影響を説明するた
めの図
【図3】光学エレメントの残留歪みの影響を説明するた
めの図
【図4】光学エレメントの複屈折性の影響を説明するた
めの図
【図5】光学エレメントの複屈折性の影響を説明するた
めの図
【図6】本発明に係る硝材の複屈折性により発生する位
相差を説明するための図
【図7】光学系の瞳座標を説明するための図
【図8】本発明に係る複屈折補正手段の実施形態1の構
造性複屈折を説明するための図
【図9】偏光の向きによる屈折率の違いを説明するため
の図
【図10】本発明に係る複屈折による位相変化を説明す
るための図
【図11】複屈折補正部材で発生させる位相変化量の分
【図12】本発明に係る構造性複屈折を利用した複屈折
補正部材の説明図
【図13】本発明に係る構造性複屈折を利用した複屈折
補正部材の説明図
【図14】本発明に係る微細回折格子の深さ分布を説明
するための図
【図15】本発明に係る凸面上に形成した微細回折格子
【図16】本発明の実施形態2のステッパの要部概略図
【図17】本発明の実施形態3のステップ&スキャン型
の投影露光装置の要部概略図
【図18】本発明の実施形態3のステップ&スキャン型
の投影露光装置で発生する非対称歪み分布を説明するた
めの図
【図19】本発明の実施形態3のステップ&スキャン型
の露光装置で発生する非対称歪み分布を説明するための
【図20】本発明に係る複屈折補正手段の実施形態2の
要部概略図
【図21】本発明に係る複屈折補正手段の実施形態2の
説明図
【図22】本発明のデバイスの製造方法のフローチャー
【図23】本発明のデバイスの製造方法のフローチャー
【図24】レンズエレメントの製造工程を説明するため
の図
【図25】不純物の影響で発生する内部歪みについて説
明するための図
【図26】コンパクションの発生を説明するための図
【図27】コンパクションの影響で発生する内部歪みに
ついて説明するための図
【符号の説明】
1〜5 光学エレメント 6 第1物体(レチクル) 7 第2物体(ウエハ) 8,164 複屈折補正手段 10 石英ガラス 11 中心軸 25 回折格子 130 光学部材 PL 投影光学系
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 521

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1物体のパターンを第2物体上に投影
    する投影光学系において、該投影光学系はそれに含まれ
    る光学エレメントが有する複屈折性を補正する複屈折補
    正手段を有していることを特徴とする投影光学系。
  2. 【請求項2】 前記複屈折補正手段は所定の構造性複屈
    折を有する1つ又は複数の光学部材より成っていること
    を特徴とする請求項1の投影光学系。
  3. 【請求項3】 前記1つ又は複数の光学部材はそれより
    生じる構造性複屈折の分布を加えた分布が前記投影光学
    系を構成する光学エレメントから生じる複屈折性をキャ
    ンセルするように設定されていることを特徴とする請求
    項2の投影光学系。
  4. 【請求項4】 前記1つ又は複数の光学部材は使用波長
    より小さい周期から成る回折格子を利用して構造性複屈
    折を発生させていることを特徴とする請求項2又は3の
    投影光学系。
  5. 【請求項5】 前記回折格子は前記投影光学系に含まれ
    る光学エレメントの表面に設けられていることを特徴と
    する請求項4の投影光学系。
  6. 【請求項6】 前記複屈折補正手段は所定の応力の分布
    を有する1つ又は複数の光学部材より成っていることを
    特徴とする請求項1の投影光学系。
  7. 【請求項7】 前記1つ又は複数の光学部材は、それよ
    り生じる応力の分布を加えた分布が前記投影光学系を構
    成する光学エレメントから生じる複屈折性をキャンセル
    するように設定されていることを特徴とする請求項6の
    投影光学系。
  8. 【請求項8】 照明系からの光束で照明した第1物体面
    上のパターンを請求項1から7のいずれか1項記載の投
    影光学系によって第2物体面上に投影露光していること
    を特徴とする投影露光装置。
  9. 【請求項9】 スリット開口の光束で第1物体面上のパ
    ターンを照明し、第1物体面上のパターンを請求項1か
    ら7のいずれか1項記載の投影光学系により可動ステー
    ジに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステー
    ジを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍
    率に対応させた速度比で同期させてスキャンさせながら
    投影露光していることを特徴とする投影露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2記載の投影露光装置を
    用いてデバイスパターンを基板上にプリントする段階を
    含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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