JP2005258171A - 偏光分離素子及びその製造方法 - Google Patents

偏光分離素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コスト高となることがなく、容易に製造でき、かつ1枚で複数方向に光を分離できる偏光分離素子の提供。
【解決手段】 周期的な屈折率分布が複数の方向にそれぞれ形成された感光性材料からなる基体を有し、該基体には少なくとも一対の面が設けられ、上記一対の面のうち一方の面内が光の入射位置とされ、他方の面内が光の出射位置とされた構造複屈折体30からなる偏光分離素子21。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光束を偏波方向が互いに直交する2つの光速に分離もしくは合成する偏光分離素子及びその製造方法に係わり、特に、映像光学系においてモアレ縞を消すための光学的ローパスフィルタなどに用いられる偏光分離素子及びその製造方法に関する。
CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のように受光部が周期的に並んだ構造を有する映像光学系においては、モアレと呼ばれる画像劣化現象が引き起こされることがあるため、それを防止するために光束を偏波方向が互いに直交する2つの光束に分離もしくは合成する偏光分離素子が設けられている。
従来の偏光分離素子としてよく用いられるものとしては、水晶等の結晶がある。この場合、入射光に対して結晶軸を傾斜させることにより光を分離することが可能となり、結晶の材質自体の持つ複屈折性に依存する。これは材料の複屈折性を利用した偏光分離素子である。
また、光の波長よりも小さな粒子を規則的に配列させることにより複屈折性を持たせることも可能で、これは構造性複屈折と呼ばれる(例えば、特許文献1参照)。例えば、図11に示すように異なる屈折率の誘電体薄膜101、102を交互に積層させることで、構造性複屈折板100としていた。この構造性複屈折板100では、誘電体薄膜101、102を交互に積層した積層体における積層面の斜め断面100a内に入射した光束Rは、互いに偏波が直交する常光Eと、異常光Ee1に分離する。常光Eは入射方向と同一方向に、また、異常光Ee1は入射光束Rの方向と積層面100cのなす角度及び形状複屈折の値で決まる角度の方向に屈折し、両光は分離するため、偏光分離素子としての機能をもつようになる。
特公平7−66084号公報
しかしながら材料の複屈折性を利用した偏光分離素子としては水晶が用いられるのが一般的であるが、水晶は高価であり、切断や研磨などの加工が難しいという問題があった。
また、スパッタ装置等により誘電体薄膜を多層積層して作製する構造性複屈折体については、積層した薄膜を斜めに切断して利用することになるが、利用する面積に相当する膜厚が必要となるため(例えば、数mm角の構造性複屈折体を作製する場合、数十nm程度の誘電体薄膜を1000層以上積層する必要がある)、応力による剥離等の問題で製造が難しく、また、製造時間が非常にかかるという問題があった。
また、いずれの場合においても、複数の方向に光を分離させるためには、図11に示すように複数の構造性複屈折板を重ねる必要があり、素子の厚さが厚くなってしまうという問題があった。なお、図中、符号200は、異なる屈折率の誘電体薄膜201、202を交互に積層した他の構造性複屈折板である。構造性複屈折板100から出射された常光Eは、構造性複屈折板200の積層体における積層面の斜め断面内に入射し、互いに偏波が直交する常光Eと、異常光Ee2に分離する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、コスト高となることがなく、容易に製造でき、かつ1枚で複数方向に光を分離できる偏光分離素子及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明の偏光分離素子は、周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体を有し、該基体には少なくとも一対の面が設けられ、前記一対の面のうち一方の面内が光の入射位置とされ、他方の面内が光の出射位置とされた構造複屈折体からなること特徴とする。
本発明の偏光分離素子では、感光性材料からなる基体の中に光の波長以下の周期の屈折率分布を持たせているので、この周期的構造に斜めに光を入射させると、光学的な複屈折性が発生し、入射光を偏光分離することが可能となる。
また、本発明の偏光分離素子は、2光束干渉露光法により感光性材料に周期的な屈折率分布を形成するという簡単な方法により製造できるため、コスト高となることがない。
また、本発明の偏光分離素子においては、上記の周期的な屈折率分布(周期的構造)の方向が前記基体面の法線に対して斜めとなるように構成されていることが好ましい。
このように上記基体面の法線に対して斜めとなるように周期的構造を形成しておくことで、光の入射方向を基体面に対して垂直付近に取ることができ、セットアップが容易となる。
さらに、本発明の偏光分離素子においては、上記感光性材料からなる基体には、周期的な屈折率分布が複数の方向にそれぞれ形成されていることが好ましい。
CCDカメラ等のように受光部が周期的に並んだ構造を有する映像光学系においてモアレ縞を消すための光学的ローパスフィルタなどに用いられる偏光分離素子は、入射光を複数の方向に偏光分離させる必要がある。しかし、従来の構造性複屈折板は、1方向にしか分離できないため、向きを変えて複数枚張り合わせないと光を複数方向に分離することはできないが、本発明の偏光分離素子では同じ基体中に複数方向の屈折率分布を形成してなる構造複屈折体を用いるので、複数の構造性複屈折板は必要なくなり、1枚の構造複屈折体で期待した効果が得られるようになる。また、本発明に係わる構造複屈折体は、2光束干渉露光法により感光性材料に周期的な屈折率分布を形成後、上記材料を回転させる等により光の入射方向を変えて多重露光するか、あるいは感光性材料に複数方向の光を一括入射し露光するという簡単な方法により製造できるため、コスト高となることがなく、容易に製造できる。
また、本発明の偏光分離素子においては、上記複数の方向の周期的な屈折率分布の方向は、基体面の法線に対してそれぞれ角度が異なるものであってもよい。
かかる偏光分離素子では、基体面に対して複数の角度を成す周期構造が形成されていることとなり、角度が変わることにより複屈折性も変化するので、偏光分離角度を異ならせることができ、モアレ縞を効果的にぼかすことが可能となる。
また、本発明の偏光分離素子においては、上記複数の方向の周期的な屈折率分布は、それぞれ周期的な屈折率の分布の間隔が異なるものであってもよい。
かかる偏光分離素子では、一方の周期的な屈折率分布の間隔(周期的構造の間隔)と、他方の周期的な屈折率の分布の間隔(周期的構造の間隔)が異なるので、複数の偏光分離角を持たせることができるようになる。これによって光のぼかし具合をコントロールすることができるので、モアレ縞を消しつつ画像に不自然さが出ないような制御が行いやすくなる。
また、本発明の偏光分離素子においては、反射防止膜が備えられていてもよい。 かかる偏光分離素子では、上記構造複屈折体の少なくとも一面に表面反射のない膜(反射防止膜)を形成することで、偏光分離素子としての性能が上がり、かつ作製時のばらつきを抑えることができる。上記反射防止膜は上記構造複屈折体の両面に形成されていてもよい。
また、本発明の偏光分離素子においては、可視光を透過するバンドパスフィルタ層が備えられていてもよい。
本発明の偏光分離素子の製造方法は、光の照射により屈折率が変化する感光性材料に2光束を入射し前記材料中で干渉縞を発生させ、該干渉縞と前記材料を反応させることで、干渉縞に対応した周期的な屈折率分布を有する感光性材料からなる基体を作製する工程を備えることを特徴とする。
このような方法により、周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体から構成された構造複屈折体を容易に作製することができる。作製した周期的構造に対して斜めに光を入射することで偏光分離することができる。
また、本発明の偏光分離素子の製造方法においては、前記周期的な屈折率分布の方向と傾斜した法線を有し、かつそれぞれ光の入射位置及び出射位置となる面を少なくとも一対形成することが好ましい。
さらに、本発明の偏光分離素子の製造方法においては、上記感光性材料に2光束を入射し、周期的な屈折率分布を形成する工程後、光の入射方向を変えて再度2光束を入射する工程を1回以上行うことで多重露光し、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体を作製することを特徴とする。
上記のような感光性材料を露光して屈折率分布を形成するという方法においては、複数回露光することで同じ基体中に複数方向の屈折率分布を作製することが可能である。
また、上記感光性材料からなる基体を回転させて複数回露光するという非常に簡単な方法により製造できるため、製造コスト高となることもない。
また、本発明の偏光分離素子の製造方法は、光の照射により屈折率が変化する感光性材料に複数方向の光を一括入射し露光することで、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体を作製することを特徴する。
先に述べた本発明の偏光分離素子の製造方法では、感光性材料を複数回露光していたが、光束の数を増やし、かつ、これら光束の方向を複数方向とすることで一括で複数方向の屈折率分布を形成することができるので、製造工程を短縮することが可能である。
また、本発明の偏光分離素子の製造方法は、前記感光性材料に入射させる複数方向の光は各方向において入射角度を変更することにより、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成されるとともに複数の方向の周期的な屈折率分布の方向がそれぞれ基体面の法線に対してそれぞれ角度が異なる感光性材料からなる基体を作製することを特徴とする。
かかる製造方法では、上記感光性材料に入射角度が異なる複数方向の光を入射し、露光することで、基体面の法線に対して複数の角度を成す周期構造が形成された感光性材料からなる基体を製造できる。
また、本発明の偏光分離素子の製造方法は、前記感光性材料に入射させる複数方向の光は各方向において波長を変更することにより、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成されるとともに複数の方向の周期的な屈折率分布は周期的な屈折率の間隔が異なる感光性材料からなる基体を作製することを特徴とする。
かかる製造方法では、上記感光性材料に波長が異なる複数方向の光を入射させることで、上記材料中で発生する干渉縞の間隔をコントロールし、基体に形成される複数の方向の周期的な屈折率分布は周期的な屈折率の間隔が異なるものとなり、複数の偏光分離角を持たせることができ、偏光分離素子の波長依存性を調整できる。
本発明によれば、コスト高となることがなく、容易に製造でき、かつ1枚で複数方向に光を分離できる偏光分離素子を提供できる。
次に図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではないことは勿論であるとともに、以下の図面においては各構成部分の縮尺について図面に表記することが容易となるように構成部分毎に縮尺を変えて記載している。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の偏光分離素子の構造を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1の偏光分離素子の断面図である。
本実施形態の偏光分離素子1は、全体として板状に形成されたものであり、周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体からなる構造複屈折体10から構成されている。
構造複屈折体10の厚さtは、数十μm〜数百μm程度とされる。
上記感光性材料からなる基体には、低屈折率の第1の領域11と、この第1の領域11より屈折率が高い第2の領域12とが交互に形成されていることで、周期的な屈折率分布が形成されている。
上記感光性材料からなる基体には、少なくとも一対の面が設けられており、この一対の面のうち一方の面内が光の入射位置とされ、他方の面内が光の出射位置とされている。
また、上記感光性材料からなる基体には、上記の周期的な屈折率分布(周期的構造)の方向が上記基体面の法線に対して斜めとなるように形成されている。詳しくは、一方の面(入射面)10aは第1の領域11と第2の領域12との界面(該界面に平行な方向を仮想線10cにて示している。)に対して所定の角度だけ傾斜しており、他方の面(出射面)10bは第1の領域11と第2の領域12との界面に対して所定の角度だけ傾斜している。
第1の領域11の屈折率をn、幅をd、第2の領域12の屈折率をn、幅をdとした場合、n<n、n≠nであることを必須とするが、dとdは、d=dであってもd≠dであってもよい。
本実施形態の偏光分離素子1は、図1と図2に示すY方向については構造的に一様であり、第1の領域11と第2の領域12との界面(該界面に平行な方向を仮想線10cにて示している。)は、入射光Rの入射方向であるZ方向に対して所定の角度だけ傾斜させている。言い換えれば、上記界面は、X方向に平行な入射側の斜め断面10a及びこれに平行な出射側の斜め断面10bと各々所定の交差角θを有するようにしている。
この偏光分離素子1を製造するには、例えば、図3又は図4に示すように光の照射により屈折率が変化する感光性材料10Aに2光束L、Lを入射し上記材料中で干渉縞20を発生させ、該干渉縞20と上記材料を反応させることで、干渉縞20に対応した周期的な屈折率分布を有する感光性材料からなる基体から構成された構造複屈折体が得られる。詳しくは、干渉縞20に対応する部分には、屈折率が小さい第1の領域11が形成され、干渉縞20以外の部分には第2の領域12が形成される。
なお、図3では、感光性材料10A の一方の側から方向が異なる2光束L、L を出射し、これら2光束L、Lが感光性材料10A中で交差するように照射している。図4では、感光性材料10A の一方の側から光束Lを出射し、他方の側から光束Lとは方向が異なる光束Lを出射し、これら2光束L、Lが感光性材料10A中で交差するように照射している。
上記感光性材料としては、光重合型のものと架橋型のものがある。光重合型においてはほとんどの材料がバインダーと1種類以上のモノマーとの組み合せからなるが、他に増感剤や光開始剤、その他の添加剤を混ぜているものもある。それらの組成、比率は用途などによって適宜決定される。本実施形態で用いる感光性材料は光重合型の材料でバインダーポリマー、モノマー、開始剤、増感剤等を混合したものであり、青色光から赤色光に対して幅広い感度を有するものである。また、本実施形態で用いる感光性材料としては光の照射により屈折率が変化するフォトポリマー材料を用いてもよい。
本実施形態の偏光分離素子1は上記のような構成とされているので、図1と図2に示すように同図の左方から所定の方向、言い換えれば、Z方向にそって光Rが入射すると、光学的な複屈折性が発生し、入射光RはY方向に偏波した常光EとX方向に偏波した異常光E とに所定の偏光分離角φで分離される。なお、図2中、符号θは、入射光Rの方向と、第1の領域11と第2の領域12との界面とのなす角度である。
本実施形態の偏光分離素子1は、2光束干渉露光法により感光性材料に光の波長以下の周期の屈折率分布を形成するという簡単な方法により製造できるため、コスト高となることがない。
なお、本実施形態の構成では、第1と第2の領域11、12の屈折率の差分が大きくなると、形状複屈折性が大きくなる、上記分離角φはより大きなものとなる。
なお、上記構造複屈折体10の少なくとも一面に誘電体多層膜等からなる反射防止膜が形成されていてもよい。例えば、このような反射防止膜が構造複屈折体10の入射面10aに形成されていると、この入射面10aを透過する光の強度のロスを抑えることができ、偏光分離素子としての性能が向上できる。また、入射面10aとともに出射面10bにも反射防止膜を形成することにより、構造複屈折体10内での多重反射が抑えられて不必要な干渉光を生じさせることがなくなり偏光分離素子としての性能がさらに向上できるだけでなく、構造複屈折体10の作製時に感光性材料への多重反射による余分な干渉パターンを記録してしまうことがなくなり、偏光分離素子の性能劣化や精度のばらつき等を抑えることができる。
また、構造複屈折体10が感光性材料からなる基体の少なくとも一面に接してこの感光性材料からなる基体の支持するガラス製等の支持基板を有する場合には、この支持基板面に反射防止膜を形成するようにしてもよく、この場合も上記と同様の効果が得られるものである。
また、上記構造複屈折体10の少なくとも一面に可視光を透過するバンドパスフィルタ層が形成されていてもよく、これにより、例えばこの構造複屈折体10をCCDカメラの受光部に配置して用いるような場合に、可視画像以外の不要な帯域の光をカットできるので、このCCDカメラの画質を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態の偏光分離素子の構造を模式的に示す斜視図であり、図6は、図5の偏光分離素子の断面図である。
第2の実施形態の偏光分離素子21が、第1の実施形態の偏光分離素子1と異なるところは、感光性材料からなる基体から構成された構造複屈折体30に、周期的な屈折率分布が複数の方向(図面では2方向)にそれぞれ形成されている点である。
上記感光性材料からなる基体には、第1の実施形態と同様に一方の方向に低屈折率の第1の領域11と、高屈折率の第2の領域12とが交互に形成され、さらに他方の方向に低屈折率の第3の領域31と、この第3の領域より屈折率が高い第4の領域32とが交互に形成されている。
また、上記感光性材料からなる基体の他方の方向の周期的な屈折率分布(周期的構造)が上記基体面の法線に対して斜めに形成されている。詳しくは、感光性材料からなる基体の一方の面(入射面)10aは第3の領域31と第4の領域32との界面に対して所定の角度だけ傾斜しており、他方の面(出射面)10bは第3の領域31と第4の領域32との界面に対して所定の角度だけ傾斜している。
第3の領域31の屈折率をn、幅をd、第4の領域32の屈折率をn、幅をdとした場合、n<n、n≠nであることを必須とするが、dとdは、d=dであってもd≠dであってもよい。
第1の領域11及び第3の領域31の屈折率n、nと、それらの幅d、dはそれぞれ同じ値でなくともよく、第2の領域12及び第4の領域32の屈折率n、nと、それらの幅d、dについても同様であり、それぞれ同じ値である必要はない。また、それぞれの屈折率分布方向に対応させて入射光Rを等しい角度で分岐させる場合は、n=n 、n=n、d=d、d=dとする必要があるが、分岐角度を変えたい場合には屈折率と幅を適宜異ならせることで調整が可能である。ここで、屈折率の変更は露光時の光出力や露光時間などで調整が可能であり、幅の変更は光の波長や2光束の相対角度などで調整が可能である。
この偏光分離素子21を製造するには、例えば、図3に示すように光の照射により屈折率が変化する感光性材料10Aに2光束L、Lを入射し上記材料中で干渉縞20を発生させ、該干渉縞20と上記材料を反応させることで、干渉縞20に対応した周期的な屈折率分布(一方の周期的な屈折率分布)を形成する工程後、図7に示すように感光性材料10Aを図示上下方向に延びる軸の周りに所定角度(180度の整数倍を除く)回転させることで光の入射方向を変えて再度2光束L、Lを入射し上記材料中で干渉縞を発生させ、該干渉縞と上記材料を反応させることで、干渉縞に対応した周期的な屈折率分布(他方の周期的な屈折率分布)を形成する工程を1回以上行うことで多重露光し、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体から構成された構造複屈折体30が得られる。
また、上記の偏光分離素子の製造方法においては、感光性材料を複数回露光していたが、光束の数を増やし、かつ、これら光束の方向を複数方向とすることで一括で複数方向の屈折率分布を形成する方法でも本実施形態の偏光分離素子21を製造できる。
また、上記感光性材料に複数方向の光を入射させる際、各方向において入射光の波長を変更し、複数の方向に周期的な屈折率分布を形成するとともに複数の方向の周期的な屈折率分布が周期的な屈折率の間隔が異なる感光性材料からなる基体を作製するようにしてもよい。
本実施形態の偏光分離素子は、同じ感光性材料からなる基体中に複数方向の屈折率分布を形成してなる構造複屈折体から構成されたものであるので、図6に示すように同図の左方から所定の方向、言い換えれば、Z方向にそって光Rが入射すると、光学的な複屈折性が発生し、入射光Rは互いに偏波が直交する常光Eと、異常光Ee1、Ee2に分離する。
本実施形態の偏光分離素子によれば、コスト高となることがなく、容易に製造でき、かつ1枚で複数方向に光を分離できる。
図8は、上記のような構成の偏光分離素子21を光学的ローパスフィルタに用いた例を示す図である。図8中、符号35はCCDカメラ、符号36はCCDカメラ35の前方に設けられたレンズであり、これらCCDカメラ35とレンズ36の間に本実施形態の偏光分離素子21が光学的ローパスフィルタとして設けられている。ここでの偏光分離素子21は、入射面10a側がレンズ36側になるように配置されている。
本実施形態の偏光分離素子21が設けられたCCDカメラ35によれば、偏光分離素子が1枚しか設けられていなくても、周期的に並んだ構造の受光部に起因するモアレ縞をぼかすことができ、良好な画像が得られる。
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態の偏光分離素子の構造を模式的に示す断面図である。
第3の実施形態の偏光分離素子41が、第2の実施形態の偏光分離素子21と異なるところは、感光性材料からなる基体からなる構造複屈折体50に、基体面の法線に対してそれぞれ角度が異なる複数の方向(図面では2方向)の周期的な屈折率分布が形成されている点である。
詳しくは、上記感光性材料からなる基体には、第1や第2の実施形態と同様に一方の方向に低屈折率の第1の領域11と、高屈折率の第2の領域12とが交互に形成され、さらに他方の方向に低屈折率の第3の領域51と、この第3の領域より屈折率が高い第4の領域2とが交互に形成され、これら2方向の周期的な屈折率分布の方向が基体面の法線に対してそれぞれ角度が異なるものである。
第3の実施形態の偏光分離素子41の製造方法が、第2の実施形態の偏光分離素子21の製造方法と異なるところは、上記感光性材料に入射させる複数方向の光は各方向において入射角度を変更する点である。例えば、図10に示すように上記他方の周期的な屈折率分布を形成するために感光性材料10Aに入射させる2光束LとLのうち少なくとも一方の入射角度を、上記一方の周期的な屈折率分布を形成するために感光性材料に入射させた2光束L、Lの入射角度と異なるようにすればよい。
本実施形態の偏光分離素子41は、上記のような構成としたことにより、基体面の法線に対して複数の角度を成す周期構造が形成されていることとなり、角度が変わることにより複屈折性も変化するので、偏光分離角度を異ならせることができ、光学的ローパスフィルタとして用いた場合にモアレ縞を効果的にぼかすことができる。
なお、複数の方向の周期的な屈折率分布を形成する場合に、本実施形態で説明したように感光性材料に入射させる光束の角度を異ならせる方法と、第2の実施形態(図7参照)で説明したように感光性材料に入射させる光束の入射方向を変化させる方法とを組み合わせるようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態の偏光分離素子の構造を模式的に示す斜視図。 図1の偏光分離素子を示す断面図。 第1の実施形態の偏光分離素子の製造方法を説明するための図。 第1の実施形態の偏光分離素子のその他の製造方法を説明するための図。 本発明の第2の実施形態の偏光分離素子の構造を模式的に示す斜視図。 図5の偏光分離素子を示す断面図。 第2の実施形態の偏光分離素子の製造方法を説明するための図。 第2の実施形態の偏光分離素子が光学的ローパスフィルタとして備えられた映像光学系を模式的に示す図。 第3の実施形態の偏光分離素子の構造を模式的に示す断面図。 第3の実施形態の偏光分離素子の製造方法を説明するための図。 従来の偏光分離素子を模式的に示す断面図。
符号の説明
1,21,41・・・偏光分離素子、10,30,50・・・構造複屈折体、11・・・第1の領域、12・・・第2の領域、20・・・干渉縞、31,51・・・第3の領域、32,52・・・第4の領域、35・・・CCDカメラ、36・・・レンズ、10a・・・入射面、 10b・・・出射面、10c・・・第1の領域と第2の領域との界面に平行な方向、10A・・・感光性材料、E・・・常光、E・・・異常光、L,L・・・光束、R・・・入射光、t・・・厚み、φ・・・偏光分離角、θ・・・交差角。

Claims (13)

  1. 周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体を有し、該基体には少なくとも一対の面が設けられ、前記一対の面のうち一方の面内が光の入射位置とされ、他方の面内が光の出射位置とされた構造複屈折体からなること特徴とする偏光分離素子。
  2. 前記周期的な屈折率分布の方向が前記基体面の法線に対して斜めとなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の偏光分離素子。
  3. 前記感光性材料からなる基体には、周期的な屈折率分布が複数の方向にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光分離素子。
  4. 前記複数の方向の周期的な屈折率分布の方向は、基体面の法線に対してそれぞれ角度が異なるものであることを特徴とする請求項3に記載の偏光分離素子。
  5. 前記複数の方向の周期的な屈折率分布は、それぞれ周期的な屈折率の分布の間隔が異なるものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の偏光分離素子。
  6. 反射防止膜が備えられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の偏光分離素子。
  7. 可視光を透過するバンドパスフィルタ層が備えられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の偏光分離素子。
  8. 光の照射により屈折率が変化する感光性材料に2光束を入射し前記材料中で干渉縞を発生させ、該干渉縞と前記材料を反応させることで、干渉縞に対応した周期的な屈折率分布を有する感光性材料からなる基体を作製する工程を備えることを特徴とする偏光分離素子の製造方法。
  9. 前記周期的な屈折率分布の方向と傾斜した法線を有し、かつそれぞれ光の入射位置及び出射位置となる面を少なくとも一対形成することを特徴とする請求項8記載の偏光分離素子の製造方法。
  10. 前記感光性材料に2光束を入射し、周期的な屈折率分布を形成する工程後、光の入射方向を変えて再度2光束を入射する工程を1回以上行うことで多重露光し、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体を作製することを特徴とする請求項8又は9に記載の偏光分離素子の製造方法。
  11. 前記感光性材料に複数方向の光を一括入射し露光することで、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成された感光性材料からなる基体を作製することを特徴する請求項8又は9に記載の偏光分離素子の製造方法。
  12. 前記感光性材料に入射させる複数方向の光は各方向において入射角度を変更することにより、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成されるとともに複数の方向の周期的な屈折率分布の方向がそれぞれ基体面の法線に対してそれぞれ角度が異なる感光性材料からなる基体を作製することを特徴とする請求項10又は11に記載の偏光分離素子の製造方法。
  13. 前記感光性材料に入射させる複数方向の光は各方向において波長を変更することにより、複数の方向に周期的な屈折率分布が形成されるとともに複数の方向の周期的な屈折率分布は周期的な屈折率の間隔が異なる感光性材料からなる基体を作製することを特徴とする請求項10又は11に記載の偏光分離素子の製造方法。
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