JP4350341B2 - 光学系及び露光装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子、液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される投影露光装置に関し、特に、投影光学系を構成するレンズエレメントが有する複屈折の影響を高精度に補正することが可能な投影光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
ArF、Fの投影露光装置では、透過率、耐久性の観点から、レンズ材料として蛍石の使用が必須となる。製造時に内部応力が残存していると、その影響で複屈折が発生し光学的に悪影響を与えるため、完全な単結晶を目指して細心の注意を払って製造される。ところが内部応力が完全にゼロであっても、結晶構造に起因する複屈折、いわゆる真性複屈折(intrinsic birefringence)が無視できない量だけ発生することが、ジェイ・エイチ・バーネット(J.H.Burnett)らによって、カリフォルニア州デイナポイント、2001年5月14〜17日、157nmリソグラフィに関する第2回国際シンポジウム(2nd International Symposium on 157nm Lithography, 14−17 May 2001、 Dana Point、CA)にて発表された。(発表タイトル: Intrinsic Birefringence in 157 nm Materials)。更に、カリフォルニア州サンフランシスコ、2001年7月18日、フッ化カルシウム複屈折ワークショップ、セマテック(SEMATECH Calcium Fluoride Birefringence Workshop、18 July 2001、 San Francisco、 CA)においては、ジェイ・エイチ・バーネットを含め複数の機関から真性複屈折に関する測定結果の報告があり,複屈折の大きさとして,ArFエキシマレーザの波長193nm(以下、「ArF波長」と言う。)では3.4nm/cm、Fエキシマレーザの波長157nm(以下、「F波長」と言う。)では12nm/cmにも達することが明らかになっている。
【0003】
蛍石の結晶軸は図9に示す通りである。結晶軸としての[1 0 0]軸、[0 1 0]軸及び[0 0 1]軸は互いに入れ替えて考えることが可能であり、結晶としては立方晶系に属する。そのため真性複屈折の影響を無視すれば、光学的な特性は等方的、即ち、結晶中を光束が進む向きによって光学的な影響が変化することはないことが知られている。
【0004】
蛍石の真性複屈折は図10と図11によって説明される。まず図10は結晶中の光線方向に応じた複屈折の大きさを表す。[1 1 1]軸、[1 0 0]軸、[0 1 0]軸及び[0 0 1]軸方向に進行する光束に対しては複屈折量がゼロとなる。しかし、[1 0 1]軸、[1 1 0]軸及び[0 11]軸方向に進行する光束に対しては複屈折量が最大となり、その大きさが、例えば、F波長では12nm/cmに達する。図11は光線方向に応じた複屈折の進相軸分布を表すものである。そのような結晶で光学系を構成した場合、像の形成に寄与する波面が入射光の偏光方向によって変化し、近似的には2つに分かれた波面が二重の像を形成する。そのため真性複屈折によって、光学系としての結像特性が大きく劣化するという結果になる。
【0005】
上で述べたように真性複屈折の影響は結晶内部の光束の進行方向によって変化するが、同時に複数の結晶を組み合わせることにより真性複屈折の影響を補正することが可能となる。第1の結晶に対して進相軸方向に偏光して入射した光束に対して、第2の結晶では遅相軸方向に入射するように結晶軸の向きを調整すれば、2つの結晶を透過した後の光束は、波面の進みと遅れがキャンセルさせることになる。蛍石を投影露光装置の光学系に用いる場合、従来は例外なく[1 1 1]結晶軸を光学系の光軸に一致させていた。[1 1 1]軸を光学系の光軸に一致させた上で、結晶の光軸周りの角度を調整することによって真性複屈折の影響を補正する方法は、カリフォルニア州デイナポイント、2001年5月14〜17日、157nmリソグラフィに関する第2回国際シンポジウムの時点でジェイ・エイチ・バーネットらによって開示されている。
【0006】
しかしながら、投影露光装置としての結像性能を実現するには上記の方法では不十分であり、本出願人は、特許出願番号2001−244970において、真性複屈折の影響を更に高精度に補正するのに有効な方法を開示している。図12に、その典型的な実施形態を示す。同図中、101乃至105は光学系を構成するレンズエレメント、106は絞り、110は光学系の光軸を表す。[1 1 1]結晶軸を光軸方向とした場合、高NAの光学系において光軸と大きな角度を有する光束に対する複屈折の補正が行えないという問題を、本出願人は、光軸方向に[1 0 0]軸又は[1 0 1]軸を用いることによって解決した。特に、[1 0 1]軸を光軸方向とした2枚のレンズエレメントに対して、光軸周りの角度を90度ずらすことによって高NA光束に対して高度な複屈折補正が可能であることを開示している。また、[1 0 0]軸を光軸に合わせる構成も有効な複屈折補正が可能であることが確認されている。図12に示す構成は、光軸に対する光束拡がりの範囲の小さな部分、即ち、エレメント102〜104に対しては、従来通り、[1 1 1]軸を光軸110に平行とする配置を使用し、一方、光軸に対する光束拡がりの範囲が大きな部分、即ち、エレメント101及び105に対しては、[1 0 1]軸又は[1 0 0]軸を光軸110に平行とする配置を使用している。その上で、それぞれのエレメントに関して、光軸110周りの角度を最適に設定することで,光学系全体を通して真性複屈折の影響を高精度に補正している。光軸周りの回転角度の決定にはコンピュータによる最適設計が可能であり、現在では、設計上は真性複屈折の影響が無視可能な組み合わせが得られるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記最適設計では、結晶の[1 1 1]軸、[1 0 0]軸及び[1 01]軸の何れかが完全に光学系の光軸に一致することが前提になっている。一方、蛍石の単結晶は、レンズ形状への加工を容易にするために、図13に示すように、円盤状に成長される。ここで、円盤上下面が[1 1 1]軸、[1 00]軸又は[1 0 1]軸方向に垂直となるように結晶成長がなされるが、その角度を完全に制御することは困難であり、成長後の結晶軸は、円盤表面に対する垂線、即ち、円盤の回転対称軸から数度傾いた状態になってしまうことが多々ある。図13は、[1 1 1]軸が対称軸から傾いた状態を示している。そのため、設計通りに光軸回りの角度を調整してレンズの組み立てを行ったとしても、真性複屈折の影響が光学特性として多少なりとも残存してしまうことになる。結晶軸の傾きを考慮した上で再度最適設計を行うことも可能ではあるが、当然計算のプロセスは非常に複雑なものになってしまう。更にその場合に、真性複屈折の影響が結晶軸の傾きを考える前の状態まで補正可能な解が存在するかは疑わしい。
【0008】
そこで、本発明は、光学系を組み立てた後に光学系に残存する真性複屈折の影響を補正することによって結像製の劣化となる収差を低減して所望の光学性能をもたらす光学系、露光装置を提供する
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明の一側面としての光学系は、物体面にある物体の像を像面に投影する光学系において、真性複屈折を示す結晶材料を成分とする複数の光学素子を有し、前記真性複屈折の影響を小さくするように前記光学系の光軸に対する各光学素子の結晶軸の配置が決められている主光学系と、真性複屈折を示す結晶材料を成分とし、前記光学系の光軸回りに回転可能な光学素子を有し、前記主光学系に残存する真性複屈折の影響を補正する補正光学系とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した露光装置用投影レンズの構成概略を示す。物体面には回路パターンの描かれたレチクル、像面にはレジストが塗布されたウェハが配置され、不図示の照明光学系からの光束によって、回路パターンの像がレジストに転写される。図中1から5、及び、7から9が光学系を構成するエレメント(本実施形態ではレンズ)、6が絞り、そして10が光学系の光軸である。ここでエレメントは全て蛍石(フッ化カルシウム)、そして照明光はFエキシマレーザーからの波長157nmのレーザ光である。この場合、前述の通り最大11.8nm/cmの真性複屈折が発生する。実際の露光装置用投影光学系には20枚を超えるエレメントが使われるとともに、F波長の領域ではミラーも用いられるが、ここでは説明を簡略化するため図1の光学系で一般のFエキシマレーザー用投影光学系を代表させる。
【0020】
ここで光学系をP1、P2の二つの部分に分けて考える。光学系P1はエレメント1からエレメント5によって、光学系P2はエレメント7からエレメント9によって構成される。光学系P1及びP2から構成される全系は、真性複屈折の存在しない状態において、エレメントの面形状、エレメント間隔を変数にとる通常のレンズ設計法により高精度に波面収差が補正されている。
【0021】
光学系P1の部分に関しては、図12を参照して説明したように、[1 1 1]軸、[1 0 0]軸及び[1 0 1]軸の何れかを光軸10の方向に一致させ、更に、光軸10周りの角度を最適化することにより、設計上は真性複屈折の影響が高精度に補正されている。しかしながら実際に組み立てられたレンズでは、上記結晶軸が光軸方向から多少傾くことにより、真性複屈折の影響が発生してしまう。
【0022】
本実施形態においては、光学系P2の部分が光学系P1で発生した真性複屈折の影響を補正する機能を有する。そのため設計段階では、光学系P2の部分も光学系P1の部分と同様に真性複屈折の影響がキャンセルされるように結晶軸の向きが規定される。真性複屈折によって光学系P1で発生する波面収差の特性は、レンズを組み立てた後でないとはっきりしない。そのため光学系P2は、光学系P1で発生した波面収差に応じた補正が可能なように、補正波面の特性、補正量が調整可能な構成となっている。
【0023】
ここで、光学系P2の構成について詳細に説明を行う。光学系P2は、図2に示すように、3枚の平板状エレメント7〜9によって構成されている。本実施形態においては、エレメント7及び8は[1 1 1]軸が光軸と平行、エレメント9は[1 0 0]軸が光軸と平行に配置されている。但し、光学系P2を構成するエレメント7〜9は、かかる配置に限定されず、順序を入れ替えて配置することも可能である。
【0024】
ここで、光軸方向にz軸、z軸に垂直な面内、即ち、各エレメントの表面と平行な面内にx軸、y軸を定めて直交座標系を規定する。そして、エレメント7〜9の配置を図3に示すように定める。エレメント7及び8は、紙面に垂直な方向がz軸となるため、[1 0 0]軸、[0 1 0]軸、[0 0 1]軸をそれぞれxy面に射影したものを、[1 0 0]’軸、[0 1 0]’軸、[0 0 1]’軸として表し、[0 1 0]’軸とy軸の角度θ、θによって結晶軸の向きを規定する。エレメント9に関しては[1 0 0]軸が紙面に垂直となり、y軸と[0 1 0]軸の角度θによって結晶軸の向きを規定する。
【0025】
次に、光学系P1の部分は真性複屈折の影響が補正されて完全に無収差の状態とした場合に、角度θ、θ、θを変化させて光学系P2で発生可能な収差について説明する。説明にはシミュレーションの結果を用いる。計算の条件として、波長λは157nm、そしてエレメント7、8、9の厚さはそれぞれ5.0mm、5.0mm、4.7mmとする。また、偏光に関しては、物体面を照明する光束はx軸方向の直線偏光、そして像面に到達する光束のうち、入射光と同様x軸方向の偏光成分から形成される波面の分布を求める。
【0026】
図4はθ=0°、θ=60°、θ=0°として得られる波面である。この場合、波面収差の最大が0.0003λ程度であり、これは完全に無収差の状態と見なすことができる。それに対して図5は、θ=0°、θ=0°、θ=0°として得られる波面を示す。ここでは、分布の上部では波面が進み、下部では波面が遅れる状態となる。また波面収差の大きさとしては0.02λを超える値が発生されることが分かる。図6はθ=60°、θ=60°、θ=0°として得られる波面を示す。この場合は、波面の発生量は図5と同じであるが、分布内の符号が図5とは反転していることが分かる。分布上部の符号で波面の状態を表現することにすれば、図4は波面収差の発生量ゼロ、図5は波面収差の発生量が正の最大値、図6は波面収差の発生量が負の最大値となる。
【0027】
図5と図6は、エレメント7〜9で発生させることが可能な波面の極限を示す。そしてθ、θ、θの値を調整することにより、上記2つの状態の間の状態を発生させることが可能となる。本実施例では、投影光学系の組み立て時には、エレメント7〜9は図4の状態になっており、エレメント1から5で実際に発生する波面収差に対応して角度θ、θ、θを調整する。そして全てのエレメントを通した状態で、真性複屈折による波面収差が高精度に補正された状態になる。
【0028】
図1では複屈折補正部材としての光学系P2を光学系P1と像面の間の像面の(光学的)直前に配置する構成としたが、図7に示すように、光学系P2を物体面と光学系P1の最も物体側のエレメント1の間の物体面の(光学的)直後に配置する構成、或いは図8に示すように、光学系P2を絞り7の近辺、ここでは絞り7とその前又は後のレンズ系の間に配置する構成も可能である。また、ここでは光学系P2を1組使っていたが、複数組使うことも考えられる。更に、光学系P2を構成する3枚の部材の少なくとも一枚に光軸に関して軸対称な曲面(例えば球面)を設けることもできる。更に、図1の構成を採る場合、光学系P1の最も像側の平行平板9を投影光学系のカバーガラスとして兼用することもできる。
【0029】
以下、図14を参照して、図1、図7又は図8に示す投影光学系を適用した露光装置200について説明する。ここで、図14は、本発明の例示的な露光装置200の概略断面図である。露光装置200は、図14に示すように、照明装置210と、レチクル220と、投影光学系230と、プレート240と、ステージ245とを有する。露光装置200は、ステップアンドリピート方式又はステップアンドスキャン方式でレチクル220に形成された回路パターンをプレート240に露光する走査型投影露光装置である。
【0030】
照明装置210は転写用の回路パターンが形成されたレチクル220を照明し、光源部212と照明光学系214とを有する。
【0031】
光源部212は、例えば、光源としてレーザーを使用する。レーザーは、上述したように、本実施形態では波長約153nmのFエキシマレーザーなどを使用するが、本発明は、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーに適用されることを妨げるものではなく、また、レーザーの種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザーを使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されない。光源部212にレーザーが使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。
【0032】
照明光学系214はマスク220を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系214は、軸上光、軸外光を問わず使用することができる。ライトインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。
【0033】
レチクル220、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル220から発せられた回折光は投影光学系230を通りプレート240上に投影される。プレート240はウェハや液晶基板などの被処理体でありレジストが塗布されている。レチクル220とプレート240とは共役の関係にある。走査型投影露光装置の場合は、マスク220とプレート240を走査することによりマスク220のパターンをプレート240上に転写する。ステッパー(ステップアンドリピート露光方式の露光装置)の場合はマスク220とプレート240を静止させた状態で露光が行われる。
【0034】
投影光学系230には図1、図7又は図8に示す投影光学系が適用される。投影光学系230は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
【0035】
ステージ245はプレート240を支持する。ステージ245は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ245はリニアモータを利用してXY方向にプレート240を移動することができる。レチクル220とプレート240は、例えば、同期走査され、ステージ245と図示しないレチクルステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。ステージ245は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ及び投影光学系230は例えば、鏡筒定盤は床等に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0036】
露光において、光源部212から発せられた光束は、照明光学系214によりレチクル220を、例えば、ケーラー照明する。レチクル220を通過してマスクパターンを反映する光は投影光学系230によりプレート240に結像される。露光装置200が使用する投影光学系230は蛍石からなり、紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を高い透過率で透過すると共に屈折率均質性や複屈折率が少ないので、高い解像度とスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。特に、投影光学系230の光学系P1は、特許出願番号2001−244970に開示されているように、複屈折による影響をある程度良好に補正し、光学系P2が光学系P1によって補正しきれずに投影光学系230の組み立て後に残存する収差を補正する。このような二段階補正によって複屈折の影響を高精度に除去することができる。また、かかる構成は、光学系P1が高解像度に資する高NAであっても複屈折を行うことができる。
【0037】
次に、図15及び図16を参照して、上述の露光装置1を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図15は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0038】
図16は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明を用いると、真性複屈折を有する光学材料で構成した投影光学系の結像特性を極限まで高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の投影光学系の概略断面図である。
【図2】 図1に示す投影光学系の光軸と複屈折補正部材との関係を説明する概略斜視図である。
【図3】 図1に示す複屈折補正部材の結晶軸と光軸との関係を説明するための図である。
【図4】 複屈折による収差発生量が0である状態を示す、図1に示す複屈折補正部材で発生する複屈折分布である。
【図5】 複屈折による収差発生量が正の最大である状態を示す、図1に示す複屈折補正部材で発生する複屈折分布である。
【図6】 複屈折による収差発生量が負の最大である状態を示す、図1に示す複屈折補正部材で発生する複屈折分布である。
【図7】 本発明の第2の実施形態の投影光学系の概略断面図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態の投影光学系の概略断面図である。
【図9】 蛍石結晶の結晶軸を説明するための図である。
【図10】 蛍石における真性複屈折量の分布を示す図である。
【図11】 蛍石における真性複屈折進相軸の分布を示す図である。
【図12】 真性複屈折を補正した投影光学系の概略断面図である。
【図13】 結晶軸が中心軸から傾いた蛍石光学材料を示す概略斜視図である。
【図14】 本発明の露光装置の概略断面図である。
【図15】 本発明の露光工程を有するデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図16】 図15に示すステップ4の詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
1〜5 レンズエレメント
6 光学系絞り
7〜9 複屈折補正部材
10 光軸
200 露光装置
230 投影光学系

Claims (5)

  1. 物体面にある物体の像を像面に投影する光学系において、
    真性複屈折を示す結晶材料を成分とする複数の光学素子を有し、前記真性複屈折の影響を小さくするように前記光学系の光軸に対する各光学素子の結晶軸の配置が決められている主光学系と、
    真性複屈折を示す結晶材料を成分とし、前記光学系の光軸回りに回転可能な光学素子を有し、前記主光学系に残存する真性複屈折の影響を補正する補正光学系とを有することを特徴とする光学系。
  2. 前記主光学系に残存する真性複屈折に起因する波面収差に応じて、前記補正光学系の光学素子の前記光軸回りの回転角度が設定されることによって、前記主光学系に残存する真性複屈折の影響を補正することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記補正光学系は、
    真性複屈折を示す結晶材料を成分とし、[1 1 1]軸が前記光軸方向に配向された2つの光学素子と、
    真性複屈折を示す結晶材料を成分とし、[0 0 1]軸が前記光軸方向に配向された1つの光学素子とを有し、
    前記主光学系に残存する真性複屈折に起因する波面収差に応じて、各光学素子は前記光軸回りの回転角度が設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記補正光学系の各光学素子について、前記光学系の光軸回りの相対的な回転角度を変えることによって、補正量が変化することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
  5. 光源からの光を用いてマスクのパターンの像を基板に投影する露光装置において、
    前記光源からの光を用いて前記マスクを照明する照明光学系と、
    前記マスクのパターンの像を前記基板に投影する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の光学系とを有する露光装置。
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